(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131071
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】タッチパネル内蔵型表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20170508BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20170508BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20170508BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20170508BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
G06F3/041 412
G06F3/041 422
G06F3/044 128
G09F9/30 349Z
G09F9/00 366A
G02F1/1333
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-51958(P2013-51958)
(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-178847(P2014-178847A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2016年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 将也
(72)【発明者】
【氏名】永田 浩司
(72)【発明者】
【氏名】関口 慎司
(72)【発明者】
【氏名】大谷 智彦
【審査官】
山崎 慎一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−008706(JP,A)
【文献】
特開2009−205321(JP,A)
【文献】
特開2009−009574(JP,A)
【文献】
特開2010−250770(JP,A)
【文献】
特開2010−028115(JP,A)
【文献】
特開2010−002958(JP,A)
【文献】
特開2012−226687(JP,A)
【文献】
特開2012−043354(JP,A)
【文献】
特開2012−098687(JP,A)
【文献】
特開2013−178593(JP,A)
【文献】
特開2013−038067(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/033907(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/147917(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/047301(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0309633(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0315859(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0032209(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0050631(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0098782(US,A1)
【文献】
韓国公開特許第10−2013−0013070(KR,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2010−0095886(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G02F 1/1333
G06F 3/044
G09F 9/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板の間に形成された複数の画素電極と、
前記第1基板及び前記第2基板の間に形成された複数のコモン電極と、
前記第1基板に形成された複数の検出電極と、
を有し、
前記複数の画素電極及び前記複数のコモン電極の間に生じる電界を利用した光の制御で画像を表示し、
いずれかの前記検出電極及びいずれかの前記コモン電極の間に形成される電界を遮る物質の有無による静電容量の差によってタッチの有無を検出し、
それぞれの前記検出電極は、前記コモン電極と対向するよう形成された複数の円形の貫通穴を有し、
前記複数の検出電極は、隣同士の間隔をあけて配列され、
隣同士の前記検出電極の間に、電気的にフローティング状態のダミー電極を有し、
前記ダミー電極は、ダミー貫通穴を有することを特徴とするタッチパネル内蔵型表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたタッチパネル内蔵型表示装置において、
前記複数の円形の貫通穴の内側に、電気的にフローティング状態のランド部を有することを特徴とするタッチパネル内蔵型表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたタッチパネル内蔵型表示装置において、
前記ダミー貫通穴の内側に、電気的にフローティング状態のダミーランド部を有することを特徴とするタッチパネル内蔵型表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載されたタッチパネル内蔵型表示装置において、
前記複数のコモン電極は、横方向に延びて隣同士が縦方向に並び、
前記複数の検出電極は、前記縦方向に延びて隣同士が前記横方向に並ぶことを特徴とするタッチパネル内蔵型表示装置。
【請求項5】
第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板の間に形成された複数の画素電極と、
前記第1基板及び前記第2基板の間に形成された複数のコモン電極と、
前記第1基板に形成された複数の検出電極と、
を有し、
前記複数の画素電極及び前記複数のコモン電極の間に生じる電界を利用した光の制御で画像を表示し、
いずれかの前記検出電極及びいずれかの前記コモン電極の間に形成される電界を遮る物質の有無による静電容量の差によってタッチの有無を検出し、
それぞれの前記検出電極は、前記コモン電極と対向するよう形成された複数の円形の貫通穴を有し、
前記複数のコモン電極は、横方向に延びて隣同士が縦方向に第1の間隔の領域をあけて並び、
前記複数の検出電極は、前記縦方向に延びて隣同士が前記横方向に第2の間隔の領域をあけて並び、
前記第1の間隔よりも前記第2の間隔が広く、
前記第1の間隔の前記領域との重なりを避けて前記複数の円形の貫通穴が形成され、
前記第1の間隔の前記領域を挟んで形成される2つの前記円形の貫通穴間の間隔は、前記第1の間隔よりも広いことを特徴とするタッチパネル内蔵型表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル内蔵型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル機器の普及において、人にやさしいグラフィカルユーザインターフェースを支えるタッチパネル技術が重要となってきている。このタッチパネル技術として、静電容量接合方式のタッチパネルが知られており、一般的な静電容量接合方式のタッチパネルでは、ガラス基板の表面に導電コーティング(透明導電膜)が施されたタッチパネル基板を設け、ここに指を触れることで、位置検出を実施している。そして、このタッチパネル基板を液晶表示パネルの表面に取り付け、液晶表示パネルに表示されたメニュー画面を指でタッチすることで、メニューに応じた動作を実施するタッチパネル付き液晶表示パネルも知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−146895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチパネル付き表示パネルでは、一般的に、画像、文字情報を表示する表示パネルの表示領域面上にタッチパネルを重ねて使用されるが、従来のタッチパネル付き表示パネルでは、タッチパネルと、表示パネルをそれぞれ別々に製造し、重ねて組み合わせて最終製品としている。そのため、従来のタッチパネル付き表示パネルでは、別々に製造したタッチパネルと、表示パネルを積み重ねる必要があるため、タッチパネル付き表示パネルが厚くなるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、タッチパネルを内蔵させることにより、従来よりも薄くすることができるタッチパネル内蔵型表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るタッチパネル内蔵型表示装置は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板及び前記第2基板の間に形成された複数の画素電極と、前記第1基板及び前記第2基板の間に形成された複数のコモン電極と、前記第1基板に形成された複数の検出電極と、を有し、前記複数の画素電極及び前記複数のコモン電極の間に生じる電界を利用した光の制御で画像を表示し、いずれかの前記検出電極及びいずれかの前記コモン電極の間に形成される電界を遮る物質の有無による静電容量の差によってタッチの有無を検出し、それぞれの前記検出電極は、貫通穴を有することを特徴とする。本発明によれば、タッチパネルを内蔵しているので、従来のタッチパネル付き表示装置よりも薄くなっている。また、検出電極は、貫通穴を有しているのでエッジが多くなる。そのため、検出電極及びコモン電極の対向領域に形成される電界が減少し、両者の外側から回り込むフリンジ電界が増加する。タッチの有無を検出するにはフリンジ電界が使用される。したがって、フリンジ電界が増加することで、検出感度を向上させることができる。
【0007】
(2)(1)に記載されたタッチパネル内蔵型表示装置において、前記貫通穴の内側に、電気的にフローティング状態のランド部を有することを特徴としてもよい。
【0008】
(3)(1)又は(2)に記載されたタッチパネル内蔵型表示装置において、前記複数の検出電極は、隣同士の間隔をあけて配列され、隣同士の前記検出電極の間に、電気的にフローティング状態のダミー電極を有し、前記ダミー電極は、ダミー貫通穴を有することを特徴としてもよい。
【0009】
(4)(3)に記載されたタッチパネル内蔵型表示装置において、前記ダミー貫通穴の内側に、電気的にフローティング状態のダミーランド部を有することを特徴としてもよい。
【0010】
(5)(1)から(4)のいずれか1項に記載されたタッチパネル内蔵型表示装置において、前記複数のコモン電極は、横方向に延びて隣同士が縦方向に並び、前記複数の検出電極は、前記縦方向に延びて隣同士が前記横方向に並ぶことを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係るタッチパネル内蔵型表示装置の断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るタッチパネル内蔵型表示装置の主要部の分解斜視図である。
【
図3】表示パネルに画像を表示するための回路を示す図である。
【
図5】検出電極とコモン電極との間に形成される電界を示す図である。
【
図6】タッチの有無を検出する作用を説明するための図である。
【
図7】タッチの有無による容量の変化について実施例と従来例を比較する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るタッチパネル内蔵型表示装置の断面図である。
図2は、本発明の実施形態に係るタッチパネル内蔵型表示装置の主要部の分解斜視図である。以下の説明は、液晶表示装置に本発明を適用した例であるが、液晶表示装置以外の表示装置(例えばEL(Electro Luminescence)表示装置)に本発明を適用することも可能である。
【0013】
タッチパネル内蔵型表示装置は、第1基板10及び第2基板12を有する。第1基板10及び第2基板12の間に液晶材料14が配置されている。第1基板10及び第2基板12との間であって液晶材料14を挟む位置にそれぞれ配向膜16が形成されている。
【0014】
第1基板10は、光透過性材料(例えばガラス)からなる。第1基板10は、カラーフィルタ基板であり、図示を省略した着色層及びブラックマトリクスが形成されている。第1基板10には、配向膜16が形成されている。配向膜16は、図示を省略した着色層及びブラックマトリクスの上に形成される。
【0015】
第2基板12は、光透過性材料(例えばガラス)からなる。第2基板12は、薄膜トランジスタ18(Thin Film Transistor)が形成されていることからTFT基板ともよばれる。薄膜トランジスタ18は、ポリシリコンなどの半導体膜20と、半導体膜20を覆うゲート絶縁膜22と、ゲート絶縁膜22を介して半導体膜20の上方に配置されたゲート電極24と、ゲート絶縁膜22を貫通して半導体膜20に電気的に接続するソース電極26及びドレイン電極28と、を含む。
【0016】
ソース電極26及びドレイン電極28の一方は、画素電極30に電気的に接続されている。また、絶縁膜32を介して画素電極30とは異なる層位置にコモン電極34が形成されている。
図1の例では、コモン電極34の上方(第2基板12から離れた側)に画素電極30が位置しているが、上下逆の配置であってもよい。
【0017】
以上の部品から液晶表示パネル36が構成される。複数の画素電極30及び複数のコモン電極34の間に生じる電界を利用した光の制御で画像を表示する。本実施形態では、画素電極30及びコモン電極34の間に形成される電界で液晶材料14を駆動する。画素電極30及びコモン電極34は第2基板12に形成されているので、画素電極30及びコモン電極34の間に形成される電界は横電界である。あるいは、画素電極30を第2基板12に形成し、コモン電極34を第1基板10に形成し、縦電界によって液晶材料14を駆動してもよい。いずれの構成であっても、画素電極30及びコモン電極34は、第1基板10及び第2基板12の間に配置される。
【0018】
タッチパネル内蔵型表示装置は、第1基板10に形成された検出電極38を有する。
図1の例では、第1基板10の、液晶材料14とは反対側の面に検出電極38が配置されている。
図2に示すように、複数のコモン電極34が、横方向に延びて隣同士が縦方向に並ぶ。
【0019】
検出電極38及びコモン電極34の間に形成される電界を遮る物質の有無による静電容量の差によってタッチの有無を検出する。詳しくは、検出電極38とコモン電極34にそれぞれ異なる電圧を印加して両者間(詳しくは対向領域の外側)に電界(フリンジ電界)を形成する。検出電極38及びコモン電極34の間に形成される電界を遮る物質(例えば指40)の有無による静電容量の差によってタッチの有無を検出する。つまり、第1基板10、検出電極38及びコモン電極34によってタッチパネル42が構成される。タッチパネル42には、粘着層44を介してフロントパネル46が貼り付けられて補強されている。
【0020】
本実施形態によれば、タッチパネル42が内蔵されているので、装置を従来よりも薄くすることができる。また、液晶表示パネル36及びタッチパネル42は、第1基板10を共有するので、両者の重ね合わせずれ対策が必要ない。
【0021】
第1基板10は、長方形の平面形状を有し、長辺に沿った縦方向に複数の検出電極38が延びている。第1基板10には、検出電極38と外部との電気的接続のためにフレキシブル配線基板48が取り付けられている。第2基板12には、液晶の駆動回路を内蔵する集積回路チップ50が搭載されており、外部との電気的接続のためにフレキシブル配線基板52が取り付けられている。
【0022】
図3は、液晶表示パネル36に画像を表示するための回路を示す図である。画像表示領域56には画素電極30が形成されている。複数の画素電極30によって画素が形成されるので、複数の画素電極30を囲む領域が画像表示領域56である。画像表示領域56には、コモン電極34が形成されている。コモン電極34は基準電位(例えばGND)に設定され、画素電極30には、画素の明るさに応じた電圧が印加される。画素電極30とコモン電極34の間に生じる電界を利用した光の制御(例えば液晶材料14の駆動)で画像が表示される。
【0023】
コモン電極34は共通配線58に電気的に接続し、画素電極30は、信号線60に電気的に接続されている。画素電極30と信号線60との間にスイッチング素子62(例えば
図1に示す薄膜トランジスタ18)が接続されており、画素電極30と信号線60の電気的な導通及び遮断を行えるようになっている。スイッチング素子62は、図示しない走査回路から引き出された走査線64に接続されており、走査線64に入力される走査信号によって駆動(オン/オフ)される。
【0024】
図4は、検出電極38の詳細を示す平面図である。複数の検出電極38は、縦方向に延びて隣同士が横方向に並ぶ。なお、破線で示す複数のコモン電極34は、横方向に延びて隣同士が縦方向に並ぶ。複数の検出電極38は、隣同士の間隔をあけて配列されている。間隔をあけることでフリンジ電界を大きくすることができる。検出電極38は、貫通穴38aを有する。検出電極38は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの可視光の透過率が高い導電材料から形成されているが、膜厚が厚くなると外部から視認されやすい。そこで、検出電極38に貫通穴38aを形成することで、検出電極38を視認しにくくして、画像を見やすくしてある。
【0025】
隣同士の検出電極38の間に、ダミー電極54が配置されている。検出電極38とダミー電極54の間には隙間があいている。
図4の例では、隣同士の検出電極38の間に、その間隔方向に間隔を相互にあけて複数のダミー電極54が並んでいる。また、検出電極38が延びる方向(縦方向)にも、間隔をあけて複数のダミー電極54が並んでいる。ダミー電極54は検出電極38と同じ材料で形成する。ダミー電極54を検出電極38の間に配置することでも、検出電極38を視認しにくくすることができ、これにより画像を見やすくすることができる。
【0026】
ダミー電極54は電気的にフローティング状態である。つまり、ダミー電極54は、GNDなどの基準電位に接続されることもなく、検出電極38や他の配線にも接続されない。ただし、必要に応じて、ダミー電極54をGNDなどの基準電位に接続してもよい。複数のダミー電極54が隣同士の間隔をあけて配列されている。ダミー電極54は、ダミー貫通穴54aを有する。ダミー電極54を配置することで、導電体の存在しない領域が狭くなるのでフリンジ電界が小さくなるが、ダミー貫通穴54aを形成するのでフリンジ電界の減少量は少ない。また、ダミー貫通穴54aを形成することで、ダミー電極54が視認しにくくなり、画像が見やすくなる。
【0027】
図5は、検出電極38とコモン電極34との間に形成される電界を示す図である。検出電極38とコモン電極34との対向領域(対向面の間)には、電気力線で示すように電界(通常電界)が生じる。また、検出電極38とコモン電極34との対向領域を避けて、電気力線で示すようにフリンジ電界が生じる。フリンジ電界は、検出電極38のエッジとコモン電極34の間に多く分布する。検出電極38は、貫通穴38aを有しているのでエッジが多くなる。そのため、検出電極38及びコモン電極34の対向領域に形成される通常電界が減少し、両者の外側から回り込むフリンジ電界が増加する。
【0028】
図6は、タッチの有無を検出する作用を説明するための図である。タッチの有無を検出するにはフリンジ電界が使用される。例えば、指によるタッチがあると、指40がGNDになってフリンジ電界を遮蔽する。これにより、検出電極38とコモン電極34の間に形成される容量が減少するので、その減少(容量差)を検出することでタッチの有無を検出することができる。
【0029】
本実施形態では、上述したように、検出電極38に貫通穴38aが形成されているので、フリンジ電界が増加している。タッチがあると、増加したフリンジ電界が遮蔽されるので、大きく容量が減少する。したがって、タッチの検出感度を向上させることができる。
【0030】
図7は、タッチの有無による容量の変化について実施例と従来例を比較する図である。T
1からT
2の期間でタッチがあり、容量の変化をグラフに示してある。従来例と比較して、実施例では、タッチの有無による容量の変化(容量差)が大きいことが分かる。実施例では、例えば、容量がC
1よりも小さくなったことを検出したときにタッチが有るものと判断し、容量がC
2よりも大きくなったことを検出してタッチが無いものと判断するように回路を設計する。C
1とC
2に差を設けることで誤作動を防止しており、その差を大きくするほど誤作動しにくい。実施例では、タッチの有無による容量の変化(容量差)が大きいので、C
1とC
2の差を大きくすることができる。これにより、タッチの有無を誤って認識する誤作動を防止することができる。
【0031】
図8は、本実施形態の変形例1を示す図である。この例では、検出電極138は、貫通穴138aの内側に、電気的にフローティング状態のランド部166を有する。ランド部166を設けることで、貫通穴138aを視認しにくくすることができ、これにより画像を見やすくすることができる。
【0032】
図9は、本実施形態の変形例2を示す図である。この例では、ダミー電極254は、ダミー貫通穴254aの内側に、電気的にフローティング状態のダミーランド部266を有する。ダミーランド部266を設けることで、ダミー貫通穴254aを視認しにくくすることができ、これにより画像を見やすくすることができる。
【0033】
図10は、本実施形態の変形例3を示す図である。この例では、ダミー電極を無くして、隣同士の検出電極338の間隔を狭くしてある。検出電極338の間隔を狭くするため、検出電極338の幅を大きくして低抵抗化することが可能である。また、間隔が狭いため、検出電極338が視認しにくくなっており、これにより画像が見やすくなっている。なお、隣同士の検出電極338の間隔を狭くすることで電気力線が通る領域が狭くなるので、隣同士の検出電極338の間を通るフリンジ電界は弱くなるとしても、貫通穴338aが形成してあることでフリンジ電界を増加させている。
【0034】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0035】
10 第1基板、12 第2基板、14 液晶材料、16 配向膜、18 薄膜トランジスタ、20 半導体膜、22 ゲート絶縁膜、24 ゲート電極、26 ソース電極、28 ドレイン電極、30 画素電極、32 絶縁膜、34 コモン電極、36 液晶表示パネル、38 検出電極、38a 貫通穴、40 指、42 タッチパネル、44 粘着層、46 フロントパネル、48 フレキシブル配線基板、50 集積回路チップ、52 フレキシブル配線基板、54 ダミー電極、54a ダミー貫通穴、56 画像表示領域、58 共通配線、60 信号線、62 スイッチング素子、64 走査線、138 検出電極、138a 貫通穴、166 ランド部、254 ダミー電極、266 ダミーランド部、338 検出電極、338a 貫通穴。