特許第6131103号(P6131103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131103
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】車両用ハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 79/22 20140101AFI20170508BHJP
   E05B 85/12 20140101ALI20170508BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   E05B79/22 A
   E05B85/12 B
   B60J5/04 H
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-109690(P2013-109690)
(22)【出願日】2013年5月24日
(65)【公開番号】特開2014-227758(P2014-227758A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
(74)【代理人】
【識別番号】100128864
【弁理士】
【氏名又は名称】川岡 秀男
(72)【発明者】
【氏名】上村 勇
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宣明
(72)【発明者】
【氏名】井ヶ田 誠
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−96131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 79/22
B60J 5/04
E05B 85/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルベースに回転操作自在に連結される操作部と、
先端に連結部を備えたインナーケーブルをアウターケーブル内に摺動自在に挿入して形成され、インナーケーブルの連結部を操作部に開設されたケーブル連結孔に嵌合して操作部への操作力を車両側のドアロック装置に伝達するケーブル装置と、
アウターケーブルの先端に連結され、インナーケーブルの連結部を移動自在に保持して前記ハンドルベースに装着される連結補助具とを有し、
前記インナーケーブルは、連結補助具の装着操作に伴って連結部の自由端からケーブル連結孔に嵌合するとともに、連結補助具に形成された規制壁により嵌合脱離方向への移動が規制される車両用ハンドル装置。
【請求項2】
前記インナーケーブルの連結部は、ケーブル連結孔への嵌合端に対する反対端が規制壁に形成されるガイド孔に抜去不能、かつ、移動自在にガイドされる請求項1記載の車両用ハンドル装置。
【請求項3】
前記連結補助具はハンドルベースに沿ったスライド操作によりハンドルベースに弾発係止されて連結される請求項1または2記載の車両用ハンドル装置。
【請求項4】
前記ハンドルベースには、複数の操作部が連結されるとともに、
各操作部に連結されるケーブル装置が単一の連結補助具に連結され、
連結補助具のハンドルベースへの装着操作に伴って各ケーブル装置のインナーケーブルが対応する操作部のケーブル連結孔に連結される請求項1、2または3記載の車両用ハンドル装置。
【請求項5】
前記連結補助具はカバー形状に形成されてハンドルベースに開設される操作部の挿通開口を閉塞し、ハンドルベースと共働してハンドルベースの表面領域をドア内空間から離隔する請求項1、2、3または4記載の車両用ハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ハンドル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のドアに装着される車両用ハンドル装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
この従来例において、ハンドル装置はハンドルベースにロックノブ、およびインナドアハンドル(操作部)が回転自在に連結されて構成される。各操作部に形成される係合部にはケーブル装置のインナーケーブルの先端が係止されており、操作部への回転操作力はインナーケーブルを経由してラッチ・ロックユニットに伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-97476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来例において、インナーケーブルの係合部への係合は、操作部の操作中における脱落を防止可能な状態で行われる必要があるために係合操作性が悪くなり、組立操作性が悪いという問題がある。
【0006】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、ケーブル装置の連結操作性を向上させたハンドル装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば上記目的は、
ハンドルベース1に回転操作自在に連結される操作部2と、
先端に連結部3を備えたインナーケーブル4をアウターケーブル5内に摺動自在に挿入して形成され、インナーケーブル4の連結部3を操作部2に開設されたケーブル連結孔6に嵌合して操作部2への操作力を車両側のドアロック装置7に伝達するケーブル装置8と、
アウターケーブル5の先端に連結され、インナーケーブル4の連結部3を移動自在に保持して前記ハンドルベース1に装着される連結補助具9とを有し、
前記インナーケーブル4は、連結補助具9の装着操作に伴って連結部3の自由端からケーブル連結孔6に嵌合するとともに、連結補助具9に形成された規制壁10により嵌合脱離方向への移動が規制される車両用ハンドル装置を提供することにより達成される。
【0008】
車両用ハンドル装置はハンドルベース1に操作部2を回転自在に連結して形成され、操作部2へのケーブル装置8の連結は、予めケーブル装置8の先端部に装着された連結補助具9をハンドルベース1に連結することにより行われる。
【0009】
本発明において、ケーブル装置8のアウターケーブル5に予め連結された連結補助具9のハンドルベース1への連結操作によってインナーケーブル4の連結部3を操作部2のケーブル連結孔6に嵌合させることができるために、柔軟なワイヤ状のインナーケーブル4の先端に固定された連結部3を直接操作部2のケーブル連結孔6に抜去不能に連結する操作に比して連結の操作性が格段に向上し、しかも、連結補助具9に規制壁10を設けているために、連結部3のケーブル連結孔6からの抜去を確実に防止することができる。
【0010】
また、インナーケーブル4は、連結部3の自由端からケーブル連結孔6に嵌合させて連結されるために、ケーブル連結孔6は周縁が閉じた円孔等として形成することが可能になる。この結果、ケーブル連結孔6の周縁部に形成された切欠部から連結部3をケーブル連結孔6に嵌合する場合に比して、がたつきが小さくなり、がたつきによるストローク損失を少なくすることができる。
【0011】
さらに、ドアロック装置7の動作不良等によりインナーケーブル4に引張力が作用しない状態で操作部2を操作した場合、インナーケーブル4に対して圧縮力が発生してインナーケーブル4が座屈方向に撓むことがある。この場合、切欠部から連結部3をケーブル連結孔6に挿入する構成においては、インナーケーブル4が切欠部に合致すると、連結部3がケーブル連結孔6から脱離する虞があるが、ケーブル連結孔6が閉じた円孔等として形成される場合には、インナーケーブル4の撓み等によるケーブルの脱離を完全に防ぐことが可能になり、動作信頼性が向上する。
【0012】
また、ハンドル装置は、
前記インナーケーブル4の連結部3は、ケーブル連結孔6への嵌合端に対する反対端が規制壁10に形成されるガイド孔11に抜去不能、かつ、移動自在にガイドされるように構成することができる。
【0013】
インナーケーブル4は、一旦ケーブル連結孔6に連結されるとケーブル連結孔6の移動軌跡に従って移動するために、格別のガイド部材を要しないが、上述したように連結部3をガイド孔11に連結しておくと、インナーケーブル4のケーブル連結孔6への嵌合までの姿勢を安定させることが可能になる。
【0014】
上記連結補助具9のハンドルベース1への装着は、一旦、連結補助具9の一側端縁をハンドルベース1に係止させた後、係止箇所を中心として回転させるように、種々の方法によることが可能であるが、
前記連結補助具9はハンドルベース1に沿ったスライド操作によりハンドルベース1に弾発係止されて連結されるように構成すると、連結補助具9をハンドルベース1に沿って移動させるだけで該連結補助具9を装着することができるために、装着効率を向上させることができる。
【0015】
また、ハンドルベース1に複数の操作部2が装着されて各々にケーブル装置8が連結されている場合、各ケーブル装置8毎に連結補助具9を装着することも可能であるが、複数のケーブル装置8を単一の連結補助具9に連結するように構成することにより装着作業性を向上させることができる。
【0016】
この場合、
前記ハンドルベース1には、複数の操作部2が連結されるとともに、
各操作部2に連結されるケーブル装置8が単一の連結補助具9に連結され、
連結補助具9のハンドルベース1への装着操作に伴って各ケーブル装置8のインナーケーブル4が対応する操作部2のケーブル連結孔6に連結される車両用ハンドル装置を構成することができる。
【0017】
さらに、ハンドル装置は、
前記連結補助具9はカバー形状に形成されてハンドルベース1に開設される操作部2の挿通開口12を閉塞し、ハンドルベース1と共働してハンドルベース1の表面領域をドア内空間から離隔するように構成することができる。
【0018】
一般に操作部2に連結されるケーブル装置8は、ドア体内を配索されるために、ハンドルベース1には操作部2をドア体内に導くための挿通開口12が開設される。一方、ハンドル装置がインサイドハンドル装置として形成される場合には、上記挿通開口12はドア体内空間とハンドルベース1の表面空間、すなわち室内空間との連結開口ととなるために、ドア内部空間から室内への風等の侵入口となるが、本発明によれば、上述した連結開口が連結補助具9により閉塞されるために、室内への風等の侵入を完全に防止することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ケーブル装置に予め装着した連結補助具をハンドルベースに連結するだけでケーブル装置の操作部への連結が完了するために、組立作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明を示す図で、(a)は正面図、(b)は裏面図である。
図2図1の断面図で、(a)は図1(b)の2A-2A線断面図、(b)は図1(b)の2B-2B線断面図である。
図3】連結補助具を示す斜視図で、(a)はケーブル装置を連結する前を示す図、(b)はインナーケーブルの連結部をガイド孔に連する状態を示す図、(c)はケーブル装置を連結した状態を示す図である。
図4】連結補助具をハンドルベースに連結する状態を示す図で、(a)は斜視図、(b)は連結操作開始時の連結部とケーブル連結孔との位置関係を示す説明図、(c)は嵌合完了時を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1以下に車両のインサイドハンドル装置として構成された本発明の実施の形態を示す。
【0022】
インサイドハンドル装置は、ハンドルベース1に2個の操作部2(操作ハンドル2-1とロックノブ2-2)を回転軸2a周りに回転操作自在に連結して構成され、ハンドルベース1を車両のドアのインナーパネルに固定して使用される。
【0023】
図2に示すように、各操作部2には、インナーケーブル4をアウターケーブル5内に摺動自在に挿入したケーブル装置8が連結される。図2(a)に示すように、操作ハンドル2-1に連結されるケーブル装置8はドアロック装置7のラッチ制御部7aに連結され、該操作ハンドル2-1を図2(a)に示す初期回転位置から矢印A方向に回転操作すると、操作力がインナーケーブル4を介してドアロック装置7のラッチ制御部7aに伝達され、ドアの閉塞状態を維持しているラッチに対する解除動作が行われる。
【0024】
一方、ロックノブ2-2は上記ドアロック装置7のロック制御部7bに連結され、ロックノブ2-2を図2(b)の初期回転位置から矢印A方向に回転操作してロック位置まで回転させると、ロック制御部7bがロック状態に遷移し、以後、上記操作ハンドル2-1によるラッチ制御部7aへの操作が禁止される。
【0025】
上記操作部2に対するケーブル装置8の装着作業性を向上させるために、ケーブル装置8には、連結補助具9が連結される。
【0026】
図3、4に示すように、連結補助具9は、ハンドルベース1の底壁部に開設されてドア体内部に連通する挿通開口12を閉塞可能なボックス形状に形成されており、側壁には2個の金具固定凹部9aが設けられる。
【0027】
一方、図3(a)に示すように、アウターケーブル5の先端には取付金具5aが固定されており、各ケーブル装置8は、アウターケーブル5の取付金具5aを金具固定凹部9aに弾発嵌合させることにより連結補助具9に連結される。
【0028】
また、ケーブル装置8のインナーケーブル4の先端には連結金具13が固定されて、インナーケーブル4の長手方向に対して側方に突出する連結部3が形成される。すなわち、
連結金具13は、インナーケーブル4のケーブル長方向に直交する方向に中心軸を向けた円柱形状の連結部3と、連結部3の一端に突設される連結部3に比して細径の細径円柱部13aと、細径円柱部13aに比して大径で、連結部3に比して小径の円板状のストッパフランジ部13bとを有しており、後述する連結補助具9の規制壁10に連結される。
【0029】
規制壁10は、金具固定凹部9aに固定されたアウターケーブル5に沿うようにして2枚配置されており、各々に上記連結金具13の細径円柱部13aが通過可能で、かつ、ストッパフランジ部13bの径寸法に比して小寸の幅寸法を有するガイド孔11が開設される。ガイド孔11の一方は上記操作ハンドル2-1のケーブル連結孔6の移動軌跡に、他方はロックノブ2-2の移動軌跡に等しい曲率の円弧孔により形成され、図3(b)、(c)に示すように、インナーケーブル4の規制壁10への装着は、ガイド孔11の終端に形成される導入孔11aからストッパフランジ部13bを通過させて行われる。装着状態において連結金具13はガイド孔11にガイドされるようにして移動することができ、この後、連結金具13を装着位置から移動させると、ストッパフランジ部13bと連結部3とによって規制壁10を挟み込んでガイド孔11からの脱離が防止される。
【0030】
以上のように構成される連結補助具9のハンドルベース1への連結は、連結補助具9の底面をハンドルベース1に形成されるスライドガイド面1a上でスライドさせ行われる。図4に示すように、スライドガイド面1aは、操作部2のケーブル連結孔6の中心軸に平行な平面により形成されており、連結補助具9の底面をスライドガイド面上に載せた状態で、操作部2のケーブル連結孔6の中心線と、連結補助具9内のインナーケーブル4の連結金具の中心線とは同一平面上に配置される。
【0031】
また、ハンドルベース1には、位置決め突部1bと係止爪1cとが設けられており、位置決め孔9bを位置決め突部1bに嵌合させた状態で連結補助具9をスライド操作すると、係止爪1cが係止孔9cの周縁部に弾発係止して、以後離脱が規制される。
【0032】
ハンドル装置の操作ハンドル2-1は図示しないスプリングにより、さらに、ロックノブ2-2は操作時の摺動抵抗により各々初期回転位置に保持されているために、操作部2のケーブル連結孔6は所定位置に保持されており、一方、連結金具13のガイド孔11上の位置も、ケーブル装置8の一端をドアロック装置7に連結した状態でドアロック装置7の状態により概ね決定される。
【0033】
したがって、操作部2を所定の初期位置に保持した状態で、且つ、ドアロック装置7を所定の位置に保持して連結補助具9の位置決め孔9bを位置決め突部1bに合致させると、図4(b)に示すように、インナーケーブル4の連結部3の中心軸と操作部2のケーブル連結孔6の中心軸とは一致し、この状態から連結補助具9を位置決め突部1bに沿ってスライドさせると、図4(c)に示すように、連結部3は自由端部からケーブル連結孔6に挿入し、各操作部2に連結され、装着操作が終了した状態でハンドルベース1に開設される挿通開口12が閉塞される。
【0034】
連結補助具9のスライド操作に伴う連結部3の円滑なケーブル連結孔6への挿入を可能にするために、図4(b)に示すように、連結部3の自由端にはテーパ3aが形成されるとともに、ケーブル連結孔6の周囲にはガイドブロック部2bが形成される。
【符号の説明】
【0035】
1 ハンドルベース
2 操作部
3 連結部
4 インナーケーブル
5 アウターケーブル
6 ケーブル連結孔
7 ドアロック装置
8 ケーブル装置
9 連結補助具
10 規制壁
11 ガイド孔
12 挿通開口
図1
図2
図3
図4