(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記仮想マイクロミラー設定部は、前記仮想描画点が、前記1のマイクロミラーに対応する描画点を間に挟んで前記移動機構による前記露光ヘッドに対する前記描画対象の相対位置の移動方向に沿って配列するように、前記1のマイクロミラーに対して少なくとも2つの仮想マイクロミラーを設定する請求項2に記載の露光描画装置。
前記仮想マイクロミラー設定部は、前記仮想描画点が、前記1のマイクロミラーに対応する描画点を間に挟んで前記移動機構による前記露光ヘッドに対する前記描画対象の相対位置の移動方向と交差する方向に沿って配列するように、前記1のマイクロミラーに対して少なくとも2つの仮想マイクロミラーを設定する請求項2に記載の露光描画装置。
前記仮想マイクロミラー設定部は、前記仮想描画点が、前記1のマイクロミラーに対応する描画点を間に挟んで前記移動機構による前記露光ヘッドに対する前記描画対象の相対位置の移動方向およびこれと直交する方向に沿って配列するように前記1のマイクロミラーに対して複数の仮想マイクロミラーを設定する請求項2に記載の露光描画装置。
前記仮想マイクロミラー設定部は、前記複数のマイクロミラーの各々について複数の仮想マイクロミラーを設定する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の露光描画装置。
前記仮想マイクロミラー設定部は、仮想マイクロミラーを設定する1のマイクロミラーに対応する描画点と当該仮想描画点との間の距離と、仮想マイクロミラーを設定する他のマイクロミラーに対応する描画点と当該仮想描画点との間の距離とが異なるように、前記1のマイクロミラーおよび前記他のマイクロミラーに対してそれぞれ仮想マイクロミラーを設定する請求項8に記載の露光描画装置。
入射した光を複数のマイクロミラーのオンオフによって空間変調して描画対象に描画する画像を示す画像データに対応したパターン光を生成し、前記パターン光を前記描画対象に照射する露光ヘッドと、前記露光ヘッドから前記描画対象に前記パターン光を照射している状態において前記露光ヘッドに対する前記描画対象の相対位置を移動させる移動機構と、を含む露光描画装置を用いて前記描画対象に露光描画を行う露光描画方法であって、
前記画像データに基づいて、前記複数のマイクロミラーの各々について当該マイクロミラーのフレーム期間毎のオンオフの状態に対応した複数の論理値を含む第1の制御データを生成するステップと、
前記複数のマイクロミラーの少なくとも1つに対して、当該マイクロミラーに対応する描画点とは異なる位置に少なくとも1つの仮想的な仮想描画点を形成する仮想マイクロミラーを設定するステップと、
前記仮想描画点において前記画像データによって示される画像の当該仮想描画点に対応する部分を描画する場合の当該仮想マイクロミラーのフレーム期間毎のオンオフの状態に対応した複数の論理値を含む第2の制御データを生成するステップと、
前記仮想マイクロミラーが設定されたマイクロミラーに対応する第1の制御データにおけるフレーム期間毎の論理値を、当該仮想マイクロミラーに対応する第2の制御データにおける対応するフレーム期間の論理値との論理演算を行うことによって得られた値によって補正する制御データ補正部と、
補正された第1の制御データに基づいて前記複数のマイクロミラーのオンオフを制御するステップと、
を含む露光描画方法。
コンピュータを、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の露光描画装置における前記制御部、前記第1の制御データ生成部、前記仮想マイクロミラー設定部、前記第2の制御データ生成部および前記制御データ補正部として機能させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態に係る露光描画装置について添付図面を用いて詳細に説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係る露光描画装置1の構成を示す斜視図である。なお、以下では、ステージ10の移動方向をY方向と定め、このY方向に対して水平面で直交する方向をX方向と定める。
【0031】
露光描画装置1は、被露光基板Cを固定するための平板状のステージ10を備えている。ステージ10の上面には、被露光基板Cが載置される領域に、空気を吸引する吸着孔を複数有する吸着機構(図示せず)が設けられている。被露光基板Cは、ステージ10の上面に載置された状態で、吸着機構によって真空吸着されステージ10上に保持される。
【0032】
基体11の上面には、Y方向に沿って2本のガイドレール14が設けられている。ステージ10は、モータ等を含む移動機構46(
図6参照)によって、ガイドレール14上をY方向に沿って移動可能に支持されている。ステージ10上に保持された被露光基板Cは、ステージ10の移動に伴って露光位置まで移動し、露光部16から光ビームが照射されて被露光面に回路パターン等の画像が描画される。
【0033】
基体11の上面には、ガイドレール14を跨ぐようにゲート15が設けられており、ゲート15には、露光部16が取り付けられている。露光部16は、複数の露光ヘッド30を有し、ステージ10の移動経路上に固定配置されている。本実施形態では、露光部16は、例えば2行5列のマトリックス状に配列された10個の露光ヘッド30を有する。露光ヘッド30の各々には、光源ユニット17から引き出された光ファイバ18と、露光ヘッド制御部19から引き出された信号ケーブル20とがそれぞれ接続されている。
【0034】
また、基体11の上面には、ガイドレール14を跨ぐように、ゲート22が設けられている。ゲート22には、ステージ10上に保持された被露光基板Cのアライメントマークを撮影するための2つの撮像部23が取り付けられている。撮影部23は、1回の発光時間が極めて短いストロボを内蔵したCCDカメラ等である。撮影部23の各々は、ステージ10の移動方向(Y方向)に対して垂直な方向(X方向)に移動可能に設置されている。露光描画装置1は、被露光基板Cに画像を描画する際、撮影部23により撮影されたアライメントマークの位置を計測し、計測したアライメントマークの位置に基づいて描画位置を調整する。
【0035】
露光ヘッド30の各々は、反射型の空間光変調素子としてのデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)27(
図2参照)を有し、露光ヘッド制御部19から供給される制御信号によってDMD27が制御され、光源ユニット17から出射される光ビームを空間変調し、外部より供給される描画対象画像を示す画像データに対応した形状に成形されたパターン光を生成する。露光ヘッド30の各々は、生成したパターン光を露光ヘッド30の出射面から出射して被露光基板Cに照射する。露光ヘッド30の各々は、露光ヘッド制御部19から供給される制御信号に応じてDMD27を駆動することにより、所定のフレーム期間毎にパターン光を変化させる。これにより、ステージ10とともにY方向に沿って移動する被露光基板Cに画像データに応じた画像の露光描画が行われる。
【0036】
図2は、DMD27の構成を示す斜視図である。DMD27は、複数のマイクロミラーMが格子状に配列されたミラーデバイスとして構成されている。矩形形状のマイクロミラーMの各々は、被露光基板Cに描画すべき画像を示す画像データに対応したオンオフ情報を一時的に記憶するシリコンゲートのCMOS等からなるSRAMセル(メモリセル)28上にヒンジ及びヨーク(図示省略)を含む支柱により支持されている。各マイクロミラーMの表面は、アルミニウム等の反射率の高い材料で構成されており、光反射面を形成している。
【0037】
SRAMセル28には、描画すべき画像を示す画像データに基づいて生成された、各マイクロミラーMのオン状態またはオフ状態に対応したデジタル信号が書き込まれる。オン状態とされたマイクロミラーMは、一方の角部がSRAMセル28上のランディングパッドに接触するまで対角線を回転軸として反射面が傾けられる。一方、オフ状態とされたマイクロミラーMは、上記一方の角部に対向する角部が他方のランディングパッドに接触するまで対角線を回転軸として反射面が傾けられる。
【0038】
オン状態とされたマイクロミラーMによって反射された光ビームは、図示しない光学系を経由して露光ヘッド30の出射面から出射される。このように、描画すべき画像を示す画像データに基づいて各々のマイクロミラーMの傾き(オンオフ)を制御することによって当該画像に対応したパターン光が生成される。
【0039】
図3は、露光ヘッド30の出射面30aを模式的に示す平面図である。各露光ヘッド30の出射面30aからは、矩形形状のビーム出射エリア32内において、オン状態とされたマイクロミラーMの各々によって反射された複数の光ビーム31が出射される。各露光ヘッド30は、
図3に示すように、矩形形状のビーム出射エリア32がステージ10の移動方向に対して所定の角度だけ傾くように設置されている。すなわち、描画点を形成する光ビーム31の配列方向は、ステージ10の移動方向に対して傾いている。
【0040】
図4は、本実施形態に係る露光描画装置1における露光描画の態様を示す斜視図である。
図5は、本実施形態に係る露光描画装置1によって露光処理される被露光基板Cにおける露光エリアの軌跡を示す平面図である。
図4および
図5に示すように、各露光ヘッド30から照射される光ビームによって形成される露光エリア33は、ステージ10の移動方向(Y方向)に対して傾斜した矩形形状となる。ステージ10の移動に伴い、被露光基板Cの被露光面には複数の露光ヘッド30の各々に対応した複数の帯状の露光済みエリア34が形成される。
【0041】
帯状の露光済みエリア34は、各露光ヘッド30の出射面30aにおいて2次元配列された複数の光ビーム31(
図3参照)によって形成される。また、上記のようにビーム出射エリア32をステージ10の移動方向に対して傾斜させることによって、ステージ10の移動方向に直交する方向(X方向)における光ビーム31の間隔をより狭くすることができ、高解像度化を図ることができる。本実施形態に係る露光描画装置1では、画像データにおける最小幅の描画線を複数(例えば3つ)の光ビーム31によって描画する。なお、傾斜角度の調整のバラツキによって、利用しないドットが存在する場合もある。例えば、
図3では、ハッチングを施した光ビーム31は利用せず、この光ビーム31に対応するマイクロミラーは常にオフ状態とされる。
【0042】
また、
図4および
図5に示すように、帯状の露光済みエリア34のそれぞれが、隣接する露光済みエリア34と部分的に重なるように、ステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)に沿って配列された各行の露光ヘッド30の各々は、X方向に所定間隔ずらして配置されている。このため、たとえば、1行目の最も左側に位置する露光エリア33Aとその右隣に位置する露光エリア33Cとの間の露光できない部分は、2行目の最も左側に位置する露光エリア33Bにより露光される。同様に、露光エリア33Bと、その右隣に位置する露光エリア33Dとの間の露光できない部分は、露光エリア33Cにより露光される。
【0043】
図6は、本発明の実施形態に係る露光描画装置1の機能的な構成を示す機能ブロック図である。露光描画装置1は、上記したステージ10および露光ヘッド30に加えて、ラスター変換処理部42、DMD制御データ生成部50、露光ヘッド制御部19、指示入力部60、移動機構46およびコントローラ44を含んでいる。
【0044】
露光描画装置1は、CAM(Computer Aided Manufacturing)ステーションを有するデータ作成装置40から出力された、被露光基板Cに描画すべき画像を表わすベクトル形式の画像データを取得する。露光描画装置1は、データ作成装置40から取得した画像データに基づいて、露光ヘッド30において当該画像データに応じたパターン光を生成し、該パターン光を露光ヘッド30の各々からステージ10上に保持された被露光基板Cに照射する。コントローラ44の制御の下、露光ヘッド30から出射されるパターン光は、移動機構46によるステージ10の移動に連動するように、所定のフレーム期間毎に更新される。
【0045】
データ作成装置40から出力されたベクトル形式の画像データは、ラスター変換処理部42に入力される。ラスター変換処理部42は、ベクトル形式の画像データをラスター形式の画像データに変換する。ラスター変換処理部42は、ラスター形式の画像データをDMD制御データ生成部50に供給する。
【0046】
DMD制御データ生成部50は、ラスター形式の画像データに基づいて、各露光ヘッド30内に設けられたDMD27の各マイクロミラーMのオンオフを制御するためのDMD制御データを生成する。
【0047】
図7は、DMD制御データ生成部50のより詳細な構成を示すブロック図である。DMD制御データ生成部50は、第1の制御データ生成部51、仮想マイクロミラー設定部52、第2の制御データ生成部53および制御データ補正部54を含んでいる。
【0048】
第1の制御データ生成部51は、ラスター変換処理部42から供給されるラスター形式の画像データに基づいて、各露光ヘッド30内に設けられたDMD27を構成する各マイクロミラーMについて、これらのオンオフタイミングを示す第1の制御データを生成する処理を行う。
【0049】
以下に、第1の制御データについて
図8(a)および
図8(b)を参照しつつ説明する。ここでは、
図8(a)に示すような「F」字型の画像を、単一の露光ヘッド30内に設けられた複数(例えば1024×1024)のマイクロミラーMを用いて露光描画する場合を例に説明する。なお、
図8(a)および
図8(b)には、理解を容易にするために、9つのマイクロミラーM1〜M9と、これらに対応する9つの描画点P1〜P9のみが代表して示されている。以下の説明では、マイクロミラーM1〜M9およびこれらに対応する描画点P1〜P9についてのみ言及する。
【0050】
露光描画が行われる際、ステージ10の移動に伴って、マイクロミラーM1〜M9に対応する描画点P1〜P9は、
図8(a)に示すように、被露光基板Cに対して図中左側から右側に向けて移動するものとする。
図3に示すように、露光ヘッド30における光ビーム31の配列方向は、ステージ10の移動方向に対して傾斜おり、従って、描画点P1〜P9の配列方向もステージ10の移動方向(描画点S1〜S9の進行方向)に対して傾斜している。各描画点P1〜P9において、その配置に応じたタイミングで光ビームが出射されることにより、所望の画像を露光描画することが可能である。
【0051】
第1の制御データ生成部51は、
図8(a)に例示するような「F」字型の画像を示す画像データをラスター変換処理部42から受信すると、描画点P1〜P9に対応するマイクロミラーM1〜M9のオンオフタイミングを計算によって求め、
図8(b)に示すような形態の第1の制御データを生成する。すなわち、第1の制御データは、マイクロミラーM1〜M9のフレーム期間毎のオンオフの状態を示すデータである。
図8(b)において黒く塗りつぶした部分は当該マイクロミラーのオン状態に対応し、白抜きの部分は当該マイクロミラーのオフ状態に対応している。
図8(b)に示す第1の制御データによれば、例えば、マイクロミラーM1およびM9はフレーム期間F1〜F16に亘り常時オフ状態に駆動され、マイクロミラーM3はフレーム期間F9においてオン状態に駆動され、マイクロミラーM5はフレーム期間F6〜F10に亘りオン状態に駆動される。マイクロミラーM1〜M9をこのようなタイミングでオンオフすることにより、
図8(a)に示すような「F」字型の画像が露光描画されることとなる。第1の制御データ生成部51は、予め記憶した各マイクロミラーM1〜M9の座標位置、ステージ10の移動速度および入力された画像データに基づいて、各マイクロミラーM1〜M9のフレーム期間毎のオンオフの状態を算出することにより第1の制御データを生成する。
【0052】
ここで、画像データ上における描画線のエッジの位置と、実際に露光描画される描画線のエッジの位置とが一致しない場合がある。本実施形態に係る露光描画装置1においては、ミラー制御データ補正部54が、第2の制御データ生成部53において生成された第2の制御データに基づいて第1の制御データを補正することにより実際に露光描画される描画線の線幅を増大または減少させ、これによって描画線のエッジ位置を補正することが可能となっている。
【0053】
指示入力部60は、露光描画される描画線の線幅を現状よりも増大または減少すべき指示入力を受け付ける。また、指示入力部60は、描画線の線幅の補正量(増大量および減少量)を指示する指示入力を受け付ける。指示入力部60は、上記指示入力を受け付けるためのキーボード、マウス、GUI等のユーザインターフェースを含んで構成されており、受け付けた指示入力をコントローラ44に通知する。
【0054】
上記指示入力の内容は、コントローラ44を介してDMD制御データ生成部50に通知される。仮想マイクロミラー設定部52は、描画線の線幅を増大または減少すべき指示入力を受け付けたことをコントローラ44から通知されると、各露光ヘッド30内に設けられたDMD27を構成するマイクロミラーMの各々に対して、仮想的なマイクロミラーである仮想マイクロミラーを設定する。すなわち、仮想マイクロミラー設定部52は、DMDを構成する各マイクロミラーMに対して仮想マイクロミラーを仮想配置する。
【0055】
図9は、任意の1の実在のマイクロミラーに対応する描画点と、仮想マイクロミラー設定部52によって設定された仮想マイクロミラーに対応する仮想描画点との配置を例示したものである。仮想マイクロミラー設定部52は、
図9に例示するように、実在のマイクロミラーに対応する描画点Pの周囲に4つの仮想描画点P
V1〜P
V4を形成するように、実在のマイクロミラーの周囲に仮想描画点P
V1〜P
V4にそれぞれ対応する4つの仮想マイクロミラーを設定する。仮想マイクロミラー設定部52は、例えば、
図9に示すように、仮想描画点P
V2およびP
V4が実在のマイクロミラーに対応する描画点Pを間に挟んでステージ10の移動方向(Y方向)に沿って配列するように、仮想描画点P
V2およびP
V4にそれぞれ対応する仮想マイクロミラーを設定するとともに、仮想描画点P
V1およびP
V3が実在のマイクロミラーに対応する描画点Pを間に挟んでステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)に沿って配列するように、仮想描画点P
V1およびP
V3にそれぞれ対応する仮想マイクロミラーを設定する。
【0056】
図10は、
図9に示す描画点Pに対応する実在のマイクロミラーM
Rと、仮想描画点P
V1〜P
V4にそれぞれ対応する仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4との配置を例示した図である。
図10に示すように、仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4は、DMD27を構成する各マイクロミラーの配列から外れた位置に設定され得る。
【0057】
また、仮想マイクロミラー設定部52は、指示入力部60に入力された描画線の線幅の補正量(増大量または減少量)に応じて描画点Pと仮想描画点P
V1〜P
V4との間の距離Lを変化させる。具体的には、仮想マイクロミラー設定部52は、描画線の線幅の増大量または減少量が大きくなる程、描画点Pと仮想描画点P
V1〜P
V4との間の距離Lが大きくなるように、仮想描画点P
V1〜P
V4にそれぞれ対応する仮想マイクロミラーの配置を定める。なお、描画点Pと仮想描画点P
V1〜P
V4との間の距離Lは、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。本実施形態において、仮想マイクロミラー設定部52は、各露光ヘッド30内に設けられたDMD27を構成する全てのマイクロミラーMに対して仮想マイクロミラーを設定する。仮想マイクロミラー設定部52は、設定した仮想マイクロミラーの座標位置を第2の制御データ生成部53に通知する。
【0058】
第2の制御データ生成部53は、仮想マイクロミラー設定部52によって設定された仮想マイクロミラーの座標位置およびラスター形式の画像データに基づいて、仮想マイクロミラー設定部において設定された仮想マイクロミラーのそれぞれについて、これらのオンオフタイミングを示す第2の制御データを生成する。すなわち、第2の制御データ生成部53は、仮想描画点において画像データによって示される画像の当該仮想描画点に対応する部分を描画する場合の、当該仮想マイクロミラーのフレーム期間毎のオンオフの状態を示す第2の制御データを生成する。つまり、第2の制御データは、仮想マイクロミラーが実在するものとした場合に、画像データに基づいて当該仮想マイクロミラーについて設定されるべきオンオフタイミングを示すデータである。従って、仮想マイクロミラー(または仮想描画点)の座標位置が定まれば、画像データに基づいて第2の制御データを算出することが可能である。
【0059】
制御データ補正部54は、描画線の線幅を増大または減少すべき指示入力を受け付けたことをコントローラ44から通知されると、各マイクロミラーについての第1の制御データを、当該マイクロミラーに対して設定された仮想マイクロミラーについての第2の制御データを用いて補正する。
【0060】
ここで、
図11は、任意の1の実在のマイクロミラーM
Rについて生成された第1の制御データと、当該マイクロミラーM
Rについて設定された4つの仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4の各々について生成された第2の制御データの形態を示す図である。なお、4つの仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4は、それぞれ、
図9に示す仮想描画点P
V1〜P
V4に対応するものである。第1の制御データは、フレーム期間F1、F2、F3、F4、・・・毎の実在のマイクロミラーM
Rのオンオフの状態に対応したデータ要素D
1、D
2、D
3、D
4、・・・を含んでいる。すなわち、データ要素D
1〜D
4には、実在のマイクロミラーM
Rのオン状態を示す論理値“1”またはオフ状態を示す論理値“0”が第1の制御データ生成部51によって設定される。
【0061】
第2の制御データは、フレーム期間F1、F2、F3、F4、・・・毎の仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4の各々のオンオフの状態に対応したデータ要素D
1−1、D
2−1、D
3−1、D
4−1・・・;D
1−2、D
2−2、D
3−2、D
4−2・・・;D
1−3、D
2−3、D
3−3、D
4−3・・・;D
1−4、D
2−4、D
3−4、D
4−4・・・を含んでいる。すなわち、データ要素D
1−1〜D
4−1には、仮想マイクロミラーM
V1のオン状態を示す論理値“1”またはオフ状態を示す論理値“0”が第2の制御データ生成部53によって設定される。同様に、データ要素D
1−2〜D
4−2、D
1−3〜D
4−3、D
1−4〜D
4−4には、仮想マイクロミラーM
V2、M
V3、M
V4のオン状態を示す論理値“1”またはオフ状態を示す論理値“0”が第2の制御データ生成部53によって設定される。
【0062】
制御データ補正部54は、描画線の線幅を増大すべき指示入力を受け付けたことをコントローラ44から通知されると、第1の制御データを構成するデータ要素D
1、D
2、D
3、D
4、・・・と、第2の制御データを構成するデータ要素D
1−1、D
2−1、D
3−1、D
4−1・・・;D
1−2、D
2−2、D
3−2、D
4−2・・・;D
1−3、D
2−3、D
3−3、D
4−3・・・;D
1−4、D
2−4、D
3−4、D
4−4・・・との論理和をフレーム期間毎に算出し、算出した値を補正後のマイクロミラーM
Rのオンオフタイミングを示すDMD制御データのデータ要素とする。具体的には、制御データ補正部54は、描画線の線幅の増大が指示されると、第1の制御データにおけるフレーム期間F1のデータ要素D
1と、第2の制御データにおけるフレーム期間F1のデータ要素D
1−1、D
1−2、D
1−3、D
1−4との論理和を演算する。制御データ補正部54は、かかる論理和演算によって得られた値をフレーム期間F1におけるマイクロミラーM
Rのデータ要素とする。同様に、制御データ補正部54は、他のフレーム期間F2、F3、F4、・・・における各データ要素の論理和演算を行うことに得られた値をそれぞれ、フレーム期間F2、F3、F4、・・・におけるマイクロミラーM
Rのデータ要素とする。制御データ補正部54は、このようにして得られたマイクロミラーM
Rのフレーム期間毎のデータ要素の集合を、DMD制御データとして後段の露光ヘッド制御部19に供給する。
【0063】
一方、制御データ補正部54は、描画線の線幅を減少すべき指示入力を受け付けたことをコントローラ44から通知されると、第1の制御データを構成するデータ要素D
1、D
2、D
3、D
4、・・・と、第2の制御データを構成するデータ要素D
1−1、D
2−1、D
3−1、D
4−1・・・;D
1−2、D
2−2、D
3−2、D
4−2・・・;D
1−3、D
2−3、D
3−3、D
4−3・・・;D
1−4、D
2−4、D
3−4、D
4−4・・・との論理積をフレーム期間毎に算出し、算出した値を補正後のマイクロミラーM
Rのオンオフタイミングを示すDMD制御データのデータ要素とする。具体的には、制御データ補正部54は、描画線の線幅の減少が指示されると、第1の制御データにおけるフレーム期間F1のデータ要素D
1と、第2の制御データにおけるフレーム期間F1のデータ要素D
1−1、D
1−2、D
1−3、D
1−4との論理積を演算する。制御データ補正部54は、かかる論理積演算によって得られた値をフレーム期間F1におけるマイクロミラーM
Rのデータ要素とする。同様に、制御データ補正部54は、他のフレーム期間F2、F3、F4、・・・における各データ要素の論理積演算を行うことに得られた値をそれぞれ、フレーム期間F2、F3、F4、・・・におけるマイクロミラーM
Rのデータ要素とする。制御データ補正部54は、このようにして得られたフレーム期間毎のデータ要素の集合を、DMD制御データとして後段の露光ヘッド制御部19に供給する。
【0064】
このように、制御データ補正部54は、第1の制御データの各データ要素を、第1の制御データと第2の制御データをデータ要素毎に論理演算することによって得られた各論理値によって補正する。なお、DMD制御データ生成部50は、描画線の線幅を増加または減少すべき指示入力がない場合には、第1の制御データ生成部51において生成された第1の制御データを補正することなく、これをDMD制御データとして後段の露光ヘッド制御部19に供給する。
【0065】
露光ヘッド制御部19は、コントローラ44の制御の下、DMD制御データ生成部50から供給された各マイクロミラーMのオンオフタイミングを示すDMD制御データに基づいて各露光ヘッド30内に設けられたDMD27の各マイクロミラーMのオンオフを制御する。
【0066】
コントローラ44は、指示入力部60から上記の指示入力等を受信するとともに、ラスター変換部42、移動機構46、DMD制御データ生成部50、露光ヘッド制御部19に制御信号を供給することによって、これらの動作タイミング等を統括的に制御する。
【0067】
なお、本実施形態において、ラスター変換処理部42、DMD制御データ生成部50、露光ヘッド制御部19およびコントローラ44は、
図12に示すようにCPU201と、CPU201において実行される各種プログラムを記憶したROM202(Read Only Memory)と、CPU201における演算処理に供されるデータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)203と、各種データ等を記憶しておくためのHDD204と、を含むコンピュータによって構成されている。
【0068】
図13は、DMD制御データ生成部50として機能するCPU201が、第1の制御データを生成する際に実行する第1の制御データ生成処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。この第1の制御データ生成プログラムは、ROM202に予め記憶されており、例えば、露光描画を開始する際にユーザが、指示入力部60に対して所定の入力操作を行うことにより実行される。
【0069】
ステップS10において、CPU201は、ラスター形式に変換された描画対象画像の画像データをRAM203に取り込む。
【0070】
ステップS11において、CPU201は、第1の制御データを生成する対象となるマイクロミラーM
iを選択する。ここでiはマイクロミラーの識別番号である。
【0071】
ステップS12において、CPU201は、ステップS11において選択したマイクロミラーM
iの座標位置と、ステップS10においてRAM203に取り込んだ画像データに基づいて、当該マイクロミラーM
iのフレーム期間毎のオンオフの状態を示す、
図8(b)または
図11に示すような形態の第1の制御データを生成して、これをHDD204に記憶する。
【0072】
ステップS13において、CPU201は、マイクロミラーの識別番号であるiの値が所定値aと一致しているか否かを判断し、肯定判定の場合には、本ルーチンを終了させ、否定判定の場合には処理をステップS14に移行する。なお、本実施形態において、所定値aは、DMD27を構成するマイクロミラーの数と等しい値とされるが、これに限定されるものではない。
【0073】
ステップS14において、CPU201は、iの値を1つインクリメントして処理をステップS11に戻す。ステップS11〜S14の処理が繰り返されることにより、DMD27を構成する全てのマイクロミラーMについて第1の制御データが生成され、HDD204に記憶される。
【0074】
なお、被露光基板Cに対して第1の制御データに基づいて露光描画を行う際には、CPU201は、移動機構46に対して制御信号を供給することによりステージ10の移動を開始させるとともに、CPU201は、露光ヘッド制御部19として機能して、HDD204から第1の制御データを読み出して、第1の制御データによって示されるオンオフタイミングにて各露光ヘッド30内に設けられたDMD27の各マイクロミラーMのオンオフを制御する。これにより、ステージ10の移動に連動するように各露光ヘッド30から描画パターンに対応したパターン光が出射され、ステージ10上に保持された被露光基板Cの被露光面に画像が描画される。
【0075】
図14は、DMD制御データ生成部として機能するCPU201が、指示入力部60に対する指示入力に基づいて、描画線の線幅を補正する際に実行する補正処理プログラムにおける処理の流れを示すフローチャートである。この補正処理プログラムは、ROM202に予め記憶されており、例えば、ユーザが指示入力部60に対して所定の入力操作を行うことにより実行される。なお、この補正処理プログラムの実行に先立って、上記第1の制御データ生成処理プログラムが実行され、HDD204には、各マイクロミラーMについての第1の制御データが記憶されているものとする。
【0076】
ステップS20において、CPU201は、指示入力部60で受け付けた指示入力の内容をRAM203に記憶する。具体的には、CPU201は、指示入力部60において受け付けた線幅の増大または減少を示す情報および線幅の補正量(増大量または減少量)を示す情報をRAM203に記憶する。
【0077】
ステップS21において、CUP201は、補正処理対象となる第1の制御データに対応するマイクロミラーM
iを選択する。ここでiはマイクロミラーの識別番号である。
【0078】
ステップS22において、CPU201は、ステップS20において選択したマイクロミラーM
iについて、
図9に示すように、当該マイクロミラーM
iに対応する描画点Pの周囲に4つの仮想描画点P
V1〜P
V4が形成されるように、仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4を設定(仮想配置)する。CPU201は、仮想描画点P
V2およびP
V4が、マイクロミラーM
iに対応する描画点Pを間に挟んでステージ10の移動方向(Y方向)に沿って配列するように仮想マイクロミラーM
V2およびM
V4を設定するとともに、仮想描画点P
V1およびP
V3が、マイクロミラーM
iを間に挟んでステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)に沿って配列するように仮想マイクロミラーM
V1およびM
V3を設定する。CPU201は、ステップS20においてRAM203に記憶した線幅の補正量(増大量または減少量)が大きくなる程、描画点Pと仮想描画点P
V1〜P
V4との間の距離Lが大きくなるように、仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4の配置を算出する。CPU20は、このようにして設定した仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4の座標位置をRAM203に記憶する。
【0079】
ステップS23において、CPU201は、RAM203に記憶した仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4の座標位置とラスター形式に変換された描画対象画像の画像データに基づいて、仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4の各々について、これらのオンオフタイミングを示す第2の制御データを生成する。すなわち、CPU21は、仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4にそれぞれ対応する仮想描画点P
V1〜P
V4において画像データによって示される描画対象画像の仮想描画点P
V1〜P
V4に対応する部分を描画する場合の、仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4のフレーム期間毎のオンオフの状態を示す第2の制御データを生成する。CPU201は、生成した第2の制御データをHDD204に記憶する。
【0080】
ステップS24において、CPU201は、指示入力部60で受け付けた指示入力の内容が線幅の増大であるか減少であるかを判定する。CPU201は、指示入力の内容が線幅の増大である場合には処理をステップS25に移行し、指示入力の内容が線幅の減少である場合には処理をステップS26に移行する。
【0081】
ステップS25において、CPU201は、HDD204から第1の制御データと第2の制御データを読み出し、上記したように、第1の制御データと第2の制御データとの論理和演算によって得られた論理値によって当該マイクロミラーM
iについての第1の制御データの各データ要素を補正する。CPU201は、このようにして補正した第1の制御データをHDD204に記憶する。
【0082】
ステップS26において、CPU201は、HDD204から第1の制御データと第2の制御データを読み出し、上記したように、第1の制御データと第2の制御データとの論理積演算によって得られた論理値によって当該マイクロミラーM
iについての第1の制御データの各データ要素を補正する。CPU20は、このようにして補正した第1の制御データをHDD204に記憶する。
【0083】
ステップS27において、CPU201は、マイクロミラーの識別番号であるiの値が所定値aと一致しているか否かを判断し、否定判定の場合には、処理をステップS28に移行し、肯定判定の場合は、処理をステップS29に移行する。なお、本実施形態において、所定値aは、DMD27を構成するマイクロミラーの数と等しい値とされるが、これに限定されるものではない。
【0084】
ステップS28において、CPU201は、iの値を1つインクリメントして処理をステップS21に戻す。ステップS21〜S28の処理が繰り返されることにより、DMD27を構成する全てのマイクロミラーについて第1の制御データの補正処理が行われる。
【0085】
ステップS29において、CPU201は、HDD204に記憶した各マイクロミラーについての補正後の第1の制御データをDMD制御データとして露光ヘッド制御部19に供給する。露光ヘッド制御部19として機能するCPU201は、かかるDMD制御データに基づいて各露光ヘッド30内に設けられたDMD27の各マイクロミラーのオンオフを制御する。これにより、線幅が当初よりも増大または減少された描画線が露光ヘッド30によって描画される。
【0086】
図15(a)〜
図15(c)は、描画線の線幅を増大させる補正処理の一態様を示した図である。
【0087】
図15(a)に示す例では、実在のマイクロミラーM
Rについてフレーム期間F5〜F8に亘りオン状態とすべき第1の制御データが生成されている場合が示されている。本実施形態では、実在のマイクロミラーM
Rに対応する描画点Pを間に挟んでステージ10の移動方向(Y方向)に沿って仮想描画点P
V2およびP
V4が配列するように(
図9参照)仮想マイクロミラーM
V2およびM
V4が設定される。なお、ここでは、理解を容易にするために、X方向に沿って配列される仮想描画点P
V1およびP
V2に対応する仮想マイクロミラーについては考慮しないこととする。
【0088】
図9に示すように、実在のマイクロミラーM
Rによる描画点Pの進行方向前方に仮想描画点P
V2を形成する仮想マイクロミラーM
V2のオンオフのタイミングは、当該マイクロミラーM
Rよりも先行する。
図15(a)に示す例では、仮想マイクロミラーM
V2のオンオフのタイミングが、実在のマイクロミラーM
Rよりも1フレーム期間分だけ先行している場合が示されている。一方、
図9に示すように、実在のマイクロミラーM
Rによる描画点Pの進行方向後方に描画点P
V4を形成する仮想マイクロミラーM
V4のオンオフのタイミングは、当該マイクロミラーM
Rよりも遅延する。
図15(a)に示す例では、仮想マイクロミラーM
V4のオンオフのタイミングが、実在のマイクロミラーM
Rよりも1フレーム期間分だけ遅延している場合が示されている。
【0089】
この場合において、描画線の線幅の増大が指示された場合には、上記したように、第1の制御データと第2の制御データの論理和演算によって得られた値によって第1の制御データが補正される。すなわち、
図15(a)に示す例では、マイクロミラーM
Rがフレーム期間F4〜F9に亘りオン状態となるように第1の制御データが補正される。これにより、マイクロミラーM
Rのオン期間が補正処理前よりも長くなるので、ステージ10の移動方向(Y方向)において描画線の線幅が増大する。
【0090】
一方、
図15(b)に示す例では、実在のマイクロミラーM
Rについて全フレーム期間に亘りオフ状態とすべき第1の制御データが生成されている場合が示されている。本実施形態では、実在のマイクロミラーM
Rに対応する描画点Pを間に挟んでステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)に沿って仮想描画点P
V1およびP
V3が配列するように(
図9参照)仮想マイクロミラーM
V1およびM
V3が設定される。なお、ここでは、理解を容易にするために、ステージ10の移動方向(Y方向)に沿って配列される仮想描画点P
V2およびP
V4に対応する仮想マイクロミラーについては考慮しないこととする。
【0091】
図15(b)に示す例では、実在のマイクロミラーM
Rに対応する描画点Pの上方に仮想描画点P
V1を形成する(
図9参照)仮想マイクロミラーM
V1についてフレーム期間F4〜F8に亘りオン状態とすべき第2の制御データが生成されている場合が示されている。これは、マイクロミラーM
Rによる描画点Pの移動軌跡の上方にステージ10の移動方向に沿って伸びる描画線が存在することを意味する。この場合において、描画線の線幅の増大が指示された場合には、上記したように、第1の制御データと第2の制御データの論理和演算によって得られた値によって第1の制御データが補正される。すなわち、
図15(b)に示す例では、マイクロミラーM
Rがフレーム期間F4〜F8に亘りオン状態となるように第1の制御データが補正される。これにより、当該マイクロミラーM
Rによる描画点Pの移動軌跡の上方においてステージ10の移動方向に沿って伸びる描画線の線幅が、ステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)において増大する。
【0092】
一方、
図15(c)に示す例では、実在のマイクロミラーM
Rに対応する描画点Pの下方に仮想描画点P
V3を形成する(
図9参照)仮想マイクロミラーM
V3についてフレーム期間F4〜F8に亘りオン状態とすべき第2の制御データが生成されている場合が示されている。これは、マイクロミラーM
Rによる描画点Pの移動軌跡の下方にステージ10の移動方向に沿って伸びる描画線が存在することを意味する。この場合において、描画線の線幅の増大が指示された場合には、上記したように、第1の制御データと第2の制御データの論理和演算によって得られた値によって第1の制御データが補正される。すなわち、
図15(c)に示す例では、マイクロミラーM
Rがフレーム期間F4〜F8に亘りオン状態となるように第1の制御データが補正される。これにより、当該マイクロミラーM
Rによる描画点Pの移動軌跡の下方においてステージ10の移動方向に沿って伸びる描画線の線幅が、ステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)において増大する。
【0093】
図16(a)〜
図16(c)は、描画線の線幅を減少させる補正処理の一態様を示した図である。
【0094】
図16(a)に示す例では、実在のマイクロミラーM
Rについてフレーム期間F5〜F8に亘りオン状態とすべき第1の制御データが生成されている場合が示されている。本実施形態では、実在のマイクロミラーM
Rに対応する描画点Pを間に挟んでステージ10の移動方向(Y方向)に沿って仮想描画点P
V2およびP
V4が配列するように(
図9参照)仮想マイクロミラーM
V2およびM
V4が設定される。なお、ここでは、理解を容易にするために、X方向に沿って配列される仮想描画点P
V1およびP
V2に対応する仮想マイクロミラーについては考慮しないこととする。
【0095】
図9に示すように、実在のマイクロミラーM
Rによる描画点Pの進行方向前方に仮想描画点P
V2を形成する仮想マイクロミラーM
V2のオンオフのタイミングは、実在のマイクロミラーM
Rよりも先行する。
図16(a)に示す例では、仮想マイクロミラーM
V2のオンオフのタイミングが、実在のマイクロミラーM
Rよりも1フレーム期間分だけ先行している場合が示されている。一方、実在のマイクロミラーM
Rによる描画点Pの進行方向後方に描画点P
V4を形成する仮想マイクロミラーM
V4のオンオフのタイミングは、実在のマイクロミラーM
Rよりも遅延する。
図16(a)に示す例では、仮想マイクロミラーM
V4のオンオフのタイミングが、実在のマイクロミラーM
Rよりも1フレーム期間分だけ遅延している場合が示されている。
【0096】
この場合において、描画線の線幅の減少が指示された場合には、上記したように第1の制御データと第2の制御データの論理積演算によって得られた値によって第1の制御データが補正される。すなわち、
図16(a)に示す例では、マイクロミラーM
Rがフレーム期間F6およびF7においてのみオン状態となるように第1の制御データが補正される。これにより、当該マイクロミラーM
Rのオン期間が補正処理前よりも短くなるので、ステージ10の移動方向(Y方向)において描画線の線幅が減少する。
【0097】
このように、実在のマイクロミラーM
Rに対応する描画点Pを間に挟んでステージ10の移動方向(Y方向)に沿って配列される仮想描画点P
V2およびP
V4に対応する仮想マイクロミラーM
V2およびM
V4は、ステージ10の移動方向(Y方向)における描画線の線幅の増減に寄与する。また、描画点Pと仮想描画点P
V2およびP
V4との間の距離Lを大きくすることで、実在のマイクロミラーM
Rと仮想マイクロミラーM
V2およびM
V4とのオンオフタイミングのずれ量が大きくなり、その結果、論理和演算によって定まるマイクロミラーM
Rのオン期間がより長くなる一方、論理積演算によって定まるマイクロミラーM
Rのオン期間がより短くなるので、描画線の線幅の補正量がより大きくなる。
【0098】
一方、
図16(b)に示す例では、実在のマイクロミラーM
Rについてフレーム期間F4〜F8に亘りオン状態とすべき第1の制御データが生成されている場合が示されている。本実施形態では、実在のマイクロミラーM
Rに対応する描画点Pを間に挟んでステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)に沿って描画点P
V1およびP
V3が配列するように仮想マイクロミラーM
V1およびM
V3が設定される。なお、ここでは、理解を容易にするために、ステージ10の移動方向(Y方向)に沿って配列される仮想描画点P
V2およびP
V4に対応する仮想マイクロミラーについては考慮しないこととする。
【0099】
図16(b)に示す例では、実在のマイクロミラーM
Rに対応する描画点Pの上方に仮想描画点P
V1を形成する(
図9参照)仮想マイクロミラーM
V1についてフレーム期間F4〜F8に亘りオン状態とすべき第2の制御データが生成され、実在のマイクロミラーM
Rに対応する描画点Pの下方に描画点P
V3を形成する仮想マイクロミラーM
V3について全フレーム期間に亘りオフ状態とすべき第2の制御データが生成されている場合が示されている。これは、マイクロミラーM
Rによる描画点Pの移動軌跡の上方にステージ10の移動方向に沿って伸びる描画線が存在し、マイクロミラーM
Rによる描画点Pの移動軌跡の下方には描画線が存在しないことを意味する。この場合において、描画線の線幅の減少が指示された場合には、上記したように、第1の制御データと第2の制御データの論理積演算によって得られた値によって第1の制御データが補正される。すなわち、
図16(b)に示す例では、マイクロミラーM
Rが全フレーム期間に亘りオフ状態となるように第1の制御データが補正される。これにより、当該マイクロミラーM
Rに対応する描画点Pの移動軌跡の上方においてステージ10の移動方向(Y方向)に沿って伸びる描画線の線幅が、ステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)において減少する。
【0100】
一方、
図16(c)に示す例では、実在のマイクロミラーM
Rに対応する描画点Pの上方に仮想描画点P
V1を形成する(
図9参照)仮想マイクロミラーM
V1について全フレーム期間に亘りオフ状態とすべき第2の制御データが生成され、実在のマイクロミラーM
Rに対応する描画点Pの下方に仮想描画点P
V3を形成する(
図9参照)仮想マイクロミラーM
V3についてフレーム期間F4〜F8に亘りオン状態とすべき第2の制御データが生成されている場合が示されている。これは、マイクロミラーM
Rによる描画点Pの移動軌跡の下方にステージ10の移動方向に沿って伸びる描画線が存在し、マイクロミラーM
Rによる描画点Pの移動軌跡の上方には描画線が存在しないことを意味する。この場合において、描画線の線幅の減少が指示された場合には、上記したように、第1の制御データと第2の制御データの論理積演算によって得られた値によって第1の制御データが補正される。すなわち、
図16(c)に示す例では、マイクロミラーM
Rが全フレーム期間に亘りオフ状態となるように第1の制御データが補正される。これにより、当該マイクロミラーM
Rによる描画点Pの移動軌跡の下方においてステージ10の移動方向(Y方向)に沿って伸びる描画線の線幅が、ステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)において減少する。
【0101】
このように、実在のマイクロミラーM
Rに対応する描画点Pを間に挟んでステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)に沿って配列される仮想描画点P
V1およびP
V3に対応する仮想マイクロミラーM
V1およびM
V3は、ステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)における描画線の線幅の増減に寄与する。また、描画点Pと仮想描画点P
V1およびP
V3との間の距離Lを大きくすることで、マイクロミラーM
Rによる描画点Pの移動軌跡の上方または下方に位置する描画線の線幅の補正量がより大きくなる。
【0102】
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態に係る露光描画装置1においては、第1の制御データ生成部51が、入力された画像データに基づいて、マイクロミラー毎のオンオフタイミングを定めた第1の制御データを生成する。露光ヘッド制御部19は、この第1の制御データに基づいて、各マイクロミラーのオンオフを制御することにより、被露光基板C上に投影される各描画点において適切なタイミングでビームスポットを形成する。これにより、画像データに応じた露光描画を行うことが可能である。また、画像データにおける最小線幅の描画線は、複数のマイクロミラーに対応する複数の描画点によって描画されるので、高解像度化を達成することができる。
【0103】
本発明の実施形態に係る露光描画装置1によれば、実際に露光描画される描画線のエッジ位置が画像データ上における描画線のエッジ位置と一致しない場合には、ユーザは、指示入力部60から、描画線の線幅の増大または減少を指示することが可能である。描画線の線幅の増減が指示された場合には、仮想マイクロミラー設定部52がDMD27を構成するマイクロミラーの各々について、仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4を設定する。仮想マイクロミラー設定部52は、
図9に示すように、当該マイクロミラーによる描画点Pを間に挟んでステージ10の移動方向(Y方向)に沿って仮想描画点P
V2およびP
V4が配列するように仮想マイクロミラーM
V2およびM
V4を設定するとともに、当該マイクロミラーによる描画点Pを間に挟んでステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)に沿って仮想描画点P
V1およびP
V3が配列するように仮想マイクロミラーM
V1およびM
V3を設定する。第2の制御データ生成部53は、設定された仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4の各々について、これらのオンオフタイミングを定めた第2の制御データを生成する。制御データ補正部54は、第1の制御データを、第2の制御データとの論理演算によって算出した値によって補正する。このように、本発明の実施形態に係る露光描画装置1によれば、より簡便な処理によって被露光基板Cに描画される画像のエッジの位置を高精度に制御することが可能である。また、本発明の実施形態に係る露光描画装置1によれば、画像データ上で表現できる描画線の最小線幅よりも小さい単位で、描画線の線幅の補正を行うことが可能であり、エッジ位置の調整を高精度に行うことが可能である。
【0104】
なお、上記の実施形態では、1つのマイクロミラーについて4つ仮想マイクロミラーM
V1〜M
V4を設定する場合を例示したが、1つのマイクロミラーについて設定される仮想マイクロミラーの数は適宜増減することが可能である。例えば、ステージ10の移動方向と直交する方向(X方向)については線幅補正が不要である場合には、実在のマイクロミラーに対応する描画点Pを間に挟んでステージ10の移動方向(Y方向)に沿って仮想描画点が配列するように2つの仮想マイクロミラーのみを設定すればよい。また、上記した実施形態では、
図9に示すように、仮想描画点が、実在のマイクロミラーに対応する描画点Pを間に挟んで、ステージ10の移動方向(Y方向)およびこれと直交する方向(X方向)に仮想描画点が配列するように仮想マイクロミラーを設定する場合を例示したが、仮想描画点がX方向およびY方向以外の方向に配列するように仮想マイクロミラーを設定してもよい。例えば、実在のマイクロミラーを中心とする円の円周上に4つ以上の仮想マイクロミラーを設定してもよい。
【0105】
また、線幅の補正量が大きい場合には、
図17に示すように、Y方向に沿って配列された仮想描画点P
V2およびP
V4と描画点Pとの間に更に仮想描画点P
V5およびP
V6を配置するべく仮想マイクロミラーを設定するとともに、X方向に沿って配列された仮想描画点P
V1およびP
V3と描画点Pとの間に、更に仮想描画点P
V7およびP
V8を配置するべく仮想マイクロミラーを設定してもよい。すなわち、
図17に示す場合において仮想マイクロミラー設定部は、仮想描画点P
V1〜P
V8にそれぞれ対応する8つの仮想マイクロミラーを設定する。
【0106】
また上記の実施形態では、各露光ヘッド30内に設けられたDMD27を構成する全てのマイクロミラーについて仮想マイクロミラーを設定する場合を例示したが、DMD27を構成する一部のマイクロミラーについてのみ仮想マイクロミラーを設定することとしてもよい。例えば、DMD27を構成する複数のマイクロミラーのうち、DMD27の外周部に位置するマイクロミラーによって描画される描画線のエッジのみが画像データ上における描画線のエッジと一致しない場合には、外周部に位置するマイクロミラーについてのみ仮想マイクロミラーを設定してもよい。これにより、外周部に位置するマイクロミラーによって描画される描画線については、画像データ上における描画線のエッジと一致するように線幅補正を行うことが可能となる。また、露光ヘッド間で描画線の線幅にばらつきがある場合には、特定の露光ヘッド内のマイクロミラーについてのみ仮想マイクロミラーを設定してもよい。これにより、露光ヘッド間における描画線の線幅のばらつきを抑制すことが可能である。これらの場合、仮想マイクロミラーを設定するマイクロミラーの指定を指示入力部60を介して行うようにしてもよい。
【0107】
また、本発明の実施形態に係る露光描画装置1によれば、実在のマイクロミラーと仮想マイクロミラーとの間の距離Lを変化させることにより、描画線の線幅の増減量を変化させることが可能である。かかる距離Lを、単一の露光ヘッド内におけるマイクロミラー間で異ならせることにより、単一の露光ヘッド内に設けられた各マイクロミラーによって描画される描画線の線幅のばらつきを抑制することとしてもよい。すなわち、仮想マイクロミラー設定部52は、仮想マイクロミラーを設定する1のマイクロミラーに対応する描画点と当該仮想描画点との間の距離と、仮想マイクロミラーを設定する他のマイクロミラーに対応する描画点と当該仮想描画点との間の距離とが異なるように、上記1のマイクロミラーおよび上記他のマイクロミラーに対してそれぞれ仮想マイクロミラーを設定してもよい。また、距離Lを露光ヘッド間で異ならせてもよい。露光ヘッド間で光学系のばらつき等に起因する光量ばらつきによって描画線の線幅にばらつきが生じる場合には、露光ヘッド間で線幅の補正量を異ならせることにより、上記の描画線幅のばらつきを解消することが可能となる。DMD27を構成するマイクロミラー間若しくは露光ヘッド間で距離Lを異ならせる場合に、各マイクロミラーについての距離Lの指定を指示入力部60を介して行うようにしてもよい。
【0108】
また、本実施形態では、第1の制御データ生成部50によって生成された第1の制御データを補正することによって線幅補正を行うこととしたが、ラスター変換処理部42におおいて生成されたラスター形式の画像データに対する補正処理も併用することとしてもよい。例えば、1μm単位の線幅補正はラスター形式の画像データ上で行い、1μm以下の線幅補正については、第1の制御データ上で行うこととしてもよい。
【0109】
また、上記した実施形態では、マイクロミラーのオン状態に論理値“1”を割り当て、オフ状態に論理値“0”を割り当てる場合を例示したが、マイクロミラーのオン状態に論理値“0”を割り当て、オフ状態に論理値“1”を割り当てる場合にも適用可能である。この場合、制御データ補正部54は、指示入力部60に入力された指示が線幅の増大を示すものである場合、仮想マイクロミラーが設定されたマイクロミラーに対応する第1の制御データにおけるフレーム期間毎の論理値を、当該仮想マイクロミラーに対応する第2の制御データにおける対応するフレーム期間の論理値との論理積を演算することによって得られた値によって補正する。一方、制御データ補正部54は、指示入力部60に入力された指示が線幅の減少を示すものである場合、仮想マイクロミラーが設定されたマイクロミラーに対応する第1の制御データにおけるフレーム期間毎の論理値を、当該仮想マイクロミラーに対応する第2の制御データにおける対応するフレーム期間の論理値との論理和を演算することによって得られた値によって補正する。