【文献】
Arvin R. SHAHANI et al.,Low-Power Dividerless Frequency Synthesis Using Aperture Phase Detection,IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE,米国,1998年12月,VOL. 33, NO. 12,pages 2233 -2234
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、概して、ソース信号が生成された後ソース信号を処理することによって位相ノイズ、周期ジッタ、及び/又は他の混入を低減又はキャンセルするための技術を提供する。この技術は、概して、ソース信号の位相ノイズ及び他の混入をベースバンドに復調すること、ベースバンド信号を反転すること、及び反転されたベースバンド信号を用いてソース信号を変調することを含む。この技術は、位相同期ループ(PLL)シンセサイザ又は他の製品に適用され、且つ/又はこれらと統合されると、狭チャネル間隔のソースに対しても、位相ノイズ、周期ジッタ、及び他の混入を大きく低減させ得る。位相ノイズ及び角度変調混入はソース信号の位相/周波数変調として現れることに留意されたい。
【0009】
実装によっては、これらの技術は、ある範囲の分野、例えばタイミングジェネレータ(クロック)製品が用いられる任意の分野、において大きな利益をもたらし得る。タイミングジェネレータ製品は、クロック生成、調整、及び分配製品を含み得る。特定の例として、これらの技術は、無線周波数(RF)及び低周波数機器の局部発振器ソース及びデジタル通信周波数タイミングジェネレータとともに用いられ得る。また、これらの技術は、アナログ−デジタルコンバータやデジタル−アナログコンバータなど、位相ノイズ及び他の混入のレベルが低いか、かなり低いことが要求される様々な他のシステム及び構成要素とともに用いられ得る。
【0010】
下記の例では、これらの技術は、信号内の位相ノイズ又は周期ジッタをその信号内の位相ノイズをベースバンドに復調することによって低減させるためにこれらの技術を用いる文脈で説明される。ただし、同じ技術を用いて、単色性ソースを角度変調する様々な他の種類の混入を低減させることもできる。とりわけ、これは、広範な単色性ソースにおける位相ノイズ及びスプリアス成分(分数型(fractional N)、シグマ−デルタ、及びダイレクトデジタルシンセサイザによって導入されるPLL基準側波帯や特殊な様々な不要成分などが含まれるが、これらの限定されるものではない)をともに大きく低減させ得る。
【0011】
図1〜
図4は、位相検出を用いて信号の位相混入を低減させるように信号キャンセルを実施するための例示システムを示す。
【0012】
図1は、さらなる処理のためソース信号を提供する信号ソース102を含むシステム100を示す。信号ソース102は、局部発振器又は他のクロックソースなど、位相変調混入の低減を必要とする信号を提供する任意の適切な構造を含む。特定の例として、信号ソース102は、PLLシンセサイザ、周波数同期ループ(PLL)シンセサイザ、又は非制御且つ連続同調発振器を表し得る。非変調ソース信号又は意図的な角度変調を含まないソース信号を提供する任意の信号ソース102が用いられ得る。他の場合には、ソース102は、意図的変調を有し得るが、それを除去することが望まれる。信号ソース102からのソース信号は、任意の適切な周波数又は周波数範囲、例えば、100MHzと3GHzの間の(1.5GHz〜1.6GHzのような)周波数又は周波数範囲、も有し得る。特定の実施形態では、信号ソース102は、内部で「6で除算して」250MHzのソース信号を出力する1500MHzのPLLシンセサイザを表す。
【0013】
スプリッタ104が、異なる処理経路への供給のため信号ソース102からのソース信号を2つの等しいレプリカ信号に分割する。スプリッタ104によって出力されるこれらの信号成分は互いに実質的又は完全に同相とし得る。スプリッタ104は、RFパワースプリッタなどの入力信号を分割するための任意の適切な構造を含む。
【0014】
スプリッタ104の一方の出力成分は、位相復調器/増幅器/インバータ106に提供され、スプリッタ104の他方の出力成分は、位相変調器108に提供される。復調器/増幅器/インバータ106は、概して、ソース信号からの位相ノイズ及び他の混入する側波帯を、あたかもこれらが所望の信号であるかのように、ベースバンドに復調するように動作する。次いで、復調器/増幅器/インバータ106は、ベース信号を増幅し反転し、増幅され反転された信号を位相変調器180に提供し得る。復調器/増幅器/インバータ106は、キャリアを角度変調された信号を復調し、増幅し、且つ反転するための任意の適切な構造、例えば位相復調器、を含む。本明細書では単一機能ブロックが示されているが、復調器/増幅器/インバータ106は、任意の数の別々の機能ユニットを用いて実装され得ることに留意されたい。ベースバンド信号の反転は、ベースバンド信号と、同時に変調器108を通過する信号ソースに含まれる変調との間の位相差が実質的又は完全に180°であることを示すことにも留意されたい。
【0015】
位相変調器108を参照すると、そのキャリア入力は、スプリッタ104からソース信号を受け取り、その変調入力は、復調器/増幅器/インバータ106から復調され反転されたベースバンド信号を受け取る。次いで、位相変調器108は、復調器/増幅器/インバータ106からの復調され反転されたベースバンド信号を用いてソース信号を位相変調してソース信号の位相変調混入を除去する。したがって、位相変調器108の出力は、位相ノイズ、周期ジッタ、及び他の混入が低減されたソース信号である。位相変調器108は、信号を位相変調するための任意の適切な構造を含む。
【0016】
この手法を用いると、位相変調器108によって出力される信号内の位相ノイズ、周期ジッタ、及び他の混入を、信号ソース102からの元のソース信号と比較して実質的に低減し得る。この種の手法は、様々な分野での利用が見込まれ、位相ノイズ又は周期ジッタが低減されるため、従来の手法を用い得なかったアプリケーションで用いられ得る。例えば、マルチキャリアGSM(Global System for Mobile communications)システムを考えると、GSMサービスプロバイダ(すべての他のワイヤレスサービスプロバイダがそうではないにしても大部分のプロバイダについて当てはまる可能性が高い)は、送信器及び受信器局部発振器ソースの位相ノイズ又は周期ジッタが低減されれば、セル当たりの契約者数の増加に対応する改変された帯域プランをサポートし得る。通常、送信器は、隣接するチャネルにおいて位相ノイズエネルギーを生成し、このエネルギーが全体のノイズフロアを押し上げ、受信器は、同じ隣接チャネル作用が生じる「相互混合(reciprocal mixing)」と呼ばれるメカニズムの影響を受ける。「相互混合」は、システムノイズFIGを実質上増加させる。本明細書で説明する技術は、送信器及び受信器における位相混入を低減させることができ、そのため、セル当たりの契約者数を増加させることができる。特定の実施形態では、この手法は、900MHzで動作するGSMキャリアを、キャリア周波数から800kHzで−146dBc/Hzだけ離し得る。本明細書で説明される技術により任意の角度変調成分のレベルが下がるので、ダイレクトデジタル合成(「DDS」)、通常の位相同期ループシンセサイザ、マルチモジュラスプリスケーリングシンセサイザ、分数型シンセサイザ、及びシグマ−デルタシンセサイザなどの、決定性スプリアス成分を生成する多くの種類の単色性信号ソースジェネレータがそのアプリケーションから利益を得ることができる。
【0017】
図2は、
図1のシステム100からの例示の位相ノイズ復調器/増幅器/インバータ106を示す。増幅、ベースバンドインバータ、及び位相変調プロセスの堅固さを具体的に示すこの例では、復調器/増幅器/インバータ106は、ループフィルタ202、電圧制御水晶発振器(VCXO)204、位相検出器206、及びベースバンド増幅器208を含む。
【0018】
ループフィルタ202は、位相検出器206の出力をフィルタリングし、スプリッタ104からの信号と同じ平均周波数と平均が90°である位相差とを有するように水晶発振器204を制御する出力を生成する。位相検出器206は、本質的にその入力信号とその出力電圧(平均すると0V)の算術積であるものを提供する。スプリッタ104及び水晶発振器204からの信号に対する混合位相変調は、ACベースバンド信号として位相検出器の出力に現れる。スプリッタ104からの信号と比較して水晶発振器204の位相ノイズ及び他の位相変調は極めて小さいので、位相検出器206の出力におけるAC信号は、スプリッタ104からの信号を角度変調する全エネルギーの復調波形になる。水晶発振器204は、スプリッタ104からの信号と周波数を等しくする、周波数ダブラーなどの、追加の機能性も含み得る。位相検出器206は、水晶発振器204からの信号の位相と信号ソース102からの信号の位相とを比較する。ベースバンド増幅器208は、位相検出器206の出力を増幅し、増幅され反転された信号を位相変調器108に提供する。
【0019】
ループフィルタ202は、ローパスフィルタ及び/又はサーボ積分器など、信号をフィルタリングするための任意の適切な構造を含む。水晶発振器204は、スプリッタ104からの信号よりもはるかに少ない位相ノイズ及びスプリアス混入を有する単色性信号を生成するための任意の適切な発信器を含む。位相検出器206は、複数の入力信号の位相を比較するための任意の適切な構造を含む。ベースバンド増幅器208は、ベースバンド信号を増幅するための任意の適切な構造を含む。
【0020】
ループフィルタ202、水晶発振器204、及び位相検出器206は、ソース102からのソース信号内の位相混入を識別するように動作する。この混入は、位相ノイズ及び他の混入を実質上復調する、位相検出器206によってベースバンド信号として出力される。次いで、ベースバンド信号は、増幅器208によって増幅され、位相変調器108に提供される。位相変調器108は、この増幅され反転されたベースバンド信号を用いてソース102からのソース信号を変調する。位相変調器108の出力は、位相混入が低減されたソース信号である。
【0021】
図3A及び
図3Bは、信号の位相混入を低減させるように信号キャンセルを実施するための別の例示システム300を示す。
図3Aに示すように、システム300は、PLLシンセサイザなどの信号ソース302を含む。ソース302からのソース信号が増幅器304に提供され、増幅器304はソース信号を増幅する。増幅器304は、RF増幅器などの信号を増幅するための任意の適切な構造を表す。増幅されたソース信号は、ミキサ/位相検出器306に提供され、ミキサ/位相検出器306は、増幅されたソース信号をフィードバック信号と混合し、且つ/又は、増幅されたソース信号の位相とフィードバック信号の位相を比較する。ミキサ/位相検出器306は、信号を混合又は比較するための任意の適切な構造を含む。
【0022】
ミキサ/位相検出器306の出力がローパス増幅器308に提供される。ローパス増幅器308は、DC−300Hz信号を出力する1kHzローパス増幅器など、信号の低周波部分を増幅するための任意の適切な構造を含む。増幅された信号は、ループフィルタドライバ310に提供される。ループフィルタドライバ310は、50Hzの帯域幅を有するフィルタなど、水晶発振器312を駆動するための任意の適切な構造を含む。ループフィルタドライバ310の出力が、125MHz電圧制御水晶発振器など、任意の適切な発振器を表す水晶発振器312に提供される。水晶発振器312は、ループフィルタドライバ310の出力を用いて動作し、周波数オフセット制御信号及び/又は温度補償制御信号を用いても動作し得る。
【0023】
水晶発振器312からの単色性信号は周波数乗算器314に提供され、周波数乗算器314は単色性信号の周波数に積分量を乗算し得る。周波数乗算器314は信号の周波数を増加させるための任意の適切な構造を含み、この例では、周波数乗算器314は単色性信号の周波数に1〜6の値を乗算し得る。周波数乗算器314は、デバイスインターフェースボード(DIB)制御信号と電圧レギュレータ316からの入力電圧とを受け取る。この特定の例では、周波数乗算器314は、125MHz〜750MHzの、例えば250MHzの、周波数逓倍(frequency-multiplied)ノイズのないフィードバック信号を出力する。周波数逓倍フィードバック信号は、RF増幅器などの増幅器318によって増幅され、次いで、フィードバック信号としてミキサ/位相検出器306に提供される。
【0024】
図3Bに示すように、ミキサ/位相検出器306の出力は、利得が8.5の100Hz〜20MHz増幅器などの、増幅器320に提供される。増幅器320は、接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)増幅器又はプリアンプなどの任意の適切な増幅構造を含む。増幅器320の増幅された出力が、スイッチバンク334内の1つ又は複数のスイッチを介して、1kHzハイパスフィルタなどのハイパスフィルタ322に提供される。フィルタ322の出力が、25MHzフィルタなどのローパスフィルタ324に提供される。
【0025】
フィルタ324の出力は、第1の増幅器326に提供され、次いで、第2の増幅器328に提供される。増幅器326〜328はそれぞれ20及び10.3の利得を有し得、第2増幅器328は利得調整制御信号を用いて動作し得る。増幅器328の出力が、ハイパスフィルタ330(12kHzフィルタなど)に提供され、次いで、ハイパスフィルタ又はピーキングフィルタ332に提供される。
【0026】
フィルタ332の出力が、スイッチバンク334内の1つ又は複数のスイッチを介して、25MHzフィルタなどのローパスフィルタ336に提供される。フィルタ336の出力が、高速フーリエスペクトルアナライザに又は位相変調器(位相変調器108など)に提供され得る。ここで、フィルタ336の出力は、位相ノイズ及び混入レベルの定量化を助けるために二乗平均(RMS)検出器338にも提供され得る。検出器338は出力を時定数提供回路340に提供し、その出力は増幅器342によって増幅される。ボード識別ユニット344が回路ボード識別子を出力として提供する。
【0027】
図3A及び3Bでは、位相ノイズ側波帯が再度ベースバンドに復調され、ベースバンド信号は増幅され位相変調器108に出力される。次いで、位相変調器108は、増幅されたベースバンド信号を用いてソース302からの信号内の位相ノイズ、周期ジッタ、又は他の混入を低減させ得る。
【0028】
この実施形態では、システム300は、米国特許第7,809,517号に記載されるような位相ノイズ/ジッタ測定機器を用いて実装される。この実施形態では、様々な構成要素314〜316が、この測定装置に挿入されるか又は他の方法で結合され得るドーターボード346上に実装される。当然のことながら、
図3A及び
図3Bの様々な構成要素(構成要素338〜344など)は、異なる測定機器又は他のデバイスを用いてこの技術を実施する場合には省略され得る。
【特許文献1】米国特許第7,809,517号
【0029】
特定の実施形態では、6dB大きいベースバンド信号及び6dB小さいノイズフロアを提供するものなど、同じ種類のRF増幅器が増幅器304及び318に用いられ得る。また、増幅器320は、一層低いノイズFIG及び一層平坦なベースバンド応答を提供するJFETプリアンプを用いて実装されてもよい。さらに、テストプログラム選択可能周波数乗算係数が、周波数乗算器314用の制御信号としてドーターボード346で用いられ得る。また、カスタマーフレキシビリティのために1つ又は複数の付加的なベースバンドフィルタが用いられ得る。位相ノイズ及び他の混入のキャンセルに用いられる場合、様々なベースバンドフィルタ322、324、330は、このキャンセルが行われるオフセット周波数帯域を決定する。
【0030】
図4は、システム100、300からの例示の(「リアクタンス」)位相変調器108、308を示す。この例では、位相変調器108、308は、様々なコンデンサ、抵抗器、及びインダクタ、並びに可変電圧ソースを用いて形成される。ソース102、302からのソース信号が、位相変調器の左中央で受け取られ、復調され反転された位相ノイズ及び他の混入は、位相変調器の左下で受け取られる。混入が低減されたソース信号は、位相変調器によって位相変調器の右中央において提供される。特定の実施形態では、2つのコンデンサ402〜404は、MMBV2101バラクタダイオードを用いて実装され得る。
【0031】
位相検出を用いて位相混入を低減させるための
図1〜
図4に示す手法は、様々なデバイスとともに用いられ得る。これら様々なデバイスには、低位相ノイズ用ではなく極狭チャネル間隔用に設計されるシンセサイザが含まれるが、低位相ノイズも実現される。位相ノイズ、決定性スペクトル成分、及び他の混入は、元のソース102、302が信号ソースのPLLループの帯域幅の内側にあるか外側にあるかに関わらず低減され得る。
【0032】
図5〜
図11は、本開示に従った、周波数検出を用いて信号の位相混入を低減させるように信号キャンセルを実施するための例示システム及び関連する詳細を示す。これらの実施形態では、信号ソースの現在の動作周波数上にあることが設計上必要とされる、水晶発振器、他のウルトラクリーン発振器、及び/又は共振器を省略し得る。
【0033】
図5に示すように、システム500が、PLLシンセサイザ、DDSシンセサイザ、FLLシンセサイザ、又は非制御且つ連続同調発振器などの信号ソース502を含む。特定の実施形態では、信号ソース502は100MHz〜5GHzのソース信号を出力する。ソース502からのソース信号はスプリッタ504を用いて分割される。
【0034】
スプリッタ504の一方の出力成分は、周波数変調(FM)検出器506に提供され、周波数変調検出器506は、ソース502からの信号における周波数変調を検出する。信号ソース502がその出力周波数を増分すると、それにより、FM検出器506はその検出器曲線に沿って動く。これにより、検出器506は、基準発振器を用いることなく位相ノイズ側波帯を復調し得る。したがって、この手法では、信号ソースの現在の動作周波数上にあることが必要とされる水晶発振器、他のウルトラクリーン発振器、及び/又は共振器が不要になる。また、この手法は、通常、比較的大きな位相ノイズ及び他の劣化に悩まされるソース502によって提供されるチャネルなどの複数のチャネルを、それらが極めて近く配置されていてもサポートし得る。FM検出器の別の利点は、それらが高変調周波数位相変調に対する感度が本質的に高いことである。これは、位相変調の所与の振幅に対する周波数ずれ量が変調周波数に正比例するからである。このことは、オフセット周波数に従ってほぼ常に急激に低下する位相ノイズを復調するために有用である。
【0035】
FM検出器506は周波数変調を検出するための任意の適切な構造を含み、これらの構造には、勾配検出器、遅延線弁別器、直角位相検出器、フォスターシーレー検出器、又は比検出器が含まれるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、FM検出器506はブロードバンド検出器を含み、それによって、ドリフトする自己制御発振器(ソース502)の位相ノイズが低減され得る。ただし、適度な周波数−電圧変換利得を有する任意の適切なFM検出器が用いられてもよい。勾配検出器は、楕円フィルタ、バンドパスフィルタ、又は任意の他の適切な構造などの任意の適切なフィルタの遷移勾配を利用し得る。「無限Z」検出器などの非同期エンベロープ検出器は、振幅応答遷移によって生成される位相ノイズ及び他の角度変調エネルギーのAMアナログにのみ応答し得、残存する角度変調には応答しない。
【0036】
FM検出器506の出力は、増幅器/デエンファシス・イコライザ507に供給される。増幅器/イコライザ507は、検出器506の出力を増幅し、例えば6dB/オクターブ応答のローパスフィルタを用いることによって、デエンファシス操作を実施して、周波数検出器ではなく位相検出器が用いられているかのように、ベースバンド信号電圧を、適用可能なベースバンドスペクトルにわたって瞬間位相オフセットに比例させる。増幅器/イコライザ507はシステムノイズも減衰させる。増幅器/イコライザ507の出力は、ベースバンドでの位相ノイズを表し、この位相ノイズは、スプリッタ504の別の出力成分とともに位相変調器508に供給され得、これらがソース信号の変調に使用されて位相混入を除去する助けとなる。増幅器/イコライザ507は、FM信号を増幅しデエンファシスするための任意の適切な構造を含む。
【0037】
図6A及び
図6Bは、
図5のFM検出器506として、AM検出器とともに用いられ得る、FM勾配検出器600の一部の例示実装を示す。
図6Aに示すように、検出器600は、周波数変調された信号に振幅変調もさせる遷移帯域を有するローパスフィルタを用いて実装される。本明細書での検出器600は、様々なコンデンサ、抵抗器、及びインダクタ、並びに信号ソース502を表すAC電圧ソースを含む。このローパスフィルタの周波数応答が
図6Bに示されている。理想的には、遷移帯域応答曲線は一定の勾配及び一定の時間遅延を有する。ただし、復調される位相ノイズ及び他の混入は、これら2つの要件が重要でなくなるほど低いレベルとし得る。
【0038】
図7A及び
図7Bは、
図5のFM検出器506として用いられ得るFM勾配検出器700全体の例示実装を示す。
図7Aに示すように、検出器700は、バンドパスフィルタを用いて実装され、AMエンベロープ検出器として用いられる検出器を備える。本明細書での検出器700は、様々なコンデンサ、抵抗器、及びトランジスタ、並びに信号ソース502を表すAC電圧ソースを含む。このバンドパスフィルタの周波数応答が
図7Bに示されている。
【0039】
この例では、バンドパスフィルタ(これは、いずれかのストップバンド選択性遷移勾配に信号を配置するように調節され得る)の後に、「無限インピーダンス」型エンベロープ(AM)復調器がある。他の種類のエンベロープ検出器も用いられ得る。復調器の入力において、キャリア信号レベルを約1V RMSとし得る。復調器の後には、RF成分を除去するローパスフィルタ、及び復調された位相ノイズの関連する周波数範囲(1kHz〜1MHzなど)をカバーする低ノイズプリアンプがある。この後には、増幅器/デエンファシス・イコライザ507及び位相変調器508があるが、これらは
図7A及び
図7Bに示されていない。周波数変調器が位相変調器508の代わりに用いられる場合、デエンファシスネットワークは必要とされないことがある。
【0040】
特定の実施形態では、4Vピークトゥーピーク入力に対して、このFM検出器の出力は、50nV/Hzの変換係数で6MHzにわたって300mV変化し得る。250MHzでの(1kHz〜10MHzの側波帯において)信号ソースの総ノイズ変動は約430Hz RMSとなり得る。したがって、この検出器からのノイズ電圧は約21.5μV RMSである。この値は、50Ωのインピーダンスレベルでは、位相ノイズを測定するのに適切である3dBノイズFIGに対して熱ノイズを約80dBm又は20dB上回る。さらに、キャリア振幅変調により、信号対ノイズ(S/N)比が3dB減少する。また、検出されるノイズ電圧が大きなキャリア残部に乗ることがあるが、これはフィルタリングされて除去され得る。これは、任意の弱い信号を扱い、そのため二重平衡ミキサを用いる同期AM検出器とともに用いられ得るが、勾配検出器の周波数対振幅ネットワーク後の残りの角度変調によって生じる複雑さがあり得る。
【0041】
図8は、信号の位相混入を低減させるように信号キャンセルを実施するための遅延線弁別器型FM復調器を用いる別の例示システム800を示す。この例では、システム800は、信号ソース802及びスプリッタ804を含む。スプリッタ804の一方の出力成分は増幅器806に提供され、増幅器806は0.25GHz〜5.5GHzで動作するRF増幅器を表し得る。
【0042】
増幅された信号は別のスプリッタ808に提供され、スプリッタ808は増幅された信号を位相シフタ810及び増幅器812間で分割する。位相シフタ810は、その入力信号をシフトしてシステム800において直角位相成分を生成する助けになり得る。位相シフタ810は、電圧制御位相シフタなど、入力信号の位相をシフトするための任意の適切な構造を含む。増幅器812は、その入力信号を増幅し、増幅された信号を遅延線814に提供し、遅延線814は入力信号を指定された量の時間(50ns〜500nsなど)遅延させる。遅延線814は、電気信号を所望の量遅延させるための任意の適切な構造を含む。遅延された信号は別の増幅器816に提供され、増幅器816は遅延された信号を増幅する。
【0043】
増幅器816及び位相シフタ810の出力はミキサ/位相検出器818に提供され、ミキサ/位相検出器818は、これらの信号を混合し、且つ/又は、これらの信号の位相を比較する。ミキサ/位相検出器818の出力はサーボ積分器820に提供され、サーボ積分器820は、ミキサ/位相検出器818への2つの入力が概ね直角位相のままになるように位相シフタ810を調節する。特定の例示ミキサ/位相検出器818は、その出力が0Vのとき、その入力における信号間の位相差が90°になるような転送特徴を有し得る。この場合、サーボ積分器820は0V基準を有する。ミキサ/位相検出器818の出力は、プリアンプ822、ローパスフィルタ824、及び増幅器826にも提供され、次いで、変調器828に提供される。サーボ積分器の時定数は、位相ノイズ及び他の混入の関連する最小周波数スペクトル成分がループによって除去されず、したがって、このベースバンドプリアンプのところに現れるように、充分に長い。周波数ではなく位相のみが調節されるので、構成要素810、818、及び820は、真の位相同期ループを形成する。
【0044】
このアーキテクチャは、遅延線814を用い、局部発振器及び位相/周波数同期を必要としない。これは、ドリフトするソース802に対して有用又は理想的であり得る。ソース802が、周波数についてどの程度速くドリフトし、システムの適切な動作をいかに維持し得るかは、サーボ積分器の時定数によって部分的に決まり、この時定数は位相シフタ810の調節を維持するのに充分に小さい。特定の実施形態では、側波帯周波数の可能な有用範囲は1000:1とし得る。5kHz〜5MHzの側波帯範囲を使用する場合、遅延線814において50nsの遅延が用いられ得る。印刷回路基板トレースを用いて実装される50nsの遅延線は、適切な誘電体を用いない限り、2GHzで損失が大きくなり得ることに留意されたい。特定の例として、低損失遅延線814はサイズを17インチ平方とすることができ、これは、超小型ハンドヘルド機器と異なり、基地局のような機器で用いるのに適している。50nsの遅延線814は5kHzまでの側波帯に適切であり得、500nsの遅延線814は500Hzの側波帯に対して適切であり得る。このことは、高側波帯周波数(500kHz〜20MHz又はそれよりも高い周波数など)に対して極めて実用的且つ効果的であり得る。500kHzのオフセット周波数では、必要とされ得る遅延は0.5nsに過ぎないことがあり、これには、5インチ長の遅延線又は実用的なひとまとまりの構成要素ネットワークを用いればよい。
【0045】
図9は、直角位相FM検出器を用いて信号の位相混入を低減させるように信号キャンセルを実施するための例示システム900を示す。この例では、信号ソース902(100MHz〜5GHzのソースなど)がリミッタ904にソース信号を提供し、リミッタ904はソース信号から振幅ノイズ及び他のAM混入を除去する。同相スプリッタ906がこの信号を分割し、信号の一部をパワー増幅器908及び周波数選択位相シフタ910に提供する。特定の実施形態では、位相シフタ910は、リアクティブ(reactive)構成要素又はトレースネットワークを用いて実装され得る。低ノイズ増幅器912が位相シフタ910の出力を増幅する。増幅器908及び912の増幅された出力がミキサ/位相検出器914に提供され、ミキサ/位相検出器914はこれらの信号を混合し、且つ/又は、これらの信号の位相を比較する。
【0046】
ミキサ/位相検出器914の出力はローパスフィルタ916によってフィルタリングされ、フィルタリングされた出力はサーボ積分器918に提供される。特定の実施形態では、サーボ積分器918は、位相シフタ910を調節して、ソース902からのキャリア周波数がチャネル設定に従って変動するとき、位相検出器の入力間の平均位相差90°を維持するための0Vに参照される短い積分器を表し得る。位相シフタ910は、その位相シフトが周波数とともに変動するように設計され得る。信号ソース902及びスプリッタ906からの高速位相ノイズ、他の角度変調ノイズ、及び/又は非確率的スプリアス成分により瞬間的な周波数変位が生じるので、位相検出器の入力間の瞬間位相値が90°からずれる。位相検出器914は、これらの位相差をその出力における電圧差として記録する。この電圧波形は、キャリア上のすべての角度変調されたエネルギーのアナログ版であり、一層高いカットオフ周波数フィルタ920を介し、次いで回路要素922を介して伝播する。回路要素922は、振幅調節、デエンファシス、及び反転回路要素を含み得る。回路要素922の出力は位相変調器924を駆動するために用いられ得る。この例では、システム900は、(遅延線復調器を用いる)システム800に類似しているが、遅延線はなく、位相シフタ910は周波数選択性である必要がある。これは、位相シフタの位相シフトが周波数の強い関数であることが必要とされることを意味する。
【0047】
図9と同様に直角位相FM検出器を用いる特定の実施形態では、単一の並列同調回路位相シフタを有する直角位相FM受信器集積回路が、10.7MHzキャリアを用いてkHzの変動当たり3.6mVを供給し得る。出力信号対ノイズ比は、帯域幅が15kHz、システムノイズフロアが28.8μV、又は帯域幅が10MHz、システムノイズフロアが744μVで162mV RMSを75dB下回り得る。位相シフトネットワークは、総平均シフトが実質的に90°になり、極めて狭い位相ノイズ変動にわたって最大可能勾配(位相シフト/周波数)を有するネットワークになるように設計され得ることに留意されたい。特定の実施形態では、一方が90°に維持され、他方が0°を中心とする大勾配領域を有する、2つのネットワーク段を用いることができる。
【0048】
図10は、低周波数でFM検出器を動作するようにダウンコンバージョンサブシステムにおける低位相ノイズ局部発振器を用いて(大きな変換利得が得られる可能性が高い)信号の位相混入を低減させるように信号キャンセルを実施するための例示システム1000を示す。
図10に示すように、信号ソース1002が同相スプリッタ1004にソース信号を提供する。信号ソース1002は、例えば、1950MHz〜2000MHzで1kHzステップで動作する高位相ノイズPLLシンセサイザを表し得る。スプリッタ1004は、ソース信号を分割し、ヘテロダインミキサ1006にソース信号の一部を提供し、ヘテロダインミキサ1006は、ソース信号を低ノイズ局部発振器信号と混合してソース信号をダウンコンバートする。周波数変換された信号は、50〜100MHzフィルタなどのローパスフィルタ1008に供給され、ローパスフィルタ1008は、ヘテロダインプロセスからの和周波数成分を除去する。リミッタ1010が、フィルタリングされた信号から振幅ノイズ及び他のAM混入を除去し、同相スプリッタ1012が、この信号を分割し、信号の一部をパワー増幅器1014及び周波数選択位相シフタ1016に提供する。低ノイズ増幅器1018が位相シフタ1016の出力を増幅する。増幅器1014及び1018の増幅された出力は、ミキサ/位相検出器1020に提供され、ミキサ/位相検出器1020は、これらの信号を混合し、且つ/又は、これらの信号の位相を比較する。
【0049】
ミキサ/位相検出器1020の出力はローパスフィルタ1022によってフィルタリングされ、フィルタリングされた出力はサーボ積分器1024に提供される。サーボ積分器1024は、位相検出器の入力間の平均位相差90°を維持する助けとなる。ミキサ/位相検出器1020の出力は、一層高いカットオフ周波数フィルタ1026にも提供され、次いで、回路要素1028に提供される。回路要素1028は、振幅調節、デエンファシス、及び反転回路要素を含み得る。回路要素1028の出力は位相変調器1030を駆動するために用いられ得る。
【0050】
この例では、補助PLLシンセサイザが、基準ソース1032、除算器1034、位相周波数検出器(PFD)1036、ループフィルタ1038、及び電圧制御発振器(VCO)1040によって形成される。基準ソース1032は、信号ソース1002に及び位相周波数検出器1036の一方の入力に出力信号を提供する100MHzソース又は他のソースを表し得る。位相周波数検出器1036の他方の入力は、「19で除算する」除算器を表し得る除算器1034からくる。除算器1034は、発振器1040の出力の周波数を低くして、基準ソース1032からくる基準の周波数と等しくする。位相周波数検出器1036はその入力の位相を比較し、ループフィルタ1038は、検出器1036の出力をフィルタリングし、発振器1040を制御するための電圧を生成する。補助PLLシンセサイザは小さな周波数除算比を有するので、補助PLLシンセサイザは、大きな周波数除算比を有するが他の点では等価なPLLシンセサイザよりも小さな位相ノイズを有し得る。さらに、特定の実施形態では、直角位相シフタ1016は、(適度な変換利得を有し得る)50MHz〜100MHzで動作し得、その結果、低S/Nシンセサイザに類似する位相ノイズを有する50000ステップシンセサイザとなる。このアーキテクチャは任意の種類の周波数/位相変調器1030とともに用いられ得ることに留意されたい。
【0051】
図11は、ダウンコンバージョンサブシステムにおける極低位相ノイズ局部発振器信号を用いて信号の位相混入を低減させるように信号キャンセルを実施するための例示システム1100を示す。この局部発振器は、開口位相検出器を用いる補助位相同期ループシンセサイザを含む。
図11に示すように、システム1100は構成要素1102〜1130を含み、これらは、
図10の対応する構成要素1002〜1030と同じ又は類似のものとし得る。
【0052】
システム1100の補助PLLシンセサイザは10MHzソースなどの基準ソース1132を含み、これは信号ソースに用いられるものと同じとし得る。「194〜199で除算する」除算器などの除算器134が、電圧制御発振器1140からの信号を除算する。論理要素1135及びゲート1137が、除算器1134と位相周波数検出器1136との間に結合され、位相周波数検出器1136はループフィルタ1138に結合される出力を有する。論理要素1135は、ゲート1137を繰り返しオン及びオフして発振器1140の出力を検出器1136に提供する。したがって、ゲート1137及び検出器1136は開口位相検出器を形成する。
【0053】
通常のPLLシンセサイザでは、除算器がVCOの周波数を基準ソースの周波数と等しくして、(
図10で行われるように)これらが補正のため比較され得るようにする。ただし、VCO位相変動も除算され、これらがシステムノイズと区別しにくくなる。
図11の設計では、除算器1134及びゲート1137を用いて、基準周波数の各デューティサイクルに一度、VCO遷移を全位相変動とともに位相/周波数検出器1136に直接供給する。
【0054】
この開口位相検出器型PLLシンセサイザは、極めて小さい位相ノイズを提供するだけでなく、より大きい除算比で位相ノイズを提供し得、そのため、周波数ステップ分解能が充分に細かくなる。その結果、ミキサ1106からのダウンコンバージョンの後、周波数は、
図10に示すアーキテクチャの場合よりもはるかに低くなる。このより低い周波数により、
図11(ブロック1112〜1124)に示すようなFM復調器がより大きい変換利得で動作し得る。(ソース1102などの)信号ソースを正確にヘテロダイン処理して低周波数にすることの別の利点は、絶対位相ノイズが大き過ぎることがある位相及び周波数復調方法が低周波数で適切になることである。このような復調方法は、本明細書で開示されるシステムアーキテクチャを適切にサポートするために、周波数アジャイルLC(インダクタンス−キャパシタンスタンク回路)発振器を必要とすることがある。低周波数では、絶対位相ノイズは、本明細書で説明する方法によって改善されるより高い周波数の信号ソースにおける同じ種類の発振器と比較して極めて小さくなり得る。したがって、
図2及び
図3に示す位相検出器回路はさらに実用的になり、VCXO204はLC VCOで置き換えられ得る。VCOも含む位相同期ループ型FM検出器もやはりさらに実用的になる。位相同期ループ型FM復調器では、復調される信号(この場合、不要な位相ノイズ及びスプリアス位相混入)がVCO制御電圧として現れる。
【0055】
図12は、本開示に従った、フィードバックを用いて信号の位相混入を低減させるように信号キャンセルを実施するための例示システム1200を示す。上述の様々なシステムは、概して、信号ソースからの信号内の位相ノイズ及び他の不要な角度変調されたエネルギーをキャンセル又は部分的にキャンセルする技術を用いている。この技術は、さらに大きな又は可能な最大限のキャンセルが得られるため、及び製造がより実用的な実装を達成するため、位相変調器に供給される反転されたベースバンド信号のレベルを自動的に調節する技術で補完され得る。
【0056】
この例を
図12に示す。
図12では、アーキテクチャの幾つかの態様はシステム1100の態様に類似している。例えば、構成要素1202〜1210は、
図11の構成要素1102〜1110と同じ又は類似のものとし得る。また、FM復調器1212が、
図11からの構成要素1112〜1126を集合的に表し得るが、任意の適切なFM復調器が用いられ得る。さらに、回路要素1228は、
図11の回路要素1128に類似のものとし得る。ただし、本明細書での回路要素1228は、自動利得制御(AGC)及び遅延補償回路要素を更に含み、それにより、位相変調器1230に供給される反転されたベースバンド信号のレベル及び位相が規制される。また、基準ソース1232は、基準ソース1132と同じ又は類似のものとし得、開口位相検出器(APD)型PLLシンセサイザ1234は、
図11の構成要素1134〜1140を表し得る。
【0057】
この例では、位相ノイズ及び他の混入は、位相変調器1230の前及び後の両方で復調される。すなわち、構成要素1206〜1228は位相変調器1230の前で位相ノイズ及び他の混入を復調し、構成要素1242〜1250は位相変調器1230の後で位相ノイズ及び他の混入を同様に復調する。ただし、ここでの回路要素1250は、残りの位相ノイズ及び他の混入のレベルを表す変動するDC電圧を供給するためのAMエンベロープ検出及び時定数用の回路要素を含む。これは、設計上、米国特許第7,809,517号に記載の位相ノイズ測定機器のサブシステムブロックに類似のものとし得る。回路要素1250は反転機能及びAGC機能を実施しない。ここでの補助基準ソース1232は、両方のサブシステム(構成要素1206〜1228及び構成要素1242〜1252)に対応する。方向性カプラ1252が、位相変調器1230からの出力の少なくとも一部をミキサ1242に提供する。
【0058】
ハンティングサーボ1252が、回路要素1250のDC出力をAGC制御電圧として自動利得制御のため回路要素1228に供給する。AGC制御電圧は、位相変調器1230によって出力される信号内の位相ノイズ及び他の混入の検出量を減少又は最小限にする助けとなり得る。サーボ1252は、このサーボシステムが符号付き「誤差」信号(変調器1230への瞬間反転信号が大き過ぎるか又は小さ過ぎるかを示す信号)を受け取らないことがあることを示すために「ハンティング」と記述される。その代わりに、いずれの方向に進むか決めるために1方向に調節をまず増分することによって正しい値に到達することができ、わずかなオーバーシュートが観察されるまでこの方向に進み、次いで、この正しい値に戻る。このような技術は、例えば、高利得アンテナを方向づけこと、及び最大パワー点を得るために太陽エネルギーハーベスティングアレイを制御することなどに一般に用いられている。一度正しい値が見つかると、補正メカニズム及びAGC値はそこで固定され得ることを理解されたい。一度、位相変調器の入力レベルを最適化することによって最小位相混入値が見つかると、或る種のアプリケーションでは、制御システム(具体的には、論理要素1254)が、10MHzを超える周波数を変調して変調信号と信号ソース1202及びスプリッタ1204からくる信号との間の180°の位相シフトを維持するように時間遅延を変化させ得る。
【0059】
変調器1230に続く検出サブシステム(構成要素1242〜1252)は、他方の検出サブシステム(構成要素1206〜1228)よりも大きな負荷を有するように見える。例えば、検出サブシステム(構成要素1242〜1252)は、より小さな量の位相ノイズ及び他の混入を処理する。ただし、小信号を検出するその能力は、瞬間値ではなく平均値を処理することによって大きく増強され得る。さらに、最大キャンセルを提供するために正しい変調信号値を決定することは、信号ソース1202を変調するために(連続的又は一時的に)大きなパイロットトーンを挿入することによって増強され得る。これは、パイロットトーンを生成するため回路要素1228及びサーボ1252の出力を用いる論理要素1254を用いて行い得る。特定の例として、パイロット信号を用いて故意に信号ソース1201に混入を生じさせて、変調器後の検出器を簡略化する助けとすることができ、正しい変調レベルが実装されると、パイロット信号をオフにし得る。
【0060】
図1〜
図12に示す様々なシステムの特定の実施形態では、10dB〜20dBの位相ノイズの改善が、100Hz〜数十MHzの位相ノイズ側波帯範囲について実現可能である。信号キャンセルプロセス後の位相ノイズ及びスプリアス混入の最終値は、初期量に相対的に無関係である。その結果、狭いチャネル間隔、高速同期、及び低い位相ノイズ及びスプリアス混入を得ることを困難にする他の仕様を実現するように設計されるシンセサイザがこれらの劣化に関係なく設計され得る。これらのシステムのいずれにも、そのベースバンド変調信号レベルを自動的に調節する技術を組み込むことができる。キャンセル位相変調器は、大抵の周波数シンセサイザ内のフィードバックシステムがそうであるように、連続的に正しい変調入力レベルについて調節する必要がないことに留意されたい。また、任意の適切なスカートネットワーク勾配検出器、非同期エンベロープ検出器、直角位相シフトネットワーク、及び他のFM検出器が用いられ得る(RF MEMS又は集積自立バルク音響共振器構造など)。
【0061】
図1〜
図12では信号の位相混入を低減させるように信号キャンセルを実施するためのシステムの例を示したが、
図1〜
図12に様々な変更をすることができる。例えば、これらのシステムのいずれの各構成要素も、上述の機能を実施するための任意の適切な構造を用いて実装され得る。また、各図に示す機能的分割は単に例示を目的としている。各図に示す様々な構成要素は、組み合わせることもできるし、さらに細かく分割することもでき、又は省略することもでき、また、付加的な構成要素を特定の必要性に応じて追加することもできる。さらに、図の1つ又は複数で用いられる様々な構成要素は他の図でも用いられ得る。
【0062】
さらに、各システム内の信号ソースは局部ソースとして示されているが、信号ソースから離れた場所でも、不要な位相混入の除去を任意の適切な場所で行い得る。例えば、信号ソースからの信号は付加的なノイズ及びスプリアス決定性変調を取り込み得るので、混入除去は離れた場所で実施され得る。さらに、信号ソースは非変調ソース信号を提供すると決まって説明してきたが、意図的に変調された(且つ、おそらくは離れて位置する)キャリアが、これらのシステムによって処理される前に、その変調が取り去られてコヒーレントキャリアを形成し得る。また、生成後のクリーン化がなされ得る場合により高速な周波数スルーレートやより狭いチャネル間隔など、他の方式でよりよい性能のために多くの種類の単色性信号シンセサイザが設計され得る。
【0063】
「位相混入」という用語は、信号の任意の角度変調を指し、位相ノイズ、周期ジッタ、及びスプリアス成分を含む。
【0064】
図13は、本開示に従った、信号の位相混入を低減させるように信号キャンセルを実施するための例示の方法1300を示す。ここで示す方法1300は、上述のシステムのいずれによっても、又は任意の他の適切に配置されるシステムによっても用いられ得る。
【0065】
図13に示すように、ステップ1302でソース信号が生成され、このソース信号はステップ1304で分割され複数の信号処理経路に提供される。ソース信号は、任意の適切なソースを用いて生成され得、ソース信号は任意の適切な方式で分割され得る。
【0066】
ステップ1306で、ソース信号の一つの分割部分における位相混入が、1つの信号処理経路においてベースバンドに復調される。これは、位相検出器又はFM検出器(遅延線弁別器、直角位相検出器、又は勾配検出器など)を用いて、或いは任意の他の適切な方式でなされ得る。ステップ1308で、ソース信号の別の分割部分が、別の処理経路において、復調された位相混入を含むベースバンド信号を用いて変調される。これは、例えば、ソース信号の分割部分及びベースバンドでの位相混入の両方を受け取る位相又は周波数変調器を用いることを含み得る。
【0067】
任意選択で、ステップ1310で、変調された信号内に残りの位相混入があればそれを、例えば、位相変調器1230の出力内の位相ノイズ及び他の混入を復調する構成要素1242〜1250を用いることによって、測定する。これは、ステップ1312で、例えば、位相変調器に提供されるベースバンド信号を調節するためにフィードバックとして用いられ得る。
【0068】
図13には信号の位相混入を低減させるように信号キャンセルを実施するための方法1300の一例を示すが、
図13に様々な変更をすることができる。例えば、
図13の様々なステップは、一連のステップとして示すが、重なり合うこともできるし、並列に行うこともでき、また、任意の回数行うこともできる。
【0069】
上述のシステム及び方法は、概して、通常PLL及びFLLでなされる長期安定性の維持から位相ノイズ低減(短期安定性)を分離する。位相ノイズ、周期ジッタ、又は他の混入の低減は、元のソース信号に存在する元の位相ノイズ量にかかわらず、本質的に最終位相ノイズの同じレベルまで成され得る。これにより、極めて狭いチャネル間隔又は他の理由により比較的大きな位相ノイズを有するターゲットシンセサイザをクリーンにできる。本開示は、本明細書で説明した例示実施形態に関連して例示するために述べた特定の値に限定されない。他の実施形態は、その実装に応じて、異なるシステム構成要素、電圧、周波数、ノイズレベル、利得、抵抗、容量、及び他の値を用い得る。また、上記で与えられる値(電圧、周波数、ノイズレベルなど)は単に近似値であることを理解されたい。
【0070】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示実施形態に様々な改変をなし得ること、及び多くの他の異なる実施形態が可能であることが本発明に関連する当業者には理解されよう。