特許第6131217号(P6131217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京瓦斯株式会社の特許一覧

特許6131217配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラム
<>
  • 特許6131217-配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラム 図000002
  • 特許6131217-配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラム 図000003
  • 特許6131217-配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラム 図000004
  • 特許6131217-配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラム 図000005
  • 特許6131217-配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラム 図000006
  • 特許6131217-配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラム 図000007
  • 特許6131217-配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラム 図000008
  • 特許6131217-配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラム 図000009
  • 特許6131217-配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラム 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131217
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/26 20060101AFI20170508BHJP
   F17D 5/02 20060101ALI20170508BHJP
   G01M 3/28 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   G01M3/26 M
   F17D5/02
   G01M3/28 A
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-110290(P2014-110290)
(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公開番号】特開2015-224978(P2015-224978A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2016年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大木 勝裕
(72)【発明者】
【氏名】森 博史
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 和也
【審査官】 東松 修太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−288031(JP,A)
【文献】 特開2004−309159(JP,A)
【文献】 特開2007−232666(JP,A)
【文献】 特開2003−227773(JP,A)
【文献】 特開平07−027591(JP,A)
【文献】 特開平09−229743(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0165534(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00− 3/40
F17D 5/00− 5/08
G01F 17/00−22/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスが流れるガス流路を開閉する開閉手段と、
前記ガス流路のうちの前記開閉手段の設置位置よりも下流側の下流側ガス流路におけるガス流量を検出するガス流量検出手段と、
前記下流側ガス流路のガス圧力を検出するガス圧力検出手段と、
前記下流側ガス流路を介して供給されたガスを消費する消費手段により前記ガスが消費されている状態で、かつ、前記開閉手段により前記ガス流路が閉じられていない状態での前記ガス流量検出手段による検出結果、及び前記消費手段により前記ガスが消費されている状態で前記開閉手段により前記ガス流路が閉じられた場合に前記ガス圧力検出手段により検出されたガス圧力の経時変化の特性に基づいて、前記下流側ガス流路における配管容量を導出して出力する出力手段と、
を含む配管容量推定装置。
【請求項2】
前記消費手段により前記ガスが消費されている状態で前記ガス流量が一定値に収束した場合に前記ガス流路が閉じられるように前記開閉手段を制御する制御手段を更に含む請求項1に記載の配管容量推定装置。
【請求項3】
前記検出結果は、前記消費手段により前記ガスが消費されている状態で前記ガス流量検出手段により検出された代表ガス流量である請求項1又は請求項2に記載の配管容量推定装置。
【請求項4】
前記代表ガス流量は、前記消費手段により前記ガスが消費されている状態で前記ガス流量が一定値に収束した場合に前記ガス流量検出手段により検出されたガス流量である請求項3に記載の配管容量推定装置。
【請求項5】
前記代表ガス流量は、前記消費手段により前記ガスが消費されている状態で予め定められた時間内に検出されたガス流量の平均値である請求項3に記載の配管容量推定装置。
【請求項6】
前記特性は、前記ガス圧力検出手段により複数回検出されたガス圧力の時間推移である請求項1から請求項5の何れか1項に記載の配管容量推定装置。
【請求項7】
前記検出結果、前記時間推移、及び前記配管容量の相関が予め定められた相関情報を有しており、
前記出力手段は、前記相関情報から前記検出結果及び前記時間推移に応じた前記配管容量を導出して出力する請求項6に記載の配管容量推定装置。
【請求項8】
前記特性は、前記ガス圧力検出手段により検出されたガス圧力の単位圧力当たりの降下に要する降下時間である請求項1から請求項5の何れか1項に記載の配管容量推定装置。
【請求項9】
前記検出結果、前記降下時間、及び前記配管容量の相関が予め定められた相関情報を有しており、
前記出力手段は、前記相関情報から前記検出結果及び前記降下時間に応じた前記配管容量を導出して出力する請求項8に記載の配管容量推定装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の配管容量推定装置と、
前記配管容量推定装置に含まれる前記出力手段により出力された配管容量に基づいてガス漏れを検査する検査手段と、
を含むガス漏れ検査装置。
【請求項11】
ガスが流れるガス流路のうちの、前記ガス流路を開閉する開閉手段の設置位置よりも下流側の下流側ガス流路におけるガス流量を検出し、
前記下流側ガス流路のガス圧力を検出し、
前記下流側ガス流路を介して供給されたガスを消費する消費手段により前記ガスが消費されている状態で、かつ、前記開閉手段により前記ガス流路が閉じられていない状態での前記ガス流量の検出結果、及び前記消費手段により前記ガスが消費されている状態で前記開閉手段により前記ガス流路が閉じられた場合に検出したガス圧力の経時変化の特性に基づいて、前記下流側ガス流路における配管容量を導出して出力する
ことを含む配管容量推定方法。
【請求項12】
コンピュータを、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の配管容量推定装置に含まれる前記出力手段として機能させるための配管容量推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガス配管の容量は、測定区間の長さと配管の断面積を知ることで容易に測定することができる。ガス供給配管からのガス漏れを判断する場合、従来はガス圧力の変動あるいは流量変化等から判断しているが、これに配管容量が情報として加われば、個別の内管容量に応じたより正確なガス漏れの判断を行うことが可能になる。
【0003】
従来の技術では、その都度配管の長さや配管の直径を計測してからでないと配管容量を計算できないため、測定までに時間と手数がかかり、配管容量を短時間に知ることが困難である。そのため、ガス漏れ検査において、迅速により正確なガス漏れの判断を行うことが困難である。
【0004】
このような課題を解決するための技術の一例としては、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。
【0005】
特許文献1には、マイコンメータのガス流路遮断手段の復帰時において、ガス圧力検出手段により検出されるガス圧力の時間推移からガス流路遮断手段の下流側ガス流路における配管容量を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3445677号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、ガス流路遮断手段の復帰時(ガス流路が開かれたとき)のガス圧力の変位が瞬間的な変位であるため、下流側ガス流路における配管容量を精度良く推定することが困難である、という問題点があった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、本発明に係る構成を有しない場合に比べ、下流側ガス流路における配管容量を精度良く推定することができる配管容量推定装置、ガス漏れ検査装置、配管容量推定方法、及び配管容量推定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の配管容量推定装置は、ガスが流れるガス流路を開閉する開閉手段と、前記ガス流路のうちの前記開閉手段の設置位置よりも下流側の下流側ガス流路におけるガス流量を検出するガス流量検出手段と、前記下流側ガス流路のガス圧力を検出するガス圧力検出手段と、前記下流側ガス流路を介して供給されたガスを消費する消費手段により前記ガスが消費されている状態での前記ガス流量検出手段による検出結果、及び前記消費手段により前記ガスが消費されている状態で前記開閉手段により前記ガス流路が閉じられた場合に前記ガス圧力検出手段により検出されたガス圧力の経時変化の特性に基づいて、前記下流側ガス流路における配管容量を導出して出力する出力手段と、を含む。
【0010】
請求項2に記載の配管容量推定装置は、前記消費手段により前記ガスが消費されている状態で前記ガス流量が一定値に収束した場合に前記ガス流路が閉じられるように前記開閉手段を制御する制御手段を更に含む。
【0011】
請求項3に記載の配管容量推定装置では、前記検出結果は、前記消費手段により前記ガスが消費されている状態で前記ガス流量検出手段により検出された代表ガス流量である。
【0012】
請求項4に記載の配管容量推定装置では、前記代表ガス流量は、前記消費手段により前記ガスが消費されている状態で前記ガス流量が一定値に収束した場合に前記ガス流量検出手段により検出されたガス流量である。
【0013】
請求項5に記載の配管容量推定装置では、前記代表ガス流量は、前記消費手段により前記ガスが消費されている状態で予め定められた時間内に検出されたガス流量の平均値である。
【0014】
請求項6に記載の配管容量推定装置では、前記特性は、前記ガス圧力検出手段により複数回検出されたガス圧力の時間推移である。
【0015】
請求項7に記載の配管容量推定装置は、前記検出結果、前記時間推移、及び前記配管容量の相関が予め定められた相関情報を有しており、前記出力手段が、前記相関情報から前記検出結果及び前記時間推移に応じた前記配管容量を導出して出力する。
【0016】
請求項8に記載の配管容量推定装置では、前記特性は、前記ガス圧力検出手段により検出されたガス圧力の単位圧力当たりの降下に要する降下時間である。
【0017】
請求項9に記載の配管容量推定装置は、前記検出結果、前記降下時間、及び前記配管容量の相関が予め定められた相関情報を有しており、前記出力手段が、前記相関情報から前記検出結果及び前記降下時間に応じた前記配管容量を導出して出力する。
【0018】
請求項10に記載のガス漏れ検査装置は、請求項1から請求項9の何れか1項に記載の配管容量推定装置と、前記配管容量推定装置における出力手段により出力された配管容量に基づいてガス漏れを検査する検査手段と、を含む。
【0019】
請求項11に記載の配管容量推定方法は、ガスが流れるガス流路のうちの、前記ガス流路を開閉する開閉手段の設置位置よりも下流側の下流側ガス流路におけるガス流量を検出し、前記下流側ガス流路のガス圧力を検出し、前記下流側ガス流路を介して供給されたガスを消費する消費手段により前記ガスが消費されている状態での前記ガス流量の検出結果、及び前記消費手段により前記ガスが消費されている状態で前記開閉手段により前記ガス流路が閉じられた場合に検出したガス圧力の経時変化の特性に基づいて、前記下流側ガス流路における配管容量を導出して出力することを含む。
【0020】
請求項12に記載の配管容量推定プログラムは、コンピュータを、請求項1から請求項9の何れか1項に記載の配管容量推定装置における出力手段として機能させるための配管容量推定プログラムである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1及び請求項10〜請求項12に係る発明によれば、本発明に係る構成を有しない場合に比べ、下流側ガス流路における配管容量を精度良く推定することができる。
【0022】
請求項2に係る発明によれば、ガスが消費されている状態でガス流量が一定値に収束した場合にガス流路が閉じられるように開閉手段が制御される構成を有しない場合に比べ、ガス流路を閉じる作業に要する手間を軽減することができる。
【0023】
請求項3に係る発明によれば、ガス流量検出手段による検出結果として、ガスが消費されている状態でガス流量検出手段により検出された代表ガス流量を用いない場合に比べ、ガス流量検出手段による検出結果を簡易に得ることができる。
【0024】
請求項4に係る発明によれば、上記の代表ガス流量として、ガスが消費されている状態でガス流量が一定値に収束した場合にガス流量検出手段により検出されたガス流量を用いない場合に比べ、信頼性の高い検出結果を配管容量の導出に供することができる。
【0025】
請求項5に係る発明によれば、上記の代表ガス流量として、ガスが消費されている状態で予め定められた時間内に検出されたガス流量の平均値を用いない場合に比べ、信頼性の高い検出結果を配管容量の導出に供することができる。
【0026】
請求項6に係る発明によれば、ガスが消費されている状態での検出結果、及び複数回検出されたガス圧力の時間推移に基づいて配管容量が導出される構成を有しない場合に比べ、配管容量を精度良く推定することができる。
【0027】
請求項7に係る発明によれば、検出結果、時間推移、及び配管容量の相関が予め定められた相関情報を用いずに配管容量を導出して出力する構成を有しない場合に比べ、配管容量の高精度な推定を簡易に実現することができる。
【0028】
請求項8に係る発明によれば、ガス圧力検出手段により検出されたガス圧力の経時変化の特性として、ガス圧力検出手段により検出されたガス圧力の単位圧力当たりの降下に要する降下時間を用いない場合に比べ、迅速に配管容量を推定することができる。
【0029】
請求項9に係る発明によれば、検出結果、降下時間、及び配管容量の相関が予め定められた相関情報を用いずに配管容量を導出して出力する構成を有しない場合に比べ、配管容量の迅速な推定を簡易に実現することができる。
【0030】
請求項10に係る発明によれば、本発明に係る配管容量推定装置における出力手段により出力された配管容量に基づいてガス漏れが検査される構成を有しない場合に比べ、ガス漏れを精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施形態に係るガス管理装置の外観構成の一例を示す概略構成図である。
図2】実施形態に係るガス管理装置の電気系のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るガス管理装置に含まれる二次記憶部の記憶内容の一例を示す概念図である。
図4】実施形態に係るガス管理装置に含まれる二次記憶部に記憶されている配管容量推定用テーブルの構成の一例を示すグラフである。
図5】実施形態に係る配管容量推定処理の一例を示すフローチャートである。
図6】配管容量、圧力降下量、及びガス漏れ量の対応関係の一例を示す概念図である。
図7】実施形態に係るガス漏れ検査処理の一例を示すフローチャートである。
図8】ガス漏れが生じていない場合のガス圧力の時間推移の一例、及びガス漏れが生じている場合のガス圧力の時間推移の一例を示すグラフ(グラフ化された配管容量推定用テーブル)である。
図9】実施形態に係るガス管理装置に含まれる二次記憶部に記憶されている配管容量推定用テーブルの構成の変形例を示すグラフ(グラフ化された配管容量推定用テーブル)である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
【0033】
一例として図1に示すように、本実施形態に係るガスメータ10(本発明に係る配管容量推定装置及びガス漏れ検査装置の一例)は、筐体12を有する。筐体12には、本発明に係る開閉手段の一例である電磁弁14、本発明に係るガス流量検出手段の一例であるガス流量計16、本発明に係るガス圧力検出手段の一例である圧力センサ18、及び制御装置20が収容されている。また、筐体12には、ガス管22の一部が収容されている。ガス管22には、ガス供給源(図示省略)から供給されたガスGが流れるガス流路24が形成されている。
【0034】
筐体12に収容されているガス管22には、ガス流路24の上流側から下流側にかけて電磁弁14、ガス流量計16及び圧力センサ18が順に設置されている。なお、ガス流路24は、電磁弁14の設置位置よりも上流側の上流側ガス流路24Aと、電磁弁14の設置位置よりも下流側の下流側ガス流路24Bとに大別される。
【0035】
ガス管22の圧力センサ18の設置位置よりも下流側には、検圧口22Aが形成されており、検圧口22Aは開閉自在の蓋26によって覆われている。検圧口22Aには、例えば、ガス吸着装置(図示省略)が接続される。検圧口22Aにガス吸着装置が接続されると、上流側ガス流路24Aから下流側ガス流路24Bに供給されたガスGは、ガス吸着装置によって吸着される。
【0036】
下流側ガス流路24Bの末端には、ガス器具28(本発明に係る消費手段の一例)が接続されている。ガス器具28は、下流側ガス流路24Bを介して供給されたガスGを消費する器具(例えば、ガスコンロ)である。
【0037】
電磁弁14は、ガス流路24を開閉する。ガス流量計16は、下流側ガス流路24Bにおけるガス流量を検出する。圧力センサ18は、下流側ガス流路24Bのガス圧力を検出する。
【0038】
なお、本実施形態では、ガス流量の一例として、特定の時点での単位時間(例えば、1時間)当たりのガス流量(リットル/h)を採用しているが、これに限らず、例えば、ガス流量の一例として、数十秒間(例えば、30秒間)の平均ガス流量であってもよい。上記の特定の時点とは、例えば、後述の配管容量推定処理のステップ102で判定が肯定された時点をいう。以下では、説明の便宜上、特定の時点での単位時間当たりのガス流量を、単に「ガス流量」と称する。
【0039】
一例として図2に示すように、制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)30、一次記憶部32、二次記憶部34、タイマ36、及びインプット・アウトプット・インターフェース(I/O)40を含む。CPU30、一次記憶部32、二次記憶部34、タイマ36、及びI/O40は、バス38を介して相互に接続されている。
【0040】
CPU30は、ガスメータ10の全体の動作を制御する。一次記憶部32は、揮発性のメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)である。二次記憶部34は、不揮発性のメモリであり、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable)、フラッシュメモリ、又はHDD(Hard Disk Drive)である。タイマ36は、CPU30の指示に従って計時を行う。なお、タイマ36による計時は、CPU30によってリセットされる。
【0041】
I/O40は、CPU30と各種の入出力デバイスとを電気的に接続してCPU30と各種の入出力デバイスとの間の各種情報の送受信を司る。ガスメータ10は、I/O40に接続されることで、バス38を介してCPU30と電気的に接続される入出力デバイスとして、ガス流量計16及び圧力センサ18を備えている。また、ガスメータ10は、I/O40に接続される入出力デバイスとして、外部インタフェース(I/F)42及び駆動回路44を備えている。
【0042】
通信I/F42は、ガスメータ10の検針員や設置業者など(以下、「利用者」と称する)が所有する端末装置46とCPU30との間の各種情報の送受信を司る。通信I/F42は、例えば、A/D変換器(図示省略)、送受信回路(図示省略)、及びアンテナ(図示省略)等により実現される。通信I/F42は、端末装置46とアソシエーションを行って端末装置46との間で通信路を確立することで、端末装置46を通信先として設定し、CPU30の指示に従って端末装置46との間で無線通信を行う。
【0043】
なお、端末装置46には、ハードキーやスイッチ等を含む受付部(図示省略)が設けられており、端末装置46は、受付部によって受け付けられた指示に従ってガスメータ10と無線通信を行う。また、端末装置46には、ディスプレイ(図示省略)が設けられており、端末装置46は、ガスメータ10と無線通信を行うことでガスメータ10から受信した各種情報をディスプレイに表示する。
【0044】
駆動回路48は、電磁弁14に接続されており、CPU30の指示に応じて、電磁弁14を駆動させる。
【0045】
一例として図3に示すように、二次記憶部34は、配管容量推定プログラム50及びガス漏れ検査プログラム52(以下では、説明の便宜上、区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「プログラム」と称する)を記憶している。
【0046】
CPU30は、二次記憶部34から配管容量推定プログラム50を読み出して一次記憶部32に展開し、配管容量推定プログラム50を実行することで、本発明に係る出力手段として動作する。
【0047】
すなわち、CPU30は、ガス器具28によりガスが消費されている状態でのガス流量計16による検出結果、及び圧力センサ18により検出されたガス圧力の経時変化の特性に基づいて、下流側ガス流路24Bにおける配管容量を導出して出力する。なお、以下では、説明の便宜上、「下流側ガス流路24Bにおける配管容量」を単に「配管容量」と称する。
【0048】
なお、ここで、ガス圧力の経時変化の特性とは、ガス器具28によりガスが消費されている状態で電磁弁14によりガス流路24が閉じられた場合に圧力センサ18により検出されたガス圧力の経時変化の特性をいう。
【0049】
また、CPU30は、二次記憶部34から配管容量推定プログラム50を読み出して一次記憶部32に展開し、配管容量推定プログラム50を実行することで、本発明に係る制御手段として動作する。
【0050】
すなわち、CPU30は、ガス器具28によりガスGが消費されている状態でガス流量が一定値に収束した場合にガス流路24が閉じられるように電磁弁14を制御する。
【0051】
ここで、ガス流量が一定値に収束したか否かの判断は、ガス流量計16により同一値のガス流量が単位時間(例えば、1秒)毎に複数回(例えば、30回)連続して検出されたか否かが判断されることによって行われるが、本発明これに限定されるものではない。例えば、ガス流量が一定値に収束したか否かの判断は、下流側ガス流路24BへのガスGの流れ出し開始からガス流量が一定値に収束する時間として予め定められた時間(例えば、30秒)が経過したか否かが判断されることによって行われてもよい。
【0052】
更に、CPU30は、二次記憶部34からガス漏れ検査プログラム52を読み出して一次記憶部32に展開し、ガス漏れ検査プログラム52を実行することで、本発明に係る検査手段として動作する。
【0053】
すなわち、CPU30は、配管容量推定プログラム50を実行することにより推定(導出)した配管容量に基づいてガス漏れを検査する。
【0054】
なお、ここでは、プログラムを二次記憶部34から読み出す場合を例示しているが、必ずしも最初から二次記憶部34に記憶させておく必要はない。例えば、ガスメータ10に接続されて使用される可搬型の記憶媒体に先ずはプログラムを記憶させておいてもよい。そして、CPU30がこれらの可搬型の記憶媒体からプログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、通信手段を介してガスメータ10に接続されるコンピュータ又はサーバ装置等の外部電子計算機の記憶部にプログラムを記憶させておいてもよい。この場合、CPU30は外部電子計算機からプログラムを取得して実行する。
【0055】
一例として図3に示すように、二次記憶部34は、配管容量推定用テーブル54を記憶している。配管容量推定用テーブル54は、ガス器具28によりガスGが消費されている状態でのガス流量計16による検出結果、圧力センサ18により複数回検出されたガス圧力の時間推移、及び下流側ガス流路24Bにおける配管容量の相関を示す相関情報である。
【0056】
なお、本実施形態では、ガス器具28によりガスGが消費されている状態でのガス流量計16による検出結果と圧力センサ18により複数回検出されたガス圧力の時間推移との対応関係が規定された配管容量推定用テーブル54が配管容量毎に割り当てられている。
【0057】
図4には、50リットルの配管容量に関する配管容量推定用テーブル54の一例が示されている。図4に示す例では、ガス流量計16により検出されたガス流量が50リットル/h及び200リットル/hの各々の場合に圧力センサ18により単位時間毎に複数回検出されたガス圧力の時間推移が規定されている。なお、例えば、ガス器具28がガスコンロの場合、「50リットル/h」は、ガスコンロを中火にした場合のガス流量を示し、「200リットル/h」は、ガスコンロを強火にした場合のガス流量を示す。
【0058】
なお、図4に示す例では、ガス流量が50リットル/h及び200リットル/hの各々に関するガス圧力の時間推移が規定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これ以外のガス流量に関するガス圧力の時間推移が更に規定されていてもよい。
【0059】
次に、配管容量推定処理を開始する条件として予め定められた条件(推定開始条件)を満たした場合にCPU30が配管容量推定プログラム50を実行することでCPU30が行う配管容量推定処理について、図5を参照して説明する。
【0060】
なお、ここでは、ガス流路24にガスGが充填されており、かつ、電磁弁14によってガス流路24が閉じられている状態で配管容量推定処理の実行が開始されることを前提としている。また、ここでは、ガス器具28によりガスGが消費されている状態で配管容量推定処理の実行が開始されることを前提としている。ガス器具28によりガスGが消費されている状態とは、例えば、ガス器具28がガスコンロの場合、ガスコンロの火力調整スイッチが「中火」に設定されることでガスGが燃焼されている状態をいう。また、上記の推定開始条件とは、例えば、ガスメータ10に設けられているリセットスイッチ(図示省略)がオンされたとの条件、又は、端末装置46を介して推定開始指示がガスメータ10に入力されたとの条件などが挙げられる。
【0061】
図5に示す配管容量推定処理では、先ず、ステップ100で、CPU30は、電磁弁14を駆動させることでガス流路24を開き、その後、ステップ102へ移行する。
【0062】
ステップ102で、CPU30は、ガス流量が安定する条件として予め定められた流量安定条件を満たしたか否かを判定する。なお、本ステップ100では、流量安定条件の一例として、ガス流量計16により同一値のガス流量が単位時間毎に複数回連続して検出されたとの条件を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ステップ100の処理が実行されたことに応じてタイマ36による計時が開始され、タイマ36により計測された時間が事前に設定された時間(例えば、30秒)に達したとの条件を流量安定条件として採用してもよい。
【0063】
ステップ102において、流量安定条件を満たしていない場合は判定が否定されて、本ステップ102の判定が再び行われる。ステップ102において、流量安定条件を満たした場合は判定が肯定されて、ステップ104へ移行する。
【0064】
ステップ104で、CPU30は、ガス流量計16に対してガス流量を検出させ、検出させたガス流量(本発明に係る代表ガス流量の一例)を一次記憶部32に記憶し、その後、ステップ106へ移行する。
【0065】
ステップ106で、CPU30は、電磁弁14を駆動させることでガス流路24を閉じ、その後、ステップ108へ移行する。
【0066】
ステップ108で、CPU30は、圧力センサ18に対してガス圧力を検出させ、検出させたガス圧力を一次記憶部32に時系列に記憶し、その後、ステップ110へ移行する。なお、本ステップ108の処理が実行されるとタイマ36がリセットされ、タイマ36による計時が開始される。
【0067】
ステップ110で、CPU30は、圧力センサ18によるガス圧力の検出を終了させる圧力検出終了条件を満たしたか否かを判定する。圧力検出終了条件の一例としては、ステップ108でガス圧力の検出が所定回数(例えば、100回)行われたとの条件、又は、端末装置46を介して圧力検出終了指示がガスメータ10に入力されたとの条件などが挙げられる。
【0068】
ステップ110において、圧力検出終了条件を満たしていない場合は判定が否定されて、ステップ112へ移行する。ステップ110において、圧力検出終了条件を満たした場合は判定が肯定されて、ステップ114へ移行する。
【0069】
ステップ112で、CPU30は、タイマ36により計測された時間を参照して、ステップ108の処理が実行されてから第1所定時間が経過したか否かを判定する。本ステップ112では、第1所定時間の一例として1秒を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、圧力検出終了条件を満たすまでの間にガス圧力が所定回数検出されることを可能にする時間であれば如何なる時間であってもよい。
【0070】
ステップ112において、ステップ108の処理が実行されてから第1所定時間が経過していない場合は判定が否定されて、本ステップ112の判定が再び行われる。ステップ112において、ステップ108の処理が実行されてから第1所定時間が経過した場合は判定が肯定されて、ステップ108へ移行する。
【0071】
ステップ114で、CPU30は、配管容量推定用テーブル54から、ステップ104で一次記憶部32に記憶されたガス流量、及びステップ108で一次記憶部32に記憶されたガス圧力の時間推移に応じた配管容量を導出する。
【0072】
本ステップ114では、例えば、ステップ104で一次記憶部32に記憶されたガス流量と、ステップ108で一次記憶部32に記憶されたガス圧力の時間推移との対応関係と所定誤差内で一致する対応関係が規定された配管容量推定用テーブル54が検索される。そして、検索されて得られた配管容量推定用テーブル54から配管容量が一意に特定される。例えば、ステップ104で一次記憶部32に記憶されたガス流量と、ステップ108で一次記憶部32に記憶されたガス圧力の時間推移との対応関係が図4に示す対応関係と所定誤差内で一致する場合、配管容量が50リットルであることが一意に特定される。
【0073】
なお、本ステップ114では、上記の所定誤差の一例として、1%を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1%未満の値又は1%を超える値を所定誤差として採用してもよいことは言うまでもない。
【0074】
ステップ116で、CPU30は、ステップ114で導出した配管容量を示す配管容量情報を予め定められた出力先に出力し、その後、本配管容量推定処理を終了する。
【0075】
ここで、予め定められた出力先とは、例えば、二次記憶部34又は端末装置46をいう。端末装置46は、配管容量情報を受信した場合、受信した配管容量情報により示される配管容量をディスプレイに表示する。
【0076】
なお、本実施形態では、ガスメータ10にディスプレイが設けられていない場合を例示しているが、ガスメータ10にディスプレイが設けられている場合はディスプレイに配管容量が表示されるようにしてもよい。
【0077】
ところで、一例として図6に示すように、配管容量推定処理が実行されることによって推定された配管容量(ステップ114で導出された配管容量)とガス漏れによる圧力降下量との間には、一定の対応関係があることが知られている。すなわち、配管容量の規模を「大」、「中」、及び「小」と分類した場合、配管容量が「小」のとき及び配管容量が「大」のときは、何れも圧力低下量が小さい状態から大きい状態になるに従ってガス漏れ量が多くなる。また、同じ圧力降下量の場合には、配管容量が大きいほどガス漏れ量が多くなる。
【0078】
従って、ガスメータ10は、配管容量推定処理が実行されることによって推定された配管容量を利用して一例として図7に示すガス漏れ検査処理を行うことで、従来よりもガス漏れを精度良く検出することが可能となる。
【0079】
次に、ガス漏れ検査処理を開始する条件として予め定められた条件(検査開始条件)を満たした場合にCPU30がガス漏れ検査プログラム52を実行することでCPU30が行うガス漏れ検査処理について、図7を参照して説明する。
【0080】
なお、ここでは、電磁弁14によってガス流路24が閉じられている状態でガス漏れ検査処理の実行が開始されることを前提としている。また、ここでは、ガス器具28が作動していない状態でガス漏れ検査処理の実行が開始されることを前提としている。また、上記の検査開始条件とは、例えば、ガスメータ10に設けられている検査開始スイッチ(図示省略)がオンされたとの条件、又は、端末装置46を介して検査開始指示がガスメータ10に入力されたとの条件などが挙げられる。
【0081】
図7に示すガス漏れ検査処理では、先ず、ステップ150で、CPU30は、電磁弁14を駆動させることでガス流路24を開き、その後、ステップ152へ移行する。
【0082】
ステップ152で、CPU30は、電磁弁14を駆動させることでガス流路24を閉じ、その後、ステップ154へ移行する。なお、本ステップ152では、例えば、ステップ150の処理が終了した時点から下流側ガス流路24BにガスGが満充填されるまでに要する時間として予め定められた時間(例えば、5秒)が経過した場合に電磁弁14が駆動されてガス流路24が閉じられる。
【0083】
ステップ154で、CPU30は、圧力センサ18に対してガス圧力を検出させ、その後、ステップ156へ移行する。なお、本ステップ154の処理が実行されるとタイマ36による計時が開始される。
【0084】
ステップ156で、CPU30は、ステップ154で圧力センサ18に対して検出させたガス圧力が所定圧力に到達(降下)したか否かを判定する。ここで、所定圧力とは、例えば、図8に示すように、ガス漏れが生じていないときのガス圧力P0よりも低いガス圧力P1をいう。なお、図8に示す例において、グラフAは、ガス漏れが生じていない場合(正常時)のガス圧力の時間推移の一例であり、グラフBは、ガス漏れが生じている場合(異常時)のガス圧力の時間推移の一例である。
【0085】
ステップ156において、ステップ154で圧力センサ18に対して検出させたガス圧力が所定圧力に到達(降下)していない場合は判定が否定されて、ステップ158へ移行する。ステップ156において、ステップ154で圧力センサ18に対して検出させたガス圧力が所定圧力に到達(降下)している場合は判定が肯定されて、ステップ160へ移行する。
【0086】
ステップ158で、CPU30は、タイマ36により計測された時間を参照して、ステップ152の処理が実行されてから第2所定時間(図8に示す例では、時間T1)が経過したか否かを判定する。ここで、第2所定時間は、配管容量推定処理が実行されることによって推定された配管容量に応じて定まる。第2所定時間は、例えば、テーブル又は演算式によって導出される。すなわち、配管容量と第2所定時間との対応関係が規定されたテーブル又は演算式が二次記憶部34に予め記憶されており、CPU30によって二次記憶部34からテーブル又は演算式が読み出されて参照される。
【0087】
ステップ158において、ステップ152の処理が実行されてから第2所定時間が経過していない場合は判定が否定されて、ステップ154へ移行する。ステップ158において、ステップ152の処理が実行されてから第2所定時間が経過した場合は判定が肯定されて、ステップ162へ移行する。
【0088】
ステップ160で、CPU30は、異常時処理を実行し、その後、本ガス漏れ検査処理を終了する。異常時処理とは、ガス漏れが生じている場合にCPU30によって行われる処理をいう。異常時処理の一例としては、ブザー(図示省略)を鳴動させる処理、ランプ(図示省略)を点滅させる処理、及びガス漏れが生じたことを示すガス漏れ発生情報を端末装置46に送信する処理などの各処理の少なくとも1つが挙げられる。
【0089】
ステップ162で、CPU30は、正常時処理を実行し、その後、本ガス漏れ検査処理を終了する。正常時処理とは、ガス漏れが生じていない場合にCPU30によって行われる処理をいう。正常時処理の一例としては、電磁弁14を駆動させてガス流路24を開く処理、及びガス漏れが生じていないことを報知する処理のうちの少なくとも1つをいう。なお、ガス漏れが生じていないことを報知する処理とは、例えば、ガス漏れが生じていないことを示すガス漏れ無し情報を端末装置46に送信する処理や、ガス漏れが生じていないことを示す音声メッセージをスピーカ(図示省略)を利用して出力する処理をいう。
【0090】
以上説明したように、ガスメータ10では、ガスGが消費されている状態でのガス流量計16による検出結果、及びガスGが消費されている状態でガス流路24が閉じられた場合に検出されたガス圧力の経時変化の特性に基づいて配管容量が導出される。従って、ガスメータ10は、ガスGが消費されている状態での検出結果、及びガスGが消費されている状態でのガス圧力の経時変化の特性に基づいて配管容量が導出される構成を有しない場合に比べ、配管容量を精度良く推定することができる。
【0091】
また、ガスメータ10では、ガスGが消費されている状態でガス流量が一定値に収束した場合にガス流路24が閉じられるように電磁弁14が制御される(ステップ106)。従って、ガスメータ10は、ガスGが消費されている状態でガス流量が一定値に収束した場合にガス流路24が閉じられるように電磁弁14が制御される構成を有しない場合に比べ、ガス流路を閉じる作業に要する手間を軽減することができる。
【0092】
また、ガスメータ10では、ガス流量計16による検出結果として、ガスGが消費されている状態でガス流量計16により検出された代表ガス流量が採用されている。従って、ガスメータ10は、ガス流量計16による検出結果として、ガスGが消費されている状態でガス流量計16により検出された代表ガス流量を用いない場合に比べ、ガス流量計16による検出結果を簡易に得ることができる。
【0093】
また、ガスメータ10では、上記の代表ガス流量として、ガスGが消費されている状態でガス流量が一定値に収束した場合(ステップ102で判定が肯定された場合)にガス流量計16により検出されたガス流量が採用されている。従って、ガスメータ10は、上記の代表ガス流量として、ガスGが消費されている状態でガス流量が一定値に収束した場合にガス流量計16により検出されたガス流量を用いない場合に比べ、信頼性の高い検出結果を配管容量の導出に供することができる。
【0094】
また、ガスメータ10では、ガスGが消費されている状態でのガス流量計16による検出結果、及び圧力センサ18により複数回検出されたガス圧力の時間推移に基づいて配管容量が導出される(ステップ114)。従って、ガスメータ10は、ガスGが消費されている状態での検出結果、及び複数回検出されたガス圧力の時間推移に基づいて配管容量が導出される構成を有しない場合に比べ、配管容量を精度良く推定することができる。
【0095】
また、ガスメータ10では、配管容量推定用テーブル54から、ガスGが消費されている状態でのガス流量計16による検出結果、及び複数回検出されたガス圧力の時間推移に応じた配管容量が導出されて出力される(ステップ114,116)。従って、ガスメータ10は、配管容量推定用テーブル54を用いずに配管容量を導出して出力する構成を有しない場合に比べ、配管容量の高精度な推定を簡易に実現することができる。
【0096】
また、ガスメータ10では、配管容量推定処理が実行されることにより推定された配管容量に基づいてガス漏れ検査処理が実行されることでガス漏れが検査される。従って、ガスメータ10は、配管容量推定処理が実行されることにより推定された配管容量に基づいてガス漏れ検査処理が実行されることでガス漏れが検査される構成を有しない場合に比べ、ガス漏れを精度良く検出することができる。
【0097】
なお、上記実施形態では、ガス圧力の時間推移及びガス流量に基づいて配管容量が推定される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、圧力センサ18により検出されたガス圧力の単位圧力当たりの降下に要する降下時間(以下、「降下時間」と称する)及びガス流量に基づいて配管容量が推定されるようにしてもよい。この場合、CPU30は、ガス圧力が少なくとも2回検出されることで降下時間を算出することが可能となるので、ガス圧力を3回以上検出する場合に比べ、迅速に配管容量を推定することができる。
【0098】
また、CPU30は、降下時間及びガス流量に基づいて配管容量を推定する場合、一例として図9に示す配管容量推定用テーブル60を利用して配管容量を推定する。図9に示す例では、降下時間の一例として、0.1(kPa)当たりの降下に要する時間が示されており、10秒、5秒、及び2秒が例示されている。そして、配管容量推定用テーブル60では、降下時間毎に配管容量とガス流量との対応関係が規定されている。このように配管容量推定用テーブル60を利用して配管容量が導出されることで、配管容量推定用テーブル60を用いずに配管容量を導出する場合に比べ、配管容量の迅速な推定を簡易に実現することができる。
【0099】
なお、図9に示す例では、降下時間の一例として、10秒、5秒、及び2秒を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、4つ以上の降下時間の各々についての配管容量とガス流量との対応関係が規定されるようにしてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、配管容量推定用テーブル54を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、配管容量推定用テーブル54と同様に機能する演算式を用いてもよい。ここで、演算式とは、例えば、配管容量推定用テーブル54から配管容量を導出する際に使用する入力値(ガス流量及び時間推移)を独立変数とし、配管容量推定用テーブル54から一意に特定される配管容量を従属変数とする演算式をいう。
【0101】
また、CPU30が降下時間及びガス流量に基づいて配管容量を推定する場合に、配管容量推定用テーブル60に代えて演算式を用いて配管容量を推定するようにしてもよい。この場合に用いる演算式の一例としては、配管容量推定用テーブル60から配管容量を導出する際に使用する入力値(ガス流量及び降下時間)を独立変数とし、配管容量推定用テーブル60から一意に特定される配管容量を従属変数とする演算式が挙げられる。
【0102】
また、上記実施形態では、流量安定条件を満たした場合に検出されたガス流量を例示しているが(ステップ104)、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ガスGが消費されている状態で予め定められた時間内(例えば、流量安定条件を満たすまでの間)に検出されたガス流量の平均値が採用されてもよい。これにより、ガスメータ10は、ガスが消費されている状態で予め定められた時間内に検出されたガス流量の平均値を用いない場合に比べ、信頼性の高い検出結果を配管容量の導出に供することができる。また、ここでは、ガスGが消費されている状態で予め定められた時間内に検出された代表ガス流量の変形例としてガス流量の平均値を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ガスGが消費されている状態で予め定められた時間内に検出された代表ガス流量として、ガスGが消費されている状態で予め定められた時間内に検出されたガス流量の中央値、最頻値、又はこれらに準ずる値を用いてもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、配管容量推定処理の実行が開始される前提条件としてガス器具28によりガスGが消費されている場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、検圧口22Aに接続されたガス吸着装置によってガスGが消費されていることを前提条件として配管容量推定処理の実行が開始されるようにしてもよい。また、ガス吸着装置に代えて燃焼器を採用してもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、CPU30がタイマ36により計測された時間を参照する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、CPU30は、内蔵されているタイマ機能を働かせてクロック数をカウントすることにより時間を計測するようにしてもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、配管容量推定プログラム50及びガス漏れ検査プログラム52を例示したがこれはあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、上記実施形態で説明した配管容量推定処理及びガス漏れ検査処理の各々に含まれる各処理は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やプログラマブルロジックデバイス等のハードウェア構成で実現されてもよい。上記実施形態で説明した配管容量推定処理及びガス漏れ検査処理の各々に含まれる各処理は、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0106】
10 ガスメータ
14 電磁弁
16 ガス流量計
18 圧力センサ
24 ガス流路
24B 下流側ガス流路
28 ガス器具
30 CPU
50 配管容量推定プログラム
52 ガス漏れ検査プログラム
54,60 配管容量推定用テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9