(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラが、前記漏れに起因する前記包帯に覆われた状態における陰圧の損失の検出に応じて、前記包帯に覆われた状態における前記所望の陰圧に回復させるために、前記陰圧源を動作させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
前記コントローラが、前記包帯に覆われた状態における前記所望の陰圧に回復させるために、前記陰圧源を周期的に動作させるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
前記コントローラが、前記デューティサイクルとデューティサイクル閾値との比較に応じて前記陰圧源のカウンタを更新することによって、前記陰圧源の前記デューティサイクルを監視するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
前記コントローラが、再試行サイクルの回数が再試行限界を超えた後に、前記包帯に覆われた状態における前記圧力レベルが前記所望の陰圧レベルに到達していない場合に、前記陰圧源を動作停止させるように構成されており、
各再試行サイクルが、前記第1の時間間隔が経過した際に前記陰圧源を動作停止させること、及び、前記第2の時間間隔が経過した際に前記陰圧源を動作させることを含んでいることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面中、類似の参照番号は類似の部分を指す。
【0033】
本明細書に開示する実施形態は、減圧を用いて創傷を治療する装置及び方法に関する。本明細書で使用するとき、−X mmHgなどの減圧又は陰圧レベルは、760mmHg(又は、1気圧、29.93水銀柱インチ、101.325kPa、14.696psiなど)に相当する標準大気圧未満の圧力レベルを表す。したがって、−X mmHgの陰圧値は、760mmHgよりもX mmHg低い絶対圧力、又は換言すれば(760−X)mmHgの絶対圧力を反映する。それに加えて、X mmHgよりも「低い」又は「小さい」陰圧は、大気圧により近い圧力に相当する(例えば、−40mmHgは−60mmHgよりも低い)。−X mmHgよりも「高い」又は「大きい」陰圧は、大気圧からより遠い圧力に相当する(例えば、−80mmHgは−60mmHgよりも高い)。
【0034】
実施形態の幾つかは、ポンプ及び/又はポンプと包帯のキットを備える。幾つかの実施形態は、病院、手術ルーム、又は手術室への納入前、又はかかるデバイスを使用する医療従事者への納入前に滅菌されているポンプ及び/又はポンプと包帯のキットを対象とし、したがって、滅菌ポンプ及び/又は滅菌ポンプ/包帯キットは、外科処置もしくは手術処置の直後に使用することができる。これの1つの利点は、減圧ポンプが動作中であること、及び可能な限り最も早い時点で減圧療法が開始されていることを知って、外科医は患者を手術ルームから解放することができる点である。外科処置又は他の処置の直後に包帯キットを当てることのさらなる利点は、そうすることによって、普通なら病棟で必要とされることがある感染の機会を、後の包帯交換を排除することによって低減できる点である。換言すれば、手術室で包帯(ポンプではなく)が当てられ、その後に漏れ又は包帯に関する他の問題などの事態が見つかるそのような患者に関しては、患者が手術室から解放された後に、包帯を再配置され、交換され、又は別の形がなされるために取り外す必要がある場合、患者の創傷は、手術室の外で包帯が再配置され、交換され、又は別の形がなされるときに、感染リスクに暴露されることがある。しかし、本明細書に開示する実施形態を用いると、患者が手術室にいる間にポンプが使用され試験された場合、包帯は除去され、再配置され、又は別の形がなされることが必要なこともある包帯に関するあらゆる問題を、滅菌された手術ルーム環境で取り扱うことができ、それによって、病原菌、細菌、又は他の汚染物質に暴露されるリスクが大幅に低減又は排除される。さらに、従来のポンプが一旦病院に受け入れられた後でそれを病院側で滅菌することは一般的に不可能であり、したがって、病院は、ポンプを滅菌バッグに入れるという手段を取ることがあるが、この方策によって手術ルームの滅菌野を危険に晒すリスクがあり、特に一旦デバイスをオンにすると、ポンプ内部にあることがある病原菌、細菌、又は他の汚染物質がポンプの動作によって放出される。
【0035】
幾つかの実施形態では、ポンプを、ポンプの構成要素全体にわたる滅菌ガスへの完全な暴露及びその浸透に適したものにする、機構、構成要素、及び他の特性を有する、ガス滅菌に適したものであるように構成することができる。例えば、非限定的に、ポンプ内の流体経路全体を滅菌ガスに暴露することができるように、十分な滅菌ガスのフローを流すことを可能にする、1つ又は複数のポンプ弁が選択又は構成されている。より詳細に後述するように、幾つかの実施形態では、ポンプは、非限定的に、戦略的に位置付けられた一方向フロー弁など、ポンプアセンブリ内の流路を通る漏れを低減することによってポンプの効率を改善することができる、ポンプ内の他の弁を補完する他の構成要素を有することができる。
【0036】
それに加えて、提供された場合、滅菌ポンプ/包帯キットもまた、ガス滅菌に適したものであるように設計し構成することができる。後述するように、滅菌ポンプ/包帯キットは、ポンプアセンブリを含む、滅菌ポンプ/包帯キットを備える構成要素がすべて、滅菌前に少なくとも第1のパッケージング要素にともにパッケージングされて、構成要素をすべてともに滅菌できるように構成することができる。さらに、後述するように、滅菌ポンプ/包帯キットを備える構成要素は、構成要素の少なくとも幾つかを予め定義された順序で除去することができるようにパッケージング内で配列することができるので、外科医又は医療従事者が組み立て、包帯を患者に当てることがより簡単になる。
【0037】
手術室で創傷の治療を始められることには、非限定的に、創傷が滅菌状態及び環境にある状態で、創傷の上に実質的にシールされたバリアを提供し、それによって細菌又は他の汚染物質が創傷に入り込むのを阻害もしくは防止することを含む、多数の利益がある。それに加えて、可能な限り最も早い段階で減圧治療を開始することも、創傷の治癒にとって有利である。
【0038】
それに加えて、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、及び特許文献9に開示されているものなど、本明細書に開示するか又は参照により組み込まれている実施形態は、改善された創傷包帯の構成要素を備える。かかる開示のすべての実施形態、構成要素、機構、及び他の詳細は、本開示の一部を成すものとして参照により本明細書に組み込まれているとともに、本明細書に開示する実施形態の構成要素、機構、及び他の詳細のいずれかの代わりに、又はそれらと組み合わせて使用することができる。例えば、幾つかの実施形態では、創傷包帯は、例えば患者の動きによって創傷包帯に掛かる圧縮力又は剪断力が、治癒途中の創傷を傷つけるのを防ぐ助けとなる、緩衝材として作用するように構成することができる。創傷包帯の実施形態は、創傷部位から除去された創傷浸出物を回収し格納する廃棄物容器として作用してもよく、また、TNP療法が適用されている間、創傷部位を覆う創傷包帯における固形物の蓄積の管理に関する。さらに、本明細書に開示する実施形態は、創傷包帯に陰圧を加えるための方法及び吸気ポート、ならびに吸気ポート及び創傷包帯を製造する方法に関する。
【0039】
さらに、本明細書に開示する幾つかの実施形態は、陰圧治療装置及び包帯を含むシステム、ならびに陰圧治療用包帯とともに使用される、かかる陰圧治療装置を動作させるための方法及びアルゴリズムを対象とする。幾つかの実施形態では、陰圧治療装置は、特に陰圧を創傷に提供するように構成された、ポンプアセンブリを備える。本明細書に開示するポンプアセンブリの幾つかの実施形態は、ポンプアセンブリの動作を制御するように構成された新規で独創的な制御論理を含む。例えば、幾つかの実施形態は、システムにおける1つ又は複数の漏れの存在ならびに/又は深刻度、創傷から吸引された流体(例えば、空気、液体、及び/もしくは固体浸出物など)の流量など、様々な動作状態の監視ならびに検出に応答して、ポンプアセンブリの動作を制御するように構成された、新規で独創的な制御論理を含む。幾つかの実施形態では、制御論理は、システムにおける1つ又は複数の漏れ(例えば、ポンプと流体連通している包帯における1つ又は複数の漏れ、創傷の上の包帯によって作り出されるシールにおける1つ又は複数の漏れなど)を検出するとともに、かかる1つ又は複数の漏れが検出されたときのポンプアセンブリの動作を制御するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、少なくとも正常な又は少量の漏れ(例えば、相対的に低い流量を有する漏れ)、多量の漏れ(例えば、相対的に高い流量を有する漏れ)、及び非常に多量の漏れ(例えば、相対的に非常に高い流量を有する漏れ)の間で区別するように構成することができる。幾つかの実施形態はさらに、上記の漏れと極めて多量の漏れとの間で区別するように構成することができる。
【0040】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、バッテリー電源などの電源によって動力供給される、小型の使い捨てポンプなどの陰圧源を備えることができる。ポンプアセンブリは、約1日間、2〜10日間など、所定の期間の間、治療を提供するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、かかる期間の間、中断されない治療を提供するように求められる場合がある。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、最初の動作後の所定の期間(例えば、7日間)で、それ自体を動作停止するように構成することができる。本明細書に開示するアルゴリズム又は論理は、ポンプアセンブリをより効率的に動作させ、電力を、例えば非限定的に電池電力を節約する助けとすることができる。
【0041】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、陰圧源(例えば、ポンプ)のデューティサイクルを監視するように構成することができる。本明細書で使用するとき、「デューティサイクル」は、所定の期間に亘って陰圧源が活動状態であるか又は稼働している時間量を反映する。換言すれば、デューティサイクルは、検討中の合計時間の一部として、陰圧源が活動状態にある時間を反映する。これは、次式のように数学的に表すことができる。
【0043】
式中、DCはデューティサイクル、tは陰圧源が活動状態である持続時間、Tは検討中の合計時間である。デューティサイクルは、絶対値(例えば、X秒)、割合(例えば、1/X)、百分率(例えば、X%)などとして測定することができる。例えば、1分の期間に亘って、陰圧源が6秒間オンであり(すなわち、動作している)、54秒間オフである(すなわち、動作していない)場合、デューティサイクルは、6秒、1/10、10%などとして表すことができる。
【0044】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、陰圧源のデューティサイクルを監視するように構成されたコントローラを含むことができる。デューティサイクル測定は、陰圧源の活動レベルを反映することができる。例えば、デューティサイクルは、陰圧源が正常に動作している、酷使されている、極めて酷使されているなどを指示することができる。さらに、周期的なデューティサイクル測定などのデューティサイクル測定は、システムにおける漏れの存在ならびに/又は深刻度、創傷から吸引された流体(例えば、空気、液体、及び/もしくは固体浸出物など)の流量など、様々な動作状態を反映することができる。デューティサイクル測定に基づいて、測定されたデューティサイクルを閾値の組(例えば、較正で決定される)と比較することなどによって、コントローラは、様々なシステム要件にしたがって、システムの動作を制御するアルゴリズムもしくは論理を実行し、及び/又はそれらを実行するようにプログラムすることができる。例えば、デューティサイクル測定は、システムにおける多量の漏れの存在を指示することができ、この条件をユーザ(例えば、患者、介護者、医師など)に対して指示し、及び/又は電力を節約するために陰圧源の動作を一時的に保留又は一時停止するように、コントローラをプログラムすることができる。
【0045】
幾つかの実施形態では、システムは、他の任意の適切な手段によって流量を監視するように構成することができる。ポンプアセンブリは、流量計(例えば、機械的、圧力ベース、光学、質量、熱質量、電磁、音波、超音波、レーザー、ドップラーなど)、風速計、圧力変換器又はセンサ、電磁センサ(例えば、ホールセンサなど、ポンプ速度を測定するように構成されたセンサ)、電磁測定(例えば、ポンプの電流及び/もしくは電力の引込みを測定する、電源の電流及び/もしくは電力のドレインを測定する、電源の残容量を測定するなど)、あるいはそれらの任意の組合せを使用するように構成することができる。監視された流量に基づいて、流量を閾値の組(例えば、較正で決定される)と比較することなどによって、コントローラは、様々なシステム要件にしたがって、システムの動作を制御するアルゴリズムもしくは論理を実行し、及び/又はそれらを実行するようにプログラムすることができる。例えば、コントローラは、圧力センサから周期的な測定値を得るか、又はポンプモータから周期的なフィードバックを得るように構成することができる。圧力センサは、包帯の下の圧力を測定することができる。コントローラは、例えば、圧力勾配、圧力変化率、及び/又は圧力減少率を判定することによって、流量を判定することができる。例えば、正の圧力勾配(例えば、増加するもの)は、閾値と関連して増加する流量(例えば、漏れ)を反映することができ、コントローラは、この条件をユーザに対して指示するようにプログラムすることができる。
【0046】
幾つかの実施形態では、創傷の治療のためのシステムを提供することができる。包帯は、創傷の周りに(例えば、包帯の下に)実質的にシール又は閉止された空間を作り出すことができ、ポンプアセンブリは、この空間における圧力レベルを周期的もしくは継続的に測定又は監視することができる、センサを有することができる。ポンプアセンブリ又はそのコントローラは、第1の陰圧設定値限界と少なくとも第2の陰圧設定値限界との間で、空間(例えば、包帯の下)の圧力レベルを制御するように構成することができる。幾つかの実施形態では、第1の陰圧設定値限界は、約−70mmHg、又は約−60mmHg以下〜約−80mmHg以上の間であることができる。幾つかの実施形態では、第2の陰圧設定値限界は、約−90mmHg、又は約−80mmHg以下〜約−100mmHg以上の間であることができる。
【0047】
幾つかの実施形態では、システムは「再試行」の機能性及び/又は論理を含むように構成することができる。ポンプアセンブリは、包帯の下の陰圧レベル(創腔の陰圧レベルに相当する場合がある)を監視し、監視したレベルを所望の陰圧レベル(例えば、第1の陰圧設定値、第2の陰圧設定値など)と比較し、特定の時間間隔の間に所望の陰圧レベルに達していない場合は治療を保留又は一時停止するように構成することができる。治療の保留又は一時停止に続いて、ポンプアセンブリは、治療を再開し(例えば、陰圧源を再始動し)、包帯の下に所望の陰圧レベルを再度発生させるように試みるように構成することができる。再試行の機能性は、例えば、電池電力を節約し、ユーザの介在なしに過渡的及び/又は非過渡的な漏れを解決できるようにするか、あるいはユーザが漏れを直す(例えば、包帯を真っ直ぐにする、シールを直す、1つ又は複数の接続を確認するなど)ことができるようにすることができる。幾つかの実施形態では、コントローラは、再試行の機能性及び/もしくは論理を実行し、及び/又はそれらを実行するようにプログラムすることができる。
【0048】
幾つかの実施形態では、システムは、ポンプアセンブリのハウジングの外部、又はユーザがアクセスすることができる他の任意の適切な場所に配置されたスイッチ、ボタンなどを介して、「稼働/一時停止」の機能性及び/又は論理を提供するように構成することができる。稼働/一時停止の機能性によって、ユーザが治療を保留及び/又は再開する(例えば、ポンプを一時停止及び/又は再始動する)のを可能にすることができる。ポンプアセンブリは、特定の所定の又は可変の一時停止間隔にしたがって、治療を自動的に再開するように構成することができる。ポンプアセンブリは、かかる間隔が経過すると治療を自動的に再開し、及び/又はかかる間隔が経過したことをユーザに指示するように構成することができる。
【0049】
幾つかの実施形態では、システムは、動作状態を反映して、ユーザに対して表示、アラームなどを提供するように構成することができる。システムは、ユーザに対して様々な動作状態を信号で通知するように構成された、視覚、聴覚、触覚、及び他のタイプのインジケータならびに/又はアラームを含むことができる。かかる状態は、システムのオン/オフ、スタンバイ、一時停止、通常動作、包帯の問題、漏れ、エラーなどを含む。インジケータならびに/あるいはアラームは、スピーカー、ディスプレイ、光源など、及び/又はそれらの組合せを含むことができる。例えば、指示は、陰圧源を動作させるか又は動作停止すること、陰圧源によって発生する陰圧レベルを軽減すること、陰圧源によって使用される電力量を低下させることなど、あるいはそれらの任意の組合せによって、提供することができる。
【0050】
図1は、ポンプアセンブリ104と組み合わせて創傷包帯102を備える、減圧創傷治療装置100の一実施形態を示す。本明細書に開示する装置の実施形態のいずれにおいても、
図1に示される実施形態のように、ポンプアセンブリは無容器ポンプアセンブリ(ポンプアセンブリが浸出物又は液体の回収容器を有さないことを意味する)であることができる。しかし、本明細書に開示するポンプの実施形態のいずれも、容器を含む又は支持するように構成することができる。それに加えて、本明細書に開示する装置の実施形態のいずれにおいても、ポンプアセンブリの実施形態のいずれかを包帯に装着する、もしくは包帯に隣接して装着するか、又は包帯によって支持する、もしくは包帯に隣接して支持することができる。包帯102は、参照によりその開示を本明細書に組み込み本開示の一部と成す特許文献3により詳細に記載されているように、創傷(図示せず)の上に配置されてもよく、次に導管106が包帯102に接続されてもよい。包帯102又は本明細書に開示する他の任意の包帯は、特許文献3に開示されている包帯の実施形態のいずれかにおける材料、サイズ、構成要素、又は他の詳細のいずれかを有することができ、該出願のかかる実施形態及び例証の全体を、本開示の一部を成すものとして参照により本明細書に組み込まれている。導管106又は本明細書に開示する他の任意の導管は、ポリウレタン、PVC、ナイロン、ポリエチレン、シリコーン、又は他の任意の適切な材料から形成することができる。
【0051】
包帯102の幾つかの実施形態は、導管106の端部(例えば、導管106の第1の端部106a)を受け入れるように構成されたポート108を有することができるが、かかるポート108は必須ではない。幾つかの実施形態では、導管は、別の形で包帯102の中及び/又は下を通って、包帯102と創傷との間の空間に陰圧源を供給し、それによってかかる空間における所望の陰圧レベルを維持することができる。装置100の幾つかの実施形態は、導管106の第1の端部106aがポート108に予め取り付けられるように構成することができる。導管106は、ポンプアセンブリ104と包帯102との間に少なくとも実質的にシールされた流体流路を提供し、それによって、ポンプアセンブリ104によって提供される陰圧を包帯102に供給するように構成された、任意の適切な物品であることができる。
【0052】
包帯102は、すべての創傷包帯要素(ポート108を含む)が予め取り付けられ、単一の単位体へと統合された、単一の物品として提供することができる。次に、創傷包帯102は、導管106を介してポンプアセンブリ104などの陰圧源に接続されてもよい。幾つかの実施形態では、必須ではないものの、ポンプアセンブリ104は小型化され可搬型であることができるが、EZ CARE(商標)ポンプなどのより大型の従来のポンプも、包帯102と共に使用することができる。
【0053】
本発明の実施形態は、概して、局所陰圧(「TNP」)治療システムで使用するのに適用可能であることが理解されるであろう。簡潔には、陰圧創傷療法は、組織浮腫を軽減し、血流及び肉芽組織の形成を促進し、及び/又は過剰な浸出物を除去することによって、多くの形態の「難治性」創傷の閉鎖及び治癒を支援するとともに、細菌負荷(及び、ひいては感染のリスク)を低減することができる。それに加えて、療法によって創傷の障害をより少なくすることができ、より迅速な治癒に結び付く。TNP治療システムはまた、流体を除去することによって、且つ閉鎖の並置位置にある組織を安定化させるのを助けることによって、外科的に閉鎖された創傷の治癒を支援することができる。TNP療法のさらなる有益な使用は、過剰な流体を除去することが重要であり、組織の生存度を担保するために移植片が組織に近接していることが求められる、移植片及びフラップにおいて見出すことができる。
【0054】
創傷包帯102は、治療すべき創傷部位の上に配置することができる。包帯102は、実質的にシールされた腔又はエンクロージャを創傷部位の上に形成することができる。本明細書全体を通して、創傷に関して言及することが認識されるであろう。この意味で、創傷という用語は広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、又は外傷によって挫傷が引き起こされる開放創及び閉鎖創、あるいは患者の皮膚における他の任意の表層もしくは他の部分の状態又は欠陥、あるいは減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。したがって、創傷は、流体が生成されることもされないこともある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。かかる創傷の例としては、急性創傷、慢性創傷、外科的切開及び他の切開、亜急性創傷及び裂開創傷、外傷性創傷、フラップ及び皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、術創、外傷性潰瘍及び静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。幾つかの実施形態では、本明細書に開示するTNPシステムの構成要素は、少量の創傷浸出物を浸出する切開創傷に特に適したものであり得る。
【0055】
装置の幾つかの実施形態は、浸出物容器を使用することなく動作するように設計されている。包帯102は、余剰の流体を蒸発させることができるように、高い水蒸気透過性を有するフィルムを有するように構成することができ、創傷浸出物を安全に吸収するように、超吸収性材料を中に含めることができる。装置の幾つかの実施形態は、使い捨ての治療用に設計されており、最大約7〜11日間の使用後に環境に優しい形で廃棄することができる。ポンプは、所望の日数後に、例えば7日後に治療を自動的に終了し、ポンプのさらなる動作が不可能であるようにプログラムすることができる。幾つかの実施形態は、より長い使用又は繰返しの使用向けに設計され、浸出物容器を支持するように構成することができる。
【0056】
装置100は、種々の異なるモデル又はバージョンで製造することができ、その際、広範囲の創傷サイズに適応するように包帯102のサイズを変更することができる。例えば、以下のサイズの包帯102及び創傷パッド(すなわち、
図1に図示されない吸収性要素)を有する装置100を作ることができる。
【0058】
オーバーレイ又は包帯の幾つかの実施形態は、オーバーレイ層を通る空気流及び細菌又は他の汚染物質のフローに対して実質的に不浸透性である一方で、蒸気の通過に対しては浸透性であることができる。
【0059】
幾つかの実施形態では、創傷部位を創傷充填材で部分的に又は完全に充填するのが好ましいことがある。この創傷充填材は任意選択であるが、特定の創傷、例えばより深い創傷において望ましいことがある。創傷充填材は、創傷包帯102に加えて使用することができる。創傷充填材は、概して、多孔質で適合性のある材料、例えば発泡体(網状発泡体を含む)、及びガーゼを含むことができる。好ましくは、創傷充填材は、任意の空の空間を充填するように、創傷部位に嵌合するようにサイズ決めされるか、又は形作られる。次に、創傷包帯102を、創傷部位及び創傷部位を覆う創傷充填材の上に配置することができる。創傷充填材が使用されるとき、一旦創傷包帯102が創傷部位の上でシールされると、TNPが創傷包帯102を通して、且つ創傷充填材を通して、ポンプから創傷部位へと伝達される。この陰圧は、創傷浸出物及び他の流体又は分泌物を創傷部位から遠ざける。
【0060】
幾つかの実施形態では、管材106は、管材106の第2の端部106bに位置付けられたコネクタ112を有することができる。コネクタ112は、噛合するコネクタ114aを短い長さの導管114と連通させ、コネクタをポンプハウジング(より詳細に後述する)によって支持させるか、又は別の形で、ポンプアセンブリ104から突出する短い長さの導管114と連結するように構成することができる。管材114の長さは、幾つかの実施形態では、約0.55インチ(14mm)、又は約0.5〜約5インチ(12.7〜127mm)であることができる。短い長さの導管又は管材114は、患者がポンプ及びコネクタ112の上に横たわるか又は別の形でその上にいるときの不快感を減少させることができる。管材106をポンプアセンブリ104から迅速且つ簡単に除去できるように、ポンプアセンブリ104及び管材106を構成することによって、必要であれば包帯又はポンプを交換するプロセスを容易にし、あるいは改善することができる。本明細書に開示するポンプの実施形態のいずれも、管材とポンプとの間に、本明細書に開示する接続構成のいずれかを有するように構成することができる。
【0061】
幾つかの実施形態では、図示される実施形態のように、ポンプアセンブリ104は、ユーザの身体上又はユーザの衣服内で支持するのに十分に小さく可搬型のサイズのものであることができる。例えば、ポンプアセンブリ104は、接着性の医療用テープを使用するか又は別の形で、包帯102に隣接して、もしくは包帯102上に、又は別の形で、ヒトの皮膚の快適な場所に取り付けられるようにサイズ決めすることができる。さらに、ポンプアセンブリ104は、ヒトのズボン又はシャツのポケットに収まるようにサイズ決めすることができ、あるいは、吊りひも、ポーチ、又は他の適切なデバイスもしくは物品を使用して、ヒトの身体に繋ぎとめることができる。
【0062】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリ104は、1つ又は複数の電池(例えば、2つの電池)によって電力供給することができ、電池の重量を含めて、約84g、又は90g未満の重量であることができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリ104は、任意の所望の数の電池を有することができ、約80g〜約90g、又は約75g〜約100g、又は上記範囲内の任意の値の間の重量であることができる。例えば、ポンプアセンブリ104の重量及び/又はサイズは、電池のサイズ及び/又は重量を(例えば、単4電池以下のサイズに)、あるいはポンプのサイズ及び/又は重量を低減することによって、低減することができる。
【0063】
さらに、ポンプアセンブリ104の幾つかの実施形態は、ポンプの外表面によって画成される総体積が、約5.6立方インチ(約92.5cm
3)、又は5.6立方インチ(92.5cm
3)以下、又は75cm
3以下〜115cm
3以上の間、又は85cm
3〜100cm
3であるようにサイズ決めすることができる。それに加えて、ポンプアセンブリ104は、当業者には知られている技術を使用して、約40cm
3、又は40cm
3以下、又は30cm
3以下〜60cm
3以上の間の範囲のサイズまでさらに小型化することができる。ポンプアセンブリ104の幾つかの実施形態は、2立方インチ(32.8cm
3)以下〜6.5立方インチ(106.5cm
3)以上の間、又は約4立方インチ(65.5cm
3)〜約6立方インチ(98.3cm
3)、又は上記範囲内の任意の値の間の総体積を有するようにサイズ決めすることができる。
【0064】
ポンプアセンブリ104は、約7.2cm×約6.4cm×約2.1cm(もしくは、7.2cm×6.4cm×2.1cm)の全外形サイズ、又は約8.5cm×約8.5cm×約3cmの最大値を有することができる。それに加えて、ポンプアセンブリ104は、約5.5cm×約4.8cm×約1.5cm(もしくは、5.5cm×4.8cm×1.5cm)の全外形サイズを有することができる。上述したように、ポンプアセンブリ104のサイズ及び重量は、本明細書に開示する実施形態のように、ユーザが着用又は携行するのにより快適になり、それによって移動性の向上がもたらされるように、最適化することができる。
【0065】
本開示の幾つかの実施形態に関する陰圧範囲は、約−80mmHg、又は約−20mmHg〜−200mmHgであることができる。これらの圧力は、正常な周囲気圧に対する相対値であり、つまり、実用的用語では、−200mmHgは約560mmHgであることに留意されたい。幾つかの実施形態では、圧力範囲は約−40mmHg〜−150mmHgであることができる。あるいは、−75mmHg以下、−80mmHg以下、又は80mmHg超過の圧力範囲を使用することができる。また、他の実施形態では、−75mmHg未満の圧力範囲を使用することができる。あるいは、約−100mmHg超過、又はさらには150mmHgの圧力範囲を、装置100によって供給することができる。ポンプアセンブリ104の動作に関する他の詳細は、特許文献3に記載されており、該出願のかかる実施形態、構成、詳細、及び例証の全体を、本開示の一部を成すものとして参照により本明細書に組み込まれている。
【0066】
図2A〜
図2Fは、
図1に示されるポンプアセンブリ104の実施形態の様々な図である。
図3Aは、第1のパッケージング要素150内で支持されている、包帯102(本明細書に開示するか又は参照により組み込まれている包帯の実施形態のいずれかであることができる)と、ポンプアセンブリ104と、導管140と、1つ又は複数の電池142(2つが図示されている)と、1つ又は複数のシールストリップ148とを備える、創傷包帯キット100の一実施形態を示す。
図3Bは、
図3Aの創傷包帯キット100の実施形態の下面等角図、
図3Cは、
図3Aの創傷包帯キット100の実施形態の分解組立図である。
【0067】
図2A〜
図3Cを参照すると、ポンプアセンブリ104は、第1のハウジング部材120a及び第2のハウジング部材120bを備えるハウジング120と、制御ボタン122(スイッチもしくは他の類似の構成要素であることもできる)と、電池カバー124と、コネクタ128と、LEDライトであることができる1つ又は複数のライトとを有することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリ104は、2つ以上のボタン122を有することができ、3つ以上のライト132を有することができる。ライト132は、正常のもしくは適切な動作状態、ポンプの故障、ポンプに供給される電力もしくは電源異常、電池の状態もしくは電圧レベル、包帯もしくは流路内の漏れの検出、吸気の阻害、又は他の任意の類似のもしくは適切な状態、あるいはそれらの組合せをユーザに警告することを含む、ポンプアセンブリ104の様々な動作状態及び/又は故障状態をユーザに警告するように構成することができる。
【0068】
ハウジング120は、二酸化エチレンなどの滅菌ガスがハウジング内に侵入し、それによって、通常の滅菌プロセスの間、ポンプアセンブリ104の内部構成要素が滅菌ガスに暴露されるように構成することができる。一般的に、ポンプは、空気又は他の任意のガスを実質的に排気してあるチャンバ内で滅菌ガスに暴露されるので、滅菌ガスは、ポンプハウジング120内に、且つポンプアセンブリ104内の他の空間及びチャンバ内に引き込まれる。例えば、ポンプハウジング120の幾つかの実施形態は、滅菌ガスが通過することができる、コネクタ128を取り囲むシールされていない間隙を有することができる。また、幾つかの実施形態では、間にシールを使用することなく、第1のハウジング部材120aを第2のハウジング部材120bに接合することができる。
【0069】
滅菌プロセスに関しては、幾つかの実施形態では、滅菌される構成要素を、とりわけ、任意の順序で、次のステップに晒すことができる。構成要素は、約15分〜1時間15分の間、約70mBarA(又は67mBarA〜80mBarA)まで排気される、チャンバ又はコンテナ内に配置することができる。構成要素はまた、不活性希釈、蒸気圧もしくは調節、又は窒素サイクルに晒すことができ、その後にさらなる排気サイクルを続けることができる。酸化エチレン又は他の任意の適切な滅菌ガスを、約482mBarA(又は約467mBarA〜約500mBarA)の圧力設定値で、チャンバ又はコンテナに導入することができる。構成要素は、約46℃(又は約42℃〜49℃)、又は60℃以下の温度で、滅菌ガスに暴露することができる。構成要素は、約10分間(短サイクル)もしくは約1時間(長サイクル)、又は約9分〜約11分間(短サイクル)、又は約59分〜約1時間(長サイクル)、又はそれ以上、滅菌ガスに暴露することができる。構成要素又はチャンバは、窒素及び/もしくは空気で洗い流し、及び/又はその後に脱気することができる。
【0070】
ポンプアセンブリ104は、1つ又は複数の電池142によって電力供給することができる。電池142は、二酸化エチレン及び/又は他の滅菌ガスに暴露するのに適している、塩化リチウム又は他の任意の適切な電池であることができる。電池142は、1つ又は複数のパッケージング要素内で支持したとき、滅菌プロセス中に滅菌ガスもしくは爆発性ガスの存在下で爆発を引き起こす場合がある、電気火花が起こる可能性を最小限に抑えるか又は排除するように、ポンプハウジング120の外部で支持することができる。それに加えて、複数の電池142がある場合、滅菌プロセス中の、又は別の使用前における、電池の何らかの電力損失又は火花発生を防ぐため、パッケージング内で電池を離隔するか又は別の形で分離することができる。
【0071】
図3Aを参照すると、電池142及び1つ又は複数のシールストリップ148を包帯102の下方に位置付けることができるので、電池142を除去する前に包帯102を第1のパッケージング要素150から除去しなければならず、それによって、包帯キット100の構成要素をパッケージング150から除去する、及び/又は患者に当てるか、もしくは装置100を備える他の構成要素に組み合わせる順序が提示される。
【0072】
幾つかの実施形態では、導管140の両端が自由であるか、又は別の形で装置100の他の構成要素から分断されて、滅菌ガスに対する導管140の内表面の暴露が改善され、及び/又は滅菌ガスに対する管材の完全な暴露が担保されるように、導管140をパッケージング150内で位置付けることができる。導管140の端部は、第1のパッケージング要素150に形成された陥凹部内で支持することができる。
【0073】
第1のパッケージング要素150は、ポンプアセンブリ104を受け入れる陥凹部190、包帯102を受け入れる陥凹部192、1つ又は複数のシールストリップ148及び/又は導管140を受け入れる陥凹部194、導管114及び/又はコネクタ114a(存在する場合)を受け入れる陥凹部196、ならびに電池142のための離隔した陥凹部200a及び200bを含む、装置100の構成要素を受け入れ支持するように構成された1つ又は複数の陥凹部を有することができる。電池を離隔することによって、酸化エチレンの潜在的に可燃性の性質により、滅菌処置中に爆発するリスクを低減又は排除することができる。
【0074】
幾つかの実施形態では、第1のパッケージング要素150は、包帯キットの処理又は運搬中、電池、ポンプ、及び/又は他の構成要素を適所で保持するのに十分に剛性及び/又は堅牢性である、材料又は材料の組合せから作ることができる。例えば、第1のパッケージング要素150の幾つかの実施形態は、約15G〜約25G、又は1G〜40G、又は1G〜20G、又は25G〜40Gの加速に耐えるのに十分な、電池、ポンプ、又は他の構成要素などの構成要素の圧縮嵌めもしくは締まり嵌めをもたらすように構成することができる。第1のパッケージング要素150の幾つかの実施形態は、パッケージングの短絡もしくは溶融/磨耗に結び付く可能性があり、結果としてパッケージングの損傷もしくは細菌の進入につながる、構成要素の移動又はずれを防ぐのに十分である一方で、ユーザがかかる構成要素を必要なときにパッケージングから除去できることを妨害しないように、ポンプ、電池、管材(管材のピンチ又は陥凹部を含む)、及び他の構成要素をしっかり保持するように構成することができる。
【0075】
それに加えて、図示されるように、第1のパッケージング要素150は、手袋をはめた手及びはめていない手の両方で、外科医又はユーザがアクセスし、装置100の様々な構成要素を除去するのを容易にするように、サイズ決めされ構成された溝又は陥凹部193を有することができる。さらに、隆起又は突起195を第1のパッケージング要素150に形成して、パッケージング及びキットの構成要素に対する付加的な支持及び保護を提供することができる。第1のパッケージング要素150は、Nelipak Custom Thermoformed Productsによって提供される、再生利用可能な未使用のPETGを青色に染色した0.80 Eastman 6763医療用グレードを含む、滅菌することができる任意の適切な材料から作ることができる。パッケージング要素150は、EASTAR(商標)、Chemical ProductのEASTARコポリエステル樹脂から押し出し、熱成形することができる。例えば、押出しシート又はフィルムであり得る原料を、高温下での真空及び染色ツール上への圧迫を使用して、熱成形することができる。第1のパッケージング要素150に適した他の材料としては、ポリカーボネート、PVC、又は他の任意の適切な樹脂もしくはプラスチック材料が挙げられる。幾つかの実施形態では、第1のパッケージング要素は、0.8mm(もしくは約0.8)の厚さ、又は0.8mm以下、もしくは1.0mm以下、もしくは約0.7mm〜1.2mmの厚さを有する材料(プレート、シート、フィルムなどを含む)から作ることができる。
【0076】
ガス透過性のカバー151(本明細書では、第2のパッケージング要素とも呼ばれる)は、第1のパッケージング要素150の上にシール可能に位置付けて、包帯キット100の内容物に対する細菌及び汚染物質のバリアを提供することができる。例えば、TYVEK(商標)、紙、又は他の任意の適切な材料のシート状の層もしくはフィルムを、第1のパッケージング要素150の周縁部分153にシールすることができる。カバー151は、滅菌ガスに対して透過性であるが、細菌及び他の汚染物質に対してはバリアを提供する、TYVEKを含む任意の適切な材料から作ることができる。カバー151は、不透明、透明、又は半透明であることができる。
【0077】
カバー151は、包帯キットの構成要素をすべて中で組み立てた後に、第1のパッケージング要素150とシール可能に連結することができる。その後、第1のパッケージング要素150、カバー151、及び包帯キットの構成要素を、滅菌ガスがバッグに入り包帯キットの構成要素を滅菌できるように、バッグに形成された開口部の上でTYVEK又は他の滅菌ガス透過性の材料パッチを有するシールされた不透過性のバッグ内に位置付けることができる。
【0078】
図4A及び
図4Bは、第2のハウジング部材120bから分離された第1のハウジング部材120aを示す、
図1のポンプアセンブリ104の実施形態の第1及び第2の分解組立図である。
図5A及び
図5Bは、第1のハウジング部材120aの第1及び第2の図である。
図6A及び
図6Bは、第2のハウジング部材120bの第1及び第2の図である。
図4A〜
図6Bを参照すると、ポンプアセンブリ104の幾つかの実施形態は、ハウジング120内で支持される、又はハウジング120内に形成される電池区画220を有することができる。1つ又は複数の電池接点222は、電池区画220内で支持することができる。1つ又は複数の電線224は、電池接点222をポンプ232及び/又は制御盤230に接続することができる。ポンプアセンブリ104は、組立て中にポンプが暴露されるか又はポンプが受け取る可能性がある、汚染もしくはバイオバーデンのリスクを低減するため、クリーンルーム内で組み立てることができる。
【0079】
幾つかの実施形態では、ポンプ232は、モータと、入口ポート又はコネクタ250と、出口ポート252とを備えることができる。ポンプ232は、1つ又は複数の弁を中に有することができる。例えば、第1の弁は、入口ポート250に隣接してポンプ232内に位置付けることができる。それに加えて、第2の弁は、出口ポート252に隣接してポンプ232内に位置付けることができる。ポンプ232は、入口ポート250を通り、第1及び第2の弁を通り、出口ポート252を出る流路を画成することができる。
【0080】
幾つかの実施形態では、電池接点222は、極性保護を有するように構成することもできる。例えば、電池接点125に隣接した1つ又は複数の突出部124dと同様に、電池接点222の1つ又は複数は、電池接点222と、正しくない向きで電池区画に挿入された電池の正しくない側との接触を阻害するため、接点に隣接したプラスチック又は他の突出部(図示せず)を有することができる。例えば、1つ又は複数の突出部は、標準的な円筒形電池の負極が、1つ又は複数の突出部に隣接した電池接点222に接触するのを防ぐ一方で、かかる電池の正極が電池接点222に接触するのを可能にするように、サイズ決めし構成することができる。概して、この構成を用いて、電池は概して、電池を電池区画220に正しい向きで挿入した場合にのみ接点222と接触することができ、それによってポンプアセンブリ104に極性保護がもたらされる。突出部は、好ましくは非導電性材料から作られる。別の方法として、又はそれに加えて、制御盤230を、極性保護の機構又は構成要素を有するように構成することができる。それに加えて、制御盤230は、過電力状態又はサージ電力状態に対する保護のため、1つ又は複数のヒューズを有することができる。
【0081】
ポンプアセンブリ104は、ポンプアセンブリ104内の流体流路と連通している、フローマニホルド240及び一方向フロー弁246を有することができる。一方向フロー弁246(逆止め弁とも呼ばれる)は、シリコーン、あるいは非限定的に、ポリウレタン、バイトン、ニトリルゴム、ネオプレン、テフロン(登録商標)、及び他の適切な材料を含む他の任意の適切なエラストマー材料又は軟質材から作られた、ダイヤフラム弁であることができる。一方向フロー弁に対する他の適切な弁は、例えば非限定的に、アンブレラ弁、玉弁、リード弁、ダックビル弁である。幾つかの実施形態では、一方向フロー弁246の漏れ速度は約0.05mL/分であることができる。幾つかの実施形態では、一方向フロー弁246は、ポンプ232内に、又はポンプ232内に位置付けられた弁の1つの代わりに位置付けることができる。
【0082】
マニホルド240及び/又は一方向フロー弁246は、コネクタ128と連通していることができる。幾つかの実施形態では、一方向フロー弁246はマニホルド240内で支持することができ、マニホルド240は、ポンプ232の入口ポートもしくはコネクタ250と実質的にシール可能に連結するか、又は別の形でハウジング120内で支持して、入口ポートもしくはコネクタ250と流体連通するようにすることができる。例えば、
図4A及び
図4Bを参照すると、マニホルド240は、入口コネクタ250がマニホルド240に形成された開口部261内に受け入れられるように、ポンプ232とともに組み立てることができる。空気及び/又は他のガスは、出口ポートもしくはコネクタ252を通してポンプ232を出ることができる。滅菌中、ポンプ232は、滅菌ガスがポンプ232の内部空間又はチャンバに侵入して、ポンプ232全体(内部及び外部の両方)が滅菌されていることを担保することができるように構成することができる。1つ又は複数の弁(アンブレラ弁もしくは他の任意の適切な弁であり得る)を、ポンプ232内に位置付けることができる。例えば、非限定的に、1つ又は複数の弁を、入口ポート250及び出口ポート252それぞれに隣接して位置付けて、ポンプ232内で支持することができる。
【0083】
最適な滅菌のため、幾つかの実施形態では、滅菌ガスをゆっくり導入して、弁を通る滅菌ガスのフローを最適化するとともに、滅菌ガスによる圧力が弁を完全に閉止するのを防ぐことができる。上述したように、弁(第1及び第2の弁など)は、ある程度漏れ性であるように構成し、それによって滅菌ガスのフローが弁を超えて先に進んでポンプ232の内部構成要素を滅菌できるようにすることができる。例えば、弁は、公称のもしくは一般的な動作圧力で(すなわち、導管内の流体の公称動作圧力で)、又は公称のもしくは一般的な滅菌圧力で、0.1mL/分〜10mL/分以上の速度でそこを通る流体の漏れ流量(すなわち、弁が閉止位置にあるときに弁を通る流量)を可能にすることができる。幾つかの構成では、2つの弁の間、又は弁と一方向弁との間にある流路の部分は、流路又はポンプアセンブリ104を滅菌するのに最も難しい部分であり得る。
【0084】
ポンプアセンブリの幾つかの実施形態は、圧電ポンプを有することができる。本明細書に開示する幾つかの圧電ポンプ又は他のポンプは、ポンプが停止中のとき、ポンプを通る流量が200mL/分程度の多量であることができるように、弁機能を実施するオリフィスを有するか、あるいはオリフィスを有するように構成することができる。したがって、幾つかの実施形態では、ポンプ速度が約300mL/分又は320mL/分又はその他の高い速度であることができる場合、第1及び第2の弁(オリフィスであり得る)はそれぞれ、約200mL/分以下の漏れ速度を有することができる。
【0085】
ポンプ232は、非限定的に、回転ダイヤフラムポンプもしくは他のダイヤフラムポンプ、圧電ポンプ、蠕動ポンプ、ピストンポンプ、回転翼ポンプ、液封ポンプ(liquid ring pump)、スクロールポンプ、圧電変換器によって動作するダイヤフラムポンプ、又は他の任意の適切なポンプもしくはマイクロポンプ、あるいは上記のものの任意の組合せなど、任意の適切なタイプのものであることができる。ポンプ232は、例えば、Koge ElectronicsのKPV8A−3Aポンプなどの、標準的な既製の真空ポンプであることができる。ポンプ232は、KNFダイヤフラムポンプ又は任意の適切なKNFポンプであることもできる。
【0086】
ポンプの幾つかの実施形態は、約10g、又は約6g〜15g、又は上記範囲内の任意の値と値の間のような軽量であることができる。ポンプ232は、約500mL/分、又は約300mL/分以下〜約600mL/分以上の間、又は約400mL/分〜約500mL/分の間、又は上記範囲内の任意の値の間のポンプ容量を有することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリ104は2つ以上のポンプ232を備えることができる。例えば、ポンプアセンブリ104は、創傷のオーバーレイと創傷との間の空間の迅速なドローダウンをもたらすように構成された、高い流量を有する第1のポンプと、最初のドローダウン後に創傷のオーバーレイと創傷との間の空間の減圧レベルを維持するように構成された、第2のより少ない容量のポンプとを有することができる。幾つかの実施形態では、ポンプ流量は、約15mL/分に設定することができる、漏れアラームの流量の約20倍であることができる。
【0087】
上述したように、コネクタ128は、管材106の端部と連結された噛合するねじ山付きのコネクタを螺合可能に受け入れることができる、ねじ山付きのコネクタ(図示されるようなもの)であることができる。ねじ山付きのコネクタ128は、医療従事者が標準的なルアーコネクタ(静脈ラインからのコネクタなど)を不用意に取り付けるのを防ぐため、他の医療用コネクタと比較して標準的ではないサイズのものであってもよい。
【0088】
あるいは、図示されないが、コネクタ128は、管材106の端部上における別個の噛合するコネクタを省略できるように、管材をその上にシール可能に受け入れるように構成された、標準的な管材コネクタ(ニップルコネクタなど)であることができる。
【0089】
マニホルド240は、圧力モニタの導管又はコネクタ262を受け入れるように構成することができる、別個のポート260を有することができる。圧力モニタは、制御盤230によって支持することができ、流体流路内の圧力レベルを監視するように構成することができる。圧力モニタは、モータ232を保護して予め定義された閾値圧力を超過しないように構成することができる。幾つかの実施形態では、圧力モニタは175+/−50mmHgを超過しないように較正することができる。幾つかの実施形態では、圧力モニタは235mmHgを超過しないように較正することができる。圧力モニタは、圧力の読取り値が所定の値に達した場合にモータに対する電力を停止するように構成することができ、圧力レベルが所定の値を、又は第1の所定の値よりも高いもしくは低い場合がある第2の所定の値を下回ると、電力を再開するように構成することができる。それに加えて、ポンプアセンブリ104は、かかる過圧を防ぐようにプログラムすることができる。ポンプアセンブリ104は、ソフトウェアが過圧を防ぐ主要機構を提供するように構成することができ、圧力モニタが過圧保護のバックアップを提供することができる。
【0090】
ポンプ232は、ポンプ232によって生成される雑音及び振動を低減するため、ポンプ232の外表面の周りに少なくとも部分的に巻き付けられる、連続気泡発泡体又は他の材料の層を有することができる。これらの構成要素はすべて、任意の適切な締結具270(例えば、一対のねじ)でともに固定することができる、第1及び第2のポンプハウジング部材120a、120b内で支持することができる。1つ又は複数のラベル272を、ハウジング120の外表面に付着させることができる。それに加えて、幾つかの実施形態では、ポンプ232は、ポンプ232によって支持されるか、又はポンプの1つ又は複数の外表面に隣接して位置付けられる、1つ又は複数の重り、クッション、発泡体(粘弾性発泡体など)、プラスチック(ABS、ポリウレタン、ウレタンなど)、あるいは他のパッド、パネル、シート、又はセグメントを有することができる。幾つかの実施形態は、質量ベースの、又は柔軟な制振材料を有することができる。かかる構成要素又は材料(図示せず)は、ポンプによって生成される振動を減衰し、及び/又は雑音を弱めることができる。
【0091】
例えば、1つ又は複数の重り(鋼、金属、もしくは他の任意の適切な材料から作られる)を、ポンプ232又は本明細書に開示する他の任意のポンプの実施形態の外表面で支持するか、あるいはそれに取り付けることができる。鋼製重りは、約1.8g、3.8g、もしくは5.8g、又は1g〜10g以上、もしくは1.5g〜6gの重量であることができる。2つ以上の重りを、ポンプ232又は本明細書に開示する他の任意のポンプの実施形態の外表面で支持するか、あるいはそれに取り付けることができる。それぞれ約1.8g、3.8g、もしくは5.8g、又は1g〜10g以上、もしくは1.5g〜6gの重量である2つの鋼製重りを、ポンプ232の外表面に取り付けることができる。2つのプレートをそれぞれ、モータ232の対向面に、又は別の形で位置付けることができる。幾つかの実施形態では、それぞれ約1.8g、3.8g、もしくは5.8g、又は1g〜10g以上、もしくは1.5g〜6gの重量である4つの鋼製重りを、ポンプ232の外表面に取り付けることができる。プレートは、2つのプレートがモータ232の2つの対向面それぞれに位置付けられるように、又は別の形で配列することができる。幾つかの実施形態では、例えば非限定的に、ポンプ232の側面及び上面を含む、ポンプ232の3つ以上の面に隣接して重りを位置付けることができる。
【0092】
図4Aを参照すると、電池カバー124は、電池カバー124が閉止位置にあるときに不用意に開くのを阻害するため、ハウジング120の噛合する機構と係合するように構成することができる、ラッチ又はタブ部材124aを有することができる。それに加えて、電池カバー124を開閉することができる容易さを促進するため、ガイド又は突出部124bを電池カバー124に形成することができる。ガイド124bは、ハウジング120に形成された噛合するガイド又はチャネル120cを係合することができる。電池カバー124は、一本の指で使用するために、把持面を有するように構成することができる。例えば、非限定的に、複数の窪み124cを電池カバー124の表面に形成して、ユーザの指又は他の物体と電池カバー124との間の把持を向上させ、電池カバー124の開閉を容易にすることができる。
【0093】
図4Bを参照すると、電池カバー124は、2つの電池間の接続を提供するように構成された、1つ又は複数の電池接点又は端子125をその上で支持することができる。電池カバー124は、電池接点125に隣接した1つ又は複数の突出部124dをさらに支持することができる。1つ又は複数の突出部124dは、標準的な円筒形電池の負極が、1つ又は複数の突出部124dに隣接した電池接点125に接触するのを防ぐ一方で、かかる電池の正極が電池接点125に接触するのを可能にするように、サイズ決めし構成することができる。この構成を用いて、電池は概して、電池を電池区画220に正しい向きで挿入した場合にのみ接点125と接触することができ、それによってポンプアセンブリ104に極性保護がもたらされる。
【0094】
図4A及び
図4Bを参照すると、ハウジング120は、ハウジングの2つの部材120a、120bの間の接続を改善するため、1つ又は複数のタブ121と、タブ121を受け入れるように構成された窪み又はチャネル123とを有することができる。タブ121及び窪み123は、ハウジング120の縁部をともにより良好に保持して、ハウジング120の強度を改善するとともに、ハウジングの2つの部材120a、120bの間の接続をよりきつくすることができる。制御盤230は、同様の機構を用いてハウジング120に組み合わせることができる。
【0095】
本明細書に全体が記載されているものとして参照により本明細書にその開示を組み込まれている、特許文献3に記載されているように、本明細書に開示する創傷包帯102の実施形態のいずれかの下面は、任意の創傷接触層を有することができる。本明細書に開示する包帯の実施形態のいずれも、創傷接触層を有さずに作ることができる。創傷接触層は、例えば、ホットピンプロセス(hot pin process)、レーザーアブレーションプロセス、超音波プロセスによって、又は他の何らかの手法で多孔性もしくは有孔にすることができる、あるいは別の方法で液体及びガス透過性にすることができる、ポリウレタン層又はポリエチレン層又は他の可撓性層であることができる。貫通孔によって、液体及び/又はガスが層を通って流れることを可能にすることができる。創傷接触層は、創傷包帯の別の材料内への組織の内成長を防ぐ助けとなり得る。
【0096】
貫通孔は、この要件を満たすのに十分な小ささであるが、依然として流体を通すことができるようにサイズ決めすることができる。例えば、0.025mm〜1.2mmの範囲のサイズを有するスリット又は穴として形成された貫通孔は、創傷包帯内への組織の内成長を防ぐ助けとなるのに十分な小ささである一方で、創傷浸出物が包帯に流入するのを可能にするものと見なされる。創傷接触層は、創傷包帯全体をともに保持する助けとなるとともに、創傷における陰圧を維持するため、吸収性パッドの周りに気密シールを作り出す助けとなる。創傷接触層は、任意の下側及び上側の接着剤層(図示せず)の担体としても作用する。例えば、下側の感圧性接着剤層を創傷包帯の下面101に提供することができ、その一方で、上側の感圧性接着剤層を創傷接触層の上面103に提供することができる。シリコーン、ホットメルト、ヒドロコロイド、もしくはアクリル系の接着剤、又は他のかかる接着剤であることができる感圧性接着剤は、創傷接触層の両面に、又は任意選択で創傷接触層の選択された一面に形成するか、もしくはいずれの面にも形成しないことができる。下側の感圧性接着剤層が利用される場合、このことは、創傷包帯を創傷部位の周りで皮膚に接着する助けとなる。
【0097】
上述したように、本明細書に開示するか又は参照により組み込まれている包帯キットで使用される、任意の包帯の実施形態は、接着剤で覆われた下面(例えば、創傷接触面)を有することができる。幾つかの実施形態では、上述したように、接着剤は、例えばポリシロキサン又はポリオルガノシロキサンを含むシリコーン接着剤、あるいは他のポリマー性の感圧性シリコーン接着剤であることができる。例えば、ポリジメチルシロキサンなどを使用することができる。接着剤配合物は、流延(casting)又は塗り広げる(spreading)に続いて最終重合ステップが行われるように、触媒との二液混合物として塗り広げ流延することができる、アルキルペンダントシロキサンの混合物であってもよい。幾つかの実施形態では、包帯層は、押出しEU30ポリウレタン透明フィルム(27〜37gsm)の対向面上にコーティングされた、無孔のシリコーン接着剤コーティング(コート重量は公称130gsm)及び十分に流延されたアクリル接着剤(27〜37gsm)を有することができる。かかる配置の幾つかの実施形態の水蒸気透過性は、約367gm
−2/24時間〜約405gm
−2/24時間、又は平均水蒸気透過性382gm
−2/24時間であることができる。
【0098】
本明細書に開示する包帯の実施形態に適したシリコーン接着剤層の幾つかの実施形態又は配置は、約350gm
−2/24時間〜約410gm
−2/24時間の水蒸気透過率を有することができる。適切には、本明細書に開示する包帯の実施形態に適したシリコーン接着剤層の幾つかの実施形態又は配置の平均水蒸気透過性は、約380gm
−2/24時間であることができる。本明細書に開示する包帯の実施形態の幾つかは、Wacker silres PSA 45感圧性接着剤が上にコーティングされたものであることができる。
【0099】
それに加えて、本明細書に開示する包帯の実施形態のいずれも、包帯に組み込まれた、又は包帯の1つ又は複数の表面にコーティングされた、抗菌剤又は抗菌物質を有することができる。例えば、非限定的に、本明細書に開示する任意の包帯の実施形態の創傷接触層は、非限定的に、本開示の一部を成すものとして参照により本明細書に組み込まれている、2008年5月21日に出願された特許文献10(「ANTIMICROBIAL BIGUANIDE METAL COMPLEXES」という名称)に開示されているものなどの、ナノ結晶質の銀剤、銀塩、銅塩、又は金塩、PHMB、クロロヘキサジン、過酸化物、次亜塩素酸、あるいはその中又は上の他の漂白剤を有することができる。さらに、本明細書に開示する任意の包帯の実施形態の吸収性層は、銀硫黄ジアジン、あるいはその中もしくは上の上述した物質又は活性剤のいずれかを有することができる。これらは、別個に又は併せて使用されてもよい。これらはそれぞれ、創傷の中の微生物及び吸収マトリックスの中の微生物を排除することができる。さらなる他の選択肢として、他の活性成分、例えばイブプロフェンなどの痛み抑制剤又は治癒薬を、包帯に組み込むことができる。また、成長因子などの細胞活性を向上させる薬剤、又はメタロプロテイナーゼの組織阻害剤(TIMPS)などのマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤もしくは亜鉛キレート剤など、酵素を阻害する薬剤を包帯に組み込むことができる。活性炭、シクロデキストリン、ゼオライトなどの臭気捕集要素も、包帯の吸収性層又は他の部分もしくは構成要素に、あるいはフィルタ層の上に含めることができる。
【0100】
多孔質材料の層は、創傷接触層の上に配置することができる。この多孔質層、つまり透過層によって、液体及びガスを含む流体を創傷部位から離して創傷包帯の上層へと透過させることが可能になる。特に、透過層は、吸収性層がかなりの量の浸出物を吸収しているときであっても、開放空気チャネルを維持して創傷範囲の上に陰圧を伝達できることを担保することができる。層は、上述したような陰圧創傷治療の間、加えられる一般的な圧力下で、開いたままであるべきであり、それによって、創傷部位全体に均等化された陰圧が見込まれる。層は、三次元構造を有する材料で形成することができる。例えば、編成もしくは織成したスペーサ布地(spacer fabric)(例えば、Baltex 7970横編みポリエステル)、又は不織布を使用することができる。他の材料を利用することができ、かかる材料の例は、参照により本明細書に組み込まれているとともに本開示の一部を成す、特許文献3に記載されている。
【0101】
幾つかの実施形態では、透過層は3Dポリエステルスペーサ布地層を有することができる。この層は、84/144テクスチャードポリエステルである上層(すなわち、使用中は創傷床から遠位側にある層)と、100デニールのフラットポリエステルであることができる下層(すなわち、使用中は創傷床に近接して位置する層)と、これら2つの層の間に挟まれて形成される、編成ポリエステルビスコース、セルロースなどのモノフィラメント繊維によって画成される領域である、第3の層とを有することができる。他の適切な材料、及び繊維の他の線形的な質量密度を使用することができる。
【0102】
離隔した層におけるフィラメント計数の間のこの差分は、透過層を横切る水分フローを制御する助けとなる。特に、最上層のフィラメント計数をより多くすることによって、すなわち、最下層で使用される糸よりも多数のフィラメントを有する糸で最上層を作ることによって、液体は、最下層よりも最上層に沿ってウィッキングされる傾向がある。使用の際、この差分により、液体が創傷床から離れるように吸い出され、包帯の中央領域に吸い込まれる傾向になり、そこで、吸収性層が液体を閉じ込めるか、又はそれ自体が液体を、蒸散させることができるカバー層に向かって前方にウィッキングする助けとなる。
【0103】
好ましくは、透過層を横切る(すなわち、上側スペーサ層と下側スペーサ層との間に形成されるチャネル領域に垂直な)液体のフローを改善するため、3D布地はドライクリーニング剤(ペルクロロエチレンなどであるが、それに限定されない)で処理されて、透過層の親水性を妨げることがある、以前は使用されていた鉱物油、油脂、及び/又はワックスなどの任意の工業製品を除去する助けとなる。幾つかの実施形態では、親水性薬剤(Rudolph Group)から入手可能なFeran Ice 30g/Lなどであるがそれに限定されない)で3Dスペーサ布地が洗浄される、追加の製造ステップを続いて行うことができる。このプロセスステップは、材料上の表面張力が低く、水などの液体が3D編地に接触するとすぐに布地に入ることができる程度であることを担保する助けとなる。これは、任意の浸出物の液体障害成分(liquid insult component)のフローを制御するのにも役立つ。
【0104】
やはり、米国特許第13/092,042号により詳細に記載されているように、吸水性材料層を透過層の上に設けることができる。発泡体又は不織布の天然もしくは合成材料であることができ、任意選択で超吸収性材料を含む又は超吸収性材料とすることができる、吸収性材料は、流体、特に創傷部位から除去された液体のリザーバを形成し、カバー層に向かってそれらの流体を吸い取る。吸収性層の材料は、創傷包帯に回収された液体が飛び散るように流れるのを防ぐことができる。吸収性層はまた、流体が創傷部位から吸い出され、吸収性層全体に亘って蓄積されるように、ウィッキング作用を介して層全体に流体を分配させる助けとなり得る。これは、吸収性層の範囲における凝集を防ぐことに役立つ。吸収材料の容量は、陰圧が加えられたときの創傷の浸出物流量を管理するのに十分でなければならない。使用の際、吸収性層は陰圧を受けるので、吸収性層の材料は、かかる状況下で液体を吸収するように選ばれる。陰圧下で液体を吸収することができる多数の材料、例えば超吸収性材料が存在する。吸収性層は、ALLEVYN(商標)発泡体、Freudenberg 114-224-4、及び/又はChem-Posite(商標)11C-450、あるいは他の任意の適切な材料から製造することができる。
【0105】
幾つかの実施形態では、吸収性層は、乾燥粒子の形態の超吸収性材料が全体的に分散されている、不織布セルロース繊維の層であることができる。セルロース繊維を使用することで、包帯によって吸収された液体を迅速且つ均一に分配する助けとなる高速ウィッキング要素が導入される。複数のストランド状繊維を並置することは、液体を分配する助けとなる繊維状パッドにおける強力な毛管作用に結び付く。このように、超吸収性材料に液体が効率的に供給される。さらに、吸収性層の領域にはすべて、液体がもたらされる。
【0106】
ウィッキング作用はまた、包帯の蒸散速度を増加させるのに役立つように、液体を上側カバー層と接触させるのを支援する。ウィッキング作用はまた、浸出物が低速であるか又は停止したときに、液体を創傷床に向かって下方に送達するのを支援する。この送達プロセスは、透過層及び下側の創傷床領域を湿潤状態で維持する助けとなり、それが包帯内での痂皮形成(阻害に結び付き得る)を防ぐ助けとなるとともに、創傷治癒に対して最適化された環境を維持する助けとなる。
【0107】
幾つかの実施形態では、吸収性層はエアレイド材料であることができる。熱融着性繊維を任意選択で使用して、パッドの構造をともに保持するのを支援することができる。超吸収性粒子を使用するのではなく、又はそれを使用するのに加えて、本発明の幾つかの実施形態による超吸収性繊維を利用することができることが認識されるであろう。適切な材料の一例は、米国のEmerging Technologies Inc (ETi)から入手可能な製品Chem-Posite(商標)11Cである。
【0108】
任意選択で、吸収性層は、合成の安定した繊維及び/又は二成分の安定した繊維及び/又は天然の安定した繊維及び/又は超吸収性繊維を含むことができる。吸収性層中の繊維は、ラテックス結合又は熱結合又は水素結合又は任意の結合技術の組合せ又は他の固定機構によって、互いに固定することができる。幾つかの実施形態では、吸収性層は、吸収性層内で超吸収性粒子を閉じ込めるように動作する繊維によって形成される。これにより、吸収性層の外部に、且つ下にある創傷床に向かって超吸収性粒子が移動しないことを担保する助けとなる。このことは特に有用であるが、それは、陰圧が加えられると、吸収性パッドが下向きに潰れる傾向があり、この作用によって超吸収性粒子状物質が、吸収性層の繊維構造によって閉じ込められていなかった場合に、創傷床に向かう方向へと押し込まれるためである。
【0109】
吸収性層は複数の繊維の層を含むことができる。好ましくは、繊維はストランド状であり、セルロース、ポリエステル、ビスコースなどで作られる。好ましくは、乾燥した吸収性粒子が、準備ができている吸収性層全体に亘って分配される。幾つかの実施形態では、吸収性層は、セルロース繊維のパッドと複数の超吸収性粒子とを含む。追加の実施形態では、吸収性層は、ランダムに向きを付けられたセルロール繊維の不織布層である。
【0110】
超吸収性粒子/繊維は、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムもしくはカルボメトキシセルロース材料など、又は液体中における自身の重量の何倍も吸収することができる任意の材料とすることができる。幾つかの実施形態では、材料は、0.9%重量食塩水自体の重量の5倍を超えて吸収することができる。幾つかの実施形態では、材料は、0.9%重量食塩水自体の重量の15倍を超えて吸収することができる。幾つかの実施形態では、材料は、0.9%重量食塩水自体の重量の20倍を超えて吸収することができる。好ましくは、材料は、0.9%重量食塩水自体の重量の30倍を超えて吸収することができる。吸収性層は、吸引ポートの下になるように配置された1つ又は複数の通し穴を有することができる。
【0111】
包帯102は、ガス不透過性であるが水蒸気透過性である、創傷包帯の幅を横切って延在するカバー層を有することができる。カバー層は、例えばポリウレタンフィルム(例えば、Elastollan SP9109)、又は一面に感圧性接着剤を有する他の任意の適切な材料であることができ、実質的にガス不透過性であり、それによって実質的にシールされたエンクロージャが創傷の上に作られる。このように、有効なチャンバがカバー層と創傷部位との間に作られて、陰圧を確立することができる。カバー層は、包帯の周面の周りの境界領域で創傷接触層にシールすることができ、例えば接着又は溶接技術によって、境界範囲を通って空気が引き込まれないことが担保される。カバー層は、外部の細菌汚染から創傷を保護することができ(細菌バリア)、創傷浸出物からの液体が層を通って移行し、フィルムの外表面から蒸発することを可能にしている。カバー層は、ポリウレタンフィルムと、フィルム上に流延された接着剤パターンとを有することができる。ポリウレタンフィルムは水蒸気透過性であり、湿潤したときの水透過率が増加する材料から製造されてもよい。
【0112】
陰圧を包帯102に加えることができるように、カバーフィルムにオリフィスを設けることができる。上述したように、幾つかの実施形態では、吸引ポート108は、オリフィスの上のカバーフィルム上にシールすることができ、それによってオリフィスを通して陰圧を伝達することができる。ポートは、アクリル、シアノアクリレート、エポキシ、UV硬化性、又はホットメルト接着剤などの接着剤を使用して、カバーフィルムに接着されシールされてもよい。ポート108は、軟質ポリマー、例えば、ショアAスケールで30〜90の硬さを有する、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、シリコーン、又はポリウレタンから形成することができる。
【0113】
包帯102は、液体に対しては不透過性であるが、ガスに対しては透過性であるフィルタ要素を有することができる。フィルタ要素は、液体が創傷包帯から逃げるのを実質的に防ぐか又は阻害する液体バリアとして、ならびに臭気バリアとして作用することができる。フィルタ要素はまた、細菌バリアとして機能してもよい。幾つかの実施形態では、フィルタ要素の孔径は約0.2μmであることができる。フィルタ要素のフィルタ材料に適した材料としては、MMT範囲から延伸された0.2ミクロンのGore(商標)PTFE、PALL Versapore(商標)200R、及びDonaldson(商標)TX6628が挙げられる。このようにして、フィルタ要素によって、オリフィスを通してガスを排出することができる。しかし、液体、微粒子、及び病原菌は包帯に含まれている。フィルタに関する他の詳細は、特許文献3に開示されており、参照により本明細書に組み込まれている。
【0114】
本明細書に記載するような創傷包帯102ならびにその製造方法及び使用方法はまた、次の特許及び特許出願に記載されている特徴、構成、及び材料を組み込んでもよく、それらのそれぞれは、本開示の一部を成すものとして、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。特許文献11、特許文献12、及び特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24、特許文献25、及び特許文献26、ならびに2010年11月8日に出願された特許文献27、2011年4月15日に出願された特許文献28、及び2011年4月15日に出願された特許文献29。これらの参照により組み込まれる特許及び特許出願から、本開示に記載するものに類似した構成要素の特徴、構成、材料、及び製造又は使用の方法が、本出願の実施形態へと代用され、追加され、又は実装されてもよい。
【0115】
動作の際、創傷包帯102は、創腔を形成する創傷部位の上にシールされる。ポンプアセンブリ104は、包帯102に対する陰圧源を提供する。流体は、創傷接触層の下にある創傷部位から創傷包帯を通ってオリフィスに向かって吸い取られる。流体は透過層を通ってオリフィスに向かって移動する。流体が透過層を通って引かれるのにつれて、創傷浸出物が吸収性層に吸収される。
【0116】
創傷包帯の全体形状は、正方形、卵形、長方形、又は別の形であることができる。包帯は丸角領域を有することができる。本発明の他の実施形態による創傷包帯は、正方形、円形、又は楕円形の包帯など、異なるように形作ることができることが認識されるであろう。
【0117】
創傷包帯102の所望のサイズは、それが使用される創傷のサイズ及びタイプに基づいて選択することができる。幾つかの実施形態では、創傷包帯102は、その長軸で20〜40cmの間、その短軸で10〜25cmの間の寸法であることができる。例えば、上述したように、約10×20cm、10×30cm、10×40cm、15×20cm、及び15×30cmのサイズで包帯を提供することができる。
【0118】
幾つかの実施形態では、創傷包帯102は、15〜25cmの間の寸法の辺を有する正方形の包帯(例えば15×15cm、20×20cm、及び25×25cm)であることができる。吸収性層は包帯全体よりも小さい面積を有することができ、幾つかの実施形態では、包帯102全体よりも、ともに約3〜10cm短い、より好ましくは約5cm短い、長さ及び幅を有してもよい。幾つかの長方形の実施形態では、吸収性層は、その長軸で約10〜35cm、その短軸で5〜10cmの間の寸法であってもよい。例えば、吸収性層は、5.6×15cm又は5×10cm(10×20cmの包帯の場合)、5.6×25cm又は5×20cm(10×30cmの包帯の場合)、5.6×35cm又は5×30cm(10×40cmの包帯の場合)、10×15cm(15×20cmの包帯の場合)、及び10×25cm(15×30cmの包帯の場合)のサイズで提供することができる。幾つかの正方形の実施形態では、吸収性層は、10〜20cmの間の長さの辺を有してもよい(例えば、15×15cmの包帯の場合は10×10cm、20×20cmの包帯の場合は15×15cm、又は25×25cmの包帯の場合は20×20cm)。透過層は吸収性層よりも小さいサイズのものであることができ、幾つかの実施形態では、吸収性層よりも、ともに約0.5〜2cm短い、より好ましくは約1cm短い、長さ及び幅を有することができる。幾つかの長方形の実施形態では、透過層は、その長軸で9〜34cmの間、その短軸で3〜5cmの間の寸法であってもよい。例えば、透過層は、4.6×14cm又は4×9cm(10×20cmの包帯の場合)、4.6×24cm又は4×19cm(10×30cmの包帯の場合)、4.6×34cm又は4×29cm(10×40cmの包帯の場合)、9×14cm(15×20cmの包帯の場合)、及び9×24cm(15×30cmの包帯の場合)のサイズで提供されてもよい。幾つかの正方形の実施形態では、透過層には、9〜19cmの間の長さの辺を有してもよい(例えば、15×15cmの包帯の場合は9×9cm、20×20cmの包帯の場合は14×14cm、又は25×25cmの包帯の場合は19×19cm)。
【0119】
包帯は、抗菌物質を、例えば、創傷接触層上のナノ結晶質の銀剤及び/又は吸収性層内の銀硫黄ジアジンを含むことができる。これらは、別個に又は共に使用されてもよい。これらはそれぞれ、創傷中の微生物を、且つ吸収マトリックス中の微生物を殺す。さらなる他の選択肢として、他の有効成分、例えばイブプロフェンなどの痛み抑制剤が含まれてもよい。また、成長因子などの細胞活性を向上させる薬剤、又はメタロプロテイナーゼの組織阻害剤(TIMPS)などのマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤もしくは亜鉛キレート剤など、酵素を阻害する薬剤を利用することができる。さらなる他の選択肢として、活性炭、シクロデキストリン、ゼオライトなどの臭気捕集要素が、吸収性層に、又はフィルタ層の上のさらなる別の層として含まれてもよい。
【0120】
透過層が3D編成層として、例えばモノフィラメント層によって離隔された2つの層として形成される本発明の幾つかの実施形態についてここまで記載してきたが、本発明の幾つかの実施形態はかかる材料を使用することに制約されないことが認識されるであろう。幾つかの実施形態では、かかる3D編成材料の代替物として、種々の材料の1つ又は複数の層を利用することができる。いずれも場合も、本発明の実施形態によれば、透過層の複数層によって示される開口部は、使用中は創傷に近接して配置されるであろう包帯の側面から離れる方向に移動するのにしたがって広くなっていく。幾つかの実施形態では、透過層は連続気泡発泡体の複数層によって提供されてもよい。幾つかの実施形態では、発泡体は網状連続気泡発泡体である。発泡体は、親水性であることができ、又は水性系の流体をウィッキングすることができる。各層の孔径は、発泡体層中において、使用中に最も創傷部位に近接する孔が最も小さい径を有するように選択される。1つのさらなる発泡体層のみが利用される場合、それは第1の層の孔径よりも大きい孔径を含む。このことが、固体粒子が下層に捕捉されるのを回避する助けとなり、それが結果として、下層を開いた構成で維持する助けとなり、その構成によって包帯を空気が透過することができる。幾つかの実施形態では、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の発泡体層が含まれてもよい。発泡体層は、例えば、大きな孔径を有する発泡体を選択し、これを孔を詰まらせる材料に浸漬する程度を徐々に減らしながら繰り返し浸漬することによって一体的に形成されてもよく、あるいは、複数の発泡体層によって形成される透過層は、異なるタイプの発泡体を層状の配列で積層するか、又はかかる発泡体の層を既知のやり方で適所に固定することによって提供されてもよい。
【0121】
図7A〜
図7Dは、患者の創傷部位を治療するのに使用されているTNP創傷治療システムの一実施形態の使用を示す図である。
図7Aは、創傷部位Wが清浄にされ、治療のために準備されていることを示す。ここでは、創傷部位Wを取り囲む健康な皮膚は、好ましくは清浄にされ、余分な毛は除去又は剃毛される。必要であれば、創傷部位Wも滅菌生理食塩水で潅注されてもよい。任意選択で、皮膚保護薬が創傷部位Wを取り囲む皮膚に塗布されてもよい。必要であれば、発泡体又はガーゼなどの創傷充填材が創傷部位Wに配置されてもよい。これは、創傷部位Wがより深い創傷である場合に好ましいことがある。
【0122】
創傷部位Wを取り囲む皮膚が準備された後、カバー151を第1のパッケージング要素150から取り出して、構成要素に対するアクセスを提供することができる。包帯102は、パッケージング150から取り出すことができ、
図7Bに示されるように、創傷部位Wの上に位置付け、配置することができる。創傷包帯102は、包帯102の創傷接触層が創傷部位Wの上にあるように、及び/又はそこと接触するように配置することができる。幾つかの実施形態では、接着剤層を創傷接触層の下面に提供することができ、それは、場合によっては、創傷包帯102を創傷部位Wの上に配置するのに先立って除去される任意の剥離層によって保護されていてもよい。包帯102は、ポート108が包帯102の残りの部分に対して隆起した位置にあってポート108の周りに流体が貯留するのを回避するようにして、位置付けることができる。幾つかの実施形態では、包帯102は、ポート108が創傷の上に直接重なり合わず、創傷と同じ高さか又はそれよりも上にあるようにして位置付けられる。TNPに対して適切なシールを担保する助けとするため、包帯102の縁部を平滑にして、たたみ目又は折り目を回避することができる。包帯及びその上に形成される接着剤は、接着剤の性能を犠牲にすることなく、包帯を皮膚又は創傷から離れる方向に持ち上げ、位置付けし直してたたみ目及び折り目を除去するか、又は他の理由で単に包帯を創傷の上で位置付けし直すことができるように構成することができる。管材106は、包帯102を創傷の上に配置する前又は配置した後のどちらかに、包帯102に接続することができる。
【0123】
その後、
図7Cに示されるように、ポンプアセンブリ104をパッケージング150から取り出し、管材106に接続することができる。電池142をパッケージング150から取り出し、ポンプを導管106に取り付ける前又は後のどちらかに、ポンプアセンブリ104に設置することができる。ポンプアセンブリ104は、包帯102を介して、一般的には管材又は導管106を通して、創傷部位に陰圧を加えるように構成される。幾つかの実施形態では、導管106を包帯102に、且つポンプアセンブリ104に接合するのにコネクタが使用されてもよい。ポンプアセンブリ104によって陰圧を加える際、包帯102は、幾つかの実施形態では、包帯102の下にある空気の一部又はすべてを排気した結果として、部分的に潰れ、しわが寄った外観を示してもよい。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリ104は、包帯102と創傷部位Wを取り囲む皮膚との間の接合部分などで、包帯102に何らかの漏れがあった場合にそれを検出するように構成されてもよい。漏れが見つかった場合、かかる漏れは好ましくは治療を継続する前に修正される。漏れは、包帯102を位置付けし直すか、包帯のしわもしくは折り目を伸ばすか、又は包帯102の外周の周りに固定用ストリップ148を当てることによって修正することができる。
【0124】
図7Dに移ると、上述したように、固定用ストリップ148を包帯102の外周縁部の周りに、又は別の方法で取り付けることができる。かかる固定用ストリップ148は、創傷部位Wを取り囲む患者の皮膚に対して追加のシールを提供するために、幾つかの状況で有利であり得る。例えば、シール又は固定用ストリップ148は、患者の動きがより活発なときに追加のシールを提供することができる。場合によっては、固定用ストリップ148は、特に包帯102が手の届きにくい、又は起伏のある範囲の上に配置される場合に、ポンプアセンブリ104を動作させる前に使用されてもよい。幾つかの実施形態では、包帯キット100は5つ以下のシールストリップを備えることができる。
【0125】
創傷部位Wの治療は、好ましくは、創傷が所望の治癒レベルに達するまで継続する。幾つかの実施形態では、特定の期間が経過した後に、又は包帯が創傷流体でいっぱいになった場合に、包帯102を交換するのが望ましいことがある。そのような交換の間、ポンプアセンブリ104は保持され、包帯102のみが交換されてもよい。
【0126】
図8A〜
図20Hはそれぞれ、様々な異なるサイズの創傷包帯装置を含む、本明細書に開示する創傷包帯装置の実施形態のいずれかとともに使用することができる、パッケージング要素の実施形態の上面等角図、下面等角図、上面図、下面図、前面図、後面図、第1の側面図、及び第2の側面図である。
図8A〜
図20Hに示される、又は別の形で本出願に開示するパッケージング要素の実施形態のいずれも、上述した第1のパッケージング要素150を含む、本明細書に開示する他のパッケージング要素のいずれかと同じ特徴、材料、又は他の詳細のいずれかを有することができる。
【0127】
図8A〜
図8Hに示されるパッケージング要素300は、約10cm×20cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図9A〜
図9Hに示されるパッケージング要素310は、約10cm×20cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図10A〜
図10Hに示されるパッケージング要素320は、約10cm×30cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図11A〜
図11Hに示されるパッケージング要素330は、約10cm×30cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図12A〜
図12Hに示されるパッケージング要素340は、約10cm×40cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図13A〜
図13Hに示されるパッケージング要素350は、約10cm×40cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図14A〜
図14Hに示されるパッケージング要素360は、約15cm×15cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図14I〜
図14Pに示されるパッケージング要素365は、約15cm×15cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
【0128】
図15A〜
図15Hに示されるパッケージング要素370は、約15cm×20cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図16A〜
図16Hに示されるパッケージング要素380は、約15cm×20cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図17A〜
図17Hに示されるパッケージング要素390は、約20cm×20cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図17I〜
図17Pに示されるパッケージング要素395は、約20cm×20cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図18A〜
図18Hに示されるパッケージング要素400は、約15cm×30cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図18I〜
図18Pに示されるパッケージング要素405は、約15cm×30cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図19A〜
図19Hに示されるパッケージング要素410は、約25cm×25cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
図20A〜
図20Hに示されるパッケージング要素420は、約25cm×25cmのサイズを有する包帯、及び/又は本明細書に開示する任意のTNP治療キットの他の構成要素の1つ又は複数を支持するように構成される。
【0129】
図21は、幾つかの実施形態によるポンプアセンブリ1000を示す。本明細書に開示するポンプアセンブリ1000の実施形態のいずれも、上述したポンプアセンブリ104の実施形態を含む、本明細書に開示するか又は本明細書に参照により組み込まれている他の任意のポンプアセンブリの実施形態と同じもしくは類似の構成要素、特徴、材料、サイズ、構成、及び他の詳細のいずれかを有することができる。好ましくは、ポンプアセンブリ1000は小型化され可搬型であることができるが、より大きな従来の可搬型又は非可搬型(例えば、壁面吸込み)のポンプも使用することができる。ポンプアセンブリ1000は、ポンプアセンブリのハウジングの外部に位置する稼働/一時停止ボタンとして図示される、スイッチ又はボタン1002を含むことができる。後述するように、ボタン1002は、治療を停止、一時停止、及び/又は再開させるように構成することができる。押しボタン1002として図示されているが、タッチパッド、タッチスクリーン、キーボードなど、他のタイプのスイッチ又はボタンを含むことができる。
【0130】
ポンプアセンブリは、コネクタ1050(導管を、例えば導管106を接続するためのもの)と、3つのLEDインジケータ1062、1064、及び1066とをさらに含むことができる。図示されるように、LEDインジケータ1062(例えば、OKインジケータ)は、システムの正常/異常動作を指示するように構成することができる。例えば、活動状態の(例えば、点灯している)インジケータ1062は、正常動作を表すことができる。LEDインジケータ1064(例えば、包帯インジケータ)は、システムの漏れを指示するように構成することができる。例えば、活動状態の(例えば、点灯している)インジケータ1064は、漏れを表すことができる。LEDインジケータ1066(例えば、電池インジケータ)は、電源(例えば、電池)の残容量又は寿命を指示するように構成することができる。例えば、活動状態の(例えば、点灯している)インジケータ1066は、低容量を表すことができる。幾つかの実施形態では、インジケータ1062、1064、及び1066は、異なる色、2つの異なる色(例えば、2つのインジケータが同じ色を共有することができる)、又は同じ色であることができる。ポンプアセンブリは、好ましくは3つのLEDインジケータ及び1つの稼働/一時停止押しボタンを含むが、他の構成、場所、及びタイプのインジケータ、アラーム、ならびにスイッチを代わりに使用することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリ1000は、ユーザに対して様々な動作状態を信号で通知するように構成された、視覚、聴覚、触覚、及び他のタイプのインジケータ又はアラームを含むことができる。そのような状態は、システムのオン/オフ、スタンバイ、一時停止、正常動作、包帯の問題、漏れ、エラーなどを含む。インジケータは、スピーカー、ディスプレイ、光源など、及び/又はそれらの組合せを含むことができる。
【0131】
図22は、幾つかの実施形態によるポンプアセンブリ1000の内部を示す断面図を示す。図示されるように、ハウジング1020はポンプアセンブリを包囲することができる。一方向フロー弁1030は、陰圧源が活動状態でないときに陰圧レベルを維持し(例えば、漏れを防ぎ)、創傷から吸引もしくは除去された流体及び/又は浸出物が、コネクタ1050を介してポンプアセンブリに入るのを防ぐように構成することができる。プリント回路基板アセンブリ(PCBA)などの制御盤1040は、後述する様々な電気的/電子的構成要素を機械的に支持し、電気的に接続するように構成することができる。PCBAは片面又は両面であることができる。ポンプなどの陰圧源1090は、流体及び/又は浸出物を創傷から吸引することができる。本明細書に開示する実施形態のいずれかにおいて、陰圧源1090は、上述したポンプ232を非限定的に含む、本明細書に開示する他の陰圧源の実施形態のいずれかと同じ構成要素、特徴、限定、又は他の詳細のいずれかを有することができる。蠕動ポンプ、ピストンポンプ、回転翼ポンプ、液封ポンプ、スクロールポンプ、ダイヤフラムポンプ、圧電ポンプ(例えば、圧電変換器によって動作するダイヤフラムポンプ)など、又はそれらの組合せを含む、様々なポンプを陰圧源に使用することができる。ポンプアセンブリは、好ましくは、小型の低雑音低電力ポンプを含むが、任意の適切なポンプを代わりに使用することができる。ポンプアセンブリ1000は、インジケータ1060(例えば、LED)と、包帯の下の圧力など、システムの圧力を監視する圧力センサ1070と、電池区画1100へのアクセスを提供するように構成された電池カバー1080とを含む。ポンプアセンブリは、好ましくは、2つの標準的な使い捨てアルカリ電池(例えば、2つの単三電池)によって電力供給されるが、充電式電池及び外部電力を含む、任意のタイプの電源を代わりに使用することができる。
【0132】
図23は、幾つかの実施形態によるポンプアセンブリ1000のシステム概略図を示す。ポンプアセンブリは、押しボタン1002、制御盤1040、及びインジケータ1060を含む。ポンプアセンブリ1000は、電池セル1130によって電力供給することができる。ポンプアセンブリはまた、電気モータ1092によって電力供給されるダイヤフラムポンプなどのポンプ1090と、圧力センサ1070とを含む。入口1120は、例えば導管を介して、ポンプアセンブリ1000を包帯に接続するように構成することができる。入口1120は、一方向弁1030に接続することができ、陰圧源が活動状態でないときに陰圧レベルを維持するのを助け、漏れを回避し、創傷から吸引もしくは除去した流体及び/又は浸出物がポンプアセンブリ1000に入るのを防ぐように構成することができる。ポンプ1090はまた、出口1110に接続することができる。幾つかの実施形態では、出口1110は、空気を雰囲気へと放出するように構成することができる。幾つかの実施形態では、フィルタ(図示せず)を出口と雰囲気との間に差し挟むことができる。フィルタは、細菌フィルタ、臭気フィルタなど、又はそれらの任意の組合せであることができる。
【0133】
図24は、幾つかの実施形態によるポンプアセンブリ1000の電気的構成要素の概略図を示す。制御盤(例えば、PCBA)であることができるモジュール1140は、入/出力(I/O)モジュール1150、コントローラ1160、及びメモリ1170を含むことができる。幾つかの実施形態では、モジュール1140は、追加の電気的/電子的構成要素、例えば1つ又は複数のヒューズを含むことができる。コントローラ1160は、マイクロコントローラ、プロセッサ、マイクロプロセッサなど、又はそれらの任意の組合せであることができる。例えば、コントローラ1160は、STM8L 151G4U6など、ST Microelectronics製のSTM8L MCUファミリータイプのもの、又はMC9S08QE4CWJなど、Freescale製のMC9S08QE4/8直列タイプのものであることができる。好ましくは、コントローラ1160は低電力又は超低電力デバイスであるが、他のタイプのデバイスを代わりに使用することができる。メモリ1170は、リードオンリーメモリ(ROM)、ライトワンスリードメニーメモリ(WORM)、ランダムアクセスメモリ(例えば、SRAM、DRAM、SDRAM、DDRなど)、固体メモリ、フラッシュメモリ、磁気記憶装置など、又はそれらの任意の組合せの1つ又は複数など、揮発性及び/又は不揮発性メモリモジュールの1つ又は複数を含むことができる。メモリ1170は、プログラムコードもしくは命令(コントローラによって実行される)、システムパラメータ、動作データ、ユーザデータなど、又はそれらの任意の組合せを格納するように構成することができる。
【0134】
I/Oモジュール1150は、コントローラ1160と、電磁信号を提供する、及び/又は電磁信号に応答する他のシステム構成要素との間のインターフェースとして機能するように構成することができる。換言すれば、I/Oモジュール1150は、コントローラ1160がシステムの動作を監視し、システムの他の構成要素を制御することが可能になるように構成することができる。幾つかの実施形態では、図示されるように、I/Oモジュール1150は、ボタン1002、インジケータ1060、圧力センサ1070、電源1130、及び陰圧源1090と電磁気的に連通していることができる。I/Oモジュールは、様々な構成要素と通信するように構成されたインターフェース又は複数のインターフェースを備えることができる。インターフェースは、シリアルポート、パラレルポート、バスインターフェースなど、又はそれらの任意の組合せなどの、規格及び/又は規格外のポートを含むことができる。
【0135】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリ1000は、システムの動作を制御するように構成することができる。例えば、ポンプアセンブリ1000は、中断されずに治療を送達すること、ならびに/あるいは例えば、頻繁にもしくは不必要に治療を一時停止又は延期することによって、ユーザに不便を掛けるのを回避すること、及び電力を節約し、陰圧源によって発生する雑音と振動を制限したいという要求の間の適切なバランスを提供するように構成することができる。
図25は、幾つかの実施形態によるポンプアセンブリの動作の上位状態
図1200を示す。幾つかの実施形態では、コントローラ1140は、状態
図1200のフローを実施するように構成することができる。
図25に示されるように、ポンプアセンブリの動作は、幾つかの実施形態では、非活動状態/初期設定(状態1206及び1202)、活動状態1210、動作中1250、ならびに寿命末期(状態1214)の4つの一般状態カテゴリーにグループ化することができる。
図25及び
図26に示されるように、状態カテゴリー1210及び1250はそれぞれ、複数の状態を含み、状態間で遷移する。
【0136】
幾つかの実施形態では、電源が接続されておらず、除去されている(遷移1204によって図示される)限り、又はポンプアセンブリを(例えば、動作ストリップを引っ張るか、スイッチを起動するなどによって)動作させていない限り、ポンプアセンブリは状態1206に留まる。この状態に留まっている間、ポンプアセンブリは非活動状態に留まっていることができる。電源が接続されると、及び/又はポンプアセンブリを最初に動作させると、ポンプアセンブリは状態1202に遷移して、1つ又は複数の電源投入時自己診断(POST)を実施することができる。電源投入時自己診断(複数可)は、メモリ1170を検査すること(例えば、プログラムコードの周期的冗長検査などのチェックを実施してその保全性を判定する、ランダムアクセスメモリを検査するなど)、圧力センサ1070を読み取って圧力値が適切な限界内にあるか否かを判定すること、電源の残容量もしくは寿命(例えば、電池電圧、電流など)を読み取ってそれが適切な限界内にあるか否かを判定すること、及び陰圧源を検査することなど、システムの適正な機能性を担保するために様々なチェックを実施することを含むことができる。図示されるように、インジケータ1060(例えば、LED)は、ポンプアセンブリがPOST検査(複数可)を受けていることをユーザに(例えば、一度明滅又は点滅させることによって)指示するように構成することができる。
【0137】
幾つかの実施形態では、POST検査(複数可)のうち1つ又は複数が不合格だった場合、ポンプアセンブリは回復不能なエラー状態1214に遷移することができる。この状態にある間、ポンプアセンブリは治療を動作停止することができ、インジケータ1060は、エラーに遭遇したことをユーザに指示するように構成することができる。幾つかの実施形態では、すべてのインジケータが活動状態に留まるように構成することができる。エラーの深刻度に基づいて、幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、エラーから回復し、動作を継続する(又は回復不能なエラー状態1214に遷移する)ように構成することができる。図示されるように、ポンプアセンブリは、動作中に決定的エラーに遭遇すると、状態1214へと遷移することができる。決定的エラーは、プログラムメモリエラー、プログラムコードエラー(例えば、無効な変数値に遭遇する)、コントローラ動作エラー(例えば、コントローラ1160によってリセットされることなく、ウォッチドッグタイマーが終了する)、構成要素の故障(例えば、陰圧源の動作不能、圧力センサ1070の動作不能など)、及びそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0138】
POST検査(複数可)に合格すると、幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは手動一時停止状態1216に遷移することができる。図示されるように、インジケータ1060(例えば、電池インジケータ1066)の1つを動作停止することによって、この遷移をユーザに指示することができる。ポンプアセンブリが手動一時停止状態1216に遷移し、そのまま留まっているとき、インジケータ1062(OKインジケータ)及び1064(包帯インジケータ)を動作停止することなどによって、ユーザに指示を提供することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリが手動一時停止状態1216に留まっている間、治療を延期することができる。例えば、陰圧源(例えば、ポンプ1090)を動作停止する(又はオフにする)ことができる。幾つかの実施形態では、指示は、陰圧源を動作停止することによって提供することができる。
【0139】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、スイッチからの信号の受信に応答して、手動一時停止状態1216から動作状態カテゴリー1250への遷移1224を行うように構成することができる(ポンプアセンブリが治療を送達するように構成されている場合)。例えば、ユーザがボタンを押して、治療を開始、延期、及び/又は再開することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが手動一時停止状態1216に留まっている持続時間を監視するように構成することができる。これは、例えば、ポンプアセンブリが手動一時停止状態1216に遷移するとリセットし開始することができる、(ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、もしくはそれらの任意の組合せの)タイマーを維持することによって、達成することができる。ポンプアセンブリは、持続時間が閾値を超えたときに、手動一時停止状態1216から動作状態カテゴリー1250への遷移1224を自動的に行うように構成することができる。幾つかの実施形態では、かかる閾値は、1分以下〜1時間以上の間などの設定値であることができる。幾つかの実施形態では、閾値をユーザによって設定又は変更することができる。幾つかの実施形態では、閾値は様々な動作状態又はそれらの任意の組合せに基づいて変えることができる。例えば、ポンプアセンブリが寿命末期に近付くにつれて(後述するように)、閾値を減少させることができる。幾つかの実施形態では、ユーザは、スイッチを動作させる(例えば、ボタンを押す)ことによって治療を一時停止することができ、それによって、ポンプアセンブリが動作状態カテゴリー1250から手動一時停止状態1216への遷移1222を行う。幾つかの実施形態では、ユーザが単に治療を一時停止することができるように、ポンプアセンブリを構成することができるが、電源を分断する(例えば、電池を除去する)ことによって治療が停止する。
【0140】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは一時停止状態1218を含むように構成することができる。ポンプアセンブリが一時停止状態1218に遷移し、そこに留まっているとき、ユーザに指示を提供することができる。例えば、ポンプアセンブリは、OKインジケータ1062を動作停止し、包帯インジケータ1064を点滅又は明滅させるように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリが手動一時停止状態1216に留まっている状態で治療を延期することができる。例えば、陰圧源(例えば、ポンプ1090)を動作停止する(又はオフにする)ことができ、それによって、ポンプアセンブリが一時停止状態1218にあるという指示がユーザに提供される。後述するように、幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、再試行サイクルの回数が再試行限界を超えたとき(遷移1228)、又はデューティサイクルがデューティサイクル限界を超えたと判定されたとき(遷移1230)、動作状態カテゴリー1250から一時停止状態1218に遷移するように構成することができる。幾つかの実施形態では、遷移1228及び1230は、システムにおける漏れの存在を反映することができる。
【0141】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、スイッチからの信号(例えば、ユーザがボタンを押して治療を再開させる)を受信したのに応答して、一時停止状態1218から動作状態カテゴリー1250(ポンプアセンブリがポンプを動作させて、治療を送達する)への遷移1226を行うように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが一時停止状態1218に留まっている持続時間を監視するように構成することができる。例えば、これは、ポンプアセンブリが一時停止状態1218に遷移するとリセットし開始することができる、(ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、もしくはそれらの任意の組合せの)タイマーを維持することによって達成することができる。ポンプアセンブリは、持続時間が閾値を超えたときに、一時停止状態1218から動作状態カテゴリー1250への遷移1226を自動的に行うように構成することができる。閾値は、上述の手動一時停止状態1216の閾値と同じものであるか、又は異なるものであることができる。幾つかの実施形態では、閾値は、1分以下〜1時間以上の間などの設定値であることができる。幾つかの実施形態では、閾値をユーザによって設定又は変更することができる。幾つかの実施形態では、閾値は様々な動作状態又はそれらの任意の組合せに基づいて変えることができる。例えば、ポンプアセンブリが寿命末期に近付くにつれて(後述するように)、閾値を減少させることができる。
【0142】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、治療を一時停止する様々な原因を区別するため、手動一時停止状態1216及び一時停止状態1218の両方を含む。かかる区別の能力によって、ポンプアセンブリが、治療を一時停止するための特定の原因の指示をユーザに提供できるようにすることができる(例えば、手動一時停止状態1216及び一時停止状態1218は異なる指示を提供することができる)。例えば、治療は、ユーザが手動でボタンを押すことによって一時停止することができ、その場合、ポンプアセンブリは、動作状態カテゴリー1250から手動一時停止状態1216への遷移1222を行うことができる。別の例として、治療は、漏れを検出することによって一時停止することができ、その場合、ポンプアセンブリは、動作状態カテゴリー1250から一時停止状態1218への遷移1228及び/又は1230を行うことができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、治療の送達の延期もしくは一時停止を示す1つの状態、又は2つを超えるかかる状態を含むように構成することができる。
【0143】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、電源の残容量又は寿命を(例えば、電池電圧、電流などを周期的に読み取るか、もしくはサンプリングすることによって)監視するように構成することができる。ポンプアセンブリは残容量をユーザに指示するように構成することができる。例えば、電源が正常な残容量(例えば、閾値と比較した結果として、2.7V、2.6V、2.5Vなど)を有すると判定された場合、電池インジケータ1066を動作停止することができる。電源が低い残容量を有すると判定された場合、ポンプアセンブリは、例えば、遷移1220によって示されるように、電池インジケータ1066を明滅又は点滅させることによって、ユーザに指示を提供するように構成することができる。幾つかの実施形態では、電池インジケータ1066は、ポンプアセンブリがどの状態にあるか、又は特定の状態のみにあるかに係わらず、断続的もしくは継続的に明滅又は点滅するように構成することができる。
【0144】
幾つかの実施形態では、電源の残容量が臨界レベル又はその付近(例えば、閾値と比較した結果として、2.4V、2.3V、2.2Vなど)であると判定されると、ポンプアセンブリは、電池臨界状態1212に遷移するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、電源を交換又は再充電することなどによって電源容量が増加するまで、この状態に留まるように構成することができる。ポンプアセンブリは、電池臨界状態1212に留まっている間、治療を動作停止するように構成することができる。それに加えて、図示されるように、ポンプアセンブリは、例えばすべてのインジケータを動作停止することによって、電源が臨界レベル又はその付近にあることをユーザに指示するように構成することができる。
【0145】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、第1の動作に続いて、約1日間、2〜10日間などの所定の期間、治療を提供するように構成することができる。幾つかの実施形態では、かかる期間は、ユーザによって変更される、及び/又は様々な動作状態もしくはそれらの任意の組合せに基づいて変えられる、設定値であることができる。ポンプアセンブリは、かかる期間が終了すると廃棄することができる。幾つかの実施形態では、第1の動作は、動作ストリップを引っ張ること(例えば、状態1202への遷移)などによって、活動状態カテゴリー1210への遷移によって反映することができる。一旦ポンプアセンブリが動作されると、ポンプアセンブリは、活動状態に留まっていた持続時間を監視するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、活動状態カテゴリー1210に留まっている累積持続時間を監視するように構成することができる。これは、例えば、かかる持続時間を反映する、(ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組合せの)タイマーを維持することによって達成することができる。
【0146】
持続時間が閾値(例えば、7日間)に達するか、又はそれを超えると、ポンプアセンブリは寿命末期(EOL)状態1240に遷移するように構成することができる。ポンプアセンブリは、状態1240に留まっている状態で治療を動作停止し、ポンプアセンブリの有効寿命の終わりに達したことをユーザに指示するように構成することができる。例えば、ポンプアセンブリは、すべてのインジケータを動作停止する、及び/又はボタンを動作停止するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリが使い捨てであるとき、寿命末期状態1240に遷移することは、ポンプアセンブリを廃棄できることを意味する。ポンプアセンブリは、一旦寿命末期に達すると、ポンプアセンブリを再び動作させることができないように構成することができる。例えば、ポンプアセンブリは、電源が分断され、その後再接続された場合であっても、再び動作させることができないように構成することができ、それは、指示、値、フラグなどをリードオンリーメモリに格納することによって達成することができる。
【0147】
図26は、幾つかの実施形態によるポンプアセンブリ1000の状態カテゴリー1250における動作フローを示す。ポンプアセンブリは、治療を送達し、システムの漏れを監視し、指示(複数可)をユーザに提供するなどのために構成することができる。後述するように、幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、包帯1010の下で第1の所望の陰圧レベル(例えば、−100mmHgなど、−5mmHg以下〜−200mmHg以上の間の陰圧)を確立することを最初に試みることによって、治療を送達するように構成することができる。幾つかの実施形態では、第1の所望の陰圧レベルは、ユーザによって設定もしくは変更される、及び/又は様々な動作状態もしくはそれらの任意の組合せに基づいて変えられる、設定値であることができる。一旦第1の所望の陰圧レベルが包帯1010の下で確立されると、ポンプアセンブリは、陰圧源(例えば、ポンプ)を動作停止するように構成することができる。システムの漏れによって包帯1010の下の陰圧が減少する(すなわち、標準大気圧に向かって下降する)と、ポンプアセンブリは、ポンプを動作させて包帯の下の第2の所望の陰圧レベル(例えば、−100mmHgなど、−5mmHg以下〜−200mmHg以上の間の陰圧)を確立することによって、包帯の下の陰圧を回復するように構成することができる。幾つかの実施形態では、第2の所望の陰圧レベルは、ユーザによって設定もしくは変更される、及び/又は様々な動作状態もしくはそれらの任意の組合せに基づいて変えられる、設定値であることができる。幾つかの実施形態では、第1及び第2の所望の陰圧レベルは同じであることができる。幾つかの実施形態では、第1及び第2の所望の陰圧レベルは異なることができ、すなわち、第2の陰圧レベルは第1の陰圧レベルよりも低いか、又はその逆であることができる。
【0148】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、手動一時停止状態1216及び/又は一時停止状態1218から状態1252に遷移することができる。上述したように、この遷移は、ユーザがボタンを押して治療を開始/再開することによって、及び/又は1時間などの持続時間が経過すると引き起こすことができる。ポンプアセンブリは、ポンプを動作させて包帯1010の下の第1の所望の陰圧レベルを確立することができる、初期ポンプダウン(initial pump down:IPD)状態1260に即座に遷移するように構成することができる。幾つかの実施形態では、包帯の下の圧力レベルが第1の所望の陰圧レベルの上(未満)である場合、ポンプを動作させることができる。陰圧源を動作させて、包帯1010の下の第1の所望の陰圧レベルを確立することは、本明細書では、「初期ポンプダウン」と呼ぶことができる。ポンプアセンブリは、例えば、OKインジケータ1062を明滅又は点滅させ、包帯インジケータ1064を動作停止することによって、初期ポンプダウンを実施していることをユーザに指示するように構成することができる。幾つかの実施形態では、例えば、陰圧源を動作させることによって、指示を提供することができる。ポンプアセンブリは、センサ1070を読み取るか又はサンプリングすることによって、包帯1010の下の圧力レベルを測定するように構成することができる。
【0149】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリがIPD状態1260に留まっている持続時間を監視するように構成することができる。これは、例えば、ポンプアセンブリがIPD状態1260へと遷移したときにリセットし開始することができる、(ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組合せの)タイマーを維持することによって達成することができる。幾つかの実施形態では、電力の節約、ポンプによって発生する雑音及び/又は振動の制限などのために、ポンプアセンブリは、所定の期間の間、初期ポンプダウン動作を延期し、その後で初期ポンプダウンを再試行するように構成することができる。この機能性は、例えば、電池電力を節約し、ユーザの介在なしに過渡的及び/又は非過渡的な漏れを解決できるようにするか、あるいはユーザが漏れを直すこと(例えば、包帯を真っ直ぐにする、シールを直す、1つ又は複数の接続を確認するなど)ができるようにすることができる。
【0150】
幾つかの実施形態では、IPD状態1260に留まっている持続時間が閾値(例えば、30秒間)に等しいか又はそれを超えると、ポンプアセンブリは、状態1266への遷移1264を行うように構成することができる。幾つかの実施形態では、閾値は、5秒以下〜5分以上の間などの設定値であることができる。幾つかの実施形態では、ユーザは閾値を設定又は変更することができる。幾つかの実施形態では、閾値は、様々な動作状態又はそれらの任意の組合せに基づいて変えることができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、遷移1264を行うときにポンプを動作停止するように構成することができる。ポンプアセンブリは、包帯1010の下の第1の所望の陰圧を確立するために行われる試みの回数を、(例えば、状態1252でリセットし、待機状態1270で更新することができるカウンタを維持することによって)監視するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、例えば電力を節約するために、限定数又は最大数のIPD再試行の試みを提供するように構成することができる。好ましくは、ポンプアセンブリは、限定数の連続的なIPD再試行の試みを提供するように構成することができるが、ポンプアセンブリは、限定数の連続的でないIPD再試行の試み、又は連続的及び連続的でないIPD再試行の試みの混合を提供するように構成することができる。IPD再試行の試みの閾値は、1、2、3、4、5などであることができる。幾つかの実施形態では、閾値は設定値であることができる。幾つかの実施形態では、ユーザによって閾値を設定又は変更することができる。幾つかの実施形態では、閾値は、様々な動作状態又はそれらの任意の組合せに基づいて変えることができる。
【0151】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、状態1266で、行われたIPD再試行の試みの回数が閾値(例えば、1回の再試行の試み)に等しいか又はそれを超えているか否かを判定するように構成することができる。行われたIPD再試行の試みの回数が閾値に等しいか又はそれを超えている場合、ポンプアセンブリは、上述したように治療が一時停止又は延期される、一時停止状態1218への遷移1228aを行うように構成することができる。そうでなければ、ポンプアセンブリは、待機状態1270への遷移1268を行うように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、状態1266で陰圧源を動作停止するように構成することができ、それによって、ポンプアセンブリが状態1266に遷移したことの指示をユーザに提供することができる。
【0152】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、待機状態1270のポンプを動作停止し、それによって治療を所定の期間の間(例えば、15秒間など、1秒以下〜1分以上の間)一時停止するように構成することができる。これは、例えば、ポンプアセンブリが待機状態1270へと遷移したときにリセットし開始することができる、(ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組合せの)タイマーを維持することによって達成することができる。待機状態1270におけるこの期間は、プリセット又は変数(例えば、自動的、もしくはユーザによる)であることができる。幾つかの実施形態では、期間は、様々な動作状態又はそれらの任意の組合せに基づいて変えることができる。ポンプアセンブリが待機状態1270に留まっている期間は、待機状態1270への遷移のたびに、増加又は減少させる(例えば、2など、0.1以下〜4.0以上の間の係数で乗算する)ことができる。期間は、待機状態1270への一連の遷移それぞれにおいて増加又は減少させることができる。期間は、閾値(例えば、4分など、1秒以下〜5分以上の間)に等しくなるか又はそれを過ぎるまで、増加又は減少させることができる。それに加えて、期間は、監視圧力状態1280への遷移、手動一時停止状態1216への遷移、一時停止状態1218への遷移の際に、初期値にリセットすることができる。
【0153】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが待機状態1270にあることをユーザに指示するように構成することができる。例えば、ポンプアセンブリは、OKインジケータ1062を点滅又は明滅させ、包帯インジケータ1064を動作停止するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプの動作停止によって、ポンプアセンブリが待機状態1270にあるという指示を提供することができる。待機状態の期間が経過すると、ポンプアセンブリは、待機状態1270からIPD状態1260への遷移1272を行うように構成することができ、その際、ポンプアセンブリは、包帯1010の下の第1の所望の陰圧レベルを確立するように試みることができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、包帯の下の陰圧レベルが特定の安全レベルを上回ったまま留まることを担保するように構成することができる。例えば、ポンプアセンブリは、−225mmHgなど、−150mmHg以下〜−250mmHg以上の間の安全レベルを上回る、包帯1010の下の陰圧レベルを維持するように構成することができる。
【0154】
幾つかの実施形態では、包帯1010の下の第1の所望の陰圧レベルが確立されていると、ポンプアセンブリは、監視状態1280への遷移1276を行うように構成することができる。ポンプアセンブリは、遷移1276を行うときに、IPD再試行の試みの回数をリセットするように構成することができる。ポンプアセンブリは、例えば、OKインジケータ1062を明滅又は点滅させ、包帯インジケータ1064を動作停止することによって、監視状態1280への遷移をユーザに指示するように構成することができる。監視状態1280に留まっているまま、ポンプアセンブリは、ポンプを動作停止し(それによって、ポンプアセンブリが監視状態1280にあるという、ユーザに対する指示を提供することができる)、包帯1010の下の圧力レベルを周期的又は継続的に監視するように構成することができる。ポンプアセンブリは、センサ1070を読み取るか又はサンプリングすることによって、包帯1010の下の圧力レベルを測定するように構成することができる。
【0155】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、例えばシステムの漏れによって、包帯1010の下の陰圧レベルが、閾値に達するか、及び/又は閾値を過ぎる(例えば、閾値よりも低くなる)まで減少しているか否かを判定するように構成することができる。閾値は、−60mmHgなど、−10mmHg以下〜−100mmHg以上の間の範囲から選択することができる。幾つかの実施形態では、閾値は、ユーザによって設定もしくは変更される、及び/又は様々な動作状態もしくはそれらの任意の組合せに基づいて変えられる設定値であることができる。閾値に達したか又は閾値を過ぎたと判定された場合、ポンプアセンブリは、包帯1010の下の陰圧レベルを回復するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、第1の所望の陰圧レベルを再度確立するように、又は別の異なる陰圧レベルを確立するように構成することができる。これは、保守ポンプダウン(maintenance pump down:MPD)状態1290への遷移1282を行うことによって達成することができる。
【0156】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリがMPD状態1290に留まっている状態で、ポンプを動作させて、包帯1010の下の所望の陰圧レベル(例えば、第1の所望のレベル)を確立するように構成することができる。ポンプアセンブリは、例えば、OKインジケータ1062を明滅又は点滅させ、包帯インジケータ1064を動作停止することによって、ユーザに対して指示を提供するように構成することができる。幾つかの実施形態では、陰圧源を動作させるポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが状態1290に遷移したことの指示をユーザに提供することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、IPD状態1264でポンプを動作させたときよりも、MPD状態1290でポンプを動作させたときの方が、発生する雑音及び振動が少ないように構成することができる。例えば、雑音レベルの差は、約7dB、約20dBなど、1dB以下〜30dB以上の間であることができる。別の例として、雑音レベルの差は、約45dB、約50dB、約65dBなど、30dB以下〜80dB以上の間であることができる。
【0157】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、MPD状態1290に留まっている持続時間を監視するように構成することができる。これは、例えば、ポンプアセンブリがMPD状態1290への遷移1282を行うときにリセットし開始することができる、(ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組合せの)タイマーを維持することによって達成することができる。幾つかの実施形態では、電力の節約、ポンプによって発生する雑音及び/又は振動の制限などのために、ポンプアセンブリは、所定の期間の間、保守ポンプダウン動作を延期し、その後で初期ポンプダウン及び/又は保守ポンプダウンを再試行するように構成することができる。この機能性は、例えば、電池電力を節約し、ユーザの介在なしに過渡的及び/又は非過渡的な漏れを解決できるようにするか、あるいはユーザが漏れを直すこと(例えば、包帯を真っ直ぐにする、シールを直す、1つ又は複数の接続を確認するなど)ができるようにすることができる。
【0158】
幾つかの実施形態では、MPD状態1290の持続時間が閾値(例えば、10秒など、5秒以下〜5分以上の間の値)に等しいか又はそれを超え、包帯1010の下の圧力レベルが所望の陰圧レベルに達していないとき、ポンプアセンブリは、状態1294への遷移1292を行うように構成することができる。閾値は、ユーザによって設定もしくは変更される、及び/又は様々な動作状態もしくはそれらの任意の組合せに基づいて変えられる設定値であることができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、遷移1292を行うときにポンプを動作停止するように構成することができ、それによって、ポンプアセンブリが遷移を行っていることの指示をユーザに提供することができる。ポンプアセンブリは、包帯1010の下の所望の陰圧を確立するために行われるMPDの試みの回数を、(例えば、状態1252で、及び/又は遷移1228bを行うときにリセットし、遷移1296を行うときに更新することができるカウンタを維持することによって)監視するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、(例えば、電力を節約するために)限定数又は最大数のMPD再試行の試みを提供するように構成することができる。好ましくは、ポンプアセンブリは、限定数の連続的なMPD再試行の試みを提供するように構成することができるが、ポンプアセンブリは、限定数の連続的でないMPD再試行の試み、又は連続的及び連続的でない再試行の試みの混合を提供するように構成することができる。MPD再試行の試みの閾値は、1、2、3、4、5などであることができる。幾つかの実施形態では、閾値は、ユーザによって設定もしくは変更される、及び/又は様々な動作状態もしくはそれらの任意の組合せに基づいて変えられる設定値であることができる。ポンプアセンブリは、IPD及びMPDの再試行の試みの回数を、同じ値又は異なる値に設定するように構成することができる。ポンプアセンブリは、状態1294で、行われたMPD再試行の試みの回数が閾値(例えば、3回の再試行の試み)に等しいか又はそれを超えているか否かを判定するように構成することができる。行われたMPD再試行の試みの回数が閾値に等しいか又はそれを超えている場合、ポンプアセンブリは、上述したように治療が一時停止又は延期される、一時停止状態1218への遷移1228bを行うように構成することができる。そうでなければ、ポンプアセンブリは、上述したように治療が一時停止又は延期される、待機状態1270への遷移1296を行うように構成することができる。あるいは、ポンプアセンブリは、IPD状態1260又はMPD状態1290に遷移するように構成することができる。
【0159】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、包帯の下の圧力レベルが所望の陰圧レベルに達するか又はそれを超えた(例えば、それよりも大きくなった)場合、監視状態1280への遷移1284を行うように構成することができる。ポンプアセンブリはまた、遷移1284を行ったときに、MPD再試行の試みの回数をリセットするように構成することができる。
【0160】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、陰圧源(例えば、ポンプ)のデューティサイクルを監視するように構成することができる。ポンプアセンブリは、デューティサイクルを周期的に及び/又は連続的に監視するように構成することができる。デューティサイクル測定は、漏れの存在ならびに/又は深刻度、創傷から吸引された流体(例えば、空気、液体、及び/もしくは固体浸出物など)の流量など、システムの様々な動作状態を反映することができる。例えば、デューティサイクル測定は多量の漏れの存在を指示することができ、ポンプアセンブリは、この状態を指示し、及び/又は電力を節約するためにポンプの動作を一時的に延期もしくは一時停止するように構成することができる。この機能性は、例えば、電池電力を節約し、ユーザの介在なしに過渡的及び/又は非過渡的な漏れを解決できるようにするか、あるいはユーザが漏れを直すこと(例えば、包帯を真っ直ぐにする、シールを直す、1つ又は複数の接続を確認するなど)ができるようにすることができる。
【0161】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、毎10秒以下〜毎5分以上の間に一回など、周期的にデューティサイクルを監視するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、デューティサイクルを1分につき1回監視するように構成することができる。これは、(例えば、割込みによって、もしくはポーリングを介して示されるように)1分ごとに期限が来るように設定することができ、(例えば、割込みをクリアすることによって)再始動することができる、(ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組合せの)タイマーを維持することによって達成することができる。幾つかの実施形態では、デューティサイクルを測定する時間間隔は、ユーザによって設定もしくは変更される、及び/又は様々な動作状態もしくはそれらの任意の組合せに基づいて変えられる設定値であることができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、動作状態カテゴリー1250(すなわち、状態1260、1266、1270、1280、1290、1294のいずれか、及び/又はいずれかの状態間のいずれかの遷移)にあるときにポンプを動作させるように構成されているので、この状態カテゴリーにあるときに、デューティサイクルを監視するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが、動作状態カテゴリー1250の特定の状態及び/又は状態遷移、あるいは状態及び/又は状態遷移の部分集合にあるときに、デューティサイクルを監視するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが、活動状態カテゴリー1210の特定の状態及び/もしくは状態遷移、状態及び/もしくは状態遷移の部分集合、又はすべての状態及び/もしくは状態遷移、あるいは本明細書に開示する任意の状態及び/又は状態遷移のいずれかの組合せにあるときに、デューティサイクルを監視するように構成することができる。
図26に示されるように、ポンプアセンブリは、状態1260、1266、1270、1280、1290、1294のいずれかからの遷移1302、及び/又は状態のいずれかから状態1300への遷移を行うことができ、ここで、ポンプアセンブリは、経過した分の間のポンプのデューティサイクルを判定することができる。デューティサイクルは、次式にしたがって判定することができる。
【0163】
式中、DCはデューティサイクル、tは陰圧源が活動状態である持続時間、Tは検討中の合計時間である。デューティサイクルを1分につき1回監視する場合(すなわち、T=60秒)、デューティサイクルは次式のように(例えば、百分率で)表すことができる。
【0164】
DC=(経過した分の間のポンプ稼働時間/60)*100% (3)
【0165】
デューティサイクルを判定するために、ポンプアセンブリは、ポンプが活動状態(例えば、ポンプ稼働時間)及び/又は非活動状態であった持続時間を監視するように構成することができる。
【0166】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、判定されたデューティサイクルを、1%以下〜50%以上の間の範囲から選択することができるデューティサイクル閾値と比較するように構成することができる。比較は、例えば、システムの漏れの存在を示すことができる。換言すれば、ポンプが、デューティサイクル閾値に達するか又は超えるような期間に亘って活動状態に留まっていた場合、ポンプは漏れを克服するために酷使されていることがある。かかる場合、ポンプアセンブリは、治療の送達を延期又は一時停止するように構成することができる。ポンプアセンブリは、例えば、陰圧源を動作停止することによって、ポンプが酷使されている(例えば、デューティサイクルがデューティサイクル閾値を超えている)ことの指示をユーザに提供するように構成することができる。幾つかの実施形態では、デューティサイクル閾値は、ユーザによって設定もしくは変更される、及び/又は様々な動作状態もしくはそれらの任意の組合せに基づいて変えられる設定値であることができる。
図26に示されるように、ポンプアセンブリは、判定されたデューティサイクルをデューティサイクル閾値(例えば、9%)と比較するように構成することができる。ポンプアセンブリは、例えば、ポンプアセンブリが状態1252からIPD状態1260に遷移したときにリセットすることができる、過負荷カウンタを維持し更新することによって、閾値を超えるデューティサイクルの数を監視するように構成することができる。
【0167】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、状態1300において過負荷カウンタを更新するように構成することができる。判定されたデューティサイクルがデューティサイクル閾値を超えない場合、ポンプアセンブリは過負荷カウンタを減分することができる。幾つかの実施形態では、過負荷カウンタの最小値はゼロに設定することができ、すなわち過負荷カウンタが負になることはない。反対に、判定されたデューティサイクルがデューティサイクル閾値に等しいか又はそれを超える場合、ポンプアセンブリは過負荷カウンタを増分することができる。
【0168】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、デューティサイクル閾値に等しいか又はそれを超えるデューティサイクルの合計数もしくは総数を監視するように構成することができる。この方策は、例えば、治療を中断することによる過渡的な漏れによって引き起こされることがある、1つ又は幾つかの不安定なサイクルを防ぐために、デューティサイクルの変動を平滑化又は平均化する助けとすることができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、デューティサイクル閾値を超える連続的又は非連続的なデューティサイクルを監視するように構成することができる。幾つかの実施形態では、閾値は、ユーザによって設定もしくは変更される、及び/又は様々な動作状態もしくはそれらの任意の組合せに基づいて変えられる設定値であることができる。デューティサイクル閾値を超えるデューティサイクルの数が過負荷閾値(例えば、30など、1〜60以上の間)を超えると判定された場合、ポンプアセンブリは、上述したように治療が延期又は一時停止される、一時停止状態1216への遷移1230を行うように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは陰圧源を動作停止するように構成することができ、それによって、ポンプが酷使されている(例えば、デューティサイクルが過負荷閾値を超える)という指示をユーザに提供することができる。デューティサイクル閾値を超えるデューティサイクルの数が過負荷閾値を超えると判定されなかった場合、ポンプアセンブリは、遷移1304を行い、動作状態カテゴリー1250に留まるように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、同じ状態に戻る、及び/又はポンプアセンブリがそこから遷移1302を行った状態の間で遷移するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、異なる状態へ遷移する、及び/又は状態間で遷移するように構成することができる。
【0169】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが動作状態カテゴリー1250にある状態でユーザがボタン1002を押した場合に、治療を延期又は一時停止するようにさらに構成される。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、手動一時停止状態1216に遷移するように構成することができる。
【0170】
図27は、幾つかの実施形態によるポンプアセンブリ1000の動作の別の状態図を示す。幾つかの実施形態では、コントローラ1140は、状態
図1400のフローを実施するように構成することができる。幾つかの実施形態では、フロー1400は、概して
図25〜
図26に示されるフローに類似していることができる。状態1402は状態1202に相当し、状態1406は状態1260に相当し、状態カテゴリー1410は状態カテゴリー1210に相当し、状態1414は状態1214に相当し、状態1416は状態1216に相当し、状態1418は状態1218に相当し、遷移1420は遷移1220に相当し、遷移1422は遷移1222に相当し、遷移1424は遷移1224に相当し、遷移1426は遷移1226に相当し、状態1440は状態1240に相当する。それに加えて、状態カテゴリー1450は状態カテゴリー1250に相当し、状態1460は状態1260に相当し、遷移1464は遷移1264に相当し、状態1466は遷移1266に相当し、遷移1468は遷移1268に相当し、遷移1428aは遷移1228aに相当し、状態1470は状態1270に相当し、遷移1472は遷移1272に相当する。さらに、遷移1476は遷移1276に相当し、状態1480は状態1280に相当し、遷移1482は遷移1282に相当し、状態1490は状態1290に相当し、遷移1492は遷移1292に相当し、状態1494は状態1294に相当し、遷移1496は遷移1296に相当し、遷移1428bは遷移1228bに相当する。
【0171】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、MPD状態1490において包帯1010の下で所望の陰圧レベルが確立された後、デューティサイクルを監視するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリはまた、ポンプアセンブリがIPD状態1460に留まっているままポンプが活動状態であった持続時間を考慮に入れることができる。図示されるように、デバイスは、MPD状態1490からの遷移1484を行うように構成することができる。遷移1484は遷移1284に類似したものであり得るが、IPD状態1480に直接遷移する代わりに、ポンプアセンブリを、状態1500のデューティサイクルを監視するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが監視状態1480及びMPD状態1490に留まっている累積期間の間、デューティサイクルを監視するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、直前又は過去の監視及びMPDサイクル中の累積期間に亘って、デューティサイクルを監視するように構成することができる。例えば、状態1500に遷移する直前には、ポンプアセンブリは、持続時間X(その間ポンプが活動状態である)の間、MPD状態1490に留まっていることができる。それに加えて、MPD状態1490に遷移する直前に、ポンプアセンブリが持続時間Y(その間、ポンプが非活動状態であった)の間、監視状態1480に留まっていたと仮定して、デューティサイクル(DC)を次式のように(例えば、百分率で)表すことができる。
【0172】
DC=100%*[X/(X+Y)] (4)
【0173】
デューティサイクルを判定するために、ポンプアセンブリを、ポンプが活動状態及び/又は非活動状態であった持続時間を監視するように構成することができる。
【0174】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、上述したように、判定されたデューティサイクルをデューティサイクル閾値(例えば、9%)と比較するように構成することができる。幾つかの実施形態では、閾値は、ユーザによって設定もしくは変更される、及び/又は様々な動作状態もしくはそれらの任意の組合せに基づいて変えられる設定値であることができる。デューティサイクルが閾値未満であると判定された場合、ポンプアセンブリは、監視状態1480への遷移1502を行うように構成することができる。反対に、デューティサイクルが閾値に等しいか又はそれを超えると判定された場合、ポンプアセンブリは、状態1506への遷移1504を行うように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、例えばポンプを動作停止することによって、デューティサイクルが閾値を超えているという指示を提供することができる。
【0175】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、デューティサイクルが閾値に等しいか又はそれを超える合計時間もしくは総時間を監視するように構成することができる。この方策は、例えば、治療を中断することによる過渡的な漏れによって引き起こされることがある、1つ又は幾つかの不安定なサイクルを防ぐために、デューティサイクルの変動を平滑化又は平均化する助けとすることができる。監視は、再始動(例えば、遷移1476の際に)し更新(例えば、状態1506で)することができる、(ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組合せの)タイマーを維持することによって達成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、総持続時間閾値と比較することができる特定の総期間に亘って、デューティサイクルが閾値に等しいか又はそれを超えるか否かを判定するように構成することができる。閾値は、30分など、5分以下〜2時間以上の間の範囲から選択することができる。幾つかの実施形態では、閾値は、ユーザによって設定もしくは変更される、及び/又は様々な動作状態もしくはそれらの任意の組合せに基づいて変えられる設定値であることができる。総期間が閾値に等しいか又はそれを超える場合、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが治療の送達を延期又は一時停止するように構成することができる、一時停止状態1418への遷移1508を行うように構成することができる。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、例えばポンプを動作停止することによって、この遷移をユーザに指示することができる。反対に、総期間が閾値未満であると判定された場合、ポンプアセンブリは、監視状態1480への遷移1510を行うように構成することができる。ポンプアセンブリは、例えば、OKインジケータ1062を明滅又は点滅させ、包帯インジケータ1064を動作停止することによって、遷移1510をユーザに指示するように構成することができる。
【0176】
図28は、幾つかの実施形態によるポンプアセンブリ1000のためのデューティサイクル判定を示すグラフ1600を示す。X軸は時間を表し、Y軸は圧力を表す。幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、位置1606によって表されるように、包帯1010の下の−100mmHgの陰圧レベルを確立するように構成することができる。例えば、これは、状態1260の初期ポンプダウン中に実施することができる。ポンプアセンブリは、包帯1010の下の陰圧レベルを監視するように構成することができる。例えば、これは監視状態1280において実施することができる。図示されるように、間隔1602によって表されるように、ポンプアセンブリは期間a全体に亘って圧力を監視することができる。包帯1010の下の陰圧レベルは、線1620によって示されるように、時間全体に亘って減少する(例えば、システムの漏れに起因する)ことができる。
【0177】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、位置1608によって表されるように、圧力減少が約−70mmHgの閾値に達するか又はそれを過ぎると、包帯1010の下の陰圧レベルを回復するか又は再度確立するように構成することができる。幾つかの実施形態では、線1622によって示されるように、ポンプアセンブリはポンプを動作させるように構成することができる。例えば、これは、保守ポンプダウン状態1290に遷移することによって実施することができる。図示されるように、ポンプアセンブリは、−100mmHgの陰圧レベルが包帯1010の下で再度確立されるまで、持続時間b(1604)に亘ってポンプを動作させることができる。ポンプアセンブリは、包帯1010の下の圧力レベルが位置1610において−100mmHgに達すると、ポンプを動作停止するように構成することができる。例えば、これは、監視状態1280に遷移することによって実施することができる。1600で示される期間(すなわち、a+b)全体にわたるデューティサイクル(DC)は、次式のように(例えば、百分率で)表すことができる。
【0178】
DC=100%*[b/(a+b)] (5)
【0179】
図29は、ポンプアセンブリ1000の幾つかの実施形態の正常な(例えば、漏れがないかもしくは少量の漏れ)動作1700の非限定例を示す。ポンプアセンブリは、ボックス1702に示されるように、包帯1010の下の所望の陰圧レベルを確立するように構成することができる。ポンプアセンブリは、包帯1010の下の圧力レベルが所望のレベル(例えば、−70mmHgなどの第1の陰圧設定値の値)を超えて上昇した場合、陰圧源(例えば、ポンプ)が動作し、包帯1010の下の圧力レベルを所望の値まで低減する動作を開始するように構成することができる。例えば、所望の値は、ほぼ第1の陰圧設定値の値と第2の陰圧設定値の値との間の間隔内であることができ、又はほぼ第2の陰圧設定値の値(例えば、−100mmHg)であることができる。幾つかの実施形態では、これは初期ポンプダウン状態1260において達成することができる。
【0180】
幾つかの実施形態では、包帯1010の下の圧力レベルが所望の値に達すると、ポンプアセンブリは、ボックス1704に示されるように、ポンプを動作停止し、包帯の下の圧力レベルを監視するように構成することができる。例えば、これは監視状態1280において達成することができる。ポンプアセンブリは、例えば、センサ1070を読み取るか又はサンプリングすることによって、包帯1010の下の圧力レベルを周期的又は継続的に監視するように構成することができる。監視された圧力に基づいて、ポンプアセンブリは、ボックス1706において、包帯1010の下の所望の陰圧レベルを再度確立するために、ポンプを動作又は再始動させる必要があるか否かを判定することができる。監視された圧力が低い(例えば、第1の陰圧設定値の値未満か、もしくはそれ以下)と判定された場合、ポンプアセンブリは、ボックス1708に示されるように、ポンプを動作させるように構成することができる。例えば、これは、MPD状態1290に遷移することによって達成することができる。反対に、監視された圧力レベルが低くない(例えば、第1の陰圧設定値の値を超えるか、もしくはそれ以上)と判定された場合、ポンプアセンブリは、包帯1010の下の圧力レベルを監視し続けるように構成することができる。この動作フローの間、ポンプアセンブリは、正常に動作していることをユーザに指示するように構成することができる。1060aに示されるように、ポンプアセンブリを動作させるか、又は1062aとして示されるように、OKインジケータ1062を明滅もしくは点滅させることができる。それに加えて、ポンプアセンブリは、1064a及び1066aとしてそれぞれ示される、包帯インジケータ1064及び電池インジケータ1066を動作停止させることができる。
【0181】
図30は、多量の漏れが存在する状態におけるポンプアセンブリ1000の幾つかの実施形態の動作1800の非限定例を示す。
図29に関して上述したように、ポンプアセンブリは、ボックス1802に示されるように、包帯1010の下の所望の陰圧レベルを確立するように構成することができる。幾つかの実施形態では、包帯1010の下の圧力レベルが所望の値に達すると、ポンプアセンブリは、ボックス1804に示されるように、ポンプを動作停止し、包帯の下の圧力レベルを監視するように構成することができる。ポンプアセンブリは、例えば、センサ1070を読み取るか又はサンプリングすることによって、包帯1010の下の圧力レベルを周期的又は継続的に監視するように構成することができる。監視された圧力レベルに基づいて、ポンプアセンブリは、包帯1010の下の所望の陰圧レベルを再度確立するために、ポンプを動作又は再始動させる必要があるか否かを判定することができる。監視された圧力レベルが低い(例えば、第1の陰圧設定値の値未満か、もしくはそれ以下)と判定された場合、ポンプアセンブリは、ボックス1808に示されるように、ポンプを動作させるように構成することができる。一旦所望の圧力レベルが包帯1010の下で再度確立されると、ポンプアセンブリは、包帯の下の陰圧レベルの監視を再び始める(例えば、監視状態1280に遷移する)ことができる。
【0182】
幾つかの実施形態では、システムにおける1つ又は複数の漏れの存在により、ポンプアセンブリ1010は、ポンプの監視及び再動作の複数サイクルを実施するように構成することができる。この動作フローの間、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが正常に動作していることをユーザに指示するように構成することができる。1060bに示されるように、ポンプアセンブリを動作させるか、又は1062bとして示される、OKインジケータ1062を明滅もしくは点滅させることができる。それに加えて、ポンプアセンブリは、1064b及び1066bとしてそれぞれ示される、包帯インジケータ1064及び電池インジケータ1066を動作停止させることができる。ポンプアセンブリは、ボックス1810に示されるように、ポンプが頻繁に給送しすぎているか否かを継続的又は周期的に判定するように構成することができる。図示されるように、幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、ポンプが頻繁に給送しすぎているか否かの判定の代用として、デューティサイクルを使用するように構成することができる。例えば、ポンプアセンブリは、ポンプが「酷使されている」か否かを判定するように構成することができ、それによって、合計治療時間の9%などの閾値持続時間を超える間、ポンプがオンであるか否かが判定される。換言すれば、ポンプアセンブリは、ポンプのデューティサイクルがデューティサイクル閾値に達するか又はそれを超えるか否かを判定するように構成することができる。
【0183】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、ポンプがある持続時間に亘って酷使されている(例えば、ポンプが1日約2時間を超えてオンであるか、もしくは所定の時間量を超えてオンである)と判定された場合、所望の陰圧レベル(例えば、第2の陰圧設定値の値)が確立されている場合であっても、ポンプの動作を延期又は一時停止するように構成することができる。ボックス1812に示されるように、ポンプアセンブリは、ポンプが30分以上の持続時間に亘って酷使されているか否かを判定するように構成することができる。例えば、ポンプアセンブリは、過去30分間に亘って監視されたデューティサイクル(複数可)がデューティサイクル閾値を超えるか否かを判定するように構成することができる。例えば、ポンプアセンブリは、ポンプが直近の30分間で約2分42秒以上オンであったか否かを判定することができ、これは、9%のデューティサイクル閾値に相当する。
【0184】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、ボックス1814に示されるように、ポンプが酷使されていると判定された場合、治療を一時停止又は延期するように構成することができる。ポンプアセンブリはさらに、「漏れアラーム」インジケータをオンにするように構成することができる。1060cに示されるように、ポンプアセンブリを動作させるか、又は1064bとして示される、包帯インジケータ1064を明滅又は点滅させ、1062c及び1066cとしてそれぞれ示される、OKインジケータ1062及び電池インジケータ1066を動作停止することができる。治療を再開するため、ユーザは、包帯を真っ直ぐにし、漏れを直し、及び/又はポンプを再び動作させることが必要なことがある。幾つかの実施形態では、ポンプは、タイムアウトなどのため、ポンプ上のスタート又は動作ボタンを押すことによって、再び動作させることができる。
【0185】
1つ又は複数の漏れが包帯に存在している場合、幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリ1000は、所定のポンプの動作時間量の後に第2の陰圧設定値の値に達していない場合に、治療を延期もしくは一時停止するようにプログラムするか、又は別の形でそのように構成することができる。例えば、幾つかの実施形態では、ポンプがX分間継続的に稼働しており、第2の陰圧設定値の圧力値に達していない場合、ポンプアセンブリは、LEDインジケータ、「漏れ検出」LEDインジケータ1064、もしくは他のアラームを含むことができるアラームを動作させ、治療を一時停止することができる。幾つかの実施形態では、所定の時間量は、システムの陰圧治療の合計計画持続時間の約5%であるか、又はシステムの陰圧治療の合計計画持続時間の約3%以下〜約15%以上であることができる。幾つかの実施形態では、所定の時間量は、約9分、又は約4分以下〜約40分以上、又は約6分〜約10分であることができる。
【0186】
図31は、非常に多量の漏れが存在する状態におけるポンプアセンブリ1000の幾つかの実施形態の動作1900の非限定例を示す。
図29に関して上述したように、ポンプアセンブリは、ボックス1902に示されるように、包帯1010の下の所望の陰圧レベルを確立するように構成することができる。幾つかの実施形態では、包帯1010の下の圧力レベルが所望の値に達すると、ポンプアセンブリは、ボックス1904に示されるように、ポンプを動作停止し、包帯の下の圧力レベルを監視するように構成することができる。ポンプアセンブリは、例えば、センサ1070を読み取るか又はサンプリングすることによって、包帯1010の下の圧力レベルを周期的又は継続的に監視するように構成することができる。監視された圧力レベルに基づいて、ポンプアセンブリは、包帯1010の下の所望の陰圧レベルを再度確立するために、ポンプを動作又は再始動させる必要があるか否かを判定することができる。監視された圧力レベルが低い(例えば、第1の陰圧設定値の値未満か、もしくはそれ以下)と判定された場合、ポンプアセンブリは、ボックス1908に示されるように、ポンプを動作させるように構成することができる。この動作フローの間、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが正常に動作していることをユーザに指示するように構成することができる。1060dに示されるように、ポンプアセンブリを動作させるか、又は1062dとして示される、OKインジケータ1062を明滅もしくは点滅させることができる。それに加えて、ポンプアセンブリは、1064d及び1066dとしてそれぞれ示される、包帯インジケータ1064及び電池インジケータ1066を動作停止させることができる。
【0187】
幾つかの実施形態では、1つ又は複数の漏れ(例えば、相対的に非常に高い流量を有する漏れ)により、ポンプアセンブリは、包帯1010の下の所望の陰圧レベル及び/又は第2の陰圧設定値の値に達することができないことがある。所定の動作時間量の後に、包帯の下の所望の陰圧レベルに達していない場合、ポンプアセンブリは、ボックス1914に示されるように、ポンプを延期又は一時停止するように構成することができる。例えば、これは待機状態1270に遷移することによって達成することができる。幾つかの実施形態では、所定のポンプ動作時間量は(
図31に示されるように)10秒であることができる。幾つかの実施形態では、所定のポンプ動作時間量は、約5秒以下〜約60秒以上であることができる。
【0188】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、治療を一時停止又は延期する前に、限定数の再試行サイクルを提供するように構成することができる。ボックス1920、1922、及び1924に示されるように、ポンプアセンブリは、治療を延期もしくは一時停止する(1914)前に、及び/又は「漏れアラーム」などのアラームを動作させる前に、3回の再試行サイクルを経るように構成することができる。ポンプアセンブリの幾つかの実施形態は、治療の一時停止及び/又はアラームの動作の前に、2回の再試行サイクル、4回の再試行サイクルなどを経ることができる。1060eに示されるように、ポンプアセンブリを動作させるか、又は1064eとして示される、包帯インジケータ1064を明滅又は点滅させ、1062e及び1066eとしてそれぞれ示される、OKインジケータ1062及び電池インジケータ1066を動作停止することができる。
【0189】
図32は、極めて多量の漏れが存在する状態におけるポンプアセンブリ1000の幾つかの実施形態の動作2000の非限定例を示す。ポンプアセンブリは、高い流量の漏れに対処しようとして電池を消耗するのを回避するため、治療の一時停止又は延期モードに迅速に入るように構成することができる。ボックス2001に示されるように、ポンプアセンブリをオンにすることができ、それは例えば、動作状態カテゴリー1250へと遷移することによって達成することができる。
図29に関して上述したように、ポンプアセンブリは、ボックス2002に示されるように、包帯1010の下の所望の陰圧レベルを確立するように構成することができる。
【0190】
幾つかの実施形態では、ポンプがオンにされたがまだ包帯に接続されていないか、もしくは包帯に適切に接続されていないときなど、漏れが極めて多量である場合、ポンプアセンブリは、包帯1010の下の圧力を所望の陰圧レベル(例えば、おおよそ第2の陰圧設定値の値、もしくは第1及び第2の陰圧設定値の値の間の間隔内にある値)に近付けるように試みながら、所定の時間量の間、動作するように構成することができる。ポンプアセンブリは、所定の時間量が経過すると、治療を延期又は一時停止するように構成することができる。例えば、これは待機状態1270に遷移することによって達成することができる。図示されるように、ポンプアセンブリは、30秒間ポンプを動作させるように構成することができる。この期間の間、包帯1010の下の圧力が所望の陰圧に近付けられていない場合、ポンプアセンブリは、別の所定の時間量(例えば、
図32に示されるように、15秒間)の間、タイムアウトモード2020に入ることができる。この動作フローの間、ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが正常に動作していることをユーザに指示するように構成することができる。1060fに示されるように、ポンプアセンブリを動作させるか、1062fとして示されるOKインジケータ1062を明滅又は点滅させることができる。それに加えて、ポンプアセンブリは、1064f及び1066fとしてそれぞれ示される、包帯インジケータ1064及び電池インジケータ1066を動作停止することができる。
【0191】
幾つかの実施形態では、ポンプアセンブリは、包帯1010の下の所望の陰圧レベルを確立するために、限定数の再試行サイクルを提供するように構成することができる。図示されるように、第1の試行(もしくは任意の数の追加の試行)の後、ポンプアセンブリは、ボックス2002に示されるように、包帯の下の所望の陰圧レベルを確立又は再度確立するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ボックス2014に示されるように、第1の試行後に包帯1010の下の圧力が所望のレベル(例えば、おおよそ第2の陰圧設定値の値、もしくは第1及び第2の陰圧設定値の値の間の間隔内にある値)に近付くことなく、ポンプアセンブリが別の所定の時間量の間、動作する場合、ポンプアセンブリは、ポンプダウンを再試行することなく治療を延期又は一時停止するように構成することができる。ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが(例えば、タイムアウトによって、ユーザがボタンを押すことによって)再動作されるまで、延期又は一時停止状態に留まるように構成することができる。ポンプアセンブリは、この状態でアラームを動作させるように構成することができる。この動作フローの間、ポンプアセンブリは、1つ又は複数の漏れが存在することをユーザに指示するように構成することができる。1060gに示されるように、ポンプアセンブリを動作させるか、又は1064gとして示される、包帯インジケータ1064を明滅又は点滅させ、1062g及び1066gとしてそれぞれ示される、OKインジケータ1062及び電池インジケータ1066を動作停止することができる。
【0192】
本明細書の説明及び請求項全体を通して、「備える(comprise)」及び「含む(contain)」という用語、ならびにその用語の変形、例えば「comrising」及び「comprises」は、「〜を含むがそれに限定されない(including but not limited to)」ことを意味し、他の部分、追加物、構成要素、整数値、又はステップを除外することを意図しない(且つ除外しない)。
【0193】
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通して、文脈において別の形で求められない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈において別の形で求められない限り、複数ならびに単数を企図するものとして理解されるべきである。さらに、幾つかの実施形態では、約という用語は、本明細書において別の形で提示されない限り、提示される値の10%以内の値を指すことを意味する。
【0194】
本明細書に提供される、閾値、限界、持続時間、タイムアウト、再試行カウントなどの任意の値は、絶対値であることを意図せず、それにより、近似であることができる。それに加えて、本明細書に提供される、任意の閾値、限界、持続時間、タイムアウト、再試行カウントなどは、固定であるか、又は自動的にもしくはユーザによって変えることができる。さらに、本明細書で使用するとき、基準値に対して、〜を超える、〜よりも大きい、〜よりも少ないなどの相対的な語は、基準値に等しいことも包含することが意図される。例えば、正である基準値を超えるということは、基準値に等しい、又はそれよりも大きいことを包含することができる。
【0195】
特定の態様、実施形態、又は例と併せて記載される特徴、整数値、特性、化合物、化学的部分、もしくは群は、不適合性でない限り、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態、又は例に適用可能であることが理解されるべきである。本明細書(任意の添付の請求項、要約書、及び図面を含む)に開示する特徴のすべて、ならびに/あるいは本明細書に開示する任意の方法又はプロセスのステップのすべては、かかる特徴及び/又はステップの少なくとも幾つかが相互に排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組み合わされてもよい。保護は、任意の上述の実施形態の詳細に限定されない。保護は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に開示する特徴の任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組合せにまで、あるいは本明細書に開示する任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組合せにまで及ぶ。
【0196】
特定の実施形態について記載してきたが、これらの実施形態は単なる例示として提示してきたものであり、保護の範囲を限定しようとするものではない。実際には、本明細書に記載した新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具体化されてもよい。さらに、本明細書に記載した方法及びシステムの形態における、様々な省略、置換、及び変更が行われてもよい。当業者であれば、幾つかの実施形態では、図示及び/又は開示されるプロセスで行われる実際のステップは、図面に示されるものと異なっていることがあることを認識するであろう。実施形態に応じて、上述したステップの特定のものが除去されてもよく、他のものが追加されてもよい。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義されるものとする。添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物は、保護の範囲及び趣旨内にある形態又は修正を網羅するものとする。例えば、図面に示される様々な構成要素は、プロセッサにおけるソフトウェア及び/もしくはファームウェア、コントローラ、ASIC、FPGA、ならびに/又は専用ハードウェアとして実現されてもよい。さらに、上述した特定の実施形態の特徴及び属性は、追加の実施形態を形成するのに異なる手法で組み合わされてもよく、それらすべてが本開示の範囲内にある。本開示は、特定の好ましい実施形態及び用途を提供するが、本明細書に記載した特徴及び利点のすべては提供しない実施形態を含む、当業者には明白である他の実施形態も、本開示の範囲内にある。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義されるものとする。