(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基板の前記第1の表面が、前記基板の前記くぼみの間に位置する平面領域を含み、前記反射ファセットが、前記基板の前記平面領域に対してある角度で配向された傾斜側壁を含む、請求項1に記載の装置。
前記基板の前記第1の表面が、前記基板の前記くぼみの間に位置する平面領域を含み、前記複数のマスクされたワイヤが、前記基板の前記第1の表面の前記平面領域の上に延在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
ディスプレイ基板であって、前記フレキシブル基板が、前記ディスプレイ基板と前記反射ファセットとの間に位置し、前記反射ファセットの前記反射面が、前記ディスプレイ基板に面する、前記ディスプレイ基板と、
前記ディスプレイ基板の前記フレキシブル基板から反対側に位置する反射型ディスプレイと、
をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
前記マスキング手段が、前記反射ファセットの前記基板と反対側のファセットマスキング構造を含み、前記ファセットマスキング構造が、前記反射面よりも低い反射性である、請求項26に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
様々な図面中の同様の参照番号および名称は同様の要素を示す。
【0012】
以下の詳細な説明は、発明的態様について説明する目的で、いくつかの実施態様を対象とする。しかしながら、本明細書の教示は、多数の異なる方法で適用され得る。説明する実施態様は、動いていようと(たとえば、ビデオ)、静止していようと(たとえば、静止画像)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成された任意のデバイスにおいて実施され得る。より具体的には、実施態様は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(たとえば、電子リーダー)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(たとえば、オドメータディスプレイなど)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(たとえば、車両における後部ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子ビルボードまたは標示、プロジェクタ、アーキテクチャ構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダーまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメーター、パッケージング(たとえば、MEMSおよび非MEMS)、審美構造物(たとえば、1つの宝飾品上の画像のディスプレイ)、ならびに様々な電気機械システムデバイスなど、様々な電子デバイス中に実施されるかまたはそれらに関連付けられ得ると考えられる。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサー、加速度計、ジャイロスコープ、運動感知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセス、および電子テスト機器など、非ディスプレイ適用例において使用され得る。したがって、本教示は、単に図に示す実施態様に限定されるものではなく、代わりに、当業者に直ちに明らかになるであろう広い適用性を有する。
【0013】
ディスプレイデバイスは、ディスプレイデバイスの動作を補足するために、その上に形成された相補的構造を含み得る。たとえば、フロントライトシステムは、反射型ディスプレイを照明するために、ディスプレイデバイスの前に配置され得、タッチスクリーンアレイは、ユーザ入力を受信するために、ディスプレイデバイスの前面に配置され得る。これらおよび同様の構造は、これらが、ディスプレイのアピアランスに著しく影響を及ぼすことなしに、ディスプレイと閲覧者との間に位置に配置され得るように、概して、補助マスクを設けられ、または、自己マスキング属性を含む。これらの相補的構造は、ディスプレイデバイスとは別個の1つまたは複数の基板上に形成され得る。これらの基板は、フレキシブルまたは剛性であり得るフレキシブルなプラスチックまたはガラス基板であり得る。相補的構造を有する基板は、次いで、(たとえば、粘着、ボンディングなどによって)ディスプレイデバイスに取り付けられ得、または、ディスプレイデバイスに近接して(近くに)配置され得る。
【0014】
本開示で説明する主題の特定の実施態様は、以下の潜在的な利点の1つまたは複数を実現するために実施され得る。タッチスクリーンおよびフロントライトフィルムなどのこれらの相補的構造は、ディスプレイデバイス自体の構成要素ほど正確な位置合わせを必要としないので、それらは、1つまたは複数の別々の基板上に形成され得、次いで、ディスプレイデバイスに取り付けられ得る。ロールツーロールプロセスを使用することによって、そのような構成要素は、多数のディスプレイデバイスのために同時に製造され得、ディスプレイデバイスの全体のコストを低減することができる。
【0015】
説明する実施態様が適用され得る好適なMEMSデバイスの一例は、反射型ディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射するために干渉変調器(IMOD)を組み込むことができる。IMODは、吸収器、吸収器に対して可動である反射体、ならびに吸収器と反射体との間に画定された光共振キャビティを含むことができる。反射体は、2つ以上の異なる位置に移動され得、これは、光共振キャビティのサイズを変化させ、それにより干渉変調器の反射率に影響を及ぼすことがある。IMODの反射スペクトルは、かなり広いスペクトルバンドをもたらすことができ、そのスペクトルバンドは、異なる色を生成するために可視波長にわたってシフトされ得る。スペクトルバンドの位置は、光共振キャビティの厚さを変更することによって、すなわち、反射体の位置を変更することによって調節され得る。
【0016】
図1は、干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスの一連のピクセル中の2つの隣接ピクセルを示す等角図の一例を示す。IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉MEMSディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、MEMSディスプレイ要素のピクセルが、明状態または暗状態のいずれかにあることがある。明(「緩和」、「開」または「オン」)状態では、ディスプレイ要素は、たとえば、ユーザに、入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。いくつかの実施態様では、オン状態の光反射特性とオフ状態の光反射特性は逆にされ得る。MEMSピクセルは、黒および白に加えて、主に、カラーディスプレイを可能にする特定の波長において、反射するように構成され得る。
【0017】
IMODディスプレイデバイスは、IMODの行/列アレイを含むことができる。各IMODは、(光ギャップまたはキャビティとも呼ばれる)エアギャップを形成するように互いから可変で制御可能な距離をおいて配置された反射層のペア、すなわち、可動反射層と固定部分反射層とを含むことができる。可動反射層は、少なくとも2つの位置の間で移動され得る。第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きい距離をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それら2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて、強め合うようにまたは弱め合うように干渉し、各ピクセルについて全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実施態様では、IMODは、作動していないときに反射状態にあり、可視スペクトル内の光を反射し得、また、作動しているときに暗状態にあり、可視範囲外の光(たとえば、赤外光)を反射し得る。ただし、いくつかの他の実施態様では、IMODは、作動していないときに暗状態にあり、作動しているときに反射状態にあり得る。いくつかの実施態様では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。いくつかの他の実施態様では、印加電荷が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。
【0018】
図1中のピクセルアレイの図示の部分は、2つの隣接する干渉変調器12を含む。(図示のような)左側のIMOD12では、可動反射層14が、部分反射層を含む光学スタック16からの所定の距離における緩和位置に示されている。左側のIMOD12の両端間に印加された電圧V
0は、可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。右側のIMOD12では、可動反射層14は、光学スタック16の近くの、またはそれに隣接する作動位置に示されている。右側のIMOD12の両端間に印加された電圧V
biasは、可動反射層14を作動位置に維持するのに十分である。
【0019】
図1では、ピクセル12の反射特性が、概して、ピクセル12に入射する光13を示す矢印と、左側のピクセル12から反射する光15とを用いて示されている。詳細に示していないが、ピクセル12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過され、光学スタック16に向かうことになることを、当業者なら理解されよう。光学スタック16に入射する光の一部分は光学スタック16の部分反射層を透過されることになり、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学スタック16を透過された光13の部分は、可動反射層14において反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻ることになる。光学スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うまたは弱め合う)干渉が、ピクセル12から反射される光15の(1つまたは複数の)波長を決定することになる。
【0020】
光学スタック16は、単一の層またはいくつかの層を含むことができる。その(1つまたは複数の)層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であり、たとえば、透明基板20上に上記の層のうちの1つまたは複数を堆積させることによって、作製され得る。電極層は、様々な金属、たとえば酸化インジウムスズ(ITO)など、様々な材料から形成され得る。部分反射層は、様々な金属、たとえば、クロム(Cr)、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、光吸収体と導体の両方として働く、金属または半導体の単一の半透明の膜(thickness)を含むことができるが、(たとえば、光学スタック16の、またはIMODの他の構造の)異なる、より伝導性の高い層または部分が、IMODピクセル間で信号をバスで運ぶ(bus)ように働くことができる。光学スタック16は、1つまたは複数の伝導性層または伝導性/吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
【0021】
いくつかの実施態様では、光学スタック16の(1つまたは複数の)層は、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者によって理解されるように、「パターニング」という用語は、本明細書では、マスキングプロセスならびにエッチングプロセスを指すために使用される。いくつかの実施態様では、アルミニウム(Al)などの高伝導性および反射性材料が可動反射層14のために使用され得、これらのストリップはディスプレイデバイスにおける列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の堆積された金属層の一連の平行ストリップとして形成されて、ポスト18の上に堆積された列と、ポスト18間に堆積された介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定されたギャップ19または光キャビティが可動反射層14と光学スタック16との間に形成され得る。いくつかの実施態様では、ポスト18間の間隔は約1〜1000μmであり得、ギャップ19は10,000オングストローム(Å)未満であり得る。
【0022】
いくつかの実施態様では、IMODの各ピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタである。電圧が印加されないとき、可動反射層14は、
図1中の左側のピクセル12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学スタック16との間のギャップ19がある。しかしながら、電位差、たとえば、電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するピクセルにおける行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加された電圧がしきい値を超える場合、可動反射層14は、変形し、光学スタック16の近くにまたはそれに対して移動することができる。光学スタック16内の誘電体層(図示せず)が、
図1中の右側の作動ピクセル12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離距離を制御し得る。その挙動は、印加電位差の極性にかかわらず同じである。いくつかの事例ではアレイ中の一連のピクセルが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは恣意的であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えれば、いくつかの配向では、行は列と見なされ得、列は行であると見なされ得る。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列に一様に配置されるか(「アレイ」)、または、たとえば、互いに対して一定の位置オフセットを有する、非線形構成で配置され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指し得る。したがって、ディスプレイは、「アレイ」または「モザイク」を含むものとして言及されるが、その要素自体は、いかなる事例においても、互いに直交して配置される必要がなく、または一様な分布で配設される必要がなく、非対称形状および不均等に分布された要素を有する配置を含み得る。
【0023】
図2は、3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図の一例を示す。電子デバイスは、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得るプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または任意の他のソフトウェアアプリケーションを含む、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
【0024】
プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえば、ディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。
図2には、
図1に示したIMODディスプレイデバイスの断面が線1−1によって示されている。
図2は明快のためにIMODの3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODを含んでいることがあり、列におけるIMODの数とは異なる数のIMODを行において有し得、その逆も同様である。
【0025】
図3は、
図1の干渉変調器についての可動反射層位置対印加電圧を示す図の一例を示す。MEMS干渉変調器の場合、行/列(すなわち、コモン/セグメント)書込みプロシージャが、
図3に示すこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用し得る。干渉変調器は、可動反射層またはミラーを、緩和状態から作動状態に変更させるために、たとえば、約10ボルトの電位差を必要とし得る。電圧がその値から低減されると、電圧が低下して、たとえば、10ボルトより下に戻ったとき、可動反射層はそれの状態を維持するが、電圧が2ボルトより下に低下するまで、可動反射層は完全には緩和しない。したがって、
図3に示すように、印加電圧のウィンドウがある電圧の範囲、約3〜7ボルトが存在し、そのウィンドウ内でデバイスは緩和状態または作動状態のいずれかで安定している。これは、本明細書では「ヒステリシスウィンドウ」または「安定性ウィンドウ」と呼ばれる。
図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイ30の場合、行/列書込みプロシージャは、一度に1つまたは複数の行をアドレス指定するように設計され得、その結果、所与の行のアドレス指定中に、作動されるべきアドレス指定された行におけるピクセルは、約10ボルトの電圧差にさらされ、緩和されるべきピクセルは、ほぼ0ボルトの電圧差にさらされる。アドレス指定後に、それらのピクセルは、それらが前のストローブ状態にとどまるような、約5ボルトの定常状態またはバイアス電圧差にさらされる。この例では、アドレス指定された後に、各ピクセルは、約3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差を経験する。このヒステリシス特性の特徴は、たとえば、
図1に示した、ピクセル設計が、同じ印加電圧条件下で作動または緩和のいずれかの既存の状態で安定したままであることを可能にする。各IMODピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタであるので、この安定状態は、電力を実質的に消費するかまたは失うことなしに、ヒステリシスウィンドウ内の定常電圧において保持され得る。その上、印加電圧電位が実質的に固定のままである場合、電流は本質的にほとんどまたはまったくIMODピクセルに流れ込まない。
【0026】
いくつかの実施態様では、所与の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に従って、列電極のセットに沿って「セグメント」電圧の形態のデータ信号を印加することによって、画像のフレームが作成され得る。次に、フレームが一度に1行書き込まれるように、アレイの各行がアドレス指定され得る。第1の行におけるピクセルに所望のデータを書き込むために、第1の行におけるピクセルの所望の状態に対応するセグメント電圧が列電極上に印加され得、特定の「コモン」電圧または信号の形態の第1の行パルスが第1の行電極に印加され得る。次いで、セグメント電圧のセットは、第2の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に対応するように変更され得、第2のコモン電圧が第2の行電極に印加され得る。いくつかの実施態様では、第1の行におけるピクセルは、列電極に沿って印加されたセグメント電圧の変化による影響を受けず、第1のコモン電圧行パルス中にそれらのピクセルが設定された状態にとどまる。このプロセスは、画像フレームを生成するために、一連の行全体、または代替的に、一連の列全体について、連続方式で繰り返され得る。フレームは、何らかの所望の数のフレーム毎秒でこのプロセスを断続的に反復することによって、新しい画像データでリフレッシュおよび/または更新され得る。
【0027】
各ピクセルの両端間に印加されるセグメント信号とコモン信号の組合せ(すなわち、各ピクセルの両端間の電位差)は、各ピクセルの得られる状態を決定する。
図4は、様々なコモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときの干渉変調器の様々な状態を示す表の一例を示している。当業者によって容易に理解されるように、「セグメント」電圧は、列電極または行電極のいずれかに印加され得、「コモン」電圧は、列電極または行電極のうちの他方に印加され得る。
【0028】
図4に(ならびに
図5Bに示すタイミング図に)示すように、開放電圧(release voltage)VC
RELがコモンラインに沿って印加されたとき、コモンラインに沿ったすべての干渉変調器要素は、セグメントラインに沿って印加された電圧、すなわち、高いセグメント電圧VS
Hおよび低いセグメント電圧VS
Lにかかわらず、代替的に開放または非作動状態と呼ばれる、緩和状態に入れられることになる。特に、開放電圧VC
RELがコモンラインに沿って印加されると、そのピクセルのための対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VS
Hが印加されたときも、低いセグメント電圧VS
Lが印加されたときも、変調器の両端間の潜在的な電圧(代替的にピクセル電圧と呼ばれる)は緩和ウィンドウ(
図3参照。開放ウィンドウとも呼ばれる)内にある。
【0029】
高い保持電圧VC
HOLD_Hまたは低い保持電圧VC
HOLD_Lなどの保持電圧がコモンライン上に印加されたとき、干渉変調器の状態は一定のままであることになる。たとえば、緩和IMODは緩和位置にとどまることになり、作動IMODは作動位置にとどまることになる。保持電圧は、対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VS
Hが印加されたときも、低いセグメント電圧VS
Lが印加されたときも、ピクセル電圧が安定性ウィンドウ内にとどまることになるように、選択され得る。したがって、セグメント電圧スイング(voltage swing)、すなわち、高いVS
Hと低いセグメント電圧VS
Lとの間の差は、正または負のいずれかの安定性ウィンドウの幅よりも小さい。
【0030】
高いアドレス指定電圧VC
ADD_Hまたは低いアドレス指定電圧VC
ADD_Lなどのアドレス指定または作動電圧がコモンライン上に印加されたとき、それぞれのセグメントラインに沿ったセグメント電圧の印加によって、データがそのコモンラインに沿った変調器に選択的に書き込まれ得る。セグメント電圧は、作動が印加されたセグメント電圧に依存するように選択され得る。アドレス指定電圧がコモンラインに沿って印加されたとき、一方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウ内のピクセル電圧をもたらし、ピクセルが非作動のままであることを引き起こすことになる。対照的に、他方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウを越えるピクセル電圧をもたらし、ピクセルの作動をもたらすことになる。作動を引き起こす特定のセグメント電圧は、どのアドレス指定電圧が使用されるかに応じて変動することができる。いくつかの実施態様では、高いアドレス指定電圧VC
ADD_Hがコモンラインに沿って印加されたとき、高いセグメント電圧VS
Hの印加は、変調器がそれの現在位置にとどまることを引き起こすことがあり、低いセグメント電圧VS
Lの印加は、変調器の作動を引き起こすことがある。当然の結果として、低いアドレス指定電圧VC
ADD_Lが印加されたとき、セグメント電圧の影響は反対であり、高いセグメント電圧VS
Hは変調器の作動を引き起こし、低いセグメント電圧VS
Lは変調器の状態に影響しない(すなわち、安定したままである)ことがある。
【0031】
いくつかの実施態様では、常に変調器の両端間で同じ極性電位差を引き起こす保持電圧、アドレス電圧、およびセグメント電圧が使用され得る。いくつかの他の実施態様では、変調器の電位差の極性を交番する信号が使用され得る。変調器の両端間の極性の交番(すなわち、書込みプロシージャの極性の交番)は、単一の極性の反復書込み動作後に起こることがある電荷蓄積を低減または抑止し得る。
【0032】
図5Aは、
図2の3×3干渉変調器ディスプレイにおけるディスプレイデータのフレームを示す図の一例を示す。
図5Bは、
図5Aに示すディスプレイデータのフレームを書き込むために使用され得るコモン信号およびセグメント信号についてのタイミング図の一例を示す。それらの信号は、たとえば、
図2の3×3アレイに印加され得、これは、
図5Aに示すライン時間60eディスプレイ配置を最終的にもたらすことになる。
図5A中の作動変調器は暗状態にあり、すなわち、その状態では、反射光の実質的部分が、たとえば、閲覧者に、暗いアピアランスをもたらすように可視スペクトルの外にある。
図5Aに示すフレームを書き込むより前に、ピクセルは任意の状態にあることがあるが、
図5Bのタイミング図に示す書込みプロシージャは、各変調器が、第1のライン時間60aの前に、開放されており、非作動状態に属すると仮定する。
【0033】
第1のライン時間60a中に、開放電圧70がコモンライン1上に印加され、コモンライン2上に印加される電圧が、高い保持電圧72において始まり、開放電圧70に移動し、低い保持電圧76がコモンライン3に沿って印加される。したがって、コモンライン1に沿った変調器(コモン1,セグメント1)、(1,2)および(1,3)は、第1のライン時間60aの持続時間の間、緩和または非作動状態にとどまり、コモンライン2に沿った変調器(2,1)、(2,2)および(2,3)は、緩和状態に移動することになり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、それらの前の状態にとどまることになる。
図4を参照すると、コモンライン1、2または3のいずれも、ライン時間60a中に作動を引き起こす電圧レベルにさらされていないので(すなわち、VC
REL−緩和、およびVC
HOLD_L−安定)、セグメントライン1、2および3に沿って印加されたセグメント電圧は、干渉変調器の状態に影響しないことになる。
【0034】
第2のライン時間60b中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72に移動し、コモンライン1に沿ったすべての変調器は、アドレス指定または作動電圧がコモンライン1上に印加されなかったので、印加されたセグメント電圧にかかわらず、緩和状態にとどまる。コモンライン2に沿った変調器は、開放電圧70の印加により、緩和状態にとどまり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、コモンライン3に沿った電圧が開放電圧70に移動するとき、緩和することになる。
【0035】
第3のライン時間60c中に、コモンライン1は、コモンライン1上に高いアドレス電圧74を印加することによってアドレス指定される。このアドレス電圧の印加中に低いセグメント電圧64がセグメントライン1および2に沿って印加されるので、変調器(1,1)および(1,2)の両端間のピクセル電圧は変調器の正の安定性ウィンドウの上端よりも大きく(すなわち、電圧差は、あらかじめ定義されたしきい値を超えた)、変調器(1,1)および(1,2)は作動される。逆に、高いセグメント電圧62がセグメントライン3に沿って印加されるので、変調器(1,3)の両端間のピクセル電圧は、変調器(1,1)および(1,2)のピクセル電圧よりも小さく、変調器の正の安定性ウィンドウ内にとどまり、したがって変調器(1,3)は緩和したままである。また、ライン時間60c中に、コモンライン2に沿った電圧は低い保持電圧76に減少し、コモンライン3に沿った電圧は開放電圧70にとどまり、コモンライン2および3に沿った変調器を緩和位置のままにする。
【0036】
第4のライン時間60d中に、コモンライン1上の電圧は、高い保持電圧72に戻り、コモンライン1に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン2上の電圧は低いアドレス電圧78に減少される。高いセグメント電圧62がセグメントライン2に沿って印加されるので、変調器(2,2)の両端間のピクセル電圧は、変調器の負の安定性ウィンドウの下側端部(lower end)を下回り、変調器(2,2)が作動することを引き起こす。逆に、低いセグメント電圧64がセグメントライン1および3に沿って印加されるので、変調器(2,1)および(2,3)は緩和位置にとどまる。コモンライン3上の電圧は、高い保持電圧72に増加し、コモンライン3に沿った変調器を緩和状態のままにする。
【0037】
最後に、第5のライン時間60e中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72にとどまり、コモンライン2上の電圧は低い保持電圧76にとどまり、コモンライン1および2に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン3上の電圧は、コモンライン3に沿った変調器をアドレス指定するために、高いアドレス電圧74に増加する。低いセグメント電圧64がセグメントライン2および3上に印加されるので、変調器(3,2)および(3,3)は作動するが、セグメントライン1に沿って印加された高いセグメント電圧62は、変調器(3,1)が緩和位置にとどまることを引き起こす。したがって、第5のライン時間60eの終わりに、3×3ピクセルアレイは、
図5Aに示す状態にあり、他のコモンライン(図示せず)に沿った変調器がアドレス指定されているときに起こり得るセグメント電圧の変動にかかわらず、保持電圧がコモンラインに沿って印加される限り、その状態にとどまることになる。
【0038】
図5Bのタイミング図では、所与の書込みプロシージャ(すなわち、ライン時間60a〜60e)は、高い保持およびアドレス電圧、または低い保持およびアドレス電圧のいずれかの使用を含むことができる。書込みプロシージャが所与のコモンラインについて完了されると(また、コモン電圧が、作動電圧と同じ極性を有する保持電圧に設定されると)、ピクセル電圧は、所与の安定性ウィンドウ内にとどまり、開放電圧がそのコモンライン上に印加されるまで、緩和ウィンドウを通過しない。さらに、各変調器が、変調器をアドレス指定するより前に書込みプロシージャの一部として開放されるので、開放時間ではなく変調器の作動時間が、必要なライン時間を決定し得る。詳細には、変調器の開放時間が作動時間よりも大きい実施態様では、開放電圧は、
図5Bに示すように、単一のライン時間よりも長く印加され得る。いくつかの他の実施態様では、コモンラインまたはセグメントラインに沿って印加される電圧が、異なる色の変調器など、異なる変調器の作動電圧および開放電圧の変動を相殺するように変動し得る。
【0039】
上記に記載した原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は大きく異なり得る。たとえば、
図6A〜
図6Eは、可動反射層14とそれの支持構造とを含む、干渉変調器の異なる実施態様の断面図の例を示している。
図6Aは、金属材料のストリップ、すなわち、可動反射層14が、基板20から直角に延在する支持体18上に堆積される、
図1の干渉変調器ディスプレイの部分断面図の一例を示している。
図6Bでは、各IMODの可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、コーナーにおいてまたはその近くでテザー32に接して支持体に取り付けられる。
図6Cでは、可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、フレキシブルな金属を含み得る変形可能層34から吊るされる。変形可能層34は、可動反射層14の外周の周りで基板20に直接または間接的に接続することがある。これらの接続は、本明細書では支持ポストと呼ばれる。
図6Cに示す実施態様は、変形可能層34によって行われる可動反射層14の機械的機能からのそれの光学的機能の分離から派生する追加の利益を有する。この分離は、反射層14のために使用される構造設計および材料と、変形可能層34のために使用される構造設計および材料とが、互いとは無関係に最適化されることを可能にする。
【0040】
図6Dは、可動反射層14が反射副層(reflective sub−layer)14aを含む、IMODの別の例を示している。可動反射層14は、支持ポスト18などの支持構造上に載る。支持ポスト18は、たとえば、可動反射層14が緩和位置にあるとき、可動反射層14と光学スタック16との間にギャップ19が形成されるように、下側静止電極(すなわち、図示のIMODにおける光学スタック16の一部)からの可動反射層14の分離を可能にする。可動反射層14は、電極として働くように構成され得る伝導性層14cと、支持層14bとをも含むことができる。この例では、伝導性層14cは、基板20から遠位にある支持層14bの一方の面に配設され、反射副層14aは、基板20の近位にある支持層14bの他方の面に配設される。いくつかの実施態様では、反射副層14aは、伝導性であることがあり、支持層14bと光学スタック16との間に配設され得る。支持層14bは、誘電材料、たとえば、酸窒化ケイ素(SiON)または二酸化ケイ素(SiO
2)の、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実施態様では、支持層14bは、たとえば、SiO
2/SiON/SiO
23層スタックなど、複数の層のスタックであり得る。反射副層14aと伝導性層14cのいずれかまたは両方は、たとえば、約0.5%の銅(Cu)または別の反射金属材料を用いた、アルミニウム(Al)合金を含むことができる。誘電支持層14bの上および下で伝導性層14a、14cを採用することは、応力のバランスをとり、伝導の向上を与えることができる。いくつかの実施態様では、反射副層14aおよび伝導性層14cは、可動反射層14内の特定の応力プロファイルを達成することなど、様々な設計目的で、異なる材料から形成され得る。
【0041】
図6Dに示すように、いくつかの実施態様はブラックマスク構造23をも含むことができる。ブラックマスク構造23は、周辺光または迷光を吸収するために、光学不活性領域において(たとえば、ピクセル間にまたはポスト18の下に)形成され得る。ブラックマスク構造23はまた、光がディスプレイの不活性部分から反射されることまたはそれを透過されることを抑止し、それによりコントラスト比を増加させることによって、ディスプレイデバイスの光学的特性を改善することができる。さらに、ブラックマスク構造23は、伝導性であり、電気的バス層として機能するように構成され得る。いくつかの実施態様では、行電極は、接続された行電極の抵抗を低減するために、ブラックマスク構造23に接続され得る。ブラックマスク構造23は、堆積およびパターニング技法を含む様々な方法を使用して形成され得る。ブラックマスク構造23は1つまたは複数の層を含むことができる。たとえば、いくつかの実施態様では、ブラックマスク構造23は、光吸収器として働くモリブデンクロム(MoCr)層と、1つの層と、反射体およびバス層として働く、アルミニウム合金とを含み、それぞれ、約30〜80Å、500〜1000Å、および500〜6000Åの範囲内の厚さである。1つまたは複数の層は、たとえば、MoCr層およびSiO
2層の場合は、四フッ化炭素(CF
4)および/または酸素(O
2)、ならびにアルミニウム合金層の場合は、塩素(Cl
2)および/または三塩化ホウ素(BCl
3)を含む、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを含む、様々な技法を使用してパターニングされ得る。いくつかの実施態様では、ブラックマスク23はエタロンまたは干渉スタック構造であり得る。そのような干渉スタックブラックマスク構造23では、伝導性吸収体は、各行または列の光学スタック16における下側静止電極間で信号を送信するかまたは信号をバスで運ぶために使用され得る。いくつかの実施態様では、スペーサ層35が、ブラックマスク23中の伝導性層から吸収層16aを概して電気的に絶縁するのに、役立つことができる。
【0042】
図6Eは、可動反射層14が自立している、IMODの別の例を示している。
図6Dとは対照的に、
図6Eの実施態様は支持ポスト18を含まない。代わりに、可動反射層14は、複数のロケーションにおいて、下にある光学スタック16に接触し、可動反射層14の湾曲は、干渉変調器の両端間の電圧が作動を引き起こすには不十分であるとき、可動反射層14が
図6Eの非作動位置に戻るという、十分な支持を与える。複数のいくつかの異なる層を含んでいることがある光学スタック16は、ここでは明快のために、光吸収体16aと誘電体16bとを含む状態で示されている。いくつかの実施態様では、光吸収体16aは、固定電極としても、部分反射層としても働き得る。
【0043】
図6A〜
図6Eに示す実施態様などの実施態様では、IMODは直視型デバイスとして機能し、直視型デバイスでは、画像が、透明基板20の正面、すなわち、変調器が配置された面の反対の面から、閲覧される。これらの実施態様では、デバイスの背面部分(すなわち、たとえば、
図6Cに示す変形可能層34を含む、可動反射層14の背後のディスプレイデバイスの任意の部分)は、反射層14がデバイスのそれらの部分を光学的に遮蔽するので、ディスプレイデバイスの画質に影響を及ぼすことまたは悪影響を及ぼすことなしに、構成され、作用され得る。たとえば、いくつかの実施態様では、バス構造(図示せず)が可動反射層14の背後に含まれ得、これは、電圧アドレス指定およびそのようなアドレス指定に起因する移動など、変調器の電気機械的特性から変調器の光学的特性を分離する能力を与える。さらに、
図6A〜
図6Eの実施態様は、たとえば、パターニングなどの処理を簡略化することができる。
【0044】
図7は、干渉変調器のための製造プロセス80を示す流れ図の一例を示しており、
図8A〜
図8Eは、そのような製造プロセス80の対応する段階の断面概略図の例を示している。いくつかの実施態様では、製造プロセス80は、
図7に示されていない他のブロックに加えて、たとえば、
図1および
図6に示す一般的なタイプの干渉変調器を製造するために実施され得る。
図1、
図6および
図7を参照すると、プロセス80はブロック82において開始し、基板20上への光学スタック16の形成を伴う。
図8Aは、基板20上で形成されたそのような光学スタック16を示している。基板20は、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であり得、それは、フレキシブルであるかまたは比較的固く曲がらないことがあり、光学スタック16の効率的な形成を可能にするために、事前準備プロセス、たとえば、洗浄にかけられていることがある。上記で説明したように、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であることがあり、たとえば、透明基板20上に、所望の特性を有する1つまたは複数の層を堆積させることによって、作製され得る。
図8Aでは、光学スタック16は、副層16aおよび16bを有する多層構造を含むが、いくつかの他の実施態様では、より多いまたはより少ない副層が含まれ得る。いくつかの実施態様では、副層16a、16bのうちの1つは、組み合わせられた導体/吸収体副層16aなど、光吸収特性と伝導特性の両方で構成され得る。さらに、副層16a、16bのうちの1つまたは複数は、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。そのようなパターニングは、当技術分野で知られているマスキングおよびエッチングプロセスまたは別の好適なプロセスによって実行され得る。いくつかの実施態様では、副層16a、16bのうちの1つは、1つまたは複数の金属層(たとえば、1つまたは複数の反射層および/または伝導性層)上に堆積された副層16bなど、絶縁層または誘電体層であり得る。さらに、光学スタック16は、ディスプレイの行を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
【0045】
プロセス80はブロック84において続き、光学スタック16上への犠牲層25の形成を伴う。犠牲層25は、キャビティ19を形成するために後で(たとえば、ブロック90において)除去され、したがって、犠牲層25は、
図1に示した得られた干渉変調器12には示されていない。
図8Bは、光学スタック16上で形成された犠牲層25を含む、部分的に作製されたデバイスを示している。光学スタック16上での犠牲層25の形成は、後続の除去後に、所望の設計サイズを有するギャップまたはキャビティ19(
図1および
図8Eも参照)を与えるように選択された厚さの、モリブデン(Mo)またはアモルファスシリコン(Si)など、フッ化キセノン(XeF
2)エッチング可能材料の堆積を含み得る。犠牲材料の堆積は、物理堆積(PVD、たとえば、スパッタリング)、プラズマ強化化学堆積(PECVD)、熱化学堆積(熱CVD)、またはスピンコーティングなど、堆積技法を使用して行われ得る。
【0046】
プロセス80はブロック86において続き、支持構造、たとえば、
図1、
図6および
図8Cに示すポスト18の形成を伴う。ポスト18の形成は、支持構造開口を形成するために犠牲層25をパターニングすることと、次いで、PVD、PECVD、熱CVD、またはスピンコーティングなど、堆積方法を使用して、ポスト18を形成するために開口中に材料(たとえば、ポリマーまたは無機材料、たとえば、酸化ケイ素)を堆積させることとを含み得る。いくつかの実施態様では、犠牲層中に形成された支持構造開口は、ポスト18の下側端部が
図6Aに示すように基板20に接触するように、犠牲層25と光学スタック16の両方を通って、下にある基板20まで延在することがある。代替的に、
図8Cに示すように、犠牲層25中に形成された開口は、犠牲層25は通るが、光学スタック16は通らないで、延在することがある。たとえば、
図8Eは、光学スタック16の上側表面(upper surface)と接触している支持ポスト18の下側端部を示している。ポスト18、または他の支持構造は、犠牲層25上に支持構造材料の層を堆積させることと、パターニングして犠牲層25中の開口から離れて配置された支持構造材料の部分を除去することとによって形成され得る。支持構造は、
図8Cに示すように開口内に配置され得るが、少なくとも部分的に、犠牲層25の一部分の上で延在することもある。上述のように、犠牲層25および/または支持ポスト18のパターニングは、パターニングおよびエッチングプロセスによって実行され得るが、代替エッチング方法によっても実行され得る。
【0047】
プロセス80はブロック88において続き、
図1、
図6および
図8Dに示す可動反射層14などの可動反射層または膜の形成を伴う。可動反射層14は、1つまたは複数のパターニング、マスキング、および/またはエッチングステップとともに、1つまたは複数の堆積ステップ、たとえば、反射層(たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金)堆積を採用することによって、形成され得る。可動反射層14は、電気伝導性であり、電気伝導性層(electrically conductive layer)と呼ばれることがある。いくつかの実施態様では、可動反射層14は、
図8Dに示すように複数の副層14a、14b、14cを含み得る。いくつかの実施態様では、副層14a、14cなど、副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学的特性のために選択された高反射性副層を含み得、別の副層14bは、それの機械的特性のために選択された機械的副層を含み得る。犠牲層25は、ブロック88において形成された部分的に作製された干渉変調器中に依然として存在するので、可動反射層14は、一般にこの段階では可動でない。犠牲層25を含んでいる部分的に作製されたIMODは、本明細書では「非開放(unreleased)」IMODと呼ばれることもある。
図1に関して上記で説明したように、可動反射層14は、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
【0048】
プロセス80はブロック90において続き、キャビティ、たとえば、
図1、
図6および
図8Eに示すキャビティ19の形成を伴う。キャビティ19は、(ブロック84において堆積された)犠牲材料25をエッチャントにさらすことによって形成され得る。たとえば、MoまたはアモルファスSiなどのエッチング可能犠牲材料が、ドライ化学エッチングによって、たとえば、一般に、キャビティ19を囲む構造に対して選択的に除去される、所望の量の材料を除去するのに有効である期間の間、固体XeF
2から派生した蒸気などの気体または蒸気エッチャントに犠牲層25をさらすことによって、除去され得る。他のエッチング方法、たとえば、ウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングも使用され得る。犠牲層25がブロック90中に除去されるので、可動反射層14は、一般に、この段階後に可動となる。犠牲材料25の除去後に、得られた完全にまたは部分的に作製されたIMODは、本明細書では「開放」IMODと呼ばれることがある。
【0049】
いくつかの実施態様では、電気機械システム(EMS:electromechanical system)デバイスは、光をディスプレイアレイに向けて方向変換するためのフロントライト、またはユーザ入力を受信するためのタッチスクリーンを含むディスプレイデバイスに組み込まれ得る。フロントライトおよびタッチスクリーンのいくつかの実施態様は、ディスプレイの活性領域の上にあるが、ディスプレイのアピアランスに対するこれらの構造の光学的影響を低減するためにマスクされる構造を含む。
【0050】
たとえば、フロントライトフィルムのいくつかの実施態様は、フロントライトフィルム内を伝播する光を、ディスプレイアレイに向けて方向変換するように構成された反射ファセットを含む。干渉変調器などの反射ディスプレイ要素を含むディスプレイデバイスでは、この方向変換された導波光は、反射ディスプレイ要素に入射し、次いで、フロントライトフィルムを介して、閲覧者に向かって戻るように反射される。したがって、そのようなフロントライトフィルムは、照明光源が、フロントライトのエッジの1つにおけるような、ディスプレイ自体からオフセットした位置に配置されることを可能にする。光源からの光は、光がファセットに当たり、フロントライトフィルムから出てディスプレイアレイに向けて方向変換される前に、内部全反射によってフロントライトフィルム全体を伝播し得る。これらの反射ファセットは、いくつかの実施態様では、反射材料を含み得るので、反射材料の裏側から光が反射され、ディスプレイデバイスのアピアランスを妨げるのを防止するために、マスクが、反射材料のディスプレイアレイと反対の側に設けられ得る。
【0051】
同様に、タッチスクリーンアレイは、容量性タッチスクリーンアレイを形成するために、グリッドパターンに配置された複数の十字交差する電極を含み得る。これらの電極に使用され得るいくつかの材料は、部分的にまたは高度に反射性であり得る。これらの電極は、また、電極からの光の反射から生じる望ましくない光学的影響を防止するために、電極の可視側にマスクを設けられ得る、
【0052】
いくつかの実施態様では、これらのフロントライトファセットまたはタッチスクリーン電極の一方または両方は、フレキシブル基板上に形成され得、マスクされた構造がその上に形成されたフレキシブル基板は、次いで、ディスプレイデバイスに取り付けられ得、フロントライトシステムまたはタッチスクリーンの一部として機能することになる。さらなる実施態様では、タッチスクリーンまたはフロントライトの構成要素は、ディスプレイ表示デバイスよりもはるかに大きいフレキシブル基板上に形成され得、フレキシブル基板の部分は、互いに分離され得、ロールツーロールプロセスを使用して、個々のディスプレイ表示デバイスに対して取り付けられ得、または、他の方法で固定され得る。他の実施態様では、以下に説明するプロセスは、より剛性な基板上、または、ロールツーロールプロセスで使用される基板よりもフレキシブルでない基板上に、マスクされた構造を形成するために使用され得る。これらのより剛性な基板は、他の好適な製造プロセスを使用して、ディスプレイデバイスに取り付けられ得、または、他の方法で固定され得る。
【0053】
図9A〜
図9Eは、フレキシブル基板上にマスクされた構造を形成するためのプロセスの一例を示す。
図9Aでは、基板110は、その上に形成されたくぼみ112を有して設けられている。基板110は、任意の好適な光透過性材料を含み得る。特定の実施態様では、具体的には、基板110が光導波路の一部を形成することになるとき、材料は、材料の吸光係数に部分的に基づいて選択され得る。いくつかの実施態様では、基板110、および、感圧接着剤(PSA:pressure−sensitive adhesive)または光学透明接着剤(OCA:optically clear adhesives)などの、光導波路の一部を形成する他のボンディング材料は、1×10
−7未満の吸光係数を有し得る。他の実施態様では、基板は、1×10
−7と等しいかそれよりも大きい吸光係数を有する材料を含み得る。
【0054】
特定の実施態様では、基板110は、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)などの透明プラスチックを含み得、PMMAは、2つの例として、PMMAの出発物質の純度と、形成する際の流動特性を変更するため、またはUV吸収を低減するために添加物が使用されている程度とに大きく依存する吸光係数を有する。高い光学的品質のPMMAは、多くの市販のガラスの吸光係数よりもおよそ2桁低い大きさである7×10
−9の吸光係数を有する(たとえば、0.7mmの厚さを通してのCorning Eagle Glass XGの吸光係数は、435nmから644nmまでのすべての可視波長に対しておおよそ4×10
−9の平均吸光係数を有する)。
【0055】
一実施態様では、基板110は、限定はしないが、熱エンボス加工、UVエンボス加工、およびインプリントエンボス加工を含む任意の好適な方法を使用して、くぼみ112を形成するためにエンボス加工され得る。他の実施態様では、くぼみ112を有する基板110は、鋳造および硬化法によって、または、基板110の表面にくぼみ112を湿式もしくは乾式エッチングすることによって形成され得る。
【0056】
図10Aは、
図9Aのセクション10の詳細図の一例を示す。図示のくぼみ112は、くぼみ112に円錐台形状を与える、深さDを有する錐台の形状であることが、
図10Aに見られ得る。くぼみ112は、上部開口部において幅Bを有し、くぼみの基部における幅Aに向かって狭くなっている。側壁114は、エンボス加工された基板110の主面に対して傾斜したファセット角θで配向され、θ=tan
−1(D/W)であるように、くぼみ112の上部から基部へ内向きに距離W延在する。角度θが、くぼみ112の周りで一定のままである場合、距離Wは、W=(B−A)/2によって与えられる。くぼみのサイズおよび形状、ならびに、特に、水平の基板表面118に対する傾斜角度θは、その中に形成される基板の材料特性に部分的に基づいて変動し得る。図示の実施態様では、くぼみ112内に形成される構造は、反射ファセットであり、ファセットの側壁114は、エンボス加工された基板110の主面に対して、特に、くぼみ112間の基板110の表面の平面部分118に対しておおよそ40〜50度の角度で配向され得る。いくつかの実施態様では、反射ファセットが形成されることになるくぼみ112は、約0.5μmよりも深い深さに形成され得、さらなる実施態様では、約1〜2μmの間の深さであり得る。
【0057】
他の実施態様では、側壁114の角度θは、基板110、および、完成した光学構造の一部を形成することになる他の層/基板の屈折率および他の特性などの様々な要因に部分的に基づいて決定され得る。たとえば、基板110の下面から下方に反射される光は、完成したデバイスの他の層を通過し得るので、これらの層の屈折率の相対的な指標は、これらの層の間の境界における屈折により、反射光の全体的な経路に影響を及ぼすことになる。基板110が反射型ディスプレイの上にあるフロントライトシステムの一部を形成する実施態様では、傾斜ファセット角θは、概して、下方に反射された光が、基板110の下面に向かって進む角度方向と、下にあるディスプレイによって反射された後に、出力光が、完成したフロントライトシステムに含まれる光学層を閲覧者に向かって外側に通過していく、得られた角度方向とを決定する。この得られた角度出力方向は、傾斜ファセット角θだけでなく、フロントライト内に含まれる各材料層のすべての屈折率および対応する物理的厚さにも、これらの層の間の境界で発生する屈折の結果として、依存する。
【0058】
他の実施態様では、しかしながら、側壁114は、それらの全体の高さにわたって平面でないことがある。
図10Bは、
図10Aのものと同様のセクションの代替詳細図の一例を示す。特に、
図10Bのくぼみ112’では、
図10Aに示す角度をなす交差とは対照的に、湾曲セクション115が、側壁114’の平面領域と基部113の平面領域との間に延在する。そのような湾曲セクション115は、たとえば、製造上の制約から生じ得る。側壁114’の平面領域は、同様の寸法のくぼみ112’については
図10Aの側壁114の平面領域よりも小さいので、側壁114’の平面領域は、くぼみ112’の上部から内側に距離W’延在し、距離W’は、上部開口部における同一の幅B、および全体的な深さDを有する同様の寸法のくぼみについては、
図10Aに示す距離Wよりも短い。同様に、側壁114’の平面領域は、くぼみ112’の上部から下方へ距離D’延在し、距離D’は、くぼみ112’の上部と基部113との間の合計の深さDよりも短い。
【0059】
反射材料が、くぼみ112’に内に堆積されたとき、くぼみ112’の側壁114’の平面領域に隣接し、平面領域と共形の反射材料は、
図10Aのくぼみ112の側壁114に隣接する反射材料と同様に光を方向変換することになる。側壁114の平面部分のサイズは、
図10Aに示す理想的な平坦な側壁よりもわずかに小さいことになるが、フロントライト性能の低下は、部分的にはくぼみ112’の側壁114’の平面領域のサイズの比較的軽微な減少により、最小限になる。さらに、湾曲部分115によって反射される光は、基部113に垂直な垂直出力軸からより高角度の方向に拡散することになる。さらに、光が基部113に対して小さい角度で反射される、十分高い角度の拡散のため、光は、別のくぼみ112’(図示せず)の平坦な側壁に隣接する反射面に当たるまで、フロントライト内を伝播し続けることができる。
【0060】
タッチスクリーンで使用するための電極がくぼみ112内に形成される代替実施態様では、基板110を伝播する光のパターンに干渉しないように、側壁114は、エンボス加工された基板110の主面に対して実質的に直角、または、エンボス加工された基板110の主面に対して非常に浅い角度のいずれかで形成され得る。基板110にくぼみ112を形成するために使用されるエンボス加工技術または他の技術は、また、くぼみ112のサイズおよび形状を制約し得る。たとえば、いくつかのエンボス加工技術は、他のアスペクト比が同様に可能であり得るが、約3:1または4:1の幅対深さ比を有するくぼみ112の形成を可能にし得る。
【0061】
図9Bでは、反射材料の層120は、くぼみ112と、くぼみ112間の基板110の表面の平面部分118の両方を被覆するように、基板110の上に共形に堆積している。一実施態様では、反射層120は、アルミニウムまたは任意の他の好適な反射材料の層を含み得る。1つの特定の実施態様では、反射層120は、おおよそ1000オングストロームの厚さのアルミニウムの層であり得る。
【0062】
図9Cでは、マスキング材料の層130が、反射層120の上に堆積されている。図示の実施態様では、マスキング層130が、実質的に平坦な上面を有し、基板110のくぼみ112の上にある領域ではより厚くなるように、マスキング層130は、平坦化方式で堆積されたフォトレジストまたは他の好適な不透明材料である。マスキング層130は、反射層120の反射材料を閲覧者から遮蔽することになるので、マスキング層が比較的少ない量の入射光を閲覧者に向けて反射するように、マスキング層120は、実質的に非反射性である材料から形成される。一実施態様では、マスキング層130は、マスキング層130の上面を成形するために、ドクターブレードまたは同様のツールを使用して平坦化され得る。マスキング層130がフォトレジスト材料を含む別の実施態様では、平坦化は、マスキング層130のフォトレジスト層を部分的に露光し、マスキング層130をオーバエッチングし、残りのマスキング層130を洗浄することによって達成され得る。
【0063】
図9Dでは、くぼみ112と重ならないマスキング層の部分は、除去されている。一実施態様では、くぼみ112と重ならないマスキング層130の部分の除去は、マスキング層130をエッチングすることによって達成され得る。たとえば、マスキング層130は、くぼみ112内のマスキング層130のより厚い部分を除去することなく、平面部分118の上にあるマスキング層130のより薄い部分を除去するのに十分な時間、反応性イオンエッチングまたは他の好適なエッチングを使用してエッチングされ得る。マスキング層130がフォトレジスト材料を含む別の実施態様では、平面部分118の上にあるフォトレジストの部分の除去は、マスキング層130のフォトレジストを部分的に露光し、基板110の平面部分118の上にあるマスキング層130のより薄い部分を現像して除去することによって達成され得る。さらに別の実施態様では、
図9Bに関連して説明したようにドクターブレードまたは同様のツールを用いてマスキング層130を平坦化するのではなく、ドクターブレードは、基板110のくぼみ112の外側に位置するマスキング層130のすべてまたは大部分を除去するために使用され得る。この実施態様では、アルキルシランまたはフルオロアルキルシランなどの潤滑層が、レジストの塗布の前に、上にある平面領域に塗布され得る。これは、これらの場所のレジストの付着を低減し、レジスト除去を可能にする。
【0064】
図9Eでは、基板110の平面部分118の上にある反射層120の部分は、エッチングまたは他の好適なプロセスによって除去されており、基板110のくぼみ112内に堆積された反射ファセット140の形態のマスクされた構造を形成する。くぼみ112内に位置するマスキング層の部分132が残る。完成した構造100は、エンボス加工された基板110のくぼみ112内に位置する反射ファセット140を有するエンボス加工された基板110を含み、たとえば、ディスプレイデバイスを有するフロントライトシステムで使用するためのファセットフロントライトフィルムとして好適であり得る。追加のマスクが他の実施態様では使用され得るが、一実施態様では、残りのフォトレジストは、エッチングなどの間にマスクとして使用され得る。反射ファセット140は、反射層120から形成された反射下部142、および、マスクとして機能する非反射上部146を含む。反射下部142は、基板110の主面に対して、それらが当接するくぼみ112の側壁114と同じ角度で配向される側壁114を有する。したがって、基板110のくぼみ112の側壁114の角度は、その中に形成される反射ファセット140の角度を画定し得る。反射ファセット140の非反射上部146は、視界から反射下部142の反射材料をマスクする。いくつかの実施態様では、完成した構造100の上のさらなる層の堆積、または完成した構造100の上のさらなる層の付着を容易にするために、反射ファセット140の上面148は、基板110の上主面と実質的に同一平面上にあり、または、基板110の上主面の下に位置する。
【0065】
別の実施態様では、マスキング層130は、マスキング層130が基板110の平面部分118の上にある反射層120の部分に付着しないような方法で堆積され得る。たとえば、
図9Bにおける反射層120が堆積された後、コーティングを塗布するためにドクターブレードを使用するなどして、疎水性コーティングが、基板110の平面部分118の上にある反射層120の平面部分に塗布され得る。好適な疎水性コーティングは、限定はしないが、アルキルトリクロロシラン、アルキルトリエトキシシラン、ペルフルオロアルキルトリクロロシラン、およびペルフルオロアルキルトリエトキシシランを含み得る。代替的に、基板全体の上にコーティングを堆積し、平坦面118のコーティングを削り取るためにドクターブレードを使用することなどによって、親水性コーティングがくぼみ112に塗布され得る。好適な親水性コーティングは、限定はしないが、アミノアルキルトリクロロシランおよびアミノアルキルトリエトキシシランを含み得る。定位置のこれらのコーティングのいずれかまたは両方によって、その後マスキング層130が反射層120の上に堆積されたとき、マスキング層130は、基板110のくぼみ112の上にある反射層120の部分にのみ付着し得る。マスキング層130は、次いで、エッチングされ得、もしくは、所望の場合、他の方法で高さを減少され得、または、反射ファセット140を形成するためにさらなる処理が必要でないほど十分に薄い厚さに堆積され得る。
【0066】
代替実施態様では、くぼみ112の内面に隣接する反射面を形成するための反射材料の堆積は、溶液ベースの処理を介して制御され得る。銀ナノ粒子インク、アルミニウムナノ粒子インク、または同様のインクなどの金属および/または反射性インクが、反射面を形成するために、くぼみ112内に堆積され、硬化され得る。一実施態様では、金属および/または反射性インクの堆積の前に、くぼみ112間の基板の平面上部を疎水性コーティングで処理することによって、インクの堆積は、疎水性コーティングで被覆されていないくぼみ112に限定され得る。インクは、次いで、限定はしないが、フレキソ印刷またはドクターブレードコーティングを含む、任意の好適なプロセスによって塗布される。インクの堆積および可能な硬化後、たとえば、
図9Cおよび
図9Dに関して説明するように、マスキング構造が、反射面の上に塗布され得る。このマスキング構造は、上記で説明したようにブラックレジストであり得るが、以下に詳細に説明する自己マスクされた構造でもあり得る。
【0067】
図11Aおよび
図11Bは、フレキシブル基板上に自己マスクされた構造を形成するためのプロセスにおける2つのステップの一例を示す。製造プロセスのこの代替実施態様では、フィルムの干渉スタックが、反射層120の代わりに堆積されている。
図11Aは、基板210上に堆積された干渉フィルムスタック220の一例を示す。基板210は、
図9A〜
図9Eの基板110と同様の、その中に形成されたくぼみ212を有する基板である。干渉フィルムスタック220は、基板210上に共形に堆積され得る。一実施態様では、干渉フィルムスタック220は、少なくとも3つのフィルム、すなわちスタック220の基板210に隣接する側の反射層222と、スペーサ層224と、スペーサ層の反射層222とは反対側の吸収層226と、を含む。材料および厚さの適切な選択により、干渉変調器は、エタロンを形成し得、エタロンは、吸収体の側から見たときに暗く見え、代替的に、干渉ブラックマスクと呼ばれ得る。
【0068】
一実施態様では、
図9A〜
図9Eに関連して説明したプロセスは、
図9Bの反射層120の代わりに堆積される
図11Aの干渉フィルムスタック220と共に使用され得る。干渉フィルムスタック220自体は、可視光の実質的な部分を反射し返さないことになるので、マスキング層130などのマスキング層は、完成した構造200から除去され得る。そのような実施態様では、マスキング層130の残りの部分132(
図9D参照)は、干渉フィルムスタック220を露出させるため、除去され得、スタック220の反射層222と反対側から見たときに、閲覧者に対して、
図11Bに示すように、干渉フィルムスタック220のセクションから形成された反射ファセット240を有する完成した構造200を形成する。しかしながら、反射副層220の下部が、露出されたままであるので、反射ファセット240は、依然として光を基板210から出て下方へ方向変換し得る。代替実施態様では、
図11Aに示す層220は、別のマスキングプロセスまたは他の好適な代替の製造プロセスを使用して、反射ファセット240を形成するために、パターン化され得る。これらの実施態様では、反射ファセットが、反射ファセット層として機能するのに加えて、干渉マスクの一部としても機能する層を含むので、反射ファセット240は、自己マスキング構造と見なされ得る。
【0069】
したがって、反射ファセット240は、マスキング効果を提供するために上にある反射層と協働する、反射層222の下にある追加の層を含む。これらの追加の層によってもたらされるマスキングの程度は、上の層の光学特性に少なくとも部分的に依存する。マスキング構造の実施態様は、概して、不透明なマスキング層など、上の層の光学特性に依存しない、または、干渉フィルムスタックを形成するために上の反射層と協働する層を追加するなど、上の層の光学特性に少なくとも部分的に依存する、のいずれかであるマスキングの程度をもたらし得る。
【0070】
図12A〜
図12Cは、同じフレキシブル基板上にマスクされたファセットおよびマスクされたワイヤを製造するためのプロセスの一例を示す。プロセスは、その中に形成されたくぼみ312を有し、共形に堆積された反射層320、および図示のように平坦化され得るマスキング層330で覆われた基板310を形成するために、
図9A〜
図9Cのステップを含む。代替実施態様では、反射層320は、
図11Aのスタック220などの干渉フィルムスタックに置き換えられ得る。
【0071】
図12Aでは、マスキング層は、基板310の平面部分318の上にあるマスキング層の保護された部分334を画定するために追加のフォトマスク350を使用して露光されている。マスキング層330がフォトレジストを含む一実施態様では、マスキング層330のくぼみ312内の部分および保護された部分334が、実質的に未露光のままであるように、マスキング層330は、定位置の追加のフォトマスク350を用いて部分的に露光され得る。
【0072】
図12Bでは、マスキング層330の露光された部分は、マスキング層330の保護された部分334、および、マスキング層330のくぼみ312内の部分332を後に残して、エッチング除去される。マスキング層330の保護された部分334は、たとえば、タッチスクリーンアレイ内の電極として使用され得る配線を画定し、マスキング層330のくぼみ312内の部分332は、上記で説明したように、反射ファセットを画定する。
【0073】
図12Cでは、マスキング層330の残りの部分332および334は、反射層320をパターン化するエッチングプロセスでマスクとして使用され得、マスクされた反射ファセット340とマスクされた配線360の両方を含む完成した構造300を形成する。マスクされた反射ファセット340は、
図9Eのマスクされた反射ファセット140と構造が同様である。マスクされた配線360は、また、マスキング層330の保護された部分334によって、閲覧者に向けて光を望ましくなく反射することから同様に保護される。
【0074】
(
図11A〜
図11Bの干渉フィルムスタック220などの)干渉フィルムスタックが単一の反射層320の代わりに使用される実施態様では、フィルムスタックは、それ自体、吸収体側から暗く見え得るので、マスキング層330の残りの部分332および334は、干渉フィルムスタックをパターン化するために使用された後、除去され得る。
【0075】
そのような反射ファセットおよびマスクされた配線は、任意の適切なサイズまたは形状で作られ得るが、そのような構造を含むデバイスの最終的な使用は、特定の範囲のサイズまたは形状を利用する理由を与え得る。たとえば、これらの構造、または、これらの構造を支持する基板は、ディスプレイデバイスで利用され得、閲覧者が反射ファセットおよび/またはマスクされた配線のアレイを介してディスプレイを見ることになるように、ディスプレイの上に配置され得る。そのような実施態様では、反射ファセットおよび/またはマスクされた配線のサイズに対する制約は、これらの構造がディスプレイデバイスのアピアランスに顕著な影響を与えるのを防止し得る。たとえば、数フィート未満の距離で見られるように構成されたハンドヘルドデバイスについて、マスクされた配線は、約5μm未満の幅を有し得る。同様の制約は、反射ファセットのサイズに課せられ得る。他のデバイスについて、反射ファセットおよび/またはマスクされた配線の寸法に対する適切な制約は、デバイスが見られることを意図される距離を含む様々な要因に依存し得る。
図13は、その上に形成されたマスクされた特徴部を有する基板を組み込んだディスプレイデバイスの一例を示す。ディスプレイデバイス400は、その上に形成された反射型ディスプレイアレイ404を有するディスプレイ基板402を含む。ディフューザ層406または他の光学層が、基板402のディスプレイアレイ404から反対側に配置され得る。その上に形成された反射ファセット440およびマスクされた配線460aの形態のマスクされた特徴部を有する第1のフレキシブル基板410aが、ディフューザ層406の上に位置する。その上に形成されたマスクされた配線460bを有する第2のフレキシブル基板410bが、第1のフレキシブル基板410aの上に位置する。第2のフレキシブル基板410b上のマスクされた配線460bは、タッチスクリーンシステムの一部として使用され得るグリッドを形成するために、第1のフレキシブル基板410a上のマスクされた配線460aと直交するように配置される。いくつかの実施態様では、フレキシブル基板410bは、必ずしもフロントライトシステムの一部として機能するわけではないため、基板410aおよび410bは、異なる材料から形成され得る。追加の光学層を含み得るカバーガラス408が、第2のフレキシブル基板410bの上に位置する。追加の構成要素または接着層などの、図示しない追加の層も、ディスプレイデバイス400の全体にわたる様々な位置に配置され得る。
【0076】
図14は、フレキシブル基板上にマスクされた構造を形成するための製造プロセスを示す流れ図の一例を示す。方法500は、フレキシブル基板が設けられるブロック510で開始する。フレキシブル基板は、フレキシブル基板の第1の表面に形成された複数のくぼみを有し得る。上記で説明したように、基板は、限定はしないが、PMMAもしくは他のプラスチック、またはガラス材料を含む、任意の好適な光透過性材料を含み得る。くぼみは、フレキシブル基板にエンボス加工され得、もしくは他の方法で形成され得、または、基板は、鋳造および硬化プロセスを介するなどして、その中に形成されたくぼみを有するように形成され得る。
【0077】
方法500は、次いで、反射層がフレキシブル基板の第1の表面の上に形成されるブロック520に進む。いくつかの実施態様では、この反射層は、アルミニウムの単一の層であり得るが、他の実施態様では、干渉フィルムスタックまたは他の構造を形成するために、追加の層がこの時点で堆積され得る。
【0078】
方法500は、次いで、パターン化されたマスキング層が反射層の上に形成されるブロック530に進む。このパターン化されたマスキング層は、上記で説明した方法のいずれかを使用して、または、任意の他の好適な方法によって形成され得る。一実施態様では、堆積されたフォトレジスト層が、フォトレジストの特定の領域を選択的に現像および除去するために、マスクを使用して部分的に露光および/または露光され得る。他の実施態様では堆積されたマスキング層のどの部分が基板に付着し、定位置に残るのかを制御するために、基板のくぼみ内に堆積された親水性層、または、くぼみの外側に堆積された疎水性層が使用され得る。
【0079】
方法500は、次いで、反射層が、パターン化されたマスキング層をマスクとして使用してパターン化されるブロック540に進む。いくつかの実施態様では、これは、フレキシブル基板のくぼみ内にマスクされた反射ファセットを形成するために行われ得る。さらなる実施態様では、マスクされた配線は、また、基板のくぼみがない部分に形成され得る。さらなる実施態様では、干渉フィルムスタックが単一の反射層の代わりに堆積されたときなどに、基板上に形成された構造は、自己マスキングであり得るので、パターン化されたマスキング層は、除去され得る。
【0080】
図15Aおよび
図15Bは、複数の干渉変調器を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図の例を示している。ディスプレイデバイス40は、たとえば、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはディスプレイデバイス40の軽微な変形も、テレビジョン、電子リーダーおよびポータブルメディアプレーヤなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
【0081】
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形を含む様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャ、もしくはシンボルを含んでいる、他の取外し可能な部分と交換され得る、取外し可能な部分(図示せず)を含むことができる。
【0082】
ディスプレイ30は、本明細書で説明する、双安定またはアナログディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなど、フラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなど、非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書で説明する干渉変調器ディスプレイを含むことができる。
【0083】
ディスプレイデバイス40の構成要素は
図15Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、それの中に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(たとえば、信号をフィルタ処理する)ように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカー45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28に、およびアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は次にディスプレイアレイ30に結合される。電源50が、特定のディスプレイデバイス40設計によって必要とされるすべての構成要素に電力を与えることができる。
【0084】
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43とトランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は信号を送信および受信することができる。いくつかの実施態様では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11規格、あるいはIEEE802.11a、b、gまたはnを含むIEEE802.11規格に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実施態様では、アンテナ43は、BLUETOOTH(登録商標)規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3Gまたは4G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))、GSM(登録商標)/General Packet Radio Service(GPRS)、Enhanced Data GSM(登録商標) Environment(EDGE)、Terrestrial Trunked Radio(TETRA)、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))、Evolution Data Optimized(EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+)、Long Term Evolution(LTE)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、その信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、その信号を処理することができる。
【0085】
いくつかの実施態様では、トランシーバ47は受信機によって置き換えられ得る。さらに、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理されるフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは、一般に、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和、およびグレースケールレベルを含むことができる。
【0086】
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であり得、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれ得る。
【0087】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取ることができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに好適な時間順序を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは多くの方法で実施され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、またはハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化され得る。
【0088】
アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのピクセルのx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も適用される。
【0089】
いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するディスプレイのタイプのうちのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(たとえば、IMODコントローラ)であり得る。さらに、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(たとえば、IMODディスプレイドライバ)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(たとえば、IMODのアレイを含むディスプレイ)であり得る。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29はアレイドライバ22と一体化され得る。そのような実施態様は、セルラーフォン、ウォッチおよび他の小面積ディスプレイなどの高集積システムでは一般的である。
【0090】
いくつかの実施態様では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように、構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実施態様では、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロフォン46を介したボイスコマンドが使用され得る。
【0091】
電源50は、当技術分野でよく知られている様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
【0092】
いくつかの実施態様では、制御プログラマビリティがドライバコントローラ29中に存在し、これは電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得る。いくつかの他の実施態様では、制御プログラマビリティがアレイドライバ22中に存在する。上記で説明した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実施され得る。
【0093】
本明細書で開示する実施態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実施され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実施されるか、ソフトウェアで実施されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
【0094】
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実施するために使用される、ハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実施または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実施することもできる。いくつかの実施態様では、特定のステップおよび方法が、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
【0095】
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示する構造を含むハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、およびそれらの上記構造の構造的等価物において、またはそれらの任意の組合せにおいて実施され得る。また、本明細書で説明した主題の実施態様は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置が実行するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実施され得る。
【0096】
ソフトウェアで実施する場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶するか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。本明細書で開示された方法またはアルゴリズムのステップは、コンピュータ可読媒体上に存在し得る、プロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実施され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所にコンピュータプログラムを転送することを可能にされ得る任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含み得る。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれ得る。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。さらに、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体上のコードおよび命令の、1つまたは任意の組合せまたはセットとして存在し得る。
【0097】
本開示で説明した実施態様への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示した実施態様に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示する原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与られるべきである。「例示的」という単語は、本明細書ではもっぱら「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。本明細書に「例示的」と記載されたいかなる実施態様も、必ずしも他の実施態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、実施されたIMODの適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
【0098】
また、別個の実施態様に関して本明細書で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施態様において組合せで実施され得る。また、逆に、単一の実施態様に関して説明した様々な特徴は、複数の実施態様において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実施され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
【0099】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序でまたは順番に実行されることを、あるいはすべての図示の動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきでない。さらに、図面は、流れ図の形態でもう1つの例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明するプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実施態様が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。