(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
固形物換算で0.3質量%以上のポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物を有効成分として含有する、成長ホルモン分泌不全症又は成長ホルモン分泌不全性低身長症の予防及び/又は治療に用いられるIGF−1産生促進剤。
前記包接剤がシクロデキストリンであり、その含有量が、シークワーシャー抽出物の固形物とシクロデキストリンの合計量に対して0.1〜95質量%である、請求項6に記載のIGF−1産生促進剤。
固形物換算で0.2質量%以上のノビレチンを含むシークワーシャー抽出物を有効成分として含有する、成長ホルモン分泌不全症又は成長ホルモン分泌不全性低身長症の予防及び/又は治療に用いられるIGF−1産生促進剤。
固形物換算で0.1質量%以上のタンゲレチンを含むシークワーシャー抽出物を有効成分として含有する、成長ホルモン分泌不全症、成長ホルモン分泌不全性低身長症又は潰瘍
の予防及び/又は治療に用いられるIGF−1産生促進剤。
ポリメトキシフラボノイドを有効成分として含有し、たんぱく質合成促進作用によるスポーツパフォーマンスの向上、成長促進又は新陳代謝の促進のために用いられるIGF−1産生促進剤。
固形物換算で0.3質量%以上のポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物を有効成分として含有し、たんぱく質合成促進作用によるスポーツパフォーマンスの向上、成長促進又は新陳代謝の促進のために用いられるIGF−1産生促進剤。
請求項3又は4に記載のIGF−1産生促進剤を、タンゲレチンの含有量として固形物換算で0.1質量%以上含む、成長ホルモン分泌不全症、成長ホルモン分泌不全性低身長症、心筋梗塞、潰瘍又は肝機能低下の予防及び/又は治療に用いられる飲食品組成物。
請求項5に記載のIGF−1産生促進剤を、ポリメトキシフラボノイドの含有量として固形物換算で0.3質量%以上含む、成長ホルモン分泌不全症又は成長ホルモン分泌不全性低身長症の予防及び/又は治療のために用いられる飲食品組成物。
請求項8に記載のIGF−1産生促進剤を、ノビレチンの含有量として固形物換算で0.2質量%以上含む、成長ホルモン分泌不全症又は成長ホルモン分泌不全性低身長症の予防及び/又は治療に用いられる飲食品組成物。
請求項9又は10に記載のIGF−1産生促進剤を、タンゲレチンの含有量として固形物換算で0.1質量%以上含む、成長ホルモン分泌不全症、成長ホルモン分泌不全性低身長症又は潰瘍の予防及び/又は治療に用いられる飲食品組成物。
請求項11又は12に記載のIGF−1産生促進剤を、ポリメトキシフラボノイドの含有量として固形物換算で0.3質量%以上含む、たんぱく質合成促進作用によるスポーツパフォーマンスの向上、成長促進又は新陳代謝の促進のために用いられる飲食品組成物。
成長ホルモン分泌不全症又は成長ホルモン分泌不全性低身長症の予防及び/又は治療に用いられるIGF−1産生促進剤の製造における、固形物換算で0.3質量%以上のポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物の使用。
前記包接剤がシクロデキストリンであり、その含有量が、シークワーシャー抽出物の固形物とシクロデキストリンの合計量に対して0.1〜95質量%である、請求項25に記載の使用。
成長ホルモン分泌不全症又は成長ホルモン分泌不全性低身長症の予防及び/又は治療に用いられるIGF−1産生促進剤の製造における、固形物換算で0.2質量%以上のノビレチンを含むシークワーシャー抽出物の使用。
成長ホルモン分泌不全症、成長ホルモン分泌不全性低身長症又は潰瘍の予防及び/又は治療に用いられるIGF−1産生促進剤の製造における、固形物換算で0.1質量%以上のタンゲレチンを含むシークワーシャー抽出物の使用。
たんぱく質合成促進作用によるスポーツパフォーマンスの向上、成長促進又は新陳代謝の促進のために用いられるIGF−1産生促進剤の製造における、ポリメトキシフラボノイドの使用。
たんぱく質合成促進作用によるスポーツパフォーマンスの向上、成長促進又は新陳代謝の促進のために用いられるIGF−1産生促進剤の製造における、固形物換算で0.3質量%以上のポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物の使用。
【背景技術】
【0002】
たんぱく質合成は、食品の摂取、運動、睡眠など生理的な変化の刺激を受ける。これらの刺激により脳下垂体より分泌される成長ホルモンによって、標的器官は直接あるいは間接的に働きかけられる。成長ホルモンが間接的に働く場合、成長ホルモンの刺激を受けた肝臓から分泌されるインスリン様成長因子-1(IGF-1)が、血液を介して全身に輸送されて標的器官に働きかける。人体の殆どの細胞、特に筋肉、骨、肝臓、腎臓、神経、皮膚及び肺の細胞はIGF-1の影響を受けることが知られている。
【0003】
例えば、IGF-1が標的器官、組織の各細胞の受容体に結合すると、細胞内でシグナル伝達が開始される。このシグナル伝達の下流には哺乳動物のラパマイシン標的たんぱく質(mTOR)がある。mTORを介したシグナル伝達系は、哺乳動物において細胞環境中のアミノ酸バランスのセンサーとして働き、たんぱく質の翻訳に関与する2つの重要な調節因子であるS6キナーゼ1(S6K1)及びイニシエーション因子4E結合たんぱく質(4E-BP1)(非特許文献1及び非特許文献2)の活性を調節することで、たんぱく質合成に関与することが知られている(特許文献1、非特許文献3及び非特許文献4)。また、S6K1及び4E-BP1は、リン酸化されることで活性化されることが知られている(非特許文献5)。
したがって、IGF-1濃度、S6K1及び4E-BP1の活性状態(リン酸化)が、たんぱく質合成の指標としてよく用いられる。
【0004】
たんぱく質合成促進に関する特許としては、ホエータンパク質加水分解物(特許文献2)、魚類の卵巣膜(特許文献3)、11β-ヒドロキシ-4-アンドロステン-3,17-ジオン(特許文献4)、発芽玄米由来のステロール配糖体(特許文献5)等が報告されている。
【0005】
上記のように、たんぱく質合成促進作用を有する成分がいくつか知られているが、シークワーシャー抽出物、又はノビレチンおよびタンゲレチン等のポリメトキシフラボノイドがたんぱく質合成促進作用を有することは知られていない。
【0006】
また、IGF-1産生促進作用に関する特許としては、ゲンチオピクリン(特許文献6)、スウェルチアマリン(特許文献7)、アシタバ抽出物及び/又はルテオリン−7−O−グルコシド(特許文献8)、免疫グロブリンGのFc領域を含む分子種(特許文献9)、発芽玄米由来のステロール配糖体(特許文献5)、ε−ビニフェリン(特許文献10)、シャクヤクの抽出物(特許文献11)等が報告されている。
【0007】
上記のようにIGF-1産生促進作用を有する成分がいくつか知られているが、シークワーシャー抽出物、又はノビレチンおよびタンゲレチン等のポリメトキシフラボノイドがIGF-1産生促進作用を示すことは知られていない。
【0008】
一方、植物由来の健康食品原料として、シークワーシャー抽出物が注目されている。シークワーシャー抽出物に含まれるノビレチンおよびタンゲレチン等のポリメトキシフラボノイドは、これまで種々の効能が見出されている。例えば、ノビレチンは、抗高血圧、抗ガン作用(特許文献12)、心疾患予防治療作用(特許文献13)、及び、抗潰瘍作用(特許文献14)等の作用を有することが報告されている。また、タンゲレチン及びノビレチン等のポリメトキシフラボノイドは血管新生抑制作用(特許文献15)を有することが報告されている。さらに、シークワーシャー等の柑橘類に含まれるフラボノイドが、血圧上昇抑制作用を有すること(特許文献16)が知られている。
【0009】
さらに、ノビレチン及びタンゲレチンが神経突起伸長作用を有するとの報告があるが(特許文献17)、神経突起の伸長には新たなたんぱく質の合成は必要でないことが知られている(非特許文献6)。また、特許文献17では、筋萎縮変性側索硬化症のような神経性末梢機能障害の治療の可能性も示されているが、これは神経突起伸長による病態の改善に限られたものであって、筋萎縮の抑制や筋たんぱく質合成を示唆するものではない。
【0010】
上記のように、シークワーシャー抽出物、又はノビレチンおよびタンゲレチン等のポリメトキシフラボノイドには各種の効能が報告されているが、これらの抽出物又は物質がIGF-1産生促進作用、又はたんぱく質合成促進作用を有することは知られていない。
【0011】
また、リンゴ等のバラ科植物の果実に含まれるプロシアニジンのようなポリフェノールを有効成分とする筋繊維タイプ移行抑制剤が知られている(特許文献18)。しかしながら、この筋繊維タイプ移行抑制剤の有効成分である果実由来ポリフェノールは、バラ科果実に限定されており、バラ科果実由来のポリフェノールはポリメトキシフラボノイド含有量が低い。
【0012】
前記のようなポリメトキシフラボノイドは果汁中にはほとんど含まれず、果皮に多く含まれていることから、単に果実を搾汁するだけでは、これらポリメトキシフラボノイドの含有量は少ない。
ポリメトキシフラボノイドは、フェノール水酸基が複数メチル化された特殊な構造を持つフラボノイドの一種であり、主として柑橘類に含まれる。ノビレチン、またはタンゲレチンのようなポリメトキシフラボノイドは、摂取後、肝臓において代謝される。例えば、ノビレチンはラット肝の代謝により、メトキシ基が水酸基に置換され、4'-OH、7-OH、6-OH、3',4'-diOH、または6,7-diOHノビレチン等が代謝産物として生成される。また、タンゲレチンからは、4'-OH、3',4'-diOH、7,4'-diOH、または6,7-diOHタンゲレチン等が代謝産物として生成されることが報告されている(非特許文献7)。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。
本発明のIGF-1産生促進剤は、ポリメトキシフラボノイドを有効成分として含有する。本発明のIGF-1産生促進剤の他の形態は、シークワーシャー抽出物、特に、固形物換算で0.3質量%以上のポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物を有効成分として含有する。
【0024】
シークワーシャー又はその抽出物に含まれるポリメトキシフラボノイドは、主に下記式で表される構造を有し、具体的には、ノビレチン、タンゲレチン、5-デメチルノビレチン、8-デメトキシノビレチン(シネンセチン)、6-デメトキシタンゲレチン、6-デメトキシノビレチン、シトロミチン、5,6,7,8,4-ペンタメトキシフラバノン等が挙げられる。これらの中では、ノビレチン及びタンゲレチンが好ましい。
下記化学式において、R、R1、R2、R3、及びR4は、各々ノビレチンでは、R=OMe、R1=OMe、R2=H、R3=Me、R4=OMeであり、タンゲレチンでは、R=OMe、R1=H、R2=H、R3=Me、R4=OMeである(ただし、Meはメチル基、OMeはメトキシ基、Hは水素原子を表す)。
ポリメトキシフラボノイドは、一種でもよく、任意の2種以上の混合物であってもよい。
【0026】
ポリメトキシフラボノイドは、柑橘類、その他前記物質を含有する植物の果実、葉、根、茎等から抽出しても良く、化学合成により製造しても良い。
【0027】
シークワーシャー抽出物は、例えば、シークワーシャーの果実及び/又は葉から、水及び/又は有機溶媒を用いて抽出することにより製造することができる。有機溶媒は含水物であってもよい。シークワーシャー(Citrus depressa)は、ミカン科の柑橘類の一種である。
【0028】
前記果実及び/又は葉は、果実及び/葉の全体であってもよく、その一部であってもよい。例えば、果実は、果肉又は果皮であってもよい。さらに、果実及び/又は葉は、そのまま用いてもよく、破砕物、例えば、果実及び/又は葉をナノメートルオーダーまで微細化したものであってもよい。また、果実及び/又は葉は、果実及び/又は葉、もしくはそれらの一部の搾汁残渣であってもよい。以下、これらの果実及び/又は葉、その一部、それらの破砕物、及び、それらの搾汁残渣を、「シークワーシャー果実及び/又は葉等」と記載することがある。
【0029】
また、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、ヘキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、アセトニトリルもしくはこれらの有機溶媒の含水物、又はこれらの有機溶媒及びその含水物のいずれかを組み合わせたもの等が挙げられるが、これらの中ではエタノールが好ましい。有機溶媒の含水率は、特に制限されないが、好ましくは0〜90質量%、より好ましくは0〜40質量%である。
【0030】
有機溶媒抽出において、シークワーシャー果実及び/又は葉等に対する有機溶媒の量は、特に制限されないが、シークワーシャー果実及び/又は葉等:有機溶媒の比(重量比)は好ましくは1:0.5〜1:100、より好ましくは1:1〜1:20である。
【0031】
抽出の方法は特に制限されないが、例えば、シークワーシャー果実及び/又は葉等に有機溶媒を加えて、好ましくは5分〜3時間撹拌抽出した後、濾過又は遠心分離等の固液分離手段により液層を採取する方法が挙げられる。
【0032】
また、抽出後、又は乾燥工程の前に、ポリメトキシフラボノイドを水可溶化する包接剤を添加することが好ましい。このような包接剤は、水可溶化性の向上、消化吸収性の向上、又は風味改善の効果が期待される。また、包接剤としては、例えば、シクロデキストリン等の包接化合物を用いることが好ましい。包接剤の量は、シクロデキストリンの場合は、得られるシークワーシャー抽出物の固形物とシクロデキストリンの合計量に対して好ましくは0.1〜95質量%、より好ましくは1〜90質量%である。
【0033】
本発明のシークワーシャー抽出物は、超臨界抽出法によって製造することも可能である。具体的には、例えば、シークワーシャーの果実及び/又は葉部分を冷凍後に破砕したもの、又はシークワーシャーの果実及び/又は葉部分を凍結乾燥又は熱風乾燥して粉末状にしたものを、以下の(a)〜(d)の条件に基づいて、超臨界抽出法によって製造することができる。
【0034】
(a)抽出溶媒が二酸化炭素(炭酸ガス)であること、
(b)抽出温度が31.1〜120℃、好ましくは40〜100℃、特に好ましくは60〜80℃であること、
(c)圧力が7.38〜60MPa、好ましくは20〜40MPa、特に好ましくは25〜35MPaであること、
(d)抽出時間が5〜70分、好ましくは10〜50分、特に好ましくは20〜30分であること。
【0035】
なお、前記抽出流体としては、シークワーシャー果実及び/又は葉等の抽出効率を改善する観点からは、超臨界プロパン、超臨界エチレン、超臨界1,1,1,2-テトラフルオロエタンなどを使用することも可能であるが、飲食品としての安全性を向上させる観点からは、二酸化炭素(炭酸ガス)を使用することが好ましい。また、抽出温度としては、31.1℃〜120℃の温度範囲で適宜選択することが可能であるが、抽出効率を改善し、かつポリメトキシフラボノイド、特にノビレチン及び/又はタンゲレチンの含有量を高めるためには、40〜100℃の範囲が好ましく、60〜80℃の範囲がさらに好ましい。また、圧力としては、7.38〜60MPaの範囲が好ましく、20〜40MPaの範囲がさらに好ましい。また、本発明においては、抽出効率を改善する観点からは、エタノール、水等をエントレーナーとして使用しても良い。
【0036】
抽出時間は、温度や圧力によって適宜設定すればよいが、好ましくは10〜50分、さらに好ましくは20〜30分の範囲が挙げられる。
抽出操作は、市販の装置を用いて行うことができる。
【0037】
本発明のシークワーシャー抽出物は、亜臨界抽出法によって製造することも可能である。具体的には、例えば、シークワーシャーの果実又は葉部分を冷凍後に破砕したもの、又はシークワーシャーの果実又は葉部分を凍結乾燥又は熱風乾燥して粉末状にしたものを、以下の(a)〜(d)の条件に基づいて、亜臨界抽出法によって製造することができる。
【0038】
(a)抽出溶媒が水であること、
(b)抽出温度が140〜374℃、好ましくは140〜180℃であること、
(c)圧力が3〜22MPa、好ましくは3〜10MPaであること、
(d)抽出時間が0〜10分、好ましくは0〜5分であること。
【0039】
なお、抽出時間0分とは、抽出開始から目的の抽出温度まで上げた直後に、冷却して温度を抽出開始温度に下げることを意味する。
【0040】
亜臨界抽出法で用いる流体としては、例えば、水、二酸化炭素が挙げられるが、飲食品としての安全性を向上させる観点からは、水を使用することが好ましい。
【0041】
抽出温度は、抽出流体として水を用いる場合は、140〜374℃の温度範囲で適宜選択することが可能であるが、抽出効率を改善し、かつポリメトキシフラボノイド、特にノビレチン及び/又はタンゲレチンの含有量を高めるためには、140〜180℃の範囲が好ましい。また、圧力は、抽出流体として水を用いる場合は、3〜10MPaの範囲が好ましい。
【0042】
抽出時間は、温度や圧力によって適宜設定すればよいが、好ましくは0〜10分、さらに好ましくは0〜5分の範囲が挙げられる。
抽出操作は、市販の装置を用いて行うことができる。
【0043】
上記のようにして、水、有機溶媒、又は有機溶媒の含水物を用いた抽出法、又は超臨界抽出法もしくは亜臨界抽出法により得られる抽出物のノビレチン、及びタンゲレチンの収量は、シークワーシャー果実及び又は葉等の重量に対し、各々、通常約0.001質量%から約3質量%、及び約0.0001質量%から約2質量%である。
【0044】
上記のようにして得られるシークワーシャー抽出物は、固形物換算で0.1質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、特に好ましくは10質量%以上のポリメトキシフラボノイドを含有する。また、このようなシークワーシャー抽出物は、固形物換算0.07質量%以上で、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、更に好ましくは0.7質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、特に好ましくは6質量%以上のノビレチン、及び/又は、固形分換算で0.04質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、特に好ましくは3質量%以上のタンゲレチンを含む。
「固形物換算で」とは、「固形物(固形分)の量として」と同義である。また、薬剤又は食品等が、シークワーシャー抽出物、ポリメトキシフラボノイド、ノビレチン、又はタンゲレチンを、「固形物換算でX%以上含む」との文言は、薬剤又は食品の固形物に対するシークワーシャー抽出物中の固形物、ポリメトキシフラボノイド、ノビレチン、又はタンゲレチンの量がX%であることを意味する。
【0045】
抽出物は、そのまま又は濃縮したものを使用してもよく、溶媒を一部又は完全に除去してもよい。なお、濃縮や溶媒の除去については、各種クロマトグラフィー法、蒸留、乾固、再結晶等の方法により実施することができる。特に、医薬品又は飲食品に含まれることが好ましくない有機溶媒、例えばメタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、アセトン、ヘキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル等は、除去することが好ましい。また、ポリメトキシフラボノイド、特にノビレチン及び/又はタンゲレチンの含有量が高くなるように、抽出物を分画してもよい。ノビレチン及び/又はタンゲレチン等のポリメトキシフラボノイドの含有量は、HPLC等により測定することができる。
【0046】
上記のようなシークワーシャー抽出物、又はポリメトキシフラボノイドは、そのままIGF-1産生促進剤(以下、「本発明の薬剤」とも記載する)、または飲食品もしくは飼料の有効成分として利用することが可能である。シークワーシャー抽出物、又はポリメトキシフラボノイドは、溶液であってもよく、常法により凍結乾燥または噴霧乾燥して粉末として保存、使用することもできる。
【0047】
本発明の薬剤は、一態様として、医薬又はその有効成分として利用することができる。本発明の薬剤は、シークワーシャー抽出物をそのまま、又はポリメトキシフラボノイド、又はノビレチン、及び/又はタンゲレチン、若しくはこれらを製剤学的に許容される製剤担体と組み合わせて、経口的にヒトを含む哺乳動物に投与することができる。
【0048】
本発明の薬剤の製剤形態は特に限定されず、錠剤(糖衣錠、腸溶性コーティング錠、バッカル錠を含む)、散剤、カプセル剤(腸溶性カプセル、ソフトカプセルを含む。)、顆粒剤(コーティングしたものを含む。)、丸剤、トローチ剤、封入リポソーム剤、液剤、又はこれらの製剤学的に許容され得る徐放製剤等を例示することができる。製剤化にあたっては製剤成分として通常の経口薬剤に汎用される、担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、界面活性剤、溶剤等の添加剤を使用できる。
【0049】
また、本発明の効果を損なわない限り、シークワーシャー抽出物、又はポリメトキシフラボノイドと、公知の、もしくは将来的に見出されるIGF-1産生促進作用、又はたんぱく質合成促進作用を有する薬剤、又は医薬組成物、公知の、もしくは将来的に見出される筋萎縮抑制効果を有する薬剤、又は医薬組成物とを併用してもよい。併用する医薬組成物は、本発明の薬剤中に有効成分の一つとして含有させてもよいし、本発明の薬剤中には含有させずに別個の薬剤として組み合わせて商品化してもよい。
【0050】
上記の製剤に用いる担体及び賦形剤としては、乳糖、ブドウ糖、白糖、マンニトール、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末等を、結合剤としては例えば澱粉、ゼラチン、シロップ、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を、それぞれ例示することができる。
【0051】
また、崩壊剤としては、澱粉、寒天、ゼラチン末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、及びアルギン酸ナトリウム等を例示することができる。
【0052】
更に、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、水素添加植物油、及びマクロゴール等、着色剤としては医薬品に添加することが許容されている赤色2号、黄色4号、及び青色1号等を例示することができる。
【0053】
錠剤及び顆粒剤は、必要に応じ、白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、精製セラック、ゼラチン、ソルビトール、グリセリン、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、フタル酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート、及びメタアクリル酸重合体等により被膜することもできる。
【0054】
本発明の一態様は、IGF-1産生促進用の医薬の製造における、ポリメトキシフラボノイド、又はポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物の使用である。また、本発明の他の態様は、IGF-1産生促進に用いられるポリメトキシフラボノイド、又はポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物である。また、本発明の他の態様は、ポリメトキシフラボノイド、又はポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物を動物に投与する、IGF-1産生促進法である。これらの態様において、シークワーシャー抽出物は、0.3質量%以上のポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物である。
【0055】
本発明の薬剤中に含まれるポリメトキシフラボノイド、又はポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物の量は、特に限定されず適宜選択すればよいが、例えば、ポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物を用いる場合は、シークワーシャー抽出物中の固形物の量として、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、特に好ましくは10質量%以上とするのがよい。あるいは、薬剤中に含まれるシークワーシャー抽出物の量は、ポリメトキシフラボノイド含有量として、好ましくは固形分換算で0.1質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、特に好ましくは10質量%以上とするのがよい。シークワーシャー抽出物の含有量の上限は特に制限されないが、シークワーシャー抽出物中の固形物の量として、例えば95質量%以下、90質量%以下、又は50質量%以下、あるいは、ポリメトキシフラボノイドの量として、例えば95質量%以下、80質量%以下、60質量%以下、又は40質量%以下であってよい。
【0056】
また、ポリメトキシフラボノイドを用いる場合は、薬剤中に含まれるポリメトキシフラボノイドの量は、固形物換算で0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.6質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、特に好ましくは10質量%以上とするのがよい。ポリメトキシフラボノイドの含有量の上限は特に制限されないが、例えば95質量%以下、80質量%以下、60質量%以下、40質量%以下、又は30質量%以下であってよい。
【0057】
また、ポリメトキシフラボノイドとしてノビレチンを用いる場合は、薬剤中に含まれるノビレチンの量は、固形物換算で0.0007質量%以上、好ましくは0.07質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、特に好ましくは5質量%以上とするのがよい。ノビレチンの含有量の上限は特に制限されないが、例えば95質量%以下、70質量%以下、50質量%以下、30質量%以下、又は10質量%以下であってよい。
【0058】
また、ポリメトキシフラボノイドとしてタンゲレチンを用いる場合は、薬剤中に含まれるタンゲレチンの量は、固形物換算で0.0004質量%以上、好ましくは0.04質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上とするのがよい。タンゲレチンの含有量の上限は特に制限されないが、例えば95質量%以下、70質量%以下、50質量%以下、30質量%以下、又は10質量%以下であってよい。
【0059】
ノビレチン、タンゲレチン、又は他のポリメトキシフラボノイド等、複数種のポリメトキシフラボノイドを用いる場合は、薬剤中の含有量は、上記範囲に応じて適宜設定すればよい。例えば、ポリメトキシフラボノイドとしてノビレチン及びタンゲレチンの両方を用いる場合は、薬剤中に含まれるこれらの化合物の量は、少なくとも一方が上記範囲を満たしていればよいが、両方の化合物が上記範囲を満たしていることが好ましい。
【0060】
本発明の薬剤は、IGF-1産生促進作用を有する。IGF-1は中枢神経疾患(アルツハイマー病などの認知症など)、心血管系疾患(心筋梗塞、脳梗塞、高血圧など)、代謝異常疾患(肥満、糖尿病、脂質異常症など)、消化器、内臓疾患(潰瘍、肝機能低下など)、運動器疾患(関節リウマチ、関節炎など)、皮膚化領域疾患(皮膚老化、脱毛など)、免疫賦活作用(NK細胞活性化など)など、多岐に亘り関与することが知られている(特開2011−157345号)。
【0061】
本発明の薬剤により、成人の成長ホルモン分泌不全症、成長ホルモン分泌不全性低身長症、中枢神経疾患(アルツハイマー病などの認知症など)(Cell Mol Neurobiol. 2010 Apr; 30(3): 347-60、Brain Res. 2009 Dec 15; 1303: 179-94)、心血管系疾患(心筋梗塞、脳梗塞、高血圧など)(Clin Endocrinol (Oxf). 2005; 63: 470-476、Circulation. 2004; 110: 2260-2265)、代謝異常疾患(肥満、糖尿病、脂質異常症など)(Brain Res. 2009 Dec 15; 1303: 179-94)、消化器、内臓疾患(潰瘍、肝機能低下など)(J. Surg. Res., 2008; 145: 279-286)、運動器疾患(関節リウマチ、関節炎、サルコペニアなど)(Int J Biochem Cell Biol. 2005 Oct; 37(10): 1974-84)、皮膚化領域疾患(皮膚老化、脱毛など)(Ann Dermatol. 2012 Feb; 24(1): 26-31)などの改善、及び、免疫賦活(NK細胞活性化など)等に使用できる。例えば、IGF-1のレベル上昇による内臓脂肪の低下、抗老化や疾病予防、治療などへの応用としての利用が考えられる。
【0062】
また、本発明の薬剤は、IGF-1産生促進作用を介して、たんぱく質合成促進作用を有する。本発明のIGF-1産生促進剤は、好ましい形態では、たんぱく質合成促進のために用いられる。したがって、本明細書において、「IGF-1産生促進作用」、及び「IGF-1産生促進剤」は、各々「たんぱく質合成促進作用」、及び「たんぱく質合成促進剤」と読み替えることができる。
【0063】
本発明の薬剤は、たんぱく質合成促進作用により、スポーツパフォーマンスの向上、成長促進、ボディビル等による体格強化、新陳代謝の促進、筋肉の増強、筋萎縮からの回復等への利用が考えられる。
本発明のIGF-1産生促進剤、特にたんぱく質合成促進のために用いられるIGF-1産生促進剤は、筋萎縮抑制剤としての用途を除くものであることが好ましい。なお、前記の筋萎縮とは、筋線維数の減少および筋線維の容積の減少により筋量が減少する状態を指すものである。
【0064】
本発明の薬剤の投与時期は特に限定されず、投与対象の状態に応じて適宜選択することが可能である。
【0065】
本発明の薬剤の投与量は、投与対象の年齢、性別、状態、その他の条件等により適宜選択される。シークワーシャー抽出物中の固形物の量(mg)として、1日あたり体重1kgあたりで、好ましくは0.01〜500(mg/kg/日)、より好ましくは、1〜250(mg/kg/日)での範囲となる量を目安とするのが良い。
【0066】
なお、シークワーシャー抽出物中の固形物に含まれるポリメトキシフラボノイド換算量(mg)として、1日あたり体重1kgあたり、0.03(mg/kg/日)以上、好ましくは0.3(mg/kg/日)以上、より好ましくは3(mg/kg/日)以上、特に好ましくは30(mg/kg/日)以上となる量を目安として投与することがよい。この場合、上限は150(mg/kg/日)以下、好ましくは120(mg/kg/日)以下、より好ましくは90(mg/kg/日)以下、特に好ましくは60(mg/kg/日)以下とするのがよい。
【0067】
また、本発明の薬剤の投与量は、ポリメトキシフラボノイドの量(mg)として、1日あたり体重1kgあたり、0.03(mg/kg/日)以上、好ましくは0.3(mg/kg/日)以上、より好ましくは3(mg/kg/日)以上、特に好ましくは30(mg/kg/日)以上となる量を目安とするのが良い。投与量の上限は150(mg/kg/日)以下、好ましくは120(mg/kg/日)以下、より好ましくは90(mg/kg/日)以下、特に好ましくは60(mg/kg/日)以下とするのがよい。
【0068】
またノビレチンの量(mg)としては、1日あたり体重1kgあたり、0.02(mg/kg/日)以上、好ましくは0.2(mg/kg/日)以上、より好ましくは2(mg/kg/日)以上、特に好ましくは20(mg/kg/日)以上となる量を目安とするのが良い。投与量の上限は90(mg/kg/日)以下、好ましくは72(mg/kg/日)以下、より好ましくは54(mg/kg/日)以下、特に好ましくは36(mg/kg/日)以下とするのがよい。
【0069】
またタンゲレチンの量(mg)としては、1日あたり体重1kgあたり、0.01(mg/kg/日)以上、好ましくは0.1(mg/kg/日)以上、より好ましくは1(mg/kg/日)以上、特に好ましくは10(mg/kg/日)以上となる量を目安とするのが良い。投与量の上限は60(mg/kg/日)以下、好ましくは48(mg/kg/日)以下、より好ましくは36(mg/kg/日)以下、特に好ましくは24(mg/kg/日)以下とするのがよい。
【0070】
また、投与期間が長い場合、例えば1ヶ月から数ヶ月、又はそれ以上の場合は、薬剤の投与量は上記範囲の1/10〜1/100程度でも効果が期待できる。
投与期間にかかわらず、薬剤は1日1回又は複数回に分けて投与することができる。
【0071】
本発明の薬剤、又はその有効成分であるシークワーシャー抽出物、若しくはポリメトキシフラボノイドは、飲食品(飲料又は食品)に含有させることもできる。
【0072】
また、ポリメトキシフラボノイド、若しくはポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物、又は本発明の薬剤を有効成分として飲食品に含有させ、IGF-1産生促進剤の一態様として、IGF-1産生促進作用を有する飲食品として加工することも可能である。
【0073】
飲食品としては、ポリメトキシフラボノイド、又はシークワーシャー抽出物の効果を損なわず、経口摂取できるものであれば形態や性状は特に制限されず、ポリメトキシフラボノイド、又はシークワーシャー抽出物を含有させること以外は、通常飲食品に用いられる原料を用いて通常の方法によって製造することができる。
【0074】
上記のような食品としては、液状、ペースト状、ゲル状固体、粉末等の形態を問わず、錠菓、流動食等のほか、例えば、パン、マカロニ、スパゲッティ、めん類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品;即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席スープ・シチュー、即席みそ汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズ・ドライ食品、その他の即席食品等の即席食品類; 農産缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物、煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)等の農産加工品; 水産缶詰め、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、つくだ煮類等の水産加工品;畜産缶詰め・ペースト類、畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品;加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料類、チーズ、アイスクリーム類、調製粉乳類、クリーム、その他の乳製品等の乳・乳製品;バター、マーガリン類、植物油等の油脂類;しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類等の基礎調味料;調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類、その他の複合調味料等の複合調味料・食品類;素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品等の冷凍食品;キャラメル、キャンディー、チューインガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、米菓子、豆菓子、デザート菓子、ゼリー、その他の菓子などの菓子類;炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等の嗜好飲料類、ベビーフード、ふりかけ、お茶潰けのり等のその他の市販食品等;育児用調製粉乳;経腸栄養食;機能性食品(特定保健用食品、栄養機能食品)等が挙げられる。
【0075】
さらに、ポリメトキシフラボノイド、若しくはポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物、又は本発明の薬剤を有効成分として飼料中に含有させ、IGF-1産生促進剤の一態様として、IGF-1産生促進作用を有する飼料として加工することも可能である。
飼料の形態としては特に制限されず、例えば、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦、マイロ等の穀類;大豆油粕、ナタネ油粕、ヤシ油粕、アマニ油粕等の植物性油粕類;フスマ、麦糠、米糠、脱脂米糠等の糠類;コーングルテンミール、コーンジャムミール等の製造粕類;魚粉、脱脂粉乳、ホエイ、イエローグリース、タロー等の動物性飼料類;トルラ酵母、ビール酵母等の酵母類;第三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の鉱物質飼料;油脂類;単体アミノ酸;糖類等を配合することにより製造できる。飼料の形態としては、例えば、ペットフード、家畜飼料、養魚飼料等が挙げられる。
【0076】
本発明の飲食品(飼料を含む)中に含まれるポリメトキシフラボノイド、又はシークワーシャー抽出物の量は、特に限定されず適宜選択すればよいが、例えば、ポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物を用いる場合は、シークワーシャー抽出物中の固形物の量として、1質量%以上とするのがよい。
あるいは、飲食品中に含まれるシークワーシャー抽出物の量は、ポリメトキシフラボノイド含有量として0.3質量%以上、好ましくは0.6質量%以上、より好ましくは3質量%以上、特に好ましくは10質量%以上とするのが良い。シークワーシャー抽出物の含有量の上限は特に制限されないが、シークワーシャー抽出物中の固形物の量として、例えば95質量%以下、50質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、又は10質量%以下、あるいは、ポリメトキシフラボノイドの量として、例えば95質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、又は40質量%以下であってよい。
【0077】
また、ポリメトキシフラボノイドを用いる場合は、飲食品中に含まれるポリメトキシフラボノイドの量は、固形物換算で、0.3質量%以上、好ましくは0.6質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、特に好ましくは10質量%以上とするのが良い。ポリメトキシフラボノイドの含有量の上限は特に制限されないが、例えば95質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、又は40質量%以下であってよい。
【0078】
また、ノビレチンを用いる場合は、飲食品中に含まれるノビレチンの量は、固形物換算で、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、特に好ましくは5質量%以上とするのが良い。ノビレチンの含有量の上限は特に制限されないが、例えば95質量%以下、70質量%以下、50質量%以下、30質量%以下、又は10質量%以下であってよい。
【0079】
また、タンゲレチンを用いる場合は、飲食品中に含まれるタンゲレチンの量は、固形物換算で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上とするのが良い。タンゲレチンの含有量の上限は特に制限されないが、例えば95質量%以下、70質量%以下、50質量%以下、30質量%以下、又は10質量%以下であってよい。
【0080】
また、本発明の飲食品とともに、乳たんぱく質(カゼイン)、乳清たんぱく質(ホエイ)、大豆たんぱく質、乳清ペプチド、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)、HMB、グルタミン、アルギニン、オルニチン、シトルリン、クレアチン、カルニチン、核酸(DNA、RNA)、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、亜鉛、マグネシウム、各種ポリメトキシフラボノイド、各種ポリフェノール等の成分を摂取すると、より高いIGF-1産生促進効果が得られることが期待される。これらの成分は、本発明の飲食品に配合してもよい。
【0081】
また、本発明の飲食品(飼料を含む)は、単回摂取あたり、シークワーシャー抽出物を、固形物換算で5mg以上、好ましくは18mg以上、より好ましくは180mg以上含むことが望ましい。
【0082】
また、本発明の飲食品(飼料を含む)は、単回摂取あたり、ポリメトキシフラボノイドを、固形物換算で1.8mg以上、好ましくは18mg以上、より好ましくは180mg以上含むことが望ましい。
【0083】
また、本発明の飲食品(飼料を含む)は、単回摂取あたり、ノビレチンを、固形物換算で1.2mg以上、好ましくは12mg以上、より好ましくは120mg以上含むことが望ましい。
【0084】
また、本発明の飲食品(飼料を含む)は、単回摂取あたり、タンゲレチンを、固形物換算で0.6mg以上、好ましくは6mg以上、より好ましくは60mg以上含むことが望ましい。
【実施例】
【0085】
以下に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0086】
〔実施例1〕
運動負荷条件下のマウスにおいて、シークワーシャー抽出物による、IGF-1産生促進の効果を評価した。
使用したシークワーシャー抽出物(市販品、アークレイ社製)は、シークワーシャー果実の絞りかすから含水エタノールで抽出した抽出物に包接剤としてシクロデキストリンを添加したものであり、通常の仕様では以下の組成を有する。
【0087】
固形物 92質量%以上
シクロデキストリン 50質量%
ポリメトキシフラボノイド 10質量%以上
【0088】
下記実験に用いたシークワーシャー抽出物(シクロデキストリンを含む)中のノビレチン含有量は6.9質量%、タンゲレチン含有量は3.4質量%であった。
【0089】
雄性C57BL/6Jマウス(10週齢)を1週間予備飼育し、3群(対照群;Cont、運動群;Run、運動+シークワーシャー抽出物投与群;Run+SE)に群分けした(Cont群、Run+SE群 n=8、Run群 n=7)。
【0090】
Run群、Run+SE群には、2週間のトレッドミル運動馴化期間(頻度:3日/週、段階的に運動負荷増加:勾配5→20%、速度5→20m/分、時間30→60分/日)を設定し、その後、10週間の運動負荷(勾配20%、20m/分、60分/日、5日/週)を実施した。
【0091】
同時に、Cont群、Run群のマウスには、標準餌AIN-93M(日本クレア株式会社製)を、Run+SE群にはAIN-93Mにシークワーシャー抽出物を1質量%の割合で添加した飼料を、運動馴化期間を含め、12週間給餌(経口自由摂取)した。
【0092】
飼料変更後から12週後にマウスを解剖に供し、肝臓、および血清の採取を行った。肝臓中のIGF-1 mRNAの発現量、及び、血清中のIGF-1の濃度を、各々リアルタイムPCR、及びELISA法により測定した。
【0093】
採取した肝臓組織をRNA later(Ambion社製、組織用RNA安定化溶液)に浸漬し、4℃で一晩静置、その後-20℃にて保管を行った。肝臓組織からQIAGEN社のRNeasy kitを用いてmRNA抽出を行い、Applied Biosystems社製のサーマルサイキュラー(Verti)及びHigh Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Applied Biosystems社製)を用いて逆転写を行いcDNAを得た。このcDNAを、IGF-1 cDNAを増幅するためのプライマー(Assay ID Mm004395960_ml:Applied Biosystems社製)と、Applied Biosystems社製のリアルタイムPCR装置(7500 Fast Real-Time PCR system)及びTaqMan Gene Expression Assay(Applied Biosystems社製)を用いてリアルタイムPCRを行うことにより、IGF-1 mRNA発現量の測定を行った。
各kitに添付されているプロトコル及び各装置に登録されている一般的な条件を用いて測定を実施した。遺伝子発現量は、Cont群を1として、相対的に定量解析した。統計処理は、いずれも、Tukey検定又はTukey-kramer検定を用いて統計学的な有意差を検定した。
また、血清IGF-1濃度の測定は、RSD社製のIGF-1 ELISA kitを用い、プロトコルに従って行った。
【0094】
運動負荷条件下のマウスにおけるシークワーシャー抽出物投与による肝臓IGF-1 mRNA発現量(AU)の変動を示す結果を表1、運動負荷条件下のマウスにおけるシークワーシャー抽出物投与による血清IGF-1濃度の変動を示す結果を表2にそれぞれ示す。
表1および表2におけるContは対照群、Runは運動群、Run+SEは運動+シークワーシャー抽出物投与群をそれぞれ表す。
【0095】
肝臓中のIGF-1mRNA発現量は、Cont群は1.00±0.27であるのに対し、Run群では1.23±0.30、Run+SE群では1.67±0.17であり、Run+SE群はRun群に比べて135.7%にまで増加した(p<0.05。ただし、S.D.は標準偏差を表す。)。このことから、ポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物の摂取により、肝臓においてIGF-1 mRNAの発現が促進されることが確認された。
【0096】
【表1】
【0097】
また、血清中のIGF-1濃度は、Cont群は101±56ng/mLであるのに対し、Run群では97±38ng/mL、Run+SE群では179±40ng/mLであり、Run+SE群はRun群に比べて184%にまで増加した(p=0.09。ただし、S.E.は標準誤差を表す。)。
以上より、ポリメトキシフラボノイドを含むシークワーシャー抽出物を摂取することにより、全身のIGF-1産生が促進されることが確認された。
【0098】
【表2】
【0099】
〔実施例2〕
2週間の尾懸垂により筋萎縮を誘導したマウスに対して、萎縮後の回復時におけるシークワーシャー抽出物、ポリメトキシフラボノイド、ノビレチン、タンゲレチンの摂取によるたんぱく質合成促進の効果を評価した。
【0100】
下記実験に用いたシークワーシャー抽出物は実施例1と同じものである。ポリメトキシフラボノイドはノビレチン67質量%、タンゲレチン33質量%の混合物を用いた。
【0101】
雄性C57BL/6Jマウス(10週齢)を1週間予備飼育し、6群(対照群;Cont、尾懸垂後標準餌投与群;Fix、尾懸垂後シークワーシャー抽出物投与群;Fix+SE、尾懸垂後ポリメトキシフラボノイド投与群;Fix+PMF、尾懸垂後ノビレチン投与群;Fix+NOB、尾懸垂後タンゲレチン投与群;Fix+TAN)に群分けした(Cont群、Fix群、Fix+SE群、Fix+PMF群、Fix+NOB群、Fix+TAN群 n=8)。
【0102】
予備飼育後、Fix群、Fix+SE群には、2週間の尾懸垂による筋萎縮誘導を行った。この期間は、3群とも標準餌AIN-93M(日本クレア株式会社製)を経口自由摂取させた。
【0103】
尾懸垂期間終了後、Cont群、Fix群にはAIN-93Mを、Fix+SE群にはAIN-93Mにシークワーシャー抽出物を1質量%の割合で添加した飼料を、Fix+PMF群にはAIN-93Mにポリメトキシフラボノイド(ノビレチン67質量%、タンゲレチン33質量%の割合で混合したもの。ノビレチン、タンゲレチンはいずれも東京化成工業社製)を0.1質量%の割合で添加した飼料を、Fix+NOB群にはAIN-93Mにノビレチン(東京化成工業社製)を0.07質量%の割合で添加した飼料、Fix+TAN群にはAIN-93Mにタンゲレチン(東京化成工業社製)を0.04質量%の割合で添加した飼料を、それぞれ3日間給餌(経口自由摂取)した。
【0104】
飼料変更後4日目にマウスを解剖に供し、血清IGF-1濃度、腓腹筋中のフォリスタチンmRNA発現量、腓腹筋中のIGF-1 mRNA発現量、及び腓腹筋中のp70S6K1のリン酸化(β+γ)割合を評価した。
フォリスタチンは、TGF-βファミリー(TGF-β、アクチビン、ミオスタチン等)に結合し、その活性を調節・抑制することが知られている。特にTGF-βには細胞増殖抑制作用、アクチビンには成長ホルモンの分泌抑制作用、ミオスタチンには幹細胞から脂肪細胞への分化に作用することが報告されており、フォリスタチンがこれらの作用を阻害することにより、たんぱく質合成を促進することが考えられる。したがって、フォリスタチンmRNA発現量は、たんぱく質合成のマーカーとなる。
また、p70S6K1のリン酸化割合は、たんぱく質合成のマーカーとなる。
【0105】
血清IGF-1濃度は実施例1と同様にして測定した。腓腹筋フォリスタチンmRNA発現量の測定は、ラットから後肢腓腹筋を摘出し、プライマーとしてAssay ID Mm00514982_ml:Applied Biosystems社製を使用した以外は実施例1と同様にして測定した。p70S6K1のリン酸化の測定は、SDS-PAGE後に、PVDF膜に転写し、一次抗体(p70S6 kinase α(C-18):Santa Cruz Biotechnology社製)、二次抗体(ECL Anti-Rabbit IgG)を結合させて、ECL Western blotting Analysis System(GE Healthcare Life Science社製)を用いた化学発光法により測定を行った。
【0106】
各測定結果を表3〜6に示す。
表3は、尾懸垂により筋萎縮を誘導したマウスにおける、筋萎縮回復時のシークワーシャー抽出物投与による血清IGF-1濃度の変動を示しており、表中のContは対照群、Fixは尾懸垂後、筋萎縮回復時の標準餌投与群、Fix+SEは尾懸垂後、筋萎縮回復時のシークワーシャー抽出物投与群をそれぞれ表す。
表4は、尾懸垂により筋萎縮を誘導したマウスにおける、筋萎縮回復時のポリメトキシフラボノイド投与によるフォリスタチンmRNA発現量の変動を示しており、Contは対照群、Fixは尾懸垂後、筋萎縮回復時の標準餌投与群、Fix+PMFは尾懸垂後、筋萎縮回復時のポリメトキシフラボノイド投与群をそれぞれ表す。
表5は、尾懸垂により筋萎縮を誘導したマウスにおける、筋萎縮回復時のノビレチン投与による腓腹筋中のIGF-1 mRNA発現量の変動を示しており、Contは対照群、Fixは尾懸垂後、筋萎縮回復時の標準餌投与群、Fix+NOBは尾懸垂後、筋萎縮回復時のノビレチン投与群をそれぞれ表す。
表6は、尾懸垂により筋萎縮を誘導したマウスにおける、筋萎縮回復時のタンゲレチン投与による腓腹筋中のp70S6K1のリン酸化割合の変動を示しており、Contは対照群、Fixは尾懸垂後、筋萎縮回復時の標準餌投与群、Fix+TAN:尾懸垂後、筋萎縮回復時のタンゲレチン投与群をそれぞれ表す。
【0107】
血清中のIGF-1濃度は、Cont群は252±78ng/mLであるのに対し、Fix群では294±42ng/mL、Fix+SE群では325±34ng/mLであり、Fix+SE群はFix群に比べて110.5%にまで増加した(表3)。このことから、萎縮からの回復過程では平常時よりもIGF-1濃度に増加がみられるが、シークワーシャー抽出物を摂取することにより、更にIGF-1濃度が上昇することが確認された。本試験では3日間の摂取であるため、Fix群とFix+SE群との間には有意差は得られなかったが、長期間の摂取を行うことにより、シークワーシャー抽出物がIGF-1産生促進作用、及びたんぱく質合成促進作用を示すことが出来ると考えられる。
【0108】
【表3】
【0109】
また、フォリスタチンmRNA発現量の測定結果は、Cont群は1.00±0.27であるのに対し、Fix群は1.10±0.20、Fix+PMF群は1.30±0.21であり、Fix+PMF群のフォリスタチンmRNA発現量は、Fix群に対し118%にまで増加していた(表4)。このことから、萎縮からの回復過程では平常時よりもフォリスタチンmRNA発現量に増加がみられるが、ポリメトキシフラボノイドを摂取することにより、更にフォリスタチンmRNA発現量が上昇することが確認された。本試験では3日間の摂取であるため、Fix群とFix+PMF群との間には有意差は得られなかったが、長期間の摂取を行うことにより、ポリメトキシフラボノイドがフォリスタチンmRNA発現促進作用、及びたんぱく質合成促進作用を示すことが出来ると考えられる。
【0110】
【表4】
【0111】
腓腹筋中のIGF-1 mRNA発現量の測定結果は、Cont群は1.00±0.13であるのに対し、Fix群は1.64±0.15、Fix+NOB群は1.75±0.40であり(表5)、Fix+NOB群のIGF-1 mRNA発現量は、Fix群に対し107%に増加していた。このことから、萎縮からの回復過程では平常時よりもIGF-1 mRNA発現量に増加がみられるが、ノビレチンを摂取することにより、更にIGF-1 mRNA発現量が上昇することが確認された。本試験では3日間の摂取であるため、Fix群とFix+NOB群との間には有意差は得られなかったが、長期間の摂取を行うことにより、ノビレチンがIGF-1産生促進作用、及びたんぱく質合成促進作用を示すことが出来ると考えられる。
【0112】
【表5】
【0113】
腓腹筋中のp70S6K1のリン酸化割合の測定結果は、Cont群は26.4±4.8であるのに対し、Fix群は42.8±10.2、Fix+TAN群は47.8±11.8であり(表6)、Fix+TAN群のp70S6K1リン酸化割合は、Fix群に対し112%に増加していた。このことから、萎縮からの回復過程では平常時よりもp70S6K1リン酸化割合に増加がみられるが、タンゲレチンを摂取することにより、更にp70S6K1リン酸化割合が上昇することが確認された。本試験では3日間の摂取であるため有意差は得られなかったが、長期間の摂取を行うことにより、タンゲレチンが、たんぱく質合成促進作用を示すことが出来ると考えられる。
【0114】
【表6】
【0115】
〔実施例3〕
2週間のギプス固定により筋萎縮を誘導したラットにおいて、シークワーシャー抽出物摂取によるたんぱく質合成促進の効果を評価した。
下記実験に用いたシークワーシャー抽出物は実施例1と同じものである。
【0116】
雄性SDラット(18ヵ月齢)を1週間予備飼育し、3群(対照群;Cont、後肢固定+標準餌投与群;Fix、後肢固定+シークワーシャー抽出物投与群;Fix+SE)に群分けした(Cont群、Fix群 n=7、Fix+SE群n=6)。
【0117】
Cont群、Fix群のラットには、標準餌AIN-93M(日本クレア株式会社製)を、Fix+SE群にはAIN-93Mにシークワーシャー抽出物を1質量%の割合で添加した飼料を、14日間給餌(経口自由摂取)した。
【0118】
14日間給餌後、それぞれの餌の摂取を継続し、Fix群、Fix+SE群には7日間のギプス固定処置を行い、筋萎縮を誘導した。
【0119】
ギプス固定開始後8日目にラットを解剖に供し、右後肢腓腹筋を摘出し、p70S6K1のリン酸化割合を実施例2と同様にして測定した。
【0120】
後肢固定により筋萎縮を誘導したラットにおけるシークワーシャー抽出物投与によるp70S6K1のリン酸化割合の変動を示す結果を表7に示す。表7におけるContは対照群、Fixは後肢固定+標準餌投与群、Fix+SEは後肢固定+シークワーシャー抽出物投与群をそれぞれ表す。
【0121】
腓腹筋中のp70S6K1のリン酸化の割合は、Cont群は26.3±1.9%であるのに対し、Fix群では23.3±0.8%、Fix+SE群では29.0±2.5%であり、Fix+SE群はFix群に比べて124.4%にまで増加した(p<0.05)。以上より、p70S6K1のリン酸化割合によっても、シークワーシャー抽出物に、たんぱく質合成の促進作用を有することが確認された。
【0122】
【表7】
【0123】
〔実施例4〕ゼリー食品
以下の原料を全て水に溶解、混合した後、シクロデキストリンで包接処理したノビレチンを溶解した。溶解液を、常法に従い殺菌、充填し、以下の配合のゼリー食品(1個100g)を製造した。得られたゼリー食品1個分のノビレチンの含有量は70mgである。本食品を1日に2個、長期間摂取することで、IGF-1産生促進作用を介したたんぱく質合成促進作用が示唆される結果が得られた。
【0124】
デキストリン(松谷化学工業社製) 25.0質量%
ホエイタンパク質(森永乳業社製) 12.5質量%
ゲル化剤(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.3質量%
クエン酸(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.2質量%
アスコルビン酸Na(DSMニュートリション社製) 0.1質量%
ノビレチン(東京化成工業社製) 0.07質量%
シクロデキストリン(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.07質量%
香料(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.02質量%
ビタミンD(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 5.0×10
−7質量%
水 61.74質量%
【0125】
〔実施例5〕飲料
以下の原料を全て水に溶解、混合した後、シクロデキストリンで包接処理したタンゲレチンを溶解した。溶解液を、常法に従い殺菌、充填し、以下の配合の飲料(1本350ml)を製造した。得られた飲料1本分のタンゲレチンの含有量は28mgである。本食品を1日に2本、長期間摂取することで、IGF-1産生促進作用を介したたんぱく質合成促進作用が示唆される結果が得られた。
【0126】
デキストリン(松谷化学工業社製) 7.0質量%
タンパク質加水分解物(森永乳業社製) 0.5質量%
クエン酸(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.2質量%
アスコルビン酸Na(DSMニュートリション社製) 0.2質量%
香料(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.02質量%
甘味料(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.01質量%
タンゲレチン(東京化成工業社製) 0.008質量%
シクロデキストリン(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.008質量%
水 92.054質量%
【0127】
〔実施例6〕錠菓
以下の配合の錠菓を常法により打錠して、1粒250mgの錠菓を製造した。得られた錠菓1g中のシークワーシャー抽出物含有量は、60mgである。本原料に使用したシークワーシャー抽出物のポリメトキシフラボノイド含有量は10%以上であることから、ポリメトキシフラボノイド含有量としては、錠菓1gあたり6mg程度である。本食品を1日16粒、長期間摂取することで、IGF-1産生促進作用を介したたんぱく質合成促進作用が示唆される結果が得られた。
【0128】
粉あめ(昭和産業社製) 86.0質量%
シークワーシャー抽出物(アークレイ社製) 6.0質量%
クエン酸(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 4.0質量%
香料(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 2.0質量%
乳化剤(花王社製) 2.0質量%
【0129】
〔実施例7〕チュアブル錠
以下の配合のチュアブル錠を常法に従って製造して、1粒250mgのチュアブル錠を製造した。得られたチュアブル錠1g中のシークワーシャー抽出物含有量は、200mgである。本原料に使用したシークワーシャー抽出物のポリメトキシフラボノイド含有量は10%以上であることから、ポリメトキシフラボノイド含有量としては、チュアブル錠1gあたり20mg程度である。本食品を1日4粒、長期間摂取することで、IGF-1産生促進作用を介したたんぱく質合成促進作用が示唆される結果が得られた。
【0130】
エリスリトール(三菱化学フーズ社製) 68.0質量%
シークワーシャー抽出物(アークレイ社製) 20.0質量%
クエン酸(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 7.0質量%
タルク(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 3.0質量%
香料(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 2.0質量%
【0131】
〔実施例8〕経腸栄養剤(濃厚流動食)
カゼイン、難消化性デキストリンを温湯にて溶解した後、デキストリン、ミネラル混合物、ビタミン混合物、シクロデキストリンで包接したノビレチンを混合し、乳化剤とともに大豆油を加え、均質化した。溶液は、常法に従い殺菌、充填し、以下の配合の経腸栄養剤を製造した。なお、下記のミネラル混合物、ビタミン混合物は表8に示した量を混合した。得られた経腸栄養剤1000mlあたりのノビレチン含有量は46mgである。本食品を1日1000ml、長期間摂取することで、IGF-1産生促進作用を介したたんぱく質合成促進作用が示唆される結果が得られた。
【0132】
デキストリン(松谷化学工業社製) 15.0質量%
カゼインナトリウム(森永乳業社製) 4.0質量%
大豆油(太陽油脂社製) 3.0質量%
難消化性デキストリン(松谷化学工業社製) 1.0質量%
ミネラル混合物 0.3質量%
乳化剤(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.05質量%
ビタミン混合物 0.02質量%
香料(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.01質量%
ノビレチン(東京化成工業社製) 0.0046質量%
シクロデキストリン (三栄源エフ・エフ・アイ社製) 0.0046質量%
水 76.6108質量%
【0133】
【表8】
【0134】
〔実施例9〕焼成菓子
以下の配合の焼成菓子を常法に従って製造した。得られた食品一食分(50g)のポリメトキシフラボノイドの含有量は55mgである。本食品の摂取によりたんぱく質合成促進効果が見られた。本食品を1日一食分を長期間摂取することで、IGF-1産生促進作用を介したたんぱく質合成促進作用が示唆される結果が得られた。
【0135】
グラニュー糖(日新製糖社製) 30.0質量%
小麦粉(三栄源エフ・エフ・アイ社製) 30.0質量%
バター(森永乳業社製) 15.0質量%
全卵ソース(太陽化学社製) 10.0質量%
ホエイペプチド(森永乳業社製) 9.0質量%
カゼインナトリウム(タツア・ジャパン社製) 4.5質量%
シークワーシャー抽出物(アークレイ社製) 1.1質量%
ビタミンミックス(理研ビタミン社製) 0.2質量%
グルコン酸亜鉛(オリエンタル酵母社製) 0.1質量%
グルコン酸銅(オリエンタル酵母社製) 0.09質量%
香料(長岡香料社製) 0.01質量%
ビタミンD(理研ビタミン社製) 5.0×10
−6質量%