(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131277
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】自動車選択的接触還元(SCR)システムのセンサ保持部およびアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F01N 3/00 20060101AFI20170508BHJP
F01N 3/08 20060101ALI20170508BHJP
F01N 13/00 20100101ALI20170508BHJP
F16L 37/14 20060101ALI20170508BHJP
F16L 53/00 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
F01N3/00 F
F01N3/08 B
F01N13/00 A
F16L37/14
F16L53/00 C
【請求項の数】19
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-560040(P2014-560040)
(86)(22)【出願日】2013年2月28日
(65)【公表番号】特表2015-515567(P2015-515567A)
(43)【公表日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】US2013028326
(87)【国際公開番号】WO2013130810
(87)【国際公開日】20130906
【審査請求日】2016年1月5日
(31)【優先権主張番号】61/604,379
(32)【優先日】2012年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503469175
【氏名又は名称】ノーマ・ユー・エス・ホールディング・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】NORMA U. S. HOLDING LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】リストフスキ,ボース
(72)【発明者】
【氏名】バーグハート,デイビッド・ロバート
【審査官】
稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−115533(JP,A)
【文献】
特開2002−004840(JP,A)
【文献】
特開2001−241584(JP,A)
【文献】
特表2010−512519(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/055295(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/131993(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00−3/38、13/00
F16L 37/14、53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車選択的接触還元(SCR)システムのセンサ保持部であって、前記保持部は、
第1のSCRラインから入る流体を受ける入口を有し、出る流体を第2のSCRラインへ導く出口を有し、前記入口と前記出口との間の通路を有する管と、
前記通路にアクセス可能な内部を有するチャンバとを備え、前記内部はSCRシステムのセンサを受け、前記チャンバは前記内部へ通じる開口を有し、前記保持部はさらに、
前記チャンバの前記開口において移動可能な部分を有するリテーナを備え、前記部分が前記開口内において前記内部へ向けて移動すると、前記部分は前記SCRシステムのセンサに当接し、前記SCRシステムのセンサを前記自動車SCRシステムのセンサ保持部内に保持し、前記部分が前記内部から離れる方向へ移動した場合、前記SCRシステムのセンサは前記自動車SCRシステムのセンサ保持部から解除することができる、保持部。
【請求項2】
前記入口は、前記通路に通じる開口を有し、前記出口は、前記通路に通じる開口を有し、前記自動車SCRシステムのセンサ保持部は、前記入口の前記開口内において移動可能な部分を有する入口リテーナをさらに備え、前記自動車SCRシステムのセンサ保持部は、前記出口の前記開口内において移動可能な部分を有する出口リテーナをさらに備える、請求項1に記載の自動車SCRシステムのセンサ保持部。
【請求項3】
前記第1のSCRラインから入る流体を受ける入口接続部をさらに備え、前記入口接続部は、前記管の前記入口内に挿入され、前記センサ保持部は、出る流体を前記第2のSCRラインに導く出口接続部をさらに備え、前記出口接続部は、前記管の前記出口内に挿入され、前記入口接続部は溝を有し、前記出口接続部は溝を有し、前記入口接続部が前記管の前記入口内に挿入された場合、前記入口リテーナの前記部分は前記入口の前記開口内で移動し、前記入口リテーナの前記部分は、前記入口接続部の前記溝に受けられ、前記入口リテーナが前記管の前記入口内に固定され、前記出口接続部が前記管の前記出口内に挿入された場合、前記出口リテーナの前記部分は前記出口の前記開口内で移動し、前記出口リテーナの前記部分は前記出口接続部の前記溝に受けられ、前記出口リテーナが前記管の前記出口内に固定される、請求項2に記載の自動車SCRシステムのセンサ保持部。
【請求項4】
前記通路は、前記入口と前記出口との間の範囲に沿って配置される湾曲部を有し、前記チャンバの前記内部は前記通路を流れる流体の流れに対する前記湾曲部の上流の位置で前記通路にアクセス可能である、請求項1に記載の自動車SCRシステムのセンサ保持部。
【請求項5】
前記入口または前記出口のうちの少なくとも一方は、その周りに巻かれる少なくとも1つの抵抗線を支持する少なくとも1つのリブを有する、請求項1に記載の自動車SCRシステムのセンサ保持部。
【請求項6】
前記チャンバは、前記SCRシステムのセンサを受けるために前記内部に通じる開上部を有する、請求項1に記載の自動車SCRシステムのセンサ保持部。
【請求項7】
前記チャンバは、前記通路において前記SCRシステムのセンサの一部を受けるために前記管の前記通路に対して開かれた開底部を有する、請求項1に記載の自動車SCRシステムのセンサ保持部。
【請求項8】
前記チャンバは、その外表面に配置される凹部を有し、前記リテーナは端部を有し、前記端部は、前記内部に向けて前記開口内を前記リテーナの前記部分が移動する前に前記凹部内に収容される、請求項1に記載の自動車SCRシステムのセンサ保持部。
【請求項9】
前記開口は、前記内部へ通じる第1の開口を含み、前記内部へ通じる第2の開口を含み、前記リテーナは、第1の脚部と第2の脚部とを有する線ばねであり、前記第1の脚部および前記第2の脚部は前記リテーナの前記部分を構成し、前記第1の脚部が前記第1の開口内において前記内部へ向けて移動し、前記第2の脚部が前記第2の開口内において前記内部へ向けて移動した場合、前記第1および第2の脚部は前記SCRシステムのセンサに当接し、前記SCRシステムのセンサを自動車SCRシステムのセンサ保持部内に保持し、前記第1および第2の脚部が前記内部から離れる方向に移動した場合、前記SCRシステムのセンサは自動車SCRシステムのセンサ保持部から解除することができる、請求項1に記載の自動車SCRシステムのセンサ保持部。
【請求項10】
前記線ばねは、前記第1および第2の脚部の間に延在するブリッジ部を有し、前記ブリッジ部は前記チャンバの前記内部の外側に配置され、前記線ばねが前記チャンバによって担持される場合にユーザによって外部から点検可能である、請求項9に記載の自動車SCRシステムのセンサ保持部。
【請求項11】
前記チャンバは、その外表面から延在するカバーを有し、前記リテーナは端部を有し、前記端部は、前記リテーナの前記部分が前記開口内において前記内部へ移動した後に概ね前記カバーの下方に配置される、請求項1に記載の自動車SCRシステムのセンサ保持部。
【請求項12】
前記管に熱を放出するために前記管の少なくとも一部の周りに少なくとも1つの抵抗線をさらに備える、請求項1に記載の自動車SCRシステムのセンサ保持部。
【請求項13】
前記SCRシステムのセンサは尿素品質センサである、請求項1に記載の自動車SCRシステムのセンサ保持部。
【請求項14】
自動車選択的接触還元(SCR)システムのアセンブリであって、前記アセンブリは、管と、チャンバと、加熱要素とを含む保持部を備え、前記管は、入口と、出口と、前記入口と前記出口との間の通路とを有し、前記チャンバは、前記通路にアクセス可能な内部を有し、前記内部はSCRシステムのセンサを受け、前記加熱要素は、前記管の少なくとも一部に熱を放出し、前記アセンブリはさらに、
前記管の前記入口内に挿入される入口接続部と、
前記管の前記出口内に挿入される出口接続部と、
前記入口接続部に接続される第1のSCRラインと、
前記出口接続部に接続される第2のSCRラインとを備える、アセンブリ。
【請求項15】
前記保持部の前記管を囲い、前記入口接続部を囲い、前記出口接続部を囲い、前記第1のSCRラインの部分を囲い、前記第2のSCRラインの部分を囲う、柔軟なカバーをさらに備える、請求項14に記載の自動車SCRシステムのアセンブリ。
【請求項16】
前記保持部は、前記保持部の前記内部に前記SCRシステムのセンサを解除可能に保持するために、相互接続構造を伴う迅速接続をさらに含む、請求項14に記載の自動車SCRシステムのアセンブリ。
【請求項17】
前記加熱要素は、前記管に熱を放出するために前記管の少なくとも一部の周りに巻かれる抵抗線である、請求項14に記載の自動車SCRシステムのアセンブリ。
【請求項18】
前記保持部は、前記管の前記入口において前記入口接続部を解除可能に固定するために相互接続構造を伴う第1の迅速接続を含み、前記管の前記出口において前記出口接続部を解除可能に固定するために相互接続構造を伴う第2の迅速接続を含む、請求項14に記載の自動車SCRシステムのアセンブリ。
【請求項19】
自動車選択的接触還元(SCR)システムのセンサ保持部であって、前記保持部は、
第1のSCRラインから入る流体を受ける入口を有し、出る流体を第2のSCRラインへ導く出口を有し、前記入口と前記出口との間の通路を有する管を備え、前記入口は、前記通路へ通じる第1の開口を有し、前記出口は前記通路へ通じる第2の開口を有し、前記保持部はさらに、
前記通路へアクセス可能な内部を有するチャンバを備え、前記内部はSCRシステムのセンサを受け、前記チャンバは、前記通路において前記SCRシステムのセンサの一部を受けるために前記管の前記通路に対して開かれた開底部を有し、前記チャンバは前記内部へ通じる第3の開口を有し、前記保持部はさらに、
前記管に熱を放出するために前記管の少なくとも一部の周りに配置される抵抗線と、
前記第1の開口内において移動可能な部分を有する第1のリテーナと、
前記第2の開口内において移動可能な部分を有する第2のリテーナと、
前記第3の開口内において移動可能な部分を有する第3のリテーナとを備える、センサ保持部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動車選択的接触還元(SCR)システムに関し、より特定的にはSCRラインアセンブリにおけるセンサの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ディーゼル機関を有する自動車には、エンジンの排気中の窒素酸化物(NO
x)の量を減らすために使用される選択的接触還元(SCR)排気処理システムが多くの場合に設けられる。一般的に、SCRシステムにおいては、NO
xを窒素および水に変換する化学反応を起こすために、尿素またはディーゼル排気流体(DEF)などの還元剤がエンジン排気流に注入される。タンク内に保持される還元剤の特性を感知するために、尿素品質センサなどのセンサがSCRシステムタンク内に設置される場合がある。尿素またはDEFを還元剤として使用する場合に直面する1つの難点は、この還元剤が−11℃周辺で凍結することから、タンク内に保存した場合に寒冷気候においてその特性を感知することが難しくなり得る点にある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本発明の局面に従えば、自動車選択的接触還元(SCR)システムのセンサ保持部が提供される。保持部は、管と、チャンバと、リテーナとを含む。管は、第1のSCRラインから入る流体を受ける入口を有するとともに、出る流体を第2のSCRラインへ導く出口を有する。管は、入口と出口との間に延在する通路も有する。チャンバは、SCRシステムセンサを受けるための通路にアクセス可能な内部を有する。チャンバは、内部へ通じる開口を有する。リテーナは、チャンバの開口において移動可能な部分を有する。この部分が開口内において内部へ向けて移動すると、この部分はSCRシステムのセンサに当接し、保持部内においてセンサを保持する。そして、この部分が内部から離れる方向へ移動すると、SCRシステムセンサが保持部から解除され得る。
【0004】
本発明の他の局面に従えば、自動車選択的接触還元(SCR)システムのアセンブリが提供される。アセンブリは、保持部と、入口接続部と、出口接続部と、第1のSCRラインと、第2のSCRラインとを含む。保持部は、管と、チャンバと、加熱要素とを含む。管は、入口と、出口と、入口と出口との間に延在する通路とを有する。チャンバは、通路にアクセス可能な内部を有し、内部はSCRシステムセンサを受ける。加熱要素は、管の一部またはそれ以上に対して熱を放出する。入口接続部は、管の入口内に挿入され、出口接続部は管の出口内に挿入される。第1のSCRラインは、入口接続部に接続され、第2のSCRラインは、出口接続部に接続される。
【0005】
本発明のさらに他の局面に従えば、自動車選択的接触還元(SCR)システムのセンサ保持部が提供される。保持部は、管と、チャンバと、抵抗線と、第1のリテーナと、第2のリテーナと、第3のリテーナとを含む。管は、第1のSCRラインから入る流体を受ける入口を有し、出る流体を第2のSCRラインに導くために出口を有し、入口と出口との間に延在する通路を有する。入口は、通路に通じる第1の開口を有し、出口は、通路に通じる第2の開口を有する。チャンバは、通路にアクセス可能な内部を有する。内部は、SCRシステムのセンサを受ける。チャンバは、通路内においてSCRシステムセンサの一部を受けるために、管の通路に対して開かれた開底部を有する。チャンバは、内部に通じる第3の開口をさらに有する。抵抗線は、管に対して熱を放出するために、管の一部またはそれ以上のまわりに配置される。第1のリテーナは、第1の開口内において移動することができる部分を有し、第2のリテーナは、第2の開口内において移動することができる部分を有し、第3のリテーナは、第3の開口内において移動することができる部分を有する。
【0006】
本発明の1つ以上の好ましい例示的な実施形態が添付の図面と関連付けて以下に記載され、この図面においては同様の名称が同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】自動車選択的接触還元(SCR)システムのアセンブリの一実施形態を示す断面図である。
【
図2】
図1のSCRシステムのアセンブリとともに使用され得る自動車SCRシステムのセンサ保持部の一実施形態を示す斜視図である。
【
図3】
図2のSCRシステムのセンサ保持部を示す側面図である。
【
図4】
図2の4−4線に沿ったSCRシステムのセンサ保持部を示す断面図である。
【
図5】
図4の5−5線に沿ったSCRシステムのセンサ保持部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
好ましい実施形態についての詳細な説明
図面を参照すると、
図1から
図5は、SCR排気処理システムのアセンブリ12において使用される、センサマニホールドとも呼ばれる自動車選択的接触還元(SCR)システムのセンサ保持部10の実施形態を示す。センサ保持部10は、迅速接続機能を有し得て、これにより、尿素品質センサなどのセンサ14がより容易にセンサ保持部内に挿入されてそこで保持され得るとともに、点検および交換のためにセンサ保持部から解除されて取り外され得る。センサ保持部10は、SCRシステムのタンクの下流かつSCRシステムの投与注入部の上流のSCRシステムのアセンブリ12において直列に(供給ラインまたは戻りライン)に置かれ、これによってSCRシステムのアセンブリにおける改造が容易となり得て、SCRシステムのタンクにおける既知の設置方法と比較して複雑さが低減され得る。寒冷気候における使用のために、保持部を通過する尿素などの還元剤に熱を放射するためにセンサ保持部10の周りに1つ以上の抵抗線が配置され得る。尿素を還元剤とし、尿素品質センサを有するものとして記載されているが、センサ保持部10は他の還元剤および他のタイプのセンサとともに使用され得る。
【0009】
SCRシステムのアセンブリ12は、尿素タンクと尿素投与注入部との間の少なくとも途中において、加圧尿素流体を運ぶ。SCRシステムのアセンブリ12は、他の考えられるものの中から車両における特定の用途に応じて、異なる設計、構成、および構成部品を有し得る。
図1の実施形態において、たとえば、SCRシステムのアセンブリ12は、センサ保持部10と、第1のSCRライン16と、入口接続部18と、第2のSCRライン20と、出口接続部22と、カバー24とを含む。第1のSCRライン16、または尿素ラインは、尿素タンクからセンサ保持部10へ尿素流体を運ぶ。センサ保持部10とは反対側の端部において、第1のSCRライン16は、尿素タンクへの接続を容易にするために結合部に嵌合され得る。軸方向および長手方向の範囲に沿って、第1のSCRライン16は、そこを通過する尿素流体に対して抵抗加熱によって熱を放出するために、その外表面に巻かれた、またはそれ以外の方法で外表面に配置される1つ以上の抵抗線を有し得る。終端26において、第1のSCRライン16は、入口接続部18に接続される。さらに
図1を参照すると、入口接続部18は、第1のSCRライン16とセンサ保持部10との間の液密接続を容易にする。第1のSCRライン16は、第1の端部28にしっかりと挿入され(たとえば、圧入)、入口接続部18の第2の端部30は、センサ保持部10に挿入される。第2の端部30は、勾配部分を有し得て、封止のためにガスケット32が設けられ得る。第1のSCRライン16からセンサ保持部10へ尿素流体を運ぶために、通路34が第1および第2の端部28,30の間に延在する。さらに、入口接続部18は、1つ以上の任意の抵抗線の配置を支持するために外表面から延在する1つ以上のリブ36を有し得て、入口接続部は、以下に記載のように入口リテーナの挿入を受けるために第1の溝38と第2の溝40とを有し得る。
【0010】
同様に、第2のSCRライン20または尿素ラインは、センサ保持部10から投与注入部へ尿素流体を運ぶ。センサ保持部10とは反対側の端部において、第2のSCRライン20は、投与注入部への接続を容易にするために結合部と嵌合され得る。軸方向および長手方向の範囲に沿って、第2のSCRライン20は、そこを通過する尿素流体に対する抵抗加熱によって熱を放出するために、その外表面に巻かれる、または他の方法によって配置される1つ以上の抵抗線を有し得る。終端42において、第2のSCRライン20は、出口接続部22に接続される。出口接続部22は、第2のSCRライン20とセンサ保持部10との間の液密接続を容易にする。第2のSCRライン20は、第1の端部44にしっかりと挿入され(たとえば、圧入)、出口接続部22の第2の端部46は、センサ保持部10に挿入される。第2の端部46は、勾配部分を有し得て、ガスケット48が封止のために設けられ得る。センサ保持部10から第2のSCRライン20へ尿素流体を運ぶために、通路50は、第1および第2の端部44,46の間に延在する。さらに、出口接続部22は、1つ以上の任意の抵抗線の配置を支持するために外表面から延在する1つ以上のリブ52を有し得て、出口接続部は、以下に記載のように出口リテーナの挿入を受けるために第1の溝54と第2の溝56とを有し得る。また、さらに
図1を参照すると、カバー24は、センサ保持部10の一部、入口接続部18の全体、および出口接続部22の全体を囲って保護する。また、カバー24は、第1のSCRライン16の終端26および第2のSCRライン20の終端42を囲って保護する。柔軟性のために、カバー24は、ゴムまたは他の柔軟な材料からなり得る。
【0011】
SCRシステムのセンサ保持部10は、第1および第2のSCRライン16,20と接続し、センサ保持部ならびに第1および第2のSCRラインの間を通過する尿素流体の品質を測定する位置に尿素品質センサ14を保持する。センサ保持部10は、他の考えられるものの中で、SCRシステムアセンブリ12における位置ならびにセンサ14のタイプおよび構成に応じて、異なる設計、構成、および構成部品を有し得る。
図1から
図5の実施形態において、センサ保持部10は、PA12 GF50などのプラスチック材料から一体的になり、センサ保持部は、管58と、チャンバ60と、リテーナ62と、1つ以上の抵抗線64とを含む。
図2から
図4を参照すると、管58は、入口接続部18の挿入を受け、入口接続部の勾配部分に対応する径方向に減少した部分を有する入口66を有する。入口66は、入口リテーナ72の一部を受けるために、特に入口リテーナの第1および第2の脚部をそれぞれ受けるために、その壁に規定される第1の開口68と第2の開口70とを有する。ひとたび第1および第2の開口68,70を通って移動すると、第1および第2の脚部は、それぞれ入口接続部18の第1および第2の溝38,40にそれぞれ受けられる。脚部、開口68および70、溝38および40、ならびにこれらの相互作用により、センサ保持部10と入口接続部18との間に迅速接続機能が付与される。より永続的な接続のために、脚部、開口68および70、ならびに溝38および40において入口66に対して成形材料が被せられ得る。
【0012】
同様に、管58は、出口接続部22の挿入を受け、出口接続部の勾配部分に対応するように径方向に減少した部分を有する出口74を有する。出口74は、出口リテーナ79の一部を受けるために、特に出口リテーナの第1および第2の脚部をそれぞれ受けるためにその壁に規定される第1の開口76と第2の開口78とを有する。ひとたび第1および第2の開口76,78を通って移動すると、第1および第2の脚部は、出口接続部22の第1および第2の溝54,56においてそれぞれ受けられる。脚部、開口76および78、溝54および56、ならびにこれらの相互作用により、センサ保持部10と出口接続部22との間に迅速接続機能が付与される。より永続的な接続のために、脚部、開口76および78、ならびに溝54および56において出口74に成形材料が被せられ得る。
【0013】
図1および
図4を参照すると、管58の通路80は、入口66と出口74との間を延在し、その間で尿素流体を運ぶ。通路80は、入口および出口接続部18,22の通路34,50と直接的に流体連通する。
図1に示されるように、通路80は、チャンバ60に対して開かれてアクセス可能であり、尿素品質センサ14の測定先端部は、尿素流体の特性を測定または感知するために、通過する尿素流体内に垂下または導入され得る。図面の実施形態において、管58は、長手方向の範囲において形成されるほぼ垂直な湾曲部82を有する。湾曲部82は、通路80がチャンバ60に対して開かれる位置の下流に配置される。ここで
図1から
図4を参照すると、管58は、抵抗線64の配置を支持するために第1のリブ84と第2のリブ86とを有し得る。第1のリブ84は、入口66に隣接する管58の外表面の周りを周方向に延在する連続的ならせん状の延在部であり得る、または他の構造および配置を有し得る。同様に、第2のリブ86は、出口74に隣接する管58の外表面の周りを周方向に延在する連続的ならせん状の延在部であり得る、または他の構造および配置を有し得る。
【0014】
チャンバ60は、尿素品質センサ14の挿入を受ける。チャンバ60は、考えられる他のものの中で、センサ14のタイプおよび構造に応じて、異なる設計、構成、および構成部品を有し得る。
図1から
図5の実施形態において、チャンバ60は、内部90を規定するチャンバ壁88を有する。内部90は、尿素品質センサ14の挿入に適合し、センサの形状に対応する空間を提供し、これによって異なるセンサのための異なる空間および形状が提供され得る。チャンバ壁88は、尿素品質センサ14を適切に収容するための一連の径方向に減少した部分を有する内表面92を有する。チャンバ60における尿素品質センサのガイドおよび案内を補助するために、第1および第2のスロット94,96が内表面92に設けられ、センサの対応する部分または構造を受ける。チャンバ60は、開上部98と、尿素品質センサ14の測定先端部が垂下し、通過する尿素流体内へ導入することができるように管58の通路80に対して開かれてアクセス可能な開底部100とを有する(
図1に示される)。さらに、第1および第2の開口102,104がチャンバ壁88に規定され、チャンバ壁を完全に貫通して内部90へ導かれる。第1および第2の開口102,104は、リテーナ62と相互作用し、以下により詳細に記載されるように、センサ保持部10と尿素品質センサ14との間に迅速接続機能を付与する。また、外表面106において、第1および第2の凹部108,110がリテーナ62における収容のために設けられ、第1および第2のカバー112,114がリテーナの一部を隠すために設けられる。
【0015】
リテーナ62は、チャンバ60と相互作用し、尿素品質センサ14がセンサ保持部10に容易に挿入されて保持され、その後に点検および交換のためにセンサ保持部を解除および取り外しできるように、迅速接続機能を付与する。リテーナ62は、チャンバ60の構成および設計、ならびにセンサ14のタイプおよび構成に応じて、考えられる他のものの中から異なる設計、構成、および構成部品を有することができる。
図2の実施形態において、リテーナ62は、内方向に付勢され、第1の脚部116と、第2の脚部118と、これらの間に延在するブリッジ部120とを有する一体のステンレス鋼ばねである。第1および第2の脚部116,118は、形状およびサイズが実質的に同様であり得る。使用時の第1の位置において、リテーナ62は幾分緩くチャンバ60によって担持され、第1の脚部116の端部は第1の凹部108に収容され、第2の脚部118の端部は第2の凹部110に収容される(
図2において破線で示される)。ここで、ブリッジ部120は、外部からユーザによって点検可能かつアクセス可能であり、第1および第2の脚部116,118は、内部90の外側かつ第1および第2の開口102,104の外側に配置される。
【0016】
第2の位置に持ってくるために、ブリッジ120は、内部90の方向、および一対のフランジ122,124の間でブリッジが当接することのできる外表面106の方向へ移動され得る。フランジ122,124は、リテーナ62が第2の位置にある時にブリッジ120が不意に外れないように補助する。同時に、第1および第2の脚部116,118は、内部90へ向けて移動され、脚部が移動して摺動するにつれて外表面106に重みを加える。第1および第2の脚部116,118は、それぞれ第1および第2の開口102,104を通って内部90に移動する(
図2において実線で示される)。ここで第1および第2の脚部116,118の端部は、それぞれ概ね第1および第2のカバー112の下方に配置される。脚部116,118および開口102,104は、迅速接続機能をもたらす。たとえば、尿素品質センサ14をセンサ保持部10へ挿入するために、リテーナ62が第1の位置に持ってこられ、センサがチャンバ60の内側に配置され得る。尿素品質センサ14をチャンバ60内に保持するために、リテーナ62が第2の位置に持ってこられ、第1および第2の脚部116,118が、第1および第2の開口102,104を通り、凹部へ移動する、またはセンサのエッジ部に対して移動する。尿素品質センサ14は、これによってセンサ保持部10内に固定され、チャンバ60の離脱が防止される。リテーナ62とは別に他の接続技術が必要とならないように、尿素品質センサ14とチャンバ60との間で1つ以上のガスケットによる締まり嵌めが行なわれ得る。逆に、センサ保持部10から尿素品質センサ14を解除するために、リテーナ62は第1の位置に戻され、センサがチャンバ60から取り外され得る。
【0017】
抵抗線64は、抵抗加熱によって適切な量の熱を直接的に管58に放出し、管を通過する尿素流体に対して間接的に熱を放出する。熱は、管58を通る流れおよび尿素品質センサ14による感知のための適切な温度に尿素流体が確実に達するよう補助する。
図1の実施形態において、抵抗線64は、管58の周り、ならびに第1および第2のリブ84,86の周りに巻かれる銅線であり得る。抵抗線64は、第1および第2のリブ84,86の周りに巻かれる単一の線であり得る、または第1および第2のリブの周りに巻かれる別個の異なる線であり得る。抵抗線64に電流を付与して熱を発生させるために、線は自動車制御ユニットなどの電子制御ユニット(ECU)または他の装置に対して電気的に結合され得る。抵抗線についてのこの記載は、上述の第1のSCRライン16の抵抗線、入口接続部18の抵抗線、第2のSCRライン20の抵抗線、および出口接続部22の抵抗線にも適用される。
【0018】
図面に示されない他の実施形態において、SCRシステムのアセンブリ12およびSCRシステムのセンサ保持部10は、異なる設計、構成、および構成部品を有し得る。たとえば、センサ保持部の管は、湾曲部を有する必要はなく、代わりに一方向とすることができる、または合計で3つの入口および出口を有するT字形状を有し得る。抵抗線は、センサ保持部に設けられる必要はなく、熱放出機能は抵抗線以外の加熱要素によって付与され得る。チャンバとリテーナとの間の迅速接続機能は、リテーナを伴わない方法を含む異なる方法で付与され得る。たとえば、バルブと係合する、またはバルブの凹部に受けられる、相互接続もしくは相互係合構造を伴う迅速接続、バルブの構造または一部を受けるように凹部を伴う迅速接続、またはスナップ嵌合動作もしくは捻り係止動作による相互係止を伴う迅速接続などがある。同様に、管の入口および出口ならびにそれぞれの入口接続部および出口接続部の間の迅速接続機能を付与する必要はなく、上に記載される方法など、他の方法によって付与されてもよい。
【0019】
上述の記載は、本発明の1つ以上の好ましい例示的な実施形態についての記載であることが理解される。本発明は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、以下の請求項のみによって規定される。さらに、上述の記載に含まれる記述は、特定の実施形態に関連するものであって、発明の範囲に対する限定、または用語もしくは語句が明示的に上で規定される場合を除いて、請求項において使用される用語の定義に対する限定として解釈されるものではない。様々な他の実施形態、ならびに開示される実施形態に対する様々な変形および変更は、当業者にとって明らかなものとなる。全てのこのような他の実施形態、変形、および変更は、添付の請求項の範囲内に入ることが意図される。
【0020】
本明細書および請求項において使用される、「たとえば(for example)」、「例として(for instance)」、「など(such as)」、および「のような(like)」という用語、「備える(comprising)」、「有する(having)」、および「含む(including)」という動詞、ならびにこれらの他の動詞の形態は、列挙される1つ以上の構成部品または他の物と併せて使用される場合、各々はオープンエンド形式として解釈され、これは列挙されたものが他の追加の構成部品または物を排除するものではないと考慮することを意味する。他の用語は、異なる解釈を必要とする文脈において使用されない限り、最も広い合理的な意味を用いて解釈される。