特許第6131279号(P6131279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6131279テレケリックポリオレフィンおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131279
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】テレケリックポリオレフィンおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 8/00 20060101AFI20170508BHJP
   C08F 2/38 20060101ALI20170508BHJP
   C08F 4/6192 20060101ALI20170508BHJP
   C08F 10/02 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   C08F8/00
   C08F2/38
   C08F4/6192
   C08F10/02
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-561298(P2014-561298)
(86)(22)【出願日】2012年9月27日
(65)【公表番号】特表2015-510018(P2015-510018A)
(43)【公表日】2015年4月2日
(86)【国際出願番号】EP2012069110
(87)【国際公開番号】WO2013135314
(87)【国際公開日】20130919
【審査請求日】2015年8月28日
(31)【優先権主張番号】1252191
(32)【優先日】2012年3月12日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】596096180
【氏名又は名称】ユニベルシテ・クロード・ベルナール・リヨン・プルミエ
(73)【特許権者】
【識別番号】502205846
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク
(73)【特許権者】
【識別番号】506159390
【氏名又は名称】セペウ リヨン フォルマスィオン コンティニュエ エ ルシェルシュ
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ボワソン クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ダゴスト フランク
(72)【発明者】
【氏名】ジェルマン イアン
【審査官】 松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−045105(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/002000(WO,A1)
【文献】 特開2009−227899(JP,A)
【文献】 特開平11−246770(JP,A)
【文献】 特開2005−097588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00 − 2/60
C08F 8/00 − 8/50
CA/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式()のテレケリックポリオレフィン。
[化4] CH=CH−(CH−A−Z ・・・(I)
ここで、
− Aは、(CH−CH)単位を少なくとも95mol%含む(共)重合体であり、
− Zは、ハロゲン;チオールおよびその誘導体;アジド;アミン;アルコール;カルボン酸基;イソシアネート;シラン;リン誘導体;ジチオエステル;ジチオカルバメ−ト;ジチオカーボネート;トリチオカーボネート;アルコキシアミン;およびジエン;を含む基から選択される官能基であり、
− pは、1〜20の整数である。
【請求項2】
前記Aが、式(CH−CHの線形ポリエチレン、nが7〜3600の整数であることを特徴とする請求項1に記載のテレケリックポリオレフィン。
【請求項3】
前記テレケリックポリオレフィンが式CH=CH−(CH−(CH−CH−Iによって表され、Iはヨウ素原子であり、pは6〜9の整数、nは17〜360の整数であることを特徴とする請求項1又は2に記載のテレケリックポリオレフィン。
【請求項4】
前記pが、6〜9である請求項1又は2に記載のテレケリックポリオレフィン
【請求項5】
式(I)のテレケリックポリオレフィンの製造方法であって、
[化4] CH=CH−(CH−A−Z ・・・(I)
ここで、
− Aは、(CH−CH)単位を少なくとも95mol%含む(共)重合体であり、
− Zは、ハロゲン;チオールおよびその誘導体;アジド;アミン;アルコール;カルボン酸基;イソシアネート;シラン;リン誘導体;ジチオエステル;ジチオカルバメ−ト;ジチオカーボネート;トリチオカーボネート;アルコキシアミン;ビニル基;ジエン;およびA−(CH−CH=CHを含む基から選択される官能基であり、
− pは、1〜20の整数であり、
下の工程:
− 式(II)の化合物の製造工程:
[化5] Y(A−(CH−CH=CH ・・・(II)
但し、m=2のとき、Yはアルカリ土類原子、または亜鉛であり、m=3のとき、Yは13属元素(好ましくはアルミニウム)である。
− YとA−(CH−CH=CHの結合の切断、およびZを有するA−(CH−CH=CHの官能基化工程:
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の製造方法において、
前記Yがマグネシウムであることを特徴とする製造方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の製造方法において、
前記式(II)の化合物の製造が、遷移金属またはランタニドの錯体、および式(III)の移動剤の存在下で行われることを特徴とする製造方法。
[化6] Y((CH−CH=CH ・・・(III)
【請求項8】
請求項に記載の製造方法において、
遷移金属またはランタニドの錯体は、ベース構造として式に(Cp)(Cp)MまたはE(Cp)(Cp)Mを含む化合物を具備する基から選択されるメタロセンであり、
− Mが3族金属または4族金属、あるいはランタニドであり、
− Cp、Cpは、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル、フルオレニルまたはインデニル基であり、
− Eは、CpとCp配位子の間を連結し、式M'Rによって表されるものであり、ここでM'は、14族元素であり、RおよびRは、1〜20の炭素原子を有するアルキルまたはアリ−ル基である
ことを特徴とする製造方法。
【請求項9】
請求項に記載の製造方法において、
前記錯体はランタニドメタロセンであり、好ましくは式(CMeMXLi(OEtであり、
Mは3族金属またはランタニドであり、Xはハロゲンであることを特徴とする製造方法。
【請求項10】
請求項5又は6に記載の製造方法において、
Zを伴う前記官能基化工程は、ヨウ素I、硫黄S、テトラエチルチウラムジスルフィドを含む基から選択される化合物の添加を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項11】
請求項5又は6に記載の製造方法において、
Zを伴う前記官能基化工程は、酸化カップリングにより行われ、前記Zは−A−(CH−CH=CHであることを特徴とする製造方法。
【請求項12】
請求項5又は6に記載の製造方法において、
Zを伴う官能化に続いて、前記ビニル基および/または前記Z基の反応によって前記テレケリックポリオレフィンの鎖末端の少なくとも一つを改変せしめる工程を含む製造方法。
【請求項13】
式(III)の移動剤。
[化7] Y((CH−CH=CH ・・・(III)
ここで、m=2、Yがアルカリ土類金属である。
【請求項14】
請求項1に記載の移動剤において、
前記式がMg((CH−CH=CHである移動剤。
【請求項15】
テレケリックポリオレフィンの製造における、請求項1又は1に記載の移動剤の利用。
【請求項16】
有機、無機、ハイブリッドまたは複合材の改変のための添加剤として、或いは重合反応のための反応シントンとしての請求項1〜4のいずれかに記載のテレケリックポリオレフィンの利用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各ポリマ−鎖末端に反応性基を有するテレケリックポリオレフィンに関する。この種のポリマ−は、例えば、親水性または疎水性環境に、或いは有機、無機、ハイブリッド又は複合材料に、ポリマ−を取り込むための前駆体として有用である。
【背景技術】
【0002】
到達水準
一般に、鎖末端の反応性によって逐次重合または反応するポリマ−は、「テレケリックポリマ−(telechelic polymer)」として知られている。この種の分子において、鎖末端に位置する反応性基は、モノマ−由来ではない。
【0003】
従来技術として、単官能化ポリエチレンがある(例えば、Mazzonlinit等、Polymer Chemistry,2010, 1, 793-800参照)が、これらの単官能化ポリエチレンからテレケリックポリエチレンを得るための明白なケミストリ−が存在しない。
【0004】
テレケリックポリマ−への多くの合成経路が文献に記載されている。しかしながら、テレケリックポリオレフィンの合成法に関しては、以下の3つの主要な方法が開発されているに過ぎない。
【0005】
(i)最初は、アニオン性経路によるヒドロキシル−テレケリックポリブタジエンの合成に関する。ブタジエンは、ポリマ−鎖の不飽和基に水素添加する前に、最初に重合する。このようにして得られたテレケリックポリエチレンは、同一の鎖末端に特徴があり、1,2−ブタジエンを鎖状につないで生じるエチル基の存在により枝分かれも生じる。この種のポリマ−は、商品名Kraton(登録商標)L2203で市販されている。
特許文献US2004/0030048は、OH,SHまたはアミンなどの鎖末端基を有するポリマ−が記載されているが、これは二官能化ポリエチレンに関するものではない。
【0006】
(ii)他の合成経路として、開環メタセシス重合(ROMP)によるシクロオクタジエンの重合に関するものがある。得られるポリマ−は、その後、ヒドロキシル−テレケリックポリオレフィンを与えるために水素添加される(Hillmyerら、Macromolecules, 1995, 28, 7256−7261)。
【0007】
(iii)最後に、リビングエチレン重合が、パラジウム錯体の存在下で実証されている。この錯体は、エチレンのリビング重合の開始剤としてのみならず、鎖末端の官能試薬としても作用する。得られた枝分かれしたテレケリックポリエチレンは、鎖末端官能基がいずれもエステル基、或いは一のエステル基と一のケトン基であることを特徴とする(Brookhart, Macromolecules 2003, 36, 3085)。類似のものとして、特許文献US2007/0010639には、極性鎖末端を特徴とする3−ステップ合成のテレケリックポリプロピレンが記載されている。保護官能基を含むオレフィンモノマ−が、直交官能基(orthogonal functional groups)を有する短いセグメントを構築するために重合開始時に用いられる。ポリプロピレンの(共)重合が、その後行われる。次いで、官能性モノマ−は、側面官能基(lateral functional groups)を含む第2の短い配列を形成するために再び用いられる。このように製造されたポリマ−は、鎖末端にビニル基を含まない。
【発明の概要】
【0008】
本明細書において「リビング重合」とは、移動反応または連鎖停止反応を含まない連鎖重縮合(chain-growth polymerization)をいうものとする。オレフィンのリビング重合は、1又は2鎖末端で官能基を有するポリマ−の製造が可能である。しかしながら、オレフィン重合の分野における、リビング重合は、遷移金属錯体あたりに一つの鎖のみが生じるという限定があり、それゆえ生産コストに関して問題がある。触媒重合は、遷移金属あたり多数の鎖を生産する利点がある。このため、配位触媒を用いる確かな重合条件において、テレケリックポリオレフィン、特にポリエチレンを製造できるシステムの確立が求められている。
【0009】
本発明によって解決される問題は、ポリマ−の製造方法、特に、2つの主要な鎖末端が同一又は異なるテレケリックポリオレフィンの製造方法に関する。
【0010】
本発明の方法は、上記文献の方法とは対照的に、触媒分子あたりに多数の分子鎖をもたらし、また、生成したポリマー鎖の分子量分布が狭く(Mw/Mn<1.5)且つ分子量が生産性と共に増加するという意味で制御された様式で重合が進行する機構によるオレフィン(モノオレフィン)の触媒重合を可能にする。
【0011】
重合および官能基化のための本プロセスは、その場(in situ)で行うことができる。鎖末端の官能基化を確実にするために中間体を分離する必要はない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の開示
出願人は、2つの鎖末端各々の官能基を特徴とするポリオレフィンを開発した。それは、例えば親水性または疎水性環境に、若しくは有機、無機、ハイブリッドまたは複合材料に、ポリオレフィンの取り込みを促進するために、鎖末端のうちの少なくとも1つが容易に反応を起こすポリオレフィンである。本発明に係るテレケリックポリオレフィンは、好ましくは線形である。また、有利には、異なる反応性により選択的に反応できる2つの異なる鎖末端を含むものである。
【0013】
より詳しくは、本発明は、式(I)のテレケリックポリオレフィンおよびその誘導体に関する。
[化1] CH=CH−(CH−A−Z ・・・(I)
但し、
− Aは、(CH−CH)単位を少なくとも95mol%含む(共)重合体であり、
− Zは、ハロゲン;チオールおよびその誘導体;アジド;アミン;アルコール;カルボン酸基;イソシアネート;シラン;リン誘導体(phosphorous derivatives);ジチオエステル;ジチオカルバメ−ト;ジチオカーボネート;トリチオカーボネート;アルコキシアミン;ビニル基;ジエン;およびA−(CH−CH=CHを含む基から選択される官能基であり、
− pは、1〜20の整数、好ましくは6〜9の整数である。
【0014】
式(I)の「テレケリックポリオレフィンの誘導体」とは、式(I)のテレケリックポリオレフィンの鎖末端のうちの少なくとも1つの官能基化(functionalization)から生じる全てのポリオレフィンをいうものとする。従って、誘導体は、当業者に周知の反応によるビニル基またはZ基の少なくとも一つの改変(modification)により得られる生成物、好ましくはビニル基の改変から得られる生成物である。
【0015】
(共)重合体Aの単位(CH−CH)は、エチレンの重合から生じる。
【0016】
通常、重合体Aは、線形ポリエチレンまたは少なくとも一つの不飽和結合を含む少なくとも一つのα−オレフィンを有するエチレンの線形共重合体である。前述したように、この(共)重合体は、モル分率で少なくとも95%の(CH−CH)単位を含む。
【0017】
しかしながら、好適な実施形態として、重合体Aは線形ポリエチレン、即ち、式(CH−CHのエチレンのホモポリマ−であり、nは7〜3600の整数であり、より好ましくは17〜360である。
【0018】
(共)重合体Aは、平均モル質量(molar mass)が200〜100,000g/molであることが好ましく、より好ましくは500〜10,000g/molである。
【0019】
特に好適な実施例によれば、式(I)のテレケリックポリオレフィンのZ基は、ハロゲン(好ましくはヨウ素原子)、またはジチオカルバメ−ト基である。
【0020】
式(I)のテレケリックポリオレフィンの主鎖末端は、主鎖末端のそれぞれの反応性が、他とは有意に異なる2つの基(このケースでは、ビニル及びZ)を備えることが可能である。
【0021】
テレケリックポリオレフィンは、特に好適な例として、式CH=CH−(CH−A−Zであり、Zはヨウ素原子またはジチオカーバメート基、pは6〜9の整数がある。(共)重合体Aは、より好適にはポリエチレン(CH−CHであり、nは7〜3600の整数、より好ましくは17〜360の整数である。
【0022】
本発明は、式(I)CH=CH−(CH−A−Zのテレケリクポリオレフィンおよびその誘導体の製造方法に関する。当該方法は、特に以下の工程、
− 式(II)の化合物の製造工程:
[化2] Y(A−(CH−CH=CH ・・・式(II)
ここで、m=2のとき、Yはアルカリ土類原子(好ましくはマグネシウムまたは亜鉛)であり、m=3のとき、Yは13属元素(好ましくはアルミニウム)である。
− YとA−(CH−CH=CHの結合の切断、およびZを有するA−(CH−CH=CHの官能基化工程:
を含むことを特徴とする。
【0023】
式(II)の組成の分子の製造は、遷移金属またはランタニドの錯体、および式(III)によって表される移動剤(transfer agent)の存在下で行われる。
[化3] Y((CH−CH=CH・・・式(III)
【0024】
前述したように、Z基は、ハロゲン、チオ−ルおよびその誘導体、アジド、アミン、アルコ−ル、カルボン酸基、イソシアネート、シラン、リン誘導体(phosphorous derivatives)、ジチオエステル、ジチオカルバメ−ト、ジチオカーボネート、トリチオカルボネート、アルコキシアミン、ビニル基、ジエンおよびA−(CH−CH=CH基を含む選択肢から選んでもよい。好適な実施形態では、Z基がヨウ素原子またはジチオカルバメート基(例えばジエチルジチオカルバメート(S−C(=S)−N(Et))である。
【0025】
遷移金属またはランタニドの錯体は、好ましくはメタロセンであり、ベース構造として、式に(Cp)(Cp)MまたはE(Cp)(Cp)Mを含む化合物を含む基から選択される。
【0026】
この錯体は、触媒分子あたりに多数の鎖(chains)の産生を伴って、配位−挿入による触媒オレフィン重合の実現を可能にする。
【0027】
通常、Mは、3族、4族またはランタニドの金属である。
【0028】
また、Cp、Cpは、置換されていてもよいシクロペンタジエニル、フルオレニルまたはインデニル基である。
【0029】
E基(Group E)は、CpとCp配位子の間を連結し、式M’Rによって表せる。ここでM’は、14族元素であり;RおよびRは、それぞれ独立に1〜20の炭素原子を有するアルキル基およびアリ−ル基を含む基から選択される。E基は、例えば、−C(CH−、−CH−CH−、または−Si(CHとすることができる。
【0030】
遷移金属またはランタニド錯体は、例えば、V.C. Gibson and S.K. Spitzmesser (Chem. Rev. 2003, 103, 283-315)に記載されている非メタロセン構造でもよい。
【0031】
必要に応じて、特に錯体がランタニドまたは3族金属を含まないときに、助触媒を錯体と組み合わせて用いてもよい。当業者であれば、適切な助触媒を選定することができる。
【0032】
特に好ましい実施例としては、メタロセン錯体が、式(CMeMXLi(OEtである。ここでMはランタニドまたは3族金属であり、Xは優先的にはハロゲンである。それは、好ましくはランタニド錯体であり、最も好適にはNdのランタニド錯体であり、特には、構造(CMeNdClLi(OEtである。
【0033】
本発明の製法の第2工程において、Zを有する官能基化は、ヨウ素;硫黄−S;酸素;ニトロキシルラジカル(nitroxyl radicals);CO;クロロシラン(例えばClSiRHまたはClSiRH(Rは1〜20の炭素原子を含むアルキル基));イソブテン;アルキルハライド、アリ−ルハライドおよびビニルハライド;CS;ジスルフィド(例えばテトラエチルチウラムジスルフィド)を含む基から選ばれる化合物の添加によって得られる。
【0034】
前記官能基化工程は、好ましくは、ヨウ素I、硫黄Sまたはテトラエチルチウラムジスルフィドの添加によって実行される。
【0035】
製法の第2工程は、移動剤、および遷移金属またはランタニドの錯体の存在下、オレフィン重合の際に形成された、式(II)の中間複合体(intermediate complex)のY−A結合の切断によってZ基を導入することにある。
【0036】
従って、式CH=CH−(CH−A−Iのポリオレフィンは、新規なポリオレフィン(例えばアジド(N)またはアミン(NH)のZ基を含むポリオレフィン)への前駆体としての役割を担うことが可能である。
【0037】
具体例を挙げると、Zを有する官能基化工程は、式CH=CH−(CH−A−A−(CH−CH=CHのポリオレフィン(即ち、Z基が構造−A−(CH−CH=CHを持つポリオレフィン)を得るために、酸化カップリングを経由して進行させることができる。
【0038】
この酸化カップリング反応は、中間複合体Y−(A−(CH−CH=CHの反応によって、特に、銀トシレート触媒の存在下で行うことができる。これは、特に、Y=Mgのときである。
【0039】
本発明の主題である製造方法の利点の一つは、あらゆる工程がその場(in situ)で実行できることである。テレケリックポリオレフィンに関する先行技術で概説した方法とは異なり、本発明の方法は、第2工程がその場(in situ)で実施可能であるという点で、中間複合体のための分離工程を排除する。それ故、好都合なことに、重合および官能基化を同じ反応器において実施することができる。
【0040】
さらに、重合は、ポリマー分子量分布の制御を可能にし、且つ、比較的狭いポリマー分子量分布、有利にはMw/Mnが<1.5を提供する、擬似リビング特性を示す。
【0041】
一般に、実験条件により、ビニル基およびZ基を有する(I)の鎖状末端官能基化のレベルに加え、式(I)のテレケリックポリオレフィンの分子量の制御が可能である。官能基化のレベルは、%Fによって近似される:
%F=100×[鎖あたりのビニル鎖末端基の数]×[鎖あたりのZ鎖末端基の数]
鎖あたりのビニル鎖末端の最大数が1に固定されている。
【0042】
ビニル鎖末端および/またはZ鎖末端の数は、当業者に周知の技術に従って、NMR(核磁気共鳴)分光法によって測定される。
【0043】
官能基化のレベルは、有利には70%越えであり、特に好ましくは90%越えである。つまり、本発明の方法によれば、少なくとも90%のテレケリックポリオレフィンの有利な製造を可能にする。
【0044】
さらに、この方法によれば、テレケリックポリオレフィンへの従来技術のルートにおいて特徴とされるブタジエンまたはシクロオクタジエンよりもかなり安価なモノマーである、エチレンの直接重合が可能になる。
【0045】
テレケリックポリエチレンの製造工程において、連鎖移動剤(III)(好ましくは、m=2、Y=アルカリ土類金属)とその使用(m=2または3)もまた、本発明に分類される。
【0046】
上述したように本発明の主題であるテレケリックポリオレフィンは、特定の実施形態によれば、式CH=CH−(CH−(CH−CH−Iである。ここで、Iはヨウ素原子であり、pは6〜9の整数であり、nは17〜360の整数である。このポリマ−は、次の工程:
− (CMeNdXLi(OEt(Xはハロゲン)および移動剤Mg((CH−CH=CHの存在下、エチレン(CH=CH)の重合による、式(II)の化合物の製造工程(Z=I;p=9;n=17〜360):
− テレケリックポリオレフィンCH=CH−(CH−(CH−CH−Iを得るために、ヨウ素の添加による官能基化工程
を含む方法により、好適に得られる。
【0047】
上述したように、式(I)のテレケリックポリオレフィンの誘導体は、Zを有する官能基化に続く工程で、特にテレケリックポリオレフィンの少なくとも一方の鎖末端の改変(modification)により、上記手順によって得てもよい。それ故、テレケリックポリオレフィンの鎖末端のうちの少なくとも1つは、ビニル基および/またはZ基の反応によって改変できる。
【0048】
D’Agosto and Boissonらによってモノ官能基化ポリエチレンが詳細に記載されているように(R. Briquel, J. Mazzolini, T. Le Bris, O. Boyron, F. Boisson, F. Delolme, F. D’Agosto, C. Boisson, R. Spitz Angew. Chem. Int. Eng. Ed., 47, 9311−9313 (2008); J. Mazzolini, R. Briquel, I. Mokthari, O. Boyron, V. Monteil, F. Delolme, D. Gigmes, D. Bertin, F. D'Agosto, C. Boisson Macromolecules 43, 7495−7503 (2010); M. Unterlass, E. Espinosa, F. Boisson, F. D’Agosto, C. Boisson, K. Ariga, I. Khalakhan, R. Charvet, JP. Hill Chem. Commun. 47, 7057−7059 (2011); Mazzolini, O. Boyron, V. Monteil, D. Gigmes, D. Bertin, F. D’Agosto, C. Boisson Macromolecules 44, 3381−3387 (2011); E. Espinosa, M. Glassner, C. Boisson, C. Barner Kowollik, F. D’Agosto Macromol. Rapid Commun. 32, 1447−1453 (2011))、式(I)のテレケリックポリオレフィンのビニル基およびZ基に関して、Z基またはビニル基の変換に関わらず、2つの基は、新しい基を導入するために有機化学に基づいて、後から容易に改変することが可能である。
【0049】
従って、式(I)(CH=CH−(CH−A−Z)のテレケリックポリオレフィンは、後で改変することができる。当業者であれば、選択的にビニル基を改変することが可能である。特に制限はないが、Macromolecules 44, 3381−3387 (2011)に記載されている反応を参照できる。
【0050】
本発明は、また、式(I)のテレケリックポリオレフィンの誘導体に関する。さらに、本発明は、有機、無機、ハイブリッド或いは複合材料の改変のための添加剤として、あるいは開始剤、モノマー、移動剤、不活性/停止剤、制御剤または架橋剤の役割の重合反応のための反応性シントン(reactive synthon(s))として、テレケリックポリオレフィンまたはその誘導体の利用に関する。
【0051】
本発明に関連する分野は、特に、化粧品、接着剤、インク、ワックスおよび塗料に限定されるものではない。
【0052】
本発明のテレケリックポリオレフィンおよびそれらの誘導体は、構造の製法の枠組み内で、或いは特にポリエチレンに基づいて、オリジナル材料の枠組み内で適用可能である。
【0053】
以下、本発明およびその利点を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の範囲に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本発明のテレケリックポリエチレンCH2=CH−(CH2)9−PE−I(PE=(CH2−CH2)n)のH NMR(核磁気共鳴)スペクトル。
図2】本発明のテレケリックポリエチレンCH2=CH−(CH2)9−PE−S−C(=S)−N(Et)2(PE=(CH2−CH2)n)のH NMR(核磁気共鳴)スペクトル。
図3】本発明のテレケリックポリエチレンCH2=CH−(CH2)9−PE−N3(PE=(CH2−CH2)n)のH NMR(核磁気共鳴)スペクトル。
図4】本発明のテレケリックポリエチレンCH2=CH−(CH2)9−PE−NH2(PE=(CH2−CH2)n)のH NMR(核磁気共鳴)スペクトル。
図5】本発明のテレケリックポリエチレンCH2=CH−(CH2)9−PE−(CH2)9−CH=CH2(PE=(CH2−CH2)n)のH NMR(核磁気共鳴)スペクトル。
【実施例】
【0055】
以下の実施例は、式(III)の移動剤、式(II)の中間化合物、式(I)のテレケリックポリオレフィンの製法に関する:
【0056】
移動剤ビス(10−ウンデセニル)マグネシウムMg((CH2)9CH=CH2)2の合成
ジ−n−ブチルエーテル(100ml)中のマグネシウム(2.38g、98mmol)の懸濁液に、0℃で、11−ブロモ−1−ウンデセン(11.3ml、49mmol)を滴下した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで室温に戻した。得られた懸濁液を、過剰のマグネシウムを除去するために濾過した。ろ液に、ジオキサン(5.0ml、59mmol)を加えたところ、白い沈殿物が直ちに形成された。懸濁液を、2時間撹拌し、次いで濾過し、ジ−n−ブチルエーテル中のMg((CHCH=CH溶液を得た。溶液の一定分量をi)ピレン−1−酢酸およびii)HClaq、次いでNaOHaq溶液を用いる滴定により濃度を決定するために採取した。
【0057】
回収された溶液から更なる試料を採取し、NMR分析のために溶媒を減圧下で除去した。
H NMR(THF−d8, 300 MHz, 300K)によるキャラクタリゼ−ション
δ: 5.81 (m, CH2=CH−CH2−), 4.89−5.02 (m, CH2=CH−CH2−), 2.06 (q, J = 7 Hz, CH2=CH−CH2−), 1.56 (quin, J = 7 Hz, , CH2=CH−CH2−CH2−), 1.32 (br, −(CH2)6−), −0.63 (m, −CH2−Mg) ppm.
【0058】
中間体CH=CH−(CH−PE−Mg−PE−(CH−CH=CH (PE=(CH−CH)を調製するための一般的な重合法
ジブチルエ−テル中のビス(10−ウンデセニル)マグネシウムの溶液(0.24mol.L−1、10.4ml、2.5mmol)を、トルエン(400mL)で希釈した。得られた溶液をアルゴン雰囲気下の反応器に移した。反応器を75℃に加熱し、次いで3バールの圧力でエチレン雰囲気とした。トルエン(10ml)中のCpNdClLi(OEt(10.7mg、16.7μmol)のプレ触媒懸濁液を反応器に加え、エチレンの消費をモニターした。所望の消費量となった後に、エチレン雰囲気をアルゴンで置換した。
【0059】
テレケリックポリオレフィンCH2=CH−(CH2)9−PE−I (PE=(CH2−CH2)n)の合成
上述した重合工程の後、中間体CH=CH−(CH−PE−Mg−PE−(CH−CH=CH (PE=(CH−CH)を含む反応混合物を10℃まで冷却した。THF50mL中のヨウ素の溶液(2.54g、10mmol)を添加し、懸濁液を3時間撹拌した。反応器の内容物がメタノール(200mL)に加え、その溶液を濾過した。回収した固体をメタノールで洗浄(3×100mL)し、次いで乾燥させた。
【0060】
キャラクタリゼーション:
1H NMR(図1) (2/1 v/v TCE/C6D6, 400 MHz, 363K) δ ppm = 5.70 (m, CH2=CH−CH2−), 4.83−4.93 (m, CH2=CH−CH2−), 2.94 (t, J = 7 Hz, −CH2I), 1.96 (q, J = 7 Hz, CH2=CH−CH2−), 1.66 ( quin, J = 7 Hz, −CH2CH2I), 1.24 (br, (CH2CH2)n).
13C NMR (2/1 v/v TCE/C6D6, 101 MHz, 363K) δ ppm = 138.90, 114.20, 33.98, 30.78, 30.00 ((CH2CH2)n), 29.90, 29..82, 29.80, 29.69, 29.44, 29.32, 28.82, 4.96.
Mn = 1500 g/mol−1, Mw/Mn = 1.1, F = 95%.
【0061】
テレケリックポリオレフィン CH2=CH−(CH2)9−PE−S−C(=S)−N(Et)2 (PE = (CH2−CH2)n)の合成
上述した重合工程後、中間体CH=CH−(CH−PE−Mg−PE−(CH−CH=CH (PE=(CH−CH)を含む反応混合物を80℃に加熱した。トルエン(50ml)中のN,N,N’,N’−テトラエチルチウラムジスルフィド(1.85g、6.25mmol)の溶液をその後加え、得られた溶液を3時間攪拌した。反応混合物を、メタノール(200mL)中に添加する前に周囲温度まで冷却した、次いで得られた懸濁液を濾過した。濾過により回収された固形物をメタノールで洗浄し(3×100mL)、次いで乾燥で3回洗浄した。
【0062】
キャラクタリゼーション:
1H NMR (図2) (2/1 v/v TCE/C6D6, 400 MHz, 363K) δ ppm = 5.70 (m, CH2=CH−CH2−), 4.83−4.93 (m, CH2=CH−CH2−), 3.68 (br, −N−CH2−CH3), 3.23 (t, J = 7 Hz, −CH2−S−C(S)−), 1.96 (q, J = 7 Hz, CH2=CH−CH2−), 1.63 (quin, J = 7 Hz, −CH2CH2−S−C(S)−) 1.24 (br, (CH2CH2)n), 1.08 (t, J = 7 Hz, −N−CH2−CH3).
13C NMR (2/1 v/v TCE/C6D6, 101 MHz, 363K) δ ppm = 195.98, 138.90, 114.20, 47.74, 37.38, 33.98, 30.0 ((CH2CH2)n), 29.90, 29.83, 29.80, 29.54, 29.44, 29.35, 29.32, 29.23, 12.25.
Mn = 1550 g/mol−1, Mw/Mn = 1.14, F = 87%
【0063】
テレケリックポリオレフィンCH2=CH−(CH2)9−PE−SH (PE = (CH2−CH2)n)の合成
テトラヒドロフラン(200mL)中のリチウムアルミニウムハイドライドの懸濁液を100℃で、トルエン(200mL)中のCH=CH−(CH−PE−S−C(=S)−NEt (M=1550g/mol−1,F=87%;3.0g)の溶液に加えた。得られた懸濁液をアルゴン雰囲気下、15時間加熱還流下(90℃)で撹拌した。次いで、反応混合物を周囲温度に冷却し、その位置でメタノール(20mL)をゆっくり添加した。得られた懸濁液は、その後95℃まで加熱し、濾過した。濾液は冷却され、メタノール(200mL)を加えた。得られた懸濁液は濾過され、回収された固体をメタノールにより洗浄(3×100ml)し、真空下で乾燥した。
収量=2.5g
【0064】
キャラクタリゼ−ション:
1H NMR (2/1 v/v TCE/C6D6, 400 MHz, 363K) δ ppm = 5.70 (m, CH2=CH−CH2−), 4.83−4.93 (m, CH2=CH−CH2−), 2.32 (t, J = 7 Hz, −CH2SH), 1.96 (q, J = 7 Hz, CH2=CH−CH2−), 1.24 (br, (CH2CH2)n), 1.05 (t, J = 7 Hz, −CH2SH).
F = 70 %
【0065】
テレケリックポリオレフィンCH2=CH−(CH2)9−PE−N3 (PE = (CH2−CH2)n)の合成
CH2=CH−(CH2)9−PE−I (PE = (CH2−CH2)n) のトルエンの懸濁液に、アジ化ナトリウム(1.2当量)を添加した。トルエン及びDMFの混合物を加え、反応混合物を120℃に加熱し、3時間攪拌した。反応内容物をメタノール(200mL)に加え、得られた懸濁液を濾過した。回収した固体をメタノールで洗浄(3×100mL)し、乾燥した。
【0066】
キャラクタリゼーション
1H NMR (図3) (2/1 v/v TCE/C6D6, 400 MHz, 363K) δ ppm = 5.70 (m, CH2=CH−CH2−), 4.83−4.93 (m, CH2=CH−CH2−), 3.00 (t, J = 7 Hz, −CH2N3), 1.96 (q, J= 7 Hz, CH2=CH−CH2−), 1.72( quin, J = 7 Hz, −CH2CH2N3), 1.24 (br, (CH2CH2)n).
合成1: Mn = 1080 g/mol−1, Mw/Mn = 1.1, F = 94%. この合成のために、3gの CH2=CH−(CH2)9−PE−I (Mn = 1080 g/mol−1, F = 94%) を用いた。
合成2: Mn = 1750 g.mo1−1, Mw/Mn = 1.2, F = 89%. この合成のために、3gの CH2=CH−(CH2)9−PE−I (Mn = 1750 g/mol−1, F = 90%) を用いた。
【0067】
テレケリックポリオレフィンCH=CH−(CH−PE−NH (PE = (CH2−CH2)n)中で合成
CH2=CH−(CH2)9−PE−N3 (PE=(CH2−CH2)n) (1.5g,M=1750g.mo1−1,F=89%)のトルエン100mLの懸濁液に、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH、10当量)の溶液を加えた。懸濁液を6時間100℃で攪拌した。反応器の内容物にメタノール(200mL)を加え、得られた懸濁液を濾過した。回収した固体をメタノールにより洗浄(3×100mL)し、乾燥した。
【0068】
キャラクタリゼーション
1H NMR (図4) (2/1 v/v TCE/C6D6, 400 MHz, 363K) δ ppm = 5.70 (m, CH2=CH−CH2−), 4.83−4.93 (m, CH2=CH−CH2−), 2.55 (t, J = 7 Hz, −CH2NH2), 1.96 (q, J = 7 Hz, CH2=CH−CH2−), 1.47( quin, J = 7 Hz, −CH2CH2NH2), 1.24 (br, (CH2CH2)n).
合成1: Mn = 1750 g.mo1−1, Mw/Mn = 1.2, F = 85%.
【0069】
酸化的ホモカップリングによるテレケリックポリオレフィンCH2=CH−(CH2)9−PE−(CH2)9−CH=CH2 (PE = (CH2−CH2)n)の合成
上述した一般的な重合方法の後、中間体CH=CH−(CH−PE−Mg−PE−(CH−CH=CHを含む反応混合物の温度を80℃に維持した。THF(40mL)中の銀トシレートの溶液((CH2=CH-(CH2)9-PE-Mg-PE-(CH2)9-CH=CH2 (PE=(CH2-CH2)nに対して2mol%)および1,2−ジブロモメタン(CH2=CH-(CH2)9-PE-Mg-PE-(CH2)9-CH=CH2 (PE=(CH2-CH2)nに対して2.4当量)を後重合反応混合物(post-polymerization reaction mixture)に加えた。得られた懸濁液を16時間撹拌した。反応器の内容物にメタノール(200mL)を加えて、得られた懸濁液を洗浄した。回収した固体はメタノールで洗浄(3×100mL)し乾燥した。
【0070】
キャラクタリゼーション
1H NMR (図5) (2/1 v/v TCE/C6D6, 400 MHz, 363K) δ ppm = 5.70 (m, CH2=CH−CH2−), 4.83−4.93 (m, CH2=CH−CH2−), 1.96 (q, J = 7 Hz, CH2=CH−CH2−), 1.24 (br, (CH2CH2)n).
合成1: Mn = 1630 g/mol−1, Mw/Mn =1.27, F = 75%.
図1
図2
図3
図4
図5