特許第6131294号(P6131294)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131294
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】切断装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/06 20060101AFI20170508BHJP
   B26D 3/00 20060101ALI20170508BHJP
   B29C 47/08 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   B26D1/06 Z
   B26D3/00 601A
   B29C47/08
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-120944(P2015-120944)
(22)【出願日】2015年6月16日
(65)【公開番号】特開2016-182665(P2016-182665A)
(43)【公開日】2016年10月20日
【審査請求日】2015年7月22日
(31)【優先権主張番号】20 2015 101 535.6
(32)【優先日】2015年3月26日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515163575
【氏名又は名称】シュタイン マシーネンバウ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100091867
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 アキラ
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ シュタイン
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−055211(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/06
B26D 3/00
B29C 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断ユニットを含む切断装置であって、前記切断ユニットが、
第1および第2の脚部(22,24;122,124)を備えた、切断方向(12;112)に降下可能なU字状のカッター担持体(20;120)と、
該カッター担持体(20;120)内に切断カッター(14;140)を締め付け固定するための締め付け機構と、
を備え、
前記カッター担持体(20;120)の前記脚部(22,24;122;124)のそれぞれに、1つの前記切断カッター(14;114)を着脱可能に受容するための固定個所(28,30,32,34;128,130,132,134)が設けられている、
前記切断装置において、
前記脚部(22,24;122;124)のそれぞれに2つの前記固定個所(28,30,32,34;128,130,132,134)が設けられ、
前記第1の脚部(22;122)の2つの前記固定個所(28,30;128,130)の一方及び前記第2の脚部(24;124)の2つの前記固定個所(32,34;132,134)の一方が、並びに、前記第1の脚部(22;122)の2つの前記固定個所(28,30;128,130)の他方及び前記第2の脚部(24;124)の2つの前記固定個所(32,34;132,134)の他方が、それぞれ1つの固定個所ペアを形成し、
前記固定個所ペアがそれぞれ、1つの前記切断カッター(14;114)をカッター担持体の降下運動に対し斜めの個所で保持するために適しており、
各固定個所ペアが、前記締め付け機構により変位可能な前記固定個所(28,30;128,130)を有していること、及び
各固定個所ペアが、2つの前記固定個所の間に結合線を形成し、前記固定個所ペアの2つの結合線が前記U字状のカッター担持体(20;120)の内側で交差していること、
を特徴とする切断装置。
【請求項2】
各固定個所ペアの2つの前記固定個所(28,30,32,34;128,130,132,134)の間隔が等しいことを特徴とする、請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記固定個所(28,30,32,34;128,130,132,134)が、前記カッター担持体(20;120)の中心軸線に関して鏡対称になるように前記カッター担持体(20;120)の前記第1および第2の脚部(22,24;122,124)に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の切断装置。
【請求項4】
各固定個所ペアが、変位可能なピンの形態の変位可能な固定個所(28,32;132,134)と、堅牢なボルトの形態の変位不能な固定個所(30,34;128,132)とを有していることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項5】
2つの前記固定個所ペアの前記変位可能な固定個所(28,32;132,134)が1つの共通の締め付け機構を用いて操作可能であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項6】
第1の固定個所ペアの前記変位可能な固定個所(28)が前記カッター担持体(20)の前記第1の脚部(22)に設けられ、第2の固定個所ペアの前記変位可能な固定個所(32)が前記カッター担持体(20)の前記第2の脚部(24)に設けられていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項7】
第1の固定個所ペアの前記変位可能な固定個所(132)が前記カッター担持体(120)の1つの脚部(124)に設けられ、第2の固定個所ペアの前記変位可能な固定個所(134)が前記第1の固定個所ペアの前記変位可能な固定個所(132)と同じ、前記カッター担持体(120)の前記1つの脚部(124)に設けられていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項8】
前記締め付け機構(36)がレバー装置(38)を有し、第1の固定個所ペアの前記固定個所(28)と第2の固定個所ペアの前記変位可能な固定個所(32)とが前記レバー装置(38)を用いて操作可能であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項9】
前記締め付け機構が偏心軸(160)を有し、第1の固定個所ペアの前記固定個所(134)と第2の固定個所ペアの前記変位可能な固定個所(132)とが前記偏心軸(160)を用いて操作可能であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項10】
前記締め付け機構が前記切断カッター(14;114)のための保持手段(52;152)を有していることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項11】
少なくとも2つの孔を備えた切断カッターを含み、1つの前記固定個所ペアの前記固定個所(28,30,32,34;128,130,132,134)が前記切断カッターの前記孔を貫通するように係合することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一つに記載の切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
いわゆる「ギロチン」型のこのような切断装置の場合、定置のカッターを、長さを短くさせるプロファイルの上へ降下させ、その際にプロファイルが分断される。このため、カッターの刃は降下運動に対し斜めにカッター担持体に固定され、カッター担持体は駆動部により上下動することができる。この種の装置はたとえば特許文献1から公知である。
【0003】
基礎体と該基礎体から突出する突起物(通常、開き窓の異形枠に認められる)とを備えたプラスチックプロファイルの不規則な横断面の場合、斜めのカッターがプラスチックプロファイル上への降下の際に基礎体から突出している側部の突起物に衝突することがある。突起物は切断装置の切断テーブル上に載らず、従って切断過程の際に切断テーブルによって支持されないので、カッターがプラスチックプロファイルに衝突したときに押圧力が突起物に作用し、このため、プロファイル横断面が変形する。プロファイル横断面が変形すると、切断が所望の切断面内で正確に行われず、プロファイルを使用前にもう一度正確に切断しなければならないことがある。
【0004】
基礎体から水平方向に突出する突起物を備えたプロファイル横断面の場合、斜めの切断が突起物の自由縁において始まるか、それとも基礎体で始まるかが重要である。もし最初に基礎体で切断が始まって、突出している突起物の方向で切断が続行すれば、切断過程の間のプラスチックプロファイルの変形を最小にすることができる。
【0005】
プラスチックプロファイルは通常押し出し成形される。プラスチックプロファイルの場合、突出している突起物はプラスチックプロファイルの搬送方向において右側にも左側にも発生する。
【0006】
切断装置は押し出し機を出た直後に押し出し通路内で使用されることが多いので、長さを短くされるプロファイルの供給は切断装置の片側からのみ可能である。
【0007】
このため、突出している突起物がどちらの側にあるかに応じて、切断装置の斜めのカッターの配向をプラスチックプロファイルに整合させねばならない。
【0008】
この問題を解消するため、特許文献2は、回転可能に支持されているテーブル板の直前で、斜めに設置したカッターを該カッターの降下運動方向に対し平行に延びている軸線のまわりに180゜回転させることを提案している。
【0009】
押し出されたプラスチックプロファイルの搬送方向において右側または左側に突出している突起物を備えたプラスチックプロファイルを切断することを可能にするこの装置は、構造が比較的複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国実用新案登録第20110794U1号
【特許文献2】独国実用新案登録第2012005943U1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、押し出されたプラスチックプロファイルの搬送方向において右側または左側に突出している突起物を有するプラスチックプロファイルの長さを短くさせる切断装置を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、本発明によれば、切断ユニットを含む切断装置であって、前記切断ユニットが、第1および第2の脚部を備えた、切断方向に降下可能なU字状のカッター担持体と、該カッター担持体内に切断カッターを締め付け固定するための締め付け機構とを備え、前記カッター担持体の前記脚部のそれぞれに、1つの前記切断カッターを着脱可能に受容するための固定個所が設けられている前記切断装置において、前記脚部のそれぞれに2つの前記固定個所が設けられ、前記第1の脚部の2つの前記固定個所の一方及び前記第2の脚部の2つの前記固定個所の一方が1つの固定個所ペアを形成し、また、前記第1の脚部の2つの前記固定個所の他方及び前記第2の脚部の2つの前記固定個所の他方が別のもう1つの固定個所ペアを形成し、固定個所ペアがそれぞれ、1つの前記切断カッターをカッター担持体の降下運動に対し斜めの個所で保持するために適しており、各固定個所ペアが、前記締め付け機構により変位可能な前記固定個所を有していることによって解決される。
【0013】
本発明による切断装置を用いると、切断カッターを、カッター担持体の降下運動に対し斜めの2つの異なる個所で保持することが可能である。それぞれ1つの固定個所ペアの、締め付け機構を用いて変位可能な固定個所は、切断カッターが切断装置内で確実に締め付け固定される用を成す。
【0014】
切断装置の有利な実施形態では、各固定個所ペアの2つの固定個所の間隔が等しい。その結果、同じ切断カッターを、2つの固定個所ペアによって設定される2つの切断位置で保持し、固定することができる。
【0015】
さらに、各固定個所ペアが、2つの固定個所の間に結合線を形成し、固定個所ペアの2つの結合線がU字状のカッター担持体の内側で交差していれば、有利である。このように構成すると、2つの固定個所ペアは、カッター担持体の降下軸線に対し傾斜角をもった、異なる符号または回転方向を有する2つの固定位置を提供することができる。
【0016】
この場合、固定個所が、カッター担持体の中心軸線に関して鏡対称になるようにカッター担持体の第1および第2の脚部に配置されていれば、さらに有利である。このように構成すると、両固定個所位置での傾斜角は回転方向またはその符号の点でのみ異なっており、その結果同一の品質をもった鏡対称なプラスチックプロファイルを切断することができる。
【0017】
各固定個所ペアが、変位可能なピンの形態の変位可能な固定個所と、堅牢なボルトの形態の変位不能な固定個所とを有しているのが有利である。
【0018】
好ましくは、変位可能なピンと堅牢なボルトとはほぼ同じ径を有し、その結果変位可能なピンと堅牢なボルトを挿入可能な孔を備えた切断カッターを転向(リバース)することが可能である。これにより切断カッターの寿命が著しく向上する。
【0019】
有利な実施態様では、2つの固定個所ペアの変位可能な固定個所は1つの共通の締め付け機構を用いて操作可能である。これは、切断装置の比較的簡潔な構成を可能にする。
【0020】
有利な実施態様では、第1の固定個所ペアの変位可能な固定個所はカッター担持体の前記第1の脚部に設けられ、第2の固定個所ペアの変位可能な固定個所はカッター担持体の第2の脚部に設けられている。
【0021】
択一的な実施態様では、第1の固定個所ペアの変位可能な固定個所はカッター担持体の1つの脚部に設けられ、第2の固定個所ペアの変位可能な固定個所は第1の固定個所ペアの変位可能な固定個所と同じ、カッター担持体の前記1つの脚部に設けられている。
【0022】
これにより、変位可能なピンを操作することができる多数の異なる締め付け機構が得られる。
【0023】
従って、締め付け機構がレバー装置を有し、第1の固定個所ペアの固定個所と第2の固定個所ペアの変位可能な固定個所とがレバー装置を用いて操作可能であるのが有利である。
【0024】
これとは択一的に、締め付け機構は偏心軸を有し、第1の固定個所ペアの固定個所と第2の固定個所ペアの変位可能な固定個所とは偏心軸を用いて操作可能である。
【0025】
有利な更なる構成では、切断カッターを切断方向に対し横方向に保持するため、すなわち長さを短くされるプロファイルの搬送方向に保持するため、締め付け機構は切断カッターのための保持手段を有している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の有利な実施形態を、添付の図面を用いて詳細に説明する。
図1】第1実施形態による切断装置の一部分の斜視図である。
図2図1に図示した切断装置のカッター担持体の縦断面図である。
図3図1および図2に図示したカッター担持体のベースの平面図である。
図4】第2実施形態による切断装置の一部分の斜視図である。
図5】第2実施形態による切断装置の一部分の他の斜視図である。
図6】第2実施形態によるカッター担持体の横断面図である。
図7】第2実施形態による切断装置の部分図である。
図8】第2実施形態によるカッター担持体のベースの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は切断装置10の一部分を示すもので、切断装置10は切断ユニット12を含み、切断ユニット12は、これに固定された切断カッター14と切断テーブル16とを備えている。切断テーブル16には切断隙間18が設けられている。
【0028】
図1、また他の図でもそうであるが、2つの切断カッター14が図示されている、切断装置の作動時に、図示した2つのカッターのうちの一方のカッターのみが取り付けられる。図1に図示した2つの切断カッターは、後述するように2つの異なる切断位置を示しているにすぎない。
【0029】
図1は、切断ユニット12と切断テーブル16とを、長さを短くさせるプラスチックプロファイル19とともに前方から見た図であり、すなわちプラスチックプロファイル19の搬送方向に見た図である。切断ユニット12は、降下可能なほぼU字状のカッター担持体20を含み、カッター担持体20は第1の脚部22と、第2の脚部24と、ベース26とを備えている(図2を参照)。
【0030】
切断装置10はプラスチックプロファイル10の長さを短くさせるために用いる。この場合、切断ユニット12を切断カッター14とともに切断テーブル16の方向に降下させる。切断カッター14は切断ユニット12の降下軸線に対して傾斜するように方向づけられ、好ましくは45゜と75゜の間の角度で傾斜しており、その結果切断テーブル16のテーブル面に対し傾斜している切断カッター14は、まず切断テーブル上にあるプラスチックプロファイル19の1つのエッジ側に進入し、その後プラスチックプロファイル19を切断する。その際、切断カッター14は切断隙間18を通って下方へ案内される。
【0031】
特に図2で認められるように、第1の脚部22には2つの固定個所28,30が設けられ、第2の脚部24には2つの固定個所32,34が設けられている。第1の脚部22の固定個所28と第2の脚部24の固定個所32とは変位可能なピンとして形成され、他方第1の脚部22の固定個所30と第2の脚部24の固定個所34とは位置固定のボルトとして形成されている。
【0032】
第1の脚部22の変位可能なピン28と第2の脚部24のボルト34とは第1の固定個所ペアを形成している。第2の変位可能なピン32と第1の脚部22のボルト30とは第2の固定個所ペアを形成している。各固定個所ペアは、切断カッター14を所定の切断位置で保持するために適している。
【0033】
各固定個所ペアは、2つの固定個所28,34または32,30の間の結合線を形成し、その際これら固定個所ペアの2つの結合線はU字状のカッター担持体20の内側で交わっている。
【0034】
従って、1つの切断カッター14は2つの異なる切断位置でカッター担持体20に固定することができ、その際この切断カッターは、第1の切断位置では水平位置に比べて時計方向に偏向しており、第2の切断位置では水平位置に比べて反時計方向に偏向している。
【0035】
図1に図示した2つのカッター14は2つの位置を説明するもので、すなわち1つの切断カッター14が第1の固定個所ペアを用いて、または、第2の固定個所ペアを用いて保持される2つの位置を説明するものである。
【0036】
変位可能なピン28とボルト34との間隔と、変位可能なピン32とボルト30との間隔とは、等しく、その結果同じ切断カッター14を両切断位置で保持、固定することができる。
【0037】
この場合切断カッター14は、変位可能なピン28,32によってもボルト34,30によっても係合されることに適した複数の孔を有している。
【0038】
固定個所28,30,32,34は切断面に対し平行な面内にあり、その結果固定個所28,34または30,32に固定される切断カッター14は、切断装置14をさらに偏向することなく、切断隙間18と相互作用することができ、すなわち切断隙間に進入することができる。
【0039】
固定個所28,30,32,34はカッター担持体20の中心面に関し、特に両脚部22,24の内面に関し鏡対称に配向されている。これにより切断カッター14は、どの切断位置に固定されているかに関係なく、同じ角度で、長さを短くされるプラスチックプロファイル19に当たる。
【0040】
切断装置10は、さらに、たとえば液圧または空気圧で操作可能な締め付け機構36を有し、該締め付け機構はカッター担持体20の上方にある2つのシリンダ38a,38bを備えている。これらのシリンダはそれぞれ、回転可能に支持されているレバーアーム40aまたは40bに作用する。回転可能なレバーアーム40a,40bは第1の脚部22または第2の脚部24に沿って配向されて、締め付け機構36を用いて同期操作される。
【0041】
各回転可能なレバーアーム40a,40bは変位可能なピン28,32と結合されている。
【0042】
さらに、カッター固定機構42が設けられている(図3を参照)。カッター固定機構42は2つの固定ユニット44a,44bを含み、これらの固定ユニットはそれぞれ脚部22または24に配置されている。各固定ユニット44a,44bもシリンダ46a,46bと、該シリンダ46a,46bと枢着結合されているロッド48a,48bとを含み、該ロッドには、これに対し垂直に回転可能なバー50a,50bが配置され、この場合回転可能なバー50a,50bはそれぞれカッター担持体20の第1の脚部22または第2の脚部24に対しほぼ平行に配向されている。
【0043】
各バー50a,50bは、固定個所28,30,32,34の高さに、保持フラップ52の形態の保持要素を有している(図1を参照)。
【0044】
変位可能なピン28,32が非締め付け位置、すなわち非ロック位置にあるとき、各固定個所ペア28,34または30,32の間隔は、切断カッター40を、適当な孔でもって、第1の固定個所ペアによって形成される第1の切断位置または第2の固定個所ペアによって形成される第2の切断位置で受容するように設定されている。
【0045】
切断カッター14が第1の固定位置にあるとき、たとえば第1の固定個所ペアの固定個所28と34にあるとき、シリンダ38a,38bは図示していない制御機構を用いて操作されて、それぞれのレバーアーム40aまたは40bに対し力を作用させる。レバーアーム40a,40bは回転し、その結果レバーアーム40aまたは40bと結合されているシリンダ28または32が変位する。これによって切断カッターはその長手軸線に関して切断装置10内で締め付け固定される。
【0046】
締め付け機構36のシリンダ38a,38bとは独立に、しかしほぼ同時に、カッター固定機構42のシリンダ46a,46bが図示していない制御機構を用いて操作される。カッター固定機構42のシリンダ46a,46bはそれぞれのロッド48a,48bに作用し、その結果バー50a,50bがそれぞれその出発位置から所定の角度だけ保持位置へ回転する。その結果、バー50a,50bに配置されている保持フラップ52は外側から切断カッター14に対し配向され、よって切断カッター14がピン28またはボルト34で確実に保持される。
【0047】
第1の脚部22または第2の脚部24と保持位置での保持フラップ52との間隔は、切断カッター14の厚さよりも小さい。切断カッター14は、保持フラップ52を用いて、刃先面に対し垂直に変位しないようにすべきであり、従って固定個所28,34から抜け落ちないようにすべきである。しかしながら、保持フラップ52は特に、切断カッター14に圧力を作用して該切断カッターをカッター担持体20内でねじれに強いように安定化させるために用いる。
【0048】
切断カッター14を再びその出発位置から離隔させるため、カッター固定機構42のバー50a,50bを出発位置へ回転させる。この場合、保持フラップ52は固定個所28と34から離間するように回転し、その結果切断カッター14にアクセスしやすくなる。このように、切断カッター14を再び固定個所28と34から離隔させるにはある角度だけ回転させねばならない。
【0049】
バー50a,50bの回転運動とは独立に、レバーアーム40aと40bをその非締め付け位置へ回転させる。その結果変位可能なピン28はその非締め付け位置へ戻ることができ、この非締め付け位置で切断カッター14を両固定個所28,34から離間させることが可能である。
【0050】
この時点で切断カッター14を新しい切断カッターと交換し、またはリバースさせ、または第2の切断位置へもたらすことができる。
【0051】
切断カッターを第2の切断位置へもたらして、変位可能なピン32およびボルト30に固定するため、締め付け機構36を上述の態様と同じ態様で操作する。切断カッター14を締め付け固定するには、第2の固定個所ペアのピン32をレバーアーム40bを用いて変位させ、切断カッター14を第2の切断位置で保持するには、回転可能なバー50a,50bに設けた保持フラップ52を回転させる。
【0052】
図示した実施形態の場合、複数のシリンダ38a,38bは1つの共通の操作ユニットを用いて起動され、その結果レバーアーム40a,40bは、よってピン28または32は同調して操作される。これは、カッターを締め付け固定する際に、カッターを担持していないピン32または28も操作されることを意味している。
【0053】
しかしながら、他の実施形態では、シリンダ38a,38bは互いに独立に制御することもでき、その結果カッターを担持しているピン28または32のみが変位する。
【0054】
図4ないし図8は切断装置110の第2実施形態を示すもので、切断装置110は切断ユニット112を備え、切断ユニット112はカッター担持体120を有している。この第2実施形態では、ボルト128,130は第1の脚部122に配置され、変位可能なピン132,134は第2の脚部124に配置されている。ボルト128と変位可能なピン134とは第1の固定個所ペアを形成し、従って第1の切断位置を提供する。ボルト130と変位可能なピン132とは第2の固定個所ペアを形成し、よって第2の切断位置を提供する。
【0055】
同じ切断カッターを2つの切断位置に固定するために、第1の固定個所ペアのボルト128と変位可能なピン134との間隔は、第2の固定個所ペアのボルト130と変位可能なピン132との間隔に対応している。
【0056】
さらに、固定個所128,130,132,134はカッター担持体120の中心面に関し、特に両脚部122,124の内面に関し鏡対称に配向され、切断面に対し平行な面内にある。
【0057】
変位可能な両ピン132,134を変位可能にさせるための締め付け機構136は、シリンダ138を含み変位可能なピン132,134が設けられている脚部124に沿って配置されるシリンダ138と、枢着部158と、該枢着部158と結合されている偏心軸160とを含んでいる。
【0058】
変位可能なピン132,134は回転可能に支持され、この場合角変位可能なピン132,134には、その回転軸線に対し垂直に、偏心軸160と相互作用するピン状部材162,164が配置されている。
【0059】
さらに、カッター固定機構142が設けられている。カッター固定機構142は2つの固定ユニット144a,144bを含み、これら固定ユニットは、それぞれ、シリンダ146aまたは146bと、回転可能なロッド148aまたは148bと、該回転可能なロッド148aまたは148bに対し垂直に配置されている回転可能なバー150aまたは150bとを備え、この場合回転可能なバー150a,150bはそれぞれ、カッター担持体120の第1の脚部122または第2の脚部124に対しほぼ平行に配向されている。
【0060】
両シリンダ146a,146bは、カッター担持体120のベース126の上方に該ベース126に沿って配置されている。
【0061】
各ピン状部材150a150bは、固定個所128,130,132,134の高さに、保持フラップ152の形態の保持要素を有している。
【0062】
切断カッターがその所望の切断位置に配置されていれば、締め付け機構130を図示していない制御機構を用いて操作して、シリンダ138を起動させる。シリンダ138は枢着部158に作用して偏心軸160を回転させ、その結果ピン状部材162,164が変位可能なピン132,134を上方または下方へ、脚部の軸線の方向へ変位させる。このようにして、第1の切断位置または第2の切断位置にある切断カッターが締め付け固定される。
【0063】
締め付け機構136のシリンダ138とは独立に、しかしほぼ同時に、カッター固定機構142のシリンダ146a,146bを図示していない制御機構を用いて操作する。カッター固定機構142のシリンダ146a,146bはそれぞれの枢着部148a,148bに作用し、その結果バー150a,150bはそれぞれその出発位置から所定の角度だけ保持位置へ回転し、該保持位置で切断カッター114はピン132,134またはボルト128,130で保持される。
【0064】
切断カッターを切断装置112から除去するには、逆方向に操作を行う。
【0065】
液圧または空気圧で操作される締め付け機構またはカッター固定機構の代わりに、たとえば電気のような他の態様で操作される締め付け機構またはカッター固定機構を使用してもよい。
【符号の説明】
【0066】
1,110 切断装置
12,112 切断方向
14,114 切断カッター
20,120 カッター担持体
22,122 第1の脚部
24,124 第2の脚部
28,32;128,132 ピン(変位可能な固定個所)
30,34;130,134 ボルト(位置固定の固定個所)
38 レバー装置
52;152 保持フラップ(保持手段)
160 偏心軸
図1
図2
図3
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図8