【文献】
Ericsson, ST-Ericsson,Synchronization Procedures and Signals for D2D Discovery and Communication[online],3GPP TSG-RAN WG1♯74 R1-132911,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_74/Docs/R1-132911.zip>,2013年11月 1日
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別に明示しない限り、選択的なものとして考慮されてもよい。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施されてもよく、また、一部の構成要素及び/又は特徴は結合されて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に代えてもよい。
【0025】
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末間におけるデータ送受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接に通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で、基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)により行われてもよい。
【0026】
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)で構成されるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、又は基地局以外の他のネットワークノードにより行われるということは明らかである。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。中継機は、Relay Node(RN)、Relay Station(RS)などの用語に代えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。
【0027】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、これらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更されてもよい。
【0028】
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すこともできる。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0029】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書でサポートすることができる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明していない段階又は部分は、上記の標準文書でサーポートすることができる。なお、本文書で開示している全ての用語は、上記の標準文書によって説明することができる。
【0030】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような種々の無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM(登録商標) Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE 802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPP LTE及びLTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想はこれに制限されない。
【0031】
(LTA/LTA−Aリソース構造/チャネル)
図1を参照して無線フレームの構造について説明する。
【0032】
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンク信号パケット送信はサブフレーム(subframe)単位に行われ、1サブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定の時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(radio frame)構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2無線フレーム構造を支援する。
【0033】
図1(a)は、タイプ1無線フレームの構造を例示する図である。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1個のサブフレームは時間領域(time domain)において2個のスロット(slot)で構成される。1個のサブフレームを送信するためにかかる時間をTTI(transmission time interval)という。例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msであってよい。1スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いているため、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(RB)はリソース割当て単位であり、1スロットにおいて複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0034】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なってもよい。CPには、拡張CP(extended CP)及び一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1 OFDMシンボルの長さが増加するため、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、一般CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合は、シンボル間干渉をより減らすために、拡張CPを用いることができる。
【0035】
一般CPが用いられる場合、1スロットは7個のOFDMシンボルを含み、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームにおける先頭2個又は3個のOFDMシンボルはPDCCH(physical downlink control channel)に割り当て、残りのOFDMシンボルはPDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てることができる。
【0036】
図1(b)は、タイプ2無線フレームの構造を示す図である。タイプ2無線フレームは、2ハーフフレーム(half frame)で構成される。各ハーフフレームは、5サブフレーム、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period;GP)、及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成され、ここで、1サブフレームは2スロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定と端末の上り送信同期を取るために用いられる。保護区間は、上りリンク及び下りリンク間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。一方、無線フレームのタイプにかかわらず、1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。
【0037】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更されてもよい。
【0038】
図2は、下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。同図で、1下りリンクスロットは時間領域で7個のOFDMシンボルを含み、1リソースブロック(RB)は周波数領域で12個の副搬送波を含むとしたが、本発明はこれに制限されない。例えば、一般CP(normal−Cyclic Prefix)では1スロットが7 OFDMシンボルを含むが、拡張CP(extended−CP)では1スロットが6 OFDMシンボルを含んでもよい。リソースグリッド上のそれぞれの要素をリソース要素(resource element)と呼ぶ。1リソースブロックは12×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの個数N
DLは、下り送信帯域幅による。上りリンクスロットは下りリンクスロットと同一の構造を有することができる。
【0039】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で第1のスロットにおける先頭部の最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムで用いられる下り制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format IndicatorChannel;PCFICH)、物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Chanel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上り送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHで送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンク又は下りリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上り送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下り共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当て及び送信フォーマット、上り共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当て情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割当て、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信されてもよく、端末は複数のPDCCHをモニタすることができる。PDCCHは一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組み合わせ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割当て単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマットと利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEによって提供されるコーディングレート間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0040】
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別できる。制御領域には上りリンク制御情報を含む物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザーデータを含む物理上り共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末のPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して互いに異なった副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホップ(frequency−hopped)するという。
【0041】
(PSS(Primary synchronous signal)/SSS(Secondary Synchronous Signal))
図5は、LTE/LTE−Aシステムでセル探索(cell search)に用いられる同期信号であるPSS及びSSSを説明するための図である。PSS及びSSSを説明する前に、まず、セル探索について説明すると、セル探索は、端末が最初にセルに接続する場合、現在接続されているセルから他のセルにハンドオーバーを行う場合、又はセル再選択(Cell reselection)の場合などに、セルに対する周波数及びシンボル同期の獲得、セルの下りリンクフレーム同期の獲得、及びセル識別子(ID)の決定によって行うことができる。セル識別子は、3個が一つのセルグループをなし、セルグループは168個が存在できる。
【0042】
セル探索のために基地局ではPSS及びSSSを送信する。端末は、PSSを検出し、セルの5msタイミングを獲得し、セルグループ内のセル識別子について把握することができる。また、端末は、SSSを検出し、無線フレームタイミング及びセルグループが把握できる。
【0043】
図5を参照すると、PSSは、0番及び5番サブフレームで送信され、より詳しくは、0番及び5番サブフレームで第1スロットにおける最後のOFDMシンボルで送信される。また、SSSは、0番及び5番サブフレームの第1スロットにおける最後から2番目のOFDMシンボルで送信される。すなわち、SSSは、PSSが送信される直前のOFDMシンボルで送信される。このような送信タイミングはFDDの場合である。TDDの場合、PSSは1番及び6番サブフレームの三番目のシンボル、すなわち、DwPTSで送信され、SSSは、0番及び5番サブフレームの最後のシンボルで送信される。すなわち、TDDで、SSSはPSSよりも3シンボルの前で送信される。
【0044】
PSSは、長さ63のザドフ−チュー(Zadoff−Chu)シーケンスであり、実送信においてはシーケンスの両端に0が埋められれ、シーケンスがシステム周波数帯域幅の中央の73個の副搬送波(DC副搬送波を除けば72個の副搬送波、すなわち、6RB)上で送信される。SSSは、長さ31の2つのシーケンスが周波数インターリービングされた長さ62のシーケンスで構成され、PSSと同様に、全体システム帯域幅の中央の72個の副搬送波上で送信される。
【0045】
(PBCH(Physical Broadcast Channel))
図6は、PBCHを説明するための図である。PBCHは、主情報ブロック(Master Information Block、MIB)に該当するシステム情報が送信されるチャネルであり、端末が前述したPSS/SSSを用いて同期を取り、セル識別子を取得した後、システム情報を取得するために用いる。ここで、MIBは、下りリンクセル帯域幅情報、PHICH設定情報、システムフレーム番号(System Frame Number、SFN)などを含むことができる。
【0046】
MIBは、
図6に示すように、一つのMIB送信ブロックが、4個の連続した無線フレームにおいてそれぞれ最初のサブフレームで送信される。さらに説明すると、PBCHは、4個の連続した無線フレームにおいて0番サブフレームの第2スロットの先頭4個のOFDMシンボルで送信される。したがって、一つのMIBを送信するPBCHは40msの周期で送信される。PBCHは、周波数軸において全体帯域幅の中央の72個の副搬送波上で送信されるが、これは、最小下りリンク帯域幅である6RBに該当するものであり、端末が全体システム帯域幅の大きさを知っていない場合にも正しくBCHを復号できるようにするためである。
【0047】
以下では、上述した説明に基づいて、端末がD2D通信を行う様々な方法について説明する。以下の説明で、D2D通信に参加している端末をdUE、特定セルのカバレッジ内で基地局と通信する端末をcUE、特定基地局のカバレッジ外に位置するdUEをOdUE、カバレッジ内のdUEをIdUEと称するものとする。OdUEとcUEは、互いに異なるセルに関連付いている(association)状況であってもよい。また、D2D DLはD2D通信において受信する動作を、D2D ULはD2D通信において送信する動作を表す。D2D通信を行う端末のための上りリンクリソースをD2D UL(DUL)(リソース)、D2D通信を行う端末のための下りリンクリソースをD2D DL(DDL)(リソース)と称することができる。DUL、DDLと区別付くように、セル内基地局及び端末が使用する上りリンクリソース及び下りリンクリソースをセルラーUL(CUL)及びセルラーDL(CDL)と称することができ、以下でいう上りリンクリソース及び下りリンクリソースは、セルラーUL及びセルラーDLを意味する。
【0048】
(下りリンクリソースを用いたD2D通信−セルカバレッジ外にある端末の観点)
D2D端末は、後述するように、D2D通信のためのリソース(DUL、DDL)を用いて通信を行うこともできるが、下りリンクリソースを用いてD2D通信を行うこともできる。ただし、下りリンクリソースを用いたD2D通信は、基地局と通信しているセルラー端末に大きな干渉を与えることがあるため、これに対する考慮が必要である。下りリンクリソースを用いてD2D通信を行う/行うとする端末は、セルカバレッジ以内又はセルカバレッジ外に位置することができる。
【0049】
端末がセルカバレッジ外にある場合、基本的に、下りリンクリソースを基地局の別の指示無しで用いることができる。ここで、下りリンクリソースは、上りリンクリソースを用いたD2D通信(D2D制御信号や基本的なデータ通信)の収率増大(throughput enhancement)のために追加のリソースとして用いることができる。端末は、i)所定の時間にPSS/SSS検出に失敗した場合、ii)所定の時間にPDCCH復号に失敗した場合、iii)SINRが特定の臨界値以下の場合、自身がセルカバレッジ外にあると判断することができる。
【0050】
仮に、端末がセル外にあると判断した理由だけで、下りリンクリソースを用いてD2D通信を行うと、セル境界の端末には深刻な干渉が及ぶことがある。このため、セル境界の判断には、上述した方法の他、後述するように、第1信号(警告信号(warning signal)、又はその使用用途によって同期信号(synchronization signal)と呼ぶこともできる。)を用いることができる。例えば、
図7に示すように、セル外にある第1端末(UE1)は、第2端末(UE2)が送信する第1信号(1st singal)から、自身が下りリンクリソースを用いてD2D通信を行ってもよい位置にあるということがわかる。すなわち、第1信号は、端末が基地局の別の指示無しで下りリンクリソースを用いてD2D通信を行ってもよいセル外にあるということをコンファーム/確認させる機能を持つことができる。他の側面で、第1信号は、下りリンクリソースを用いたD2D通信による干渉から、セル境界における端末を保護するガード領域(guard region)として理解することもできる。
【0051】
第1信号は、あらかじめ定められたパターンの信号、セル境界における端末に印加された新しい形態の信号、又は既存の参照信号と同一/類似の信号とすることができる。仮に、第1信号として新しい信号が定義されると、第1信号が送信される領域、シーケンス情報、送信周期、送信されるサブフレーム番号、送信時間オフセット(time offset)などのような信号構成に関する情報の全て/一部が他の端末にシグナリングされる必要がある。ただし、事前に約束された形態であると、追加のシグナリングはなくてもよい。また、第1信号として既存の参照信号が再活用される場合には、例えば、SRS又はPRACHの特定パターンをセル境界の端末に印加し、セル境界の端末が第1信号を周期的/非周期的に送信することができる。仮に、SRSが第1信号として用いられる場合、SRSパラメータ(SRS comb type、SRS帯域幅、周波数ドメイン位置(frequency domain position)、SRSホップ帯域幅、期間(duration)、SRS構成インデックス、SRS循環シフト(cyclic shift)の全て/一部を、cUE及びOdUEに事前にシグナルすることができる。又は、仮にRACHが第1信号として用いられると、RACHパラメータ(プリアンブルフォーマット0〜4、RACHプリアンブルID)の全て/一部をcUE及びOdUEに事前にシグナルすることができる。ここで、RACHが送信される領域は、6 RBより小さくてもよく、大きくてもよい。6 RBよりも小さく設定すると、それ以外のRBを他の用途に用いたり、隣接RBへの干渉を減らすことができ、6 RBよりも大きく設定すると、OdUEの信号をcUEが検出する性能を向上させることができる。後述するが、第1信号が同期信号として用いられる場合、PSS/SSSと同一/類似の構造を有することができる。一例として、PSS/SSSが繰り返して送信される構造を有してもよく、PSS/SSS送信周期が既存の周期に比べて遥かに長い数十〜数百msであってもよい。或いは、PSS/SSSが送信される周波数位置が中心周波数において6 RBではなく、事前に設定された周波数領域で送信されてもよい。
【0052】
第1信号は、基本的に、セルカバレッジ外にある端末が検出し、次の説明のように利用/使用されるようにすることが好ましいが、cUEが第1信号を検出し、D2D通信に関連した電力設定、リソース割当てなどに用いることもできる。
【0053】
cUEによる第1信号の検出は、第1信号の探索動作に対する基地局の直接指示に依存することができる。例えば、基地局が第1信号を探索するようとの指示を物理層信号又は上位層信号で送ることができる。具体的に、第1信号探索の指示は、PDCCHの特定フィールド、ページングメッセージに含めるか、PBCHの遊休状態を用いて行うことができる。このような第1信号探索の指示を受信したcUEは、事前にシグナリングされたサブフレーム、シンボルなどのリソースで第1信号の探索を行うことができる。
【0054】
OdUEによる第1信号の検出動作は、一定サブフレームを空にして(すなわち、D2D通信を中断して)第1信号を探索することができる。D2D端末のうち、データを受信する端末は、データ受信中に第1信号を探索する動作を行うこともできる。ここで、第1信号の探索周期、区間などは、OdUEと第1信号を送信するcUE間にあらかじめ約束されているものであってよい。第1信号のフォーマット、送信周期、区間情報は、OdUEにネットワークから事前にシグナルされたり又はあらかじめ定められたものであってもよい。仮に、第1信号としてRACHが再活用される場合、セル境界の端末は、特定サブフレームであらかじめ定められたIDのRACHを送信し、OdUEは、RACHが送信された無線フレームで、該当のID、フォーマットのRACHをスキャニング(scanning)することができる。RACH信号に関する情報(プリアンブルフォーマット(0〜4)、RACHプリアンブルIDなど)は、事前にOdUEにシグナルされたものであってもよい。
【0055】
仮に、カバレッジ外にある端末が遊休状態であるが、カバレッジ外に変更されると、ページング信号に第1信号情報を含むことができる。FDDの場合、下りリンクリソースでは、基地局カバレッジを判断するために一定周期の間に(又は、常に)PSS/SSSを探索する動作を行い、上りリンクリソースでは、セル境界における端末の有無を把握するためにD2D通信を中断して第1信号を探索することができる。TDDでは、上りリンクサブフレームと下りリンクサブフレームの境界が全く異なりうるため、あらかじめ定められた第1信号探索区間内の全て/一部のサブフレームでPSS/SSS探索を行い、全て/一部のサブフレームでcUEの第1信号を探索することができる。このとき、下りリンク/上りリンクリソースで第1信号を探索する周期、長さは、端末間にあらかじめ設定されており、周期は可変してもよい。FDDでは、バンド間に伝搬(propagation)が変わりうるため、検出後に一定の値を補償して下りリンクバンドのガード領域を判断することができ、TDDでは直接ガード領域を判断することができる。
【0056】
上述したような動作によって第1信号を検出した端末は、次のように動作することができる。
【0057】
i)第1信号を受信した端末は、第1信号の受信電力に基づいてD2D通信の送信電力を設定/決定することができる。例えば、第1信号の受信電力が大きい場合、周辺にセル境界端末があると認知し、受信電力に反比例するようにD2D送信電力を設定することができる。
【0058】
ii)第1信号の受信電力があらかじめ設定された値以下であるリソースブロックでのみD2D通信を行うことができる。言い換えると、第1信号が送信される帯域において特定臨界値以下で受信電力が検出されるRB(FDDの場合は、上りリンクバンドのRB、TDDの場合、OdUEはサブフレーム境界が外れている可能性が高いため、UL/DL SF両方に該当するRB)はD2D通信に使用し、臨界値を越える場合にはD2D通信に当該RBを使用しないようにすることができる。
【0059】
iii)第1信号は、D2D最大送信電力又は第1信号を送信する端末のtarget IoT、第1信号を送信する端末の送信電力に関する情報を含むことができるが、このような情報及び第1信号の受信電力を用いてD2D通信の上りリンク及び/又は下りリンクリソースにおける送信電力を決定することができる。
【0060】
iv)端末は、第1信号の受信電力に基づいてD2D ULバンドの送信電力を決定し、D2D ULバンドの送信電力と比較して所定オフセットの大きさだけの差分を有する値としてD2D DLバンドの送信電力を決定することができる。すなわち、第1信号を受信した端末は、D2D通信で用いるD2D DLリソースとD2D ULリソースの送受信電力を互いに異なるように決定する。
【0061】
v)第1信号の受信強度が所定値よりも大きいと、受信した時点からN個の無線/サブフレームの間にD2D通信を中断することができる。例えば、第1信号がMフレームに一度送信されると、第1信号が送信されたフレームからNフレームはブランクと設定し、OdUEがD2Dを行えないようにしてもよい。cUEも、第1信号を受信し、強い受信電力で第1信号を検出する場合、受信時点から一部のフレームでD2D通信を行わなくてもよい。
【0062】
vi)所定時間の間にD2D通信を中断すること(vの内容)は、前述したi)〜iv)方式と組み合わせて用いることもできる。例えば、D2D送信電力の調節、リソース割当ては、第1信号受信してNフレーム後にのみ適用することができる。
【0063】
vii)v)及びvi)の場合、cUE又はD2D端末は、N個フレームに対してRLM/RRM/CSI測定を別途に行うことができる。第1信号送信時点からNフレームは、d2d端末からの干渉が少ないはずだからである。
【0064】
viii)端末は、第1信号を受信する領域では、RRM/RLM/CSI測定を行わないか、又は、別のRRM/RLM/CSI測定を行うことができる。
【0065】
ix)第1信号受信後、該当の情報を周辺dUEにリレーすることができる。特定dUEが探索区間で第1信号を受信した場合、このような情報を周辺dUEにリレーすることができる。リレーする方法としては、第1信号を再送信する方法、又はdUE間にあらかじめ定められたチャネル及び特定フォーマットの信号を用いて、このような事実を周辺dUEに知らせる方法などを用いることができる。
【0066】
第1信号は、カバレッジ外にある端末の同期のために送信/利用することができる。より詳しくは、セルカバレッジ以内にある端末(特に、セル境界にある端末)は、前述したとおり、基地局などの指示によって第1信号を送信することができる。カバレッジ外にある端末は、第1信号を受信し、これを、D2D通信に関連した同期を獲得するために用いることができる。カバレッジ外にある端末は第1信号を受信し、これを他の端末にリレーすることができる(これに限定されず、第1信号を受信した、カバレッジ以内の端末も第1信号をリレーすることができる)。このような第1信号のリレー、すなわち、同期のリレーが
図7に例示されている。
【0067】
図7を参照すると、第2端末(UE2)は、基地局から送信される同期信号(PSS/SSS)を受信することができ、これに基づいて第1信号(1st signal)を第1端末(UE1)に送信することができる。第2端末(UE2)の属したセルの領域外に位置する第1端末(UE1)は、受信した第1信号(1st signal)に基づく第2信号(2nd signal)を、第3端末(UE3)に伝達することができる。この場合、第1端末は第1信号からD2D通信に関連した同期を獲得することができる。同様に、第3端末は、第2信号からD2D通信に関連した同期を獲得することができる。
【0068】
同期信号としての第1信号(1st signal)は、PSS/SSSと同一の又は変形された形態のPSS/SSSであってもよい。例えば、第1信号(1st signal)を構成するPSSのためのシーケンス及びSSSのためのシーケンスはそれぞれ、DC(Direct Current)副搬送波を除く62/x個の副搬送波及びDC副搬送波を除く62/y個の副搬送波(x,yは、62の約数から選択された値)にマップして送信することができる。言い換えると、第1信号(1st signal)は、既存のPSS/SSSに比べて長さが短くなったり長くなった形態を有することができる。第2信号(2nd signal)も、第1信号(1st signal)と同一であってもよく、基地局が送信したPSS/SSS又は第1信号(1st signal)と比較して長さが短くなったり長くなった構造を有することができる。他の例として、PSS/SSSが一定数だけ反復された形態であってもよい。
【0069】
第1信号(1st signal)は、基地局のPSS/SSS受信時点と特定オフセットをおいて送信することができる。第2信号(2nd signal)も、第1信号(1st signal)と所定オフセットをおいて送信することができる。すなわち、基地局のPSS/SSSと第1信号(1st signal)、第1信号(1st signal)と第2信号(2nd signal)は、送信される時間及び/又は周波数領域が互いに異なるようにすることができる。言い換えると、第1信号(1st signal)は、第2端末(UE2)のサービングセルが送信するPSS及びSSSと重ならない時間及び/又は周波数領域で送信し、第1端末(UE1)は、受信した第1信号(1st signal)と同じ第2信号を、第1信号(1st signal)を受信した時間及び/又は周波数リソースと異なるリソースで第3端末(UE3)に伝達することができる。
【0070】
端末は、カバレッジ内では基地局と同期を取り、カバレッジ外ではグループ単位に(代表端末を選定して)同期を取って動作することができる。カバレッジ内で用いるPSS/SSSシーケンスとカバレッジ外で(特定UEが送信する)用いるPSS/SSSシーケンス(新しく設計されたものであってもよく、既存のPSS/SSSが拡張/縮小されたものであってもよい。)を区別することができる。このとき、端末が送信するPSS/SSSは、上述した同期信号と同一のフォーマットを有することができる。又は、同一のフォーマットを有するが、送信周波数位置があらかじめ定められた特定位置であってもよい。したがって、(TDDの場合)基地局が送信するPSS/SSSとカバレッジ外にある代表端末が送信するPSS/SSSとを確実に区別することができる。仮に、代表端末が率いるグループが基地局のPSS/SSSを受信し得る範囲に移動すると(基地局のPSS/SSS測定方法は別途)、基地局と同期を取る動作を行う。ここで、干渉が大きい場合(すなわち、臨界値以上の場合)義務的に行うことができる。仮に、代表端末が率いるグループが、他の代表端末が率いるグループが送信するPSS/SSSを検出すると、特別に動作しないが、他の代表端末のPSS/SSSの信号の強度が臨界値以上になると、両者間に同期を取るための手順を行うことができる。
【0071】
第1信号探索のためには、OdUE(又は、cUE)はD2D通信を中断し、第1信号探索を行うことができる。例えば、RACHを第1信号として活用する場合、cUEが事前に約束されたサブフレーム又は無線フレームで第1信号を送信し、dUEは、当該無線フレームの一部のサブフレームでD2D通信を中断して第1信号をスキャニングすることができる。例えば、カバレッジ外に進入したOdUE(RLFを宣言した端末、RSRPの強度が特定臨界値以下の場合、又はPDCCH復号失敗確率が特定臨界値(RLFの臨界値と異なるように設定することができる)以上の場合)は、カバレッジ外に位置するとタイマーを起動し、第1信号を探索するサブフレーム(又は、シンボル、無線フレーム単位であってもよい)長さをタイマーに比例して増加させることができる。これは、カバレッジ外に進入して時間が増えるほど、サブフレーム境界から外れてより多い区間を探索しなければならないためである。
【0072】
以下、上記の説明に基づいて、FDD、TDDの各場合について詳しく説明する。
【0073】
FDDの場合、D2Dに参加する全ての端末が、まず、下りリンクリソースでPSS/SSS検出に長時間失敗した場合、これらの端末はカバレッジ外にあると判断し、下りリンクリソースをD2D候補リソースと見なす。ガード領域検出のために一定周期の間に上りリンクリソースで探索し、ガード領域を離れてはじめてdUEは下りリンクリソースを用いてD2D通信を行うことができる。FDDでは、下りリンク/上りリンクバンドの差によって検出プローブに補償因子を導入することができる。また、全ての下りリンクリソースの制御は、上りリンクバンドを通して行うことができる。すなわち、上りリンクリソースをPcellと見なし、下りリンクバンドはScellとなり、Pcellによってクロス搬送波スケジューリング(cross carrier scheduling)のように動作することができる。
【0074】
下りリンクリソース使用の有無は、全ての端末がカバレッジ外にあることが確認される場合にのみ端末が直接構成できるため、端末がD2Dリンクセットアップ時にカバレッジ以内にあるか外側にあるかを、他のD2D端末にシグナルすることができる。例えば、ディスカバリシグナルに、カバレッジに属するか否かを埋め込んで送信することができる。D2D端末が全てカバレッジ外にあることが確認される場合、D2D端末のいずれか一つの端末が、下りリンクリソース使用を上りリンクリソースを用いて直接構成することができる。この時、伝達される信号は、下りリンクリソースのうちいずれのサブフレームがD2D DL/ULで用いられるかに関する情報を伝達することができる。dUEのうち、いずれか一つの端末がカバレッジ中にある場合には、当該端末又は基地局がDLリソース使用の有無を指示することができる。
【0075】
下りリンクリソースをカバレッジ外で使用する途中に移動によってカバレッジ以内に位置した場合、第1信号を受信した場合、第1信号の受信電力が一定臨界以上の場合などに、下りリンクリソース使用を中止しなければならない。下りリンクリソース使用を中止する動作は、基地局がcUEに直接指示してもよく、OdUEがPSS/SSS、第1信号を検出して直接終了/中断させてもよい。これに先駆けて、D2D端末がカバレッジ以内にあるか又は外にあるかを判断するには、PSS/SSS位置にはD2Dデータ送信を行ってはならない。このため、OdUEは、(FDD)DLバンドの全サブフレームに対して中央の6 RBをD2D用途には使用しなくてもよい。カバレッジ領域内にあるときにはセルラーネットワークのサブフレーム境界が知るため、0番及び5番サブフレームのPSS/SSS位置だけ使用しなければいいが、カバレッジ外ではセルラーネットワークのサブフレーム境界が知らず、測定のために全サブフレームに対してD2D用に使用することができない。一方、下りリンク帯域幅が小さい場合には、6 RBを持続して使用することができず、下りリンクバンド使用による収率増大の効果が低減する。したがって、この場合には、下りリンクバンドにおける中央の6 RBを周期的にD2D用途に用いることができる。D2D端末は、特定の周期で6 RBをD2D通信用に使用せずにセル探索動作を行う。このとき、モニタリングの長さは一定の長さ(例えば、10ms=無線フレーム)以上でなければならないし、周期は、状況によって構成することができる。PSS/SSSモニタリング周期は、可変的に構成することができ、このとき、セル探索に失敗した時間をタイマーで測定し、周期を可変させることができる。例えば、カバレッジ外に進入した端末は、タイマーを起動し、タイマー長に比例して、セル探索を行う区間長を増やすことができる。この動作は、下りリンクバンドでD2D受信する端末が行い、PSS/SSS探索によってセルラー基地局のセルIDが検出されると、これを直ちに(一例として、事前に設定された時間/周波数リソースを用いて特定信号を送信したり、ディスカバリ信号或いは信号1を用いて知らせることができる。)D2D送信端末に知らせ、D2D DLバンド使用中断を行う。ガード領域探索のために、上りリンクバンドも同様に、一定周期で探索を行う。ガード領域探索は、PSS/SSS検出に失敗した端末が一定の周期(例えば、100ms)を設定して探索を行う。このとき、セルラーネットワークのサブフレーム境界が知らないことから、一定時間の間に(例えば10ms)端末の第1信号探索を行うことができる。
【0076】
カバレッジ外において中央6 RBを全サブフレームに対して空にしておく動作が非効率的である場合には、一部の下りリンクリソース(OFDMシンボル単位、サブフレーム単位など)を常に空にしておき、エネルギー検出する方式を用いることもできる。この方式は、モニタリングに用いられる非使用RB数が減るという長所があるが、知らされたシーケンスを検出するわけではないから、セル探索性能が低下するという短所がある。この方式で、エネルギー検出が特定臨界値を越える場合、端末は、次のサブフレームから中央の6 RBを空にしてPSS/SSS探索する動作を行うことができる。
【0077】
TDDの場合、D2Dに参加する全ての端末が、まず、下りリンクリソースでPSS/SSS検出に長時間失敗した場合、これらの端末はカバレッジ外にあると判断し、下りリンクリソースをD2D候補リソースと見なす。ガード領域検出のために、一定周期の間に上りリンクリソースで探索し、ガード領域から離れてはじめてdUEは下りリンクリソースを用いてD2D通信を行うことができる。
【0078】
UEがまず下りリンクサブフレームでPSS/SSS検出に長時間失敗した場合、端末はカバレッジ外にあると判断し、下りリンクリソースをD2D候補リソースと見なす。dUEがガード領域外に位置してはじめて下りリンクリソースを完全に用いることができると見なすことができる。このため、dUEは、基本的に、下りリンクサブフレームでセル探索だけでなく、上りリンクサブフレームで第1信号も探索する。このとき、全ての下りリンクリソースの制御は、上りリンクサブフレームを通して行われる。このとき、全てのD2D端末がカバレッジ外にあると判断し(また、ガード領域外にあると判断し)、このような状況で端末間にD2D通信を要請された場合、dUE間に、既存にセルラーネットワークで構成されたTDD構成とは異なるものを用いることができる。このようなD2DのためのTDD構成を、D2DデフォルトTDD構成と呼ぶことができる。例えば、カバレッジ外ではD2Dデフォルト構成として0番のTDD構成を用いることができる。TDD構成として0番構成を用いると、多数のサブフレームがULとして構成されるため、D2D通信で可用のリソースが増加し、下りリンクサブフレームを制御する信号の量が減少し、効率性を上げることができる。このようなD2DデフォルトTDD構成は、カバレッジ外で基本的に用いるが、周辺にセルラー端末が殆どないか、又はPSS/SSS信号が検出されるものの、その強度が微弱な場合(特定臨界値以下)にも用いることができる。
【0079】
このようなD2DのためのTDD構成は可変してもよい。最初にD2Dリンクセットアップをした時には、TDD構成は、最後に用いたものを用いることができる。dUE間に一定時間タイマーを測定し、カバレッジ外にある状態が続く場合、TDD構成をD2Dデフォルト構成に変更することができる。
【0080】
カバレッジ外においてD2DデフォルトTDD構成が定義されない場合には、既存のカバレッジ内で用いたTDD構成を用いてD2D通信を行うことができる。この場合、下りリンクサブフレームの使用は、上りリンクサブフレームのデフォルトD2Dリンクによって制御される。
【0081】
TDD構成において、一部の下りリンクサブフレームが動的に上りリンクサブフレームに変更されてもよい(上りリンクリソースを増やしてD2D収率を増大させるために)。逆に、一部の上りリンクサブフレームが下りリンクサブフレームに動的に変更されてもよい。これは、下りリンクリソースを増やして、セルラーネットワークのセル探索の効率を増大させるためである。
【0082】
(下りリンクリソースを用いたD2D通信−セルカバレッジ以内にある端末の観点)
dUEは、基本的に、上りリンクリソースを用いてD2D通信を行うが、場合によって、基地局が下りリンクリソース使用を許容することもできる。言い換えると、上りリンクリソースを一種のD2Dのためのデフォルトリソースとして使用し、ディスカバリなどの制御を含めて、下りリンクリソースを純粋な収率増大(throughput boost)の用途に用いることができる。
【0083】
下りリンクリソースでD2D端末がOFDMで送信するとき、参照信号のスクランブリングシーケンスのID、送信パワー情報、D2Dに使用可能なリソースの情報を、(カバレッジ内である場合には)基地局が直接指示することができる。さらに、MBSFN構成が不可能なサブフレームに関する情報も基地局が指示することができる。このような指示情報は、D2D端末のうち、送受信端末の全てに直接指示することもでき、D2D端末のうち、送信端末又は受信端末のいずれか一方にのみ指示することもできる(特定dUEにのみ上記の情報が指示されると、これを受信したdUEが他のdUEに伝達する。)。このとき、D2D送信機が送信するRSのIDは、周辺基地局及びD2D端末と異なるIDを割り当てなければならない。D2Dに使用可能なリソースの情報は、DCIにおいて、PDCCH、(該当のdUEに割り当てられた)PDSCH、EPDCCHを除く残りの領域として暗黙的(implicit)に考慮することができる。一方、カバレッジ以内にあるdUEは、セル探索のために、下りリンクバンドでPSS/SSSが送信されるOFDMシンボルをD2D用に使用せずに空にしておかなければならない。また、基地局からのRSRP測定のために、CRS位置も使用せずに空にしておかなければならない。言い換えると、カバレッジ内では、基地局からの測定を行うために、PSS/SSS/PBCH、CRS位置をD2D用途に使用せずに空にしておくことができる。また、ページングシグナリング領域もD2D用途に使用せずに空にしておかなければならない。ここで、D2D通信において下りリンクリソースを用いてD2Dリンクでデータを送信するdUEは、セルラー基地局から測定及びデータ受信を行うことができず、DRXモードをトリガーすることができる。このとき、D2D通信のために、DRXデューレーションは40msよりも大きくなってもよい。
【0084】
セルラーネットワークの下りリンクリソースは、i)D2D ULの補助リソース(バンド又はサブフレーム)、ii)D2D DLの補助リソース、iii)D2D UL/DL両方の補助リソース、のうち一つ以上に用いることができる。i)、ii)の場合、セルラーの下りリンクバンドの一部(セルラーネットワークとの通信のための部分を除く残りの領域)は、D2D UL又はDLリンクの補助バンド用のみに用いられる。このため、下りリンクリソースは、セルラーネットワークとの通信を維持するための領域とD2D通信のための領域の2つの領域に区別することができる。下りリンクリソースもULと同様に、時間領域で区分して用いることができる。このとき、サブフレーム単位にリソースを区分してもよく、フレーム単位に区分してもよい。サブフレーム単位にリソースを区分する場合、一部のサブフレームはD2D用に用い、残りのサブフレームは基地局との通信用に用いることができる(無線フレーム単位に区分する場合にも同様)。このようなD2Dのためのサブフレーム構成は、基地局が直接指示することができる。D2Dのための構成は、全てのD2D端末にRRCでシグナルしたり、DCIを用いて(D2D構成のための新しいDCI、又は、例えば、既存のDCIにおいてTPCフィールドやARO(A/N Resource Offset)フィールドを再利用してD2D DLリソースで下りリンクリソース割当てのために用いることができる。)シグナルすることができる。iii)の場合は、下りリンクリソースを3つの領域(D2D UL/DL、セルラーDL)に区分することができる。このとき、3つの領域に対するリソース構成をいずれも基地局が指示してもよく、D2D/セルラー領域のみを基地局が指示し、D2D領域内でD2D UL/DLは端末が指示してもよい。
【0085】
(上りリンクリソースを用いたD2D通信)
上りリンクリソースは、D2D DL、D2D UL、基地局ULに区分することができる。基地局ULは、基地局との通信を維持するための領域であり、この無線リソース領域は、(カバレッジ以内である場合)基地局によって、(カバレッジ外である場合)端末によって構成することができる。また、基本的に、D2D通信が上りリンクリソースで動作するため、SC−FDMAを用いることを仮定する。しかし、提案された方法がSF−FDMAに限定されるわけではなく、上りリンクバンドにおいてOFDMAで動作するシステムにも適用可能である。上りリンクリソースを3つの領域に区分する基準として時間、周波数を用いることができる。周波数でリソース領域を区分する場合、ガードバンドと新しいRFフィルタを必要としうるため、上りリンクリソースを時間で区分することを仮定する。時間領域でのリソース区分は、SC−FDMシンボル単位であってもよく、サブフレーム単位であってもよい。
【0086】
SC−FDMシンボル単位でリソースを区分する場合(この場合は、サーキットスイッチング性能が非常に良いため、ガード区間をほとんど必要としない場合であってもよい。実際にもパワーアンプの過渡周期(transient period)と遅延拡散(delay spread)の和がCP長以内である場合に追加のガード区間を必要としない)、基地局との通信のための領域は、各サブフレームでDMRS周辺を優先的に用いることができる。これは、D2Dリンクは、基地局リンクに比べて遥かに近距離で良いリンク品質を有するはずであり、チャネル推定性能も良いと予想されるためである。
図8に、このようなリソース区分の例示を示す。
【0087】
図8と違い、ULリソースは、
図9の例示のように、サブフレーム単位で区分して用いることもできる。サブフレーム単位の場合、一部の上りリンクサブフレームは基地局との通信のために割り当て、残りの上りリンクサブフレームは、D2D用に割り当てることができる。このような構成/設定は、(カバレッジ以内の場合)基地局によって指示されてもよく、(カバレッジ外である場合)dUE間で直接構成されてもよい。このとき、D2D DLとD2D ULとの境界で最後のサブフレームにおける最後のシンボルを、SRSを送信するために使用せず、UL/DLスイッチングのためのガードシンボルに設定することができる(DL/ULスイッチング期間(switching period)及び遅延拡散の和がCP長を超える場合、ガードシンボルを構成することができる。)。このようなガードシンボルは、DLからULに又はULからDLに切り替わる場合に構成することができるが、連続したセルラーULとD2D ULサブフレームとの間では制限的にガードシンボルを構成することができる。例えば、D2D ULとセルラーUL間の送信電力の差が特定臨界値を越え、パワーアンプの過渡周期(transient period)が大きくなった場合、ガードシンボルを構成することができる。基本的に、D2D UL、セルラーULサブフレームはいずれも送信回路を用いているため、送信電力の差が大きくない場合には過渡周期がCP以内に収まってガードシンボルを必要としないだろう。セルラーULサブフレームからD2D DLサブフレームに切り替わる場合には、D2Dサブフレームの最初のシンボルをガードシンボルとして構成することができる。これは、基地局との通信においてサブフレーム構造を極力保護するためである。このようなガードシンボルは、全体が空いている領域として用いられてもよく、短い長さの(全体システム帯域幅において一部のRBのみを用いる)SC−FDMシンボルが送信され、残りの領域はガード区間に設定されてもよい。上述した内容は、上りリンクリソースを時間領域で区分する場合に関するが、dUEがセルラーネットワークの下りリンクリソースを用いる場合にも同様、時間領域でリソースを区分することができる。ULと同様に、D2D/セルラーDLのリソース領域は、OFDMシンボル単位で区分されてもよく、サブフレーム単位で区分されてもよい。OFDMシンボルで区分される場合は、スイッチング回路の性能が良く、ガード区間をほとんど必要としない場合である。dUEがカバレッジ以内にある場合、PDCCHを受信し、基地局とのリンクを維持しなければならないことから、毎SFのPDCCH領域はD2D用に使用することができない。カバレッジ外にある場合には、PDCCH領域は何ら信号も基地局から受信しないことから、セルラーネットワークのセル探索用に使用したり(エネルギー検出)、D2Dリンクで使用することができる。
【0088】
dUEが下りリンクリソースを用いる場合、最後のシンボル又は最初のシンボルがガードシンボルとして用いられると、RSの一部が送信されないことがある。この場合、RS位置を異に構成し、RSが送信されない問題点を解決することができる。例えば、最後のシンボルがガードシンボルとして用いられる場合、第2スロットで送信されるDMRS位置を変更して送信することができる。
【0089】
(本発明の実施例に係る装置構成)
図10は、本発明の実施形態に係る送信ポイント装置及び端末装置の構成を示す図である。
【0090】
図10を参照すると、本発明に係る送信ポイント装置10は、受信モジュール11、送信モジュール12、プロセッサ13、メモリ14及び複数個のアンテナ15を備えることができる。複数個のアンテナ15は、MIMO送受信を支援する送信ポイント装置を意味する。受信モジュール11は、端末からの上りリンク上の各種の信号、データ及び情報を受信することができる。送信モジュール12は、端末への下りリンク上の各種の信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ13は、送信ポイント装置10全般の動作を制御することができる。
【0091】
本発明の一実施例に係る送信ポイント装置10におけるプロセッサ13は、前述した各実施例において必要な事項を処理することができる。
【0092】
送信ポイント装置10のプロセッサ13は、その他にも、送信ポイント装置10が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を担い、メモリ14は、演算処理された情報などを所定時間記憶することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素に代えてもよい。
【0093】
続いて、
図10を参照すると、本発明に係る端末装置20は、受信モジュール21、送信モジュール22、プロセッサ23、メモリ24及び複数個のアンテナ25を備えることができる。複数個のアンテナ25は、MIMO送受信を支援する端末装置を意味する。受信モジュール21は、基地局からの下りリンク上の各種の信号、データ及び情報を受信することができる。送信モジュール22は、基地局への上りリンク上の各種の信号、データ及び情報を送信することができる。プロセッサ23は、端末装置20全般の動作を制御することができる。
【0094】
本発明の一実施例に係る端末装置20におけるプロセッサ23は、前述した各実施例において必要な事項を処理することができる。
【0095】
端末装置20のプロセッサ23は、その他にも、端末装置20が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を担い、メモリ24は、演算処理された情報などを所定時間記憶することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素に代えてもよい。
【0096】
上記のような送信ポイント装置及び端末装置の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されたり、又は2つ以上の実施例が同時に適用されるように具現することができ、重複する内容は明確性のために説明を省略する。
【0097】
また、
図10の説明において、送信ポイント装置10についての説明は、下り送信主体又は上り受信主体としての中継機装置にも同一に適用することができ、端末装置20についての説明は、下り受信主体又は上り送信主体としての中継機装置にも同一に適用することができる。
【0098】
以上の本発明の実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって実現することができる。
【0099】
ハードウェアによる実現の場合に、本発明の実施例に係る方法は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって実現することができる。
【0100】
ファームウェアやソフトウェアによる実現の場合に、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態として具現することができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動することができる。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを授受することができる。
【0101】
以上、開示された本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者に理解されるように、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更することもできる。例えば、当業者は、上記の実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いてもよい。したがって、本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。
【0102】
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱することなく、他の特定の形態として具体化することができる。そのため、上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって定めなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を有するものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよい。