特許第6131343号(P6131343)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6131343アドバイス出力システム、アドバイス出力方法及びアドバイス出力プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6131343
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】アドバイス出力システム、アドバイス出力方法及びアドバイス出力プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20120101AFI20170508BHJP
   G07D 9/00 20060101ALI20170508BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20170508BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   G06Q50/22
   G07D9/00 431
   G06Q20/18
   A61B5/00 D
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-1376(P2016-1376)
(22)【出願日】2016年1月6日
【審査請求日】2016年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】592052416
【氏名又は名称】株式会社 みずほ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】高梨 昇
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−142746(JP,A)
【文献】 特開2013−238970(JP,A)
【文献】 ヒューマンセンシングの活用について,[online],NTTデータ,2015年12月17日,[平成28年12月22日検索],URL,http://www.nttdata.com/jp/ja/insights/trend_keyword/2015121701.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
A61B 5/00
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の健康状態を記録する健康情報記憶部と、
取引情報を記録した取引情報記憶部と、身体情報を取得するセンサに接続された制御部とを備えたアドバイス出力システムであって、
前記制御部が、
前記センサにおいて検出したセンサ情報に基づいて、健康状態を評価し、検出日時に関連付けて前記健康情報記憶部に記録し、
前記取引情報記憶部から取引情報を取得し、
前記取引情報についての取引評価結果を取得し、
前記取引評価結果と、取引日時に対応する検出日時の健康状態とを関連付けて記録し、
前記取引情報の取引日時に対応する検出日時の健康状態を、前記健康情報記憶部から取得し、
前記センサのセンサ情報に基づいて特定した健康状態に対応する取引評価結果に基づいてアドバイスを出力することを特徴とするアドバイス出力システム。
【請求項2】
利用者の健康状態を記録する健康情報記憶部と、
取引情報を記録した取引情報記憶部と、身体情報を取得するセンサに接続された制御部とを備えたアドバイス出力システムであって、
前記制御部が、
前記センサにおいて検出したセンサ情報に基づいて、健康状態を評価し、検出日時に関連付けて前記健康情報記憶部に記録し、
前記取引情報記憶部から取引情報を取得し、
前記取引情報について、評価対象期間の取引パターンを特定し、
前記取引パターンと、前記評価対象期間に対応する検出日時の健康状態とを関連付けて記録し、
前記取引情報の取引日時に対応する検出日時の健康状態を、前記健康情報記憶部から取得し、
前記取引情報記憶部から取得した取引情報の取引パターンに対応する健康状態に基づいてアドバイスを出力することを特徴とするアドバイス出力システム。
【請求項3】
利用者の健康状態を記録する健康情報記憶部と、
取引情報を記録した取引情報記憶部と、身体情報を取得するセンサに接続された制御部とを備えたアドバイス出力システムを用いて、アドバイスを出力する方法であって、
前記制御部が、
前記センサにおいて検出したセンサ情報に基づいて、健康状態を評価し、検出日時に関連付けて前記健康情報記憶部に記録し、
前記取引情報記憶部から取引情報を取得し、
前記取引情報についての取引評価結果を取得し、
前記取引評価結果と、取引日時に対応する検出日時の健康状態とを関連付けて記録し、
前記取引情報の取引日時に対応する検出日時の健康状態を、前記健康情報記憶部から取得し、
前記センサのセンサ情報に基づいて特定した健康状態に対応する取引評価結果に基づいてアドバイスを出力することを特徴とするアドバイス出力方法。
【請求項4】
利用者の健康状態を記録する健康情報記憶部と、
取引情報を記録した取引情報記憶部と、身体情報を取得するセンサに接続された制御部とを備えたアドバイス出力システムを用いて、アドバイスを出力する方法であって、
前記制御部が、
前記センサにおいて検出したセンサ情報に基づいて、健康状態を評価し、検出日時に関連付けて前記健康情報記憶部に記録し、
前記取引情報記憶部から取引情報を取得し、
前記取引情報について、評価対象期間の取引パターンを特定し、
前記取引パターンと、前記評価対象期間に対応する検出日時の健康状態とを関連付けて記録し、
前記取引情報の取引日時に対応する検出日時の健康状態を、前記健康情報記憶部から取得し、
前記取引情報記憶部から取得した取引情報の取引パターンに対応する健康状態に基づいてアドバイスを出力することを特徴とするアドバイス出力方法。
【請求項5】
利用者の健康状態を記録する健康情報記憶部と、
取引情報を記録した取引情報記憶部と、身体情報を取得するセンサに接続された制御部とを備えたアドバイス出力システムを用いて、アドバイスを出力するためのプログラムであって、
前記制御部を、
前記センサにおいて検出したセンサ情報に基づいて、健康状態を評価し、検出日時に関連付けて前記健康情報記憶部に記録し、
前記取引情報記憶部から取引情報を取得し、
前記取引情報についての取引評価結果を取得し、
前記取引評価結果と、取引日時に対応する検出日時の健康状態とを関連付けて記録し、
前記取引情報の取引日時に対応する検出日時の健康状態を、前記健康情報記憶部から取得し、
前記センサのセンサ情報に基づいて特定した健康状態に対応する取引評価結果に基づいてアドバイスを出力する手段として機能させることを特徴とするアドバイス出力プログラム。
【請求項6】
利用者の健康状態を記録する健康情報記憶部と、
取引情報を記録した取引情報記憶部と、身体情報を取得するセンサに接続された制御部とを備えたアドバイス出力システムを用いて、アドバイスを出力するためのプログラムであって、
前記制御部を、
前記センサにおいて検出したセンサ情報に基づいて、健康状態を評価し、検出日時に関連付けて前記健康情報記憶部に記録し、
前記取引情報記憶部から取引情報を取得し、
前記取引情報について、評価対象期間の取引パターンを特定し、
前記取引パターンと、前記評価対象期間に対応する検出日時の健康状態とを関連付けて記録し、
前記取引情報の取引日時に対応する検出日時の健康状態を、前記健康情報記憶部から取得し、
前記取引情報記憶部から取得した取引情報の取引パターンに対応する健康状態に基づいてアドバイスを出力する手段として機能させることを特徴とするアドバイス出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引状況、健康状態に関する情報を用いて、ユーザに対してアドバイスを行なうためのアドバイス出力システム、アドバイス出力方法及びアドバイス出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の健康状態が取引に影響することがある。そこで、利用者の状態に応じて、適切な対応を行なうために、自動取引装置を利用する利用者の情報を管理する技術が検討されている(例えば、特許文献1参照)。この文献に記載された自動取引システムにおいては、利用者の機能状態を表す健康状態管理情報を記憶する記憶部と、利用者の行動に基づいて利用者の機能状態を判定する判定部とを備える。そして、判定された機能状態を用いて、健康状態管理情報を更新し、健康状態管理情報を認識可能に出力する。
【0003】
また、身につけて持ち歩くことができるウェアラブルコンピュータも利用されつつある。このウェアラブルコンピュータを用いて、基底心拍数情報から健康度情報の演算を行なう技術も検討されている(例えば、特許文献2参照)。この文献に記載された技術においては、生体情報処理システムは、深睡眠状態における心拍数を表す基底心拍数情報を取得する基底心拍数情報取得部と、心拍数情報を取得する心拍数情報取得部とを備える。そして、基底心拍数情報と心拍数情報との相対情報に基づいて健康度を表す健康度情報を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−142746号公報
【特許文献2】特開2014−50451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、健康状態は、それぞれの利用者によって異なる。特許文献1記載の技術のようにATM(automated teller machine)等の自動取引装置において、利用者の状態を判定する場合には、万人に共通した項目しか判定できない。また、特許文献2記載の技術においては、日常的に健康度を評価することができる。しかしながら、この健康度を算出しただけでは、取引に対する影響を評価することができない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、取引状況と健康状態とを評価し、ユーザに対してアドバイスを行なうためのアドバイス出力システム、アドバイス出力方法及びアドバイス出力プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するアドバイス出力システムは、利用者の健康状態を記録する健康情報記憶部と、取引情報を記録した取引情報記憶部と、身体情報を取得するセンサに接続された制御部とを備える。そして、前記制御部が、前記センサにおいて検出したセンサ情報に基づいて、健康状態を評価し、検出日時に関連付けて前記健康情報記憶部に記録し、前記取引情報記憶部から取引情報を取得し、前記取引情報の取引日時に対応する検出日時の健康状態を、前記健康情報記憶部から取得し、前記取引情報と前記健康状態とに基づいてアドバイスを出力する。これにより、取引状況と健康状態に基づいて、ユーザに対してアドバイスを提供することができる。
【0008】
(2)更に、第1のアドバイス出力システムにおいて、前記取引情報についての取引評価結果を取得し、前記取引評価結果と、取引日時に対応する検出日時の健康状態とを関連付けて記録し、前記センサのセンサ情報に基づいて特定した健康状態に対応する取引評価結果に基づいて、アドバイスを出力する。これにより、取引の満足度に応じた健康状態での取引についてのアドバイスを行なうことができる。
【0009】
(3)更に、第2のアドバイス出力システムにおいて、前記取引情報について、評価対象期間の取引パターンを特定し、前記取引パターンと、前記評価対象期間に対応する検出日時の健康状態とを関連付けて記録し、前記取引情報記憶部から取得した取引情報の取引パターンに対応する健康状態に基づいてアドバイスを出力する。これにより、取引状況に応じて健康状態を予測し、健康状態についてのアドバイスを行なうことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、取引状況と健康状態とを評価し、ユーザに対してアドバイスを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態のアドバイス出力システムの説明図。
図2】本実施形態の情報記憶部の説明図であって、(a)は健康情報記憶部、(b)は取引状況記憶部、(c)は評価情報記憶部の各説明図。
図3】本実施形態の処理手順の説明図であって、(a)は健康情報記録処理、(b)は取引情報記録処理の各説明図。
図4】本実施形態の処理手順の説明図であって、(a)は取引管理支援処理、(b)は健康管理支援処理の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、アドバイス出力システム、アドバイス出力方法及びアドバイス出力プログラムを具体化した一実施形態を、図1図4に従って説明する。本実施形態では、ユーザの身体情報と取引情報とに基づいて、ユーザに対してアドバイスを提供する場合を想定する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態では、ネットワークを介して接続された管理端末20、ホストシステム30を用いる。
更に、管理端末20は、センサ10に接続されている。このセンサ10は、ユーザの身体情報を取得する。本実施形態では、身体情報としては、脈拍、血圧等を取得する。
【0014】
管理端末20は、ユーザが利用するコンピュータ端末である。管理端末20としては、例えば、ユーザの身体に装着するウエアラブル端末を想定する。管理端末20は、制御部、記憶部、キーボードやポインティングデバイス等を含む入力部、ディスプレイを含む出力部を備える。この管理端末20は、制御部21、健康情報記憶部22、取引状況記憶部23、評価情報記憶部24を備えている。
【0015】
制御部21は、図示しないCPU等の制御手段、RAM及びROM等のメモリを備え、後述する処理(身体情報取得段階、健康評価段階、取引情報取得段階、取引評価段階、管理段階等の各処理等)を行なう。そして、アドバイス出力プログラムを実行することにより、制御部21は、身体情報取得部211、健康評価部212、取引情報取得部213、取引評価部214、アドバイス部215として機能する。
【0016】
身体情報取得部211は、センサ10から、ユーザの身体情報(センサ情報)を取得する処理を実行する。
健康評価部212は、センサ10から取得したセンサ情報に基づいて、ユーザの健康状態を評価する処理を実行する。このため、健康評価部212は、センサ情報に対応して健康状態を特定するための健康評価テーブルを保持している。例えば、健康状態としては、「良い」〜「悪い」まで、降順の5段階評価を行なう。
【0017】
取引情報取得部213は、後述するホストシステム30から取引情報を取得する処理を実行する。取引情報取得部213は、ユーザのカードIDに関するデータを保持している。
【0018】
取引評価部214は、ホストシステム30から取得した取引情報を評価する処理を実行する。
アドバイス部215は、取引情報や健康情報に基づいて、ユーザに対して注意喚起(アドバイス)を行なう処理を実行する。
【0019】
図2(a)に示すように、健康情報記憶部22には、ユーザの健康状態についての健康管理レコード220が記録される。健康管理レコード220は、センサ10からセンサ情報を取得した場合に記録される。健康管理レコード220には、検出日時、センサ情報、健康状態に関するデータが記録される。
【0020】
検出日時データ領域には、センサ10からセンサ情報を取得した年月日及び時刻に関するデータが記録される。
センサ情報データ領域には、センサ10から取得した身体情報に関するデータが記録される。
健康状態データ領域には、このセンサ情報に基づいて予測される健康状態に関するデータが記録される。
【0021】
図2(b)に示すように、取引状況記憶部23には、取引内容の満足度についての取引状況管理レコード230が記録される。取引状況管理レコード230は、取引が行なわれた場合に記録される。取引状況管理レコード230には、取引ID、店舗ID、取引日時、金額、内容、満足度に関するデータが記録される。
【0022】
取引IDデータ領域には、各取引を特定するための識別子に関するデータが記録される。
店舗IDデータ領域には、この取引が行なわれた店舗を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0023】
取引日時データ領域には、この取引が行なわれた年月日に関するデータが記録される。
金額データ領域、内容データ領域には、それぞれ、取引金額や取引の内容に関するデータが記録される。
満足度データ領域には、この取引に対する満足度に関するデータが記録される。
【0024】
図2(c)に示すように、評価情報記憶部24には、健康評価レコード241、取引評価レコード242が記録される。健康評価レコード241、取引評価レコード242は、取引情報記録処理を実行した場合に記録される。
【0025】
健康評価レコード241には、健康状態、取引評価結果に関するデータが記録される。
健康状態データ領域には、ユーザの健康状態を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0026】
取引評価結果データ領域には、この健康状態で行なわれる取引の評価(満足度の5段階評価値)に関するデータが記録される。
【0027】
取引評価レコード242には、取引状況、健康評価結果に関するデータが記録される。
取引状況データ領域には、ユーザの取引状況(取引パターン)を特定するためのデータが記録される。
健康評価結果データ領域には、この取引状況(取引パターン)における健康状態の評価(健康状態の5段階評価値)に関するデータが記録される。
【0028】
図1のホストシステム30は、金融機関の顧客情報や取引情報を管理するコンピュータシステムである。このホストシステム30は取引情報記憶部33を備えている。
取引情報記憶部33には、顧客が開設した口座を利用しての取引を管理するための取引管理レコード330が記録される。取引管理レコード330は、金融機関において口座が開設された場合に登録され、口座を利用した取引が行なわれた場合に更新される。この取引管理レコード330は、取引ID、カードID、ユーザID、店舗ID、取引日時、金額、内容に関するデータが記録される。
【0029】
取引IDデータ領域には、各取引を特定するための識別子に関するデータが記録される。
カードIDデータ領域には、この取引において用いられたカードを特定するための識別子に関するデータが記録される。カードとしては、キャッシュカードやクレジットカード、プリペイドカードを用いることができる。
【0030】
ユーザIDデータ領域には、このカードを保有するユーザを特定するための識別子に関するデータが記録される。
店舗IDデータ領域には、この取引が行なわれた店舗を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0031】
取引日時データ領域には、この取引が行なわれた年月日及び時刻に関するデータが記録される。
金額データ領域、内容データ領域には、それぞれ、取引金額や取引の内容に関するデータが記録される。この取引内容には、カード等を用いた支払や現金の引出のように、ユーザの自発的な行為のみならず、給与や賞与等の入金、残高等の照会、ローン返済等も含まれる。
【0032】
次に、上記のシステムを用いて行なわれる処理を、図3を用いて説明する。
(健康情報記録処理)
まず、図3(a)を用いて、健康情報記録処理を説明する。この処理は、定期的に実行される。
【0033】
ここでは、管理端末20の制御部21は、センサ情報の取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の身体情報取得部211は、センサ10から身体情報を取得する。次に、身体情報取得部211は、システムタイマから取得した現在日時及びセンサ情報を記録した健康管理レコード220を生成し、健康情報記憶部22に記録する。
【0034】
次に、管理端末20の制御部21は、健康状態の記録処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の健康評価部212は、健康評価テーブルを用いて、センサ10から取得したセンサ情報に基づいて健康状態を特定する。そして、健康評価部212は、特定した健康状態を健康管理レコード220に記録する。
【0035】
(取引情報記録処理)
次に、図3(b)を用いて、取引情報記録処理を説明する。この処理は、定期的に実行される。
【0036】
ここでは、管理端末20の制御部21は、取引情報の検索処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の取引情報取得部213は、ホストシステム30にアクセスする。そして、取引情報取得部213は、ユーザのカードIDが記録された取引管理レコード330を取引情報記憶部33から抽出する。
【0037】
次に、管理端末20の制御部21は、評価済みかどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21のアドバイス部215は、抽出した取引管理レコード330の取引IDと、取引状況記憶部23に記録された取引IDとを比較し、取引状況記憶部23に記録されていない取引IDの有無を判定する。取引状況記憶部23に記録されていない取引IDがないと判定した場合には、アドバイス部215は、評価済みと判定する。
【0038】
ここで、取引状況記憶部23に記録されていない取引IDがあり、評価済みでないと判定した場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、管理端末20の制御部21は、評価情報の取得処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21の取引情報取得部213は、取引管理レコード330に記録されている取引ID、店舗ID、取引日時、金額、内容を記録した取引状況管理レコード230を生成し、取引状況記憶部23に記録する。次に、取引評価部214は、ディスプレイに、満足度評価画面を出力する。この満足度評価画面には、取引内容表示欄、満足度選択欄が設けられている。ユーザは、取引内容を確認し、満足度を満足度選択欄に入力する。満足度としては、例えば、「良い」〜「悪い」までの5段階評価を行なう。この場合、取引評価部214は、満足度評価画面に入力された満足度を、取引評価結果として取引状況管理レコード230に記録する。
【0039】
次に、管理端末20の制御部21は、健康状態に基づく取引状況の評価処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21の取引評価部214は、取引状況管理レコード230の取引日時に対して所定時間内の検出日時が記録された健康管理レコード220を、健康情報記憶部22から取得する。次に、取引評価部214は、健康管理レコード220に記録されている健康状態を特定する。そして、取引評価部214は、特定した健康状態と取引評価結果とを関連付けた健康評価レコード241を生成し、評価情報記憶部24に記録する。
【0040】
一方、評価済みと判定した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、管理端末20の制御部21は、評価情報の取得処理(ステップS2−3)、健康状態に基づく取引状況の評価処理(ステップS2−4)をスキップする。
【0041】
次に、管理端末20の制御部21は、取引状況に基づく健康状態の評価処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21の取引評価部214は、評価対象期間の取引状況管理レコード230の取引内容の取引パターン(商品の種類や、この商品の取引頻度等)を算出する。そして、取引評価部214は、健康情報記憶部22から、この評価対象期間の健康状態の統計値を算出する。そして、取引評価部214は、取引パターンと、算出した健康状態の統計値とを関連付けた取引評価レコード242を生成し、評価情報記憶部24に記録する。
【0042】
(取引管理支援処理)
次に、図4(a)を用いて、取引管理支援処理を説明する。この処理は、定期的に行われる。
まず、管理端末20の制御部21は、健康状態の特定処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21の身体情報取得部211は、センサ10からセンサ情報を取得する。そして、健康評価部212は、センサ情報に基づいて、健康状態を特定する。
【0043】
次に、管理端末20の制御部21は、健康情報に対応する取引情報の取得処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21のアドバイス部215は、特定した健康状態が記録された健康評価レコード241を評価情報記憶部24から取得する。そして、アドバイス部215は、抽出した健康評価レコード241に記録されている取引評価結果(満足度の5段階評価値)の統計値を算出する。
【0044】
次に、管理端末20の制御部21は、注意喚起が必要かどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21のアドバイス部215は、算出した統計値と基準値とを比較し、基準値以下の場合には、注意喚起が必要と判定する。
【0045】
注意喚起が必要と判定した場合(ステップS3−3において「YES」の場合)、管理端末20の制御部21は、取引注意予報処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21のアドバイス部215は、ディスプレイに、アドバイスとして、取引を行なう場合の注意喚起メッセージを出力する。
【0046】
一方、統計値が基準値を超えており、注意喚起が必要でないと判定した場合(ステップS3−3において「NO」の場合)、管理端末20の制御部21は、取引注意予報処理(ステップS3−4)をスキップして処理を終了する。
【0047】
(健康管理支援処理)
次に、図4(b)を用いて、健康管理支援処理を説明する。この処理は、定期的に行われる。
まず、管理端末20の制御部21は、取引状況の特定処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21の取引情報取得部213は、ホストシステム30から、ユーザのカードIDの取引管理レコード330を取得する。そして、アドバイス部215は、取得した取引管理レコード330を用いて、取引評価レコード242に記録されたすべての取引パターンを特定する。
【0048】
次に、管理端末20の制御部21は、取引情報に対応する健康情報の取得処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21のアドバイス部215は、特定した取引パターンが記録された取引評価レコード242を評価情報記憶部24から取得する。そして、アドバイス部215は、抽出した取引評価レコード242に記録されている健康評価結果(健康状態の5段階評価値)の統計値を算出する。
【0049】
次に、管理端末20の制御部21は、注意喚起が必要かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21のアドバイス部215は、算出した統計値と基準値とを比較し、基準値以下の場合には、注意喚起が必要と判定する。
【0050】
注意喚起が必要と判定した場合(ステップS4−3において「YES」の場合)、管理端末20の制御部21は、健康注意予報処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21のアドバイス部215は、ディスプレイに、アドバイスとして、健康状態についての注意喚起メッセージを出力する。例えば、自動車税・固定資産税等の支払がかさむ時期に健康状態が変化している場合には、支払に基づいて健康への注意喚起を行なうことができる。
【0051】
一方、統計値が基準値を超えており、注意喚起が必要でないと判定した場合(ステップS4−3において「NO」の場合)、管理端末20の制御部21は、健康注意予報処理(ステップS4−4)をスキップして処理を終了する。
【0052】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、管理端末20の制御部21は、健康状態に基づく取引状況の評価処理を実行する(ステップS2−4)。これにより、各健康状態で行なった取引の満足度を予測することができる。
【0053】
(2)本実施形態では、管理端末20の制御部21は、取引状況に基づく健康状態の評価処理を実行する(ステップS2−5)。これにより、取引状況に応じて、健康状態を予測することができる。例えば、給料日、入金金額確認、給料日前の残高照会、ローン返済日等に応じて、感情の起伏、健康への影響を予測することができる。
【0054】
(3)本実施形態では、管理端末20の制御部21は、健康状態の特定処理(ステップS3−1)、健康情報に対応する取引情報の取得処理(ステップS3−2)、注意喚起が必要かどうかについての判定処理(ステップS3−3)を実行する。これにより、取引の満足度が低い健康状態での取引について、各ユーザに対してアドバイスを行なうことができる。
【0055】
(4)本実施形態では、管理端末20の制御部21は、取引状況の特定処理(ステップS4−1)、取引情報に対応する健康情報の取得処理(ステップS4−2)、注意喚起が必要かどうかについての判定処理(ステップS4−3)を実行する。これにより、取引状況に応じて、各ユーザの健康状態を予測し、各ユーザに対して健康状態についてのアドバイスを行なうことができる。
【0056】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・上記実施形態では、センサ10は、ユーザの身体情報として、脈拍、血圧等を取得する。健康状態を評価するためのセンサ情報は、これに限定されるものではない。例えば、瞳孔の大きさや動き、体温等を用いるようにしてもよい。
【0057】
・上記実施形態では、管理端末20の制御部21は、取引状況に基づく健康状態の評価処理を実行する(ステップS2−5)。ここでは、評価対象期間の取引パターンと、健康状態の統計値を関連づける。取引状況に基づく健康状態の評価方法は、これに限定されるものではない。例えば、取引状況に含まれる各情報の特徴量と、健康状態の特徴量を算出し、機械学習により両者の関係性を特定するようにしてもよい。
【0058】
・上記実施形態では、管理端末20の制御部21は、取引情報の検索処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の取引情報取得部213は、ホストシステム30の取引情報記憶部33から取引情報を取得する。これに代えて、管理端末20を用いて取引が行なわれた場合に、この情報を管理端末20において蓄積し、取引情報として利用することも可能である。これにより、取引のためのデバイスと、身体情報を取得するウェアラブルデバイスとを、一体化したデバイスにより構成することが可能である。例えば、取引を行なう場合の生体認証時に、身体情報も同時に取得することができる。
【0059】
・上記実施形態では、管理端末20の制御部21は、健康状態の記録処理を実行する(ステップS1−2)。この場合、センサ10から取得したセンサ情報に基づいて健康状態を特定する。健康状態の取得方法は、これに限定されるものではない。例えば、取引情報において、病院等における支払状況を特定し、医療費の支払状況に基づいて、健康状態を取得するようにしてもよい。
【0060】
・上記実施形態では、管理端末20の制御部21は、取引管理支援処理、健康管理支援処理を実行する。この場合、いずれか一方の管理支援処理や、その他の情報を利用して、アドバイスを行なうようにしてもよい。例えば、店舗情報を利用して、各店舗におけるアドバイスを行なうようにしてもよい。この場合には、特定の店舗IDが記録されている取引状況管理レコード230を用いて、健康状態に基づく取引状況の評価処理(ステップS2−4)、取引状況に基づく健康状態の評価処理(ステップS2−5)を実行する。この場合には、GPS等を用いて、ユーザの所在地を特定し、ユーザが訪れている店舗に基づいて、取引のアドバイスを行なう。
【0061】
・上記実施形態では、管理端末20の制御部21は、健康状態に基づく取引状況の評価処理(ステップS2−4)、取引状況に基づく健康状態の評価処理(ステップS2−5)を実行する。この場合、特定のカテゴリの取引内容(例えば、取引商品やサービス)が記録されている取引状況管理レコード230を用いて、これらの処理を実行するようにしてもよい。
【0062】
・上記実施形態では、管理端末20の制御部21は、取引状況に基づく健康状態の評価処理を実行する(ステップS2−5)。そして、注意喚起が必要と判定した場合(ステップS4−3において「YES」の場合)、管理端末20の制御部21は、健康注意予報処理を実行する(ステップS4−4)。この場合、取引状況は、取引トランザクションに限定されるものではない。例えば、運用残高やローン残高などの残高状況等を用いて、健康状態を評価するようにしてもよい。更に、取引情報として、株価、外為相場、ローン金利変動等を用いることも可能である。この場合には、管理端末20の制御部21は、評価対象期間の取引情報を取得し、各ユーザの健康情報との関係性を特定する。例えば、外貨預金を取引しているユーザは、外為相場により、感情の起伏が発生し、健康に影響する可能性がある。この場合には、これらの取引情報を利用して、健康状態を評価することも可能である。
【0063】
・上記実施形態では、各ユーザについての取引管理支援処理、健康管理支援処理を行なう。ユーザ個人だけでなく、ユーザに関連する配偶者、子供、親も含めた家族情報等の関係者全体についてのアドバイスを出力するようにしてもよい。この場合には、管理端末20の制御部21に、ユーザの関係者情報を記憶させておく。そして、ユーザ関係者における健康情報記録処理、取引情報記録処理を実行する。そして、関係者全体を一つのまとまりとして、取引管理支援処理、健康管理支援処理を実行する。
【0064】
・上記実施形態では、管理端末20の制御部21は、健康管理支援処理を実行する。ここでは、管理端末20の制御部21は、取引情報に対応する健康情報の取得処理を実行する(ステップS4−2)。これに加えて、天気、気温、湿度等の環境情報に対応する健康情報を取得してもよい。この場合には、管理端末20の制御部21は、ユーザの所在地を特定し、ユーザの所在地に対応する環境情報を取得する。そして、ステップS4−2において、管理端末20の制御部21は、環境情報、取引情報に対応する健康情報の取得処理を実行する。これにより、特定の周囲環境における取引情報に対応するユーザの健康情報を取得することができる。
更に、取引場所を考慮して、健康情報を取得するようにしてもよい。この場合には、取引状況記憶部23に記録された取引状況管理レコード230の店舗IDに基づいて、取引場所情報を特定する。これにより、特定の取引場所における取引情報に対応するユーザの健康情報を取得することができる。
【0065】
・上記実施形態では、健康管理支援処理において、注意喚起が必要と判定した場合(ステップS4−3において「YES」の場合)、管理端末20の制御部21は、健康注意予報処理を実行する(ステップS4−4)。ここで、健康注意予報として、健康に繋がるライフスタイルをアドバイスするようにしてもよい。この場合、管理端末20の制御部21が、クレジット決済等の取引情報により、各ユーザのお金の使い方や貯め方のパターンを特定し、このパターンと健康情報との関係性を算出する。そして、ユーザにおいて、よい健康状態の「お金との接し方」についてライフスタイルをアドバイスするようにしてもよい。例えば、衣服・食事や娯楽等における出費がある等の取引状況において、良好な健康状態情報を取得できる場合には、「衣服・食事や娯楽等の消費を切り詰めすぎない」というアドバイスを出力することができる。また、一定の貯蓄(残高)がある等の取引状況において、良好な健康状態情報を取得できる場合には、「貯蓄をくずさないように維持」というアドバイスを出力することができる。
【符号の説明】
【0066】
10…センサ、20…管理端末、21…制御部、211…身体情報取得部、212…健康評価部、213…取引情報取得部、214…取引評価部、215…アドバイス部、22…健康情報記憶部、23…取引状況記憶部、24…評価情報記憶部、30…ホストシステム、33…取引情報記憶部。
【要約】
【課題】取引状況と健康状態とを評価し、ユーザに対してアドバイスを行なうためのアドバイス出力システム、アドバイス出力方法及びアドバイス出力プログラムを提供する。
【解決手段】管理端末20は、利用者の健康状態を記録する健康情報記憶部22と、取引情報を記録した取引状況記憶部23と、身体情報を取得するセンサ10に接続された制御部21とを備える。そして、制御部21が、センサ10で検出したセンサ情報に基づいて、健康状態を評価し、検出日時に関連付けて健康情報記憶部22に記録する。制御部21は、取引情報記憶部33から取引情報を取得し、取引情報の取引日時に対応する検出日時の健康状態を、健康情報記憶部22から取得し、取引情報と健康状態とに基づいてアドバイスを出力する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4