特許第6131391号(P6131391)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6131391ヘッドアップディスプレイ用の傾斜調節可能なディスプレイ要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131391
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイ用の傾斜調節可能なディスプレイ要素
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20170508BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20170508BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   G02B27/01
   B60K35/00 A
   B60R11/02 C
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-526508(P2016-526508)
(86)(22)【出願日】2014年7月1日
(65)【公表番号】特表2016-525710(P2016-525710A)
(43)【公表日】2016年8月25日
(86)【国際出願番号】EP2014063988
(87)【国際公開番号】WO2015007521
(87)【国際公開日】20150122
【審査請求日】2016年3月2日
(31)【優先権主張番号】102013213923.3
(32)【優先日】2013年7月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508039825
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ オートモーティブ エレクトロニクス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ピッツ、 ゲルハルト
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−335148(JP,A)
【文献】 特開平09−304739(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/035128(WO,A1)
【文献】 特表平06−505570(JP,A)
【文献】 特開2005−017505(JP,A)
【文献】 特表2013−543598(JP,A)
【文献】 米国特許第05457575(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01 − 27/02
B60K 35/00
B60R 11/02
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドアップディスプレイ用の投影スクリーン(2)、及び水平に延びる傾斜軸(X)周りに前記投影スクリーン(2)の傾斜を調節するための枢動装置(3)を有するディスプレイ装置(1)であって、
前記枢動装置(3)は前記傾斜を調節するための、垂直軸周りに回転する偏心装置(4)を備え、
前記偏心装置(4)は前記投影スクリーン(2)に機械的に直接的に結合され、
前記偏心装置(4)は、第1の歯車(4.1)と、前記第1の歯車(4.1)に対して偏心して形成され且つ前記第1の歯車(4.1)に固定される偏心要素(4.2)とを備え、
前記偏心要素(4.2)は、ディスク形状の構造を有しており、前記ディスク形状の偏心要素(4.2)の側部が、前記第1の歯車(4.1)に対して偏心して配置され
前記偏心要素(4.2)が配置されている側の前記第1の歯車(4.1)の面及び前記偏心要素(4.2)の側部が、前記投影スクリーン(2)の端部の領域に接触している、ことを特徴とする、ディスプレイ装置(1)。
【請求項2】
前記第1の歯車(4.1)は、第1の駆動シャフト(5)に機械的に結合され、前記第1の駆動シャフト(5)は、少なくとも部分的に螺旋状の構造を有しており、前記歯車(4.1)と共に、第1のウォーム歯車装置を形成することを特徴とする、請求項1に記載のディスプレイ装置(1)。
【請求項3】
前記第1の駆動シャフト(5)は、作動装置(6)に機械的に結合されることを特徴とする、請求項2に記載のディスプレイ装置(1)
【請求項4】
前記作動装置(6)と前記第1の駆動シャフト(5)との間に歯車装置が配置されることを特徴とする、請求項3に記載のディスプレイ装置(1)。
【請求項5】
前記歯車装置は、前記第1の駆動シャフト(5)に固定される第2の歯車(7)を備えることを特徴とする、請求項4に記載のディスプレイ装置(1)。
【請求項6】
前記第2の歯車(7)は、第2の駆動シャフト(11)に機械的に結合され、前記第2の駆動シャフト(11)は、少なくとも部分的に螺旋状の構造を有しており、前記第2の歯車(7)と共に、第2のウォーム歯車装置を形成することを特徴とする、請求項5に記載のディスプレイ装置(1)。
【請求項7】
前記第2の駆動シャフト(11)は、前記作動装置(6)の電気駆動部に機械的に結合されることを特徴とする、請求項6に記載のディスプレイ装置(1)。
【請求項8】
前記第2の駆動シャフト(11)は、前記作動装置(6)の手動作動要素に機械的に結合されることを特徴とする、請求項6に記載のディスプレイ装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平に延びる傾斜の軸周りに投影スクリーンの傾斜を調節するための枢動装置を備える、ヘッドアップディスプレイ用の投影スクリーンを有するディスプレイ装置に関し、枢動装置は傾斜を調節するための偏心装置を備える。
【背景技術】
【0002】
このタイプのヘッドアップディスプレイは、先行技術により一般に知られており、投影スクリーンを有するディスプレイ装置を備え、その投影スクリーンに、撮像装置により及び選択的に光学モジュールにより車両情報が投影される。この場合、投影スクリーンは、透明に設計されて、車両運転者の視界に配置される。
【0003】
特に、幾何学的に歪みのない完全な情報の描写により区別される最適化ディスプレイを車両運転者に提供するために、特に、車両運転者の身長及びそれによって生じる着座位置によって、水平に延びる傾斜の軸周りに投影スクリーンの傾斜を調節することが必要となる。この場合、非常に正確な調節が要求される。同時に、ヘッドアップディスプレイの動作中に位置の変化を回避するために、投影スクリーンを調節位置に確実に固定する必要がある。
【0004】
JP2005−153723Aは、ヘッドアップディスプレイ用の反射部材を有するディスプレイ装置を開示している。この反射部材は駆動装置に結合されており、これにより、この反射部材は、閉鎖位置から開放位置に回転軸周りに動作可能である。開放位置において、反射部材の傾斜は、枢動装置により水平に延びる傾斜軸周りに調節可能である。このため、枢動装置は、偏心装置及び後者に結合される作動要素を備え、反射部材の開放位置において、作動要素は、後者に機械的に動作可能に接続される。反射部材の傾斜を調節するために、偏心装置の回転運動により作動要素の直進運動が起きる。作動要素は、ここでバネ要素に結合される。このバネ力が、偏心装置により作動要素に加えられる力とは反対に作用し、偏心器と作動要素との間の機械的に動作可能な接続を維持する。
【0005】
更に、DE 41 25 070 A1は、可視光を発する発光ディスプレイ装置と車両のフロントガラスを介して直接又は間接的に車両の運転者の方向に発光ディスプレイ装置からの可視光を反射するための反射部とを備える車両用のディスプレイ装置を開示している。この反射部は、発光ディスプレイ装置からの可視光を反射部が完全に反射する第1の位置と、相対的に低い反射率で発光ディスプレイ要素からの可視光を反射部が反射する第2の位置との間でここに移動可能に保持される。更に、第1の位置と第2の位置との間で反射部を移動させるための装置が提供される。この装置は、可動式に取り付けられたカム部を備える。ディスプレイ要素の筐体の下端部表面が、螺旋バネの抑圧力でカム部のカムラグと弾性的に接触するように保持される。
【0006】
DE 41 16 043 C2、US 3,802,764 A及びWO 2012/035128 A1は、車両用のディスプレイ装置を更に開示している。
【発明の概要】
【0007】
本発明が基づく目的は、先行技術と比較して改善し且つヘッドアップディスプレイ用の投影スクリーンを有するディスプレイ装置を特定することである。
【0008】
この目的は、本発明によれば、請求項1に記載の特徴を有するディスプレイ装置によって達成される。
【0009】
本発明の有利な改良は、従属項の主題である。
【0010】
ヘッドアップディスプレイ用の投影スクリーンを有するディスプレイ装置は、水平に延びる傾斜の軸周りに投影スクリーンの傾斜を調節するための枢動装置を備え、枢動装置は傾斜を調節するための偏心装置を備える。本発明によれば、偏心装置は、投影スクリーンに直接的に機械的に結合される。
【0011】
これは、特に有利に、非常に小さな全体サイズのディスプレイ装置を得ることを可能にする。従って、特に、非常に平坦に配置されるフロントガラスを有するためダッシュボードとフロントガラスとの間の距離が小さい車両であっても、このディスプレイ装置の配置は起こり得る。更に、偏心装置の投影スクリーンとの直接的な機械的結合により、傾斜の角度の調節が剛性のエンドストップ無しで実現されるので、その結果、単純でそれ故に費用効果の高いDCモータを使用することが可能になるという利点がもらたらされる。更に、この直接結合は、特に簡単なやり方で、エラー耐性の有る再現性と共に投影スクリーンの傾斜の無限に可変で正確な調節を可能にする。更に、本発明によるディスプレイ装置の枢動装置は、振動及び温度変化に対する高度の堅牢性により区別される。従って、投影スクリーンの望ましくない傾斜の変化を防ぐことができる。
【0012】
これに関して、偏心装置は、第1の歯車と、第1の歯車に対して偏心して形成され且つ第1の歯車に固定される偏心要素とを備える。歯車は、傾斜の調節の正確さを更に増すための偏心装置の作動装置への結合及び歯車装置の形成を単純なやり方で可能にする。偏心形状の変化及び/又は偏心要素の配置によって、傾斜の角度を調節するための伝達比が、特に単純なやり方でそれぞれの使用に適合できる。
【0013】
更に、偏心要素は、ディスク形状の構造を有する。ディスクは、ここでは、その範囲が3次元空間のある空間方向において他の2つの空間方向におけるその範囲よりもかなり小さいオブジェクトを意味するものと理解される。ディスク形状の偏心要素の狭い側の領域が、ここでは、第1の歯車に対して偏心して配置され、従って、枢動装置、結果としてディスプレイ装置の特に構築空間を節約する構造が得られる。
【0014】
改良によって、第1の歯車は、駆動シャフトに機械的に結合される。駆動シャフトは、少なくとも部分的に螺旋状の構造を有しており、歯車と共に、第1のウォーム歯車装置を形成する。第1に、第1のウォーム歯車は、改善された再現性及び単純なやり方での枢動装置の伝達率の更なる調節の可能性と共に、更に改善され、解決され、無限に可変であり且つ正確な投影スクリーンの傾斜の調節を可能にする。第2に、第1のウォーム歯車の使用の結果として、駆動シャフトと歯車4.1の噛み合い及び駆動装置の機械抵抗のため駆動装置と駆動シャフトの結合により投影スクリーンが調節位置に確実に固定される。更に、第1のウォーム歯車の使用によって、調節のために、低出力の駆動装置を使用することが可能になる。従って、ディスプレイ装置用の構築空間要件及び投影スクリーンの傾斜を調節するために必要な電気エネルギを更に減らすことが可能になる。
【0015】
発展的に、駆動シャフトは、作動装置に機械的に結合される。作動装置は、ここでは、モータ駆動又は手動駆動として設計される。
【0016】
特に、作動装置と駆動シャフトとの間に歯車装置が配置され、これは枢動装置の伝達率の更なる調節、従って、傾斜の角度の調節中に更なる微調整を可能にする。
【0017】
作動装置と歯車装置の機械的結合のため、この歯車装置は、駆動シャフトに固定される第2の歯車を備える。
【0018】
可能な改良によって、第2の歯車は、第2の駆動シャフトに機械的に結合される。第2の駆動シャフトは、少なくとも部分的に螺旋状の構造を有しており、第2の歯車と共に、第2のウォーム歯車装置を形成する。第1に、第2のウォーム歯車も、改善された再現性及び単純なやり方での枢動装置の伝達率の更なる調節の可能性と共に、更に改善され、解決され、無限に可変であり且つ正確な投影スクリーンの傾斜の調節を可能にする。更に、第2のウォーム歯車の使用によって、調節のために、更に低出力の駆動装置を使用することが可能になる。
【0019】
代替的に、第2の駆動シャフトは、作動装置の手動作動要素に機械的に結合され、これは、費用の低下、及び特に、枢動装置の高度の堅牢性をもたらす。
【0020】
投影スクリーンと偏心装置の接触を常に維持するために、可能な改良によれば、少なくとも1つのバネ要素が設けられる。そのバネ力は、偏心装置により投影スクリーンに加えられる力とは反対方向に作用し、偏心装置により調節可能な投影スクリーンの全ての傾斜において偏心器と作動要素との間の機械的に動作可能な接続を維持する。
【0021】
以下、本発明の例示の実施形態が図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】手動駆動での本発明によるディスプレイ装置の第1の例示的な実施形態の詳細の斜視図を示す。
図2】モータ駆動での本発明によるディスプレイ装置の第2の例示的な実施形態の詳細の斜視図を示す。
図3】本発明によるディスプレイ装置の可能な例示的な実施形態の偏心装置の第2の例示的な実施形態の上面図を示す。
図4】本発明によるディスプレイ装置の可能な例示的な実施形態の偏心装置の第3の例示的な実施形態の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
相互に対応する部分は、全ての図面において同じ参照記号で提供される。
【0024】
図1は、本発明によるディスプレイ装置1の詳細の可能な第1の例示的な実施形態を斜視図で示す。
【0025】
ディスプレイ装置1は、ここでは、車両(図示せず)における「ヘッドアップディスプレイ」を実現するために提供され、ヘッドアップディスプレイによって車両のフロントガラスの領域に車両の運転者に対して情報が表示される。
【0026】
このディスプレイに関して、ディスプレイ装置1は、特に、透明構造を有し、且つ、例えば、車両のダッシュボード内又は上に配置される投影スクリーン2を備える。投影スクリーン2は、ここでは、例えば、この投影スクリーンが運転者の視界の中でダッシュボード上に連続的に設置されるように設計される。代替的に、投影スクリーン2は、完全に可動であり、即ち、特に、その表面下でダッシュボード内の空洞に格納でき、使用が望まれる場合にこの空洞から拡張できる。
【0027】
水平に延びる傾斜軸X周りに投影スクリーン2の傾斜を可変式に調節することができるように、枢動装置3が、傾斜軸X周りに投影スクリーン2を枢動させるために提供される。
【0028】
枢動装置3は、傾斜の調節のために、投影スクリーン2に直接的に機械的に結合される偏心装置4を備える。図示の例示的な実施形態では、偏心装置4は、第1の歯車4.1と、第1の歯車4.1に対して、例えば、1 mmだけ偏心して配置される偏心要素4.2とを備える。歯車4.1及び偏心要素4.2は、ここでは、円形領域を有し、ディスク形状の構造を有する。この場合、ディスクは、その範囲が3次元空間の1つの空間方向において他の2つの空間方向におけるその範囲よりもかなり小さいオブジェクトを意味するものと理解される。投影スクリーン2に機械的に動作可能に接続されるディスク形状の偏心要素4.2の狭い側の領域が、第1の歯車4.1に対して偏心して配置される。
【0029】
第1の歯車4.1を作動させるために、後者は、第1の駆動シャフト5に機械的に結合される。駆動シャフト5は、少なくとも部分的に螺旋状の構造を有しており、歯車4.1と共に、第1のウォーム歯車装置を形成する。
【0030】
駆動シャフト5を作動させるために、後者は、作動装置6に機械的に結合される。図示の例示的な実施形態では、作動装置6は、手動駆動として、特に、ハンドホイールとして設計され、作動装置6と第1の駆動シャフト5との間に配置される歯車装置により偏心装置4に結合され、駆動シャフト5に固定される第2の歯車7から、及び作動装置6に固定される第3の歯車8から形成される。
【0031】
投影スクリーン2の傾斜の調節は、ここでは、作動装置6の手動回転運動により起こる。この回転運動は、歯車装置及び第1のウォーム歯車装置を介して偏心装置4に伝達され、実質的にこの偏心装置の垂直軸周りに起こる回転運動に変換される。第1の歯車4.1に対する偏心装置4.2の偏心した配置のため、投影スクリーン2の傾斜の調節はエンドストップ無しで行われる。
【0032】
傾斜の調節の間、投影スクリーン2及び偏心装置4の位置の全ての位置において投影スクリーン2と偏心要素4.2との接触を維持するために、例えば、螺旋バネとして設計される2つのバネ要素9、10が設けられる。そのバネ力は、偏心装置4によって投影スクリーン2に加えられる力とは反対方向に作用するので、偏心装置4と投影スクリーン2との間に機械的に動作可能な接続を常に維持する。図示の例示的な実施形態では、バネ要素10は、ここでは、作動装置6によって隠されている。バネ要素10は、図2により詳細に示されている。
【0033】
作動装置6における回転運動とそこに接続された傾斜調節の強度との伝達比の調節は、歯車装置、ウォーム歯車装置及び偏心装置4の個々の伝達比の調節により事前に決定できる。従って、傾斜の調節の精度が、単純なやり方で事前に決定できる。
【0034】
図2は、本発明によるディスプレイ装置1の可能な第2の例示的な実施形態を斜視図で示す。
【0035】
図1の例示的な実施形態とは対照的に、作動装置6は、モータ駆動として、特に、単純なDCモータとして設計される。
【0036】
作動装置6の第1の駆動シャフト5との機械的な結合のため、作動装置6は、作動装置6により駆動可能な第2の駆動シャフト11に結合される。
【0037】
第2の駆動シャフト11は、今度は、第2の歯車7によって第1の駆動シャフト5に機械的に結合される。第2の駆動シャフト11は、少なくとも部分的に螺旋状の構造を有しており、第2の歯車7と共に、第2のウォーム歯車装置を形成する。
【0038】
投影スクリーン2の傾斜の調節は、ここでは、作動装置6のモータ回転運動により起こる。この回転運動は、第1及び第2のウォーム歯車装置を介して偏心装置4に伝達され、実質的にこの偏心装置の垂直軸周りに起こる回転運動に変換される。また、この場合、第1の歯車4.1に対する偏心装置4.2の偏心した配置のため、投影スクリーン2の傾斜の調節は、エンドストップ無しで行われるので、作動装置6として単純且つ費用効果の高いDCモータの利用が可能になる。
【0039】
作動装置6における回転運動とそこに接続された傾斜調節の強度との伝達比の調節は、ウォーム歯車装置及び偏心装置4の個々の伝達比の調節により事前に決定できる。
【0040】
図3は、偏心装置4の第2の例示的な実施形態を上面図で示す。図1及び2に示された偏心装置4の第1の例示的な実施形態とは対照的に、偏心要素4.2は、円形領域を有しておらず、楕円領域を有している。従って、ディスク形状の偏心要素4.2の狭い側の領域の距離が、第1の歯車4.1の狭い側の領域とは異なる距離で、従って、それに対して偏心して配置される。また、この偏心装置4は、エンドストップ無しで投影スクリーン2の傾斜を調節することを可能にする。
【0041】
図4は、偏心装置4の第3の例示的な実施形態を上面図で示す。
【0042】
図1及び2に示された偏心装置4の第1の例示的な実施形態とは対照的に、偏心要素4.2は、円形領域を有しておらず、複数の突起を有する領域を有している。従って、ディスク形状の偏心要素4.2の狭い側の領域の距離が、第1の歯車4.1の狭い側の領域とは異なる距離に、従って、それに対して偏心して配置される。
【符号の説明】
【0043】
1 ディスプレイユニット
2 投影スクリーン
3 枢動装置
4 偏心装置
4.1 第1の歯車
4.2 偏心要素
5 第1の駆動シャフト
6 作動装置
7 第2の歯車
8 第3の歯車
9 バネ要素
10 バネ要素
11 第2の駆動シャフト
X 傾斜軸
図1
図2
図3
図4