特許第6131402号(P6131402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6131402飲料の調製のためのカートリッジ、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131402
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】飲料の調製のためのカートリッジ、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/06 20060101AFI20170515BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   A47J31/06 320
   A47J31/36 122
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-526772(P2015-526772)
(86)(22)【出願日】2013年9月10日
(65)【公表番号】特表2015-530136(P2015-530136A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】US2013058999
(87)【国際公開番号】WO2014043106
(87)【国際公開日】20140320
【審査請求日】2015年2月5日
(31)【優先権主張番号】13/612,487
(32)【優先日】2012年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516386029
【氏名又は名称】コーニンクレイケ ダウ エグバーツ ビー.ヴイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン, ニック アンドリュー
【審査官】 横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/111807(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0064852(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/138563(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/031294(WO,A1)
【文献】 米国特許第02778739(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0207896(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01364605(EP,A1)
【文献】 特開2012−050822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00−60
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の調製のためのカートリッジであって、
容器容積を画定する密閉容器と、
前記容器容積を成分チャンバ容積及び濾液容積に分割するように前記密閉容器内に位置するフィルタと、
前記成分チャンバ容積内に位置する飲料媒体と、
前記濾液容積内に位置する保護要素と、を備え、
前記保護要素が、前記密閉容器とは別に形成され、かつ出口ゾーンを画定するように前記濾液容積内に位置し、前記保護要素が、前記フィルタと前記出口ゾーンとの間に間置され、
飲料調製装置の穿孔要素の完全な拡張での使用中に、前記穿孔要素が、前記保護要素又はフィルタと接触せずに、前記出口ゾーンと流体連通して配置されることを可能にするように、前記保護要素が、前記出口ゾーンの中への前記フィルタの侵入を防止するように構成される、カートリッジ。
【請求項2】
前記保護要素が、使用中の前記フィルタの少なくとも一部に物理的支持を提供するように構成される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記保護要素が、穿孔面と前記フィルタとの間の離隔距離を提供するように構成され、前記離隔距離が、前記密閉容器の中への前記穿孔要素の貫通距離を上回る、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記保護要素が、フィルタ支持面と、前記カートリッジの穿孔面から前記フィルタ支持面を離間させるための少なくとも1つの支柱部分とを備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記支柱部分が、周囲側壁を備える、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記周囲側壁が、細長い濾液開口部によって間置される、複数の細長い支持リブを備える、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記周囲側壁が、前記フィルタ支持面の直径が、前記周囲側壁の遠位端の直径未満になるように、内方へ先細りしている、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記フィルタ支持面が、細長い濾液開口部によって間置される、複数の細長い支持リブを備える、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記密閉容器が、カップ状の本体及び蓋を備え、前記カップ状の本体が、穿孔面を画定する基部と、前記基部から前記蓋まで延在する側壁とを備え、前記保護要素が、フィルタ支持面と、前記フィルタ支持面を前記カートリッジの前記穿孔面から離間させるための少なくとも1つの支柱部分とを備え、前記支柱部分の遠位端が、前記側壁と前記基部との間に形成される角に当接する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記基部の領域における前記側壁が、前記支柱部分の前記遠位端を保持するように内方へ先細りしている、請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記密閉容器が、カップ状の本体及び蓋を備え、前記カップ状の本体が、穿孔面を画定する基部と、前記基部から前記蓋まで延在する容器側壁とを備え、前記フィルタが、前記容器側壁の蓋端部に、又は前記容器側壁の蓋端部の近傍に、及び/又は前記容器側壁と前記蓋との間で接続される、上縁を備え、前記容器側壁に接続されていないフィルタ側壁を更に備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記フィルタが基部部分を備え、前記保護要素が、前記フィルタの実質的に全ての基部部分に物理的支持を提供する、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記保護要素が剛性である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記保護要素が一体成型である、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項15】
飲料の調製のためのカートリッジであって、
カップ状の本体及び蓋を備える密閉容器であって、前記カップ状の本体が、穿孔面を画定する基部と、前記基部から前記蓋まで延在する容器側壁とを備え、前記密閉容器が、容器容積を画定する、密閉容器と、
前記容器容積を成分チャンバ容積及び濾液容積に分割するように前記密閉容器内に位置するフィルタと、
前記成分チャンバ容積内に位置する飲料媒体と、
フィルタ支持面と、前記フィルタ支持面を前記カートリッジの前記穿孔面から離間させるための周囲側壁とを備える、前記濾液容積内に位置する保護要素と、を備え、
前記周囲側壁の遠位端が、前記容器側壁と前記基部との間に形成される角に当接し、
前記保護要素が、前記密閉容器とは別に形成され、かつ出口ゾーンを画定するように前記濾液容積内に位置し、前記保護要素が、前記フィルタと前記出口ゾーンとの間に間置され、
飲料調製装置の穿孔要素による前記穿孔面の穿孔において、前記穿孔要素が、前記保護要素又はフィルタに接触せずに、前記出口ゾーンと流体連通して配置されることを可能にするように、前記保護要素が、使用中に前記フィルタの少なくとも一部に物理的支持を提供するように、かつ前記出口ゾーンへの前記フィルタの侵入を防止するように構成される、カートリッジ。
【請求項16】
飲料調製装置と、請求項1に記載のカートリッジとを備える、飲料調製システムであって、前記飲料調製装置が、前記穿孔要素が前記カートリッジの前記保護要素又はフィルタと接触せずに、前記カートリッジの前記出口ゾーンと前記飲料調製装置の出口との間で流体連通することを可能にするように、前記カートリッジの穿孔面を穿孔するように適応される出口穿孔要素を備える、飲料調製システム。
【請求項17】
前記飲料調製装置が、前記出口穿孔要素が前記穿孔面の中心軸からオフセットされるように構成される、請求項16に記載の飲料調製システム。
【請求項18】
飲料を調製するための方法であって、
成分チャンバ容積内に位置する飲料媒体を収容する密閉容器を提供することであって、前記成分チャンバ容積が、フィルタによって濾液容積から分離され、前記濾液容積が、別に形成された保護要素を収容する、提供することと、
入口穿孔要素を使用して、前記容器の入口穿孔面内の入口を穿孔することと、
出口穿孔要素を使用して、前記容器の出口穿孔面内の出口を穿孔することと、
前記飲料媒体から飲料を形成するように、前記入口を通じて前記成分チャンバ容積内へ流体を供給することと、
前記飲料を前記フィルタを通して前記濾液容積の中に通過させることと、
前記保護要素と前記出口穿孔面との間に位置する出口ゾーンの中への前記フィルタの侵入を防止するように、前記保護要素を使用して前記フィルタを支持することと、
前記出口ゾーン及び出口を介して、前記濾液容積から前記飲料を放出することと、を含む、方法。
【請求項19】
前記密閉容器は、密閉下端部部分と、前記密閉下端部部分とは反対の上端部部分とを有するカップ状の本体を含み、
前記フィルタは、前記本体の前記上端部部分に接続され、前記本体の前記上端部部分から下方に延在する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記フィルタは、基部と、前記基部から上方に延在する側壁とを含み、前記保護要素は、前記カートリッジの穿孔面と前記フィルタの基部との間の均一な離隔距離を提供するフィルタ支持面を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、飲料の調製のためのカートリッジ、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料の調製に使用するカートリッジは、よく知られている。例えば、飲料調製機械で使用するためのカートリッジを提供することが知られており、これは、使用中に、飲料調製機械の穿孔要素によって穿孔され、焙煎粉砕コーヒーなどの飲料媒体を煎出するために、温水がカートリッジを通って流れることを可能にする。
【0003】
米国特許第US2010/0303964号は、容器、飲料媒体、フィルタ、及びフィルタ保護を含む、このようなカートリッジを説明する。フィルタ保護は、穿孔部材によって接触されるように配設され、それによって使用中に上方に変位する。使用中のフィルタ保護の変位は、飲料媒体の一貫性のない煎出につながり得るフィルタ及び飲料媒体の歪曲を引き起こす。飲料媒体の破壊は、煎出中の飲料媒体内の割れ目の形成をもたらし得、これは、温水が、飲料媒体の均一の床よりもむしろ割れ目を通って優先的に流れることを可能にする。加えて、フィルタ保護を変位させるための飲料調製機械の穿孔要素に対する必要性は、飲料調製機械の煎出チャンバを閉鎖するために必要とされる力を増大させ、また、穿孔要素の鈍化に経時的に繋がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0303964号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、飲料の調製のためのカートリッジを提供し、このカートリッジは、
容器容積を画定する密閉容器と、
容器容積を成分チャンバ容積及び濾液容積に分割するように密閉容器内に位置するフィルタと、
成分チャンバ容積内に位置する飲料媒体と、
濾液容積内に位置する保護要素と、を備え、
保護要素が、密閉容器とは別に形成され、かつ出口ゾーンを画定するように濾液容積内に位置し、保護要素が、フィルタと出口ゾーンとの間に間置され、
飲料調製装置の穿孔要素の完全な拡張での使用時に、穿孔要素が、保護要素又はフィルタと接触せずに、出口ゾーンと流体連通して配置されることを可能にするように、保護要素が、出口ゾーンの中へのフィルタの侵入を防止するように構成される。
【0006】
一実施形態において、保護要素が、使用中のフィルタの少なくとも一部に物理的支持を提供するように構成され得る。
【0007】
一実施形態において、保護要素は、フィルタ保護として働き、フィルタがカートリッジの穿孔中に損傷されることを防止するのに役立つ。加えて、保護要素又はフィルタと非接触である穿孔要素と結合されるフィルタの物理的支持は、穿孔要素の煎出又は鈍化中に、飲料媒体の乱れを防止するのに役立つ。
【0008】
保護要素は、穿孔面とフィルタとの間の離隔距離を提供するように構成され得、離隔距離は、密閉容器内の中への前記穿孔要素の貫通距離を上回る。
【0009】
保護要素は、フィルタ支持面と、フィルタ支持面を、カートリッジの穿孔面とフィルタ支持面から離間させるための少なくとも1つの支柱部分とを備え得る。
【0010】
一態様では、支柱部分は、周囲側壁を備え得る。周囲側壁は、細長い濾液開口部によって間置される、複数の細長い支持リブを備え得る。一態様では、周囲側壁は、フィルタ支持面の直径が、周囲側壁の遠位端の直径未満になるように、内方へ先細りしていてもよい。この態様では、保護要素及び/又は出口ゾーンは、円錐台形の形状であり得る。
【0011】
フィルタ支持面は、細長い濾液開口部によって間置される、複数の細長い支持リブを備え得る。
【0012】
一態様では、密閉容器は、カップ状の本体及び蓋を備え得、カップ状の本体が、穿孔面を画定する基部と、基部から蓋まで延在する側壁とを備え、保護要素が、フィルタ支持面と、フィルタ支持面を、カートリッジの穿孔面から離間させるための少なくとも1つの支柱部分とを備え、前記支柱部分の遠位端が、側壁と基部との間に形成される角に当接する。このようにして、保護要素は、密閉容器の残余に対して確実に位置され得る。保護要素は、特に、径方向の荷重に対する、耐荷重部材を形成し得るので、保護要素はまた、カートリッジの構造強度を増大させるのを支援し得る。
【0013】
基部の領域における側壁は、支柱部分の遠位端を保持するように内方へ先細りしている。内方の先細りの使用は、保護要素を位置付けるために別個の固定具が必要とされないという点で効率的であり、保護要素は、自動化されたプロセスにおいてカップ状の本体と共に容易に組み立てられ得る。
【0014】
別の態様では、保護要素は、環状出口ゾーンを画定するように構成され得る。保護要素は、保護要素のフィルタ支持面に従属する内側及び外側の周囲側壁を備え得る。内側の及び/又は外側の周囲側壁は、濾液開口部によって間置される、複数の壁区間を備え得る。保護要素は、保護要素の下縁を画定する下フランジ要素を備え得る。上の態様におけるように、保護要素は、カップ状の本体及び蓋を有するカプセルに挿入することができ、下フランジ要素の下縁が、側壁と基部との間に形成される角に当接する。このようにして、保護要素は、密閉容器の残余に対して確実に位置され得る。保護要素は、具体的には、径方向の荷重のために、耐荷重部材を形成し得るので、保護要素はまた、カートリッジの構造強度を増大させるのを支援し得る。
【0015】
基部の領域における側壁が、下フランジ要素を保持するように内方へ先細りしていてもよい。内方の先細りの使用は、保護要素を位置付けるために別個の固定具が必要とされないという点で効率的であり、保護要素は、自動化されたプロセスにおいてカップ状の本体と共に容易に組み立てられ得る。
【0016】
カートリッジの側壁には、カートリッジの基部に向かって下方に濾液を方向付けるための複数の水路を画定する、複数の縦溝が提供され得る。
【0017】
保護要素は、剛性であり得る。
【0018】
保護要素は、一体成型であり得る。
【0019】
カップ状の本体及び/又は保護要素は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン、ポリウレタン、アセタール、アセタールグレードポリオキシレンメチレンコポリマー(例えば、セントロダル(Centrodal)C)、他のエンジニアリングプラスチック、複合材、セラミック、若しくは分解性ポリエチレンなどの生分解性プラスチック(例えば、イギリス、ボアハムウッドのSymphony Environmentalによって提供されているSPITEK)、生分解性ポリエステルアミド(例えば、Symphony Environmentalによって提供されているBAK 1095)、又は(米国、ミネソタのCargillによって提供されている)ポリ乳酸(PLA)から形成され得る。カップ状の本体及び/又は保護要素は、材料の積層体を含み得る。積層体は、水分及び/又はガス透過に対する障壁を提供する層を含み得る。一例としては、EVOHが挙げられる。積層体は、1つ以上の接着剤の層を含み得る。
【0020】
保護要素は、積み重ね可能な構成要素であり得る。保護要素の積み重ねからの個別の保護要素の容易な分離を可能にする機能が提供され得る。一態様では、この機能は、積み重ねられた保護要素間の最小の隙間を画定する離間突起部を含む。離間突起部は、保護要素の中心軸上又はその近傍に位置され得る。
【0021】
フィルタは、側壁及び基部を備え得る。フィルタはカップ状であり得る。フィルタは、一体又は1つの成型から形成され得る。フィルタに好適な材料としては、織布及び不織布材、紙、セルロース、並びにポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチックが挙げられる。紙又はセルロース材料は、他の材料の繊維、例えば、ポリプロピレン又はポリエチレンを含み得る。
【0022】
蓋は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、(ナイロン、ポリウレタン、紙、ビスコース及び/又は金属箔を含む)ポリアミドを含めて、ポリエチレン、ポリエステルから形成され得る。蓋は、積層体を含み得る、金属化され得る、又はコポリマーから形成され得る。一例では、蓋は、ポリプロピレン−アルミニウム積層体を含む。
【0023】
本開示は、飲料媒体が焙煎粉砕コーヒー又は葉茶などの抽出可能/注入可能な製品である場合の特定の用途を見出す。しかし、飲料媒体は、代替的に、インスタント噴霧乾燥若しくは凍結乾燥コーヒー、チョコレート粉末、粉ミルク、又はクリーマー粉末などの水溶性成分であってもよい。粉ミルクは、乾燥スキムミルク、部分スキムミルク、全乳、乾燥乳タンパク質濃縮物、分離株、及び画分、又はそれらの任意の組み合わせを含む。クリーマー粉末は、乳製品及び/又は非乳製品の食品原材料から製造され得、典型的には、乾燥、特に噴霧乾燥を促進する担体内に分散したタンパク質又は加工デンプンによって安定化された乳化脂肪を含有する。粉末製品は、凝集され得る。更なる代替として、飲料媒体は、抽出可能/注入可能な成分及び水溶性成分の混合物、例えば、焙煎粉砕コーヒー及びインスタント凍結乾燥コーヒーの混合物であり得る。
【0024】
一態様では、密閉容器が、カップ状の本体及び蓋を備え得、カップ状の本体が、穿孔面を画定する基部と、基部から蓋まで延在する容器側壁とを備え、フィルタが、容器側壁の蓋端部に、又はその近傍に、及び/又は容器側壁と蓋との間で接続される、上縁を備え、容器側壁に接続されていないフィルタ側壁を更に備える。フィルタが基部部分を備え得、保護要素が、フィルタの全ての基部部分に物理的支持を実質的に提供し得る。
【0025】
特定の態様では、飲料の調製のためのカートリッジが提供され、このカートリッジが、
カップ状の本体及び蓋を備える密閉容器であって、カップ状の本体が、穿孔面を画定する基部と、基部から蓋まで延在する容器側壁とを備え、密閉容器が、容器容積を画定する、密閉容器と、
容器容積を成分チャンバ容積及び濾液容積に分割するように密閉容器内に位置するフィルタと、
成分チャンバ容積内に位置する飲料媒体と、
フィルタ支持面と、フィルタ支持面をカートリッジの穿孔面から離間させるための周囲側壁とを備える、濾液容積内に位置する保護要素と、を備え、
前記周囲側壁の遠位端が、容器側壁と基部との間に形成される角に当接し、
保護要素が、密閉容器とは別に形成され、かつ出口ゾーンを画定するように濾液容積内に位置し、保護要素が、フィルタと出口ゾーンとの間に間置され、
飲料調製装置の穿孔要素による穿孔面の穿孔において、穿孔要素が、保護要素又はフィルタに接触せずに、出口ゾーンと流体連通して配置されることを可能にするように、保護要素が、使用中にフィルタの少なくとも一部に物理的支持を提供するように、かつ出口ゾーンへのフィルタの侵入を防止するように構成される。
【0026】
本開示はまた、上述される態様のうちのいずれかにおいて説明されるような飲料調製装置及びカートリッジを備える飲料調製システムを提供し、この飲料調製装置は、穿孔要素が前記カートリッジの保護要素又はフィルタと接触せずに、前記カートリッジの出口ゾーンと前記飲料調製装置の出口との間で流体連通することを可能にするように、前記カートリッジの穿孔面を穿孔するように適応される出口穿孔要素を備える。
【0027】
飲料調製装置が、出口穿孔要素が穿孔面の中心軸からオフセットされるように構成され得る。離間突起部と出口穿孔要素との間の接触を回避するように、保護要素が、中央に位置する離間突起部を備えることは、有利であり得る。同様に、出口ゾーンが環状に構成されていることは、有利であり得る。
【0028】
本開示は、飲料を調製するための方法を更に提供し、この方法は、
成分チャンバ容積内に位置する飲料媒体を収容する密閉容器を提供することであって、前記成分チャンバ容積が、フィルタによって濾液容積から分離され、前記濾液容積が、別に形成された保護要素を収容する、提供することと、
入口穿孔要素を使用して、容器の入口穿孔面内の入口を穿孔することと、
出口穿孔要素を使用して、容器の出口穿孔面内の出口を穿孔することと、
前記飲料媒体から飲料を形成するように、入口を通じて成分チャンバ容積内へ流体を供給することと、
飲料をフィルタを通して濾液容積の中に通過させることと、
保護要素と出口穿孔面との間に位置する出口ゾーンの中へのフィルタの侵入を防止するように、保護要素を使用してフィルタを支持することと、
出口ゾーン及び出口を介して、濾液容積から飲料を放出することと、を含む。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
飲料の調製のためのカートリッジであって、
容器容積を画定する密閉容器と、
前記容器容積を成分チャンバ容積及び濾液容積に分割するように前記密閉容器内に位置するフィルタと、
前記成分チャンバ容積内に位置する飲料媒体と、
前記濾液容積内に位置する保護要素と、を備え、
前記保護要素が、前記密閉容器とは別に形成され、かつ出口ゾーンを画定するように前記濾液容積内に位置し、前記保護要素が、前記フィルタと前記出口ゾーンとの間に間置され、
飲料調製装置の穿孔要素の完全な拡張での使用中に、前記穿孔要素が、前記保護要素又はフィルタと接触せずに、前記出口ゾーンと流体連通して配置されることを可能にするように、前記保護要素が、前記出口ゾーンの中への前記フィルタの侵入を防止するように構成される、カートリッジ。
(項目2)
前記保護要素が、使用中の前記フィルタの少なくとも一部に物理的支持を提供するように構成される、項目1に記載のカートリッジ。
(項目3)
前記保護要素が、穿孔面と前記フィルタとの間の離隔距離を提供するように構成され、前記離隔距離が、前記密閉容器の中への前記穿孔要素の貫通距離を上回る、項目1に記載のカートリッジ。
(項目4)
前記保護要素が、フィルタ支持面と、前記カートリッジの穿孔面から前記フィルタ支持面を離間させるための少なくとも1つの支柱部分とを備える、項目1に記載のカートリッジ。
(項目5)
前記支柱部分が、周囲側壁を備える、項目4に記載のカートリッジ。
(項目6)
前記周囲側壁が、細長い濾液開口部によって間置される、複数の細長い支持リブを備える、項目5に記載のカートリッジ。
(項目7)
前記周囲側壁が、前記フィルタ支持面の直径が、前記周囲側壁の遠位端の直径未満になるように、内方へ先細りしている、項目6に記載のカートリッジ。
(項目8)
前記フィルタ支持面が、細長い濾液開口部によって間置される、複数の細長い支持リブを備える、項目4に記載のカートリッジ。
(項目9)
前記密閉容器が、カップ状の本体及び蓋を備え、前記カップ状の本体が、穿孔面を画定する基部と、前記基部から前記蓋まで延在する側壁とを備え、前記保護要素が、フィルタ支持面と、前記フィルタ支持面を前記カートリッジの前記穿孔面から離間させるための少なくとも1つの支柱部分とを備え、前記支柱部分の遠位端が、前記側壁と前記基部との間に形成される角に当接する、項目1に記載のカートリッジ。
(項目10)
前記基部の領域における前記側壁が、前記支柱部分の前記遠位端を保持するように内方へ先細りしている、項目9に記載のカートリッジ。
(項目11)
前記密閉容器が、カップ状の本体及び蓋を備え、前記カップ状の本体が、穿孔面を画定する基部と、前記基部から前記蓋まで延在する容器側壁とを備え、前記フィルタが、前記容器側壁の蓋端部に、又はその近傍に、及び/又は前記容器側壁と前記蓋との間で接続される、上縁を備え、前記容器側壁に接続されていないフィルタ側壁を更に備える、項目1に記載のカートリッジ。
(項目12)
前記フィルタが基部部分を備え、前記保護要素が、前記フィルタの実質的に全ての基部部分に物理的支持を提供する、項目11に記載のカートリッジ。
(項目13)
前記保護要素が剛性である、項目1に記載のカートリッジ。
(項目14)
前記保護要素が一体成型である、項目1に記載のカートリッジ。
(項目15)
飲料の調製のためのカートリッジであって、
カップ状の本体及び蓋を備える密閉容器であって、前記カップ状の本体が、穿孔面を画定する基部と、前記基部から前記蓋まで延在する容器側壁とを備え、前記密閉容器が、容器容積を画定する、密閉容器と、
前記容器容積を成分チャンバ容積及び濾液容積に分割するように前記密閉容器内に位置するフィルタと、
前記成分チャンバ容積内に位置する飲料媒体と、
フィルタ支持面と、前記フィルタ支持面を前記カートリッジの前記穿孔面から離間させるための周囲側壁とを備える、前記濾液容積内に位置する保護要素と、を備え、
前記周囲側壁の遠位端が、前記容器側壁と前記基部との間に形成される角に当接し、
前記保護要素が、前記密閉容器とは別に形成され、かつ出口ゾーンを画定するように前記濾液容積内に位置し、前記保護要素が、前記フィルタと前記出口ゾーンとの間に間置され、
飲料調製装置の穿孔要素による前記穿孔面の穿孔において、前記穿孔要素が、前記保護要素又はフィルタに接触せずに、前記出口ゾーンと流体連通して配置されることを可能にするように、前記保護要素が、使用中に前記フィルタの少なくとも一部に物理的支持を提供するように、かつ前記出口ゾーンへの前記フィルタの侵入を防止するように構成される、カートリッジ。
(項目16)
飲料調製装置と、項目1に記載のカートリッジとを備える、飲料調製システムであって、前記飲料調製装置が、前記穿孔要素が前記カートリッジの前記保護要素又はフィルタと接触せずに、前記カートリッジの前記出口ゾーンと前記飲料調製装置の出口との間で流体連通することを可能にするように、前記カートリッジの穿孔面を穿孔するように適応される出口穿孔要素を備える、飲料調製システム。
(項目17)
前記飲料調製装置が、前記出口穿孔要素が前記穿孔面の中心軸からオフセットされるように構成される、項目16に記載の飲料調製システム。
(項目18)
飲料を調製するための方法であって、
成分チャンバ容積内に位置する飲料媒体を収容する密閉容器を提供することであって、前記成分チャンバ容積が、フィルタによって濾液容積から分離され、前記濾液容積が、別に形成された保護要素を収容する、提供することと、
入口穿孔要素を使用して、前記容器の入口穿孔面内の入口を穿孔することと、
出口穿孔要素を使用して、前記容器の出口穿孔面内の出口を穿孔することと、
前記飲料媒体から飲料を形成するように、前記入口を通じて前記成分チャンバ容積内へ流体を供給することと、
前記飲料を前記フィルタを通して前記濾液容積の中に通過させることと、
前記保護要素と前記出口穿孔面との間に位置する出口ゾーンの中への前記フィルタの侵入を防止するように、前記保護要素を使用して前記フィルタを支持することと、
前記出口ゾーン及び出口を介して、前記濾液容積から飲料を放出することと、を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0029】
ここで、単に例として、添付の図面を参照しながら本開示の態様を説明する。
図1】本開示の一実施形態に従うカートリッジの断面立面図である。
図2図1のカートリッジの斜視断面図である。
図3図1のカートリッジのフィルタ保護の斜視図である。
図4】分注中の図1のカートリッジの断面立面図である。
図5】本開示のフィルタ保護の別の実施形態の斜視図である。
図6】分注中の図5のフィルタ保護を収容するカートリッジの断面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1に示されるように、第1の態様では、カートリッジ1は、カップ状の本体2、蓋3、フィルタ保護6及びフィルタ8を備える。
【0031】
図1のカップ状の本体2は、円形基部4及びカップ状の本体2の開放上端部20を画定する上縁21で終端する上方に延在する側壁5を備える。図2に示されるように、側壁5には、基部4に向かって、開放上端部20から側壁5の実質的な長さに沿って走る、縦溝28の間に間置される水路29を画定するように、半径方向に内方へ突起する複数の縦溝28が、その内面上に提供される。側壁5は、略円錐台形の形状であり、開放上端部20での直径が基部4に隣接する側壁5での直径よりも大きい。上縁21に隣接する側壁5の上領域は、上縁21から下方に延在する内方へ先細りしている区間22を有する。加えて、基部4の領域内の側壁5には、外方に先細りしている区間23が提供される。外方に先細りしている領域23の上端部は、外方に曲がった肩部24で側壁5の残部と接続する。
【0032】
例えば、図4で示される基部4は、略平坦であり、基部4と側壁5との間にその外側周辺部に角度27で提供される、環状凹部26を含む。基部4の平坦な部分4aは、カートリッジ1の下穿孔面40を提供する。
【0033】
複数のカップ状の本体2は、カートリッジ1の組み立て前に共に積み重ねられ得る。
【0034】
蓋3は、カートリッジ1の開放上端部20を閉鎖するようにカップ状の本体2の上縁21に接着された、ないしは別の方法では、密封された円盤を備える。蓋3は、カートリッジ1の上穿孔面43を画定する。
【0035】
一実施形態において、フィルタ8は、上縁21又はその近傍のいずれかでカップ状の本体2に接着された、ないしは別の方法では、密封された上フィルタ縁50を有する、略カップ状の形態を有する。図示されていない実施例では、フィルタ縁50は、カップ状の本体2の上縁21と蓋3との間で接着されている。フィルタ側壁51は、フィルタ縁50から下方に延在し得、図示されるように、フィルタ基部52によって下端部で閉鎖され得る。フィルタ8は、フィルタ材料の単一の断片又は成型から形成され得る。
【0036】
フィルタ保護6は、カップ状の本体2及びフィルタ8からの別個の構成要素として形成され得、図1及び2に示されるように、カップ状の本体2の下端部に位置され得る。図3の実施形態において最も明確に示されているように、フィルタ保護6は、上面10及び周囲壁11を画定する上部分9を備え、周囲壁11は、図示されている実施形態において、上部分9から下方及び外方に延在し、下縁31で終端する。上部分9は、外側周囲縁14及び内側周囲縁15を備え、これらは、間置された上開口部13を画定する、複数の径方向の棒12によって共に接合される。内側の縁15は、下方に延在する管17を通って下方に延在する中央開口部16を画定する。周囲壁11は、下縁31から外側縁14まで延在し、かつ間置された側面開口部19を画定する、複数の軸方向の(又は、実質的に軸方向の)棒18を含み得る。図3に示されるようにフィルタ保護6は、略円錐台形の形状であり、下縁31の直径が外側の縁14の直径を上回る。
【0037】
フィルタ保護6は、剛性であり得、これは、それが、以下に説明する使用中にいかなる実質的な変形も受けないように、十分な構造強度を有していることを意味する。
【0038】
有利に、フィルタ保護6は、カートリッジ1の組み立て前に、積み重ね可能な構成要素であるように成形される。下方に延在する管17は、隣接するフィルタ保護6が、積み重ねから各フィルタ保護6の分離の容易性を確実にするように積み重ねられる際、互いにわずかに離間されることを確実にするように作用する。
【0039】
図2に最も明確に示されるように、下縁31が、側壁5と基部4との間に角度27で接触するように保たれながら、フィルタ保護6の下縁31は、カップ状の本体2の環状凹部26内に位置され得る。
【0040】
図1に示される例示的なカートリッジ1の組み立て手法において、フィルタ保護6は、まず上部が開いたカップ状の本体2に挿入され、押しが角度27及び凹部26との接触に適合するように、下縁31と係合するように下方に押される。一実施形態において、フィルタ保護6の挿入は、側壁5の屈曲によって適応され、相対的に剛性の下縁31が、外方に曲がった肩部24のレベルで、カップ状の本体2のより小さい直径を通過することを可能にする。側壁5は、一旦外方に曲がった肩部24を過ぎて挿入されると、フィルタ保護6は、いかなる付加的な接着又は接続手段も必要とせずに、基部4と側壁5との間で角度27で接触する側壁5によって把持され、保持されるように、本質的に弾性である。
【0041】
次に、フィルタ8は、開放上端部20を通ってカップ状の本体2内へ挿入され、例えば、ヒートシールによって上縁21に接着される、ないしは別の方法で、それに、又はその近傍で接続される。
【0042】
図1に示されるように、定位置にあるフィルタ8により、カートリッジ1の容器容積は、フィルタ8の一方の側面に対する飲料成分容積Bと、フィルタ8の他方の側面に対する濾液容積Cとに分割される。フィルタ保護6は、フィルタ8の下にある濾液容積C内に位置する。縦溝28間に形成される水路29は、それらがフィルタ8の「下流」であるように、濾液容積Cの一部を形成する。
【0043】
焙煎粉砕コーヒーなどの飲料成分7の一部が、開放上端部20を通って飲料成分容積B内を満たす。次いで、カートリッジ1が、上縁21に対して蓋3を密封することによって、その間にフィルタ縁50を挟持して、又は挟持せずに、閉鎖される。上に説明される2つ以上の組み立て工程は、組み合わされて単一の組み立てプロセス工程になり得る。
【0044】
図1において、フィルタ基部52が、フィルタ保護6の上面10によって物理的に支持される。一実施形態において、フィルタ保護6の上面10は、フィルタ8の材料が、カートリッジ1の出口ゾーンDと考えることができる濾液容積Cの一部内まで延在しないことを確実にするように構成される。出口ゾーンDは、カップ状の本体2のフィルタ保護6と基部4との間の容積として画定される。一実施形態において、フィルタ保護6は、穿孔要素が使用時に完全に延在するとき、穿孔要素がフィルタ保護6を移動させないように、穿孔要素を受容するように構成される。一実施形態において、フィルタ保護6は、穿孔要素が使用時に完全に延在するとき、穿孔要素がフィルタ保護6に接触しないように、穿孔要素を受容するように構成される。一実施形態において、フィルタ保護6は、穿孔要素が使用時に出口ゾーンD内まで完全に延在するとき、穿孔要素が出口ゾーンDと流体連通して配置されるように、飲料調製装置の穿孔要素を受容するように構成され得る開口部56aを画定する。
【0045】
図4に示されるように、使用時に、カートリッジ1は、入口穿孔要素55及び出口穿孔要素56が、煎出及び分注を可能にするようにカートリッジ1と係合する、既知の型式の飲料調製装置内に挿入される。図示されるように、入口穿孔要素55は、飲料成分容積Bに流体連通を提供するように、入口を形成するためにカートリッジ1の上穿孔面43を穿孔する。出口穿孔要素56が、出口を形成するために基部4の下穿孔面40を穿孔し、カートリッジ1を出発するように飲料成分7から生成される飲料に出口流路を提供し、その後、飲料調製装置によって、カップなどの容器に分注され得る。出口穿孔要素56は、下方に延在する管17によって阻止されないように、カートリッジ1の中心からオフセットされ得る。
【0046】
温水などの水性媒体は、飲料媒体7に接触するように、入口穿孔要素55を通ってカートリッジ1内に注入される。したがって、フィルタ8を通り濾液容積C内まで通過する飲料抽出物が生成される。飲料抽出物は、それがフィルタ保護6内の側面開口部13を介して、下方に、かつ出口ゾーンD内まで流れることが可能である、水路29内までフィルタ側壁51を通過する。抽出物はまた、フィルタ8を通り、フィルタ基部52を通り、フィルタ保護6の上開口部13及び中央開口部16を通って、出口ゾーンD内まで通過する。
【0047】
有利に、図4に示されるように、カップ状の本体2の基部4とフィルタ保護6の径方向の棒12の下面との距離dは、カートリッジ1内までの出口穿孔要素56の貫通距離pを上回る。これは、使用中に、出口穿孔要素56がフィルタ保護6又はフィルタ8のいずれとも接触しないことを確実にする。一実施形態において、フィルタ保護6の開口部56aは、貫通距離pを上回る距離で基部4から上面10aに向かって延在する。
【0048】
図5は、図3のフィルタ保護6’の定位置にあるカプセル1内に組み込まれ得るフィルタ保護6の別の態様を示す。この態様の説明において、特徴は以前の態様と共通であり、具体的には、カップ状の本体2、蓋3、及びフィルタ8の構成は、更に説明されず、参照は、上記の流路に対してなされるべきである。
【0049】
上のように、フィルタ保護6’は、カップ状の本体2とは別個の構成要素として形成され得、図6に示されるようにカップ状の本体2の下端部に位置する。フィルタ保護6’は、上面10’、外側の周囲壁11’、及び内側の周囲壁を画定する環状部分を備え、両方の壁は、下フランジ要素を接合するように上部分から下方に延在する。下フランジ要素が、下縁31’を画定する。中央開口部16’は、上面10’内に提供される。内側の周囲壁は、間置された側面開口部19’を画定する、複数の壁区間18’を備える。
【0050】
フィルタ保護6’は剛性であり得、これは、それが、以下に説明する使用中にいかなる実質的な変形も受けないように十分な構造強度を有していることを意味する。
【0051】
カートリッジ1の組み立ては、フィルタ保護6’が、下縁31’がカップ状の本体2の角27で又はその近くで係合されるように挿入されることを除いて、以前に説明された通りである。上のように、内方へ先細りしている区間23は、フィルタ保護6’を正しい位置に維持するように作用する。
【0052】
図6に見ることができるように、組み立てられるとき、フィルタ基部52は、フィルタ保護6’の上面10’によって物理的に支持され、このフィルタ保護6’は、フィルタ8の材料が、カートリッジ1の出口ゾーンDと考えることができる濾液容積Cの一部内まで延在しないことを確実にする。出口ゾーンDは、カップ状の本体2のフィルタ保護6’と基部4との間で囲まれた容積として画定される。
【0053】
カートリッジ1の使用は、フィルタ8を通過する飲料抽出物が、側面開口部19’及び環状出口ゾーンDを介して出口穿孔器56まで水路を開くことを除いて、上で説明される通りである。
【0054】
上の態様の修正形態において、外側の周囲壁11’にはまた、出口ゾーンD内まで飲料の流路のための開口部19’が提供され得る。
【0055】
以上のことから、飲料の調製のためのカートリッジ及びこのようなカートリッジのための構成要素が提供されることが理解されるであろう。

図1
図2
図3
図4
図5
図6