特許第6131405号(P6131405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6131405注入可能な食品のシールされたパッケージを製造するためにパッケージング材料をヒートシールするための誘導シーリングデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131405
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】注入可能な食品のシールされたパッケージを製造するためにパッケージング材料をヒートシールするための誘導シーリングデバイス
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/22 20060101AFI20170515BHJP
   B65B 51/10 20060101ALI20170515BHJP
   B65B 9/22 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   B65B51/22 200
   B65B51/10 A
   B65B9/22
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-545164(P2013-545164)
(86)(22)【出願日】2011年12月7日
(65)【公表番号】特表2014-505638(P2014-505638A)
(43)【公表日】2014年3月6日
(86)【国際出願番号】EP2011071989
(87)【国際公開番号】WO2012084510
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2014年12月1日
(31)【優先権主張番号】10196927.7
(32)【優先日】2010年12月23日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・バビーニ
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ・ベロイ
(72)【発明者】
【氏名】ベルント・ラーション
(72)【発明者】
【氏名】ロランド・パルムキスト
(72)【発明者】
【氏名】ホーカン・ゲー・アンデション
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ニルソン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・アウル
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−531282(JP,A)
【文献】 米国特許第04749833(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/00−51/32
B65B 9/00− 9/24
B65B 7/16
B29C 63/00−65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入可能な食品のシールされたパッケージ(2)を製造するためにパッケージング材料をヒートシールするための誘導シーリングデバイス(15;15’)であって、
前記誘導シーリングデバイス(15;15’)は:
− 前記パッケージング材料の片側に配置されるようにかつ前記パッケージング材料をヒートシールするように構成された第1の作用面(25,26;26’)を備える、第1のインダクタ(20,21;21’)と;
− プラスチック材料から形成された部材(23,23’)と;
を具備してなり、
前記部材(23,23’)は、前記第1の作用面(25,26;26’)を被覆し、かつ前記パッケージング材料のヒートシーリング中に、前記パッケージング材料と協働するよう構成されており、
プラスチック材料からなる前記部材(23,23’)は、第1のインダクタ(20,21;20’,21’)と一体化されており、かつ、
前記部材(23,23’)は、前記第1の作用面(25,26;26’)上に設けられかつ前記第1の作用面(25,26;26’)にしっかりと連結されたプラスチック材料射出成型体であり、
前記誘導シーリングデバイス(15;15’)は、前記第1の作用面(25,26;26’)が延在する平面に平行に延在する面を有する支持体(24)を備えており、前記支持体(24)は、該支持体(24)の前記面のみにおいて前記部材(23;23’)によって被覆されることを特徴とする誘導シーリングデバイス。
【請求項2】
前記部材(23)は:
− 前記パッケージング材料と協働するよう構成された第1の面(100,100’)と;
− 前記第1の面(100,100’)に対向しかつ前記第1の作用面(25,26;26’)と協働する、第2の面(101,101’)と;
を具備してなることを特徴とする請求項1に記載の誘導シーリングデバイス。
【請求項3】
第2のインダクタ(21;20)を具備してなり、前記第2のインダクタ(21;20)は、前記パッケージング材料をヒートシールするよう構成された第2の作用面(26,25)を具備してなり、
前記第2の作用面(26;25)は、プラスチック材料から形成された前記部材(23)によって被覆されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘導シーリングデバイス。
【請求項4】
プラスチック材料からなる前記部材(23)は、前記第2のインダクタ(21,20)と一体化されていることを特徴とする請求項3に記載の誘導シーリングデバイス。
【請求項5】
前記部材(23)は、前記第2の作用面(26,25)上に設けられかつ前記第2の作用面(26,25)にしっかりと連結されたプラスチック材料射出成型体であることを特徴とする請求項4に記載の誘導シーリングデバイス。
【請求項6】
前記第2の面(101)は、前記第2の作用面(26;25)と協働することを特徴とする請求項2に従属する、請求項5に記載の誘導シーリングデバイス。
【請求項7】
前記部材(23)は、一対の突出部(29)を規定しており、前記一対の突出部(29)は、使用時に、前記パッケージング材料と相互作用するよう構成されており、かつ前記インダクタ(20,21)とは反対側において前記部材(23)から突出していることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の誘導シーリングデバイス。
【請求項8】
前記パッケージング材料をヒートシールするよう構成された第2の作用面(25’)を備える第2のインダクタ(20’)を具備してなり;
前記第2の作用面(25’)は、使用時に前記パッケージング材料へ向かって配置される側において、前記部材(23’)から突出していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘導シーリングデバイス。
【請求項9】
磁束収束材料から形成されるインサート(30,30’)を具備してなり、前記インサート(30,30’)は、前記第1のインダクタ(20,21;20’,21’)の少なくとも一部を受容し、かつ使用時に前記パッケージング材料へ向かって配置される側において、前記部材(23,23’)によって被覆されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の誘導シーリングデバイス。
【請求項10】
注入可能な食品のシールされたパッケージ(2)を製造するためにパッケージング材料をヒートシールするための誘導シーリングデバイス(15;15’)を製造するための方法であって、
前記誘導シーリングデバイス(15;15’)は:
− 前記パッケージング材料の片側に配置されるようにかつ前記パッケージング材料をヒートシールするように構成された第1の作用面(25,26;26’)を備える、第1のインダクタ(20,21;21’)と;
− プラスチック材料から形成された部材(23,23’)と;
を具備してなり、
前記部材(23,23’)は、前記第1の作用面(25,26;26’)を被覆し、かつ前記パッケージング材料のヒートシーリング中に、前記パッケージング材料と協働するよう構成されており、
プラスチック材料からなる前記部材(23,23’)は、第1のインダクタ(20,21;20’,21’)と一体化され、
前記部材(23,23’)は、記第1の作用面(25,26;26’)に射出成型されかつ前記第1の作用面(25,26;26’)にしっかりと連結されたプラスチック材料からなる物体であり、
前記誘導シーリングデバイス(15;15’)は、前記第1の作用面(25,26;26’)が延在する平面に平行に延在する面を有する支持体(24)を備えており、前記支持体(24)は、該支持体(24)の前記面のみにおいて前記部材(23;23’)によって被覆されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入可能な食品のシールされたパッケージを製造するためにパッケージング材料をヒートシールするための誘導シーリングデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フルーツジュース、UHT(超高温処理)牛乳、ワイン、トマトソースなどの多くの注入可能な食品が、殺菌されたパッケージング材料から形成されたパッケージに入れられて販売されている。
【0003】
このタイプのパッケージの代表的な例として、テトラ・ブリック・アセプティック(Tetra Brik Aseptic(登録商標))として知られる、液体または注入可能な食品のための平行六面体形状のパッケージが挙げられる。このパッケージは、積層された帯状のパッケージング材料を折り曲げてシールすることによって形成される。
【0004】
このパッケージング材料は、例えば紙などの繊維材料またはミネラル充填ポリプロピレンなどからなる層を備え得る剛性および強度のための基層と;基層の両面を被覆する例えばポリエチレンフィルムなどのヒートシールプラスチック材料からなる多数の層と;を実質的に備える多層構造を有する。
【0005】
UHT牛乳などの長期保存用製品のための無菌パッケージの場合、パッケージング材料はまた、例えばアルミニウムホイルまたはエチレンビニルアルコール(EVOH)フィルムなどの気体および光バリア材料からなる層を備え、この層は、ヒートシールプラスチック材料からなる層に積層され、次いで、最終的に食品と接触するパッケージの内面を形成するヒートシールプラスチック材料からなる別の層により被覆される。
【0006】
第1の公知の技術によれば、こうした種類のパッケージは、完全に自動化されたパッケージングユニットで製造される。当該ユニットにおいて、ウェブ状に供給されるパッケージング材料から連続チューブが形成される;パッケージング材料からなるウェブは、例えば、過酸化水素溶液などの化学滅菌剤を塗布することによりパッケージングユニット上で滅菌される。上記薬剤は、一度滅菌処理を完了すると、例えば加熱により気化させられて、パッケージング材料の表面から除去される。そのように滅菌されたパッケージング材料からなるウェブは、密閉した無菌環境で保持され、垂直方向チューブを形成するために長手方向において折り曲げられてシールされる。
【0007】
上記チューブは、第1の垂直方向に連続的に供給され、殺菌または滅菌処理された食品で充填され、そして二対のかみ合い部によって等間隔をあけた横断セクションにおいて把持される。より詳細には、二対のかみ合い部は、チューブ上で周期的にかつ連続的に作動し、それぞれの横方向(つまり上記第1の方向に直交する第2の方向に延在する)シーリングバンドによって互いに連結された複数のまくら状パックからなる連続帯を形成するために、チューブのパッケージング材料をヒートシールする。
【0008】
これらのまくら状パックは、関連する横方向シーリングバンドの切断により分離させられ、続いて最終折り曲げステーションへ供給される。このステーションにおいて、まくら状パックは、最終的な平行六面体形状となるように機械的に折り曲げられる。
【0009】
第2の代替的な技術によれば、パッケージング材料は、ブランクとなるように切断されてもよい。この場合、これらブランクは、その下端部においてシールされる筒を形成するために、まず直立させられる。その後、これら筒は、その開放された上端部を介して注入可能な製品で充填され、パッケージの形成を完了するために上端部がシールされる。一度形成されると、パッケージは滅菌される。
【0010】
いずれの場合においても、バリア材料からなる層がアルミニウムなどの導電性材料からなるシートを備えるパッケージング材料が、いわゆる誘導ヒートシール(誘導加熱シール)工程によって一般的にヒートシールされる。このとき、損流(loss current)が、アルミニウムシートに誘導されてアルミニウムシートを局所的に加熱し、それによりヒートシールプラスチック材料が局所的に溶融する。
【0011】
より詳細には、誘導ヒートシーリングにおいて、シーリングデバイスは、インダクタを実質的に備える。インダクタは、高周波電流発生装置によって電力供給され、かつ導電性材料から形成される1つ以上のインダクタ棒を実質的に備える。インダクタ棒は、パッケージング材料と相互作用して、パッケージング材料に損流を誘導して、パッケージング材料を必要なシーリング温度まで加熱する。
【0012】
パッケージが、パッケージング材料からなるチューブを起点として形成される場合、シーリングデバイスは、第1のかみ合い部に取り付けられている。他方のかみ合い部は、反対側かみ合い部として知られており、弾性材料から形成される加圧パッドが取り付けられた反対側シーリング要素を備えており、かつ関連する横方向シーリングバンドに沿ってチューブをヒートシールするようシーリングデバイスと協働する。詳細には、シーリングデバイスは、かみ合い部同士の間に把持されたヒートシールプラスチック材料からなる2つの層を局所的に溶融する。
【0013】
さらに、反対側かみ合い部は、切断要素をスライド様式で収納する。特に切断要素は、第1および第2の方向に直交する第3の方向に沿って、シーリングかみ合い部のシーリングデバイスに近づいたりそれから遠ざかったりするようにスライドしてもよい。
【0014】
パッケージが、パッケージ材料からなる関連するブランクを起点として形成される場合、シーリングデバイスは、パッケージングユニットのかみ合い部に取り付けられる。
【0015】
いずれの場合においても、公知のシーリングデバイスは、各インダクタ棒を収納するための2つの前方台を規定する支持体と;磁束収束材料、−特にフェライトを備える複合材料−、から形成されるインサートと;を実質的に備える。インサートは、インダクタ棒に近接して、支持体内に収納される。
【0016】
より詳細には、インダクタ棒は、シーリングデバイスの外面に配置された関連する作用面を備え、かつ作用面は、パッケージの形成中にパッケージング材料と協働する。
【0017】
また作用面は各突出部を備える。これら突出部は、パッケージング材料と協働しかつパッケージング材料への圧力を増大させることを意図されている。それにより、シーリング領域において、パッケージング材料の溶融したプラスチック材料の混合を引き起こす。
【0018】
全体的に見て順調に実施されているが、上記タイプのシーリングデバイスには改善の余地がある。
【0019】
より詳細には、当該産業において、作用面同士の間に生じる短絡を防止するという第1の必要性が考えられる。
【0020】
実際のところ、作用面同士の間の短絡は、誘導される損流がパッケージング材料内を流れることを妨げることがあり、ヒートシーリングの最終的な質を損なう。さらに、短絡は、インダクタ棒を損傷させることがあり、かつヒートシーリング工程の妨害を引き起こすことがある。
【0021】
特に短絡は、開放デバイスのフレームが周囲に取り付けられた複数の穿孔可能な部分がパッケージング材料に設けられている場合に生じることがある。
【0022】
パッケージの穿孔可能な部分の各々は、いわゆる「あらかじめ積層された」孔によって規定されてもよい。「あらかじめ積層された」孔とは、基層のみに形成され、かつ気体バリア材料からなる層を含む他のラミネート層によって被覆された孔である。
【0023】
それが気体バリア材料からなる層を形成する場合、アルミニウム層は、作用面と接触して作用面同士の間に電気的ブリッジ(electrical bridge)を形成することがある。
【0024】
作用面同士の間の短絡は、インダクタ棒の作用面同士の間に存在する塩分の高い食品の残留物によって引き起こされることもある。この食品は、例えば塩分を含むゲルを含むドッグフードである。
【0025】
そうした種類の短絡は、パッケージがブランクから形成される場合に特に生じる。これは主に、筒に食品を充填して筒の上端部をシーリングすることが、インダクタ棒の作用面上にまたは作用面同士の間に食品の飛沫をもたらすことに起因する。
【0026】
さらに、パッケージがブランクから形成される場合、シーリングデバイスは、2つの筒の上端部をシールすると同時に非常に高い電圧を供給される必要があるが、これは短絡のリスクを増大させる。
【0027】
当該産業において、インダクタ棒、特にその突出部が腐食することを防止するという第2の必要性が考えられる。
【0028】
突出部および/またはインダクタのうちの突出部に近接する部分の腐食は、作用面によってパッケージング材料に加えられる圧力を低減させ、パッケージング材料の溶融されるプラスチック材料の混合を低減させ、シーリングの全体的な質を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明の目的は、注入可能な食品のシールされたパッケージを製造するためにパッケージング材料をヒートシールするための誘導シーリングデバイスを提供することであり、かつ複雑ではない、低コストの様式で上記目的を達成するよう設計された誘導シーリングデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明によれば、特許請求の範囲に記載の請求項1に記載されるように、注入可能な食品のシールされたパッケージを製造するためにパッケージング材料をヒートシールするための誘導シーリングデバイスが提供される。
【0031】
以下、添付の図面を参照して、好ましい非限定的な本発明の実施形態について一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】明確にするためにいくつかの部品が取り除かれた状態の、垂直形成経路に沿って供給されるパッケージング材料からなるチューブから、注入可能な食品のシールされた滅菌パッケージを製造するためのパッケージングユニットの側面図である。
図2図1のパッケージングユニットに組み込まれた、本発明に基づく誘導シーリングデバイスの第1の実施形態の断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態に基づく誘導シーリングデバイスの第2の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1における参照符号1はパッケージングユニット全体を示しており、このパッケージングユニットは、例えば殺菌された牛乳、UHT牛乳、フルーツジュースまたはワインなどの注入可能な食品のシールされた滅菌パッケージ2を、パッケージング材料からなるチューブ3から製造するためのものである。
【0034】
パッケージング材料は、多層構造(図示せず)を有しており、かつ通常は紙である繊維材料からなる層を備える。この層は、例えばポリエチレンであるヒートシールプラスチック材料からなる個々の層で両面を被覆されている。パッケージ2における、パッケージング材料のうちの食品と最終的に接触する面はまた、例えばアルミニウムである導電バリア材料からなる層を有しており、ヒートシールプラスチック材料からなる1つ以上の層で被覆されている。
【0035】
チューブ3は、ユニット1から上流において、ヒートシールシート材料からなるウェブを長手方向に折り曲げてシールすることによって、公知の様式で形成される。チューブ3は、殺菌または滅菌処理済みの食品で充填され、かつ方向Aにおける垂直経路に沿って公知のデバイス(図示せず)によって供給される。
【0036】
ユニット1は、2つの形成アセンブリ4(図1にはその一方のみを示す)を備えており、形成アセンブリ4は、各レール(図示せず)に沿って垂直方向に移動し、かつチューブ3と周期的にかつ連続的に相互作用し、等間隔をあけた横断セクションにおいてチューブ3を把持してチューブ3に誘導ヒートシール工程および切断工程を実施する。
【0037】
形成アセンブリ4のそれぞれは、各レールに沿って移動するスライド(図示せず)と;2つのかみ合い部5,6(本発明の明瞭な理解のために必要な部分のみ示す)と;を実質的に備える。2つのかみ合い部5,6は、各水平軸線回りでスライドにヒンジ連結されており、閉ポジションと完全な開ポジションとの間で移動できる。
【0038】
図示された例によれば、各形成アセンブリ4のかみ合い部5,6は、各アーム7,8を有する。アーム7,8は、チューブ3と相互作用し、方向Aに直交する方向Bに直交するように延在し、かつチューブ3の両側に配置される。
【0039】
各形成アセンブリ4はまた、2つの対面する形成シェル9,10を備える。形成シェル9,10は、各かみ合い部5,6にヒンジ連結されており、かつ開ポジションと閉ポジションとの間で移動可能である。開ポジションにおいては、形成シェル9,10は、弾性手段(図示せず)によって押圧され、閉ポジションにおいては、形成シェル9,10は、それらの間に形成されるパッケージ2の形状および容積を規定する空間を形成するようにかみ合う。
【0040】
各形成アセンブリ4はまた、誘導シーリングデバイス15と切断デバイス16とを備える。誘導シーリングデバイス15および切断デバイス16はそれぞれ、関連するかみ合い部5,6の間に把持されるパッケージング材料からなるチューブ3の個々の横断セクションにおいて、横断セクションの中央ラインに沿って誘導ヒートシール工程および切断工程を実施するためのものである。
【0041】
図2を参照すると、シーリングデバイス15は:
− 2つのインダクタ20,21であって、作用面25,26のそれぞれを用いて、パッケージング材料の導電層に損流を誘導することによってパッケージング材料と相互作用して、上記材料に誘導ヒートシール工程を実施する、2つのインダクタ20,21と;
− 熱伝導材料から形成される支持体24と;
− 支持体24の内側に受容される、磁束収束材料から形成される一対のインサート30と;
− プラスチック材料から形成される部材23と;
を備える。
【0042】
詳細には、インダクタ20,21は、各第1の端部(図示せず)と各第2の端部とを備える。各第1の端部は、互いに電気的に接続されており、各第2の端部は、第1の端部に対向し、電源に接続されている。
【0043】
この方法において、インダクタ20,21は、電流が流れるコイルを形成する。
【0044】
図示された例において、各シーリングデバイス15のインダクタ20,21は、好ましくは銅から形成されており、かつ各導電棒18を備える。導電棒18は、方向Bに延在しており、かつ支持体24の中央平面Mの両側に対で配置されている。
【0045】
好ましい実施形態において、シーリングデバイス15はまた、個々の中空の円筒要素35を備える。中空の円筒要素35は、方向Bに平行な軸線に沿って延在し、かつ個々の円筒形の冷却キャビティ53を規定する。
【0046】
個々の中空の円筒要素35は、インダクタ20,21に連結される。例えば個々の中空の円筒要素35は、インダクタ20,21に溶接されている。
【0047】
より詳細には、平面Mは、方向Aに直交しておりかつ方向Bに平行である。
【0048】
インダクタ20,21は、平面Mに対して対称的である。
【0049】
棒18は、好ましくは断面において矩形状である。
【0050】
インダクタ20,21の(図2のみに示される)作用面25,26は、好ましくは矩形状であり、方向Bに延在し、かつ平面Mに直交する同一平面上に延在する。
【0051】
より詳細には、支持体24は、アルミニウムから形成される。
【0052】
あるいは支持体24は、複合材料、セラミック、またはアルミニウム以外の金属材料から形成されてもよい。
【0053】
各インサート30は、一対の要素31を備える。要素31は、各インダクタ20,21と協働する各上方部分32と、互いに協働する各下方部分33と、を有する。さらに要素31は、シーリングデバイス15の要素35と協働する各中間部分34を有する。
【0054】
部材23は、有利なことに、インダクタ20,21の作用面25,26を被覆し、かつパッケージング材料のヒートシーリング中に、チューブ3のパッケージング材料と協働するよう構成されている。
【0055】
特に、部材23は、インダクタ20,21と一体化されており、かつプラスチック材料の射出により形成される。
【0056】
言い換えると、部材23は、インダクタ20,21にしっかりと固定されるように、インダクタ20,21に対して射出成型されたプラスチック材料からなる物体または層によって規定される。
【0057】
詳細には、部材23は2つの部分を備えており、当該2つの部分は、互いから離れ、かつ平面Mに対して対称的に延在しており、かつ:
− パッケージング材料側に配置され、かつチューブ3の横断セクションのヒートシーリング中にパッケージング材料と協働するよう構成された、面100と;
−面100に対向し、かつ各インダクタ20,21の作用面25,26および要素31の上方部分32と協働する、面101と;
− 互いに反対側を向きかつ面100,101の間に配置された、一対の側方部分102,103と;
によって境界付けられている。
【0058】
部材23の面100は、使用時に、パッケージング材料側においてシーリングデバイス15を境界付ける。
【0059】
部材23はまた、一対の突出部29を備える。突出部29は、面100からパッケージング材料からなるチューブ3へ向けて突出する。突出部29は、作用面25,26の反対側において面100から突出し、かつヒートシール中にチューブ3における把持圧力を増大させるよう機能する。
【0060】
部材23の面101はまた、インサート30の各要素31の上方部分32を被覆する。
【0061】
結果として、要素31は、使用時にパッケージング材料へ向くよう配置される側において、部材23によって被覆される。
【0062】
切断部材16はまた、2つの加圧パッド41を備える(図1)。加圧パッド41は、耐熱性弾性材料から、好ましくはニトリルゴムから形成され、同一形状の前方キャビティのそれぞれに収納される。前方キャビティは、関連する形成アセンブリ4のかみ合い部5に形成され、かつ平面Mの両側において対称的に配置されている。各かみ合い部5の加圧パッド41は、関連するかみ合い部6の部材23と協働し、平面Mの両側においてチューブ3を把持してヒートシールする。
【0063】
図1を参照すると、切断デバイス16は、実質的に平坦な切断部材42を備える。切断部材42は、関連する形成アセンブリ4のかみ合い部5における前方台の内側にスライド様式で収納されており、平面Mに沿って移動可能であり、かつかみ合い部5内に組み込まれた油圧シリンダによって公知の様式(図示せず)で駆動される。
【0064】
切断部材42は、通常は、公知の弾性手段(図示せず)によってかみ合い部5内に完全に収納される引き込まれた待機ポジション内に保持される。切断部材42は、切断部材42がかみ合い部5から前方へ突出する前方切断ポジションへ関連する油圧シリンダによって移動させられ、関連するかみ合い部6のシーリングデバイス15におけるくぼみ43に係合し(図2)、そしてチューブ3の関連する横断セクションの中央ラインに沿って切断する。
【0065】
切断部材42は、作動油圧シリンダの出力部材と一体化したプレート状ベースと;方向Aにおいてベース部分よりも厚みの小さなカッターと;を備えており、そのため高い切断圧力が保証され、かつパッケージング材料が損傷されることが防止される。
【0066】
シーリングデバイス15は、くぼみ43の一部に射出されたプラスチックから形成されたさらなる部材50を最終的に備える。
【0067】
図示された実施形態において、部材50は、部材23の部分とは異なる。
【0068】
上記シーリングデバイス15は、シールされたパッケージがそれから形成されるチューブ3の横断セクションを横方向にシーリングすることに特に適している。
【0069】
使用時に、チューブ3は、注入可能な食品で充填され、方向Aに沿って前進させられて長手方向にシールされる。
【0070】
同時に、個々の一対のかみ合い部5,6およびシェル9,10は、それぞれの開ポジションと閉ポジションとの間を周期的にかつ連続的に移動する。それにより、チューブ3は、等間隔をあけた横断セクションにおいて把持される。
【0071】
詳細には、チューブ3のパッケージング材料は、部材23の面100と、かみ合い部5の加圧パッド41と、の間で把持される。
【0072】
インダクタ20,21は、作動させられると、把持されたパッケージング材料に損流を誘導し、かつ必要なシーリング温度までパッケージング材料を加熱する。
【0073】
部材23がインダクタ20,21の作用面25,26を被覆するため、食品の残留物はそうした作用面25,26上に実質的に留まることができない。
【0074】
加えて、部材23が作用面25,26を被覆するという事実により、作用面25,26の腐食が実質的に防止される。
【0075】
チューブ3の横断セクションがヒートシールされるため、突出部29は、チューブ3における把持圧力を増大させ、それにより、横断セクションに存在するパッケージング材料の溶融されたプラスチック材料は混合される。
【0076】
チューブ3の横断セクションのシーリングが完了すると、切断部材42は、前方切断ポジションへ移動し、くぼみ43と係合するようにチューブ3の関連する横断セクションを中央ラインに沿って切断する。
【0077】
図3において参照符号15’は、本発明に基づくシーリングデバイスの第2の実施形態を示す;シールされたパッケージ15,15’は互いに類似しており、以下の説明はこれらパッケージ間の差異に限定する。可能であれば、同一のまたは対応する部分には同一の参照符号を使用する。
【0078】
部材23’は、有利なことに作用面26’のみを被覆する。
【0079】
さらにインダクタ20’は、端部分50’を備えており、端部分50’は、支持体24’の反対側において、部材23’から突出する。
【0080】
より詳細には、端部分50’は、作用面25’を備え、かつ部材23’の反対側に突出部29’を規定する。
【0081】
したがって、作用面25’は、部材23’に被覆されておらず、かつパッケージング材料のヒートシーリング中にパッケージング材料と協働して、シーリング中にチューブ3に圧力をかける。
【0082】
言い換えると、部材23’は、インダクタ21’上に射出成型されかつインダクタ21’上にしっかりと固定されたプラスチック材料からなる物体または層によって規定される;そうした物体または層は、インダクタ20’の端部分50’によって横断されており、そのため作用面25’は、使用時に、シールされるパッケージング材料と接触する。
【0083】
支持体24’は:
− 図示されない方法でかみ合い部に固定されるよう構成された主要部分80’であって、冷却貫通孔81’と、孔81’の反対側において主要部分80’から突出する一対の突起82’,83’と、を規定する、主要部分80’と;
− 突起82’,83’によって側方において境界付けられかつインサート30’によって占められる、台形台座85’と;
− 台座85’とは反対側において、突起83’の側方に配置されたダブテール形台座86’と;
を備える。
【0084】
インサート30’は、カップ形状であり、かつ:
− 方向Bに沿って延在する、主要部分90’と;
− 主要部分80’とは反対側において、平面Mに平行に主要部分90’から突出し、かつ部材23’に嵌め込まれた、3つの突出部91’,92’,93’と;
を備える。
【0085】
インダクタ20’は、突出部91’,92’の間に配置され、かつインダクタ21’は、突出部92’,93’の間に配置されている。
【0086】
部材23’は:
− インサート30’の反対側における平面100’と;
− 支持体24’側における段付きの面101’と;
− 面100’,101’の間に延在する一対の面102’,103’と;
によって境界付けられている。
【0087】
詳細には、インダクタ20’は、面100’を通過する。それにより、作用面25’は、面101’に対して面100’の反対側に存在する。作用面26’は、面101’によって被覆されている。
【0088】
詳細には、面102’から面103’へ進みながら、部材23’は:
− 突起82’と突出部91’とを被覆しかつ面102’とインダクタ20’との間に延在する、部分95’と;
− 突出部92’を被覆しかつインダクタ20’,21’の間に延在する、部分96’と;
− インダクタ21’を被覆する部分97’と;
− 突出部93’と突起83’と充填台座86’とを被覆しかつインダクタ21’と面103’との間に延在する、部分98’と;
を備える。
【0089】
したがって、インサート30’は、部材23’によって被覆されている。
【0090】
シーリングデバイス15’は、好ましくは、パッケージング材料からなる対応するブランクを起点として形成されるパッケージをシーリングするために使用される。
【0091】
使用時に、あらかじめ形成された長手方向シーリングが設けられたブランクは、対応する筒を形成するために直立させられる。これら筒は、上端部および下端部のそれぞれにおいて開放されている。
【0092】
そのため、これら筒の下端部は、図示されないシーリングデバイスによってシールされる。その後、筒は、注入可能な食品で充填され、そして筒の上端部はシーリングデバイス15’によってシールされる。
【0093】
詳細には、インダクタ20,21’は、作動させられると、パッケージング材料に損流を誘導して、必要なシーリング温度までパッケージング材料を加熱する。
【0094】
筒の上端部のシーリング中に筒から押し出される食品の残留物は、作用面25’上に留まることがあるが、作用面26’上に留まることは実質的に防止される。なぜなら作用面26’は部材23’によって被覆されているからだ。
【0095】
これら筒の上端部がヒートシールされると、インダクタ20’の端部分50’は、筒の上端部を形成するパッケージング材料における把持圧力を増大させ、パッケージング材料のプラスチック材料の混合を促進させる。
【0096】
本発明に基づくシーリングデバイス15,15’の利点は以上の説明から明らかであろう。
【0097】
特にプラスチック部材23;23’が作用面25,26;25’を被覆するという事実により、たとえあったとしても、パッケージング材料の露出されたアルミニウム層が、接触して作用面25,26;25’,26’の間に電気的接続を発生させることが防止される。
【0098】
さらに、食品の残留物が、作用面25,26;25’,26’の間に、ひいてはインダクタ20,21;20’,21’の間に短絡を発生させることが実質的に防止される。
【0099】
結果的に、インダクタ20,21;20’,21’によって誘導される損流はパッケージング材料を流れることができず、それにより、シーリングの最終的な質が損なわれ、かつ/またはパッケージングユニットの工程が中断されるというリスクが実質的に存在しなくなる。
【0100】
これは特に、シーリングデバイス15’が、ブランクから形成されかつ塩分を含むゲルを含むドッグフード製品で充填されるシーリングパッケージに使用される場合に有利である。実際に、パッケージの形成中に筒から押し出されるドッグフード製品の残留物が、インダクタ20’,21’の作用面25’,26’を電気連通状態にすることが防止される。
【0101】
その結果、インダクタ20’,21’は、短絡が発生するリスクを伴わずに、高電圧で電力供給され、同時に2つの筒の上端部をシーリングするために使用され得る。
【0102】
実際に、そうした場合においてはインダクタ20’,21’には高圧電流が供給され、そのため作用面25,26の間の短絡を避けるという必要性が特に考えられる。
【0103】
さらにシーリングデバイス15の作用面25,26のいずれもが、プラスチック部材23によって被覆されているため、作用面25,26の両方が、シールされるパッケージング材料と接触することが防止される。
【0104】
したがって、インダクタ20,21が過酸化水素水などの滅菌剤を含む環境内で動作する場合であっても、インダクタ20,21が腐食するというリスクは実質的に存在しない。
【0105】
ゆえに、インダクタ20,21は、横断シーリングに近接してパッケージング材料に効果的に圧力をかけることができる。そのため、パッケージング材料の溶融されたプラスチック材料は混合可能となり、かつ横断シーリングの最終的な品質は損なわれない。
【0106】
明らかなことに、特許請求の範囲において規定された範囲から逸脱しない限りは本明細書に記載されかつ図示されたようにシーリングデバイス15,15’に対して変更がなされてもよい。
【0107】
特に部材23は一体部品に形成でき、それゆえ部材23は、平面Mの両側に延在する2つの部分を一体的に規定できる。
【0108】
最終的に、シーリングデバイス15は、インサート30の代わりに、3つの突出部90’,91’,92’を備えるカップ形状インサート30’を備えることができる。この場合、インダクタ20は、突出部90’,91’の間に配置され、かつインダクタ21は、突出部91’,92’の間に配置されるであろう。
【0109】
その逆もまた同様に、シーリングデバイス15’は、インサート30’の代わりに、一対の要素31をそれぞれ備える一対のインサート30を備えることができる。この場合、インダクタ20’,21’は、各インサート30の要素31の間に配置されるであろう。
【符号の説明】
【0110】
2 パッケージ
15,15’ 誘導シーリングデバイス
20,20’,21,21’ インダクタ
23,23’ 部材
25,26,26’ 第1の作用面
29 突出部
30,30’ インサート
100,100’ 第1の面
101,101’ 第2の面
図1
図2
図3