特許第6131617号(P6131617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6131617-取付機構、及び、受け皿ユニット 図000002
  • 特許6131617-取付機構、及び、受け皿ユニット 図000003
  • 特許6131617-取付機構、及び、受け皿ユニット 図000004
  • 特許6131617-取付機構、及び、受け皿ユニット 図000005
  • 特許6131617-取付機構、及び、受け皿ユニット 図000006
  • 特許6131617-取付機構、及び、受け皿ユニット 図000007
  • 特許6131617-取付機構、及び、受け皿ユニット 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131617
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】取付機構、及び、受け皿ユニット
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
   A63F7/02 353
   A63F7/02 352F
   A63F7/02 352L
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-17786(P2013-17786)
(22)【出願日】2013年1月31日
(65)【公開番号】特開2014-147515(P2014-147515A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2015年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】田中 淳史
(72)【発明者】
【氏名】川尻 昌輝
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 充典
【審査官】 ▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−253803(JP,A)
【文献】 実開平06−058982(JP,U)
【文献】 特開2007−283051(JP,A)
【文献】 特開2010−253326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技島に配置された遊技機から排出される遊技媒体を受け止める受け皿を、当該受け皿を設置する上記遊技島の設置面に取り付ける取付機構であって、
上記設置面に固定されるベース板と、
上記ベース板に垂直な第1方向に長手方向を有する柱状部材と、上記柱状部材に沿ってスライドする第1移動部材と、上記第1移動部材のスライドを阻止する第1ロック部材とを有する第1調整機構と、
上記ベース板上を上記遊技機の前面に垂直な第2方向に沿ってスライドする第2移動部材と、上記第2移動部材のスライドを阻止する第2ロック部材とを有する第2調整機構と、を備え、
上記受け皿は、上記第1移動部材と連動して上記第1方向にスライドし、上記第2移動部材と連動して上記第2方向にスライドすると共に、
上記第1移動部材は、上記受け皿に固定されており、
上記第2移動部材は、上記柱状部材と一体に形成されている、
ことを特徴とする取付機構。
【請求項2】
上記柱状部材には、上記第1方向に垂直な方向の溝が上記第1方向に沿って複数形成され、
上記第1ロック部材は、上記複数の溝の何れかに挿入されて係合する挿入板を有し、
上記挿入板には、上記複数の溝の何れかに挿入されるような付勢力が常時加わっており、上記付勢力に抗した力が加わることで、上記複数の溝の何れかと上記挿入板との係合が解除される、
ことを特徴とする請求項に記載の取付機構。
【請求項3】
上記第2移動部材および上記第2ロック部材の一方には、上記第2方向に垂直な方向に突出する凸部が形成され、上記第2移動部材および上記第2ロック部材の他方には、上記凸部と係合する凹部が形成され、
上記凸部及び上記凹部の少なくとも一方が複数であることにより、係合させる凸部及び凹部の組み合わせが複数存在し、
上記第2ロック部材には、上記凸部及び凹部の少なくとも一対が係合するような付勢力が常時加わっており、上記付勢力に抗した力が加わることで、上記凸部及び凹部の係合が解除される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の取付機構。
【請求項4】
遊技島に配置された遊技機から排出される遊技媒体を受け止める受け皿を、当該受け皿を設置する上記遊技島の設置面に取り付ける取付機構であって、
上記設置面に固定されるベース板と、
上記ベース板に垂直な第1方向に長手方向を有する柱状部材と、上記柱状部材に沿ってスライドする第1移動部材と、上記第1移動部材のスライドを阻止する第1ロック部材とを有する第1調整機構と、
上記ベース板上を上記遊技機の前面に垂直な第2方向に沿ってスライドする第2移動部材と、上記第2移動部材のスライドを阻止する第2ロック部材とを有する第2調整機構と、を備え、
上記受け皿は、上記第1移動部材と連動して上記第1方向にスライドし、上記第2移動部材と連動して上記第2方向にスライドすると共に、
上記第2移動部材および上記第2ロック部材の一方には、上記第2方向に垂直な方向に突出する凸部が形成され、上記第2移動部材および上記第2ロック部材の他方には、上記凸部と係合する凹部が形成され、
上記凸部及び上記凹部の少なくとも一方が複数であることにより、係合させる凸部及び凹部の組み合わせが複数存在し、
上記第2ロック部材には、上記凸部及び凹部の少なくとも一対が係合するような付勢力が常時加わっており、上記付勢力に抗した力が加わることで、上記凸部及び凹部の係合が解除される、
ことを特徴とする取付機構。
【請求項5】
上記ベース板には、上記第2方向に長手方向を有する長孔が形成されており、
上記第2移動部材は、上記長孔に沿って上記ベース板上をスライドする、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の取付機構。
【請求項6】
遊技島に配置された遊技機から排出される遊技媒体を受け止める受け皿を、当該受け皿を設置する上記遊技島の設置面に取り付ける取付機構であって、
上記設置面に固定されるベース板と、
上記ベース板に垂直な第1方向に長手方向を有する柱状部材と、上記柱状部材に沿ってスライドする第1移動部材と、上記第1移動部材のスライドを阻止する第1ロック部材とを有する第1調整機構と、
上記ベース板上を上記遊技機の前面に垂直な第2方向に沿ってスライドする第2移動部材と、上記第2移動部材のスライドを阻止する第2ロック部材とを有する第2調整機構と、を備え、
上記受け皿は、上記第1移動部材と連動して上記第1方向にスライドし、上記第2移動部材と連動して上記第2方向にスライドすると共に、
上記ベース板には、上記第2方向に長手方向を有する長孔が形成されており、
上記第2移動部材は、上記長孔に沿って上記ベース板上をスライドする、
ことを特徴とする取付機構。
【請求項7】
遊技島に配置された遊技機から排出される遊技媒体を受け止める受け皿と、
請求項1からの何れか1項に記載の取付機構と、を備える、
ことを特徴とする受け皿ユニット。
【請求項8】
上記遊技媒体を、上記受け皿から、当該遊技媒体の数を計数する計数機へ供給する供給路をさらに備え、
上記供給路は、その形状が変形可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項に記載の受け皿ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受け皿を取り付ける取付機構、及び、取付機構を備える受け皿ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場に設置されたパチンコ機などの複数の遊技機において、各遊技者が獲得したパチンコ玉などの遊技球は、遊技場に設置されている1つの計数カウンタによって計数処理を行っていた。これに対し、近年、遊技機毎に遊技球を計数する各台計数機が広がってきている。
【0003】
各台計数機は、遊技機の隣に設置される台間機の下部に備えられる。また、各台計数機は、遊技球を計数する計数部と、遊技機の下皿に設けられた排出口から落下する遊技球を受け止める受け皿と、受け皿に溜まった遊技球を計数部に供給するための遊技球通路とを備えている。各台計数機において計数された遊技球は、遊技機が取り付けられた遊技島に送られる。なお、計数された遊技球の数は、電子情報により管理される。
【0004】
ここで、遊技機には様々な種類があり、遊技機の種類によって遊技機の下皿から遊技島の備えるテーブルまでの距離が異なる。遊技機は、遊技島に対して、遊技島の備えるテーブルよりも高い位置に取り付けることが一般的であるが、その取り付け高さも遊技機の種類によって異なる。
【0005】
遊技機の遊技島に対する取り付け高さが、遊技機の種類によって異なるため、遊技機の下皿と台間機の受け皿との位置関係が遊技機の種類によって変わってしまう。このため、遊技機の種類によっては、下皿の排出口から排出される遊技球が受け皿に入らずこぼれてしまったり、受け皿を取り付けること自体ができなという事態が起きる。また、遊技機の扉を開ける度に、受け皿を取り外さなければならない。
【0006】
このため、各台計数機の備える受け皿は、遊技機及び遊技島のテーブルなどの大きさ(寸法)のばらつきを考慮して設計及び製造されるようになってきた。しかし、遊技機の種類に合わせるように複数種類の受け皿を用意しなければならないため、受け皿の製造コストや保管コストなどが増大してしまう。また、遊技機が新しく入れ替わると、新しい遊技機に合わせて受け皿を再度設計し、新たに製造しなければならない。
【0007】
このような問題に対し、例えば、特許文献1に記載の技術のように、ネジ式のアジャスタを受け皿の底面に取り付けることで、受け皿の遊技機の高さ方向の位置を調整することのできる受け皿ユニットが提案されている。
【0008】
ここで、図7を参照して、特許文献1に係る受け皿ユニットについて説明する。図7は、特許文献1に係る受け皿ユニットを備える遊技ユニットを示す外観図である。
【0009】
図7に示すように、遊技ユニットは、遊技機91、台間機92、及び各台計数機90を備えている。遊技機91は下皿93を備えている。各台計数機90は、受け皿94、遊技球通路95及びアジャスタ96からなる受け皿ユニット、並びに、計数部97を備えている。ここで、計数部97は台間機92の下部内に設置されている。また、アジャスタ96は、不図示の遊技島の備えるテーブルに設置されている。
【0010】
特許文献1に係る遊技ユニットでは、ネジ式のアジャスタ96を回転させることにより、受け皿94の高さ方向の位置を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−197346号公報(1999年7月27日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
近年、遊技機の多様化に伴い、遊技者の視覚を楽しませるために奥行方向に凹凸の多い遊技機が増えてきている。さらに、遊技機における派手な演出を実現するため、電源部及び回路基板の大型化が進み、奥行の大きい遊技機も増加している。この場合、特許文献1のように高さ方向の調整だけでは、遊技機と受け皿ユニットとが干渉する可能性がある。すなわち、遊技機の形状の多様化により、遊技機と受け皿ユニットとが干渉してしまったり、受け皿ユニットを取り付けること自体ができないという問題が生じる。
【0013】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、奥行方向に凹凸の多い遊技機であっても、遊技機の形状によらずに取り付けることができる受け皿の取付機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様に係る取付機構は、上記の課題を解決するために、遊技島に配置された遊技機から排出される遊技媒体を受け止める受け皿を、当該受け皿を設置する上記遊技島の設置面に取り付ける取付機構であって、上記設置面に固定されるベース板と、上記ベース板に垂直な第1方向に長手方向を有する柱状部材と、上記柱状部材に沿ってスライドする第1移動部材と、上記第1移動部材のスライドを阻止する第1ロック部材とを有する第1調整機構と、上記ベース板上を上記遊技機の前面に垂直な第2方向に沿ってスライドする第2移動部材と、上記第2移動部材のスライドを阻止する第2ロック部材とを有する第2調整機構と、を備え、上記受け皿は、上記第1移動部材と連動して上記第1方向にスライドし、上記第2移動部材と連動して上記第2方向にスライドする、ことを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、上記取付機構は、上記第2調整機構により、上記遊技機の前面に垂直な上記第2方向における上記受け皿の位置を調整をすることができる。ここで、第2方向とは、遊技機の前面に垂直な方向であるため、遊技機の奥行方向となる。そのため、第2調整機構により、遊技機の奥行方向について所望の位置で上記受け皿を取り付けることができる。
【0016】
また、上記第1調整機構により、上記ベース板に垂直な上記第1方向における上記受け皿の位置を調整をすることができる。そのため、上記ベース板が固定される遊技島の設置面が水平面である場合、高さ方向が第1方向となり、高さ方向について所望の位置で上記受け皿を取り付けることができる。
【0017】
このように、第1方向および第2方向の2つの方向について受け皿の位置を調整することができるため、上記遊技機の前面側に凹凸がある場合、又は、上記遊技機の奥行が大きい場合などであっても、その形状によらず、上記受け皿を取り付けることができる取付機構を提供することができる。
【0018】
また、本発明の一態様に係る取付機構において、上記第1移動部材は、上記受け皿に固定されており、上記第2移動部材は、上記柱状部材と一体に形成されている、ことが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、上記第2移動部材と、上記柱状部材とが一体に形成されているため、上記第1調整機構及び上記第2調整機構が、1つの調整機構として集約される。これによって、上記取付機構は、上記受け皿の、上記第1方向及び上記第2方向における双方の位置調整を行うための機構を、より簡単な構造で構成することができる。
【0020】
また、本発明の一態様に係る取付機構において、上記柱状部材には、上記第1方向に垂直な方向の溝が上記第1方向に沿って複数形成され、上記第1ロック部材は、上記複数の溝の何れかに挿入されて係合する挿入板を有し、上記挿入板には、上記複数の溝の何れかに挿入されるような付勢力が常時加わっており、上記付勢力に抗した力が加わることで、上記複数の溝の何れかと上記挿入板との係合が解除される、ことが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、上記取付機構は、工具を用いずに、上記第1移動部材を上記柱状部材に沿った任意の位置で上記柱状部材に対して固定することができる。これにより、上記受け皿の、上記第1方向に対する位置を調整する調整者の作業工程を削減することができる。
【0022】
また、本発明の一態様に係る取付機構において、上記第2移動部材および上記第2ロック部材の一方には、上記第2方向に垂直な方向に突出する凸部が形成され、上記第2移動部材および上記第2ロック部材の他方には、上記凸部と係合する凹部が形成され、上記凸部及び上記凹部の少なくとも一方が複数であることにより、係合させる凸部及びり凹部の組み合わせが複数存在し、上記第2ロック部材には、上記凸部及び凹部の少なくとも一対が係合するような付勢力が常時加わっており、上記付勢力に抗した力が加わることで、上記凸部及び凹部の係合が解除される、ことが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、上記取付機構は、工具を用いずに、上記第2移動部材を上記第2の方向における任意の位置で上記ベース板に対して固定することができる。これにより、上記受け皿の、上記第2方向に対する位置を調整する調整者の作業工程を削減することができる。
【0024】
また、本発明の一態様に係る取付機構において、上記ベース板には、上記第2方向に長手方向を有する長孔が形成されており、上記第2移動部材は、上記長孔に沿って上記ベース板上をスライドする、ことが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、上記第2移動部材は、上記長孔の形成された範囲内においてのみ、上記ベース板上をスライドする。これによって、上記取付機構は、上記第2移動部材がスライドする範囲及び方向を正確に規定することができ、上記受け皿の上記第2方向における位置調整をより正確に行うことができる。
【0026】
また、本発明の一態様に係る受け皿ユニットは、上記の課題を解決するために、遊技島に配置された遊技機から排出される遊技媒体を受け止める受け皿と、上記取付機構と、を備えている。
【0027】
上記の構成によれば、上記受け皿ユニットは、上述の取付機構と同様の効果を得ることができる。
【0028】
また、本発明の一態様に係る受け皿ユニットは、上記遊技媒体を、上記受け皿から、当該遊技媒体の数を計数する計数機へ供給する供給路をさらに備え、上記供給路は、その形状が変形可能に構成されている、ことが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、上記受け皿の位置を調整することで、上記受け皿の位置が移動した場合であっても、当該受け皿の位置の移動に合わせて上記供給路の形状を変化させることができる。したがって、上記受け皿の位置調整に合わせて他の部材(例えば、上記計数機など)の配置位置を調整する必要がない。これにより、上記受け皿ユニットは、上記受け皿の位置を、自由に調整することができる。
【発明の効果】
【0030】
上記の構成によれば、上記取付機構は、上記遊技機の前面側に凹凸がある場合、又は、上記遊技機の奥行が大きい場合などであっても、その形状によらず、上記受け皿を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態に係る受け皿ユニットの構成の概略を示す外観図である。
図2】本発明の一実施形態に係る遊技ユニットの構成を示す外観図である。
図3】本発明の一実施形態に係る受け皿ユニットの備える位置調整機構の構成を示す外観図である。
図4】本発明の一実施形態に係る受け皿ユニットの備える位置調整機構の構成の詳細を示す分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る調整部及び高さ方向調整部の断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る高さ方向調整部の備えるプッシュレバーの構成を示す図であって、(a)はプッシュレバーの構成を示す外観図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
図7】特許文献1に係る受け皿ユニットを備える遊技ユニットを示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の一実施形態に係る受け皿の取付機構、及び、当該取付機構を備える受け皿ユニットについて、図1から図6を参照して以下に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成は、特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0033】
〔遊技ユニットの構成〕
まず、本実施形態に係る受け皿ユニットを備える遊技ユニットの構成について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る遊技ユニット1の構成を示す外観図である。なお、本実施形態に係る遊技ユニット1としては、パチンコ機を挙げることができるが、特に限定されるものではなく、例えば、スロットマシーンなどであってもよい。
【0034】
図2に示すように、本実施形態に係る遊技ユニット1は、遊技機10、台間機20、及び、受け皿ユニット21を備えている。遊技ユニット1は遊技島30に設定される。
【0035】
(遊技島)
遊技島30は、遊技ユニット1を取り付ける台である。また、遊技島30は、台間機20から遊技球の供給を受け付ける。遊技島30は、受け付けた遊技球を、遊技機10に供給してもよいし、溜めておいてもよい。
【0036】
図2に示すように、遊技島30は、テーブル面(設置面)31を備えている。テーブル面31は、受け皿ユニット21を支える支台の上面である。本実施形態におけるテーブル面31は水平面である。なお、本実施形態にいう「水平」とは、実質的に水平とみなすことのできる範囲を含むものである。
【0037】
(遊技機)
遊技機10は、遊技状態に応じて遊技媒体(例えば、パチンコ玉のような遊技球やメダルなど)(以下の説明では遊技球とする)を排出する。遊技機10は、図2に示すように、排出した遊技球を溜めるための下皿11を備えている。
【0038】
また、下皿11には、当該下皿11から遊技球を排出するための排出口(不図示)が形成されている。遊技機10から排出されて下皿11に溜められた遊技球は、排出口から排出される。
【0039】
(受け皿ユニット)
受け皿ユニット21は、遊技機10の下皿11に形成された排出口から排出される遊技球を受け止め、受け止めた遊技球を台間機20に送る。
【0040】
(台間機)
台間機20は、受け皿ユニット21から受けた遊技球の数を、遊技機10毎に計数する各台計数部(計数機)(不図示)を備えている。すなわち、台間機20は、受け皿ユニット21によって受け止められた遊技球の数を、各台計数部において計数する。台間機20は、各台計数部において計数した遊技球を、遊技島30に供給する。
【0041】
〔受け皿ユニットの構成〕
次に、本実施形態に係る受け皿ユニット21の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る受け皿ユニット21の構成の概略を示す外観図である。
【0042】
図1に示すように、受け皿ユニット21は、受け皿211、遊技球通路(供給路)212、ベース板(取付機構)213、カバー214、及び、位置調整機構(取付機構)40を備えている。
【0043】
(受け皿)
受け皿211は、遊技機10の備える下皿11に形成されている排出口から排出される遊技球を受け止める。受け皿211の底面は、図1に示すように、遊技球通路212側の深さが遊技球通路212と反対側の深さよりも深くなるよう、傾斜している。これによって、受け皿211は、下皿11から排出された遊技球を、効率的に遊技球通路212側へ移動させることができる。
【0044】
(遊技球通路)
遊技球通路212は、遊技球が、受け皿211から台間機20の内部へ移動する際に通過する通路である。遊技球通路212を通過して台間機20の内部へ移動した遊技球は、台間機20の備える各台計数部において計数される。
【0045】
遊技球通路212は、その形状が変形可能に構成されている。遊技球通路212は、例えば、図1に示すように、複数の部材を繋ぎ合せた蛇腹状に構成されることによって変形可能に構成されていてもよい。また、遊技球通路212は、例えば、ゴムなどの弾性部材によって変形可能に構成されていてもよく、遊技球通路212の可変可能な構成は特に限定されるものではない。
【0046】
このように、遊技球通路212を変形可能に構成することにより、後述する位置調整機構40が、受け皿211の位置を調整するために、受け皿211の位置を移動させた場合であっても、受け皿211の位置の移動に合わせて遊技球通路212の形状を変化させることができる。したがって、受け皿211の位置調整に合わせて他の部材(例えば、台間機20など)の配置位置を調整する必要がない。これにより、受け皿ユニット21は、受け皿211の位置を、自由に調整することができる。
【0047】
(ベース板、カバー)
ベース板213は、遊技島30のテーブル面31に固定され、受け皿ユニット21を遊技島30のテーブル面31に対して支持する。また、受け皿211とベース板213との間には、図1に示すように、位置調整機構40が設けられている。
【0048】
カバー214は、受け皿211及び位置調整機構40を保護する筐体である。また、カバー214は、遊技ユニット1のユーザ(遊技者)が位置調整機構40に触れることを防止する、いたずら防止カバーとしての役割も果たしている。
【0049】
(位置調整機構)
位置調整機構40は、ベース板に対する受け皿211の位置、すなわち、遊技ユニット1における位置を調整する。
【0050】
具体的には、位置調整機構40は、受け皿211の、遊技ユニット1の高さ方向(図1に示すZ軸方向)、すなわち、ベース板213(遊技島30のテーブル面31)に垂直な方向(第1方向)における位置を調整する。また、位置調整機構40は、受け皿211の、遊技ユニット1の奥行方向(図1に示すX軸方向)、すなわち、遊技機10の前面に垂直な方向(第2方向)における位置を調整する。なお、本実施形態にいう「垂直」とは、実質的に垂直とみなすことのできる範囲を含むものである。
【0051】
なお、本実施形態では、ベース板213及び位置調整機構40によって受け皿211の取付機構が実現されているが、以降では、説明の便宜上、取付機構を単に位置調整機構40とも記載する。
【0052】
〔位置調整機構の構成〕
次に、本実施形態に係る受け皿ユニット21の備える位置調整機構40の構成について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る受け皿ユニット21の備える位置調整機構40の構成を示す外観図である。図4は、本実施形態に係る受け皿ユニット21の備える位置調整機構40の構成の詳細を示す分解斜視図である。
【0053】
図3及び図4に示すように、位置調整機構40は、調整部(第1調整機構、第2調整機構)41、高さ方向調整部(第1調整機構、第1移動部材)42、及び、奥行方向調整部(第2調整機構、第2ロック部材)43を備えている。また、ベース板213には、長孔231、支持部232、ガイド板233、及び、ガイド溝234が形成されている。
【0054】
図4に示すように、長孔231は、長手方向が奥行方向と平行になるように形成されている。なお、本実施形態にいう「平行」とは、実質的に平行とみなすことのできる範囲を含むものである。また、ガイド板233及びガイド溝234は、長手方向がベース板213において奥行方向と垂直な方向(第3方向)になるように形成されている。
【0055】
(調整部)
調整部41は、受け皿211の、遊技ユニット1における高さ方向の位置及び奥行方向の位置の双方を調整するための部材である。具体的には、調整部41は、高さ方向調整部42と共に、受け皿211の、遊技ユニット1における高さ方向の位置を調整する高さ方向調整機構(第1方向調整機構)を構成する。また、調整部41は、奥行方向調整部43と共に、受け皿211の、遊技ユニット1における奥行方向の位置を調整する奥行方向調整機構(第2方向調整機構)を構成する。
【0056】
調整部41は、図4に示すように、円板状の円板部(第2移動部材)410と、スライド支持軸(柱状部材)411と、ボス412とを備えている。
【0057】
円板部410の外周の一部には、複数の凹部(係合部)413が形成されている。複数の凹部413は、一方向に沿って並んで形成される。また、複数の凹部413の各々の開口方向は全て同一である。
【0058】
スライド支持軸411は、円板部410の一方の平面のほぼ中央において、その長手方向が当該平面に垂直な方向となるように取り付けられ、円板部410と一体となっている。なお、本実施形態において、スライド支持軸411と円板部410とが「一体」であるとは、別部材であるスライド支持軸411と円板部410とを接着剤やねじ等の接着機構により一体化する場合、及び、スライド支持軸411と円板部410とを初めから一体のものとして成形する場合を含む。
【0059】
また、スライド支持軸411は、その長手方向に垂直な断面がWD形状である。スライド支持軸411は、後述する高さ方向調整部42の備えるスライド用孔422に挿入される。
【0060】
ボス412は、円板部410における他方の平面(すなわち、スライド支持軸411が取り付けられていない側の平面)のほぼ中央に取り付けられる。ボス412は、ベース板213に形成されている長孔231に挿入可能なサイズである。
【0061】
調整部41は、スライド支持軸411の長手方向及びボス412の軸方向が受け皿ユニット21の高さ方向(図1のZ軸方向)と平行になり、かつ、複数の凹部413が奥行方向調整部43側を向くように、ベース板213上に配置されている。このとき、複数の凹部413は、奥行方向(図1のX軸方向)に沿って配列され、各凹部413は、ベース板213上において奥行方向に垂直な方向(図1のY軸正方向)に開口することとなる。
【0062】
ボス412は、ベース板213に形成されている長孔231に挿入される。これにより、調整部41は、長孔231が形成されている範囲において、ベース板213に対して奥行方向にスライド可能である。また、スライド支持軸411の長手方向が受け皿ユニット21における高さ方向と平行になるため、高さ方向調整部42は、スライド支持軸411に沿って、高さ方向にスライド可能となる。
【0063】
(高さ方向調整部)
高さ方向調整部42は、調整部41と共に、受け皿211の、遊技ユニット1における高さ方向の位置を調整する高さ方向調整機構を構成する。
【0064】
図4に示すように、高さ方向調整部42は、プッシュレバー(第1ロック部材)421を備えている。また、高さ方向調整部42には、スライド用孔422が形成されている。
【0065】
高さ方向調整部42は、図1に示すように、受け皿211の底面の所定の位置に固定される。高さ方向調整部42は、スライド用孔422に挿入されている、調整部41に形成されたスライド支持軸411に沿ってスライドすることにより、受け皿211の高さ方向の位置を調整する。
【0066】
具体的には、高さ方向調整部42は、プッシュレバー421を高さ方向調整部42に押し込む(操作状態)ことにより、スライド用孔422に挿入された調整部41のスライド支持軸411の長手方向に沿ってスライド可能となる。また、高さ方向調整部42は、プッシュレバー421の高さ方向調整部42への押し込みを停止する(非操作状態)ことにより、スライド支持軸411の任意の位置で、スライド支持軸411に対して固定可能となる。すなわち、プッシュレバー421は、非操作状態となることで、高さ方向調整部42のスライド支持軸411に対するスライドを阻止するロック部材として機能する。
【0067】
なお、高さ方向調整部42の、スライド支持軸411に沿ったスライドのより詳細な説明については、図面を変えて後述する。
【0068】
なお、高さ方向調整部42に形成されているスライド用孔422は、図4に示すように、スライド支持軸411の軸方向に垂直な断面形状とほぼ同じWD形状である。また、高さ方向調整部42は、受け皿211に固定されている。したがって、受け皿211は、調整部41に対して、スライド支持軸411を回転軸として回転しない。
【0069】
(奥行方向調整部)
奥行方向調整部43は、調整部41と共に、受け皿211の、遊技ユニット1における奥行方向の位置を調整する奥行方向調整機構を構成する。
【0070】
図4に示すように、奥行方向調整部43は、下方に突出する複数の凸部431が形成されている。複数の凸部431の各々は所定の一方向に沿って延びる突条であり、複数の凸部431は当該所定の一方向に垂直な方向に沿って並んで形成される。なお、各凸部431は、調整部41が有する凹部413に係合(嵌合)可能なサイズで形成される。また、奥行方向調整部43は、バネ432を備えている。
【0071】
図3に示すように、奥行方向調整部43は、ベース板213上に、当該ベース板213に形成されているガイド板233及びガイド溝234によって、ガイド溝234の長手方向にスライド可能に取り付けられている。より具体的には、奥行方向調整部43は、一部の凸部431の先端に形成されているガイド凸部433がガイド溝234に挿入され、ガイド溝234が形成されている範囲でスライド可能に構成されている。なお、上述したように、ガイド溝234は、長手方向がベース板213において奥行方向と垂直な方向(第3方向)になるように形成されている。そのため、奥行方向調整部43は、当該第3方向にスライド可能となる。このとき、凸部431は、奥行方向と垂直な方向(図1のZ軸負方向)に突出するとともに、ベース板213に平行であり、奥行方向と垂直な方向(図1のY軸方向)に伸びる突条となる。
【0072】
また、奥行方向調整部43は、当該奥行方向調整部43とベース板213に形成されている支持部232との間に設けられたバネ432により、支持部232から見て調整部41方向(図1に示すY軸負方向)に付勢されている。奥行方向調整部43は、バネ432による付勢によって、ガイド溝234の調整部41側端部に固定される。奥行方向調整部43を調整部41から見て支持部232方向(図3の矢印Bの示す方向)に移動させた場合であっても、バネ432によって奥行方向調整部43を矢印Bと反対方向に付勢することができる。これにより、バネ432は、奥行方向調整部43をガイド溝234の調整部41側端部に再度固定することができる。
【0073】
奥行方向調整部43がガイド溝234の調整部41側端部で固定されたとき、複数の凸部431の少なくとも一部が調整部41の凹部413に係合される。凸部431と凹部413とが係合されることにより、調整部41の奥行方向のスライドが阻止される。そのため、奥行方向調整部43は、調整部41の奥行方向のスライドを阻止するロック部材として機能する。一方、奥行方向調整部43を図3の矢印Bの示す方向に移動させたとき、複数の凸部431と調整部41の凹部413との係合が解除される。
【0074】
〔受け皿の位置調整〕
次に、受け皿211の、遊技ユニット1における位置調整について説明する。
【0075】
(奥行方向の位置調整)
まず、受け皿211の、遊技ユニット1における奥行方向の位置調整について説明する。
【0076】
調整部41のベース板213に対する奥行方向の位置調整は、上述したように、奥行方向調整部43を図3の矢印Bの方向に移動させ、調整部41をベース板213に形成されている長孔231の範囲でスライド可能にした状態で実行する。
【0077】
具体的には、調整部41に形成されている何れの凹部413と、奥行方向調整部43に形成されている何れの凸部431とを係合(嵌合)させるかを調整することにより、調整部41のベース板213に対する奥行方向の位置を調整する。
【0078】
例えば、調整部41の遊技機10側に形成されている凹部413と、奥行方向調整部43の遊技機10と反対側に形成されている凸部431とを嵌合させる。この場合には、調整部41は、奥行方向調整部43により、ベース板213に形成されている長孔231の範囲内において遊技機10と反対側に、ベース板213に対して固定されることになる。
【0079】
また、調整部41の遊技機10と反対側に形成されている凹部413と、奥行方向調整部43の遊技機10側に形成されている凸部431とを嵌合させる。この場合には、調整部41は、奥行方向調整部43により、ベース板213に形成されている長孔231の範囲内において遊技機10側に、ベース板213に対して固定されることになる。
【0080】
このように、嵌合させる凹部413と凸部431との組み合わせを調整することにより、調整部41の、ベース板213に対する固定位置を、奥行方向に調整することができる。これにより、調整部41の、遊技ユニット1における奥行方向の位置を調整することができる。
【0081】
したがって、受け皿ユニット21は、工具を用いずに、調整部41を、奥行方向における任意の位置でベース板231に対して固定することができる。これにより、受け皿211の、奥行方向に対する位置を調整する調整者の作業工程を削減することができる。
【0082】
調整部41の奥行方向の位置を調整することによって、スライド支持軸411が挿入されている高さ方向調整部42を介して調整部41に固定されている受け皿211の奥行方向の位置を調整することになる。したがって、受け皿211は、高さ方向調整部42と連動して、高さ方向にスライドする。また、受け皿211は、調整部41と連動して、奥行方向にスライドする。
【0083】
このように、調整部41を奥行方向に移動させ、奥行方向調整部43によってその位置を固定することによって、受け付け皿211の、遊技ユニット1における奥行方向の位置調整を行うことができる。したがって、受け皿211の、遊技ユニット1における奥行方向の位置を、調整用の工具などを用いずに、容易に調整することができる。また、受け皿211の、遊技ユニット1における奥行方向の位置調整に工具を必要としないため、受け皿211の位置調整を短時間で行うことができる。
【0084】
さらに、本実施形態に係る受け皿ユニット21は、受け皿211の遊技ユニット1における奥行方向の位置を容易に調整することができるため、遊技機10に凹凸がある場合であっても、受け皿ユニット21を無理なく設置することができる。
【0085】
また、調整部41は、ベース板213形成された長孔231の範囲内においてのみ、上記ベース板上をスライドする。したがって、位置調整機構40は、調整部41がスライドする範囲及び方向を正確に規定することができる。これにより、受け皿211の奥行方向における位置調整をより正確に行うことができる。
【0086】
なお、本実施形態では、円板部410に凹部413が形成され、奥行方向調整部43に凸部431が形成されている構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、円板部410に凸部が形成され、奥行方向調整部43に凹部が形成されていてもよい。すなわち、円板部410および奥行方向調整部43の一方に奥行方向に垂直な凸部が形成され、円板部410および奥行方向調整部43の他方に凸部と係合する凹部が形成されていればよい。
【0087】
さらに、本実施形態では、凹部413及び凸部431が何れも複数形成されている構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、凹部413及び凸部431の少なくとも一方が複数であれば、係合する凸部及び凹部の組み合わせは複数となる。
【0088】
(高さ方向の位置調整)
次に、受け皿211の、高さ方向の位置調整について、図5及び図6を参照して説明する。
【0089】
図5は、本実施形態に係る調整部41及び高さ方向調整部42の断面図である。また、図6は、本実施形態に係る高さ方向調整部42の備えるプッシュレバー421の構成を示す図である。図6(a)は、プッシュレバー421の構成を示す外観図であり、(b)は、(a)のA−A断面図である。
【0090】
高さ方向調整部42は、図5に示すように、プッシュレバー421、及び、バネ423を備えている。また、高さ方向調整部42には、上述のように、スライド用孔422が形成されている。また、図5に示すように、調整部41のスライド支持軸411には、ベース板213に平行な(つまり、スライド支持軸411の長手方向(つまり、遊技ユニット1の高さ方向:図1のZ軸方向)に垂直な)固定用溝(溝)414が複数形成されている。複数の固定用溝414は、スライド支持軸411の長手方向(つまり、遊技ユニット1の高さ方向)に沿って並んで形成されている。
【0091】
プッシュレバー(第1ロック部材)421は、図6(a)及び(b)に示すように、固定板(第1ロック部材、挿入板)421a、及び、バネ支持部421bを有している。固定板421aは、調整部41の固定用溝414に挿入されることによって、高さ方向調整部42を調整部41のスライド支持軸411に対して固定するための部材である。また、バネ支持部421bは、バネ423を支持するための部材である。
【0092】
本実施形態では、固定板421aが、プッシュレバー421と一体に形成されていている構成を例に挙げて説明するが、特に限定されるものではなく、固定板421aは、プッシュレバー421とは別の部材として設けられていてもよい。
【0093】
図5に示すように、プッシュレバー421のバネ支持部421bは、バネ423によって、プッシュレバー421が高さ方向調整部42から押し出される方向に付勢されている。つまり、プッシュレバー421は、非操作状態において固定板421aが固定用溝414の何れかに挿入されるよう、バネ423によって常時付勢されている。
【0094】
プッシュレバー421をバネ423の付勢力に抗して操作状態にする(プッシュレバー421を図5の示す矢印Cの方向へ押し込む)と、固定板421aは、固定用溝414から外れる。これにより、高さ方向調整部42は、スライド支持軸411に沿ってスライド可能となる。
【0095】
一方、プッシュレバー421を非操作状態にすると、バネ支持部421bがバネ423によって付勢され、これに伴い固定板421aが再び固定用溝414に挿入され、嵌合する。これにより、高さ方向調整部42は、スライド支持軸411の任意の位置において固定される。
【0096】
このように、高さ方向調整部42の、遊技ユニット1における高さ方向の位置を調整することにより、高さ方向調整部42に固定されている受け皿211の、遊技ユニット1における高さ方向の位置調整することができる。
【0097】
なお、プッシュレバーの構成は、本実施形態に係るプッシュレバー421に限定されるものではない。つまり、プッシュレバーが、非操作状態におけるプッシュレバーの位置を基準位置として、基準位置から変位した操作状態へ遷移すると、基準位置に付勢する付勢力によって再度非操作状態へ戻る構成を備える構成であれば、プッシュレバー421と同様の効果を得ることができる。
【0098】
また、プッシュレバー421によって、高さ方向調整部42の位置を、調整部41のスライド支持軸411に沿った任意の位置に調整することができる。したがって、受け皿211の、遊技ユニット1における高さ方向の位置を、調整用の工具などを用いずに、容易に調整することができる。また、受け皿211の、遊技ユニット1における高さ方向の位置調整に工具を必要としないため、受け皿211の位置調整を短時間で行うことができる。
【0099】
また、プッシュレバー421を上述のように構成することにより、工具を用いずに、高さ方向調整部42をスライド支持軸411に沿った任意の位置で固定することができる。これにより、受け皿211の、高さ方向に対する位置を調整する調整者の作業工程を削減することができる。
【0100】
さらに、本実施形態に係る受け皿ユニット21は、受け皿211の遊技ユニット1における高さ方向の位置を容易に調整することができるため、遊技機10及びテーブル面31などの寸法及び形状などによらず、受け皿ユニット21を無理なく設置することができる。
【0101】
また、本実施形態に係る受け皿ユニット21は、上述のように、スライド支持軸411を調整部41の一部として(すなわち、スライド支持軸411と調整部41と一体として)形成している。これにより、受け皿ユニット21は、受け皿211の、高さ方向及び奥行方向の位置調整を行うための調整機構を、位置調整機構40に集約している。これによって、受け皿211の、高さ方向及び奥行方向の位置調整を行うための調整機構を、より簡単な構造で構成することができる。
【0102】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、パチンコ台、及び、スロットマシーンなどの備える受け皿ユニットなどに好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 遊技ユニット
10 遊技機
11 下皿
20 台間機
21 受け皿ユニット
30 遊技島
31 テーブル面(設置面)
40 位置調整機構(取付機構)
41 調整部(第1調整機構、第2調整機構)
42 高さ方向調整部(第1調整機構、第1移動部材)
43 奥行方向調整部(第2調整機構、第2ロック部材)
211 受け皿
212 遊技球通路(供給路)
213 ベース板(取付機構)
410 円板部(第2移動部材)
411 スライド支持軸(柱状部材)
412 ボス
413 凹部(係合部)
414 固定用溝(溝)
421 プッシュレバー(第1ロック部材)
421a 固定板(挿入板)
422 スライド用孔
431 凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7