特許第6131690号(P6131690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6131690交差点案内表示システム、方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131690
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】交差点案内表示システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20170515BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20170515BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   G01C21/36
   G06T19/00 A
   G09B29/00 C
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-85797(P2013-85797)
(22)【出願日】2013年4月16日
(65)【公開番号】特開2014-209062(P2014-209062A)
(43)【公開日】2014年11月6日
【審査請求日】2015年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100768
【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100167254
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 貴亨
(72)【発明者】
【氏名】大澤 佑一
(72)【発明者】
【氏名】和田 大樹
【審査官】 島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−033269(JP,A)
【文献】 特開2006−098225(JP,A)
【文献】 特開2012−154816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/36
G06T 19/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行予定経路上の2個の交差点を含む道路の鳥瞰図上に、前記走行予定経路に沿った経路図形を表す画像を重畳して表示する表示手段と、
車両が前記走行予定経路上の1個目の前記交差点を走行するまでの第1期間において、前記車両の位置に拘わらず、前記走行予定経路のうち、1個目の前記交差点を走行するまでの経路である第1経路に基づいて設定された第1位置に前記鳥瞰図の視点を固定するとともに、
前記車両が前記走行予定経路上の1個目の前記交差点と2個目の前記交差点との間を走行する第2期間において、前記車両の位置に拘わらず、前記走行予定経路のうち、1個目の前記交差点と2個目の前記交差点との間の経路である第2経路に基づいて設定された第2位置に前記鳥瞰図の視点を固定し、
前記第1期間が終了すると、前記鳥瞰図の視点を前記第1位置から前記第2位置へと遷移させる視点設定手段と、
を備える交差点案内表示システム。
【請求項2】
前記視点設定手段は、
前記第1期間において、前記第1経路を前記車両の後方側に延長した延長線の上方に設定された前記第1位置に前記鳥瞰図の視点を固定するとともに、
前記第2期間において、前記第2経路を前記車両の後方側に延長した延長線の上方に設定された前記第2位置に前記鳥瞰図の視点を固定する、
請求項1に記載の交差点案内表示システム。
【請求項3】
前記視点設定手段は、前記走行予定経路上の1個目の前記交差点と前記第2位置との距離が、前記走行予定経路上の1個目の前記交差点と前記第1位置との距離よりも、前記第1期間における前記車両の走行距離だけ短くなるように前記第2位置を設定する、
請求項1または請求項2に記載の交差点案内表示システム。
【請求項4】
前記視点設定手段は、
前記第1期間において、前記第1経路の方向に前記鳥瞰図の視線方向を固定するとともに、
前記第2期間において、前記第2経路の方向に前記鳥瞰図の視線方向を固定する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の交差点案内表示システム。
【請求項5】
前記視点設定手段は、前記第2期間のうち、前記車両が前記走行予定経路上の1個目の前記交差点を走行した直後の期間において、前記第1位置から前記第2位置に向けて前記鳥瞰図の視点を段階的に移動させる、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の交差点案内表示システム。
【請求項6】
前記表示手段は、前記走行予定経路上の2個の前記交差点を含む道路上において一定形状の前記経路図形を設定し、前記鳥瞰図上に当該経路図形を表す画像を重畳して表示する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の交差点案内表示システム。
【請求項7】
前記表示手段は、前記経路図形上において前記車両の位置を表すマーカを設定し、前記鳥瞰図上に前記経路図形および前記マーカを表す画像を重畳して表示する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の交差点案内表示システム。
【請求項8】
前記表示手段は、前記第1位置を示す視点データと、前記走行予定経路上の2個の前記交差点を含む道路の形状を示す形状データと、前記第1経路および前記第2経路を示す経路データとを含む表示用データを取得し、当該表示用データに基づいて前記鳥瞰図上に前記経路図形を表す画像を重畳して表示する、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の交差点案内表示システム。
【請求項9】
表示手段が、走行予定経路上の2個の交差点を含む道路の鳥瞰図上に、前記走行予定経路に沿った経路図形を表す画像を重畳して表示する表示工程と、
視点設定手段が、車両が前記走行予定経路上の1個目の前記交差点を走行するまでの第1期間において、前記車両の位置に拘わらず、前記走行予定経路のうち、1個目の前記交差点を走行するまでの経路である第1経路に基づいて設定された第1位置に前記鳥瞰図の視点を固定するとともに、
前記車両が前記走行予定経路上の1個目の前記交差点と2個目の前記交差点との間を走行する第2期間において、前記車両の位置に拘わらず、前記走行予定経路のうち、1個目の前記交差点と2個目の前記交差点との間の経路である第2経路に基づいて設定された第2位置に前記鳥瞰図の視点を固定し、
前記第1期間が終了すると、前記鳥瞰図の視点を前記第1位置から前記第2位置へと遷移させる視点設定工程と、
を含む交差点案内表示方法。
【請求項10】
コンピュータを、
走行予定経路上の2個の交差点を含む道路の鳥瞰図上に、前記走行予定経路に沿った経路図形を表す画像を重畳して表示する表示手段、
車両が前記走行予定経路上の1個目の前記交差点を走行するまでの第1期間において、前記車両の位置に拘わらず、前記走行予定経路のうち、1個目の前記交差点を走行するまでの経路である第1経路に基づいて設定された第1位置に前記鳥瞰図の視点を固定するとともに、
前記車両が前記走行予定経路上の1個目の前記交差点と2個目の前記交差点との間を走行する第2期間において、前記車両の位置に拘わらず、前記走行予定経路のうち、1個目の前記交差点と2個目の前記交差点との間の経路である第2経路に基づいて設定された第2位置に前記鳥瞰図の視点を固定し、
前記第1期間が終了すると、前記鳥瞰図の視点を前記第1位置から前記第2位置へと遷移させる視点設定手段、
として機能させる交差点案内表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点についての案内を表示する交差点案内表示システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
経路上に存在する複数の交差点のそれぞれについての縮小図を用意し、当該縮小図を交差点の通過順に位置をずらして重ねて表示する技術が知られている(特許文献1、参照。)。特許文献1において、『進む』『戻る』などのキーを操作することにより、最も手前に縮小図が表示される交差点を切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−117264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1において、各交差点について独立して縮小図が用意されるため、各交差点間の位置関係を認識することが困難となるという問題があった。これに対して、各交差点を含む1個の縮小図を表示すれば、各交差点間の位置関係を認識できる。しかしながら、縮小図が切り替わらないため、車両が交差点を通過したかどうかや、縮小図において現在注目すべき部分が認識できないという問題があった。
【0005】
走行予定経路上に存在する2個の交差点の位置関係を認識でき、かつ、現在注目すべき部分を容易に認識できる技術の提供。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するため、本発明の交差点案内表示システムは、走行予定経路上の2個の交差点を含む道路の鳥瞰図上に、走行予定経路に沿った経路図形を表す画像を重畳して表示する表示手段と、鳥瞰図の視点を設定する視点設定手段と、を備える。視点設定手段は、車両が走行予定経路上の1個目の交差点を走行するまでの第1期間において、走行予定経路のうち、1個目の交差点を走行するまでの経路である第1経路に基づいて設定された第1位置に鳥瞰図の視点を固定する。また、視点設定手段は、車両が走行予定経路上の1個目の交差点と2個目の交差点との間を走行する第2期間において、走行予定経路のうち、1個目の交差点と2個目の交差点との間の経路である第2経路に基づいて設定された第2位置に鳥瞰図の視点を固定する。
【0007】
前記構成では、第1期間と第2期間の双方において、走行予定経路上の2個の交差点を含む道路の鳥瞰図を表示するため、当該2個の交差点の位置関係を容易に認識できる。また、第1期間では、第1期間にて注目すべき部分を容易に認識できるように、鳥瞰図の視点を第1位置に固定できる。特に、第1位置は、1個目の交差点までの第1経路に基づいて設定されるため、走行中の第1経路が認識しやすくなる位置に鳥瞰図の視点を固定できる。同様に、第2期間では、走行中の第2経路が認識しやすくなるように、鳥瞰図の視点を第2位置に固定できる。さらに、第1期間と第2期間との間で鳥瞰図の視点が遷移するため、車両が1個目の交差点を走行したことを直感的に認識できる。
【0008】
表示手段は、経路図形を表す画像を鳥瞰図上に重畳することにより、2個の交差点を含む走行予定経路を鳥瞰図によって連続的に案内できる。例えば、表示手段は、走行予定経路上の2個の交差点が所定距離以内に存在する場合や、走行予定経路上の2個の交差点を所定期間以内に車両が走行する場合に、2個の交差点を含む走行予定経路を鳥瞰図によって連続的に案内してもよい。走行予定経路とは、1個目の交差点を走行するまでの経路である第1経路と、1個目の交差点と2個目の交差点との間の経路である第2経路とを含む。なお、1個目の交差点とは2個の交差点のうち車両が先に走行する予定の交差点であり、2個目の交差点とは2個の交差点のうち車両が後に走行する予定の交差点である。第1経路と第2経路とは、車両が走行する予定の道路であってもよいし、車両が走行する予定の道路上のレーンのうちの推奨レーンであってもよい。また、経路図形は、車両が走行する予定の道路を示す図形であってもよいし、車両が走行する予定の道路を構成するレーンのうちの推奨レーンを示す図形であってもよい。経路図形は、道路や推奨レーンに沿った線状の図形であればよく、例えば矢印状の図形であってもよい。
【0009】
第1期間とは、車両が走行予定経路上の1個目の交差点を走行するまでの期間であり、車両が走行予定経路上の1個目の交差点に所定距離以内に接近した時刻に開始してもよい。また、第1期間は、1個目の交差点を通過する推定時刻に対して所定期間前の時刻に開始してもよい。一方、第2期間は、第1期間の終期を始期とする期間であればよい。
【0010】
第1位置は、第1経路に基づいて設定される位置であればよく、鳥瞰図において第1経路が認識しやすくなる鳥瞰図の視点の位置であってもよい。例えば、視点設定手段は、第1期間において、第2経路よりも第1経路がクローズアップされる位置に設定された第1位置に鳥瞰図の視点を固定してもよい。同様に、視点設定手段は、第2期間において、第1経路よりも第2経路がクローズアップされる位置に設定された第2位置に鳥瞰図の視点を固定してもよい。鳥瞰図の視点を固定するとは、第1期間または第2期間内の複数の時刻にて鳥瞰図を描画する場合に、各時刻における鳥瞰図の視点の位置を不変とすることを意味する。
【0011】
また、視点設定手段は、第1期間において、第1経路を車両の後方側に延長した延長線の上方に設定された第1位置に鳥瞰図の視点を固定してもよい。これにより、第1期間において第1経路を後方側から鳥瞰した鳥瞰図を表示でき、第1期間にて注目すべき第1経路を容易に認識できる。さらに、視点設定手段は、第2期間において、第2経路を車両の後方側に延長した延長線の上方に設定された第2位置に鳥瞰図の視点を固定してもよい。
これにより、第2期間において第2経路を後方側から鳥瞰した鳥瞰図を表示でき、第2期間にて注目すべき第2経路を容易に認識できる。
【0012】
また、視点設定手段は、走行予定経路上の1個目の交差点と第2位置との距離が、走行予定経路上の1個目の交差点と第1位置との距離よりも、第1期間における車両の走行距離だけ短くなるように第2位置を設定してもよい。これにより、第2期間において、第1期間よりも第2経路(1個目の交差点)に接近した視点から道路を鳥瞰した鳥瞰図を表示できる。従って、鳥瞰図の視点が固定されていても、第2期間にて注目すべき第2経路を容易に認識できる。
【0013】
さらに、視点設定手段は、第1期間において、第1経路の方向に鳥瞰図の視線方向を固定してもよい。これにより、第1期間において第1経路の方向が鳥瞰図における奥行き方向に表れるようにすることができ、第1期間にて車両が進行すべき方向を直感的に理解できる。同様に、視点設定手段は、第2期間において、第2経路の方向に鳥瞰図の視線方向を固定してもよい。これにより、第2期間において第2経路の方向が鳥瞰図における奥行き方向に表れるようにすることができ、第2期間にて車両が進行すべき方向を直感的に理解できる。経路の方向とは、経路上における車両の進行方向を意味し、経路上における車両の平均的な進行方向であってもよい。
【0014】
また、視点設定手段は、第2期間のうち、車両が走行予定経路上の1個目の交差点を走行した直後の期間において、第1位置から第2位置に向けて鳥瞰図の視点を段階的に移動させてもよい。これにより、1個目の交差点を走行した直後の期間において、鳥瞰図の視点が急激に変化することを防止し、鳥瞰図が連続的に変化していることを認識させることができる。すなわち、第1期間と第2期間とにおいて、同一の走行予定経路が継続的に案内されていると認識できる。
【0015】
さらに、表示手段は、走行予定経路上の2個の交差点を含む道路上において一定形状の経路図形を設定し、鳥瞰図上に当該経路図形を表す画像を重畳して表示してもよい。経路図形を一定形状とすることにより、第1期間と第2期間との間で視点が移動しても、同一の走行予定経路が継続的に案内されていると認識できる。なお、経路図形を一定形状とするとは、少なくとも第1期間と第2期間との全期間において経路図形の形状を変化させないことを意味する。
【0016】
また、表示手段は、経路図形上において車両の位置を表すマーカを設定し、鳥瞰図上に経路図形およびマーカを表す画像を重畳して表示してもよい。これにより、鳥瞰図の視点が固定されていても、走行予定経路上における車両が進行度を鳥瞰図において認識できる。また、経路図形の形状を車両の位置に応じて変化させることなく、一定形状とした場合でも、走行予定経路上における車両が進行度を鳥瞰図において認識できる。
【0017】
また、表示手段は、第1位置を示す視点データと、走行予定経路上の2個の交差点を含む道路の形状を示す形状データと、第1経路および第2経路を示す経路データとを含む表示用データを取得し、当該表示用データに基づいて鳥瞰図上に経路図形を表す画像を重畳して表示してもよい。すなわち、2個の交差点を含む走行予定経路を走行するにあたり、表示手段は、視点データと形状データと経路データとを取得してもよい。第1経路と第2経路とを示す経路データを取得しておくことにより、表示手段は、経路図形を設定できる。また、車両のマーカを設定する場合、表示手段は、経路データに基づいて、第1経路または第2経路上に車両のマーカを容易に設定できる。また、表示手段は、形状データを取得しておくことにより、道路の形状を表す鳥瞰図を生成できる。なお、表示用データは、車両が2個の交差点を含む走行予定経路を走行するタイミング以前に取得できるように当該タイミング以前に記録媒体上等に用意されればよい。
【0018】
さらに、本発明のように複数の交差点を通過する経路を案内する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合や、複数の装置によって実現される場合、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合が想定可能であり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えたナビゲーションシステムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ナビゲーション装置のブロック図である。
図2】走行予定経路を含む道路の平面図である。
図3図3A図3Cは鳥瞰図を示す図である。
図4】交差点案内表示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーション装置の構成:
(2)交差点案内表示処理:
(3)他の実施形態:
【0021】
(1)ナビゲーション装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる交差点案内表示システムとしてのナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車両Vに備えられている。ナビゲーション装置10は、制御部20と記録媒体30とを備えている。制御部20は、CPUとRAMとROM等を備え、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを実行する。記録媒体30は、地図情報30aとポリゴンデータ30bと表示用データDとを記録する。地図情報30aは、道路の端点(交差点)に対応するノードの位置を特定するためのノードデータと、ノード間の道路を示すリンクデータと、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点データ等を含んでいる。リンクデータは、道路の長さ(リンク長)を示す情報と、道路上のレーンについてのレーン情報(レーン数,レーンの位置、レーン幅等)とを含む。ノードデータは、交差点にて接続する道路間におけるレーンの接続関係を示す情報を含む。ポリゴンデータ30bは、地上に存在する道路等の形状や地面の形状を表すポリゴンデータを含んでいる。制御部20は、ポリゴンデータに基づいて、地面や道路等で構成される3次元の地図を生成する。本明細書において、位置、方向、距離と表記した場合、特に示さない限り、水平方向における位置、方向、距離を意味することとする。
【0022】
車両Vは、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とディスプレイ45とを備えている。GPS受信部41は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両Vの現在位置を算出するための信号を制御部20に出力する。車速センサ42は、車両Vが備える車輪の回転速度に対応した信号を制御部20に出力する。ジャイロセンサ43は、車両Vに作用する角加速度に対応した信号を制御部20に出力する。そして、制御部20は、車速センサ42およびジャイロセンサ43から出力された信号に基づく自立航法情報と地図情報30aとに基づいて車両Vが存在し得る比較対象道路を複数設定し、GPS受信部41にて取得されたGPS信号の誤差円に基づいて比較対象道路を絞り込む。そして、制御部20は、絞り込まれた比較対象道路のうち、自立航法軌跡と形状が最も類似する道路を車両Vが走行している道路である走行道路として特定するマップマッチング処理を行い、当該マップマッチング処理によって特定された走行道路上において車両Vの現在位置を水平方向および鉛直方向において特定する。さらに、制御部20は、ジャイロセンサ43の信号や現在位置の軌跡等に基づいて車両Vの現在の進行方位を特定する。
ディスプレイ45は、鳥瞰図および他のナビゲーション画像を表示する表示装置である。
【0023】
制御部20は交差点案内表示プログラム21を実行する。交差点案内表示プログラム21は、表示部21aと視点設定部21bとを含む。
表示部21aは、走行予定経路上の2個の交差点を含む道路の鳥瞰図上に、走行予定経路に沿った経路図形を表す画像を重畳して表示する機能を制御部20に実行させるモジュールである。表示部21aの機能により制御部20は、公知の経路探索手法によって予め探索された探索経路(不図示)を記録媒体30から取得する。探索経路は、交差点(ノード)にて接続する一連の道路(リンク)によって構成される。表示部21aの機能により制御部20は、公知の手法によって、探索経路を構成する道路のそれぞれについて車両が走行すべきレーンである推奨レーンを取得する。そして、制御部20は、探索経路上の各道路おける推奨レーンを接続した経路を走行予定経路として取得する。
【0024】
図2は、走行予定経路を含む道路の平面図である。同図において、車両Vが上方に向かって走行していることとする。探索経路は、下方から順に、4個のレーンで構成される道路W1と、2個のレーンで構成される道路W2(左側)と、1個のレーンで構成される道路W3(最も左側)とを含むこととする。道路W3を走行することによって目的地に到達できることとする。そして、道路W3に接続する道路W2の左側のレーンが推奨レーンZ2となっている。同様に、道路W2の左側の推奨レーンZ2に接続する道路W1の左端のレーンが推奨レーンZ1となっている。なお、道路W3を構成する唯一のレーンが推奨レーンZ3となっている。従って、図2において走行予定経路は推奨レーンZ1〜Z3によって構成される。本実施形態において、走行予定経路を構成する推奨レーンZ1〜Z3の幅方向の中央線同士が接続している位置を交差点の位置と定義する。
【0025】
表示部21aの機能により制御部20は、地図情報30aのノードデータとリンクデータに基づいて、探索経路を構成する道路W1〜W3のうち目的地に近い道路の順に推奨レーンZ1〜Z3を順に取得していき、一連の推奨レーンZ1〜Z3で構成される走行予定経路を取得する。表示部21aの機能により制御部20は、探索経路上の道路W1〜W3のうち、長さ(リンク長)が閾値(例えば300m)以下の道路W2を取得し、当該道路W2の両端を構成する探索経路上の交差点である近接交差点C1,C2(白丸)を取得する。すなわち、制御部20は、走行予定経路上における距離が閾値以下の2個の交差点を近接交差点C1,C2として取得する。
【0026】
表示部21aの機能により制御部20は、近接交差点C1,C2のうち、1個目の近接交差点C1(目的地から遠く、車両Vが先に走行する予定の交差点)に対して車両Vが所定の基準距離L(例えば300m)以内まで接近した場合に、第1位置を示す視点データと、走行予定経路上の2個の近接交差点C1,C2を含む道路W1〜W3の形状を示す形状データと、第1経路および第2経路を示す経路データとを含む表示用データDを取得する。
【0027】
第1経路R1は、走行予定経路のうち、1個目の近接交差点C1までの経路であり、図2の道路W1の推奨レーンZ1のうち、1個目の近接交差点C1から基準距離L以内の部分(一点鎖線(幅方向の中央線))である。従って、1個目の近接交差点C1に対して車両Vが所定の基準距離L以内まで接近した場合とは、車両Vが第1経路R1上を走行している場合を意味する。第2経路R2とは、走行予定経路のうち、1個目の近接交差点C1と2個目の近接交差点C2との間の経路であり、図2の道路W2の推奨レーンZ2(二点鎖線(幅方向の中央線))である。制御部20は、形状補間点データが示す道路W1,W2の形状と、リンクデータのレーン情報が示すレーンの数や位置や幅に基づいて、第1経路R1と第2経路R2とを示す経路データを生成し、当該経路データを含む表示用データDを記録媒体30に記録する。制御部20は、ポリゴンデータ30bのうち、2個の近接交差点C1,C2を少なくとも一方の端点として有する道路W1〜W3を表すデータを抽出することにより形状データを生成し、当該形状データを含む表示用データDを記録媒体30に記録する。
【0028】
視点データは、第1位置S1と第1視線方向U1とを示すデータである。第1位置S1とは、第1経路R1を車両Vの後方側に延長した延長線E2の上方に設定された位置である。制御部20は、1個目の近接交差点C1と第1経路R1の後方側の端点C0(二重丸)とを結ぶ直線を、当該端点C0側に延長した延長線E1を生成する。そして、制御部20は、1個目の近接交差点C1からの距離が、基準距離Lに所定の後退距離B(例えば200m)を加算した距離(L+B)となる延長線E1上の位置を取得し、当該取得した位置から基準高さ(例えば50m)だけ鉛直方向上方の位置を第1位置S1として取得する。また、制御部20は、第1位置S1から1個目の近接交差点C1に向かう方向を、第1視線方向U1として取得する。第1位置S1から1個目の近接交差点C1に向かう第1視線方向U1は、第1経路R1における平均的な車両Vの進行方向を意味する。なお、制御部20は、第1経路R1と第2経路R2とを示す経路データに基づいて、第1経路R1と第2経路R2の幅方向の中央線上にて近接交差点C1,C2の位置を特定する。制御部20は、第1位置S1と第1視線方向U1とを示す視点データを生成し、当該視点データを記録媒体30に記録する。
【0029】
1個目の近接交差点C1に対して車両Vが基準距離L以内まで接近した場合に、視点データと形状データと経路データとを含む表示用データDを取得することができればよく、制御部20は、1個目の近接交差点C1に対して車両Vが基準距離L以内まで接近するタイミング以前に表示用データDを記録媒体30に記録しておけばよい。本実施形態では、探索経路が探索された段階で、制御部20は、探索経路上の近接交差点C1,C2の組み合わせごとに表示用データDを記録媒体30に記録しておくこととする。
【0030】
表示部21aの機能により制御部20は、1個目の近接交差点C1に対して車両Vが基準距離L以内まで接近してから車両Vが2個目の近接交差点C2を通過するまでの期間において、表示用データDの形状データに基づいて、走行予定経路上の2個の近接交差点C1,C2を含む道路W1〜W3の鳥瞰図を描画する。また、表示部21aの機能により制御部20は、走行予定経路に沿った経路図形Aを表す画像を鳥瞰図に重畳する。具体的に、表示部21aの機能により制御部20は、走行予定経路上の2個の近接交差点C1,C2を含む道路上において一定形状の経路図形Aを設定し、鳥瞰図上に当該経路図形Aを表す画像を重畳して表示する。すなわち、制御部20は、後述する第1期間と第2期間との全体において、車両Vの現在位置に拘わらず、一定形状の経路図形Aを設定する。制御部20は、第1経路R1と第2経路R2(推奨レーンZ1,Z2)の幅と同等もしくはわずかに小さい幅(例えば、推奨レーンZ1,Z2の幅の80〜90%)の幅を有する線状の図形を生成し、当該図形における目的地側の端に矢印の頭部を形成することにより、経路図形Aを生成する。そして、制御部20は、鳥瞰図と同一の視点から同一の視線方向で経路図形Aを鳥瞰した画像を生成し、当該画像を鳥瞰図に重畳する。鳥瞰図の視点の詳細については後述する。
【0031】
さらに、表示部21aの機能により制御部20は、経路図形A上において車両Vの位置を表すマーカMを設定し、鳥瞰図上に経路図形AおよびマーカMを表す画像を重畳して表示する。表示部21aの機能により制御部20は、走行予定経路(第1経路R1,第2経路R2)の幅方向の中央線上の位置のうち、車両Vの現在位置からの距離が最短となる位置を取得し、当該取得した位置に二等辺三角形状のマーカMを設定する。このとき、制御部20は、頂角が目的地側に向くようにマーカMを設定するとともに、当該頂角の垂直二等分線の方向が走行予定経路の幅方向の中央線の方向と一致するようにマーカMを設定する。表示部21aの機能により制御部20は、鳥瞰図と同一の視点から同一の視線方向で経路図形AおよびマーカMを鳥瞰した画像を生成し、当該画像を鳥瞰図に重畳する。
【0032】
視点設定部21bは、車両が走行予定経路上の1個目の近接交差点C1を走行するまでの第1期間において、走行予定経路のうち、1個目の近接交差点C1を走行するまでの経路である第1経路R1に基づいて設定された第1位置S1に鳥瞰図の視点を固定する機能を制御部20に実行させるモジュールである。具体的に、視点設定部21bの機能により制御部20は、車両Vが第1経路R1を走行する第1期間において、表示用データDの視点データが示す第1位置S1に鳥瞰図の視点を固定する。すなわち、視点設定部21bの機能により制御部20は、第1期間において、第1経路R1を車両の後方側に延長した延長線E1の上方に設定された第1位置S1に鳥瞰図の視点を固定する。
【0033】
さらに、視点設定部21bの機能により制御部20は、第1期間において、第1経路R1の方向に鳥瞰図の視線方向を固定する。具体的に、視点設定部21bの機能により制御部20は、車両Vが第1経路R1を走行する第1期間において、表示用データDの視点データが示す第1視線方向U1に水平方向における鳥瞰図の視線方向を固定するとともに、所定の基準俯角となるように鉛直方向における鳥瞰図の視線方向を固定する。本実施形態において、基準俯角は、第1期間において、2個目の近接交差点C2の像が鳥瞰図の縦方向における所定高さ(地平線よりも低い位置)に投影される角度に設定される。これにより、2個目の近接交差点C2の像が鳥瞰図に含まれるようにすることができる。
【0034】
なお、制御部20は、1個目の近接交差点C1に対して車両Vが基準距離L以内まで接近したタイミングを第1期間の始期とする。本実施形態では、第1経路R1の長さが基準距離Lであるため、1個目の近接交差点C1に対して車両Vが基準距離L以内まで接近することは、車両Vが第1経路R1を走行することを意味する。具体的に、制御部20は、第1経路R1を含む推奨レーンZ1の幅方向の中央線上の位置のうち、車両Vの現在位置からの距離が最短となる位置が第1経路R1の後方側の端点C0を通過したタイミングを第1期間の始期とする。さらに、制御部20は、第1経路R1の幅方向の中央線上の位置のうち、車両Vの現在位置からの距離が最短となる位置が1個目の近接交差点C1を通過したタイミングを第1期間の終期とする。
【0035】
以上のようにして、第1期間において、第1位置S1に鳥瞰図の視点を固定し、かつ、第1視線方向U1に水平方向における視線方向を固定することにより、第1期間において鳥瞰図は一定の画像となる。ただし、鳥瞰図において、マーカMを表す画像の位置および方向は車両Vの現在位置に応じて変化することとなる。
【0036】
図3Aは、第1期間においてディスプレイ45に表示される鳥瞰図である。図2において、第1期間に属する複数の時刻T1-1〜T1-5における車両Vの位置(現在位置に最も近い第1経路R1の幅方向の中央線上の位置)を破線矢印で示す。また、図3Aにおいては、第1期間に属する複数の時刻T1-1〜T1-5における車両Vの位置に設定されたマーカMが表されている。なお、説明のため複数の時刻T1-1〜T1-5におけるマーカMを表したが、現実には現在の時刻に対応する1個のマーカMが表されることとなる(図3Bにおいて同じ)。図3Aに示すように、第1期間において、車両Vの位置を表すマーカMの位置が変化する一方で、鳥瞰図における道路W1〜W3や経路図形Aの像は変化しない。第1期間において、経路図形Aが一定形状であるとともに、鳥瞰図の視点と視線方向とが固定されるからである。
【0037】
視点設定部21bの機能により制御部20は、車両が走行予定経路上の1個目の近接交差点C1と2個目の近接交差点C2との間を走行する第2期間において、走行予定経路のうち、1個目の近接交差点C1と2個目の近接交差点C2との間の経路である第2経路R2に基づいて設定された第2位置S2に鳥瞰図の視点を固定する。具体的に、視点設定部21bの機能により制御部20は、第2期間において、第2経路R2を車両の後方側に延長した延長線E2の上方に設定された第2位置S2に鳥瞰図の視点を固定する。より具体的に、視点設定部21bの機能により制御部20は、表示用データDの経路データに基づいて、1個目の近接交差点C1と2個目の近接交差点C2とを結ぶ直線を、1個目の近接交差点C1側に延長した延長線E2を生成し、当該延長線E2上の位置から基準高さだけ鉛直方向上方の位置を第2位置S2として設定する。
【0038】
さらに、視点設定部21bの機能により制御部20は、走行予定経路上の1個目の近接交差点C1と第2位置S1との距離が、走行予定経路上の1個目の近接交差点C1と第1位置S1との距離よりも、第1期間における車両の走行距離だけ短くなるように第2位置S2を設定する。第1期間における車両Vの走行距離は、第1期間において車両Vが走行する第1経路R1の長さ、すなわち基準距離Lと一致すると見なすことができる。また、1個目の近接交差点C1から第1位置S1までの距離は、基準距離Lに後退距離Bを加算した距離(L+B)である。従って、制御部20は、1個目の近接交差点C1からの距離が後退距離B(=L+B−L)となる延長線E2上の位置を取得し、当該取得した位置から基準高さだけ鉛直方向上方の位置を第2位置S2として設定する。
【0039】
さらに、視点設定部21bの機能により制御部20は、第2経路R2の方向に鳥瞰図の視線方向を固定する。具体的に、制御部20は、第2位置S2から1個目の近接交差点C1に向かう方向を第2視線方向U2として取得し、当該第2視線方向U2に水平方向における鳥瞰図の視線方向を固定する。さらに、視点設定部21bの機能により制御部20は、第1期間にて2個目の近接交差点C2の像が鳥瞰図の縦方向における所定高さに投影されるように設定された基準俯角を維持するように、第2期間において鉛直方向における鳥瞰図の視線方向を固定する。本実施形態において、第1期間と第2期間とで、鳥瞰図の視点の高さは同一であり、俯角も同一となる。ただし、第1期間と第2期間とで、鳥瞰図の視点の高さや俯角が異なってもよい。ここで、第2位置S2から1個目の近接交差点C1に向かう方向は、第2経路R1の両端を構成する近接交差点C1,C2を結ぶ直線の方向であり、第2視線方向U2は第2経路R1における平均的な車両Vの進行方向を意味する。
【0040】
なお、制御部20は、第1経路R1および第2経路R2の幅方向の中央線上の位置のうち、車両Vの現在位置からの距離が最短となる位置が1個目の近接交差点C1を通過したタイミング、すなわち第1期間の終期を第2期間の始期とする。さらに、制御部20は、第2経路R2の幅方向の中央線上の位置のうち、車両Vの現在位置からの距離が最短となる位置が2個目の近接交差点C2を通過したタイミングを第2期間の終期とする。
【0041】
図3Bは、第2期間においてディスプレイ45に表示される鳥瞰図である。図2において、第2期間に属する複数の時刻T2-1〜T2-5における車両Vの位置(現在位置に最も近い第2経路R2上の位置)を破線矢印で示す。また、図3Bにおいて、第2期間に属する複数の時刻T2-1〜T2-5における車両Vの位置に設定されたマーカMが表されている。同図に示すように、第2期間において、車両Vの位置を表すマーカMの位置と方向とが変化する一方で、鳥瞰図における道路W1〜W3や経路図形Aの像は変化しない。第2期間において、経路図形Aが一定形状であるとともに、鳥瞰図の視点と視線方向とが固定されるからである。
【0042】
視点設定部21bの機能により制御部20は、第2期間のうち、車両Vが走行予定経路上の1個目の近接交差点C1を走行した直後の移動期間において、第1位置S1から第2位置S2に向けて鳥瞰図の視点を段階的に移動させる。具体的に、視点設定部21bの機能により制御部20は、第2期間のうち、当該第2期間の始期から所定期間経過するまでの期間を移動期間とし、当該移動期間において、第1位置S1から第2位置S2に向けて鳥瞰図の視点を段階的に移動させる。すなわち、制御部20は、第2期間のうち移動期間においては、鳥瞰図の視点を固定するのではなく、鳥瞰図の視点を移動させる。図2に示すように、視点設定部21bの機能により制御部20は、第1位置S1と第2位置S2とを連続的に結ぶ移動線Xを生成し、当該移動線Xを所定の分割数N(例えば5)で均等分割した区間の境界点をなす(N−1)個の分割位置ST-1〜ST-4を設定する。そして、制御部20は、移動期間において、第1位置S1に近い順に分割位置ST-1〜ST-4を選択し、当該選択した分割位置ST-1〜ST-4に鳥瞰図の視点を設定する。制御部20は、第2位置S2に最も近い分割位置ST-4に鳥瞰図の視点を設定すると移動期間を終了させ、第2位置S2に鳥瞰図の視点を固定する。本実施形態において、制御部20は、円弧状の移動線Xを生成しているが、移動線Xの形状は特に限定されない。移動線Xは、直線状であってもよいし、折れ線状であってもよい。例えば、移動線Xは、延長線E1のうち第1位置S1からの距離が基準距離Lとなる線分と、当該線分の1個目の近接交差点C1側の端点と第2位置S1とを接続する線とから構成されてもよい。
【0043】
視点設定部21bの機能により制御部20は、移動期間において、鳥瞰図の視点を設定する各分割位置ST-1〜ST-4から1個目の近接交差点C1に向かう方向UTを、鳥瞰図の視線方向として設定する。図2では、分割位置ST-3から1個目の近接交差点C1から1個目の近接交差点C1に向かう方向UT-3を図示している。移動期間における鳥瞰図の視線方向は、第1期間にて固定される鳥瞰図の視線方向(第1視線方向U1)から段階的に第2期間にて固定される鳥瞰図の視線方向(第2視線方向U2)へと近づいていくこととなる。
また、制御部20は、移動期間における鳥瞰図の視点の高さと俯角とを、第1期間における鳥瞰図の視点の高さと俯角と一致させる。
【0044】
図3Cは、移動期間においてディスプレイ45に表示される鳥瞰図である。図3Cは、移動期間に属する複数の時刻TT-1〜TT-4のうち、時刻TT-3においてディスプレイ45に表示される鳥瞰図である。すなわち、図3Cは、分割位置ST-1〜ST-4のうち、3番目に第1位置S1に近い分割位置ST-3から道路W1〜W3を鳥瞰した鳥瞰図である。移動期間においては、複数の時刻TT-1〜TT-4のそれぞれにおいて鳥瞰図の視点と視線方向とが異なるため、複数の時刻TT-1〜TT-4のそれぞれにおいて鳥瞰図における道路W1〜W3や経路図形Aの像が変化する。
【0045】
以上説明した本実施形態の構成において、第1期間と第2期間の双方において、走行予定経路上の2個の近接交差点C1,C2を含む道路W1〜W3の鳥瞰図を表示するため、当該2個の近接交差点C1,C2の位置関係を容易に認識できる。また、第1期間では、第1期間にて注目すべき第1経路R1を容易に認識できように、鳥瞰図の視点を第1位置S1に固定できる。特に、第1位置S1は、1個目の近接交差点C1までの第1経路R1に基づいて設定されるため、走行中の第1経路R1が認識しやすくなる位置に鳥瞰図の視点を固定できる。同様に、第2期間では、第2期間にて注目すべき第2経路R2を容易に認識できように、鳥瞰図の視点を第2位置S2に固定できる。さらに、第1期間と第2期間との間で鳥瞰図の視点が遷移するため、車両が1個目の近接交差点C1を走行したことを直感的に認識できる。
【0046】
また、視点設定部21bの機能により制御部20は、第1期間および第2期間において、それぞれ第1経路R1および第2経路R2を車両の後方側に延長した延長線E1,E2の上方に設定された第1位置S1および第2位置S2に鳥瞰図の視点を固定する。これにより、第1期間において第1経路R1を後方側から鳥瞰した鳥瞰図を表示でき、第1期間にて注目すべき第1経路R1を容易に認識できる。同様に、第2期間において第2経路R2を後方側から鳥瞰した鳥瞰図を表示でき、第2期間にて注目すべき第2経路R2を容易に認識できる。
【0047】
さらに、視点設定部21bの機能により制御部20は、1個目の近接交差点C1と第2位置S1との距離が、1個目の近接交差点C1と第1位置S1との距離よりも、第1期間における車両の走行距離だけ短くなるように第2位置S2を設定する。これにより、第2期間において、第1期間よりも第2経路R2(1個目の近接交差点C1)に接近した視点から鳥瞰した鳥瞰図を表示できる(図3A,3B)。従って、鳥瞰図の視点が固定されていても、第2期間にて注目すべき第2経路R2を容易に認識できる。
【0048】
また、視点設定部21bの機能により制御部20は、第1期間および第2期間のそれぞれにおいて、第1経路R1および第2経路R2の方向に鳥瞰図の視線方向を固定する。これにより、第1期間において第1経路R1の方向が鳥瞰図における奥行き方向に表れるようにすることができ、第1期間にて車両が進行すべき方向を直感的に理解しやすくできる。同様に、第2期間において第2経路R2の方向が鳥瞰図における奥行き方向に表れるようにすることができ、第2期間にて車両が進行すべき方向を直感的に理解しやすくできる。
【0049】
また、視点設定部21bの機能により制御部20は、車両Vが近接交差点C1を走行した直後の移動期間において、第1位置S1から第2位置S2に向けて鳥瞰図の視点を段階的に移動させる。これにより、第1期間から第2期間にかけて、鳥瞰図の視点が急激に変化することを防止し、鳥瞰図が連続的に変化していることを認識させることができる。すなわち、第1期間と第2期間とにおいて、同一の走行予定経路が継続的に案内されていると認識できる。
【0050】
さらに、第1期間と第2期間とで、経路図形Aを一定形状とすることにより、第1期間と第2期間との間で視点が移動しても、同一の走行予定経路が継続的に案内されていると認識できる。また、表示部21aの機能により制御部20は、経路図形A上において車両Vの位置を表すマーカMを設定するため、鳥瞰図の視点が固定され、かつ、経路図形Aが一定形状であっても、車両Vが進行している様子を鳥瞰図において表現できる。
【0051】
また、表示部21aの機能により制御部20は、2個の近接交差点C1,C2を含む走行予定経路を走行するにあたり、視点データと形状データと経路データとを含む表示用データDを取得する。第1経路R1と第2経路R2とを示す経路データを取得しておくことにより、制御部20は、経路図形Aを設定できる。また、車両VのマーカMを表示にあたり、制御部20は、経路データに基づいて、第1経路R1または第2経路R2上に車両Vのマーカを容易に設定できる。また、制御部20は、形状データを取得しておくことにより、道路W1〜W3の形状を表す鳥瞰図を生成できる。
【0052】
(2)交差点案内表示処理:
図4は、交差点案内表示処理のフローチャートである。まず、表示部21aの機能により制御部20は、走行予定経路上の1個目の近接交差点C1に接近したか否かを判定する(ステップS100)。走行予定経路上の1個目の近接交差点C1とは、走行予定経路上における互いの距離が閾値(例えば300m)以下となっている一対の近接交差点C1,C2のうち、先に走行する近接交差点C1である。また、1個目の近接交差点C1に接近したとは、1個目の近接交差点C1に対して車両Vが基準距離L(例えば300m)以内まで接近した場合を意味し、車両Vが第1経路R1上を走行している場合を意味する。
従って、走行予定経路上の1個目の近接交差点C1に接近することは、車両Vが1個目の近接交差点C1までの第1経路R1を走行する第1期間の始期が経過したことを意味する。
【0053】
走行予定経路上の1個目の近接交差点C1に接近したと判定しなかった場合(ステップS100:N)、制御部20は、ステップS100に戻る。一方、走行予定経路上の1個目の近接交差点C1に接近したと判定した場合(ステップS100:Y)、制御部20は、予め記録媒体30に記録されている表示用データDを取得する(ステップS102)。表示用データDは、第1位置S1と第1視線方向U1とを示す視点データと、近接交差点C1,C2を含む道路W1〜W3の形状を示す形状データと、第1経路R1および第2経路R2を示す経路データとを含むデータである。図2に示すように、第1位置S1は、1個目の近接交差点C1と第1経路R1の後方側の端点C0とを結ぶ直線を、当該端点C0側に延長した延長線E1上の位置から基準高さだけ鉛直方向上方の位置である。また、第1位置S1と1個目の近接交差点C1との間の距離は、基準距離Lに後退距離Bを加算した距離(L+B)となっている。第1視線方向U1は、第1位置S1から1個目の近接交差点C1に向かう方向である。
【0054】
次に、視点設定部21bの機能により制御部20は、第1経路R1の延長線E1上に設定された第1位置S1に視点を設定する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、表示用データDの視点データが示す第1位置S1に視点を設定する。次に、視点設定部21bの機能により制御部20は、第1経路R1の方向である第1視線方向U1に鳥瞰図の視線方向を設定する(ステップS110)。また、制御部20は、俯角が基準俯角となるように鉛直方向における鳥瞰図の視線方向を設定する。基準俯角とは、2個目の近接交差点C2の像が鳥瞰図の縦方向における所定高さ(地平線よりも低い位置)に投影される角度に設定された俯角である。
【0055】
次に、表示部21aの機能により制御部20は、鳥瞰図を描画する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、表示用データDの形状データに基づいて、走行予定経路上の2個の近接交差点C1,C2を含む道路W1〜W3の鳥瞰図を描画する。制御部20は、鳥瞰図を描画する際における視点および視線方向をステップS105,S110にて設定された鳥瞰図の視点および視線方向とする。
【0056】
さらに、表示部21aの機能により制御部20は、経路図形Aと車両VのマーカMを表す画像を鳥瞰図に重畳する(ステップS120)。制御部20は、車両Vの現在位置に拘わらず、一定形状の経路図形Aを設定する。具体的に、制御部20は、第1経路R1と第2経路R2の幅と同等もしくはわずかに小さい幅の幅を有する線状の図形を生成し、当該図形における目的地側の端に矢印の頭部を形成することにより、経路図形Aを生成する。また、制御部20は、車両Vの現在位置から走行予定経路(第1経路R1,第2経路R2)の幅方向の中央線上の位置のうち、車両Vの現在位置までの距離が最短となる位置を取得し、当該取得した位置に二等辺三角形状のマーカMを設定する。そして、表示部21aの機能により制御部20は、鳥瞰図と同一の視点から同一の視線方向で経路図形AおよびマーカMを鳥瞰した画像を生成し、当該画像を鳥瞰図に重畳する。
【0057】
さらに、表示部21aの機能により制御部20は、鳥瞰図をディスプレイ45に表示させる(ステップS125)。鳥瞰図をディスプレイ45に表示させると、制御部20は、車両Vが1個目の近接交差点C1を通過したか否かを判定する(ステップS130)。すなわち、制御部20は、車両Vが1個目の近接交差点C1を通過するまでの第1期間の終期が経過したか否かを判定する。車両Vが1個目の近接交差点C1を通過したと判定しなかった場合(ステップS130:N)、表示部21aの機能により制御部20は、ステップS115に戻る。すなわち、ステップS105,S110にて設定された鳥瞰図の視点および視線方向を変化させることなく、再度、鳥瞰図を描画し、当該鳥瞰図をディスプレイ45に表示させる。以上の処理を繰り返して実行することにより、制御部20は、第1期間において、第1位置S1に固定された視点から鳥瞰した鳥瞰図を描画することができる。ただし、ステップS120において車両Vの現在位置に応じてマーカMが設定されるため、第1期間においてマーカMの画像は鳥瞰図において移動することとなる(図3A)。
【0058】
一方、車両Vが1個目の近接交差点C1を通過したと判定した場合(ステップS130:Y)、視点設定部21bの機能により制御部20は、第2経路R2の延長線E2上の第2位置S2を特定する(ステップS135)。すなわち、車両Vが1個目の近接交差点C1と2個目の近接交差点C2との間の第2経路R2を走行する第2期間の始期が経過した場合に、制御部20は、当該第2期間にて視点が固定される第2位置S2を特定しておく。具体的に、制御部20は、表示用データDの経路データに基づいて、1個目の近接交差点C1と2個目の近接交差点C2とを結ぶ直線を、1個目の近接交差点C1側に延長した延長線E2を生成し、当該延長線E2上の位置から基準高さだけ鉛直方向上方の位置を第2位置S2として特定する。また、制御部20は、1個目の近接交差点C1からの距離が後退距離B(=L+B−L)となる延長線E2上の位置を取得し、当該取得した位置から基準高さだけ鉛直方向上方の位置を第2位置S2として特定する。すなわち、制御部20は、1個目の近接交差点C1と第2位置S1との距離が、走行予定経路上の1個目の近接交差点C1と第1位置S1との距離よりも、第1期間における車両の走行距離だけ短くなる位置を第2位置S2として特定する。
【0059】
次に、視点設定部21bの機能により制御部20は、第2視線方向U2を特定する(ステップS140)。すなわち、第2期間の始期が経過した場合に、制御部20は、当該第2期間にて視線方向が固定される第2視線方向U2を特定しておく。制御部20は、第2位置S2から1個目の近接交差点C1に向かう方向を第2視線方向U2として特定する。
【0060】
次に、表示部21aの機能により制御部20は、移動カウンタnを1にリセットする(ステップS145)。移動カウンタnとは、第2期間のうち、車両Vが1個目の近接交差点C1を通過した直後の移動期間における時刻の経過を示す自然数である。表示部21aの機能により制御部20は、移動カウンタnが大きいほど第2位置に近い分割位置ST-1〜ST-4に鳥瞰図の視点を設定する(ステップS150)。分割位置ST-1〜ST-4とは、第1位置S1と第2位置S2とを連続的に結ぶ移動線Xを所定の分割数Nで分割した区間の境界点をなす(N−1)個の位置である。移動カウンタnが1である場合、制御部20は、最も第1位置S1に近い分割位置ST-1に鳥瞰図の視点を設定する。
【0061】
次に、表示部21aの機能により制御部20は、移動カウンタnが大きいほど第2経路R2の方向に近い方向に鳥瞰図の視線方向を設定する(ステップS155)。具体的に、制御部20は、ステップS150にて設定した鳥瞰図の視点から1個目の近接交差点C1に向かう方向UTに鳥瞰図の視線方向を設定する。第2位置S2から近接交差点C1に向かう方向は第2経路R2の方向と一致するため、移動カウンタnに応じて視点が第2位置S2に接近するほど、視点から1個目の近接交差点C1に向かう方向UTが第2経路R2の方向に近づくこととなる。また、制御部20は、俯角が第1期間にて設定された基準俯角を維持するように鉛直方向における鳥瞰図の視線方向を設定する。
【0062】
以上のようにして鳥瞰図の視点と視線方向を設定すると、表示部21aの機能により制御部20は、鳥瞰図を描画する(ステップS160)。そして、表示部21aの機能により制御部20は、経路図形Aと車両VのマーカMを表す画像を鳥瞰図に重畳する(ステップS165)。さらに、表示部21aの機能により制御部20は、鳥瞰図をディスプレイ45に表示させる(ステップS170)。ステップS160〜S170の処理は、ステップS150,S155にて設定された鳥瞰図の視点と視線方向を採用する点を除いて、ステップS115〜S125の処理と同様である。
【0063】
次に、視点設定部21bの機能により制御部20は、移動カウンタnが分割位置ST-1〜ST-4の個数(N−1)と等しいか否かを判定する(ステップS175)。すなわち、制御部20は、直前のステップS150において最も第2位置S2に近い分割位置ST-4に鳥瞰図の視点を設定したか否かを判定する。移動カウンタnが分割位置ST-1〜ST-4の個数(N−1)と等しいと判定しなかった場合(ステップS170:N)、制御部20は、移動カウンタnに1を加算する(ステップS180)。以上の処理を繰り返して実行することにより、最も第1位置S1に近い分割位置ST-4から最も第2位置S2に近い分割位置ST-4まで順に鳥瞰図の視点を設定していくことができる。すなわち、制御部20は、第1位置S1から第2位置S2に向けて鳥瞰図の視点を段階的に移動させることができる。一方、移動カウンタnが分割位置ST-1〜ST-4の個数(N−1)と等しいと判定した場合(ステップS170:N)、制御部20は、ステップS185を実行する。すなわち、制御部20は、最も第2位置S2に近い分割位置ST-4に鳥瞰図の視点を設定した段階で、移動期間の終期が経過したとして、ステップS185の処理へと進む。なお、制御部20は、図示しないタイマを備えており、ステップS125,S170,S205(後述)における鳥瞰図の表示タイミングが一定の表示周期となるようにタイミングを調整している。従って、図2に示すように分割数Nを5とした、表示終期を0.2秒とした場合、第1期間の終期から0.8秒で移動期間が終了することとなる。移動期間の長さ(分割数N)は、第1視線方向U1と第2視線方向U2とがなす角度が大きいほど大きく設定されてもよいし、第1位置S1から第2位置S2までの距離が大きいほど大きく設定されてもよい。
【0064】
移動期間が終了すると、視点設定部21bの機能により制御部20は、第2経路R2の延長線E2上の第2位置S2に鳥瞰図の視点を設定する(ステップS185)。すなわち、制御部20は、ステップS135にて特定しておいた第2位置S2を取得し、当該第2位置S2に鳥瞰図の視点を設定する。次に、視点設定部21bの機能により制御部20は、第2経路R2の方向に鳥瞰図の視線方向を設定する(ステップS190)。すなわち、制御部20は、ステップS140にて特定しておいた第2視線方向U2を取得し、当該第2視線方向U2に鳥瞰図の視線方向を設定する。また、制御部20は、第1期間にて設定された基準俯角を維持するように、鉛直方向における鳥瞰図の視線方向を設定する。
【0065】
以上のようにして鳥瞰図の視点と視線方向を設定すると、表示部21aの機能により制御部20は、鳥瞰図を描画する(ステップS195)。そして、表示部21aの機能により制御部20は、経路図形Aと車両VのマーカMを表す画像を鳥瞰図に重畳する(ステップS200)。さらに、表示部21aの機能により制御部20は、鳥瞰図をディスプレイ45に表示させる(ステップS205)。ステップS195〜S200の処理は、ステップS185,S190にて設定された鳥瞰図の視点と視線方向を採用する点を除いて、ステップS115〜S125,S160〜S170の処理と同様である。
【0066】
鳥瞰図をディスプレイ45に表示させると、表示部21aの機能により制御部20は、車両Vが2個目の近接交差点C2を通過したか否かを判定する(ステップS210)。すなわち、制御部20は、車両Vが1個目の近接交差点C1と2個目の近接交差点C2との間の第2経路R2を走行する第2期間の終期が経過したか否かを判定する。車両Vが2個目の近接交差点C2を通過したか否かを判定する。車両Vが2個目の近接交差点C2を通過したと判定しなかった場合、制御部20は、ステップS195に戻る。すなわち、ステップS185,S190にて設定された鳥瞰図の視点および視線方向を変化させることなく、再度、鳥瞰図を描画し、当該鳥瞰図をディスプレイ45に表示させる。以上の処理を繰り返して実行することにより、制御部20は、第2期間において、第2位置S2に固定された視点から鳥瞰した鳥瞰図を描画することができる。ただし、ステップS200において車両Vの現在位置に応じてマーカMが設定されるため、第2期間においてマーカMの画像は鳥瞰図において移動することとなる(図3B)。
【0067】
一方、車両Vが2個目の近接交差点C2を通過したと判定した場合、制御部20は、交差点案内表示処理を終了させる。すなわち、近接交差点C2までの経路を案内する必要がなくなったとして、近接交差点C1,C2を含む道路W1〜W3の鳥瞰図の表示を終了させる。なお、目的地までの探索経路上において、近接交差点C1,C2の組が複数存在する場合には、近接交差点C1,C2の各組について交差点案内表示処理を実行すればよい。
【0068】
(3)他の実施形態:
表示部21aの機能により制御部20は、走行予定経路上の2個の交差点を所定期間以内に走行する場合に、2個の交差点を含む走行予定経路を鳥瞰図によって連続的に案内してもよい。第1経路R1と第2経路R2とは、車両が走行する予定の推奨レーンに対応しなくてもよく、車両が走行する予定の道路に対応してもよい。すなわち、制御部20は、経路図形Aによって車両が走行する予定の道路の幅全体を案内してもよい。経路図形Aは、道路や推奨レーンに沿った線状の図形であればよく、矢印状の図形でなくてもよい。
【0069】
なお、地図情報に30aにおいて交差点が占める路面上の領域が特定されている場合、制御部20は、車両Vが1個目の交差点の領域内に進入するまでの期間を第1期間として特定してもよいし、車両が1個目の交差点の領域内を通過しきるまでの期間を第1期間として特定してもよいし、車両が1個目の交差点の領域の中央位置を通過するまでの期間を第1期間として特定してもよい。第1期間は、1個目の交差点を通過する推定時刻に対して所定期間前の時刻に開始してもよい。一方、第2期間は、第1期間の終期を始期とする期間であればよい。第1位置S1は、第1経路R1に基づいて設定される位置であればよく、例えば、制御部20は、第1期間において、第2経路R2よりも第1経路R1がクローズアップされる位置に設定された第1位置S1に鳥瞰図の視点を固定してもよい。同様に、制御部20は、第2期間において、第1経路R1よりも第2経路R2がクローズアップされる位置に設定された第2位置S2に鳥瞰図の視点を固定してもよい。第1経路R1がクローズアップされる位置とは、第2経路R2よりも第1経路R1に近い位置であればよく、第1経路R1を幅方向の外側から鳥瞰する位置であってもよい。
【0070】
前記実施形態においては、第2期間に移動期間が設けられたが、制御部20は、必ずしも移動期間を設けなくてもよい。すなわち、制御部20は、分割位置ST-1〜ST-4を経由することなく、鳥瞰図の視点を第1位置から第2位置へと移動させてもよい。また、制御部20は、必ずしも1個目の近接交差点C1と第2位置S2との距離が、1個目の近接交差点C1と第1位置S1との距離よりも、第1期間における車両Vの走行距離だけ短くなるように第2位置S2を設定しなくてもよい。例えば、制御部20は、1個目の近接交差点C1までの距離が一定となるように第1位置S1と第2位置S2とを設定してもよい。さらに、制御部20は、第1期間における鳥瞰図の視線方向を第1経路R1の方向に固定しなくてもよく、例えば第1期間における鳥瞰図の視線方向を第1経路R1の方向に直交する方向に固定してもよい。同様に、制御部20は、第2期間における鳥瞰図の視線方向を第2経路R2の方向に固定しなくてもよい。さらに、制御部20は、第1期間と第2期間のそれぞれにおいて鳥瞰図の視点を第1位置S1と第2位置S2とに固定すればよく、第1期間と第2期間とで経路図形Aの形状を変化させてもよい。例えば、制御部20は、経路図形Aのうち車両Vが通過した軌跡に対応する部分を消去してもよい。この場合、制御部20は、車両Vの位置を示すマーカMの画像を表示しないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10…ナビゲーション装置、20…制御部、21…交差点案内表示プログラム、21a…表示部、21b…視点設定部、30…記録媒体、30a…地図情報、30b…ポリゴンデータ、41…GPS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、45…ディスプレイ、A…経路図形、B…後退距離、C1,C2…近接交差点、D…表示用データ、E1,E2…延長線、L…基準距離、M…マーカ、R1…第1経路、R2…第2経路、S1…第1位置、S2…第2位置。
図1
図2
図3
図4