(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記紫外線ランプとしては蛍光灯が用いられていたため、光度を調整することは困難であった。そのため、紫外線ランプを点灯し続けると、その光度が経時的に低下してしまい、満足な殺菌力を得ることが困難となる虞れがあった。
【0005】
一方、近年、紫外線を発光することが可能なLEDが提案されている。このようなLEDであれば、光度を調整することが可能である。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、発光される紫外線の光度を調整して殺菌力を良好なものとすることができる紫外線殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発
明に係る紫外線殺菌装置は、発光部により発光される紫外線により所定の対象個所の殺菌を行う紫外線殺菌装置において、前記発光部による紫外線の発光の積算時間を計測し、計測した積算時間が予め決められた基準時間を超える場合に、
紫外線を発光する発光部の数を増加させることにより該紫外線の光度を所定量増大させる光度制御を行う制御手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記紫外線殺菌装置において、前記発光部が設置された周辺の雰囲気の周辺温度を検知する周辺温度検知手段を備え、前記制御手段は、前記周辺温度検知手段により検知される周辺温度が予め決められた基準温度を超える場合に、前記積算時間に所定の係数を乗ずる積算時間補正制御を行うことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記紫外線殺菌装置において、前記対象個所の雰囲気の対象温度を検知する対象温度検知手段を備え、前記制御手段は、前記対象温度検知手段により検知される対象温度が予め決められた下限温度を下回る場合には、
紫外線を発光する発光部の数を低減させて前記光度を減少させる一方、前記対象温度が予め決められた上限温度を上回る場合には、
紫外線を発光する発光部の数を増加させて前記光度を増大させる光度補正制御を行うことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記紫外線殺菌装置において、前記対象個所の雰囲気の対象温度を検知する対象温度検知手段と、前記対象個所の雰囲気の対象湿度を検知する対象湿度検知手段と備え、前記制御手段は、前記対象温度検知手段により検知される対象温度及び前記対象湿度検知手段により検知される対象湿度が予め決められた条件を満足する場合、
紫外線を発光する発光部の数を増加させて前記光度を増大させる光度補正制御を行うことを特徴とする。
【0015】
また本発明は、上記紫外線殺菌装置において、前記発光部は、紫外線を発光する場合に可視光も発光させることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、上記紫外線殺菌装置において、前記発光部が紫外線を発光している場合には、その旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
また本発明は、上記紫外線殺菌装置において、前記制御手段は、前記発光部に紫外線を間欠発光させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の紫外線殺菌装置によれば、制御手段が、発光部による紫外線の発光の積算時間を計測し、計測した積算時間が予め決められた基準時間を超える場合に、発光部により発光される紫外線の光度を所定量増大させる光度制御を行うので、発光部の光度が経時的に劣化しても所望の光度を発光することができ、これにより発光される紫外線の光度を調整して殺菌力を良好なものとすることができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明の紫外線殺菌装置によれば、光度検知手段が、発光部により発光される紫外線の光度を検知し、制御手段が、光度検知手段により検知される光度が予め決められた基準光度を下回る場合に、発光部により発光される紫外線の光度を所定量増大させる光度制御を行うので、発光部の光度が経時的に劣化しても所望の光度を発光することができ、これにより発光される紫外線の光度を調整して殺菌力を良好なものとすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る紫外線殺菌装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である紫外線殺菌装置の構成を模式的に示すブロック図である。ここで例示する紫外線殺菌装置は、発光部10、周辺温度検知部(周辺温度検知手段)21、対象温度検知部(対象温度検知手段)22、制御手段30を備えて構成してある。
【0023】
発光部10は、所定の対象個所に対して紫外線を発光することができるLED等により構成してある。
【0024】
周辺温度検知部21は、発光部10の配設個所近傍に設けてある。この周辺温度検知部21は、発光部10の周辺温度を検知するセンサ等により構成してあり、検知した周辺温度は、検知信号として制御手段30に与えるものである。
【0025】
対象温度検知部22は、上記対象個所に配設してある。この対象温度検知部22は、対象個所の温度(以下、対象温度ともいう)を検知するセンサ等により構成してあり、検知した対象温度は、検知信号として制御手段30に与えるものである。
【0026】
制御手段30は、紫外線殺菌装置の動作を統括的に制御するものであり、設定記憶部31、積算時間算出処理部32、光度設定処理部33を備えて構成してある。
【0027】
設定記憶部31は、後述する光度制御処理の処理に必要な各種情報を予め設定し、かつ記憶するものである。より詳細には、基準温度、基準時間、対象個所の上限温度及び下限温度を予め設定し、かつ記憶するものである。
【0028】
基準温度は、周辺温度検知部21が検知する周辺温度の高低を判定するための閾値となる温度である。かかる基準温度を超える場合には、発光部10が高温度雰囲気下にあるものと判定する。
【0029】
基準時間は、発光部10による紫外線の発光が低下してしまう発光の積算時間に関するものである。かかる基準時間を超える場合には、発光部10による紫外線の発光が所定割合低下してしまったものと判定する。
【0030】
対象個所の上限温度及び下限温度は、対象個所における温度範囲の閾値となるものである。より詳細には、上限温度は、かかる温度を超えると対象個所における菌等の数が一気に増大してしまうと判定できる温度であり、下限温度は、かかる温度を下回ると対象個所における菌等の数があまり変化しないと判定できる温度である。
【0031】
積算時間算出処理部32は、発光部10による紫外線の発光の積算時間を算出するものである。また積算時間算出処理部32は、後述する積算時間補正制御処理を行うものである。
【0032】
光度設定処理部33は、発光部10による紫外線の光度を設定し、かつ発光部10に対して出力するものである。より詳細には、発光部10に印加される電圧値を設定することで光度を設定し、発光部10に対して出力するものである。尚、ここでは発光部10に印加される電圧値を設定することで光度を設定する光度設定処理部33について例示するが、本発明においては、発光部に供給される電流値を設定することで光度を設定する光度設定処理部であってもよい。また光度設定処理部33は、後述する光度補正制御処理を行うものである。
【0033】
図2は、
図1に示した制御手段が実施する光度制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる光度制御処理について説明することで本発明の実施の形態1である紫外線殺菌装置の動作について説明する。
【0034】
光度制御処理における制御手段30は、積算時間算出処理部32を通じて発光部10による紫外線発光の積算時間を算出し(ステップS110)、積算時間の算出後に積算時間補正制御処理を実施する(ステップS120)。
【0035】
図3は、
図2に示した積算時間補正制御処理の処理内容を示すフローチャートである。この
図3に示すように、制御手段30の積算時間算出処理部32は、周辺温度検知部21より周辺温度(検知信号)を入力した場合(ステップS121:Yes)、入力した周辺温度が設定記憶部31に記憶する基準時間を上回るか否かを判断する(ステップS122)。
【0036】
周辺温度が基準温度を上回る場合(ステップS122:Yes)、積算時間算出処理部32は、発光部10が高温度雰囲気下に配設してあるものと判定して、すなわち発光部10の劣化が比較的早いものと判定して、ステップS110で算出した積算時間に予め決められた係数を乗じて積算時間を補正して新たな積算時間を算出する(ステップS123)。ここで用いられる係数は、発光部10(LED)の高温度雰囲気下における時間の経過における劣化の程度から求められたものである。かかるステップS123では、係数が「1.5」とされる場合、ステップS110で算出された積算時間が「50時間」であれば、補正された新たな積算時間は「75時間」となる。このような積算時間の補正を行って、その後に手順をリターンさせて今回の積算時間補正制御処理を終了する。
【0037】
一方、周辺温度が基準温度以下の場合(ステップS122:No)、積算時間算出処理部32は、上記ステップS123の処理を行うことなく、手順をリターンさせて今回の積算時間補正制御処理を終了する。この場合には、ステップS110で算出された積算時間が採用される。
【0038】
かかる積算時間補正制御処理を行った制御手段30は、光度設定処理部33を通じて積算時間が設定記憶部31に記憶する基準時間を上回るか否かを判断する(ステップS130)。
【0039】
積算時間が基準時間を上回る場合(ステップS130:Yes)、光度設定処理部33は、発光部10に印加される電圧値を予め決められた割合だけ増加させることで光度を新たに設定する(ステップS140)。
【0040】
一方、積算時間が基準時間以下の場合(ステップS130:No)、光度設定処理部33は、光度を維持したまま設定する(ステップS150)。
【0041】
このように光度を新設定若しくは光度を維持設定した光度設定処理部33は、光度補正制御処理を行う(ステップS160)。
【0042】
図4は、
図2に示した光度補正制御処理の処理内容を示すフローチャートである。この
図4に示すように、制御手段30の光度設定処理部33は、対象温度検知部22より対象温度(検知信号)を入力した場合(ステップS161:Yes)、入力した対象温度が設定記憶部31に記憶する下限温度を下回るか否かを判断する(ステップS162)。
【0043】
対象温度が下限温度を下回る場合(ステップS162:Yes)、光度設定処理部33は、対象個所は菌等の数があまり変化しない温度にあるものと判定して、ステップS140で新設定した光度若しくはステップS150で維持設定した光度を減少する補正を行う(ステップS163)。より詳細には、光度設定処理部33は、発光部10に印加される電圧値を予め決められた割合だけ減少させることで光度の補正を行う。かかる補正を行った光度設定処理部33は、手順をリターンさせて今回の光度補正制御処理を終了する。
【0044】
一方、対象温度が下限温度以上である場合(ステップS162:No)、光度設定処理部33は、対象温度が上限温度を上回るか否かを判断する(ステップS164)。
【0045】
対象温度が上限温度を上回る場合(ステップS164:Yes)、光度設定処理部33は、対象個所は菌等の数が一気に増加する温度にあるものと判定して、ステップS140で新設定した光度若しくはステップS150で維持設定した光度を増大する補正を行う(ステップS165)。より詳細には、光度設定処理部33は、発光部10に印加される電圧値を予め決められた割合だけ増加させることで光度の補正を行う。かかる補正を行った光度設定処理部33は、手順をリターンさせて今回の光度補正制御処理を終了する。
【0046】
ところで、ステップS161で入力した対象温度が下限温度以上上限温度以下の場合(ステップS162:No,ステップS164:No)、光度設定処理部33は、ステップS140で新設定した光度若しくはステップS150で維持設定した光度を維持して(ステップS166)、その後に手順をリターンさせて今回の光度補正制御処理を終了する。
【0047】
かかる光度補正制御処理を行った制御手段30は、光度設定処理部33を通じて補正後の光度若しくは維持後の光度を発光部10に出力して(ステップS170)、その後に手順をリターンさせて今回の光度制御処理を終了する。
【0048】
以上説明したような本発明の実施の形態1である紫外線殺菌装置によれば、制御手段30が、発光部10による紫外線の発光の積算時間を計測し、計測した積算時間が基準時間を超える場合に、発光部10により発光される紫外線の光度を所定量増大させる光度制御を行うので、発光部10の光度が経時的に劣化しても所望の光度を発光することができ、これにより発光される紫外線の光度を調整して殺菌力を良好なものとすることができる。
【0049】
上記紫外線殺菌装置によれば、制御手段30が、周辺温度検知部21により検知される周辺温度が基準温度を超える場合に、算出した積算時間に所定の係数を乗ずる積算時間補正制御を行うので、発光部10の設置環境下を考慮して所望の光度を発光することができ、これにより発光される紫外線の光度を調整して殺菌力を良好なものとすることができる。
【0050】
また、上記紫外線殺菌装置によれば、制御手段30が、対象温度検知部22により検知される対象温度が下限温度を下回る場合には、光度を減少させる一方、対象温度が上限温度を上回る場合には、光度を増大させる光度補正制御を行うので、対象個所の温度環境下を考慮して所望の光度を発光することができ、これにより発光される紫外線の光度を調整して殺菌力を良好なものとすることができる。
【0051】
<実施の形態2>
図5は、本発明の実施の形態2である紫外線殺菌装置の構成を模式的に示すブロック図である。ここで例示する紫外線殺菌装置は、発光部11、光度検知部(光度検知手段)41、対象温度検知部(対象温度検知手段)42、制御手段50、報知部60を備えて構成してある。
【0052】
発光部11は、所定の対象個所に対して紫外線を発光することができるLED等により構成してある。
【0053】
光度検知部41は、上記対象個所に配設してあり、発光部11より発光される紫外線の光度を検知するものである。この光度検知部41は、検知した光度を検知信号として制御手段50に与えるものである。
【0054】
対象温度検知部42は、光度検知部41と同様に対象個所に配設してある。この対象温度検知部42は、対象個所の温度(以下、対象温度ともいう)を検知するセンサ等により構成してあり、検知した対象温度は、検知信号として制御手段50に与えるものである。
【0055】
制御手段50は、紫外線殺菌装置の動作を統括的に制御するものであり、設定記憶部51、光度設定処理部52を備えて構成してある。
【0056】
設定記憶部51は、後述する光度制御処理の処理に必要な各種情報を予め設定し、かつ記憶するものである。より詳細には、下限光度、基準光度、対象個所の上限温度及び下限温度を予め設定し、かつ記憶するものである。
【0057】
下限光度は、発光部11により発光される紫外線の最低限の閾値となるものである。発光部11により発光される紫外線の光度が下限光度を下回る場合には、対象個所における紫外線による殺菌が十分でないと判定される。
【0058】
基準光度は、上記下限光度よりも大きく、かつ光度検知部41が検知する紫外線の光度の高低を判定するための閾値となるものである。かかる基準光度を下回る場合には、紫外線の光度が所望のものでないと判定する。
【0059】
対象個所の上限温度及び下限温度は、対象個所における温度範囲の閾値となるものである。より詳細には、上限温度は、かかる温度を超えると対象個所における菌等の数が一気に増大してしまうと判定できる温度であり、下限温度は、かかる温度を下回ると対象個所における菌等の数があまり変化しないと判定できる温度である。
【0060】
光度設定処理部52は、発光部11による紫外線の光度を設定し、かつ発光部11に対して出力するものである。より詳細には、発光部11に印加される電圧値を設定することで光度を設定し、発光部11に対して出力するものである。尚、ここでは発光部11に印加される電圧値を設定することで光度を設定する光度設定処理部52について例示するが、本発明においては、発光部に供給される電流値を設定することで光度を設定する光度設定処理部であってもよい。また光度設定処理部52は、後述する光度補正制御処理を行うものである。
【0061】
報知部60は、対象個所における紫外線による殺菌が不十分な場合にその旨を報知するものであり、例えばブザー音を発生する装置であったり、異常画面を表示する表示装置等により構成されるものである。
【0062】
図6は、
図5に示した制御手段が実施する光度制御処理の処理内容を示すフローチャートである。かかる光度制御処理について説明することで本発明の実施の形態2である紫外線殺菌装置の動作について説明する。
【0063】
光度制御処理における制御手段50は、光度検知部41より検知された光度(以下、検知光度ともいう)を入力した場合(ステップS210:Yes)、光度設定処理部52を通じて入力した検知光度が設定記憶部51に記憶する下限光度以上であるか否かを判断する(ステップS220)。
【0064】
検知光度が下限光度以上でない場合(ステップS220:No)、すなわち検知光度が下限光度を下回る場合、光度設定処理部52は、対象個所における紫外線による殺菌が不十分であるものとして、報知部60を通じてその旨を報知し(ステップS230)、その後に手順をリターンさせて今回の光度制御処理を終了する。
【0065】
一方、検知光度が下限光度以上である場合(ステップS220:Yes)、光度設定処理部52は、ステップS210で入力した検知光度が設定記憶部51に記憶する基準光度を下回るか否かを判断する(ステップS240)。
【0066】
検知光度が基準光度を下回る場合(ステップS240:Yes)、光度設定処理部52は、発光部11により発光される紫外線の光度が所望のものでないと判定して、発光部11に印加される電圧値を予め決められた割合だけ増加させることで光度を新たに設定する(ステップS250)。
【0067】
一方、検知光度が基準光度以上の場合(ステップS240:No)、光度設定処理部52は、光度を維持したまま設定する(ステップS260)。
【0068】
このように光度を新設定若しくは光度を維持設定した光度設定処理部52は、光度補正制御処理を行う(ステップS270)。
【0069】
図7は、
図6に示した光度補正制御処理の処理内容を示すフローチャートである。この
図7に示すように、制御手段50の光度設定処理部52は、対象温度検知部42より対象温度(検知信号)を入力した場合(ステップS271:Yes)、入力した対象温度が設定記憶部51に記憶する下限温度を下回るか否かを判断する(ステップS272)。
【0070】
対象温度が下限温度を下回る場合(ステップS272:Yes)、光度設定処理部52は、対象個所は菌等の数があまり変化しない温度にあるものと判定して、ステップS250で新設定した光度若しくはステップS260で維持設定した光度を減少する補正を行う(ステップS273)。より詳細には、光度設定処理部52は、発光部11に印加される電圧値を予め決められた割合だけ減少させることで光度の補正を行う。かかる補正を行った光度設定処理部52は、手順をリターンさせて今回の光度補正制御処理を終了する。
【0071】
一方、対象温度が下限温度以上である場合(ステップS272:No)、光度設定処理部52は、対象温度が上限温度を上回るか否かを判断する(ステップS274)。
【0072】
対象温度が上限温度を上回る場合(ステップS274:Yes)、光度設定処理部52は、対象個所は菌等の数が一気に増加する温度にあるものと判定して、ステップS250で新設定した光度若しくはステップS260で維持設定した光度を増大する補正を行う(ステップS275)。より詳細には、光度設定処理部52は、発光部11に印加される電圧値を予め決められた割合だけ増加させることで光度の補正を行う。かかる補正を行った光度設定処理部52は、手順をリターンさせて今回の光度補正制御処理を終了する。
【0073】
ところで、ステップS271で入力した対象温度が下限温度以上上限温度以下の場合(ステップS272:No,ステップS274:No)、光度設定処理部52は、ステップS250で新設定した光度若しくはステップS260で維持設定した光度を維持して(ステップS276)、その後に手順をリターンさせて今回の光度補正制御処理を終了する。
【0074】
かかる光度補正制御処理を行った制御手段50は、光度設定処理部52を通じて補正後の光度若しくは維持後の光度を発光部11に出力して(ステップS280)、その後に手順をリターンさせて今回の光度制御処理を終了する。
【0075】
以上説明したような本発明の実施の形態2である紫外線殺菌装置によれば、制御手段50が、光度検知部41により検知される光度が基準光度を下回る場合に、発光部11により発光される紫外線の光度を所定量増大させる光度制御を行うので、発光部11の光度が経時的に劣化しても所望の光度を発光することができ、これにより発光される紫外線の光度を調整して殺菌力を良好なものとすることができる。
【0076】
上記紫外線殺菌装置によれば、制御手段50が、対象温度検知部42により検知される対象温度が下限温度を下回る場合には、光度を減少させる一方、対象温度が上限温度を上回る場合には、光度を増大させる光度補正制御を行うので、対象個所の温度環境下を考慮して所望の光度を発光することができ、これにより発光される紫外線の光度を調整して殺菌力を良好なものとすることができる。
【0077】
また上記紫外線殺菌装置によれば、制御手段50が、光度検知部41により検知される光度が下限光度を下回る場合に、報知部60を通じてその旨を報知するので、対象個所の殺菌が十分でないことを周囲に認識させることができる。
【0078】
以上、本発明の好適な実施の形態1及び2について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0079】
上述した実施の形態1及び2では、発光部10,11に印加される電圧値を設定することで光度を設定、すなわち光度を増大、減少、維持することについて説明したが、本発明においては、上述したように発光部に供給する電流値を設定することによってもよいし、また発光部が複数ある場合に紫外線を発光させる発光部の数を増減させて調整することにより光度を設定するようにしても構わない。
【0080】
上述した実施の形態1及び2では、対象温度と、上限温度及び下限温度とを比較することで光度補正を行うようにしていたが、本発明においては、対象個所の雰囲気の対象温度を検知する対象温度検知手段と、対象個所の雰囲気の対象湿度を検知する対象湿度検知手段とを備え、制御手段が、対象温度検知手段により検知される対象温度及び対象湿度検知手段により検知される対象湿度が予め決められた条件を満足する場合、光度を増大させる光度補正制御を行うようにしてもよい。これによれば、湿度も考慮して対象個所の雰囲気を認識することができ、よりきめ細やかな光度補正を行うことができる。
【0081】
上述した実施の形態1及び2では、発光部10,11は紫外線のみを発光するものであったが、本発明においては、発光部は、紫外線を発光する場合に可視光も発光させるものであってもよい。これによれば、可視光を確認することで発光部により紫外線が発光されていることを認識させることができる。また、本発明においては、発光部が紫外線を発光している場合には、その旨を報知する報知手段を備えてもよい。これによっても、発光部により紫外線が発光されていることを認識させることができる。
【0082】
上述した実施の形態1及び2では、発光部10,11を常時発光(常時点灯)させることにより紫外線を発光させていたが、本発明においては、必要に応じて発光部を間欠発光(間欠点灯)させてもよい。これによれば、発光部の使用寿命の長大化を図ることができる。