特許第6131731号(P6131731)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131731
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 11/00 20060101AFI20170515BHJP
   A47C 7/02 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   A47C11/00
   A47C7/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-127112(P2013-127112)
(22)【出願日】2013年6月18日
(65)【公開番号】特開2015-268(P2015-268A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2016年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】林 友彦
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−89358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 11/00
A47C 1/12−1/16
A47C 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の脚体と、この脚体により支持されるビームと、このビーム上に配設される椅子本体と、この椅子本体の下面に取付けられ前記ビーム上に配される第1のブラケットと、前記脚体又は前記第1のブラケットに対応させて前記ビームの上又は下に配することが可能な第2のブラケットと、この第2のブラケット又は前記脚体をビームを介して第1のブラケットに結合する止着具とを具備してなり、
前記脚体をビームの端部において前記第1のブラケットに前記止着具を用いて結合させるとともに、ビームの中間部においてビームの下に配した前記第2のブラケットを前記第1のブラケットに前記止着具を用いて結合させる脚アウトセット仕様と、
ビームの下に配した前記第2のブラケットをビームの端部において前記第1のブラケットに前記止着具を用いて結合させるとともに、前記脚体をビームの中間部においてビームの上に配した前記第2のブラケットに前記止着具を用いて結合させる脚インセット仕様とを選択的に採り得るように構成したことを特徴とした椅子。
【請求項2】
前記止着具が、前記脚体又は前記第1のブラケット、前記ビーム及び前記第2のブラケットに挿し通される雄ネジ部材である請求項1記載の椅子。
【請求項3】
前記脚体又は前記第2のブラケットと前記ビームとの間に、前記脚体又は前記第2のブラケットの前記ビームに対する相対位置を位置決めするための位置決め機構を設けている請求項1又は2記載の椅子。
【請求項4】
前記位置決め機構が、前記脚体又は前記第2のブラケットと前記ビームとのうち一方に設けた突起を他方に設けた凹部に係り合わせてなるものである請求項3記載の椅子。
【請求項5】
前記椅子本体の下面の左右両側に前記第1のブラケットをそれぞれ取り付け、これら第1のブラケットにより前記椅子本体を前記ビームに支持させている請求項1、2、3又は4記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロビー等に設けられ、複数の脚体と、この脚体により支持されるビームと、このビーム上に配設される椅子本体とを備える椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空港等のロビーや、官公庁、駅、病院等の待合室といった施設に好適に用いられる椅子として、複数の脚体と、この脚体により支持されるビームと、このビーム上に配設される椅子本体とを備えており、複数名が着座可能なものが広く用いられている。
【0003】
従来のこのような椅子においては、脚体を前記ビームの端部に設ける態様が広く知られている。ところが、このように脚体を前記ビームの端部に設ける態様、換言すれば椅子の長手方向両端部に脚体を設けた場合、この脚体が歩行者やキャリーバッグ等の通行の邪魔となることがあり、脚体を内側の部位に設ける要望が存在する。
【0004】
しかし、脚体を前記ビームの端部に設ける態様の椅子と、脚体を前記ビームの内側の部位に設ける態様の椅子との両方を製造するにあたっては、従来は、両態様にそれぞれ対応させた異なる形状のビーム及び脚体を用意する必要があり、製造コストがかさむという問題が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−224541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の点に着目し、脚体を前記ビームの端部に設ける態様の椅子と、脚体を前記ビームの内側の部位に設ける態様の椅子との両方を製造するにあたって、部材の共通化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決すべく、本発明に係る椅子は、以下に述べるような構成を有する。すなわち本発明に係る椅子は、複数の脚体と、この脚体により支持されるビームと、このビーム上に配設される椅子本体と、この椅子本体の下面に取付けられ前記ビーム上に配される第1のブラケットと、前記脚体又は前記第1のブラケットに対応させて前記ビームの上又は下に配することが可能な第2のブラケットと、この第2のブラケット又は前記脚体をビームを介して第1のブラケットに結合する止着具とを具備してなり、前記脚体をビームの端部において前記第1のブラケットに前記止着具を用いて結合させるとともに、ビームの中間部においてビームの下に配した前記第2のブラケットを前記第1のブラケットに前記止着具を用いて結合させる脚アウトセット仕様と、ビームの下に配した前記第2のブラケットをビームの端部において前記第1のブラケットに前記止着具を用いて結合させるとともに、前記脚体をビームの中間部においてビームの上に配した前記第2のブラケットに前記止着具を用いて結合させる脚インセット仕様とを選択的に採り得るように構成したものである。
【0008】
このようなものであれば、前記第2のブラケット及び止着具を、前記第1のブラケットをビームに結合する用途及び前記脚体をビームに結合する用途に兼用でき、従って、同一形状の脚体及びビームを、脚アウトセット仕様及び脚インセット仕様に兼用できる。
【0009】
なお、本発明において、「ビームの中間部」とは、ビームの両端にそれぞれ最も近い両第1のブラケット間の部位を示す概念である。また、「椅子本体」とは、座として用いられ得る部材全般を示す概念である。
【0010】
このような椅子に用いられる止着具の例として、前記脚体又は前記第1のブラケット、前記ビーム及び前記第2のブラケットに挿し通される雄ねじ部材が挙げられる。
【0011】
ビームへの脚体又は第2のブラケットの取り付け作業を容易化するための構成として、前記脚体又は前記第2のブラケットと前記ビームとの間に、前記脚体又は前記第2のブラケットの前記ビームに対する相対位置を位置決めするための位置決め機構を設けているものが挙げられる。
【0012】
このような位置決め機構の一例として、前記脚体又は前記第2のブラケットと前記ビームとのうち一方に設けた突起を他方に設けた凹部に係り合わせてなるものが挙げられる。
【0013】
このような椅子において、椅子本体を安定してビームに支持させるための構成として、前記椅子本体の下面の左右両側に前記第1のブラケットをそれぞれ取り付け、これら第1のブラケットにより前記椅子本体を前記ビームに支持させているものが挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、脚体を前記ビームの端部に設ける態様の椅子と、脚体を前記ビームの内側の部位に設ける態様の椅子との両方を製造するにあたって、部材の共通化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る椅子の脚アウトセット仕様を示す正面図。
図2】同実施形態に係る椅子の脚アウトセット仕様を示す平面図。
図3】同実施形態に係る椅子の側面図。
図4図1におけるA−A断面図。
図5】同実施形態に係る椅子の脚インセット仕様を示す正面図。
図6】同実施形態に係る椅子の脚インセット仕様を示す平面図。
図7図5におけるB−B断面図。
図8図5におけるC−C断面図。
図9】同実施形態に係る椅子の要部の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態を、図1図9を参照して説明する。
【0017】
本実施形態の椅子Cは、図1図3図5及び図6に示すように、複数の脚体1と、この脚体1により支持されるビーム2と、このビーム2上に配設される椅子本体3と、この椅子本体3の下面に取付けられ前記ビーム2上に配される第1のブラケットたる椅子支持ブラケット4と、前記脚体1又は前記椅子支持ブラケット4に対応させて前記ビーム2の上又は下に配することが可能な第2のブラケットたる兼用ブラケット5とを具備してなる。また、本実施形態の椅子Cは、前記脚体1をビーム2の端部において前記椅子支持ブラケット4に止着具たる雄ネジ部材6を用いて結合させるとともに、ビーム2の中間部においてビーム2の下に配した前記兼用ブラケット5を前記椅子支持ブラケット4に前記雄ネジ部材6を用いて結合させる、図1図4に示すような脚アウトセット仕様Oと、ビーム2の下に配した兼用ブラケット5をビーム2の端部において前記椅子支持ブラケット4に雄ネジ部材6を用いて結合させるとともに、前記脚体1をビーム2の中間部においてビーム2の上に配した前記兼用ブラケット5に雄ネジ部材6を用いて結合させる、図5図8に示すような脚インセット仕様Iとを選択的に採ることができる。
【0018】
まず、前記脚アウトセット仕様Oをとる場合について、各部の構成を図1図4及び図9を参照しつつ以下に述べる。
【0019】
前記脚体1は、図1図4に示すように、前記ビーム2を挿入するための凹部11aを上面に有する基部11と、この基部11から前下方及び後下方にそれぞれ伸びる脚支柱12と、この脚支柱12の下端に取り付けられる接地体であるアジャスタ13とを備えている。前記基部11の凹部11aの底面には、雄ネジ部材6を挿し通すためのネジ挿通孔11bを設けている。さらに、このネジ挿通孔11bの左右両端に隣接する部位には、上方に突出するとともに外方に伸びる形状の突起11cを設けている。この突起11cは、前記ビーム2の後述する取付孔2aの係止凹部2a2と係り合うことにより、この脚体1を前記ビーム2に対して位置決めする機能を有する。
【0020】
前記ビーム2は、図1に示すように、幅方向に延伸する角柱状の部材であり、上面で前記椅子支持ブラケット4を介して4個の前記椅子本体3を支持可能である。このビーム2の上面には、図4及び図9に示すように、前記椅子本体3の左右両端部に対応させて、前記椅子支持ブラケット4を取り付けるための取付孔2aを4対設けているとともに、これら4対の取付孔2aの直下となる位置には、前記兼用ブラケット5又は脚体1を取り付けるための取付孔2aを4対設けている。これらの取付孔2aは、雄ネジ部材6を挿し通すための孔本体2a1と、この孔本体2a1の左右両端からそれぞれ外方に伸び前記椅子支持ブラケット4の後述する突起41c、前記兼用ブラケット5の後述する突起53、又は脚体1に設けた前記突起11cと係り合う係止凹部2a2とをそれぞれ備えている。ここで、前記脚体1に設けた前記突起11cと前記係止凹部2a2との組、前記椅子支持ブラケット4の後述する突起41cと前記係止凹部2a2との組、及び前記兼用ブラケット5の後述する突起53と前記係止凹部2a2との組は、それぞれ、前記脚体1、前記椅子支持ブラケット4、及び前記兼用ブラケット5の前記ビーム2に対する相対位置をそれぞれ位置決めするための位置決め機構としての機能を有する。また、係止凹部2a2は、請求項中の位置決め機構の凹部としての機能を有する。さらに、上面において、このビーム2の左右両端部でそれぞれ支持される椅子本体3の幅方向中間部に対応する位置にも取付孔2aを設けており、下面において、この取付孔2aの直下となる位置にも取付孔2aを設けている。ただし、前記脚アウトセット仕様Oをとる場合は、前記椅子本体3の幅方向中間部に対応する位置に設けた取付孔2aは使用しない。
【0021】
前記椅子本体3は、図2及び図3に示すように、座シェル31と、この座シェル31の後端から後上方に伸びる背シェル32と、前記座シェル31の上面に取り付けられる座クッション33と、前記背シェル32の前面に取り付けられる背クッション34とを備えている。なお、図4においては、座クッション33は省略して示している。また、前記座シェル31の四隅部にはナット35を溶接等により固定して設けている。このナット35には、前記椅子支持ブラケット4を通過した椅子固定用の雄ネジ部材36が螺着され、この雄ネジ部材36により前記椅子支持ブラケット4に結合される。
【0022】
前記椅子支持ブラケット4は、図3図4及び図9に示すように、下面に前記ビーム2を挿入するための凹部41aを有する基部41と、この基部41から上前方に伸びる第1のアーム42と、前記基部41から上後方に伸びる第2のアーム43とを備えている。前記基部41の凹部41aの底面には、雄ネジ部材6を挿し通すためのネジ挿通孔41bを設けている。さらに、このネジ挿通孔41bの左右両端に隣接する部位には、下方に突出するとともに外方に伸びる形状の突起41cを設けている。この突起41cは、前記ビーム2の後述する取付孔2aの係止凹部2a2と係り合うことにより、この脚体1を前記ビーム2に対して位置決めする機能を有する。一方、前記第1及び第2のアーム42、43の先端部には、上下方向に貫通するネジ挿通孔42a、43aを設けており、このネジ挿通孔42a、43aに挿し通した椅子固定用の雄ネジ部材36を前記椅子本体3の座シェル31に固定して設けたナット35に螺着するようにしている。ここで、この椅子支持ブラケット4は、通常は前記兼用ブラケット5との間で前記ビーム2を挟んでおり、止着具たる雄ネジ部材6を介して前記兼用ブラケット5をこの椅子支持ブラケット4に結合している。また、前記脚体1をビーム2の端部に配した脚アウトセット仕様Oでは、ビーム2の端部、より具体的にはビーム2の最も長手方向両端に近い取付孔2aに対応する位置で、この椅子支持ブラケット4と前記脚体1とにより前記ビーム2を挟んでおり、脚体1のネジ挿通孔11b、ビーム2の取付孔2a及び前記ネジ挿通孔41bに挿し通した雄ネジ部材6をこの椅子支持ブラケット4の上面に配したナット7に螺着させることにより、前記脚体1をこの椅子支持ブラケット4に結合している。
【0023】
前記兼用ブラケット5は、図4及び図9に示すように、前記ビーム2の上面又は下面に衝き当たる面部51と、この面部51から突出し前記取付孔2aの孔本体2a2に係り合うとともに内面に雌ネジを形成している円筒状のボス部52と、このボス部52の左右両端から外方に伸び前記取付孔2aの係止凹部2a2に係り合う突起53とを有する。この兼用ブラケット5は、前記脚アウトセット仕様Oでは長手方向両端に位置する椅子支持ブラケット4を除く椅子支持ブラケット4の下方にそれぞれ配され、上述したように前記椅子支持ブラケット4との間で前記ビーム2を挟み、雄ネジ部材6を介して該椅子支持ブラケット4に結合されている。
【0024】
次いで、前記脚インセット仕様Iをとる場合について、各部の構成を図5図8を参照しつつ以下に述べる。なお、以下の説明では、主に前記脚アウトセット仕様Oをとる場合との相違点について述べる。
【0025】
前記脚インセット仕様Iをとる場合は、脚体1は、図5図6及び図9に示すように、椅子Cの長手方向端部、より具体的にはビーム2の長手方向端部に配された椅子支持ブラケット4の下方ではなく、ビーム2の長手方向端部に配された椅子支持ブラケット4と、この椅子支持ブラケット4に隣接する椅子支持ブラケット4との間、換言すれば椅子本体3の幅方向中間部に対応する位置に設けられる。
【0026】
また、この脚インセット仕様Iでは、図5図7及び図9に示すように、全ての椅子支持ブラケット4の下方に前記兼用ブラケット5を設けるようにしている。その上で、図5図8及び図9に示すように、ビーム2の上面において前記椅子本体3の幅方向中間部に対応する位置に設けた取付孔2aに、前記兼用ブラケット5を取り付けるようにしているとともに、ビーム2の下面において前記椅子本体3の幅方向中間部に対応する位置に設けた取付孔2aに、前記脚体1を取り付けるようにしている。
【0027】
また、前記脚インセット仕様Iでは、前記兼用ブラケット5は、上述したように全ての全ての椅子支持ブラケット4の下方に配されるとともに、前記椅子支持ブラケット4の下方に配する場合とは上下を逆にした姿勢で脚体1の上方に配される。そして、脚体1との間で前記ビーム2を挟み、雄ネジ部材6を介して該脚体1に結合される。
【0028】
ここで、ビーム2への椅子本体3及び脚体1の取付態様について述べる。
【0029】
前記脚アウトセット仕様Oを採用する場合は、図9の実線に示すように、椅子本体3の左右両端部に対応させて椅子支持ブラケット4を配し、長手方向端部に配した椅子支持ブラケット4の下方には脚体1、その他の椅子支持ブラケット4の下方には兼用ブラケット5をそれぞれ配する。その上で、脚体1のネジ挿通孔11b、ビーム2の取付孔2a及び前記ネジ挿通孔41bに挿し通した雄ネジ部材6をこの椅子支持ブラケット4の上面に配したナット7に螺着させることにより、椅子支持ブラケット4と脚体1とを結合するとともに、同じく雄ネジ部材6により、椅子支持ブラケット4と兼用ブラケット5とを結合する。
【0030】
一方、前記脚インセット仕様Iを採用する場合は、図9の想像線に示すように、椅子本体3の左右両端部に対応させて椅子支持ブラケット4を配し、各椅子支持ブラケット4の下方には兼用ブラケット5をそれぞれ配する。また、椅子本体3の中間部の下方に対応する位置において、ビーム2の上面側の取付部2aには兼用ブラケット5、ビーム2の下面側の取付部2aには脚体1をそれぞれ配する。その上で、雄ネジ部材6により、椅子支持ブラケット4と兼用ブラケット5とを結合するとともに、同じく雄ネジ部材6により、脚体1と兼用ブラケット5とを結合する。
【0031】
加えて本実施形態では、前記脚アウトセット仕様O及び前記脚インセット仕様Iのいずれをとる場合においても、上述した椅子本体3に代えて、椅子支持ブラケット4を介してビーム2の上面に天板8を取り付けることができる。この天板8は、天板面を座面とした状態で座として使用することも可能である。この天板8のビーム2への取付態様は、上述した前記椅子本体3のビーム2への取付態様と略同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0032】
以上に述べたように、本実施形態によれば、前記兼用ブラケット5及び雄ネジ部材6を、前記椅子支持ブラケット4をビーム2に結合する用途及び前記脚体1をビーム2に結合する用途に兼用でき、従って、同一形状の脚体1及びビーム2を、脚アウトセット仕様O及び脚インセット仕様Iに兼用できる。すなわち、脚体1を前記ビーム2の端部に設ける態様の椅子Cと、脚体1を前記ビーム2の内側の部位に設ける態様の椅子Cとの両方を製造するにあたって、部材の共通化を図ることができる。
【0033】
また、前記脚体1、前記椅子支持ブラケット4及び前記兼用ブラケット5と前記ビーム2との間に、前記脚体1、前記椅子支持ブラケット4及び前記兼用ブラケット5の前記ビーム2に対する相対位置をそれぞれ位置決めするための位置決め機構を設けているので、ビーム2への脚体1、椅子支持ブラケット4及び兼用ブラケット5の取り付け作業を容易に行うことができる。
【0034】
また、前記位置決め機構が、前記脚体1、前記椅子支持ブラケット4及び前記兼用ブラケット5にそれぞれ設けた突起11c、41c、53を前記ビーム2に設けた係止凹部2a2に係り合わせてなるものであるので、前段で述べたような位置決め機構を容易に実現できる。
【0035】
そして、前記椅子本体3又は天板8の下面の左右両側に前記椅子支持ブラケット4をそれぞれ取り付け、これら椅子支持ブラケット4により前記椅子本体3又は天板8を前記ビーム2に支持させているので、椅子本体3又は天板8を安定してビーム2に支持させることができる。
【0036】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0037】
例えば、上述した実施形態では、止着具として、前記脚体又は前記椅子支持ブラケット、前記ビーム及び前記兼用ブラケットに挿し通される雄ネジ部材を用いているが、雄ネジ部材に限らず、前記脚体又は前記椅子支持ブラケット、前記ビーム及び前記兼用ブラケットを十分な強度で結合可能なものであれば任意の止着具を用いてもよい。
【0038】
また、上述した実施形態では、前記脚体又は前記第2のブラケットと前記ビームとの間に、前記脚体又は前記第2のブラケットの前記ビームに対する相対位置を位置決めするための位置決め機構を設けているが、この位置決め機構は省略してもよく、また、位置決め機構を設ける場合、位置決め機構の構成は任意のものを採用してよい。
【0039】
そして、上述した実施形態では、前記椅子本体の下面の左右両側に前記第1のブラケットをそれぞれ取り付け、これら第1のブラケットにより前記椅子本体を前記ビームに支持させているが、1つの第1のブラケットにより椅子本体をビームに支持させるようにしてもよい。
【0040】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0041】
C…椅子
1…脚体
2…ビーム
3…椅子本体
4…第1のブラケット(椅子支持ブラケット)
5…第2のブラケット(兼用ブラケット)
O…脚アウトセット仕様
I…脚インセット仕様
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9