(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る照射器1の全体構成を示す図であり、
図1(A)は上側からみた斜視図、
図1(B)は下側からみた斜視図である。
図2は照射器1の構成を示す図であり、
図2(A)は正面図、
図2(B)は側面図である。また
図3は、
図2(B)のA−A断面図である。なお、
図3では図面が煩雑になるのを避けるために断面線を省略している。
照射器1は、シート状の被照射物の一例たるシールラベルSに紫外線をライン状に照射し、シールラベルSに塗布されている紫外線硬化性剤を硬化させるものであり、
図1〜
図3に示すように、略四角柱状の器具本体2を有する。器具本体2の側面には左右に貫通する搬送路13が設けられており、
図1に示すように、この搬送路13にシールラベルSが搬送され、器具本体2の内部を通過する間にライン状の紫外線によって照射される。
【0014】
器具本体2は、灯体ユニット3と、底部ユニット4とを備え、これらが背面側でヒンジ7によって開閉自在に結合されている。また
図2に示すように、照射器1の正面側には、灯体ユニット3、及び底部ユニット4を締結するラッチ機構8が設けられている。
灯体ユニット3は、
図3に示すように、ライン状の紫外線を照射する光源装置5を内蔵した略直方体のユニットである。灯体ユニット3の底面3Aには、略矩形の照射開口6が設けられ、光源装置5の光が照射開口6を通って照射される。底部ユニット4は、灯体ユニット3の底面3Aを覆って紫外線を遮蔽する略平板状の部材である。この底部ユニット4の内部には適宜に中空部が形成されて軽量化が図られている。
【0015】
図4は灯体ユニット3、及び底部ユニット4を開いた状態の照射器1を示す図であり、
図4(A)は上側からみた斜視図であり、
図4(B)は下側からみた斜視図である。
灯体ユニット3の正面側には把持部9が設けられており、ラッチ機構8を解除した状態で作業員等が把持部9を把持して持ち上げることで灯体ユニット3が開かれる。灯体ユニット3の背面側の側面には支持棒10の上端部10Aが回動自在に取り付けられており、この支持棒10の下端部10Bの掛止溝10Cが設けられている。この掛止溝10Cは底部ユニット4の背面側の側面に設けた掛止ピン11に掛止可能に構成され、掛止状態においては、灯体ユニット3が開状態に保持され、照射開口6の清掃等のメンテナンスが行われる。
また、底部ユニット4の上面4Aには、灯体ユニット3の照射開口6に対応して断面矩形状の搬送路用凹部12が形成されている。この搬送路用凹部12によって、
図1〜
図3に示すように、灯体ユニット3の底面2Aとの間に照射器1を幅方向に貫通する上述の搬送路13が形成される。
【0016】
図5は照射器1の分解斜視図である。なお、
図5では光源装置5が備えるLEDユニット20(
図3)の図示を省略している。
灯体ユニット3は、上下に分割される下ケース体15A、及び上ケース体15Bから成るケース体15を備えている。下ケース体15Aには、照射開口6を閉塞する紫外線透過性材から成る保護ガラス板16が窓枠17によって取り付けられている。一方、上ケース体15Bには、光源装置5を支持する支持ユニット18が取り付けられている。支持ユニット18は、対向配置される一対のL字アングル19を備え、それぞれが、
図3に示すように上ケース体15Bの内側面にボルトで固定され、光源装置5を支持している。
【0017】
図6は上ケース体15Bを外した照射器1を示す斜視図である。また
図7は光源装置5の側面図であり、
図8は光源装置5の底面図である。
この光源装置5は、前掲
図3に示すように、紫外線を集光点Fで集光し、ライン状の照射光を照射する装置であり、
図7に示すように、複数個(本実施形態では3個)の光源ユニット30と、冷却機構70と、電力ブスバー33とを備えている。
光源ユニット30は、略直方体形状を成し、底面から紫外線をライン状に照射するものであり、これらが直線状に連設されている。
図3に示すように、各光源ユニット30は、紫外線を照射する複数(図示例では4つ)のLEDユニット20を備えている。
冷却機構70は、冷媒たる冷却水を循環させて各光源ユニット30を冷却するものであり、
図6、及び
図7に示すように、光源ユニット30ごとに設けた冷却ユニット22と、光源ユニット30の並びの両端に配置された水路器出入口ユニット31、及び水路器終端ユニット32を備えている。これら水路器出入口ユニット31と水路器終端ユニット32の間には、
図7、及び
図8に示すように、それらの底面側に一対の支持フレーム38が延在配置され、これらの支持フレーム38によって各光源ユニット30が支持されている。
【0018】
図9は光源ユニット30、及び冷却ユニット22の斜視図であり、
図10は光源ユニット30、及び冷却ユニット22の分解斜視図である。また
図11はLEDユニット20の斜視図である。
光源ユニット30は、
図3、及び
図10に示すように、上述した複数のLEDユニット20の他に、取付ベース40と、補助反射板41と、回路基板42と、絶縁板43とを備えている。取付ベース40は、LEDユニット20が取り付けられる平面視略矩形板状のベース部材であり、アルミニウム等の高熱伝導性材から形成されている。
【0019】
LEDユニット20は、
図10に示すように、横幅Wの細長い矩形板状の基板50と、基板50に実装されたLEDパッケージ51と、このLEDパッケージ51を挟んで設けられた一対のトラフ型反射鏡52と、一対の配線ブスバー53とを備えている。
基板50は例えばアルミニウム等の高熱電導性材から形成された実装基板であり、上記取付ベース40の表面40Aに密に面接触した状態で取り付けられている。LEDパッケージ51は、
図9、
図10に示すように、紫外線LED51Aを直線状に並べて構成され、一直線の線状光源を構成するものである。この光源ユニット30では、LEDパッケージ51の発熱が基板50を通じて取付ベース40に速やかに伝えられ、上記の冷却ユニット22によって冷却される。
【0020】
一対のトラフ型反射鏡52はLEDパッケージ51に沿って延びる反射型集光光学系であり、LEDパッケージ51から所定距離だけ離れた集光点Fに紫外線を集光する。この所定距離は、前掲
図3に示すように、光源装置5を照射器1に設けた際に、集光点FがシールラベルSの搬送面に位置するように規定されている。この照射器1では、集光点Fは、保護ガラス板16から下方に約7〜10mm離れた位置に設定されている。
また一対の配線ブスバー53は、導電性を有する例えば銅材から形成され、LEDパッケージ51の点灯電力を伝送する細長い板状の部材であり、LEDパッケージ51を挟んだ両側に当該LEDパッケージ51に沿って延在配置されている。一対の配線ブスバー53のそれぞれには、基板50の実装面に電気的に接続された接続片53Aが接触して導通し、一方の配線ブスバー53が高電位に接続され他方がアース電位に接続される。これにより、一対の配線ブスバー53の間で基板50を通じてLEDパッケージ51の各紫外線LED51Aに点灯電力が供給される。
【0021】
この光源ユニット30では、4つのLEDユニット20を備え、これらを上記集光点Fで集光するように横並びに配置することで、集光点Fでの光量を増大させ、シールラベルSの紫外線硬化に必要十分な光量が得られるようになっている。具体的には、
図3に示すように、集光点Fが光源ユニット30の幅方向中央の直下に設定されており、各LEDユニット20は、集光点Fを中心にした円弧Qに沿って光軸Kが集光点Fを通る姿勢で配置されている。取付ベース40の表面40Aには、各LEDユニット20の取付面40A1が形成されており、各取付面40A1の形状によってLEDユニット20の各々の取付姿勢が上記のように規定される。
【0022】
ただし、照射器1の搬送路13は、シールラベルSの厚みよりも大きな幅の高さHaを有することから、シールラベルSの搬送面が集光点Fよりも高さ方向にずれることがある。このため、集光点Fにおいて高さ方向の放射照度差が大きいと、紫外線硬化にムラが生じ品質劣化につながる。そこで、光源ユニット30では、
図3に示すように、集光点Fを通る水平面(搬送面)を角度の基準(角度=0度)とした場合に、当該集光点Fを中心に60度〜120度の角度範囲α(つまり中心角が60度)の円弧Qに各LEDユニット20の光軸Kが収まるように配置されている。
これにより、集光点Fにおいて高さ方向の放射照度差が約95%以内に抑えられ、高品位な照射が可能になる。
さらに、全てのLEDユニット20の光軸Kが集光点Fを中心に60度〜120度という狭い角度範囲αに収められることから、これらのLEDユニット20の照射スポットの横幅も比較的狭い範囲に抑えられる。したがって、紫外線は、搬送路13の出入口から十分に奥まった略中央部の範囲に限定されることから、出入口からの紫外線の漏れを抑えることができ、また、紫外線の漏れ光対策のために、照射器1の横幅を過度に延ばす必要もない。なお、搬送路13の出入り口に、水平方向に延びる筒状のフランジを別途に設けることで、紫外線の漏れを確実に防止しても良い。
【0023】
上述の通り、光源ユニット30では、複数のLEDユニット20が横並びに、かつ、集光点Fを中心とした所定の角度範囲αに各光軸Kが収まるように配置される。しかしながら、LEDユニット20の横幅が大きく、また配置間隔が広い場合には、このような配置は困難となる。
そこで、このLEDユニット20では、
図3、及び
図11に示すように、一対のトラフ型反射鏡52が基板50の横幅Wの範囲内に収めるとともに、これらトラフ型反射鏡52の構成を次のようにしている。すなわち、
図3に示すように、集光点Fを中心とした円弧Qに沿って、複数のLEDユニット20の基板50同士を若干の隙間をあけて、或いは隙間無く並べたときに、トラフ型反射鏡52が干渉しないように、トラフ型反射鏡52の外側面52Aの先端部に干渉を避ける平面部54を設けている。
このようなトラフ型反射鏡52の構成により、LEDユニット20がトラフ型反射鏡52のような反射型光学系を光制御部材に備える構成であっても、複数のLEDユニット20を狭い範囲に密に配置できる。
【0024】
また、このLEDユニット20では、基板50の横幅Wを抑えるために、
図11に示すように、配線ブスバー53を、基板50の実装面や一対のトラフ型反射鏡52の間に設けるのではなく、トラフ型反射鏡52の外側面52Aに収める構成としている。
具体的には、一対のトラフ型反射鏡52の各々の外側面52Aに収容凹部56を設け、この収容凹部56に配線ブスバー53を収めている。一対のトラフ型反射鏡52は、LEDパッケージ51を間に挟んで楕円反射面、或いは放物反射面を形成する集光反射鏡であることから、基端部55の厚みが先端側に比べて十分に厚くなり、配線ブスバー53を収めるのに必要な十分な深さの収容凹部56が設けられる。そこで、このLEDユニット20では、配線ブスバー53の厚みと同程度以上の深さの収容凹部56を基端部55の側に設けることで、配線ブスバー53がトラフ型反射鏡52の外側面52Aの外側に突出させないようにしている。これにより、LEDユニット20の横幅が基板50の横幅W内に確実に収められる。
このLEDユニット20によれば、配線ブスバー53を備える構成であっても、その横幅が基板50の横幅Wと同程度に抑えられることから、複数のLEDユニット20を横並びに配置した場合でも、全体の横幅をコンパクトにできる。
また、より多くの数のLEDユニット20を、集光点Fを中心とした所定の角度αの範囲に配置できるため、集光点Fでの高出力化が容易となる。
【0025】
前掲
図9、及び
図10に戻り、光源ユニット30は、取付ベース40の長手方向の両端に、対面配置した補助反射板41を備えている。各LEDユニット20のトラフ型反射鏡52の長手方向両端部は、これら一対の補助反射板41の反射面41A(
図10)によって閉塞状態で覆われ、長手方向外側に漏れる光が反射され照射効率が高められている。
これら補助反射板41の裏面(反射面41Aと反対側の面)41Bの側には、当該補助反射板41に重なるように上記回路基板42が配置されている。回路基板42は、配線ブスバー53への給電を制御することでLEDパッケージ51を点灯する点灯回路、及びその他の回路(配線パターンを含む)を実装した基板である。この回路基板42が補助反射板41の裏面41Bに配置されることで、回路基板42が光源ユニット30の光に曝されるのが防止され耐久性の向上が図られる。特に、この光源ユニット30は紫外線を照射することから回路基板42の紫外線劣化が防止される。
【0026】
回路基板42、及び補助反射板41のそれぞれには、
図10に示すように、挿入開口57、58が設けられており、これらに配線ブスバー53の端部が挿入されて、回路基板42と電気的に接続される。また回路基板42には、電力や各種信号を伝送する配線の引き出し孔59が適宜に設けられている。
光源装置5にあっては、
図7、及び
図8に示すように、複数の光源ユニット30を各々の回路基板42を背中合わせに接続することで、ライン状の紫外線の全長を延長することとしており、これらの間には、
図10に示すように、電気的絶縁のための絶縁板43が設けられている。回路基板42が光源ユニット30同士の連設面に配置されることで、光源ユニット30の高さ寸法も抑えられる。
【0027】
図12は、光源装置5の冷却機構70の構成を示す分解斜視図である。
冷却機構70は、光源ユニット30を水冷するものであり、上述の通り、光源ユニット30ごとに設けた冷却ユニット22、水路器出入口ユニット31、及び水路器終端ユニット32を備えている。
冷却ユニット22は、
図10に示すように、光源ユニット30の取付ベース40の裏面40Bを覆うように設けられ、当該取付ベース40を通じてLEDユニット20を冷却するものであり、
図10、及び
図12に示すように、水冷ジャケット60と、水路器61とを備えている。水冷ジャケット60は、銅ニッケル合金等の高熱電導性材から形成され、取付ベース40を裏面40Bの全体に面接触する板状の水冷部62と、取付ベース40を水冷部62に密着状態で支持する支持片65とを一体に備えている。この水冷部62には、取付ベース40の接触面と反対側の面の全体に、冷却水が循環する流路63が形成されている。
【0028】
水路器61は、水冷ジャケット60の流路63に冷却水を供給、及び排出する水路を形成する板状の部材であり、
図12に示すように、水路器本体61Aと、蓋体61Bとを備えている。水路器本体61Aは、略矩形板状の部材であり、その面内には、長手方向に延びた2本の凹溝から成る水路68、68が設けられている。蓋体61Bは、水路器本体61Aを覆って2本の水路68,68の上側を閉塞する。各水路68、68は、他の冷却ユニット22とパッキン89を挟んで直列に接続され、一方が各光源ユニット30に冷却水を供給する供給路、他方が各光源ユニット30を経由した冷却水を回収して排水する排水路として機能する。各冷却ユニット22は、ユニット連結凹凸シャフト66によって連結され、水路68、68同士の連結箇所にはシート状パッキン67が挟み込まれている。
【0029】
水路器61は、
図10に示すように、を間に挟んで水冷ジャケット60を覆うように取り付けられる。水路器61の底面には、それぞれの水路68、68が水冷ジャケット60の流路63につながる図示せぬ貫通孔が設けられている。これにより、水路器61の供給側の水路68から水冷ジャケット60に冷却水が供給され、流路63を経由して取付ベース40を冷却し、水路器61の排出側の水路68に排出される。
取付ベース40の冷却に伴い、LEDユニット20の各々が冷却されることとなるが、上述の通り、取付ベース40の表面40Aには、
図3に示すように、各LEDユニット20が上記円弧Qに沿って並ぶように取り付けられる。このため、取付ベース40の裏面40Bが一様な平坦面であると、両端のLEDユニット20が中央のLEDユニット20よりも水冷ジャケット60からの距離が遠くなる。この結果、両端のLEDユニット20が十分に冷却されず、他のLEDユニット20との間で発光性能に違いが生じ、発光ムラが生じる虞がある。
【0030】
そこで、この冷却ユニット22の取付ベース40は、
図3に示すように、表面40Aの形状(LEDユニット20が並ぶ円弧Q)に合わせて、表面40Aと裏面40Bの厚みを概ね等しくするように裏面40Bが階段状に形成されている。また、この階段状の裏面40Bに隙間無く重ね合わさるように、水冷ジャケット60の水冷部62の接触面も階段状に形成されている。これにより、各LEDユニット20から水冷ジャケット60までの距離が概ね等しくなり、均一に冷却されることとなる。
【0031】
前掲
図12に戻り、水路器出入口ユニット31は、水路器61の水路68、68と、照射器1の背面板1B(
図5)に設けた注入口73、及び排水口74(
図1、
図5)とを接続するユニットであり、一対のワンタッチ式継手75、75と、出入口接続ユニット本体76と、水路器合流ユニット77とを備えている。
ワンタッチ式継手75、75は、注入口73、及び排水口74と棒状の連結管79、79で連結される継手である。ワンタッチ式継手75、75は、連結管79、79の接続口75A、75Aが挿入方向にプッシュ操作可能に構成されている。これら接続口75A、75Aをプッシュ操作することで、連結管79、79との結合が解除されて挿脱自在になる。この冷却機構70には、
図5、及び
図6に示すように、連結管79、79を貫通させてプッシュ操作板80が設けられている。このプッシュ操作板80を連結管79、79に沿ってワンタッチ式継手75、75に向けて移動させることで、2つの接続口75A、75Aを同時にプッシュ操作して、これら連結管79、79を簡単に挿脱できる。
【0032】
出入口接続ユニット本体76と水路器合流ユニット77は、ワンタッチ式継手75、75と水路器61の水路68、68とを接続するユニットであり、出入口接続ユニット本体76にはワンタッチ式継手75、75が接続され、水路器合流ユニット77は水路器61に接続される。水路器終端ユニット32は、複数(図示例では)の水路器61を直列に連結して成る水路68、68の端部を終端する板状部材である。
このように、光源装置5は、光源ユニット30のそれぞれの上側に冷却ユニット22を設けて水冷しているため、光源ユニット30を高出力化した場合でも十分な冷却が得られる。
【0033】
また、この光源装置5では、光源ユニット30を高出力化した場合には、各光源ユニット30に比較的大きな電力を供給する必要があるため、各光源ユニット30への電力供給には、例えば銅等の高導電性材から成る矩形板状の電力ブスバー33が用いられている。
さらに、この光源装置5では、各光源ユニット30を覆う冷却ユニット22の上面を構成している水路器61を電気的絶縁材により形成し、
図6に示すように、水路器61の上面に端子台座81を一体に形成している。電力ブスバー33は、各水路器61に亘って延在し端子台座81にネジ止め固定される。この水路器61は、電気的絶縁材により形成されていることに加え、内部に水路68、68が設けられることから高い電気的絶縁性能を有する。この水路器61によって電力ブスバー33と光源ユニット30や水冷ジャケット60との間に高い電気的絶縁が確保されることとなる。水路器61の材料としては、例えばポリカーボネイト等の樹脂材が好適に用いられる。
一方、各水路器61、及び水冷ジャケット60の側面には、引出用凹部82、83が形成され、これらを通ってLEDユニット20の回路基板42から延びる配線が電力ブスバー33まで引き出され、電力ブスバー33と導通状態で端子台座81にネジ止めされる。
【0034】
このように、光源装置5では、光源ユニット30を覆う冷却ユニット22の上面に、電気的絶縁材から成る水路器61を配置し、この上に電力ブスバー33を設ける構成とした。これにより、光源装置5の高さを抑え、装置のコンパクト化が可能となる。
前掲
図3に示すように、照射器1にあっては、光源装置5がケース体15に収められ、上側には上ケース体15Bの天面15B1が対面する。この天面15B1と電力ブスバー33の間の電気的絶縁は、数ミリメートル程度の隙間と、天面15B1に貼り付けた絶縁シート85によって十分な絶縁性能が得られている。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、本実施形態によれば、光源ユニット30の上面に設けられた冷却ユニット22の上面を覆うように電気的絶縁材から成る水路器61を設け、当該水路器61の上面に電力ブスバー33を設ける構成とした。この構成により、冷却水の循環による冷却によって高さを抑えながら十分に光源ユニット30を冷却できる。これに加え、冷却ユニット22の上面の電気的絶縁材から成る水路器61の上面に、電力ブスバー33が設けられているため、電力ブスバー33の電気的絶縁を確保しつつ、高さを抑えたコンパクトな光源装置5が得られる。
【0036】
また本実施形態によれば、冷却ユニット22は、光源ユニット30の上面を覆って水冷する水冷ジャケット60と、この水冷ジャケット60の上に重ねて設けられ、この水冷ジャケット60に冷却水を供給、排出する電気的絶縁材から形成された水路器61と、を備える構成とした。これにより、冷却ユニット22の上面に絶縁性能が十分な電気的絶縁材たる水路器61が配置されることとなり、電力ブスバー33の電気的絶縁を十分に確保できる。
【0037】
また本実施形態によれば、光源ユニット30は、点灯回路を有する回路基板42を備え、この回路基板42を、他の光源ユニット30との連設面に配置する構成とした。
これにより、光源ユニット30の高さ寸法をよりコンパクトに抑えられる。
【0038】
また本実施形態によれば、光源ユニット30は、並列に設けられた複数列の線状光源たるLEDパッケージ51と、このLEDパッケージ51ごとに設けたトラフ型反射鏡52と、を有し、LEDパッケージ51、及びトラフ型反射鏡52のそれぞれが、所定の集光点Fを中心とした60度〜120度の範囲の円弧Q上に並べられた構成とした。
これにより、集光点Fの近傍における放射照度差が十分に抑えられる。
照射器1におっては、この集光点Fに搬送面が設けられることから、被照射物が搬送によって搬送面から高さ方向にずれた場合でも、ズレに影響を受けずに所定の照度で光照射できる。
【0039】
また本実施形態によれば、トラフ型反射鏡52の外側面52Aに収容凹部56を設けて配線ブスバー53を収める構成としたため、LEDパッケージ51及びトラフ型反射鏡52を密に横並びに配置でき、横幅もコンパクトに収めることができる。
【0040】
また本実施形態によれば、トラフ型反射鏡の52の外側面52Aの先端側には、他のLEDユニット20のトラフ型反射鏡52との干渉を避ける平面部54を設けた。
これにより、LEDユニット20を狭い範囲に密に横並びに配置できる。特に、一対のトラフ型反射鏡52の幅を基板50の横幅Wに収めることで、より密に配置できる。
【0041】
また本実施形態によれば、照射器1にあっては、電力ブスバー33と対面するケース体15の天面15B1に、電力ブスバー33との間を電気的に絶縁する絶縁シート85を設けたため、電力ブスバー33とケース体15との間の電気的絶縁も十分に確保される。また天面15B1が何らかの外力によって凹んだとしても、絶縁シート85が間に介在し電力ブスバー33との接触が防止される。
【0042】
また本実施形態によれば、光源ユニット30は、LEDユニット20が備える一対のトラフ型反射鏡52の端部を閉じる補助反射板41を備える構成とした。これにより、トラフ型反射鏡52の長手方向からの漏れ光が補助反射板41によって反射されLEDユニット20の照射効率が高められる。
【0043】
また本実施形態によれば、光源ユニット30は、補助反射板41の裏側に、上記回路基板42を設ける構成とした。これにより回路基板42が光源ユニット30の光に曝されるのが防止され耐久性の向上が図られる。特に、この光源ユニット30は紫外線を照射することから回路基板42の紫外線劣化が防止される。
【0044】
また本実施形態によれば、光源装置5は、LEDユニット20の各々が取付面40A1に並列に取り付けられる取付ベース40を有する光源ユニット30と、取付ベース40の取付面40A1の反対の裏面40Bに設けられた冷却ユニット22と、を備え、取付ベース40の取付面40A1が上記円弧Qに対応して凹状に凹み、この取付面40A1の凹みに合わせ、裏面40Bの両端部が厚みを中央部と等しくするように凹む形状とした。
これにより、各LEDユニット20から取付ベース40を挟んで冷却ユニット22までの距離を等しくなり均等に冷却できる。
【0045】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一実施の態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0046】
例えば、上述した実施形態では、発光素子の一例として紫外線LED51Aを例示したが、これに限らず、波長を含め任意の種類の発光素子を用いることができる。
また例えば、上述した実施形態では、各光源ユニット30に水路器61を個別に設ける構成としたが、これに限らず、これらの水路器61を連結したものを一体成形しても良い。
また冷却機構70が水冷である場合を例示したが、これに限らず、水以外の液冷媒、或いはガス冷媒であっても良い。
また例えば、光源ユニット30が4列分のLEDユニット20を備える構成を例示したが、これに限らず、LEDユニット20の列数は、必要となる光量に応じて2以上の任意の列数を採用できる。
【0047】
また上述した実施形態において、照射器1、または光源装置5には、冷却機構70の冷却に伴う結露を防止する構成を備えることもできる。
詳述すると、周囲環境の湿度や温度、及び冷却水の温度等によっては、冷却機構70の冷却に伴い水冷ジャケット60に結露が生じ、水冷ジャケット60に腐食や錆びが生じる虞がある。また、この光源装置5にあっては、水冷ジャケット60の直下(鉛直方向の下側)にLEDユニット20を配置しているため、水冷ジャケット60の結露がLEDユニット20に伝わり、当該LEDユニット20の各部(特にトラフ型反射鏡52の外側面52Aに配置した配線ブスバー53)に腐食や錆びを生じさせることがある。
そこで、水冷ジャケット60の表面の結露の発生を検知するセンサを冷却機構70に設け、結露の発生が検知された場合に、冷却機構70を循環させる冷却水の水量を減じ、及び/又は水温を高めて結露を抑制することが好ましい。
結露発生検知のためのセンサとしては、例えば水冷ジャケット60の表面への水滴や霜の付着を検知可能なセンサであれば任意のセンサを用いることができる。例えば水冷ジャケット60の表面における水滴等の付着に伴う光反射率の変化を検知する光センサや、画像処理により水滴等の付着を検知するCCDセンサ等が用いられ得る。