(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131891
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】照明器具およびヒートシンク
(51)【国際特許分類】
F21V 29/83 20150101AFI20170515BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20170515BHJP
F21V 29/74 20150101ALI20170515BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20170515BHJP
F21S 8/06 20060101ALI20170515BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20170515BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20170515BHJP
【FI】
F21V29/83
H05K7/20 B
F21V29/74
F21V29/503
F21S8/06 200
F21S8/04 110
F21S8/04 120
F21S8/04 310
F21Y115:10
【請求項の数】21
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-58241(P2014-58241)
(22)【出願日】2014年3月20日
(65)【公開番号】特開2015-111540(P2015-111540A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2015年12月17日
(31)【優先権主張番号】特願2013-223293(P2013-223293)
(32)【優先日】2013年10月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100115543
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 康男
(72)【発明者】
【氏名】屋敷 明日美
(72)【発明者】
【氏名】村井 卓生
(72)【発明者】
【氏名】松原 大介
(72)【発明者】
【氏名】神野 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】丹下 理和
【審査官】
山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/110181(WO,A1)
【文献】
特開2013−165155(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0155673(US,A1)
【文献】
特開2013−045632(JP,A)
【文献】
特開平09−213849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 29/00 − 99/00
H01L 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のベース部と、前記ベース部の一面側から突出する複数の放熱フィンとを有するヒートシンクと、
前記ベース部の他面側に配置された光源部と、
前記ヒートシンクの外周を覆い、上部に排気口を有する外装と、
前記外装の内側で前記ヒートシンクを支持する支持部材と、
を備え、
前記ヒートシンクを前記光源部側から見たとき前記放熱フィンが前記ベース部の外縁より外側へ張り出しており、
前記放熱フィンより下側に位置する吸気口から空気が前記外装の内側に流入し、当該空気を前記排気口から排出し、
前記複数の前記放熱フィンは、平行に配置されており、
前記支持部材は、前記放熱フィンの面に対向する側から前記ヒートシンクを支持する照明器具。
【請求項2】
板状のベース部と、前記ベース部の一面側から突出する複数の放熱フィンとを有するヒートシンクと、
前記ベース部の他面側に配置された光源部と、
前記ヒートシンクの外周を覆い、上部に排気口を有する外装と、
を備え、
前記ヒートシンクを前記光源部側から見たとき前記放熱フィンが前記ベース部の外縁より外側へ張り出しており、
前記放熱フィンより下側に位置する吸気口から空気が前記外装の内側に流入し、当該空気を前記排気口から排出し、
前記外装は、内側の空間を前記ベース部に平行な平面で切断した断面積が上方に向かって減少する錐台状の部分を有し、
前記排気口は、前記錐台状の部分の上面に開口し、前記錐台状の部分の周壁には開口しない照明器具。
【請求項3】
面積当たりの光源発熱量が周囲の領域に比べて小さい中央領域を有する請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記ベース部に平行な方向の前記放熱フィンの長さは、当該放熱フィンに沿った前記ベース部の長さの1.43倍以下である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記吸気口の開口面積と前記排気口の開口面積とが等しい請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記ベース部の中央に位置し、前記光源部側から前記放熱フィン側へ空気が通過可能な開口を有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記複数の前記放熱フィンのうちの少なくとも一部は、前記ベース部と反対側の辺に凹部を有するコの字型の形状である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記コの字型の放熱フィンの前記凹部の前記ベース部に垂直な方向の長さは、当該放熱フィンの前記ベース部に垂直な方向の長さの1/2以下であり、前記凹部の前記ベース部に平行な方向の長さは、当該放熱フィンの前記ベース部に平行な方向の長さの1/2以下である請求項7に記載の照明器具。
【請求項9】
前記コの字型の放熱フィンの前記凹部の内側の縁は、当該放熱フィンの外縁に平行である請求項7または請求項8に記載の照明器具。
【請求項10】
前記ヒートシンクを前記光源部側から見たとき前記放熱フィンの両端部が前記ベース部の外縁より外側へ張り出している請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項11】
前記ベース部の外縁より外側へ張り出した前記放熱フィンの端部と前記外装との間に間隔がある請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項12】
前記複数の前記放熱フィンは、第1放熱フィンと、前記ベース部側の端部から前記ベース部と反対側の端部までの全長が前記第1放熱フィンより短い第2放熱フィンとを含み、前記第1放熱フィンと前記第2放熱フィンとが交互に配置されている請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項13】
板状のベース部と、前記ベース部の一面側から突出する複数の放熱フィンとを有し、前記ベース部の他面側に光源部を配置して用いられるヒートシンクであって、
前記複数の前記放熱フィンのうちの少なくとも一部は、前記ベース部と反対側の辺に凹部を有するコの字型の形状であり、
前記ヒートシンクを前記ベース部側から見たとき前記コの字型の放熱フィンの両端部が前記ベース部の外縁より外側へ張り出しており、
前記ベース部から前記凹部までの距離は、前記コの字型の放熱フィンの前記ベース部に垂直な方向の長さの1/2以上であるヒートシンク。
【請求項14】
前記凹部の前記ベース部に平行な方向の長さは、当該放熱フィンの前記ベース部に平行な方向の長さの1/2以下である請求項13に記載のヒートシンク。
【請求項15】
前記コの字型の放熱フィンの前記凹部の内側の縁は、当該放熱フィンの外縁に平行である請求項13または請求項14に記載のヒートシンク。
【請求項16】
前記ヒートシンクは、前記ベース部の前記一面側から見て、放射状に配置された前記放熱フィンと、前記放熱フィンに比べて前記ベース部の中央寄りの位置で放射状に配置された内側フィンとを有し、前記放熱フィンの内周側の一部分と、前記内側フィンの外周側の一部分とが隙間を介して重なり合う請求項2に記載の照明器具。
【請求項17】
前記ベース部からの前記内側フィンの高さが、前記ベース部からの前記放熱フィンの高さより高い請求項16に記載の照明器具。
【請求項18】
前記光源部の発熱領域の、前記ベース部を介して反対側の領域に前記内側フィンが配置される請求項16または請求項17に記載の照明器具。
【請求項19】
前記内側フィンの構成材料の熱伝導率が前記放熱フィンの構成材料の熱伝導率より高い請求項16から請求項18のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項20】
前記放熱フィンと前記内側フィンとが周方向に交互に配置される請求項16から請求項19のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項21】
板状のベース部と、
前記ベース部の一面側に放射状に配置された外側フィンと、
前記ベース部の一面側に、前記外側フィンに比べて前記ベース部の中央寄りの位置で放射状に配置された内側フィンと、
を有し、
前記外側フィンの外周側の一部分は、前記ベース部の外縁より外側へ張り出し、
前記外側フィンの内周側の一部分と、前記内側フィンの外周側の一部分とが隙間を介して重なり合い、
前記ベース部からの前記内側フィンの高さが、前記ベース部からの前記外側フィンの高さより高く、
前記外側フィンは、前記ベース部の外縁より外側へ張り出す範囲と、前記隙間を介して前記内側フィンと重なり合う範囲との間にある部分を有する、空冷用のヒートシンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具およびそのヒートシンクに関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を光源に用いた照明器具が広く用いられている。LEDのような発光素子は、高温になると、発光効率が低下するとともに寿命も短くなってしまう。そのため、このような照明器具の設計においては放熱面も十分留意する必要がある。
【0003】
従来、大光束の高天井用シーリングライト等の照明器具では、LEDの発熱量が大きく、放熱フィンが大きくなるために放熱効率が悪くなり重量も大きくなる。放熱効率の良い形状を作るためにアルミダイカストのように成形性のよいもので放熱フィンを作る場合が多い。しかしながら、アルミダイカストは、アルミ材などの製材に比べて熱伝導率が悪い点で不利である。
【0004】
特許文献1には、発光素子が配設された基板の熱を放熱フィンから放熱する放熱部を備え、放熱部は、分離可能な一対の第1放熱用部材を互いに接合して構成され、一対の第1放熱用部材の互いに接合される各接合面の少なくとも一方には、接合状態において電源ケーブルを挿通させる挿通孔を構成する凹部が形成されている照明器具が開示されている。
【0005】
特許文献2には、光源を収容する筐体と、筐体に形成された開口部から光源からの光が放射されるように光源を保持し、筐体内の所定の位置に固定するとともに、光源から発生する熱を放熱する放熱部と、放熱部に形成された1または複数の通気口と、筐体内の所定の位置に光源を固定する放熱部と対向する筐体内部の天面に形成された1または複数の放熱穴とを備える照明装置が開示されている。
【0006】
特許文献3には、所定間隔で積層した複数枚の放熱フィンに中央部の高さ寸法が小さく両端部に向かうにつれて放熱フィンの高さ寸法を大きくすることにより、フィンの頂部と電源装置との間に空気の通り道を設けた照明器具が開示されている。
【0007】
特許文献4には、発熱体と対向し、発熱体から熱を奪う基体を備え、基体において発熱体と対向する対向部分の熱抵抗が対向部分の周囲である周囲部分の熱抵抗よりも高いヒートシンクが開示されている。基体は、発熱体と対向する受熱面と、受熱面と対向する放熱面を有し、放熱面は、複数のフィンを備え、対向部分に対応する放熱面の領域である第1領域に備えられたフィンの熱抵抗は、周囲部分に対応する放熱面の領域である第2領域に備えられたフィンの熱抵抗よりも高くされている。
【0008】
特許文献5には、放熱フィン部分にエンボス加工を施すことにより放熱面積を広げる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−222433号公報
【特許文献2】特開2010−192180号公報
【特許文献3】特開2013−114813号公報
【特許文献4】特開2009−188329号公報
【特許文献5】実用新案登録第3144103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
照明器具が大光束のものになってくると、LEDの数を増加させる必要がある。LEDの数を増加させると、発熱量も増加してしまう。例えば通常の1Wタイプの表面実装型LED(1つ当たり100ルーメン)を光源として用いて400Wクラスの大光束モジュールを作る場合、LEDを400個実装しなければならない。
【0011】
大光束の高天井シーリングライト等の器具では、LEDの発熱量が大きく、ヒートシンクが大きくなる。特に、冷却手段としてファンを用いない照明器具においては、ヒートシンクの放熱効率の悪さと、重量が問題となっている。
【0012】
大光束照明器具の基本構成としては、LED光源の背面側に放熱用のヒートシンクを有し、埃よけや光源反射部材として傘を有する。このような構成の照明器具においては、照明器具の大光束化によりヒートシンクの体積が増え、放熱効率が低下するとともに重量が大きくなってしまうという問題がある。また、埃よけとしての傘によって更に温度上昇してしまうという問題がある。
【0013】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、効率の良い放熱が可能な照明器具およびそのヒートシンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る照明器具は、板状のベース部と
、ベース部の一面側から突出する複数の放熱フィンとを有するヒートシンクと、ベース部の他面側に配置された光源部と、ヒートシンクの外周を覆い
、上部に排気口を有する外装と、
外装の内側でヒートシンクを支持する支持部材と、を備え、ヒートシンクを光源部側から見たとき放熱フィンがベース部の外縁より外側へ張り出しており、放熱フィンより下側に位置する吸気口から空気が外装の内側に流入し、当該空気を排気口から排出
し、複数の放熱フィンは、平行に配置されており、支持部材は、放熱フィンの面に対向する側からヒートシンクを支持するものである。
また、本発明に係る照明器具は、板状のベース部と、ベース部の一面側から突出する複数の放熱フィンとを有するヒートシンクと、ベース部の他面側に配置された光源部と、ヒートシンクの外周を覆い、上部に排気口を有する外装と、を備え、ヒートシンクを光源部側から見たとき放熱フィンがベース部の外縁より外側へ張り出しており、放熱フィンより下側に位置する吸気口から空気が外装の内側に流入し、当該空気を排気口から排出し、外装は、内側の空間をベース部に平行な平面で切断した断面積が上方に向かって減少する錐台状の部分を有し、排気口は、錐台状の部分の上面に開口し、錐台状の部分の周壁には開口しないものである。
また、本発明に係るヒートシンクは、板状のベース部と、ベース部の一面側から突出する複数の放熱フィンとを有し、ベース部の他面側に光源部を配置して用いられるヒートシンクであって、
複数の放熱フィンのうちの少なくとも一部は、ベース部と反対側の辺に凹部を有するコの字型の形状であり、ヒートシンクをベース部側から見たとき
コの字型の放熱フィン
の両端部がベース部の外縁より外側へ張り出しており、
ベース部から凹部までの距離は、コの字型の放熱フィンのベース部に垂直な方向の長さの1/2以上であるものである。
また、本発明に係るヒートシンクは、板状のベース部と、ベース部の一面側に放射状に配置された外側フィンと、ベース部の一面側に、外側フィンに比べてベース部の中央寄りの位置で放射状に配置された内側フィンと、を有し、外側フィンの外周側の一部分は、ベース部の外縁より外側へ張り出し、外側フィンの内周側の一部分と、内側フィンの外周側の一部分とが隙間を介して重なり合い、ベース部からの内側フィンの高さが、ベース部からの外側フィンの高さより高く、外側フィンは、ベース部の外縁より外側へ張り出す範囲と、隙間を介して内側フィンと重なり合う範囲との間にある部分を有する、空冷用のヒートシンクである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ヒートシンクのベース部より外側へ張り出した部分の放熱フィンに吸気口から流入する空気が効率良く当たるとともに、外装の内壁に沿って形成される風路の風が効果的に放熱フィンの表面に当たるため、効率の良い放熱が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態1の照明器具の斜視図である。
【
図2】
図1に示す照明器具を光源部と反対側から見た平面図である。
【
図3】
図1に示す照明器具を光源部側から見た底面図である。
【
図5】
図1に示す照明器具の外装を取り外した側面図である。
【
図6】
図1に示す照明器具の外装を取り外した側面図である。
【
図7】本発明の実施の形態1の照明器具の光源部およびヒートシンクの他の構成例を示す斜視図である。
【
図8】本発明の実施の形態1の照明器具の光源部およびヒートシンクの他の構成例を示す斜視図である。
【
図9】
図8に示す光源部とヒートシンクとを分離した状態の斜視図である。
【
図10】本発明の実施の形態1の照明器具の他の構成例を示す斜視図である。
【
図11】本発明の実施の形態2の照明器具の斜視図である。
【
図12】本発明の実施の形態3の照明器具の外装を取り外した斜視図である。
【
図13】本発明の実施の形態3の照明器具の光源部およびヒートシンクを光源部側から見た底面図である。
【
図14】本発明の実施の形態3の照明器具の光源部およびヒートシンクを光源部と反対側から見た平面図である。
【
図15】本発明の実施の形態4の照明器具が備える光源部およびヒートシンクの斜視図である。
【
図16】本発明の実施の形態5の照明器具が備える光源部およびヒートシンクの斜視図である。
【
図17】本発明の実施の形態6の照明器具が備える光源部およびヒートシンクの斜視図である。
【
図18】本発明の実施の形態7の照明器具を光源部側から見た斜視図である。
【
図19】本発明の実施の形態7の照明器具から外装を取り外した状態を光源部と反対側から見た斜視図である。
【
図20】本発明の実施の形態7の照明器具から外装を取り外した状態を光源部側から見た斜視図である。
【
図21】本発明の実施の形態7の照明器具から外装を取り外した状態の側面図である。
【
図22】本発明の実施の形態7の照明器具から外装を取り外した状態を光源部と反対側から見た平面図である。
【
図23】本発明の実施の形態7の照明器具から外装を取り外した状態を光源部から見た底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。また、本発明は、以降に示す各実施の形態のあらゆる組み合わせを含むものとする。
【0018】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の照明器具の斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態1の照明器具1Aは、光源部2と、ヒートシンク3と、外装4と、支持部材5と、支柱6とを有する。この照明器具1Aは、シーリングライトとして用いられるものであり、特に、天井に吊り下げて使用される高天井シーリングライトとして好適である。
【0019】
図2は、
図1に示す照明器具1Aを光源部2と反対側すなわち上側から見た平面図である。
図3は、
図1に示す照明器具1Aを光源部2側すなわち下側から見た底面図である。
図4は、
図1に示す照明器具1Aの側面図である。
図5は、
図1に示す照明器具1Aの外装4を取り外した側面図である。
図5は、
図1に示す照明器具1Aの外装4を取り外した側面図である。
図6は、
図1に示す照明器具1Aの外装4を取り外した側面図である。
図5と
図6は、90°異なる方向から見た図である。
【0020】
これらの図に示す本実施の形態1の照明器具1Aが備える光源部2は、基板2aと、基板2aに実装された複数のLED光源2bとを有する。基板2aに実装されるLED光源2bの個数は、照明器具1Aに要求される光束の大きさなどに基づき設定される。基板2aは長方形をなす。複数のLED光源2bは、行列状に配置されている。基板2aは、金属系基板、セラミック基板などを用いることが好ましい。LED光源2bとしては、特に限定されないが、例えば、面実装型小型LEDパッケージなどを用いることができる。また、本発明における光源部の構成は図示の構成に限定されるものではない。例えば、チップ・オン・ボード(Chip On Board:COB)型のLED光源を光源部としても良い。また、本発明における光源部は、LED光源以外の光源、例えば有機EL(Electro−Luminescence)光源などを用いるものでも良い。
【0021】
図1および
図3に示すように、本実施の形態1では、光源部2は、LED光源2bの配置されていない中央領域2cを有する。中央領域2cは、その周囲の領域に比べて、面積当たりの光源発熱量が小さい。一般に、ヒートシンク3が大型になるほど、ヒートシンク3の中央部分に熱がこもり易い。これに対し、本実施の形態1では、周囲の領域に比べて面積当たりの光源発熱量が小さい中央領域2cを設けたことにより、ヒートシンク3の中央部分に伝わる熱量を低減できるので、ヒートシンク3の中央部分に熱がこもることを抑制できる。なお、図示の構成では中央領域2cのLED光源2bの個数をゼロとしているが、中央領域2cにおける面積当たりのLED光源2bの配置個数を、その周囲の領域に比べて少なくした場合にも、上記と同様の効果が得られる。
【0022】
ヒートシンク3は、光源部2の背面側すなわちLED光源2bと反対側に位置するベース部3aと、ベース部3aの光源部2と反対側の面から突出する複数の放熱フィン3bとを有する。ベース部3aは、光源部2の範囲を包含する大きさの長方形の板状をなす。光源部2は、ベース部3aに対し例えばネジ止めなどで固定される。光源部2とベース部3aとの間には、高熱伝導性を有する熱伝導シートなどを介挿しても良い。光源部2の基板2aが金属製の場合には、光源部2とベース部3aとの間に絶縁部材を設けることが望ましい。上記熱伝導シートを絶縁部材としても良い。
【0023】
放熱フィン3bは、ベース部3aに対し垂直に突出する。放熱フィン3bは、長方形をなす。複数の放熱フィン3bは、互いに平行に配置されている。
図3に示すように、ヒートシンク3を光源部2側から見たとき、放熱フィン3bはベース部3aの外縁より外側へ張り出す。放熱フィン3bの両端部がそれぞれベース部3aの外縁より外側へ張り出す。ヒートシンク3を光源部2側から見たときの放熱フィン3bの長さは、放熱フィン3bに沿ったベース部3aの長さより長い。
【0024】
ヒートシンク3の材質としては、熱伝導率の高い金属が好ましく、例えばアルミニウムまたはその合金などが好ましい。ベース部3aと放熱フィン3bとは、別パーツで構成されている。ベース部3aと放熱フィン3bとは、例えばカシメ、溶接などの方法により接合される。光源部2からベース部3aに伝わった熱は、更に放熱フィン3bに伝わる。そして、放熱フィン3bの表面から放熱される。ヒートシンク3によれば、このようにして放熱面積を増やすことができる。放熱フィン3bの表面には、空気の自然対流が生じることにより、放熱が促進される。ヒートシンク3は、単純な形状であるため、別パーツで構成されるベース部3aおよび放熱フィン3bを組み立てることによって形成できる。よって、ベース部3aおよび放熱フィン3bを熱伝導率の高い金属の製材などを加工したパーツで構成できる。このため、熱伝導率の低いアルミダイカストなどで製造する必要のある複雑な形状のヒートシンクに比べて、優れた放熱性が得られる。ベース部3aと放熱フィン3bとを別の材料で構成しても良い。例えば、放熱フィン3bの材質をアルミニウムとし、ベース部3aの材質をアルミニウムより熱伝導率が高い銅としても良い。ベース部3aの熱伝導率を放熱フィン3bの熱伝導率より高くすることにより、より優れた放熱性が得られる。
【0025】
外装4は、ヒートシンク3の外周を覆う。
図1および
図2に示すように、外装4は、光源部2と反対側の部分、すなわち上部に、空気を排出する排気口4aを有する。ベース部3aの外縁より外側へ張り出した放熱フィン3bの端部と外装4との間には、間隔がある。すなわち、外装4とヒートシンク3とは接触していない。外装4は、ヒートシンク3との間に間隔をあけてヒートシンク3の外周を全周に渡り覆う下側部分4bと、その上側に設けられた上側部分4cとを有する。外装4をベース部3aに平行な平面で切断した断面形状は、正方形または長方形である。下側部分4bの内側の空間をベース部3aに平行な平面で切断した断面積は一定である。上側部分4cの内側の空間をベース部3aに平行な平面で切断した断面積は、上方に向かって減少する。上側部分4cの形状は、四角錐台と同様の形状である。排気口4aは、上側部分4cの上面に開口する。排気口4aは、円形をなす。外装4の下側部分4bの下部には、空気が流入する吸気口7となる開口が形成される。吸気口7は、ヒートシンク3の外周側に全周に渡り形成される環状をなす。放熱フィン3bの端部と外装4との間に間隔を設けたことにより、吸気口7の開口面積を大きくできる。
図4に示すように、外装4の下端の高さと、ヒートシンク3の下端(ベース部3aの下面)の高さとはほぼ等しい。
【0026】
吸気口7は、ベース部3aの外縁より外側へ張り出した部分の放熱フィン3bより下側に位置する。逆に言えば、ベース部3aの外縁より外側へ張り出した部分の放熱フィン3bは、吸気口7より上側に位置する。このため、熱源となる光源部2の熱により空気の対流が生じると、その空気が吸気口7から外装4の内部に流入し、放熱フィン3bに沿って流れる。この空気は、外装4の内側を通って、排気口4aから外部へ排出される。排気口4a付近の圧力と吸気口7付近の圧力との差により、外装4の下部の吸気口7から吸気する。外装4の内壁に沿って空気が流れることにより、放熱フィン3bから効率良く放熱することが可能となる。このように、照明器具1Aによれば、ベース部3aより外側へ張り出した部分の放熱フィン3bに吸気口7から流入する空気が効率良く当たるとともに、外装4の内壁に沿って形成される風路の風が効果的に放熱フィン3bの表面に当たるため、自然対流により効率の良い放熱が可能となる。その結果、LED光源2bの温度が低くなるので、LED光源2bの発光効率を向上するとともに長寿命化が図れる。特に、本実施の形態1では、光源部2側から見たとき放熱フィン3bの両端部がそれぞれベース部3aの外縁より外側へ張り出していることで、放熱効率を更に向上できる。
【0027】
また、外装4を設けたことにより、ヒートシンク3等に埃が堆積することを抑制できる。また、外装4によってヒートシンク3を見えなくすることにより、意匠性を向上できる。なお、本発明における放熱フィンの形状は、長方形に限定されるものではない。例えば、放熱フィンの形状を、外装4の上側部分4cの傾斜した内壁に沿って斜めに切り欠いた形状にしても良い。そのような形状にすることにより、外装4の傾斜した内壁に沿う風を放熱フィンに効率良く当てることができる。
【0028】
図3に示すように、ベース部3aに平行な方向の放熱フィン3bの長さをL1とし、当該放熱フィン3bに沿ったベース部3aの長さをL2としたとき、L1がL2の1.43倍以下であることが好ましい。L1をL2の1.43倍以上に長くしても、LED光源2bの温度をそれ以上に低減する効果は低くなるからである。また、放熱性を十分に向上し、LED光源2bの温度を十分に低減する観点から、L1がL2の1.1倍以上であることが好ましく、L1がL2の1.3倍以上であることがより好ましい。
【0029】
図1に示すように、支持部材5は、外装4の内側でヒートシンク3を支持する。支持部材5は、2本のアーム部5aと、基部5bとを有する。アーム部5aの先端すなわち下端がヒートシンク3のベース部3aに固定されている。アーム部5aは、放熱フィン3bの面に対向する側からヒートシンク3を支持する。すなわち、アーム部5aは、ヒートシンク3のベース部3aの外縁より外側へ張り出した放熱フィン3bの端部に対向しない。このため、支持部材5が放熱フィン3b間の空気の対流の妨げとなることがない。基部5bは、2本のアーム部5aの基端部すなわち上端部の間に位置する。基部5bの一部と、外装4の排気口4aの一部とが重なっている。排気口4aと重なる部分の基部5bには、空気が通過可能な穴5cが形成されている。すなわち、穴5cは排気口4aに重なっている。
【0030】
支持部材5の基部5bの上面には支柱6の下端部が固定されている。支柱6の上端部は、天井に取り付けられる。照明器具1Aは、支柱6により天井から吊り下げられる。外装4の上側部分4cの上面が支持部材5の基部5bに固定される。支柱6は、下方に向かって外径が小さくなる円錐台状の部分を有する。
【0031】
吸気口7と排気口4aとの圧力差で空気の対流が起きることから、吸気口7の開口面積と排気口4aの開口面積とがほぼ同面積であるのが好ましい。ここでの吸気口7の開口面積とは吸気口7の有効開口面積を言い、排気口4aの開口面積とは排気口4aの有効開口面積を言うものとする。本実施の形態1では、光源部2側から見たとき(
図3)の外装4の開口面積すなわち下側部分4bの開口面積から、ヒートシンク3および支持部材5の投影面積を引いた面積が吸気口7の有効開口面積に相当する。また、排気口4aの有効開口面積は、支持部材5の基部5bと重なっていない部分の排気口4aの面積と、基部5bの穴5cの総面積との和に相当する。
【0032】
図7および
図8は、本発明の実施の形態1の照明器具の光源部およびヒートシンクの他の構成例を示す斜視図である。
図9は、
図8に示す光源部とヒートシンクとを分離した状態の斜視図である。
図7から
図9に示す構成例では、放熱フィン3bのベース部3a側の端部からその反対側の端部までの長さが、
図1から
図6の構成に比べて、長くなっている。また、
図8および
図9に示す構成例では、光源部2の中央領域における面積当たりのLED光源2bの配置個数が、当該中央領域の周囲の領域における面積当たりのLED光源2bの配置個数と同じになっている。
【0033】
図10は、本発明の実施の形態1の照明器具の他の構成例を示す斜視図である。
図10に示す照明器具1Bは、外装4の形状が異なること以外は
図1から
図6の照明器具1Aと同様である。
図10に示す照明器具1Bの外装4をベース部3aに平行な平面で切断した断面形状は、円形である。
図10に示す照明器具1Bの外装4の内側の空間をベース部3aに平行な平面で切断した断面積は、上方に向かって減少する。
図10に示す照明器具1Bでは、
図1から
図6の照明器具1Aと同様の効果が得られる。また、図示を省略するが、本発明では、ヒートシンク3のベース部3aおよび光源部2の形状も長方形に限定されるものではなく、円形などの他の形状でも同様の効果が得られる。
【0034】
実施の形態2.
次に、
図11を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
図11は、本発明の実施の形態2の照明器具の斜視図である。
【0035】
図11に示す本実施の形態2の照明器具1Cは、実施の形態1の支持部材5に代えて、光源取り付け台8によって光源部2およびヒートシンク3を支持する点に特徴を有する。光源取り付け台8は、照明器具1Cの外装4の下部に取り付けられている。照明器具1Cが備える光源部2は、基板2aに設けられた面積の大きい一つの発光領域2dを有する。発光領域2dは、長方形をなす。光源部2は、光源取り付け台8の下面に熱伝導シートを介して取り付けられている。ヒートシンク3は、光源取り付け台8の上面に取り付けられている。すなわち、光源取り付け台8は、ヒートシンク3のベース部3aと光源部2との間に挟まれている。光源取り付け台8には、複数の吸気口8aが形成されている。吸気口8aは、ヒートシンク3のベース部3aの外縁より外側へ張り出した部分の放熱フィン3bより下側に位置する。外装4の上部には、実施の形態1と同様の排気口4aが形成されている。照明器具1Cが備える支柱6の断面形状は、矩形状をなす。支柱6の下端部に外装4の上端部が固定されている。本実施の形態2の照明器具1Cでは、吸気口8aから外装4内に空気が流入し、当該空気が排気口4aから排出される。本実施の形態2の照明器具1Cによれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、光源取り付け台8の素材として絶縁性が高く輻射率の高いアルミナなどの部材を用いた場合には、光源部2と光源取り付け台8との間に熱伝導シートを入れる必要がなくなる。
【0036】
実施の形態3.
次に、
図12から
図14を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
図12は、本発明の実施の形態3の照明器具の外装4を取り外した斜視図である。
図13は、本発明の実施の形態3の照明器具の光源部2およびヒートシンク3を光源部2側すなわち下側から見た底面図である。
図14は、本発明の実施の形態3の照明器具の光源部2およびヒートシンク3を光源部2と反対側すなわち上側側から見た平面図である。
【0037】
これらの図に示すように、本実施の形態3では、ヒートシンク3のベース部3aおよび光源部2の中央部分に、空気が通過可能な開口9が形成されている。本実施の形態3では、光源部2側で熱せられた空気が開口9を通って放熱フィン3bの間に流入する。このため、放熱フィン3bの中央部分の空気の流れが良くなり、熱がこもり易いヒートシンク3の中央部分の放熱効率が向上するので、実施の形態1に比べて更に優れた放熱性が得られる。本実施の形態3は、上述した事項以外は実施の形態1と同様であるので、これ以上の説明を省略する。
【0038】
実施の形態4.
次に、
図15を参照して、本発明の実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
図15は、本発明の実施の形態4の照明器具が備える光源部2およびヒートシンク3の斜視図である。
【0039】
図15に示すように、本実施の形態4のヒートシンク3が備えるすべての放熱フィン3cは、ベース部3aと反対側の辺に凹部3dを有するコの字型の形状をなす。すなわち、放熱フィン3cの形状は、長方形の一つの辺から小さい長方形(凹部3d)を切り欠いた形状である。発熱量が多い照明器具では、ヒートシンク3が大型になるため、ヒートシンク3の中央部分には自然対流による気流が通りにくくなる。このため、ヒートシンク3の中央部分では、放熱フィン3cの放熱効果が低くなる。本実施の形態4では、放熱フィン3cをコの字型とし、放熱効果が低い放熱フィン3cの中央部分において長方形の凹部3dに相当する部分を無くすことで、放熱効果をほとんど低下させずに放熱フィン3cの重量を十分に軽くすることができる。このため、ヒートシンク3全体としても、放熱効果をほとんど低下させることなく、ヒートシンク3を十分に軽量化できる。
【0040】
放熱フィン3cの凹部3dのベース部3aに垂直な方向の長さL3は、放熱フィン3cのベース部3aに垂直な方向の長さL4の1/2以下であることが好ましい。放熱フィン3cの凹部3dのベース部3aに平行な方向の長さL5は、放熱フィン3cのベース部3aに平行な方向の長さL6の1/2以下であることが好ましい。凹部3dの大きさが上記のような範囲であれば、ヒートシンク3の放熱効果の低下をより確実に抑制できる。また、放熱フィン3cの凹部3dの内側の縁は、放熱フィン3cの凹部3d以外の外縁に平行である。このため、放熱フィン3cの凹部3dを形成する加工の際、放熱フィン3cの外縁を位置決めの基準とすることで凹部3dを正確な位置に形成でき、製造が容易になる。
【0041】
図15に示す光源部2は、基板2aに設けられた面積の大きい一つの発光領域2eを有する。発光領域2eは、大きな長方形から小さな長方形の中央領域2cを除去した形状をなす。このため、中央領域2cは、その周囲の領域に比べて、面積当たりの光源発熱量が小さい。この中央領域2cを設けたことにより、ヒートシンク3の中央部分に伝わる熱量を低減できるので、放熱フィン3cの放熱効果が低いヒートシンク3の中央部分に熱がこもることをより確実に抑制できる。本実施の形態4は、上述した事項以外は実施の形態1と同様であるので、これ以上の説明を省略する。
【0042】
実施の形態5.
次に、
図16を参照して、本発明の実施の形態5について説明するが、上述した実施の形態1および4との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
図16は、本発明の実施の形態5の照明器具が備える光源部2およびヒートシンク3の斜視図である。
【0043】
図16に示すように、本実施の形態5のヒートシンク3は、実施の形態4と同様のコの字型の放熱フィン3c(第1放熱フィン)と、第2放熱フィン3eとを有する。第2放熱フィン3eの形状は、長方形である。第2放熱フィン3eのベース部3a側の端部からその反対側の端部までの全長は、放熱フィン3cのベース部3a側の端部からその反対側の端部までの全長より短い。第2放熱フィン3eのベース部3a側の端部からその反対側の端部までの全長は、放熱フィン3cのベース部3a側の端部から凹部3dまでの長さとほぼ同じである。放熱フィン3cと第2放熱フィン3eとは交互に配置されている。本実施の形態5によれば、放熱フィン3cのベース部3aから遠い部分すなわち凹部3dの両側に位置する部分のフィンピッチを広く取ることができ、放熱効果が高まる。本実施の形態5は、上述した事項以外は実施の形態1および4と同様であるので、説明を省略する。
【0044】
実施の形態6.
次に、
図17を参照して、本発明の実施の形態6について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
図17は、本発明の実施の形態6の照明器具が備える光源部2およびヒートシンク3の斜視図である。
【0045】
図17に示すように、本実施の形態6のヒートシンク3は、第1放熱フィン3fと、第2放熱フィン3gとを有する。第1放熱フィン3fおよび第2放熱フィン3gの形状は、長方形である。第2放熱フィン3gのベース部3a側の端部からその反対側の端部までの全長は、第1放熱フィン3fのベース部3a側の端部からその反対側の端部までの全長より短い。第1放熱フィン3fと第2放熱フィン3gとは交互に配置されている。本実施の形態6によれば、第1放熱フィン3fのベース部3aから遠い部分すなわち第2放熱フィン3gより長い部分のフィンピッチを広く取ることができ、放熱効果が高まる。本実施の形態6は、上述した事項以外は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0046】
実施の形態7.
次に、
図18から
図23を参照して、本発明の実施の形態7について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
図18は、本発明の実施の形態7の照明器具1Dを光源部2側から見た斜視図である。
図19から
図23は、本発明の実施の形態7の照明器具1Dから外装4を取り外した状態を示す図であり、
図19は光源部2と反対側から見た斜視図、
図20は光源部2側から見た斜視図、
図21は側面図、
図22は光源部2と反対側から見た平面図、
図23は光源部2から見た底面図である。
【0047】
図18に示すように、本実施の形態7の照明器具1Dは、光源部2と、ヒートシンク10と、ヒートシンク10の外周を覆う外装4とを備える。ヒートシンク10は、円板状のベース部11と、ベース部11の一面側に放射状に配置された複数の外側フィン12(放熱フィン)とを有する。すなわち、ベース部11の周方向に沿って複数の外側フィン12が間隔をあけて配置されることで、これらの外側フィン12が放射状を呈する。放射状に並ぶ外側フィン12の外周側の一部分は、ベース部11の外縁より外側へ張り出している。ベース部11の他面側に光源部2が配置されている。光源部2は、円環状の光源固定枠15によりヒートシンク10に固定されている。光源固定枠15は、ベース部11の他面側に、ベース部11と同心的に固定されている。光源部2の基板2aの四隅がベース部11と光源固定枠15との間に挟まれることで光源部2が固定されている。
【0048】
外装4は、おおむね円筒状をなし、ヒートシンク10の外周側に同心的に配置される。外装4の下端部と、ヒートシンク10との間には、空気が流入する吸気口7となる開口が形成される。
図18では、外装4の上側の部分の図示を省略しているが、外装4の上部には空気を排出する排気口が設けられている。
【0049】
図23に示すように、光源部2の基板2aは正方形をなす。基板2aに実装された複数のLED光源2bは、おおむね円形の領域に配置されている。また、光源部2は、LED光源2bが配置されていない中央領域2cを有する。
【0050】
図19から
図21に示すように、ヒートシンク10は、放射状に配置された複数の内側フィン13をさらに備える。ベース部11の外縁より小さい仮想円の周方向に沿って複数の内側フィン13が間隔をあけて配置されることで、これらの内側フィン13が放射状を呈する。内側フィン13は、ベース部11の一面側から垂直に突出している。内側フィン13は、外側フィン12に比べて、ベース部11の中央寄りに位置する。ベース部11からの内側フィン13の高さは、ベース部11からの外側フィン12の高さより高い。すなわち、ベース部11に垂直な方向の内側フィン13の長さは、ベース部11に垂直な方向の外側フィン12の長さより長い。
【0051】
図22に示すように、ベース部11の一面側から見て、ベース部11の外縁より外側へ張り出している外側フィン12の外周側の一部分12aの長さは、それ以外の部分の長さより短い。また、放射状に並ぶ外側フィン12の内周側の一部分12bと、放射状に並ぶ内側フィン13の外周側の一部分13aとは、隙間を介して重なり合う。すなわち、外側フィン12の内周側の端部は、内側フィン13の外周側の端部に比べて内周側に位置する。内側フィン13の総数と外側フィン12の総数とは等しい。内側フィン13は、周方向に沿って、外側フィン12と交互に配置される。
【0052】
内側フィン13は、光源部2の発熱領域(すなわちLED光源2bの配置領域)の、ベース部11を介して反対側(裏面側)の領域に配置される。ベース部11の中央部分には、内側フィン13が配置されていない。すなわち、内側フィン13の内周側の端部は、ベース部11の中心に達していない。この内側フィン13が配置されていない中央部分は、LED光源2bが配置されていない光源部2の中央領域2cの裏面側の領域に相当する。
【0053】
以上説明した実施の形態7によれば、実施の形態1と同様の効果に加えて、以下のような効果が得られる。
(1)吸気口7から吸入された空気が外側フィン12により内側フィン13へ誘導されることで、内側フィン13へ空気を効率良く当てて放熱することができる。このとき、吸気口7から吸入された空気は、外側フィン12に沿って流れ、外側フィン12の内周側の一部分12bと内側フィン13の外周側の一部分13aとの隙間を通って、内側フィン13へ流れる。
(2)内側フィン13は、光源部2の発熱領域の裏面側の領域に配置されているので、光源部2の発する熱は主に内側フィン13へ伝熱する。上記(1)で内側フィン13が効率良く放熱することで、光源部2の温度が低くなるので、光源部2の発光効率の向上および長寿命化が図れる。
(3)ベース部11からの内側フィン13の高さが、ベース部11からの外側フィン12の高さより高いことで、外側フィン12および内側フィン13に沿って渦流が起きるために、さらに効率良く内側フィン13に空気を当てることができる。また、内側フィン13の表面積が大きくなるので、光源部2をより低温にできる。
(4)外側フィン12と内側フィン13とが周方向に沿って交互に配置されることで、上記(1)の効果をより確実に発揮することができる。
【0054】
外側フィン12と内側フィン13とを同じ材料で構成しても良いが、外側フィン12と内側フィン13とを異なる材料で構成しても良い。特に、内側フィン13の構成材料の熱伝導率を外側フィン12の構成材料の熱伝導率より高くすることが好ましい。例えば、内側フィン13を金属材料で構成し、外側フィン12を放熱樹脂で構成しても良い。外側フィン12の主な役割は、空気を内側フィン13へ誘導することであるので、内側フィン13に比べて熱伝導率が多少低くても、ヒートシンク10の放熱性能はさほど低下しない。このため、外側フィン12を放熱樹脂等の軽量な材料で構成することで、ヒートシンク10の放熱性能の低下を抑制しつつ、ヒートシンク10を軽量化できる。
【符号の説明】
【0055】
1A,1B,1C,1D 照明器具、2 光源部、2a 基板、2b LED光源、2c 中央領域、2d,2e 発光領域、3 ヒートシンク、3a ベース部、3b,3c 放熱フィン、3d 凹部、3e,3g 第2放熱フィン、3f 第1放熱フィン、4 外装、4a 排気口、4b 下側部分、4c 上側部分、5 支持部材、5a アーム部、5b 基部、5c 穴、6 支柱、7 吸気口、8 光源取り付け台、8a 吸気口、9 開口、10 ヒートシンク、11 ベース部、12 外側フィン、12a,12b 一部分、13 内側フィン、13a 一部分、15 光源固定枠