【文献】
株式会社ユニゾン,Office2000新機能チェック−これでわかった!Office2000,日本,日経BPソフトプレス,1999年 5月 1日,P.83
【文献】
学研コンピュータ編集部,エクセル時短技+関数350テク,株式会社学研パブリッシング,2014年 5月 1日,P.24−25
【文献】
エクスメディア,Excel 2000 for Windows SUPER MASTER,日本,株式会社エクスメディア,2000年 8月 2日,初版,P.92−93
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0011】
本実施形態では、表生成装置として、数表を生成する機能を備えた関数電卓を例にとって説明する。本実施形態に係る表生成装置は、物理的には
図1に示すように構成される。表生成装置100は、ROM(Read Only Memory)1と、RAM(Random Access Memory)2と、記憶装置3と、キー入力部4と、表示部5と、CPU(Central Processing Unit)7と、を備える。
【0012】
ROM1は、各種初期設定、ハードウェアの検査、プログラムのロード等を行うための初期プログラムを記憶する。RAM2は、CPU7が実行する各種ソフトウェアプログラム、これらのソフトウェアプログラムを実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0013】
RAM2は、具体的には、表示部5に表示するための表示データ、表生成の対象となる関数f(x)、表の範囲の下限値「Start」、表の範囲の上限値「End」、ステップ値「Step」、及び、生成した数表データの各データを記憶するための記憶領域を有する。
【0014】
記憶装置3は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを備える。記憶装置3は、表生成装置100が各種の処理を実行するために必要な各種ソフトウェアプログラムやデータ、表生成装置100が生成した各種データ等を記憶する。
【0015】
キー入力部4は、表生成装置100を操作するための各種キーを備える。キー入力部4は、具体的には、上下左右の各方向へのカーソルの移動を指示するカーソルキー、「0」から「9」までの数字を入力するキー、加算、減算、乗算、除算を指示する「+」、「−」、「×」、「÷」のキー、入力されたキーの決定(確定)を指示する「=」キー等を備える。キー入力部4は、ユーザによるキーの押下に従って、押下されたキーの情報をCPU7に送信する。
【0016】
表示部5は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示画面を備える。表示部5は、CPU7によって出力されたテキストデータを表示画面に表示出力する。表示部5は、表生成装置100が生成した表を表示する。
【0017】
CPU7は、命令やデータを転送するための伝送経路であるシステムバスを介して表生成装置100の各部と接続され、表生成装置100全体を制御する。
【0018】
表生成装置100は、機能的には
図2に示すように構成される。表生成装置100は、関係式入力受付部101と、設定入力受付部102と、表生成部103と、追加値入力受付部104と、表追加部105と、表拡張部106と、を備える。CPU7は、ROM1に記憶されたソフトウェアプログラムをRAM2に読み出して、そのソフトウェアプログラムを実行制御することにより、これら各部として機能する。
【0019】
以下、表生成装置100が備える各機能構成の詳細について、
図3及び
図4に示すフローチャートと、
図5から
図8までに示すキー入力とそれに応じた表示部5の表示内容と、を参照しながら、説明する。
【0020】
図3のフローチャートに示す表生成処理は、ユーザが表生成装置100の電源を投入して、所望の関係式の表(数表)を生成しようと思い、関係式の入力画面を呼び出すと、開始する。
【0021】
表生成処理が開始すると、関係式入力受付部101は、関係式f(x)の入力を受け付ける(ステップS1)。すなわち、関係式入力受付部101は、関係式の入力画面を表示部5に表示して、ユーザが表の生成を所望する関係式の入力を、キー入力部4を介して受け付ける。
【0022】
具体的には
図5(a)に示すように、「f(x)=2x+1」という関係式を入力する場合、ユーはが、「2」、「x」、「+」、「1」の順で、キー入力部4の変数xを含むキーを押下する。その結果、関係式入力受付部101は、受け付けたキー入力に従って、「f(x)=2x+1」という入力結果を表示部5に表示する。
【0023】
関係式f(x)の入力を受け付けると、設定入力受付部102は、表の範囲及びステップ値の設定入力を受け付ける(ステップS2)。具体的に説明すると、ユーザが関係式f(x)を入力して、キー入力の決定を指示する「=」キーを押下すると、設定入力受付部102は、
図5(b)に示すような、生成すべき表の範囲及びステップ値を設定する設定画面を表示部5に表示する。
【0024】
このような表の範囲及びステップ値の設定入力画面において、例えば「1」から「5」までの範囲で表を生成する場合、ユーザは、表の範囲の下限値を入力すべき「Start」の欄に「1」を入力し、表の範囲の上限値を入力すべき「End」の欄に「5」を入力する。そして、表のステップ値を「1」に設定する場合、ユーザは、ステップ値を入力すべき「Step」の欄に「1」を入力する。なお、ステップ値とは、設定した範囲内において幾つおきに値を変化させて表を生成するかを設定する値である。設定の結果、
図5(c)に示すように、設定画面の各欄に値が入力される。
【0025】
表の範囲の設定入力を受け付けると、表生成部103は、表を生成して、表示部5に表示する(ステップS3)。すなわち、ユーザが
図5(c)に示すように表の範囲を設定して、「=」キーを押下すると、表生成部103は、
図5(d)に示すような表を生成して、表示部5の表示画面内の表表示領域51に表示する。
【0026】
具体的に説明すると、表生成部103は、x及びf(x)の列を有する表において、xの値を表示する列(以下、「x列」という。)の1行目から5行目までに、設定された「1」から「5」までの範囲内において、設定されたステップ値である「1」おきに定められるx値「1」、「2」、「3」、「4」、「5」を入力する。そして、入力された関係式「f(x)=2x+1」によって定められる、x値「3」、「5」、「7」、「9」、「11」のそれぞれの対応値「3」、「5」、「7」、「9」、「11」を算出して、f(x)値を表示する列(以下、「f(x)列」という。)の1行目から5行目までに入力する。表生成部103は、このようにして生成した表を、
図5(d)に示すように表示部5に表示する。
【0027】
なお、表示部5は、生成した表を表表示領域51に表示している状態において、画面右下部に設定されたカーソル値表示領域52に、カーソル50が合わせられている値を表示する。例えば
図5(d)に示すようにカーソル50(図では白黒反転して表示)をx列におけるx値「1」に合わせている場合には、表示部5は、カーソル値表示領域52に値「1」を表示する。
【0028】
表を生成して表示すると、続いて、CPU7は、キー入力部4のカーソルキーが操作されたか否かを判定する(ステップS4)。カーソルキーが操作されると(ステップS4;YES)、CPU7は、操作に従ってカーソル50を移動させる(ステップS5)。そして、CPU7は処理をステップS4に戻して、カーソルキーが操作されたかを再度判定する。
【0029】
例えば
図5(d)に示したように、x列の1行目に表示された値「1」にカーソル50が合っている状態において、ユーザが下方向を指示するカーソルキーを5回押下すると、
図5(e)に示すように、カーソル50は下へ5行移動して、xの値が入力されていない行である6行目に移動する。このように、CPU7は、カーソルキーの入力に従って、カーソル50を、x値が表示された行だけでなくx値が表示されていない行にも移動させる。
【0030】
カーソルキーが操作されていない場合(ステップS4;NO)、CPU7は、追加値の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS6)。判定の結果、追加値の入力を受け付けると(ステップS6;YES)、追加値入力受付部104は、入力された追加値を表示する(ステップS7)。
【0031】
例えば
図6(a)に示すように、x値が表示されていない表の6行目にカーソルが設定されている状態において、ユーザがキー入力部4の「1」及び「0」のキーをこの順に入力すると、追加値入力受付部104は、表示部4の表示画面内における表表示領域51の下側に設定された入力値表示領域53に、「10」という数字を表示する。
【0032】
このように、追加値入力受付部104は、表生成部103が生成した表を表示部5が表示している最中に、設定入力受付部102が設定入力を受け付けた1から5までの範囲以外の追加値の入力を受け付け、入力を受け付けた追加値を表示部4の入力値表示領域53に表示する。
【0033】
追加値入力受付部104が追加値の入力を受け付けると、表追加部105は、キー入力部4の「=」キーが操作されたか否かを判定する(ステップS8)。「=」キーが操作されていない場合は(ステップS8;NO)、表追加部105は、処理をステップS8に留めて、「=」キーの操作を受け付けるまで待機する。
【0034】
「=」キーが操作されると(ステップS8;YES)、表追加部105は、x列にカーソル50があるか否かを判定する(ステップS9)。x列にカーソル50がない場合は(ステップS9;NO)、表追加部105は、何も処理しない。
【0035】
x列にカーソル50がある場合(ステップS9;YES)、表追加部105は、入力された追加値をカーソル位置に追加して、f(x)値を算出する(ステップS10)。そして、入力された追加値と算出したf(x)値とで表を更新して表示し(ステップS11)、カーソル50を下行へ移動させる(ステップS12)。
【0036】
例えば
図6(a)に示したように、x列の6行目にカーソル50が設定されている状態において、追加値「10」の入力を受け付けた場合、表追加部105は、
図6(b)に示すように、入力を受け付けた追加値「10」を、カーソル50が設定された位置であるx列の6行目に追加する。そして、表追加部105は、入力された関係式「f(x)=2x+1」によって定められる追加値「10」の対応値「21」を算出して、f(x)列の6行目に追加する。このように、新たな行を追加して更新した表を表示部5に表示すると、表追加部105は、カーソル50を自動的に1行下の行であるx列の8行目に移動させる。
【0037】
その後、CPU7は、処理をステップS4に戻して、各種入力を待ち受ける状態に戻る。ステップS4において、カーソルキーが操作されておらず(ステップS4;NO)、且つ、追加値入力も受け付けていない場合(ステップS6;NO)、CPU7の処理は、
図4に示すフローチャートの処理に移行する。
【0038】
カーソルキーが操作されておらず、且つ、追加値入力も受け付けていない場合、CPU7は、キー入力部4の「+」又は「=」キーが操作されたか否かを判定する(ステップS13)。更に、「+」又は「=」キーの操作を受け付けると(ステップS13;YES)、CPU7は、現在の状態が追加値入力後の状態であるか否かを判定する(ステップS14)。
【0039】
現在の状態が追加値入力後の状態である場合とは、例えば
図6(b)に示したように、追加値「10」をx列の6行目に入力して、追加値「10」を入力した行の次の行である7行目にカーソル50が位置している状態である場合をいう。すなわち、CPU7は、x列に追加値を入力して新たな行を追加した後、ユーザが続けて「+」又は「=」キーを押下したか否かを判定する。
【0040】
現在の状態が追加値入力後の状態でない場合(ステップS14;NO)、CPU7は、何も処理しない。すなわち、追加値入力後でない状態で「+」又は「=」キーが操作されても、CPU7は、以降のステップS15〜S17における表拡張部106としての処理を実行しない。
【0041】
現在の状態が追加値入力後の状態であるときに「+」又は「=」キーの操作を受け付けると(ステップS14;YES)、表拡張部106は、上行のx値にステップ値を加算した値をカーソル位置に追加して、f(x)値を算出する(ステップS15)。そして、表拡張部106は、追加した追加値と算出したf(x)値とで表を更新して表示し(ステップS16)、カーソル50を下行へ移動させる(ステップS17)。
【0042】
例えば
図6(b)に示したように、x列の7行目にカーソル50が位置している状態において、「+」又は「=」キーの入力を受け付けた場合、表拡張部106は、
図6(c)に示すように、カーソル50の位置より1行上の6行目に入力された追加値「10」にステップ値「1」を加算した値「11」を、カーソル50が位置する7行目に追加する。そして、追加したx値「11」について、入力された関係式「f(x)=2x+1」によって定められる対応値「23」を算出して、f(x)列の7行目に追加する。新たな行を追加して更新した表を表示部5に表示すると、表拡張部106は、カーソル50を自動的に1行下の行であるx列の8行目に移動させる。
【0043】
その後、CPU7は、処理をステップS4に戻して、各種入力を待ち受ける状態に戻る。そして、ステップS13において、更に「+」又は「=」キーが操作されると(ステップS13;YES)、CPU7は、ステップS14〜S17における表拡張部106としての処理を実行して、表に新たな行を追加する。
【0044】
すなわち、
図6(c)に示したように、x列の8行目にカーソル50が位置している状態において、「+」又は「=」キーの入力を受け付けた場合、表拡張部106は、
図6(d)に示すように、カーソル50の位置より1行上の7行目に入力されたx値「11」にステップ値「1」を加算した値「12」を、カーソル50が位置する8行目に追加する。そして、追加したx値「12」について、入力された関係式「f(x)=2x+1」によって定められる対応値「25」を算出して、f(x)列の8行目に追加する。新たな行を追加して更新した表を表示部5に表示すると、表拡張部106は、カーソル50を自動的に1行下の行であるx列の9行目に移動させる。
【0045】
このように、表拡張部106は、表追加部105が追加値とその対応値とを表に追加した後、加算を指示する「+」又は決定を指示する「=」キーの操作入力を受け付ける毎に、追加値にステップ値を順次加算して得られた値と、入力された関係式によって定められる該得られた値の対応値とを、表示部5が表示している表に次々と追加することによって、表を拡張する。そのため、最初に設定した範囲で表を生成した後、表の範囲を設定する画面に戻って再設定しなくても、異なる範囲の表を容易に生成することができる。
【0046】
一方で、カーソルキーが操作されておらず(ステップS4;NO)、追加値入力も受け付けておらず(ステップS6;NO)、且つ、「+」又は「=」キーも操作されていない場合(ステップS13;NO)、CPU7は、「−」キーが操作されたか否かを判定する(ステップS18)。
【0047】
「−」キーが操作されていない場合は(ステップS18;NO)、CPU7は、その他の処理を実行する。すなわち、カーソルキーの操作も追加値入力も「+」、「=」、「−」キーの操作以外の操作を受け付けた場合、CPU7は、受け付けた操作に従った処理を実行する。例えば、表示をクリアするキーが操作された場合には、表示部5が表示している表をクリアして、関係式f(x)を入力する初期画面に戻る。このような処理については、
図3及び
図4のフローチャートでは記載を省略している。
【0048】
以下、「−」キーの操作を受け付けた場合の処理について、
図7(a)〜(d)を参照して説明する。なお、理解を容易にするために、
図7(a)及び
図7(b)は、それぞれ、
図6(a)及び
図6(b)と同じ図を示している。すなわち、
図7(a)に示すように、x列の6行目にカーソル50が設定されている状態において追加値「10」の入力を受け付けて、
図7(b)に示すように、x値「10」とf(x)値「21」とを6行目に追加した状態において、「−」キーの操作を受け付けた場合の処理について、説明する。
【0049】
「−」キーの操作を受け付けると(ステップS18;YES)、CPU7は、現在の状態が追加値入力後の状態であるか否かを判定する(ステップS19)。すなわち、例えば
図7(b)に示したように、「10」という追加値をx列の6行目に入力して新たな行を追加した後、ユーザが続けて「−」キーを押下したか否かを判定する。
【0050】
現在の状態が追加値入力後の状態でない場合(ステップS19;NO)、CPU7は、何も処理しない。すなわち、追加値入力後でない状態で「−」キーが操作されても、CPU7は、以降のステップS20〜S22における表拡張部106としての処理を実行しない。
【0051】
現在の状態が追加値入力後の状態であるときに「−」キーの操作を受け付けると(ステップS19;YES)、表拡張部106は、上行のx値にステップ値を減算した値をカーソル位置に追加して、f(x)値を算出する(ステップS20)。そして、表拡張部106は、追加した追加値と算出したf(x)値とで表を更新して表示し(ステップS21)、カーソル50を下行へ移動させる(ステップS22)。
【0052】
例えば
図7(b)に示したようにx列の7行目にカーソル50が位置している状態において、「−」キーの入力を受け付けた場合、表拡張部106は、
図7(c)に示すように、カーソル50の位置より1行上の6行目に入力された追加値「10」にステップ値「1」を減算した値「9」を、カーソル50が位置する7行目に追加する。そして、追加したx値「9」について、入力された関係式「f(x)=2x+1」によって定められる対応値「19」を算出して、f(x)列の7行目に追加する。新たな行を追加して更新した表を表示部5に表示すると、表拡張部106は、カーソル50を自動的に1行下の行であるx列の8行目に移動させる。
【0053】
その後、CPU7は、処理をステップS4に戻して、各種入力を待ち受ける状態に戻る。そして、ステップS18において、更に「−」キーが操作されると(ステップS18;YES)、CPU7は、ステップS19〜S22における表拡張部106としての処理を実行して、表に新たな行を追加する。
【0054】
すなわち、
図7(c)に示したようにx列の8行目にカーソル50が位置している状態において、「−」キーの入力を受け付けた場合、表拡張部106は、
図7(d)に示すように、カーソル50の位置より1行上の7行目に入力されたx値「9」にステップ値「1」を加算した値「8」を、カーソル50が位置する8行目に追加する。そして、追加したx値「8」について、入力された関係式「f(x)=2x+1」によって定められる対応値「17」を算出して、f(x)列の8行目に追加する。新たな行を追加して更新した表を表示部5に表示すると、表拡張部106は、カーソル50を自動的に1行下の行であるx列の9行目に移動させる。
【0055】
このように、表拡張部106は、表追加部105が追加値とその対応値とを表に追加した後、減算を指示する「−」キーの操作入力を受け付ける毎に、追加値にステップ値を順次減算して得られた値と、入力された関係式によって定められる該得られた値の対応値とを、表示部5が表示している表に次々と追加することによって、表を拡張する。そのため、最初に設定した範囲で表を生成した後、表の範囲を設定する画面に戻って再設定しなくても、異なる範囲の表を容易に生成することができる。
【0056】
以上のように、本実施形態に係る表生成装置100は、表生成部103が生成した表を表示部5に表示している最中に、設定入力受付部102が設定入力を受け付けた範囲外の追加値の入力を受け付けて、入力を受け付けた追加値と、関係式f(x)によって定められる該追加値の対応値とを、表示部5が表示している表に追加する。そして、表追加部105が追加値と対応値とを表に追加した後、「+」、「=」又は「−」キーという予め定められた操作入力を受け付ける毎に、追加値を順次変化させて得られた値と、関係式f(x)によって定められる該得られた値の対応値とを、表示部5が表示している表に追加することによって、表を拡張する。
【0057】
その結果、範囲設定画面に戻って再設定する必要なく、一度生成した表を表示部5に表示したまま容易に表を拡張することができ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0058】
また、本実施形態に係る表生成装置100は、「+」又は「=」キーを操作する毎に追加値にステップ値を加算して表を拡張する機能に加えて、「−」キーを操作する毎に追加値にステップ値を減算して表を拡張する機能を有するため、追加値に対して大小どちらの側にも表を拡張できる。そのため、ユーザは、入力した関係式f(x)の追加値周辺における特徴を容易に確認及び解析することができる。
【0059】
また、上記説明では、追加値入力受付部104は、表生成部103が生成した表を表示部5が表示している最中に、表示部5が表示している表内におけるx値が表示されていない位置(具体的にはx値が表示された1〜5行目以外の行である6行目)への追加値の入力を受け付けた。そして、表追加部105は、x値が表示されていない位置への追加値の入力を受け付けた場合、該追加値と、関係式「f(x)=2x+1」によって定められる該追加値の対応値とを、表示部5が表示している表内における値が表示されていない位置(具体的には6行目以降)に追加した。すなわち、既に生成した表に含まれる各x値と対応するf(x)値との表示を残したままで、新たなx値と対応するf(x)値とを表に追加した。これにより、ユーザは、関係式f(x)の異なる2つの範囲における特徴を、同時に解析することができた。
【0060】
一方で、本実施形態に係る表生成装置100は、表生成部103が生成した表を表示部5が表示している最中に、表示部5が表示している表内におけるx値が表示されている位置への追加値の入力を受け付けることもできる。以下、この場合について、
図8(a)〜(d)を参照して説明する。
【0061】
図8(a)は、
図5(d)と同じ図を示している。すなわち、表生成部103は、x列の1行目から5行目までにx値「1」、「2」、「3」、「4」、「5」を有し、f(x)列の1行目から5行目までに対応するf(x)値「3」、「5」、「7」、「9」、「11」を有する表を生成して、表示部5に表示している。また、カーソル50がx列におけるx値「1」に合わせられている。
【0062】
このような状態において、追加値入力受付部104は、表示部5が表示している表内におけるx値が表示されている位置への追加値の入力を受け付ける。そして、表追加部105は、x値が表示されている位置への追加値の入力を受け付けた場合、該追加値と関係式f(x)によって定められる該追加値の対応値とで、それぞれ該追加値の入力を受け付けた位置に表示されている値と該値の対応値とを上書きすることにより、該追加値と該追加値の対応値とを表に追加する。
【0063】
具体的には
図8(a)に示したようにx値「1」が表示されている表の1行目にカーソル50が位置している状態において、ユーザがキー入力部4の「1」、「0」、「0」、「=」のキーをこの順に入力すると、表追加部105は、
図8(b)に示すように、カーソル50が位置する1行目のx値「1」を、入力された追加値「100」に上書きし、且つ、入力された関係式「f(x)=2x+1」によって定められる対応値「201」を算出して、1行目のf(x)値「3」を、算出した対応値「201」に上書きする。このように、追加値とその対応値とを表に追加すると、表追加部105は、カーソル50を下行である2行目へ移動させる。
【0064】
その後、続けて「+」、「=」又は「−」キーのいずれかが操作されると、上述したステップS13〜S22の処理と同様に、表拡張部106は、追加値をステップ値おきに順次変化させて得られた値と、関係式f(x)によって定められる該得られた値の対応値とを、表示部5が表示している表に追加することによって、表を拡張する。
【0065】
一例として、
図8(b)に示したようにx列の2行目にカーソル50が位置している状態において、「−」キーの入力を受け付けた場合、表拡張部106は、
図8(c)に示すように、カーソル50の位置より1行上の1行目に入力された追加値「100」にステップ値「1」を減算した値「99」で、カーソル50が位置する2行目の値「2」を上書きする。そして、上書きしたx値「99」について、入力された関係式「f(x)=2x+1」によって定められる対応値「199」を算出して、f(x)列の2行目の値「5」を上書きする。新たな値で上書きした表を表示部5に表示すると、表拡張部106は、カーソル50を自動的に1行下の行であるx列の3行目に移動させる。
【0066】
同様に、
図8(c)に示したようにx列の3行目にカーソル50が位置している状態において、「−」キーの入力を受け付けた場合、表拡張部106は、
図8(d)に示すように、カーソル50の位置より1行上の2行目に入力された追加値「99」にステップ値「1」を減算した値「98」で、カーソル50が位置する3行目の値「3」を上書きする。そして、上書きしたx値「98」について、入力された関係式「f(x)=2x+1」によって定められる対応値「197」を算出して、f(x)列の3行目の値「7」を上書きする。新たな値で上書きした表を表示部5に表示すると、表拡張部106は、カーソル50を自動的に1行下の行であるx列の4行目に移動させる。
【0067】
このように、本実施形態に係る表生成装置100は、表示部5が表示している表内におけるx値が表示されていない位置とx値が表示されている位置とのどちらの位置にも追加値の入力を受け付ける。そして、追加値の入力を受け付けた位置を基準として、「+」、「=」又は「−」のいずれかの操作入力を受け付ける毎に、次々に表を拡張していく。ユーザは、自由な位置に様々な範囲の表を生成することができ、また一度生成した表を変更することができるため、表生成装置100の使い勝手が向上する。
【0068】
以上に本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0069】
なお、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた表生成装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存のパーソナルコンピュータや情報端末機器等を、本発明に係る表生成装置として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態で例示した表生成装置100による各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存のパーソナルコンピュータや情報端末機器等を制御するCPU等が実行できるように適用することで、本発明に係る表生成装置として機能させることができる。また、本発明に係る表生成方法は、表生成装置を用いて実施できる。
【0070】
また、このようなプログラムの適用方法は任意である。プログラムを、例えば、コンピュータが読取可能な記録媒体(CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical disc)等)に格納して適用できる他、インターネット等のネットワーク上のストレージにプログラムを格納しておき、これをダウンロードさせることにより適用することもできる。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0072】
(付記1)
関係式の入力を受け付ける関係式入力受付手段と、
表の範囲の設定入力を受け付ける設定入力受付手段と、
前記設定入力受付手段が設定入力を受け付けた前記範囲内における複数の値と、前記関係式入力受付手段が入力を受け付けた前記関係式によって定められる該複数の値のそれぞれの対応値と、の関係を示す前記表を生成する表生成手段と、
前記表生成手段が生成した前記表を表示する表示手段と、
前記表生成手段が生成した前記表を前記表示手段が表示している最中に、前記設定入力受付手段が設定入力を受け付けた前記範囲外の追加値の入力を受け付ける追加値入力受付手段と、
前記追加値入力受付手段が入力を受け付けた前記追加値と、前記関係式によって定められる該追加値の対応値とを、前記表示手段が表示している前記表に追加する表追加手段と、
前記表追加手段が前記追加値と前記対応値とを前記表に追加した後、予め定められた操作入力を受け付ける毎に、前記追加値を順次変化させて得られた値と、前記関係式によって定められる該得られた値の対応値とを、前記表示手段が表示している前記表に追加することによって、前記表を拡張する表拡張手段と、
を備えることを特徴とする表生成装置。
【0073】
(付記2)
前記設定入力受付手段は、ステップ値の設定入力をさらに受け付け、
前記表生成手段は、前記設定入力受付手段が設定入力を受け付けた前記表の範囲内において前記ステップ値おきに定められる前記複数の値と、前記関係式によって定められる該複数の値のそれぞれの対応値と、の関係を示す前記表を生成し、
前記表拡張手段は、前記表追加手段が前記追加値と前記対応値とを前記表に追加した後、予め定められた操作入力を受け付ける毎に、前記追加値を前記ステップ値おきに順次変化させて得られた値と、前記関係式によって定められる該得られた値の対応値とを、前記表示手段が表示している前記表に追加することによって、前記表を拡張する、
ことを特徴とする付記1に記載の表生成装置。
【0074】
(付記3)
前記表拡張手段は、前記予め定められた操作入力として加算又は決定を指示する操作入力を受け付ける毎に、前記追加値に前記ステップ値を順次加算して得られた値と、前記関係式によって定められる該得られた値の対応値とを、前記表示手段が表示している前記表に追加することによって、前記表を拡張する、
ことを特徴とする付記2に記載の表生成装置。
【0075】
(付記4)
前記表拡張手段は、前記予め定められた操作入力として減算を指示する操作入力を受け付ける毎に、前記追加値に前記ステップ値を順次減算して得られた値と、前記関係式によって定められる該得られた値の対応値とを、前記表示手段が表示している前記表に追加することによって、前記表を拡張する、
ことを特徴とする付記2又は3に記載の表生成装置。
【0076】
(付記5)
前記追加値入力受付手段は、前記表生成手段が生成した前記表を前記表示手段が表示している最中に、前記表示手段が表示している前記表内における前記複数の値が表示されていない位置への前記追加値の入力を受け付け、
前記表追加手段は、前記追加値入力受付手段が前記複数の値が表示されていない位置への前記追加値の入力を受け付けた場合、該追加値と、前記関係式によって定められる該追加値の対応値とを、前記表示手段が表示している前記表内における前記複数の値が表示されていない位置に追加する、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の表生成装置。
【0077】
(付記6)
前記追加値入力受付手段は、前記表生成手段が生成した前記表を前記表示手段が表示している最中に、前記表示手段が表示している前記表内における前記複数の値が表示されている位置への前記追加値の入力を受け付け、
前記表追加手段は、前記追加値入力受付手段が前記複数の値が表示されている位置への前記追加値の入力を受け付けた場合、該追加値と前記関係式によって定められる該追加値の対応値とで、それぞれ該追加値の入力を受け付けた位置に表示されている値と該値の対応値とを上書きすることにより、該追加値と該追加値の対応値とを前記表に追加する、
ことを特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の表生成装置。
【0078】
(付記7)
表示部と入力部を備えた電子機器における表生成方法であって、
関係式の入力を受け付ける関係式入力受付ステップと、
表の範囲の設定入力を受け付ける設定入力受付ステップと、
前記設定入力受付ステップで設定入力を受け付けた前記範囲内における複数の値と、前記関係式入力受付ステップで入力を受け付けた前記関係式によって定められる該複数の値のそれぞれの対応値と、の関係を示す前記表を生成する表生成ステップと、
前記表生成ステップで生成した前記表を表示する表示ステップと、
前記表生成ステップで生成した前記表が前記表示ステップで表示されている最中に、前記設定入力受付ステップで設定入力を受け付けた前記範囲外の追加値の入力を受け付ける追加値入力受付ステップと、
前記追加値入力受付ステップで入力を受け付けた前記追加値と、前記関係式によって定められる該追加値の対応値とを、前記表示ステップで表示された前記表に追加する表追加ステップと、
前記表追加ステップで前記追加値と前記対応値とを前記表に追加した後、予め定められた操作入力を受け付ける毎に、前記追加値を順次変化させて得られた値と、前記関係式によって定められる該得られた値の対応値とを、前記表示ステップで表示された前記表に追加することによって、前記表を拡張する表拡張ステップと、
を含む表生成方法。
【0079】
(付記8)
コンピュータを、
関係式の入力を受け付ける関係式入力受付手段、
表の範囲の設定入力を受け付ける設定入力受付手段、
前記設定入力受付手段が設定入力を受け付けた前記範囲内における複数の値と、前記関係式入力受付手段が入力を受け付けた前記関係式によって定められる該複数の値のそれぞれの対応値と、の関係を示す前記表を生成する表生成手段、
前記表生成手段が生成した前記表を表示する表示手段、
前記表生成手段が生成した前記表を前記表示手段が表示している最中に、前記設定入力受付手段が設定入力を受け付けた前記範囲外の追加値の入力を受け付ける追加値入力受付手段、
前記追加値入力受付手段が入力を受け付けた前記追加値と、前記関係式によって定められる該追加値の対応値とを、前記表示手段が表示している前記表に追加する表追加手段、
前記表追加手段が前記追加値と前記対応値とを前記表に追加した後、予め定められた操作入力を受け付ける毎に、前記追加値を順次変化させて得られた値と、前記関係式によって定められる該得られた値の対応値とを、前記表示手段が表示している前記表に追加することによって、前記表を拡張する表拡張手段、
として機能させるためのプログラム。