特許第6131985号(P6131985)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131985
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/00 20060101AFI20170515BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20170515BHJP
   H01Q 7/00 20060101ALI20170515BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   B41J29/00 T
   G03G15/00 680
   B41J29/00 E
   B41J29/00 C
   H01Q7/00
   G03G21/16 104
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-108810(P2015-108810)
(22)【出願日】2015年5月28日
(65)【公開番号】特開2016-221765(P2016-221765A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2016年6月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 史郎
(72)【発明者】
【氏名】宮野 良
【審査官】 大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−147015(JP,A)
【文献】 特開2010−271671(JP,A)
【文献】 特開2014−004755(JP,A)
【文献】 特開2016−115046(JP,A)
【文献】 特開2007−188416(JP,A)
【文献】 特開2005−128039(JP,A)
【文献】 特開2015−046830(JP,A)
【文献】 特開2014−120915(JP,A)
【文献】 特開2014−209303(JP,A)
【文献】 特開2011−091744(JP,A)
【文献】 特開2002−254753(JP,A)
【文献】 ブラザー工業株式会社,brother PRIVIO MFC-J980DN-B/W MFC-J980DWN-B/W ユーザーズガイド-基本編-,日本,2013年10月,24,30,33
【文献】 ブラザー工業株式会社,brother PRIVIO MFC-J980DN-B/W MFC-J980DWN-B/W かんたん設置ガイド,日本,ブラザー工業株式会社,2013年10月,10,24
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00
G03G 15/00
G03G 21/16
H01Q 7/00
G06K 7/10
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙への画像形成を行う画像形成手段を含む装置本体と、
表示画面を有し、前記装置本体に対し変位可能に設けられるとともに水平面に対して当該表示画面を傾斜させることができるように変位可能に設けられ、携帯端末との通信に用いられるアンテナが設置され、情報の表示を行う表示機構と、
前記装置本体に設けられるとともに、前記アンテナに前記携帯端末を翳す位置から離れた箇所であって翳された当該携帯端末との通信を行える通信範囲から外れた当該箇所に設けられ、当該携帯端末と当該アンテナとが通信する際の通信方式と同じ通信方式で当該携帯端末との通信を行う他のアンテナと、
を備え、
前記表示画面が水平面に対して傾斜した状態では、当該表示画面が延びる方向に沿って且つ当該表示画面の上側および下側へ当該表示画面を延ばしていった先に前記装置本体が位置しない画像形成装置。
【請求項2】
前記表示機構は、前記表示画面を有し、当該表示画面が前記装置本体の前面側に近づいた第1の状態と、当該表示画面が当該前面側から離れた第2の状態との少なくとも2つの状態をとることができ、
前記第2の状態から前記第1の状態へ前記表示機構が変位すると、前記アンテナが、前記装置本体の前面側へ近づく請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示機構は、回転軸を中心に回転することで前記装置本体に対する変位を行い、さらに、当該回転軸が延びる方向に沿う側縁を有し、
前記アンテナは、前記回転軸と前記側縁との間に設置されているとともに、当該回転軸および当該側縁のうちの当該回転軸に近い側に設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記装置本体には、前記画像形成装置を制御する制御部がさらに設けられ、
前記表示機構には、当該表示機構における表示を制御する制御基板が設けられ、
前記制御部と前記制御基板とを電気的に接続する接続線が設けられ、
前記アンテナは、前記制御基板に接続され、前記接続線を介して前記制御部に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示機構に設けられた前記アンテナは、前記他のアンテナとは反対側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記表示機構が前記第2の状態にあるときには、携帯端末をかざす先が前記他のアンテナであることを示す案内をユーザに対して行い、当該表示機構が当該第2の状態以外にあるときには、携帯端末をかざす先が前記表示機構側アンテナであることを示す案内をユーザに対して行う案内手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記アンテナは前記表示機構の右側に位置することを特徴とする請求項1乃至6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記表示機構は、画像の形成が行われた用紙の排出部より上側に位置することを特徴とする請求項1乃至7に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筐体のうちアンテナ部に対応する通信部を、上方から見通すことが可能な位置に設けた画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−228540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置に、携帯端末との通信を行うアンテナを設置し、このアンテナに対して携帯端末をかざすことで、画像形成装置と携帯端末との間での通信を行える。
しかしながら、画像形成装置に設けられた表示機構が変位可能な構成であると、ユーザが携帯端末をアンテナに対してかざす際に、携帯端末と変位した状態の表示機構との間で干渉が起こり、アンテナに対して携帯端末をかざす操作を行いにくくなるおそれがある。
本発明の目的は、変位可能な表示機構を有する画像形成装置に設置されたアンテナに対して携帯端末をかざす際の操作性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、用紙への画像形成を行う画像形成手段を含む装置本体と、表示画面を有し、前記装置本体に対し変位可能に設けられるとともに水平面に対して当該表示画面を傾斜させることができるように変位可能に設けられ、携帯端末との通信に用いられるアンテナが設置され、情報の表示を行う表示機構と、前記装置本体に設けられるとともに、前記アンテナに前記携帯端末を翳す位置から離れた箇所であって翳された当該携帯端末との通信を行える通信範囲から外れた当該箇所に設けられ、当該携帯端末と当該アンテナとが通信する際の通信方式と同じ通信方式で当該携帯端末との通信を行う他のアンテナと、を備え、前記表示画面が水平面に対して傾斜した状態では、当該表示画面が延びる方向に沿って且つ当該表示画面の上側および下側へ当該表示画面を延ばしていった先に前記装置本体が位置しない画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記表示機構は、前記表示画面を有し、当該表示画面が前記装置本体の前面側に近づいた第1の状態と、当該表示画面が当該前面側から離れた第2の状態との少なくとも2つの状態をとることができ、前記第2の状態から前記第1の状態へ前記表示機構が変位すると、前記アンテナが、前記装置本体の前面側へ近づく請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記表示機構は、回転軸を中心に回転することで前記装置本体に対する変位を行い、さらに、当該回転軸が延びる方向に沿う側縁を有し、前記アンテナは、前記回転軸と前記側縁との間に設置されているとともに、当該回転軸および当該側縁のうちの当該回転軸に近い側に設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記装置本体には、前記画像形成装置を制御する制御部がさらに設けられ、前記表示機構には、当該表示機構における表示を制御する制御基板が設けられ、前記制御部と前記制御基板とを電気的に接続する接続線が設けられ、前記アンテナは、前記制御基板に接続され、前記接続線を介して前記制御部に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記表示機構に設けられた前記アンテナは、前記他のアンテナとは反対側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記表示機構が前記第2の状態にあるときには、携帯端末をかざす先が前記他のアンテナであることを示す案内をユーザに対して行い、当該表示機構が当該第2の状態以外にあるときには、携帯端末をかざす先が前記表示機構側アンテナであることを示す案内をユーザに対して行う案内手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記アンテナは前記表示機構の右側に位置することを特徴とする請求項1乃至6に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記表示機構は、画像の形成が行われた用紙の排出部より上側に位置することを特徴とする請求項1乃至7に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、装置本体側にアンテナを設置する場合に比べ、変位可能な表示機構を有する画像形成装置に設置されたアンテナに対して携帯端末をかざす際の操作性を向上させることができる。 請求項2の発明によれば、アンテナが装置本体の前面側へ近づかない場合に比べ、アンテナに対して携帯端末をかざす際の操作性を向上させることができる。 請求項3の発明によれば、回転軸および側縁のうちの側縁に近い側にアンテナが設置されている場合に比べ、表示機構の意図しない変位が起きにくくなる。 請求項4の発明によれば、制御部とアンテナとを接続する専用の接続線を設ける場合に比べ、装置構成の簡素化を図れる。 請求項5の発明によれば、表示機構に設けられたアンテナが、他のアンテナの設置箇所に近い側に配置されている場合に比べ、通信が行われる予定ではないアンテナと携帯端末との間での通信を抑制できる。 請求項6の発明によれば、表示機構に設けられたアンテナとは異なる機能を有するアンテナを画像形成装置に設置可能となり、また、アンテナに対して携帯端末をかざす際の操作性を向上させることができる。 請求項7の発明によれば、前記アンテナは前記表示機構の右側に位置することができる。 請求項8の発明によれば、画像の形成が行われた用紙の排出部より上側に位置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る画像形成装置を示した図である。
図2】アンテナを説明する図である。
図3】画像形成装置に設けられた配線、基板を説明する図である。
図4】画像形成装置の他の構成例を示した図である。
図5】画像形成装置の他の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1を示した図である。
本実施形態の画像形成装置1には、装置本体100と、この装置本体100に対して変位可能に設けられた表示機構200とが設けられている。
【0009】
装置本体100には、原稿上の画像を読み取る画像読み取り機構110、記録材の一例である用紙への画像形成を行う画像形成機構120が設けられている。
また、装置本体100は、画像形成装置1をユーザが操作する際にこのユーザに対峙する前面100Aを有する。また、装置本体100は、前面100Aとは反対側に位置する背面(不図示)、前面100Aと背面とを結ぶ左側面100B、右側面(不図示)を有する。
【0010】
画像形成機構120では、いわゆる電子写真方式を用いて用紙への画像形成を行う。なお、画像の形成方式は、電子写真方式に限らず、インクジェット方式など、他の方式を用いてもよい。
表示機構200には、液晶パネルなどにより構成された表示パネル220が設けられている。この表示パネル220は、表示画面221を有し、この表示画面221にて情報の表示を行う。さらに、表示機構200には、表示パネル220における表示制御を行う制御基板(後述)が設けられている。
【0011】
また、表示機構200は、矩形状に形成され、第1側縁211〜第4側縁214の4つの側縁を有している。
ここで、第1側縁211は、図1に示すように、表示機構200が起こされている状態(立っている状態)にて、表示機構200の上端に位置する。また、第1側縁211は、水平方向に沿うように配置されている。
【0012】
また、第2側縁212は、表示機構200が起こされている状態にて、表示機構200の下端に位置し、また、水平方向に沿って延びている。
さらに、第3側縁213は、表示機構200の図中左端に位置し且つ上下方向に沿って延びている。また、第4側縁214は、表示機構200の図中右端に位置し且つ上下方向に沿って延びている。
【0013】
さらに、本実施形態では、表示パネル220の図中右側に、黒色の樹脂材料により構成され且つ板状に形成された外装カバー230が設けられている。
さらに、本実施形態では、ユーザが有する携帯端末との通信(近距離無線通信(NFC))を行う通信部240が設けられている。
なお、本実施形態では、通信部240から情報の発信が行われるだけでなく、通信部240に格納された情報の書き換えを行えるようになっている。言い換えると、通信部240は、リード/ライト機能を備えたアクティブタグにより構成されている。
【0014】
通信部240には、アンテナ241が設置されている。さらに、通信部240には、情報を記憶するためのICチップ(不図示)などが設けられている。
さらに、通信部240には、携帯端末をかざす先を示す表示ランプ242(携帯端末をかざす先をユーザに知らせる表示ランプ242)が設けられている。
【0015】
アンテナ241やICチップ等は、外装カバー230の裏側に設けられている。本実施形態では、このアンテナ241を通じて、画像形成装置1とユーザが有する携帯端末との間での通信(近距離無線通信(NFC))が行われ、これにより、例えば、画像形成装置1と携帯端末とのペアリングが行われる。また、例えば、携帯端末から画像形成装置1への情報送信や、画像形成装置1から携帯端末への情報送信が行われる。
なお、携帯端末としては、スマートフォンやタブレット端末が一例として挙げられる。
【0016】
また、本実施形態では、表示機構200の第1側縁211、第2側縁212に沿って延びる回転軸244が設けられており、表示機構200は、この回転軸244を中心に回転して、装置本体100に対する変位を行う。
ここで、アンテナ241は、回転軸244と第1側縁211との間に設置されているとともに、回転軸244および第1側縁211のうちの回転軸244に近い側に設置されている。
【0017】
画像形成装置1と携帯端末との間で通信が行われる際、携帯端末が、表示機構200のアンテナ241に対してかざされることになる。
この際、携帯端末が表示機構200に押し当てられる場合があり、この際に、アンテナ241が回転軸244に近い側に設置されていると、アンテナ241が第1側縁211に近い側に設置されている場合に比べ、表示機構200に作用する回転モーメントが小さくなりやすい。そして、この場合、意図しない表示機構200の回転が抑制される。付言すると、立った状態の表示機構200が寝てしまうことが抑制される。
【0018】
なお、図1では、装置本体100に対する表示機構200の変位が行われ、表示画面221が装置本体100の前面100A側に近づいた第1の状態を示している。
この第1の状態から、表示機構200が装置本体100の背面側に向かって押圧されると、表示機構200が符号1Aに示す方向へ回転し、前面100A側から表示画面221が離れた第2の状態(表示機構200が寝た第2の状態)となる。
【0019】
装置本体100には、凹部100Eが設けられ、第2の状態では、この凹部100Eに、表示機構200が収容される。
さらに、第2の状態では、装置本体100の外表面100Xと、表示機構200の外表面(表示画面221)とが揃うようになる。付言すると、同一の面上に、装置本体100の外表面100Xと、表示機構200の外表面とが位置するようになる。
【0020】
ところで、アンテナ241を装置本体100側に設けた態様も考えられるが、この場合、携帯端末をアンテナ241にかざす際(対向させる際)の操作性が低下するおそれがある。
具体的には、例えば、図中符号1Bに示す箇所にアンテナを設置した場合を想定する。この場合、例えばA4サイズの携帯端末などの大きめの携帯端末をアンテナにかざす際に、携帯端末と立った状態の表示機構200との間で干渉が起こり、携帯端末をアンテナへかざす操作を行いにくくなる。
【0021】
これに比べ、本実施形態のように、表示機構200にアンテナ241が設けられていると、携帯端末と表示機構200との干渉を避けられるようになる。
付言すると、本実施形態では、表示機構200が寝た状態である第2の状態から、表示機構200が立った状態である第1の状態へ表示機構200が変位すると、アンテナ241が、装置本体100の前面100A側へ近づくようになる。これにより、奥まった箇所にアンテナ241が設置された状態が避けられ、ユーザは、携帯端末をアンテナ241に対してかざす作業を行いやすくなる。
【0022】
図2は、アンテナ241を説明する図である。
表示機構200の外装カバー230(図1参照)の裏側には、図2に示すように、アンテナ241およびアンテナ241を収容する収容部材249Aが設けられている。
収容部材249Aは、直方体状に形成されている。さらに、アンテナ241により囲まれた領域の内側には、LED(Light Emitting Diode)により構成された光源249Bが設置されている。
光源249Bから出射された光は、表示ランプ242(図1参照)に照射され、表示ランプ242が点灯する。これにより、携帯端末をかざす箇所をユーザが認識しやすくなる。
【0023】
図3は、画像形成装置1に設けられた配線、基板を説明する図である。
画像形成装置1のうちの、表示機構200側には、図3に示すように、表示パネル220が設けられている。本実施形態の表示パネル220は、タッチパネル220Aと、液晶ディスプレイ220Bとから構成されている。
さらに、表示機構200側には、液晶ディスプレイ220Bにおける表示制御や、タッチパネル220Aからの信号の受信を行う制御基板280が設けられている。さらに、表示機構200には、アンテナ241を備えた通信部240が設けられている。
【0024】
一方、装置本体100側には、画像形成装置1の各部を制御する制御部300が設けられている。さらに、本実施形態では、装置本体100側に設けられたこの制御部300と、表示機構200に設けられた制御基板280とを電気的に接続する接続線400が設けられている。
【0025】
表示機構200に設けられたアンテナ241は、制御基板280に一旦接続され、そして、接続線400を介して制御部300に接続される。これにより、装置構成の簡素化が図られている。
ここで、アンテナ241と制御部300とを専用の接続線で接続する態様も考えられるが、この場合、この専用の接続線を用意する必要が生じ、製造コストの増加を招く。また専用線を設ける場合、専用線を設けない場合に比べ、装置構成が複雑化する。
これに対し、本実施形態では、アンテナ241を制御基板280に接続するだけで済み、装置構成の簡素化を図れる。また、専用線を設けずに済み、製造コストがより安価となる。
【0026】
ところで、近年では、携帯端末との通信を行える(NFCでの通信を携帯端末との間で行える)ICカードリーダが開発されており、本実施形態の画像形成装置1では、図1にて符号1Cで示す箇所に、後付けで、携帯端末との通信を行えるICカードリーダを設置可能となっている。なお、後付けで設置されるこのICカードリーダには、図1にて示した表示ランプ242と同様の表示ランプが設けられている。
【0027】
ここで、ICカードリーダが画像形成装置1に設置された場合の画像形成装置1の制御について説明する。
ICカードリーダが画像形成装置1に設置された場合、表示機構200の状態によって、表示ランプの点灯制御を異ならせる。
具体的には、表示機構200が第2の状態(表示機構200が寝た状態)にあるときには、ICカードリーダに設けられた表示ランプを点灯させて、携帯端末をかざす先がICカードリーダであることを示す案内をユーザに対して行う。
【0028】
付言すると、表示機構200が第2の状態(表示機構200が寝た状態)にあるときには、表示機構200の表示ランプ242(図1参照)を消灯するとともに、ICカードリーダに設けられた表示ランプを点灯させて、携帯端末をかざす先がICカードリーダであることを示す案内をユーザに対して行う。
【0029】
一方で、表示機構200が第1の状態(表示機構200が立った状態、第2の状態以外の状態)にあるときには、ICカードリーダに設けられた表示ランプを消灯するとともに、表示機構200の表示ランプ242を点灯させて、携帯端末をかざす先が表示機構200のアンテナ241であることを示す案内をユーザに対して行う。
【0030】
なお、これらの案内は、案内手段として機能する制御部300(図3参照)によって行われる。ここで、制御部300は、プログラム制御されたCPU(Central Processing Unit)により構成されている。
また、第1の状態と第2の状態の何れの状態に表示機構200があるかは、例えば、表示機構200により押圧されてオン/オフされるスイッチ(不図示)により判別される。
【0031】
ここで、この処理例では、表示機構200が第1の状態(立った状態)のときには、携帯端末をかざす先が、表示機構200のアンテナ241となり、上記にて説明したように、表示機構200と携帯端末との干渉が避けられ、アンテナ241へ携帯端末をかざしやすくなる。
また、表示機構200が第2の状態(寝た状態)のときには、携帯端末をかざす先が、ICカードリーダとなり、携帯端末と画像形成装置1との通信の他に、ICカード(不図示)からの情報の読み出しも行えるようになる。
【0032】
なお、表示機構200、ICカードリーダに設けられた表示ランプ242は、黒色の板材(基材)の一部に、薄黒い透明板を配置した構成となっている。
具体的には、本実施形態の表示ランプ242では、図1にて示した、「NFC」という文字242A、および、電波の発信を示すマーク242Bの部分が、薄黒い透明板により形成され、その他の部分である地の部分が、黒色の板材(不透明の板材)により構成されている。
【0033】
表示ランプ242に対して光源249B(図2参照)から光を照射すると、文字242Aおよびマーク242Bが浮かびあがる。
一方、表示ランプ242に対して光を照射しない状態では、透明板と黒色の板材との間のコントラストが小さい状態となり、文字242Aおよびマーク242Bが見えない状態(ユーザが気付かない状態)となる。
【0034】
この結果、本実施形態では、光を照射した方の表示ランプのみが目立つようになり、光を照射しない表示ランプについては、ユーザが気付かないようになる。
本実施形態では、上記のとおり、表示機構200側の表示ランプ242、装置本体側の表示ランプ(ICカードリーダの表示ランプ)の何れか一方を点灯させるが、このとき他方は目立ちにくくなる。
これにより、2つの表示ランプのいずれのランプに対して携帯端末をかざすべきかをユーザが迷うことが起きにくくなる。
【0035】
ここで、本実施形態では、ICカードリーダ(他のアンテナ)が後付けで設置される際、予め定められた設置箇所(図1にて符号1Cで示す箇所)に、このICカードリーダが設置される。
その一方で、表示機構200側のアンテナについては、この予め定められた設置箇所に近い側とは反対側に設けられている。付言すると、本実施形態では、表示機構200の図中左側に、ICカードリーダが設置されるため、表示機構200に設けられたアンテナ241は、表示機構200の右側に配置されている。
【0036】
ここで、表示機構200のアンテナ241を、ICカードリーダに近い側に設置すると、表示機構200のアンテナ241と、ICカードリーダとの離間距離が小さくなる。
かかる場合、ユーザが例えばICカードリーダに携帯端末をかざして画像形成装置1との通信を行なおうとしたにも関わらず、表示機構200側のアンテナと携帯端末との間で通信が行われることが起こりうる。
【0037】
より具体的には、表示機構200の状態に関わらず、表示機構200のアンテナ241、ICカードリーダに設けられたアンテナの両者をオンしておくことがある。
この場合、表示機構200のアンテナ241とICカードリーダのアンテナとの離間距離が小さいと、ユーザが一方のアンテナに対して携帯端末をかざしたにも関わらず、他方のアンテナと携帯端末との間で通信が行われることが起こりうる。
【0038】
これに対し、本実施形態のように、表示機構200のアンテナ241を、ICカードリーダの設置箇所に近い側とは反対側に設けた場合、表示機構200のアンテナ241とICカードリーダのアンテナとの離間距離が大きくなり、通信が予定されているアンテナと携帯端末との間で通信が行われる可能性が高まる。
【0039】
図4図5は、画像形成装置1の他の構成例を示した図である。
この画像形成装置1では、図1にて示した画像読み取り機構110が設けられておらず、画像形成機構120のみ設けられている。さらに、この画像形成装置1でも、回転軸244を中心に表示機構200が回転するようになっている。
【0040】
さらに、上記と同様、また、符号4Aで示すように、表示機構200にアンテナ241が設置されている。このアンテナ241は、回転軸244側に設けられている。また、アンテナ241は、表示機構200の図中右側に設けられている。
なお、アンテナ241の設置位置は、表示機構200の右側に限られない、符号4Bで示すように、表示機構200の下側に設けてもよい。また、表示機構200の上側や左側に設置してもよい。
また、図4図5に示す構成例では、図中、符号4Dで示す箇所へ、ICカードリーダが取り付け可能となっている。より具体的には、ICカードリーダは、表示機構200の奥側にほぼ表示機構200と同じ平面となるよう選択的に取り付け可能となっている。
【符号の説明】
【0041】
1…画像形成装置、100…装置本体、100A…前面、200…表示機構、211…第1側縁、221…表示画面、241…アンテナ、244…回転軸、280…制御基板、300…制御部、400…接続線
図1
図2
図3
図4
図5