(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6132130
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】熱交換器の製造方法
(51)【国際特許分類】
F28F 9/013 20060101AFI20170515BHJP
B23K 9/00 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
F28F9/013 J
B23K9/00 501H
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-263004(P2012-263004)
(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公開番号】特開2014-109396(P2014-109396A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2015年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100120514
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 雅人
(72)【発明者】
【氏名】辻 佑太
【審査官】
横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−170532(JP,A)
【文献】
特開2000−213425(JP,A)
【文献】
米国特許第05749414(US,A)
【文献】
特開昭54−069542(JP,A)
【文献】
特開平08−035789(JP,A)
【文献】
特開昭57−152393(JP,A)
【文献】
特開2010−117121(JP,A)
【文献】
特表2009−524004(JP,A)
【文献】
実開昭58−061382(JP,U)
【文献】
特開昭61−193788(JP,A)
【文献】
特開平09−257392(JP,A)
【文献】
実開平02−070868(JP,U)
【文献】
特開平09−133492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/00−26
B23K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの側板部に設けられた貫通孔に、伝熱管の端部を挿入する伝熱管挿入工程と、
この伝熱管挿入工程の後に、前記伝熱管の端部と前記貫通孔の周縁部とを溶接する溶接工程と、
を有している、熱交換器の製造方法であって、
前記伝熱管挿入工程においては、前記伝熱管の端部を前記側板部の外側に突出させた状態とし、
前記溶接工程においては、前記側板部の外側から溶接を施すことによって、前記側板部のうち、前記貫通孔の周縁部に加えて、前記伝熱管の端部の突出部分をも溶かし、前記側板部の内面側には、前記伝熱管の外周を覆うようにして前記伝熱管に一体化した裏ビード部を、前記ケースの内方側に突出するように形成することを特徴とする、熱交換器の製造方法。
【請求項2】
請求項2に記載の熱交換器の製造方法であって、
前記伝熱管として、複数の伝熱管を準備し、かつ前記伝熱管挿入工程においては、前記複数の伝熱管のそれぞれの端部を互いに接近して並んだ状態で前記側板部に設けられた複数の貫通孔に挿入させ、かつ前記溶接工程おいて、前記複数の伝熱管の端部どうしの間の領域を溶接する際には、他の領域を溶接する際よりも入熱を少なくする、熱交換器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝熱管がケース内に収容され、瞬間式給湯器用の熱交換器などとして用いるのに好適な熱交換
器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
瞬間式ガス給湯器などで用いられる熱交換器は、ガスバーナで発生された燃焼ガスが導入されるケース内に伝熱管が収容された構成とされている。このような熱交換器においては、ケースの側板部に設けられた貫通孔に伝熱管の端部を挿入することにより、ケース外部から伝熱管内への入水および出湯を可能としている。伝熱管については、ケースに対して適切に固定させる必要があり、そのための手段として、貫通孔の周縁部と伝熱管の外周面とをロウ付け、または溶接する手段が採用されている(たとえば、特許文献1,2を参照)。
しかしながら、ロウ付けでは、真空炉などの大掛りな設備が必要であって、製造コストが高価となり、また少量生産には余り適さない。これに対し、溶接では、そのような不利はない。ただし、従来においては、伝熱管をケースの側板部に溶接する場合に、伝熱管と側板部とが交差する箇所を対象として、隅肉溶接を施していたのが実情であった。このような溶接手段を用いた場合であっても、伝熱管と側板部との実用的な溶接強度を確保することは可能であるが、耐ウォータハンマ性能などを向上させて熱交換器の耐久性をより高め、また製造コストの低減などを図る観点からすると、未だ改善すべき余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4646383号公報
【特許文献2】特許第3804727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、ケースの側板部と伝熱管との接合箇所の耐久性を高くしつつ、製造の容易化ならびに製造コストの低減化をも図ることが可能
な熱交換器の製造方法を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0006】
本発
明により提供される熱交換器
の製造方法は、
ケースの側板部に設けられた貫通孔に、伝熱管の端部を挿入する伝熱管挿入工程と、この伝熱管挿入工程の後に、前記伝熱管の端部と前記貫通孔の周縁部とを溶接する溶接工程と、を有している、熱交換器の製造方法であって、前記伝熱管挿入工程においては、前記伝熱管の端部を前記側板部の外側に突出させた状態とし、前記溶接工程においては、前記側板部の外側から溶接を施すことによって、前記側板部のうち、前記貫通孔の周縁部に加えて、前記伝熱管の端部の突出部分をも溶かし、前記側板部の内面側には、前記伝熱管の外周を覆うようにして前記伝熱管に一体化した裏ビード部を、前記ケースの内方側に突出するように形成することを特徴としている。
【0007】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、側板部の外側から溶接を行なっているために、側板部の内側において溶接を行なう場合とは異なり、溶接トーチが伝熱管の中央寄り部分やケースと干渉することがなく、溶接作業を容易かつ適切に行なうことができる。複数の伝熱管を狭いピッチで並べたような場合であっても、それら複数の伝熱管の各外周(伝熱管の相互間領域を含む)を側板部に対して適切に溶接することが可能となる。したがって、熱交換器の生産性を高め、製造コストを低減することができる。
第2に、本発明によれば、側板部の内面側に、伝熱管の外周を覆うようにして伝熱管に一体化した裏ビード部
をケースの内方側に突出するようにして形成
するために、たとえば単なる隅肉溶接などと比較すると、その溶接強度は大幅に高くなる。したがって、耐ウォータハンマ性能などが向上し、耐久性にも優れたものとすることができる。
【0013】
加えて、伝熱管の端部のうち、側板部の外側に突出した部分については、溶接工程時において溶加棒として利用することができるために、溶加材や母材不足に起因する溶接不良も適切に回避される。また、溶接後においては、伝熱管の端部が側板部の外側に突出しない状態にすることも容易に実現できる。なお、伝熱管の端部を側板部の外側に突出させない状態で溶接し、裏ビード部を形成しようとすると、溶け落ちを生じる虞があるが、前記構成によれば、そのような虞も回避することが可能である。
【0014】
本発明において、好ましくは、前記伝熱管として、複数の伝熱管を準備し、かつ前記伝熱管挿入工程においては、前記複数の伝熱管のそれぞれの端部を互いに接近して並んだ状態で前記側板部に設けられた複数の貫通孔に挿入させ、かつ前記溶接工程において、前記複数の伝熱管の端部どうしの間の領域を溶接する際には、他の領域を溶接する際よりも入熱を少なくする。
【0015】
このような構成によれば、互いに接近して並んだ複数の伝熱管の周囲のうち、伝熱管どうしの間の領域の入熱が過剰にならないようにし、溶接の均一化を図るのに好ましいものとなる。
【0016】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る熱交換器
の製造方法により製造された熱交換器の一例を示す外観斜視図である。
【
図2】(a)は、
図1のIIa−IIa断面図であり、(b)は、(a)のIIb−IIb断面図である。
【
図3】(a)は、
図2(b)のIIIa部拡大断面図であり、(b)は、(a)のIIIb−IIIb拡大断面図である。
【
図4】(a)は、
図3(a)の一部を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す構造を得るための溶接工程を示す断面図であり、(c)は、(b)のIVc−IVc断面図である。
【
図5】
図4(b),(c)に示す溶接工程を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0019】
図1および
図2に示す熱交換器HEは、たとえばガスバーナなどのバーナ(図示略)によって発生された燃焼ガスから熱回収を行なって湯水加熱を行なう用途に好適なものであり、たとえば給湯装置の潜熱回収用の熱交換器として利用される。
この熱交換器HEは、ケース2と、このケース2内に収容された複数の伝熱管1と、これら複数の伝熱管1の下端部および上端部に繋がった入水用および出湯用の一対のヘッダ3(3A,3B)とを具備している。
【0020】
複数の伝熱管1は、平面視長円状の複数の螺旋状管体を利用して構成されている。これら複数の螺旋状管体は、互いにサイズが異なっており、略同心の重ね巻き状に配されている。各伝熱管1の下部および上部は、略水平に延びる直状管体部10a,10bとされている。燃焼ガスから伝熱管1に効率良く熱回収されるためには、
図2(b)のように、伝熱管1の上方および下方の隙間は、伝熱管1どうしの隙間と同等程度に小さくすることが望ましい。前記隙間を小さくする手段として、上壁部20aおよび下壁部20bに、伝熱管1に向けて突出する段部20',20”を形成する手段を用いることができる。ただし、前記隙間は、燃焼ガスの通路抵抗の度合いや、潜熱回収によって発生するドレインの排出性能などに応じて適宜大きくしてもよい。
【0021】
ケース2は、略直方体状であり、このケース2の本体部20(矩形筒状の胴体部)に加え、一対の側板部21,22を有している。本体部20および側板部21,22のそれぞれは、たとえばステンレスなどの金属板を用いて構成されている。ケース2の後壁部20cおよび前壁部20dには、燃焼ガス用の給気口25および排気口26が設けられている。給気口25からケース2内に流入した燃焼ガスは複数の伝熱管1の隙間を通過した後に排気口26に到達するが、その過程において前記燃焼ガスから各伝熱管1により熱回収がなされ、各伝熱管1内を流通する湯水が加熱される。
【0022】
ケース2の側板部21には、2つの膨出部22が形成されている。膨出部22は、ヘッダ3の装着対象となる部分であり、側板部21にプレス加工を施すことにより形成されている。
図3によく表われているように、膨出部22の先端壁部22bには、複数の貫通孔28が形成され、かつこの部分に伝熱管1の端部が挿入されて溶接されている。複数の貫通孔28および伝熱管1の端部は、比較的接近した間隔で略水平方向に並んでいる。前記溶接の具体的な方法は、後述するが、この溶接は、側板部21の外側から行なわれ、かつ側板部21の内面側に裏ビード部29が形成されるようにしてなされている。
【0023】
裏ビード部29は、伝熱管1の外周を覆うようにして伝熱管1に一体化しており、かつ側板部21の内面からケース2の内方側に向けて突出している。裏ビード部29の先端部およびその近傍部分は、この裏ビード部29の先端側ほど伝熱管1の半径方向の厚みが漸減する形態となっている(
図3(a)で示す伝熱管1の外面と裏ビード部29の表面とがなす角度αは、90°を超えている)。伝熱管1は、後述するように、溶接前には側板部21よりも外方に一部突出した状態に設定されているが、溶接後においては伝熱管1の端部は、側板部21の外面と略面一状の高さとなっている。
【0024】
ヘッダ3は、側板部21とは別体に形成されており、膨出部22に対応した開口部32を形成する開口縁部33を有する内部空洞状の本体部30と、この本体部30の後面側に連結された継手用管体部31とを有している。ヘッダ3は、その開口縁部33が膨出部22の周壁部22aに外嵌され、かつこの外嵌部分において溶接が施されていることにより、膨出部22への固定が図られている。ヘッダ3内のうち、先端壁部22bよりもケース2の外方側の領域は、各伝熱管1の内部に連通した湯水流通用のチャンバ36である。
【0025】
次に、ケース2の側板部21に複数の伝熱管1の端部を溶接する際の具体的な方法の一例について説明する。
【0026】
まず、
図4(b),(c)に示すように、ケース2の側板部21の各貫通孔28には、伝熱管1の端部を挿入するが、その際には伝熱管1の端部を適当な寸法だけ側板部21の外側、より厳密には、膨出部22の先端壁部22bの外側に突出させておく(突出部13を設ける)。突出寸法は、たとえば0.5mm〜2mm程度であるが、この寸法は、伝熱管1および側板部21の厚みや材質などに応じて適宜変更できる。
図4(c)においては、側板部21がケース2の本体部20に取り付けられた状態に示されているが、側板部21に対する伝熱管1の固定作業は、側板部21をケース2の本体部20に取り付ける前に行なってもよい。膨出部22に対するヘッダ3の取り付けは、次に述べる伝熱管1の溶接作業の後に行なうこととなる。
【0027】
伝熱管1と側板部21との溶接は、たとえばTIG溶接であり、側板部21の外側から片側溶接を行なう。この溶接に際しては、TIG溶接トーチ9を貫通孔28の周縁部に向けて対向させ、伝熱管1には直接対向させないようにする。このような設定状態でTIG溶接を開始すると、貫通孔28の周縁部とともに伝熱管1の突出部13をも溶融させることができる。突出部13は、貫通孔28の周縁部よりもTIG溶接トーチ9に接近しているために、この突出部13に対して適切にアーク熱を作用させることが可能である。TIG溶接トーチ9は、伝熱管1の端部全周と各貫通孔28の周縁部全周とを溶接するように移動させていく。
【0028】
具体的には、
図5の仮想線L1,L2で示すように、伝熱管1の外周に沿った円軌跡でTIG溶接トーチ9を移動させる。この場合、複数の伝熱管1の相互間領域を溶接する際には、他の領域(伝熱管1の上側や下側の領域)を溶接する際よりも入熱を少なくする。複数の伝熱管1の相互間領域は、溶接が重なり気味で実行されるために、この領域への入熱が過剰にならないようにするためである。
【0029】
好ましくは、
図5に示す上下一対の膨出部22のうち、上側の膨出部22において、伝熱管1の端部(直状管体部10b)を溶接する際の終点P1は、この伝熱管1の下側とされる。下側の膨出部22において、伝熱管1の端部(直状管体部10a)を溶接する際の終点P2は、伝熱管1の上側とされる。その理由は、溶接の終点P1,P2は、溶接箇所の他の部分と比較して溶接不良を生じる虞が大きいため、伝熱管1の相互間領域を溶接の終点P1,P2とすることは適切ではないことに加え、熱交換器HEに連結された配管経路にウォータハンマが発生した場合には、この熱交換器HEの構造上、伝熱管1の溶接箇
所のうち、
図5の符号n1、n2で示す部分(直状管体部10bの上側、直状管体部10aの下側)に最も大きな応力を受けるため、この部分を避けるためである。ウォータハンマが発生し、各伝熱管1内の水圧が大きく上昇した際には、直状管体部10a,10bが上下方向に膨らむように撓むとともに、この撓みに伴って側板部21がケース2の内方側に引っ張られて撓む。このような現象に起因して、先に述べた符号n1,n2で示す箇所に溶接を剥離させる方向の大きな応力が発生する。この現象は、本発明者が試験およびシミュレーョンにより究明した。
【0030】
前記した溶接を施すことにより、
図3および
図4(a)に示した裏ビード部29を適切に形成した溶接が可能となる。伝熱管1の突出部13は、溶加棒としての役割を果たすこととなるため、裏ビード部29のボリューム(側板部21の内面からケース2の内方への突出寸法)を大きくすることが可能である。また、伝熱管1の相互間領域の母材が少ない部分においても溶接不良を生じないようにする効果も得られる。伝熱管1の突出部13を溶接により溶かせば、伝熱管1が側板部21からチャンバ36内に突出しないようにすることもできる。
【0031】
本実施形態によれば、次のような作用が得られる。
【0032】
まず、伝熱管1と側板部21との溶接は、側板部21の外側からの片側溶接であるために、側板部21の内側において溶接を行なう場合とは異なり、TIG溶接トーチ9が伝熱管1の螺旋状管体の部分に干渉するようなことが回避される。側板部21をケース2の本体部20に組み付けた後であっても、前記溶接作業を容易に行なうことが可能である。したがって、熱交換器HEの生産性を高め、その製造コストを低減することができる。
【0033】
側板部21の内面側に形成された裏ビード部29は、伝熱管1の外周を覆うようにして伝熱管1に一体化し、かつケース2の内方側に突出しているために、たとえば単なる隅肉溶接などと比較すると、その溶接強度を高くすることができる。したがって、耐ウォータハンマ性能などが向上し、耐久性にも優れたものとすることができる。また、裏ビード部29の先端部およびその近傍部分は、先端側ほど伝熱管1の半径方向の厚みが漸減しているために、応力集中を生じ易い断面急変箇所は存在しない。その結果、伝熱管1と側板部21との接合箇所の強度がより高くなる。
【0034】
ヘッダ3内のチャンバ36には、伝熱管1の端部が突出していないために、チャンバ36の容積が伝熱管1の存在によって狭められないようにすることができる。また、チャンバ36内と伝熱管1内との間を湯水が流通する際の抵抗を小さくする効果も得られる。
【0035】
その他、本実施形態によれば、側板部21に対するヘッダ3の取り付けも、側板部21の外側において簡易に行なえることとなる。ヘッダ3を側板部21に直接取り付けた構成であるため、全体の部品点数も少なくし、熱交換器HEの製造コストを低減する上でより好ましく、さらには全体の小型化を図る上でも好ましいものとなる。
【0036】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない
。本発明に係る熱交換器の製造方法の各工程の具体的な構成
は、種々に変更自在である。
【0037】
上述した実施形態では、ケース2の側板部21に設けられた膨出部22の先端壁部22bに伝熱管1を溶接しているが、本発明はこれに限定されない。側板部21に膨出部22を設けるようなことなく側板部21と伝熱管1とを接合させる場合にも本発明を適用することができる。伝熱管は、螺旋状管体を利用したものでなくてもよく、これ以外の種々の伝熱管(たとえば、直状管、U字管、蛇行状のフレキシブル管など)を用いることができ
る。溶接は、TIG溶接に限定されず、たとえば他のアーク溶接を用いることも可能であり、その具体的な種類は問わない。
【0038】
複数の伝熱管が用いられる場合、これら複数の伝熱管と側板部とを接合するための全ての箇所が本発明の意図する構成とされることが好ましいものの、やはりこれに限定されず、複数の接合箇所のうち、一部の接合箇所が本発明の意図する構成とされ、これ以外の他の箇所が本発明の意図する構成ではない場合であっても、本発明の技術的範囲に包摂される。ケース内に流入させる熱交換対象媒体としては、燃焼ガス以外の流体とすることができる。本発明に係る
熱交換器の製造方法により製造される熱交換器は、潜熱回収用に限らないことは勿論のこと、湯水加熱用途以外の種々の用途に用いられるものとすることができる。
【符号の説明】
【0039】
HE 熱交換器
1 伝熱管
2 ケース
3(3A,3B) ヘッダ
13 突出部(伝熱管の)
21 側板部(ケースの)
28 貫通孔
29 裏ビード部
36 チャンバ(ヘッダの)