【実施例1】
【0046】
表示装置において、表示装置を駆動するためのドライバICやタイミングコントローラなどの各種ICの電源を生成するために、1つの入力電圧を受けて各種複数のICの電源を生成する電源回路(DC/DCコンバータ)が用いられる。表示装置全体のブロック図を
図13に示す。
【0047】
このDC/DCコンバータの構成に関して、一般的に昇圧回路や降圧回路であればインダクタ4(L)、整流ダイオード6(D)、電界効果トランジスタ(FET)、平滑コンデンサ(C)などの部品あるいは素子から構成される。
【0048】
図1に示すDC/DCコンバータ回路(昇圧回路)において、
入力電圧=V
IN
出力電圧=V
OUT
として説明する。
【0049】
図1において、本発明にDC/DCコンバータは、信号入力端子V
IN2に直列接続されたインダクタ4、整流ダイオード6を有し、V
IN2の出力は、DC/DC発振IC16の入力S
INに連結される。インダクタ4の他端には、整流ダイオード6の他にスイッチングFET10のドレインとコンデンサ−R12とが連結される。
【0050】
整流ダイオード6の出力は、V
OUT8の他に、平滑コンデンサ14とF/B検知DeviderR1(20)に連結される。コンデンサ−R12の他端は、FET−R18のドレインに連結される。
また、スイッチングFET10のソースと、FET−R18のソース及び平滑コンデンサ14の他端がGNDに接地される。F/B検知Deviderの抵抗R1(20)の他端は、F/B検知Deviderの抵抗R2(22)と、DC/DC発振IC16のF/B端子23に連結される。
【0051】
一方、DC/DC発振IC16は、スイッチング回路1(24)とスイッチング回路2(26)と、スイッチングタイミング制御回路28を備え、スイッチングタイミング制御回路28は、スイッチング回路1(24)とスイッチング回路2(26)にそれぞれ連結される。
また、スイッチング回路1(24)の出力S
OUT1は、スイッチングFET10のゲートに連結され、スイッチング回路2(26)の出力S
OUT2は、スイッチングFET10のゲートに連結される。
【0052】
DC/DCコンバータの動作としては、入力電圧V
IN2が入力されるとインダクタ4でエネルギーを充電し、発振IC16のスイッチング回路1(24)にて決められた周期でスイッチングFETのゲートを開き、昇圧ラインのON−OFFが繰り返されて昇圧回路構成であれば入力よりも高い電圧が生成され、整流ダイオード6で一方向に電流が流れるよう整流され、平滑コンデンサ14にて安定した電圧を得て出力電圧として出力される。
【0053】
また、出力電圧が想定している電圧よりも高くならないようにするために出力電圧を常に監視し、フィードバック(F/B)電圧として出力電圧の分圧値を発振IC16へ戻し、発振IC16中に存在するエラーアンプで出力電圧値をモニタし、出力電圧が高くなった場合は低くなるように、また出力電圧が低くなった場合は高くなるように発振IC16にて調整され、常に想定した一定電圧が得られるような回路構成となっている。
【0054】
ここで、前記の回路構成においてスイッチングFET10のON/OFF時に電圧が急激に変化するため、電圧のアンダーシュートやオーバーシュートが発生し、それに伴ってリンギング(アンダーシュート/オーバーシュートが収束するまでに発生する電圧変動)が発生する。
【0055】
発生するリンギングの周波数成分を変更するためのコンデンサをスイッチングFET10のドレイン(Drain)−ソース(Source)間(以下D−S間とする)に挿入するのであるが、単にコンデンサをスイッチングFETのソース−ドレイン間に挿入しただけではスイッチング波形の立ち上がり時と立ち下がり時いずれも場合においてもコンデンサが常時稼動していることとなり、スイッチング波形が鈍ることによって電源(DC/DCコンバータ)の効率が悪化する。
【0056】
そこで、EMIの悪化に主として影響を与えているリンギング周波数成分のみを変更させるのに必要な期間だけスイッチングFETのD−S間のコンデンサを稼動させるように制御するため、リンギング周波数変更回路30とそれを駆動するためのスイッチング回路2(26)を設ける(
図1参照)。
【0057】
このリンギング周波数変更回路30は、
図1に示すとおり、FET−R18とコンデンサ−R12とスイッチング回路2(26)で構成される。
【0058】
次に、プリント基板のEMI輻射に関して説明する。DC/DCコンバータの発振回路部の立ち上がり、立ち下がりにリンギング周波数成分を持ったプリント基板は、プリント基板の共振周波数とリンギング周波数成分が一致するような場合に大きな輻射を発生することがあり、特に、それが2層基板のようにGND面積が充分に確保できない場合や、周辺の構造(筐体板金など)との干渉により輻射が増幅される場合がある。
【0059】
ここで、EMI輻射を増大させないために重要なこととして、リンギング周波数成分をプリント基板の共振周波数帯域からずらすということが挙げられる。
【0060】
一般的にプリント基板の共振周波数fmnは下記の式(a)で表される。
[数1]
fmn ={c/(2π√(εr))}×√((mπ/a)
2+(nπ/b)
2)・・・式(a)
c : 光速 3.0×10
8(m/s)
εr : プリント基板の誘電率
a : プリント基板の横方向長
b : プリント基板の縦方向長
m,n: 整数
【0061】
また、プリント基板の共振周波数は式(a)から周波数値として算出されるが、これはピーク値(最も共振が大きくなる点)であり、その共振周波数を中心としてある程度の幅(fbとする)を持っている。
【0062】
本来発生するリンギング周波数frが、下記式(b)のようにプリント基板の共振周波数帯域fmn±fbの範囲内にある場合大きな輻射が発生することとなる。
[数2]
fmn−fb<fr<fmn+fb ・・・式(b)
【0063】
また、本来発生するリンギング周波数をfrとし、本発明によりコンデンサを稼動させることで変更されるリンギング周波数をfrcとすると、コンデンサが稼動することで波形が鈍るため、リンギング周波数は低くなる方向へ変更される。その周波数を下記の式(c)で表す。
[数3]
frc<fr ・・・式(c)
【0064】
ここで、もし式(b)が成り立っていてかつそれが起因で大きな輻射が発生している場合は、リンギング周波数を下記式(d)が成り立つように変更すればよい。
[数4]
frc<fmn−fb ・・・式(d)
【0065】
このようにして、プリント基板の共振周波数帯域とリンギング周波数成分の周波数帯をずらすことにより、EMI輻射を低減することができる。
【0066】
次に、実施例1の構成について
図1を用いて説明する。本発明の構成は昇圧型のDC/DCコンバータを例として、まず電源が入力されるとスイッチング回路1(24)が駆動を開始し、スイッチングFET10を駆動し、入力電圧よりも高い電圧が出力電圧として生成される。
【0067】
各回路素子の具体的な動作に関しては、入力電圧V
IN2が入力されるとインダクタ4でエネルギーを充電し、発振IC16のスイッチング回路1(24)にて、決められた周期でスイッチングFET10のゲートを開き、昇圧ラインのON−OFFが繰り返されて昇圧回路構成であれば入力よりも高い電圧が生成され、整流ダイオード6で一方向に電流が流れるよう整流され平滑コンデンサ14にて安定した電圧を得て出力電圧として出力される。
【0068】
また、出力電圧が想定している電圧よりも高くならないようにするために出力電圧を常に監視し、フィードバック(F/B)電圧として出力電圧の分圧値(出力電圧値をF/B検知Deviderの抵抗R1(20)と抵抗R2(22)で分圧したもの)をDC/DCコンバータ発振IC16へ戻し、図示しない発振IC16中に存在するエラーアンプで出力電圧値をモニタし、出力電圧が高くなった場合は低くなるように、また出力電圧が低くなった場合は高くなるように発振IC16にて調整され、常に想定した一定電圧が得られるような回路構成となっている。
【0069】
ここで、本発明の特徴として、スイッチングFET10のD−S間に設けられたコンデンサを決められた期間のみ有効にするためにリンギング周波数変更回路30が設けられている。
【0070】
このリンギング周波数変更回路30は、例えば
図1に示されるように、コンデンサ−R12、FET−R18、スイッチング回路2(26)から構成される。
【0071】
次に、実施例1の動作について、
図1〜7を用いて説明する。
図1に示すように、V
IN2の電圧が入力されDC/DCコンバータ発振IC16が動き始めると、まずスイッチングFET10をON/OFFさせるためのスイッチング回路1(24)が駆動し、一定の周期で発振波形(矩形波)を発生し、スイッチングFETがON/OFFを開始する。
【0072】
ここで、リンギング周波数を変更しない、つまり通常のDC/DCコンバータの駆動をした場合について考える。
【0073】
スイッチング回路1(24)によってスイッチングFET10の動作は高電圧とGNDを瞬間的にON/OFFされるため、スイッチング波形の立ち下がり時または立ち上がり時にアンダーシュートやオーバーシュートの電圧変動が発生する(
図2参照)。
【0074】
この電圧変動は、所定の電圧(出力電位またはGND電位)に収束するまで電圧変動を繰り返す。この電圧変動がリンギングであり、このリンギングにEMIを悪化させる周波数成分が含まれているとEMIの悪化を招く原因となる。
【0075】
この例では、
図2に示すように、スイッチング波形の立ち下がり時にEMI悪化に大きな影響を与える周波数成分が含まれているものとして説明する。
【0076】
次に、EMIの悪化を低減するために、このリンギング周波数をプリント基板の共振周波数またはEMI放射の規格周波数(VCCIでは30MHz以下)から充分にずらすことを目的としてスイッチングFET10のD−S間に単純にコンデンサ31のみを挿入した場合を考える(
図3参照)。
【0077】
この時のスイッチング波形の動作を
図4に示す。
図4に示すとおり、コンデンサの挿入によって立ち下がりのリンギング周波数は小さくなる方向へ変更されるが、同時に立ち上がりの波形の鈍りが大きくなることが分かる。
【0078】
このスイッチング波形の動作ではEMIの輻射周波数を小さい方向へ変更することが可能であるが、同時に立ち上がり波形が鈍るためDC/DCコンバータの効率を悪化させることとなる。
【0079】
したがって、効率悪化を極力少なくし、かつEMIレベルも充分低減できることが理想であるため、
図5に示すような動作を実現できる回路構成が望ましい。また、これを実現するための制御方法について
図6に示す。
【0080】
ここでは、まず、スイッチングFET10のドレイン側の電圧が高い電圧からGNDレベルに下がる(スイッチングFETがONする)場合に、スイッチングFETのD−S間のコンデンサを有効にしてリンギング周波数を小さい方へ変更し、スイッチングFETのドレイン側の電圧がGNDレベルから高い電圧に上がる(スイッチングFETがOFFする)場合には、スイッチングFET10のD−S間のコンデンサを無効にして立ち上がりのタイミングではスイッチング波形を鈍らせないように制御している。
【0081】
また、スイッチング回路の制御タイミングは、昇圧(降圧)用のスイッチングFET10のドレイン−ソース間電圧が高電位側から低電位側へ遷移していき、低電位に到達した時点、すなわち、スイッチング波形の立ち下がりにおいてGNDレベルに到達した時点で、スイッチングFET10のドレイン−ソース間にコンデンサが接続された状態となり、昇圧(降圧)用のスイッチングFET10が低電位側から高電位側へ遷移する期間(スイッチング波形の立ち上がり期間)ではスイッチングFET10のドレイン−ソース間にコンデンサが接続されていない状態となる。
【0082】
この例では、スイッチング波形の立ち上がり時にはEMI悪化に影響を与える周波数成分は含んでいないとする。また、当然ながらEMI悪化に関係のないリンギング周波数成分は変更しなくて良いものとする。
【0083】
また、立ち下がりのスイッチング波形も極力鈍らせないようにするために、
図7に示すような制御方式を用いてGNDレベル直近でスイッチングFETのD−S間のコンデンサを有効にする方法でも良く、この方法ではさらに効率悪化を小さくすることが可能である。
【0084】
なお、これまではスイッチング波形の立ち下がりにEMIを悪化させる周波数成分が含まれているものとして説明してきたが、スイッチング波形の立ち上がりにEMIを悪化させる周波数成分が含まれている場合には、前述と同じ考えで立ち上がり時のみスイッチングFETのD−S間のコンデンサが有効となるようにスイッチング回路2(26)を動作させればよい。
【0085】
この場合のスイッチング回路の制御タイミングは、昇圧(降圧)用のスイッチングFET10のドレイン−ソース間電圧が低電位側から高電位側へ遷移していき、高電位に到達した時点、すなわち、スイッチング波形の立ち上がりにおいてV
OUTレベルに到達した時点でスイッチングFET10のドレイン−ソース間にコンデンサが接続された状態となり、昇圧(降圧)用のスイッチングFET10が高電位側から低電位側へ遷移する期間(スイッチング波形の立ち下がり期間)ではスイッチングFETのドレイン−ソース間にコンデンサが接続されていない状態となる。
【0086】
ここで、リンギング周波数をどの程度まで小さく変更すればEMIレベルが充分に低減できるかに関して説明する。
【0087】
まずは、リンギング周波数成分をプリント基板の共振周波数帯域から充分にずらすということと、さらにはEMI放射規格の周波数帯域(例えば、VCCIでは30MHz以下)からずらすということである。
【0088】
プリント基板の共振周波数に関して、具体的にεr=4.5、a=436(mm)、b=89.1(mm)という特性を持ったプリント基板を一例として考えてみると、このプリント基板の共振周波数fmnは式(a)から162MHzと計算できる。
【0089】
したがって、リンギング周波数はプリント基板の共振周波数のピーク値である162MHzよりも充分小さい周波数となるように変更する必要がある。
【0090】
実際に何MHzまでずらせば良いかは、プリント基板の共振周波数のスペクトル幅やその他の条件(プリント基板のGND面積やプリント基板に対するフレームGNDの条件など)にも関係するため、EMI評価時に充分にEMIレベルを低減できるコンデンサの定数を選定すればよい。
【0091】
この規模の基板を例にとると、昇圧回路部のスイッチングFETのD−S間におよそ1000pF以上のコンデンサを挿入することで昇圧回路部のスイッチング起因によるEMIレベルを充分に低減することが可能である。すなわち、後述の表2に示されているが、1000pFのコンデンサ挿入で200MHz程度あったリンギング周波数が45MHz程度まで小さくなっているため充分な値である。
【0092】
このようにしてDC/DCコンバータを駆動させた場合に発生するEMIに悪影響を与えるリンギングの周波数成分を効果的に変更することで、効率悪化を最小限にしてEMIを低減させることができる。
【0093】
実施例1の具体的な効果について説明する。前述の説明のとおり、スイッチングFETのD−S間に挿入するコンデンサ容量に関して、単純に挿入しただけではDC/DCコンバータの効率が悪化することになる。
【0094】
以下に、スイッチングFETのD−S間に単純にコンデンサを挿入した場合、コンデンサを挿入しない場合、本発明の制御方式を用いて制御した場合のDC/DCコンバータの効率を比較した結果を示す。ちなみに、この場合の発振周波数は740kHzである。
【0095】
[表1]DC/DCコンバータ駆動条件1
【表1】
【0096】
[表2]スイッチングFET(D−S間)コンデンサ容量とDC/DCコンバータ効率比較表1
【表2】
【0097】
前記表1の条件で駆動されるDC/DCコンバータ(液晶表示装置用)において、コンデンサの各種状態にて効率を測定した結果を表2に示している。
【0098】
表2のスイッチングFET(D−S間)にコンデンサの状態に関して、コンデンサなしとはスイッチングFET(D−S間)にコンデンサがない状態、コンデンサ常時稼動というのは
図3で示される回路構成のことを表し、スイッチングFET(D−S間)に単純にコンデンサを挿入しただけの状態を指し、コンデンサ制御ありとは本発明の実施例1で説明されている
図1の回路構成のことを指している。
【0099】
前述の各回路構成におけるDC/DCコンバータの効率悪化については、グラフ化したものを
図11に示す。
【0100】
表2及び
図11から分かるとおり、コンデンサなしの状態と比較して単純にスイッチングFETのD−S間にコンデンサを挿入しただけの場合(コンデンサ常時稼動)のDC/DCコンバータの効率は560pFで0.4%、1000pFで0.8%、1500pFで1.4%、2200pFで2.2%悪化する。当然容量が大きいほど効率悪化も大きくなる。
【0101】
一方で、コンデンサを必要な期間のみ駆動するように制御したもの(コンデンサ制御あり)は、いずれも0.1%程度の効率悪化で済んでいることが分かる。
【0102】
また、表2にリンギング周波数成分(代表値)を載せているが、スイッチングFETのON/OFFによって発生するリンギング周波数成分は多数あり、故にベースノイズとして広い帯域幅(ベースノイズは通常数十MHz〜数百MHz程度の広い帯域に渡って発生する)で発生するのであるが、これがコンデンサを挿入することで小さくなっていることも確認できる。
【0103】
このようにして、スイッチングFETのD−S間のコンデンサを必要な期間のみ有効にすることによって効率悪化を最小限とし、EMIに影響を与えるリンギング周波数成分を効果的に変更することが可能となる。
【0104】
表1の実験結果の例では、入力電圧に対して昇圧回路で生成される出力電圧差が14.55V/10.6V=1.37倍とそれほど電圧差が大きくなかったため、1000pFをスイッチングFETのD−S間に単純に挿入した場合でも0.8%程度の効率悪化としかならなかったが、例えばこの電圧差がもっと大きい場合、さらにはスイッチング周波数がさらに高い場合などは、コンデンサを単純に挿入しただけでは効率悪化が顕著となる。
【0105】
表3に、DC/DCコンバータの昇圧回路の出力電圧と入力電圧の差が大きい場合に関して、スイッチングFETのD−S間に単純にコンデンサを挿入した場合の効率悪化の例を示す。ちなみに、この場合の発振周波数は1350kHzである。
【0106】
[表3]DC/DCコンバータ駆動条件2
【表3】
【0107】
[表4]スイッチングFET(D−S間)コンデンサ容量とDC/DCコンバータ効率比較表2
【表4】
【0108】
今度は、DC/DCコンバータの出力電圧と入力電圧の差が12.0V/3.3V=3.64倍の場合の効率の測定結果を示す。また、
図11と同様に効率悪化の様子を示すグラフを
図12に示す。
【0109】
表4及び
図12から分かるように、スイッチングFETのD−S間に単純に560pFを挿入しただけでは4.9%悪化することが分かる。2200pF挿入時は16.7%も悪化することとなる。一方で、コンデンサ制御ありの回路構成における効率悪化は560pF挿入時に1.1%、2200pF挿入時では2.2%に収まっていることが分かる。
【0110】
よって、DC/DCコンバータの昇圧回路で生成される出力電圧が入力電圧よりも大きい場合、効率悪化が顕著となり、本発明の効果がより有効となることが分かる。
【0111】
DC/DCコンバータのスイッチング波形のリンギング周波数成分は、前述のとおりEMIのベースノイズを悪化させる可能性があり、ピークノイズなどに重畳するとEMIの規格を逸脱する可能性もある。
【0112】
表示装置はEMI規格を満足していることが必要条件であるため、EMIを対策した結果、DC/DCコンバータの効率悪化を招いてしまうと消費電流の増大を招くだけではなく、突入電流の増大やDC/DCコンバータの部品のディレーティングなどにも悪い影響を与える可能性があるため、効率の悪化は最小限にすべきである。よって、本発明のように効率悪化を最小限にしてEMIを低減することは有効である。
【実施例2】
【0113】
実施例1では、タイミング制御回路28を用いてスイッチング回路1(24)とスイッチング回路2(26)を制御し、リンギング周波数変更回路30を駆動させる例について示したが、実施例2では、タイミング制御回路28ではなく単なる遅延回路を用いて構成した例を示す。
【0114】
図8に回路構成図を示す。この動作は、
図9に示すように、スイッチング回路のタイミングを用いてそこから遅延させた波形を作るものである。
【0115】
図1と異なる点を中心に説明する。
図8について、
図1に示す実施例1との最大の違いは、DC/DC発振回路IC(昇圧用)34が異なっている。DC/DC発振回路IC(昇圧用)34は、スイッチング回路2(26)に代わり、遅延制御回路(32)が配置される。遅延制御回路(32)は、FET−R18を駆動する。
【0116】
実施例2の遅延制御回路32の構成では、実施例1で説明したようなスイッチング回路を2系統用意する必要はなく、簡単な回路構成で実現可能である。また、この遅延制御回路32は、DC/DCコンバータ発振IC16の内部に持たなくてもよく、外部回路として構成することもできる(
図10参照)。
【0117】
汎用ロジックICを用いて遅延制御回路32を構成したり、表示装置であれば通常タイミングコントローラを具備しているため、タイミングコントローラの中に遅延制御回路32のロジックを持たせることで実現可能である。
【0118】
外部回路にて構成する場合、回路構成の汎用性が上がるという利点もある。他は実施例1と同様である。
【0119】
次に、実施例1では、タイミング制御回路28を用いてスイッチング回路1(24)とスイッチング回路2(26)を制御し、リンギング周波数変更回路30を駆動させる例を示したが、実施例2の構成は、スイッチング回路を1つのみで構成し、FET−R18を駆動するスイッチング波形はスイッチング回路を遅延させた波形で駆動する。この部分が実施例1と異なる部分であり、他の構成は実施例1を同じである。
【0120】
この遅延制御回路32は、
図8のようにDC/DCコンバータ発振IC16の内部で構成しても良いが、DC/DCコンバータ発振IC16の外部で(外部回路)で構成しても良い(
図10参照)。
【0121】
外部回路で構成する場合、汎用ロジックICを用いて遅延制御回路32を構成したり、表示装置であれば通常タイミングコントローラを具備しているため、タイミングコントローラの中に遅延制御回路32のロジックを持たせることで実現可能である。
【0122】
タイミングコントローラ内部に持たせる場合の具体的な方法は、スイッチング回路にて出力される波形をタイミングコントローラの入力電圧規格を満たすように調整して(簡単に実現するには抵抗分圧など)タイミングコントローラにスイッチング回路と同一タイミングの波形を入力し、タイミングコントローラ内部でカウンタロジック等を用いて遅延量を設定し、その遅延された波形をタイミングコントローラから出力してFET−R18のゲートに入力すれば良い。他の構成は実施例1と同様である。
【0123】
次に、
図9を用いて実施例2の動作について説明する。実施例1では、スイッチングタイミング制御回路28を用いてスイッチング回路1(24)とスイッチング回路2(26)の出力タイミングを制御していたが、実施例2では、スイッチング回路は1系統のみで遅延制御回路32を用いる(
図8参照)。
【0124】
まず、スイッチングFETを駆動するためのスイッチングFETゲート波形がスイッチング回路から出力される。この波形を基準にして遅延制御回路32で所定のタイミングを遅延させ、
図9の上段に示すようなリンギング周波数変更回路FETゲート波形を生成する。この波形を用いてFET−R18を駆動し、有効期間にコンデンサ−R12を有効にし、無効期間にコンデンサ−R12を無効とすることができる。
【0125】
このようにして、必要な期間のみコンデンサ−R12を有効にすることで、DC/DCコンバータの効率悪化を最小限としてEMIを低減することが可能となる。他の動作は実施例1と同様である。
【0126】
実施例2の効果としては、まず、実施例1の効果と同様にDC/DCコンバータの効率悪化を最小限としてEMIを低減することが可能である。さらに遅延制御回路部をDC/DCコンバータ発振IC16の外部に持つことにより、回路構成の汎用性が上がる(DC/DCコンバータ発振IC16にスイッチング回路2(26)を持っていない場合でも構成可能)という利点もある。