特許第6132281号(P6132281)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6132281液晶レンズ素子及び表示装置並びに端末機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6132281
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】液晶レンズ素子及び表示装置並びに端末機
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20170515BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20170515BHJP
   G02B 3/14 20060101ALI20170515BHJP
   G03B 35/24 20060101ALI20170515BHJP
   G02B 27/26 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   G02F1/13 505
   G02F1/1343
   G02B3/14
   G03B35/24
   G02B27/26
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-348(P2013-348)
(22)【出願日】2013年1月7日
(65)【公開番号】特開2014-132300(P2014-132300A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2015年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】303018827
【氏名又は名称】NLTテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(72)【発明者】
【氏名】住吉 研
【審査官】 廣田 かおり
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−098689(JP,A)
【文献】 特開2011−150344(JP,A)
【文献】 特開2012−108194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1343
G02B 27/26
G03B 35/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する上基板及び下基板と両基板間に挟まれた液晶層とからなり、前記両基板の面内方向をxy平面としたときに、前記液晶層はx方向に初期配向方向を有し、前記上基板はx方向に電位勾配を発生させるA電極構造がx方向に並んだ繰り返し領域を有し、前記下基板はy方向に電位勾配を発生させるB電極構造がy方向に並んだ繰り返し領域を有し、なおかつ、前記A電極構造中央部にy方向に延伸した開口部を有し、
前記A電極構造が前記上基板上に第1導電層、第1絶縁層、第2導電層、第2絶縁層、抵抗膜を有し、前記第1導電層が前記上基板全面を覆う電極であり、前記第2導電層がy方向に延伸したストライプ形状であり、前記抵抗膜のシート抵抗が前記第1導電層あるいは前記第2導電層と前記第2絶縁層との中間に位置することを特徴とする液晶レンズ素子。
【請求項2】
対向する上基板及び下基板と両基板間に挟まれた液晶層とからなり、前記両基板の面内方向をxy平面としたときに、前記液晶層はx方向に初期配向方向を有し、前記上基板はx方向に電位勾配を発生させるA電極構造がx方向に並んだ繰り返し領域を有し、前記下基板はy方向に電位勾配を発生させるB電極構造がy方向に並んだ繰り返し領域を有し、なおかつ、前記A電極構造中央部にy方向に延伸した中央部電極を有し、
前記A電極構造が、少なくとも第1導電層、第2導電層からなり、前記第1導電層のシート抵抗が前記第2導電層のシート抵抗よりも低く、なおかつA電極構造がx方向に延伸した主方向部位とy方向に延伸した分岐部位とy方向に延伸した前記中央部電極とy方向に延伸した端部電極とからなり、なおかつ前記主方向部位は前記分岐部位と前記中央部電極と前記端部電極に接続し、なおかつ前記主方向部位が前記第2導電層で構成され、なおかつ前記分岐部位と前記中央部電極と前記端部電極とが少なくとも前記第1導電層を含む層で構成されていることを特徴とする液晶レンズ素子。
【請求項3】
少なくとも表示パネル、偏光板、前記液晶レンズ素子の順序からなる積層体を含み、前記液晶レンズ素子が請求項1又は2に記載の液晶レンズ素子であることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項記載の前記表示装置を搭載した端末機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶レンズ素子及び当該液晶レンズ素子を備える表示装置並びに当該表示装置を搭載した端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、立体表示可能な表示装置が著しい進展を見せている。この立体表示装置は、眼鏡を使用するものと裸眼で使用するものとに大別される。特に、裸眼で使用できるものは、眼鏡を掛ける煩わしさがなく、今後広く使用されていくと予想される。この裸眼で立体表示可能なものとして、シリンドリカルレンズや視差バリアを表示ディスプレイの前面に配置したものが一般に用いられている。この際、表示ディスプレイ内に右目用画素及び左目用画素が用意されており、前記シリンドリカルレンズや視差バリアにより観察者の両眼に各画素の情報が到達するように配置されている。このため、シリンドリカルレンズのシリンダ方向は画面上下方向に一致するように配置されている。また、視差バリアの遮光帯方向は画面上下方向に一致するように配置されている。
【0003】
一方、現在ゲーム機や携帯電話などの可搬用小型機器分野で、小型の液晶表示装置が広く用いられている。これら可搬用小型機器の分野ではバッテリー駆動が前提となるため、消費電力の小さな表示装置が求められている。以上の可搬型小型機器の分野では、アプリケーションに応じて、縦置き画面を横に持ち替えて横置き画面として使用したり、逆に横置き画面から縦置き画面へ持ち替えて使用したりすることが広く行われるようになってきた。折りたたみ式携帯電話では、表示装置のみを90度回転して縦置き画面から横置き画面に切り替えて使用する機器が販売されている。あるいは、スマートフォンと呼ばれる分野では、縦持ちから横持ちに持ち替えて、より自在に画面の縦横切替が行われるようになってきた。
【0004】
このため、以上のように縦横切替ができ、なおかつ縦横の両使用時に立体表示可能な表示装置が検討されるようになった。この代表的な技術として、特許文献1に開示された技術が提案されている。この技術について図23を用いて説明する。表示装置は、レンズアレイ素子24と表示パネル25から構成される。レンズアレイ素子24は、液晶を用いたスイッチングアレイ素子であり、下基板上にX方向に延びる第1の電極群22、上基板上にY方向に延びる第2の電極群23を備えている。より詳細なレンズアレイ素子24の斜視図を図24に示す。図24では一方の基板上にX方向に延びた2種類の幅(Lx、Sx)の電極27、26を有している。図24の他方の基板上にはY方向に延びた2種類の幅(Ly、Sy)の電極28、29を有している。液晶は、初期には一方向に配向している。
【0005】
以上の各電極は、図25に示す3つの状態で駆動される。第1の状態では、X方向に電位勾配が形成され、Y方向には均一な電位分布が形成される。このため、液晶配向は、X方向に周期的な分布をもつ。その周期は電極Lyから次の電極Lyまでで一単位となる。このため、光学的には前記の幅と等しいY方向に延びるシリンドリカルレンズと同じ働きの液晶レンズが得られる。以上の状態のレンズアレイ素子に、X方向に左目用画素・右目用画素を有する表示パネルを積層すれば、Y方向を縦方向とした立体表示装置を得ることができる。
【0006】
次に、図25の第2の状態では上下基板間に電圧差がないため、液晶は基板に平行に配向した状態となる。このため、液晶は屈折率分布を持たないため、透明体として機能する。この場合、レンズアレイ素子に表示パネルを積層すれば、通常の2次元画面の表示パネルとして動作する。
【0007】
さらに、図25の第3の状態では、Y方向に電位勾配が形成される。このため、電極Lxから次の電極Lxを一単位としたX方向に延びたシリンドリカルレンズと同じ働きの液晶レンズが得られる。以上の状態のレンズアレイ素子に、Y方向に左目用画素・右目用画素を有する表示パネルを積層すれば、X方向を縦方向とした立体表示装置を得ることができる。
【0008】
以上のようにして、図24のような構成のレンズアレイ素子を用いることにより、Y方向を縦とした立体表示、通常の2次元表示、X方向を縦方向とした立体表示の3つの表示を行わせることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−170068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、図24のレンズアレイ素子では、X方向及びY方向に対して同じレンズ動作をさせることができない。この問題について図26を用いて説明する。図26(a)は、図24のレンズアレイ素子をX方向から眺めた電圧無印加時の配向状態である。図26(a)では、液晶は初期にY方向に配向している。このため、基板に対して微少なプレチルト角を有して、基板にほぼ平行に配向している。
【0011】
以上のレンズアレイ素子の上下基板間に電圧を与えた状態を示したのが、図26(b)である。図26(b)では液晶層に電圧が印加されるため、液晶が基板面から立ち上る。しかし、この立ち上る状態は初期のプレチルト角方向から決まるため、図26(b)に示すように、幅Sxの電極の中心に対して非対称なものとなる。以上のように、図26から分かるように、幅Sxの電極の中心に対して電極構造は対称なものの、電圧印加時の液晶配向状態は非対称なものとなる。このため、幅Sxの電極上にはX方向に延びた非対称なシリンドリカルレンズしか得ることができない。
【0012】
他方、図27(a)は図24のレンズアレイ素子をY方向から眺めた電圧無印加時の配向状態である。液晶はY方向に配向しているため、幅Syの電極上の液晶配向には初期から非対称性が存在しない。このため、上下基板に電圧を印加した図27(b)の状態においても、幅Syの電極の中心に関して対称な液晶配向が得られる。このため、幅Syの電極上に対称なシリンドリカルレンズ構造を得ることができる。
【0013】
以上のように、液晶がY方向に初期配向している場合、図25の3状態のうち、第3の状態であるX方向に延びたシリンドリカルレンズは非対称なレンズ構造しか得られないことが分かる。また、液晶がX方向に初期配向している場合、図25の3状態のうち、第1の状態であるY方向に延びたシリンドリカルレンズは液晶の初期配向方向(X方向)と直交し、非対称なレンズ構造しか得られない。
【0014】
以上の非対称なシリンドリカルレンズを用いて3D表示を行った場合には、左目及び右目への光の分離を正しく行うことが出来ない。その結果、3Dクロストークの量が多くなったり、または、右目と左目で明るさが異なったりする。このため、高品質な立体表示が困難となり、非対称性が著しい場合には立体表示観察すること自体が不可能となる。
【0015】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、画面の明るさを保ったまま、縦置き画面あるいは横置き画面の両方で立体表示(以下、縦置き3D表示、横置き3D表示)を可能にした液晶レンズ素子及び表示装置並びに端末機を実現することである。また、合わせて、立体表示ではない通常表示(以下、2D表示)を可能にした液晶レンズ素子及び表示装置並びに端末機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の本発明は、対向する上基板及び下基板と両基板間に挟まれた液晶層とからなり、前記両基板の面内方向をxy平面としたときに、前記液晶層はx方向に初期配向方向を有し、前記上基板はx方向に電位勾配を発生させるA電極構造がx方向に並んだ繰り返し領域を有し、前記下基板はy方向に電位勾配を発生させるB電極構造がy方向に並んだ繰り返し領域を有し、なおかつ、前記A電極構造中央部にy方向に延伸した開口部を有することから構成される液晶レンズ素子である。
【0017】
第1の本発明の液晶レンズ素子について図1を用いて説明する。本発明においては、液晶レンズ素子は、上基板1と下基板2、両者に挟まれた液晶層3からなっている。いま、図1に示すように座標系を導入すれば、XY平面方向が前記基板の面内方向と一致する。本発明においては、初期の液晶配向方向はほぼX方向に一致している。この際に、実用上必要な小さなプレチルト角31があってもかまわない。さらに、本発明においては、上基板1上にX方向に電位勾配を発生する電極構造(A電極構造4と呼ぶ。)がX方向に周期的に配置されており、上基板1の面内に繰り返し領域を形成している。また、下基板2上にY方向に電位勾配を発生する電極構造(B電極構造5と呼ぶ。)がY方向に周期的に配置されており、下基板2の面内に繰り返し領域を形成している。
【0018】
図2を用いて、本発明の液晶レンズ素子の動作を説明する。図2は、図1の一つのA電極構造4のXZ断面での液晶配向状態を示している。特に、図2(a)は電圧無印加時の初期の液晶配向状態を示している。液晶はプレチルト角を持ちながらも、ほぼX方向に平行に配向している。以上のA電極構造4とB電極構造5の間に電圧を印加すれば、液晶は基板に垂直になるように配向する。この際、A電極構造4のためにX方向に電位勾配が発生する。
【0019】
A電極構造4の具体的な例は後で述べられる。ここでは、図3を用いてA電極構造4の働きを説明する。図3は、図1のX方向に沿った断面での液晶層に印加される電位分布を示している。A電極構造は繰り返し領域内でX方向に配置されているため、図3(a)あるいは図3(b)のような電位分布を液晶層に印加する。このため、図3(a)では、A電極構造の中心付近で最も電位差が大きく、この付近の屈折率が最も小さくなり、いわゆる凹レンズ性能が得られる。一方、図3(b)では、A電極構造単位の中心付近が最も電位差が小さく、この付近の屈折率が最も大きくなり、凸レンズ性能が得られる。以下の説明では、凸レンズの場合について説明するが、凹レンズでも同様に本発明の作用を説明することができる。
【0020】
図4は、凸レンズ性能の場合の液晶層に印加される電位差を示している。図4(a)は対称な電極構造の効果から生じる対称な電位分布を示している。しかし、すでに従来技術の課題で述べたように、液晶層にはプレチルト角があるため、実際には図4(b)に示すような非対称な電位分布が生じる。このため、非対称な屈折率分布しか得られなかった。一方、本発明では、A電極構造の中心部に開口部を有するため、この付近の液晶層の電位差はほぼ0となる。このため、図4(c)に示すように、A電極構造単位の中心部の開口部に対応した電位差0の領域が生じる。以上のように、A電極構造内で対称な電位分布を得ることができる。
【0021】
以上の電位分布に対する液晶の配向状態を示した図が、図2(b)である。図2(b)ではA電極構造両端で大きな電位差が液晶層に印加されている。一方、A電極構造中央部ではほぼ0の電位差が液晶層に印加されている。このため、図2(b)に示すような液晶の配向状態が得られ、中心部に対して対称な屈折率分布が得られる。
【0022】
第2の本発明は、前記A電極構造が前記上基板上に第1導電層、絶縁層、第2導電層を有し、前記第1導電層が前記上基板全面を覆う形状の電極であり、前記第2導電層がy方向に延伸したストライプ形状であることから構成される第1の本発明の液晶レンズ素子である。
【0023】
第2の本発明について図5を用いて説明する。本発明においては、A電極構造4が、第1導電層7、絶縁層8、第2導電層9からなる。第1導電層は、A電極構造の全面を覆う形状を有しており、なおかつ一方向に延伸した開口部6を有している。その上部に絶縁層8、第2導電層9が配置されている。第2導電層の形状は一方向に延伸した形状となっている。
【0024】
以上の電極構造を持った液晶レンズ素子の構造を図6に示す。図6では、上基板1は図5のA電極構造4の繰り返し構造を有している。X方向に電位勾配を発生させるために、前記A電極構造4の第2導電層9の延伸方向はY方向に一致している。また、開口部6の延伸方向はY方向と一致する。下基板2は第1導電層7、絶縁層8、X方向に延びた第2導電層9からなるB電極構造の繰り返し領域を有している。図6に示すように、B電極構造中の第2導電層9の延伸方向をX方向に一致させておく。下基板2のこれら構成が、Y方向に電位勾配を発生させるB電極構造に相当する。また、液晶の配向方向をX方向に一致させておく。
【0025】
以上の液晶レンズ素子の動作を図7の断面図を用いて説明する。図7(a)では、上基板1上のすべての電極の電位はΦ0に設定し、下基板2の第1導電層7をΦ0に、第2導電層9をΦに設定する。但し、Φ≠Φ0とする。以上によって、下基板2上ではY方向に沿って電位勾配が発生する。また、上基板1上ではほぼ一定の電位Φ0となる。従って、液晶層3に印加される電位は、下基板2の第2導電層9付近ではΦ−Φ0となり最も電位差が大きくなり、第2導電層9と次の第2導電層9の中間位置では電位差は小さくなる。以上のようにして、Y方向に沿った第2導電層9から次の第2導電層9までの幅を一単位とした液晶配向状態が生じる。これがX方向に延びたシリンドリカルレンズに相当する。
【0026】
一方、図7(b)に示すように、下基板2上の全電極の電位をΦ0と、上基板1上の第1導電層7、第2導電層9の電位を各々Φ0、Φと設定する。但し、Φ≠Φ0とする。これによって、X方向に沿って、上基板1の第2導電層9から次の第2導電層9を一単位とした液晶配向状態が生じる。この際に、既に述べた開口部6の働きにより、対称な液晶配向状態が得られる。これがY方向に延びたシリンドリカルレンズに相当する。
【0027】
以上のようにして、各電極の電位の設定により、X方向あるいはY方向に延びたシリンドリカルレンズを得ることができる。
【0028】
第3の本発明は、前記A電極構造が前記上基板上に第1導電層、第1絶縁層、第2導電層、第2絶縁層、抵抗膜を有し、前記第1導電層が前記上基板全面を覆う電極であり、前記第2導電層がy方向に延伸したストライプ形状であり、前記抵抗膜のシート抵抗が前記第1導電層あるいは前記第2導電層と前記第2絶縁層との中間に位置することから構成される第1の発明の液晶レンズ素子である。
【0029】
第3の本発明の構成について図8を用いて説明する。第3の本発明においては、上基板1上に第1導電層7、第1絶縁層10、第2導電層9、第2絶縁層11、抵抗膜12が設けられている。第1導電層7はA電極構造4の全面を覆う形状を有し、一方向に延伸した開口部6を有している。また、第2導電層9は一方向に延びたストライプ形状である。また、抵抗膜12はA電極構造4の全面を覆う形状を有する。
【0030】
あるいは、図9に示すように、図8と積層構成は同じであるが、開口部6が抵抗膜12に設けられていてもよい。図8及び図9のいずれの開口部6も、A電極構造4の中心付近の電位に影響を与えることができる。
【0031】
図8のA電極構造4を用いて構成した液晶レンズ素子について図10を用いて説明する。図10では、上基板1のA電極構造はX方向に電位勾配が発生するように配置されている。下基板2上のB電極構造として図8の構成で開口部を持たない電極構成を使用している。図10から分かるように、A電極構造ではY方向に延びる第2導電層9を有し、B電極構造ではX方向に延びる第2導電層9を有している。
【0032】
以上の液晶レンズ素子の動作について図11を用いて説明する。図11においては、液晶の初期の配向方向はX方向に設定されている。図11(a)では、上基板1上のすべての電位はΦ0に設定され、下基板2上の第1導電層7は電位Φ0に、第2導電層9は電位Φに設定される。以上のようにして、液晶層3に印加される電位分布はY方向に勾配をもつこととなる。この際、既に述べた説明と同様に、X方向に延びたシリンドリカルレンズに相当する液晶配向状態を得ることができる。
【0033】
一方、図11(b)に示すように、下基板2上のすべての電位をΦ0に設定し、上基板1上の第1導電層7をΦ0、第2導電層9をΦに設定することにより、液晶層3に印加される電位分布にX方向の勾配を持たせることができる。この際、すでに述べた開口部6の働きにより、液晶初期配向方向がX方向にも関わらず、対称な液晶配向状態を得ることができる。この場合、Y方向に延びたシリンドリカルレンズとして働く。
【0034】
以上のように、X方向に延びたシリンドリカルレンズ機能あるいはY方向に延びたシリンドリカルレンズ機能の両者を実現することができる。
【0035】
第4の本発明は、対向する上基板及び下基板と両基板間に挟まれた液晶層とからなり、前記両基板の面内方向をxy平面としたときに、前記液晶層はx方向に初期配向方向を有し、前記上基板はx方向に電位勾配を発生させるA電極構造がx方向に並んだ繰り返し領域を有し、前記下基板はy方向に電位勾配を発生させるB電極構造がy方向に並んだ繰り返し領域を有し、なおかつ、前記A電極構造中央部にy方向に延伸した中央部電極を有することから構成される液晶レンズ素子である。
【0036】
本発明の液晶レンズ素子について図12を用いて説明する。図12では、上基板1、下基板2、液晶層3からなる液晶レンズ素子が示されている。各基板上には、X方向に電位勾配を発生させることができるA電極構造4がX方向に並んだ繰り返し領域、Y方向に電位勾配を発生させることができるB電極構造5がY方向に並んだ繰り返し領域が各々配置されている。さらに、図12ではA電極構造4の中央部にY方向に延伸した中央部電極13が配置されている。この際、液晶の初期配向方向はX方向である。
【0037】
以上の液晶レンズ素子の動作について図13の液晶配向状態を示す断面図を用いて説明する。液晶は初期にX方向に配向している。このため、すでに図4で述べたように、X方向に液晶配向の非対称性が生じやすい状況にある。本発明においては、中央部電極13に固定電位を供給することによって、中央部電極13直下の液晶層3の電圧を決定することができる。例えば、図13では中央部電極13をB電極構造5と同電位にすることにより、直下の液晶層3に電圧が印加されないようにすることができる。以上のようにして、A電極構造4の中央部の電位を決めることで、図13に示したような対称な液晶配向分布を発生させることができる。
【0038】
第5の本発明は、前記A電極構造が、少なくとも第1導電層、第2導電層からなり、前記第1導電層のシート抵抗が前記第2導電層のシート抵抗よりも低く、なおかつA電極構造がx方向に延伸した主方向部位とy方向に延伸した分岐部位とy方向に延伸した前記中央部電極とy方向に延伸した端部電極とからなり、なおかつ前記主方向部位は前記分岐部位と前記中央部電極と前記端部電極に接続し、なおかつ前記主方向部位が前記第2導電層で構成され、なおかつ前記分岐部位と前記中央部電極と前記端部電極とが少なくとも前記第1導電層を含む層で構成されている第4の発明の液晶レンズ素子である。
【0039】
本発明について図14図15を用いて説明する。図14では、上基板1上の第1導電層と第2導電層からなるA電極構造4が示されている。第1導電層のシート抵抗は第2導電層のシート抵抗より低いとする。A電極構造4は、主方向部位15と分岐部位14と中央部電極13と端部電極30から構成される。主方向部位15は図14の左右方向に延伸しており、これと直交した方向に分岐部位14、中央部電極13、端部電極30が延伸している。図14に示すように主方向部位15と、分岐部位14、中央部電極13、端部電極30の各々は基板面内で重複した部分を有することで接続部を有している。主方向部位15は相対的にシート抵抗の高い第2導電層から構成されている。一方、分岐部位14、中央部電極13、端部電極30は図14に示すように第1導電層から構成されている。あるいは図15の分岐部位14、中央部電極13、端部電極30で示したように第1電極層及び第2電極層から構成することができる。
【0040】
図14および図15では図示されていないが、中央部電極13及び端部電極30は繰り返し領域の外まで延伸され、外部電源と結線されて電位が設定される。図14及び図15の左右端の端部電極30を互いに短絡して同一電位に、中央部電極13をこれとは異なる電位に設定する。中央部電極13はA電極構造4の中央部に位置しているため、図14及び図15の主方向部位15に沿った電位分布は中央部電極13を対称軸として対称な形状となる。また、分岐部位14は主方向部位15に直交する方向に延伸しており、相対的にシート抵抗の低い第1導電層で形成されている。このため、A電極構造4内の電位は、主方向部位15に沿って変化し、分岐部位14に沿って変化しにくい分布となっている。等電位線はほぼ分岐部位14方向に平行な形状となる。
【0041】
以上のように、中央部電極13によりA電極構造4の中央部の電位を決定することができる。主方向部位15に平行に液晶を配向させた場合、電位勾配方向と平行になる。この際、既に図2に述べたようにプレチルト角の効果のため、電位勾配方向に沿って非対称な配向状態となりやすい。しかし、本発明においては、中心部電極13が配置されているため、A電極構造4の中央部の電位が確定し、対称な配向状態が得られる。
【0042】
第6の本発明は、少なくとも表示パネル、偏光板、前記液晶レンズ素子の順序からなる積層体を含み、前記液晶レンズ素子が請求項1から5記載のいずれかであることから構成される表示装置である。
【0043】
以上の第1から第5の液晶レンズ素子を、表示パネル、偏光板、液晶レンズ素子の順序で積層して、縦置き立体表示、横置き立体表示、2次元平面表示ができる表示装置を得ることは、従来技術と同様である。
【0044】
第7の本発明は、第6の発明の表示装置を搭載した端末機から構成される。
【0045】
また、以上の表示装置を端末機に搭載して端末機を得ることは周知の通りである。とくに、縦置き及び横置き表示を自由に変えることができる端末機には好適である。図28にこの端末機の斜視図を示す。
【発明の効果】
【0046】
以上の本発明を用いることにより、以下の効果を得ることができる。
【0047】
既に説明したように2次元表示、縦置き立体表示、横置き立体表示の切り替え表示が可能である。また、縦置き立体表示時あるいは横置き立体表示時に同等のシリンドリカルレンズ性能を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】第1の本発明の液晶レンズ素子の構造を説明するための図である。
図2】第1の本発明の液晶レンズ素子の液晶配向動作を説明するための図である。
図3】第1の本発明の液晶レンズ素子の液晶層に印加される電位分布を説明するための図である。
図4】第1の本発明の液晶レンズ素子の液晶層に印加される電位分布を説明するための図である。
図5】第2の本発明のA電極構造を説明するための図である。
図6】第2の本発明の液晶レンズ素子の構造を説明するための図である。
図7】第2の本発明の液晶レンズ素子の駆動方法を説明するための図である。
図8】第3の本発明のA電極構造を説明するための図である。
図9】第3の本発明のA電極構造を説明するための図である。
図10】第3の本発明の液晶レンズ素子の構造を説明するための図である。
図11】第3の本発明の液晶レンズ素子の駆動方法を説明するための図である。
図12】第4の本発明の液晶レンズ素子の電極配置を説明するための図である。
図13】第4の本発明の液晶レンズ素子の液晶配向動作を説明するための図である。
図14】第5の本発明のA電極構造を説明するための図である。
図15】第5の本発明のA電極構造を説明するための図である。
図16】第1の実施の形態を説明するための構成図である。
図17】第1の実施の形態の液晶表示パネルの構造を説明するための図である。
図18】第1の実施の形態の液晶レンズ素子の電極配置を説明するための図である。
図19】第2の実施の形態の液晶レンズ素子の電極配置を説明するための図である。
図20】第3の実施の形態の液晶レンズ素子の電極配置の一例を説明するための図である。
図21】第3の実施の形態の液晶レンズの電極配置の一例を説明するための図である。
図22】第4の実施の形態を説明するための構成図である。
図23】従来技術のレンズアレイ素子の構成を説明するための断面図である。
図24】従来技術のレンズアレイ素子の構成を説明するための斜視図である。
図25】従来技術のレンズアレイ素子の駆動方法を説明するための図である。
図26】従来技術のレンズアレイ素子の課題を説明するための図である。
図27】従来技術のレンズアレイ素子の課題を説明するための図である。
図28】第7の本発明の端末機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
【0050】
図16を用いて本発明の第1の実施形態を説明する。本実施形態においては、表示パネルとして液晶表示パネル16を用いる。液晶表示パネル16の上に偏光板17、液晶レンズ素子18を配置する。図16に偏光板透過軸19が同時に示されている。一方、液晶レンズ素子18は、上基板1、液晶層(図示せず)、下基板2からなる。液晶配向方向20も、図16に同時に示されている。
【0051】
図17には、図16の液晶表示パネル16の構成が示されている。液晶表示パネル16は偏光板17とTFT(Thin Film Transistor)基板32と液晶層(図示せず)とカラーフィルタ基板33から構成されている。図17の偏光板透過軸19はY方向に一致するように配置されている。一方、液晶層の配向方向も偏光板透過軸方向と一致するようにラビング方向34が決められている。本実施形態では、TFT基板32とカラーフィルタ基板33の両ラビング方向が平行になるように基板が対向配置されている。TFT基板32上の各画素区画内には走査線と信号線に結線されたTFT素子と櫛歯形状の画素電極及び共通電極が配置されている。これらの配置及び製法は広く知られたものを用いることができる。
【0052】
液晶レンズ素子18の構成について以下で説明する。液晶レンズ素子18は図16に示したように上基板1と下基板2とその間の液晶層からなる。上基板1及び下基板2に設けられた電極配置について、図18を用いて説明する。上基板1上の電極配置は下基板2上の電極配置と同じものを用いることができる。ただし、両基板を対向させる際、一方を90°回転させる必要がある。両基板上に相対的に抵抗が低い物質からなる第1導電層と、相対的に抵抗が高い物質からなる第2導電層とが形成され、パターン化されている。図18に電極表面を上にしたときの上基板1上の電極配置が示されている。各電極は電位勾配方向を決める主方向部位15、分岐部位14、中央部電極13、端部電極30からなり、7つの接続点(A1〜A7)で接続されている。主方向部位15は第2導電層からなり、接続点A4で中央部電極13に接続され、外部端子21と結線している。さらに、主方向部位15は接続点A1でより低抵抗の第1導電層に接続されて一方の外部端子21に接続される。また、主方向部位15は、接続点A7で同様に第1導電層に接続されて他方の外部端子21に接続される。以上のようにして、主方向部位15の中央部と両端に外部電圧が供給される。図18では、単位となる液晶レンズ一本分の幅について記載されている。すなわち、A1からA7までがレンズ1本相当幅となる。また、分岐部位14は、主方向部位15から直交した方向に延伸した形状をしており、第1導電層及び第2導電層の積層から形成されている。これにより、縦方向に均一な電位を供給し、縦方向に延伸したレンズを実現することができる。
【0053】
第1導電層として、シート抵抗が相対的に小さなITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電薄膜を用いることができる。一方、よりシート抵抗が相対的に大きな第2導電層として、透明な酸化亜鉛薄膜などを用いることができる。これら透明導電層はスパッタや蒸着などの成膜工程で得られることができる。また、通常のフォトリソグラフィー工程を用いてパターン加工可能である。
【0054】
以上の電極加工の後、2枚の基板上に配向膜を形成し、配向処理を行い、互いの主方向部位15が直交するように対向させる。以上の作成方法は、広く知られた液晶セルの組立工程を用いることができる。
【0055】
以上、図16の構成である液晶表示パネル16、液晶レンズ素子18について説明した。次に、本実施形態の表示動作について説明する。2D表示においては、液晶レンズ素子18の上下基板1、2の外部端子21にはすべて0Vが印加される。
【0056】
一方、縦置き3D表示においては、上基板1の両外部端子21間に0Vでない電圧が印加され、下基板2の両外部端子21は0Vに設定される。上基板1の外部端子21間に印加する電圧波形は、サイン波や矩形波でよい。この電圧波形の周波数や振幅を調整して、位相変調機能が最も適したものを選ぶことができる。特に、光学的位相差が二次関数状に変化するものが収差の少ないレンズに好適として知られている。光学的位相差を所望の関数系に合わせるように調整する方法に関しては、液晶レンズを構成する導電膜の導電率や誘電膜の誘電率を調整してできることが、例えば特開2011−17742号公報や2010年日本液晶学会討論会発表PA52(佐藤進、内田勝、河村希典、「誘電率分布層を有する液晶光学デバイス」)や2011年日本液晶学会討論会発表PB49(佐藤進、内田勝、河村希典、「インピーダンス分布層を有する液晶光学デバイスの駆動周波数特性」)などに述べられている。この結果、図16の縦方向に延伸した収差の少ないシリンドリカルレンズが液晶層中に形成される。前記シリンドリカルレンズに対応させて、液晶表示パネル16上に左目用画素、右目用画素を用意することにより、縦置き3D表示を行わせることができる。
【0057】
他方、横置き3D表示においては、下基板2の両外部端子21間に0Vでない電圧が印加され、上基板1の両外部端子21は0Vに設定される。この結果、図16の横方向に延伸したシリンドリカルレンズが液晶層中に形成される。このシリンドリカルレンズに対応させて、同様に液晶表示パネル16上に左目用画素、右目用画素を用意することにより、横置き3D表示を行わせることができる。
【0058】
以上のようにして、2D表示、縦置き3D表示、横置き3D表示を行うことができる。
[第2の実施の形態]
【0059】
第2の実施の形態について図19を用いて説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態とは液晶レンズ素子中の主方向部位15と接続点の配置が異なるだけである。図19に本実施の形態の構造を示す。図19では電極表面を上にしたときの上基板上の電極配置が示されている。図19(a)、(b)は、図18とは異なり主方向部位15を単位シリンドリカルレンズに対して複数箇所設けたものである。あるいは、図19(c)に示すように、単一の主方向部位15を中心位置からずらして配置することも可能である。
【0060】
以上のように、主方向部位15は電圧勾配方向を決めるためのものであり、方向が一致すれば、複数箇所に設けることも可能である。また、平行移動してずらして配置することも可能である。なお、以上の基板を用いた液晶レンズ素子の製造工程は、第1の実施の形態でも述べたように広く知られて液晶セルの組立工程を用いることができる。
[第3の実施の形態]
【0061】
第3の実施の形態について図20及び図21を用いて説明する。図20及び図21は電極表面を上にしたときの上基板上の電極配置が示されている。本実施の形態は、第1の実施の形態と比較して液晶レンズ素子中の分岐部位14の構成が異なるだけである。図20に本実施の形態の構造を示す。図20(a)では、分岐部位14は第1導電層からのみ構成されている。さらに、図20(b)では、分岐部位14は第1導電層単体から構成されている部分と第2導電層単体から構成されている部分からなっている。あるいは、図21(a)、(b)、(c)に示すように、第1導電層と第2導電層の積層構造を分岐部位14に導入することも可能である。
【0062】
分岐部位14は、主方向部位15の延伸方向と直交する方向に等電位部分を広げるものである。すなわち、図20では左右方向に主方向部位15が延伸しており、上下方向に分岐部位14が延伸している。このため、等電位線は縦方向に伸びた形状となる。以上のように、分岐部位14は延伸方向が一致していれば、複数箇所に設けることが可能である。また、分岐部位14の構造に変化をもたせることにより、任意の電位分布を得ることが可能である。これにより、偏光の位相速度を調整し、レンズ動作時の位相変調を細かく調整することが可能である。また、レンズ収差の補正を行うことができる。
[第4の実施の形態]
【0063】
第4の実施の形態について図22を用いて説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態と比較して液晶レンズ素子18の構成が異なる。液晶レンズ素子18の構成は図6に示したものと同じものである。以下では、本液晶レンズ素子の作成方法について説明する。上下基板1、2であるガラス基板上にスパッタ成膜で形成されたITOなどの透明導電膜で第1導電層7が形成され、パターン加工される。この際に、開口部6が形成される。この後、スパッタ成膜などで酸化シリコンなどの絶縁膜が形成される。この後、再びITOなどの透明導電膜が形成され、パターン加工されて、ストライプ形状の第2導電層9が形成される。以上の基板を2枚用意する。この後、配向膜形成、配向処理などの周知の液晶セル製造工程を経て、前記2枚の基板を両基板上の第2導電層のストライプ方向が直交するように対向させる。この後、液晶を注入する。
【0064】
以上の液晶レンズ素子18は図22に示すように上下基板各々に外部端子21を2つずつ有する。縦シリンドリカルレンズ動作や横シリンドリカルレンズ動作をさせる際の電圧印加方法は、図7と同一である。以上のように、同様に2次元表示、縦置き3D表示、横置き3D表示を行うことが可能である。
[第5の実施の形態]
【0065】
第5の実施の形態を説明する。本実施の形態では、第4の実施の形態と液晶レンズ素子の構成が異なり、図8の構成を有している。図8の製造方法について説明する。第1導電層7、第1絶縁層10、第2導電層9までの加工は、既に第4の実施の形態で説明した。これに加え、本実施の形態では第2絶縁層11、抵抗膜12を設ける。抵抗膜12は、第1導電層7(あるいは第2導電層9)と第2絶縁層11の中間のシート抵抗を持つ材料で構成されている。抵抗膜12として透明なものが望ましく、なおかつ抵抗値を制御可能なものが望まれる。以上のような抵抗膜12として、すでに説明した酸化亜鉛薄膜などを挙げることができる。
【0066】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や製造方法は任意である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、液晶レンズ素子を備える表示装置並びに当該表示装置を搭載した端末機に利用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 上基板
2 下基板
3 液晶層
4 A電極構造
5 B電極構造
6 開口部
7 第1導電層
8 絶縁層
9 第2導電層
10 第1絶縁層
11 第2絶縁層
12 抵抗膜
13 中央部電極
14 分岐部位
15 主方向部位
16 液晶表示パネル
17 偏光板
18 液晶レンズ素子
19 偏光板透過軸
20 液晶配向方向
21 外部端子
22 第1の電極群
23 第2の電極群
24 レンズアレイ素子
25 表示パネル
26 電極(幅Sx)
27 電極(幅Lx)
28 電極(幅Ly)
29 電極(幅Sy)
30 端部電極
31 プレチルト角
32 TFT基板
33 カラーフィルタ基板
34 ラビング方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図26
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図28