(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記分離シール部と前記非分離シール部とを接続する左右一対の連結環状シール部の一部と、内容物を外部に案内するべく前記分離シール部から径方向外側に延びた流出路との間に、前記流出路を挟んで互いに対向する一対の補助非分離シール部が設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器。
前記環状シール部は、前記環状シール部の形状に対応した形状の環状突起を先端に備えたシールバーによって、前記蓋体を前記フランジ面に押付けることによって、前記フランジ面の厚さ方向に食い込んだ溝状に形成されており、前記分離シール部は径方向内側が径方向外側よりも曲率半径の小さなシール力不均等溝を備えている請求項1から5のいずれか一項に記載の容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記された容器では、特に内圧上昇速度が大きいと、剥離誘導部の存在に関わらず、蓋体の開封される規模や位置が変動し易いため、内容物が勢いよく排出され過ぎる、或いは、排出される内容物が向かう方向を予測し難いという傾向があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上に例示した従来技術が与える課題に鑑み、内圧上昇速度が大きくなっても、蓋体の開封される幅や位置が一定に保たれ易く、その結果、内容物が勢いよく排出され過ぎ難く、また、排出される内容物が向かう方向を予測し易い容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による容器の特徴構成は、
内容物を収納した容器本体と同容器本体の開口部を閉じる蓋体とが、前記開口部のフランジ面に沿って形成された環状シール部によって封止されている容器であって、前記環状シール部の所定箇所に、外力に基づく前記容器本体の変形による前記容器本体内の内圧上昇によって分離される分離シール部が設けられており、前記分離シール部を左右両側から挟む位置
であって、前記環状シール部内に、周方向に沿って複数の環状シール部が延びた非分離シール部が設けられている点にある。
【0008】
上記の特徴構成に含まれる非分離シール部は、
分離シール部を左右両側から挟む位置であって、環状シール部内に、周方向に沿って複数の環状シール部が延びているので、他の単数で延びた環状シール部よりも十分に高い接合力で封止されている。したがって、本構成であれば、容器本体の内圧が上昇すると、分離シール部が先行して分離されるが、もしも内圧が想定外の高い速度で上昇した場合でも、分離シール部での分離、開封が非分離シール部には及ばず、非分離シール部は確実に封止された状態が維持される。その結果、排出される内容物の流路の幅が分離シール部のみに抑えられるので、内容物が排出される勢いが程よく制御され、また、排出される内容物が向かう方向を予測し易くなる。また、容器を他の補助容器の内部にセットした状態で開封する使い方の場合、補助容器の内面で内容物が流れる領域が限られるという点でも好都合である。
【0009】
本発明の他の特徴構成は、前記分離シール部の前記環状シール部が、前記開口部の径方向内側に向かって突出した逆向き環状シール部を備えている点にある。
【0010】
本構成であれば、容器本体内の内圧上昇によって分離シール部が分離される際、開口部の径方向内側に向かって突出した逆向き環状シール部が、環状シール部の他の部位に先行して分離されることになる。したがって、使用者は内容物が開口部のどの部位から排出されるかを高い精度で事前に知ることができ、その結果、最終的に容器内に残留する内容物の量も十分に少なくできる。また、本構成では、逆向き環状シール部の分離によって一定幅の開口ができることで、安定して内容物を排出できる。
【0011】
本発明の他の特徴構成は前記逆向き環状シール部の径方向外側の両端どうしを連結する補助分離シール部が設けられている点にある。
【0012】
本構成であれば、容器本体内の内圧によってではなく、輸送や貯蔵などの流通時などに容器に外側から加えられる応力によって、環状シール部の特に逆向き環状シール部付近が不用意に分離されてしまう不都合な現象が、逆向き環状シール部の径方向外側の両端どうしを連結する補助分離シール部の設置によって効果的に抑制される。尚、容器本体内の内圧によって逆向き環状シール部が分離された場合は、補助分離シール部は比較的容易に分離される。この要因の一つは、同内圧の作用によって、補助分離シール部の左右両端側から中央に向けて蓋体がフランジ面から連続的に引き離される現象と関連すると推測される。
【0013】
本発明の他の特徴構成は、前記分離シール部と前記非分離シール部とを接続する左右一対の連結環状シール部の一部と、内容物を外部に案内するべく前記分離シール部から径方向外側に延びた流出路との間に、前記流出路を挟んで互いに対向する一対の補助非分離シール部が設けられている点にある。
【0014】
本構成であれば、逆向き環状シール部での分離は、非分離シール部に及ばないだけでなく、補助非分離シール部にも及ばず、補助非分離シール部においても封止された状態が維持される。その結果、排出される内容物の流路の幅が更に小さく抑えられて好都合である。
【0015】
本発明の他の特徴構成は、前記容器本体の前記フランジ面の前記流出路に相当する箇所に前記容器本体の底部寄りに窪んだ流出溝が形成されている点にある。
【0016】
本構成であれば、逆向き環状シール部を発端として環状シール部の一部が開封された際に、蓋体と流出溝との間に、上下方向に比較的十分な厚さのある流出路が形成される。その結果、排出される内容物の流路が幅方向に広がり難くなり、比較的定まった地点に落下し易くなる。
【0017】
本発明の他の特徴構成は、前記環状シール部は、前記環状シール部の形状に対応した形状の環状突起を先端に備えたシールバーによって、前記蓋体を前記フランジ面に押付けることによって、前記フランジ面の厚さ方向に食い込んだ溝状に形成されており、前記分離シール部は径方向内側が径方向外側よりも曲率半径の小さなシール力不均等溝を備えている点にある。
【0018】
本構成であれば、分離シール部の径方向内側に位置する部位は、他の環状シール部に比べて比較的小さな内部圧力で剥離が開始されることになるため、分離シール部がより確実に剥離開始点として確実に機能することになる。他方、分離シール部の径方向外側に位置する部位は、他の環状シール部と同等の角度で底面向きに窪む一般的な断面形状を備えているので、流通時などに外部からの応力で蓋体が開封されてしまう不都合な現象が防止されている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
(ポーション容器の概略構成)
図1は本発明に係る容器の一例としてのポーション容器の一例を示しており、この
図1のポーション容器1は、液体状などの内容物Cを収納した有底で樹脂製の容器本体2と、同容器本体2の開口部を密閉状に閉じる樹脂製の蓋体9とを備え、容器本体2の少なくとも一部は外力によって容易に変形されるように構成されている。
【0021】
容器本体2と蓋体9とは、容器本体2の開口部から径方向外側に延出されたフランジ5のフランジ面5Aに沿って環状に形成された環状シール部6によって封止されているが、容器本体2の底面3などへの押し圧力によって、容器本体2の内容積が縮小するように容器本体2の一部が変形して、容器本体2内の圧力が臨界値に達すると、環状シール部6の一部で蓋体9がフランジ面5Aから剥離(分離の一例)することで開封が行われる。
【0022】
尚、容器本体2に内容物Cと共に空気が存在する場合でも、ポーション容器1を蓋体9が下方となる反転姿勢とした状態で開封が行われれば、空気ではなく内容物Cが先行して排出される。
【0023】
環状シール部6の所定箇所には、環状シール部6内の他の箇所よりも容器本体2の内圧上昇によって剥離され易い分離シール部6Sが設けられている。したがって、容器本体2内の内圧上昇によってフランジ面5Aから剥離する蓋体9の位置は必ずこの分離シール部6Sとなるため、使用者は排出される内容物Cが向かう方向を予測し易くなる。
【0024】
図1及び
図4に示すように、容器本体2のフランジ5の一部には、径方向内側に窪んだ被係合凹部5B(被係合凹部5Bは平面視でのフランジ5の外形に窪みとして表出する)が形成されており、この被係合凹部5Bに対応するフランジ面5Aの領域には、底面3に向かって窪んだ平面視で概して矩形の流出溝5D(流出溝5Dは正面視でのフランジ5の外形に窪みとして表出する)が形成されている。この流出溝5Dは、分離シール部6Sが剥離した際に内容物Cが流出する流出路を構成している。分離シール部6Sは平面視においてこれら被係合凹部5B及び流出溝5Dに対応した角度位置に配置されている。
【0025】
(希釈用ボトルの構成)
図2は、上記のポーション容器1と組み合わせて用いることで、ポーション容器1から排出された内容物Cを他の液体Lなどと容易に混合することの可能なボトル10の一例と、ボトル10にセットされたポーション容器1とを示している。
【0026】
図2のボトル10は、ポーション容器1と比べて大きな内容量を持つ有底のボトル本体11と、ボトル本体11の上部に設けられた開封支持体12と、開封支持体12の内面に沿って上下に移動自在に支持された加圧部材20とを有する。
【0027】
開封支持体12は、ボトル本体11の内部と連通した内部を有する円筒部12Aと、円筒部12Aの上下の中間位置から径方向外側に延出された円板状のフランジ部12Bとを備えている。開封支持体12は、フランジ部12Bよりも下方の円筒部12Aの外周に形成された雄ネジ12Sを介して、ボトル本体11の開口部の内面に形成された雌ネジ部11Sに螺合されている。
【0028】
円筒部12Aの内側には、ポーション容器1を蓋体9が下方を向いた姿勢で支持させるための容器支持部13が設けられている。
容器支持部13は、円筒部12Aの上方内部空間とボトル本体11の内部空間とを連通させるべく上下に延びた開口部14に向かって次第に低くなる傾斜面13Aを備えている。
【0029】
加圧部材20は、開封支持体12の円筒部12Aの内面に対して摺動自在に設けられたピストン体21と、ピストン体21の上面から上方に延出された棒状の支持軸22と、支持軸22の上端に取り付けられた概して円板状の操作片23とを有する。
【0030】
ポーション容器1を容器支持部13の傾斜面13Aに載置した状態で、使用者が操作片23を介して加圧部材20を下方に押し下げていくと、
図5に例示するように、容器本体2の変形によって容器本体2内の圧力が臨界値に達し、分離シール部6S付近で蓋体9がフランジ面5Aから剥離しようとするが、ポーション容器1の分離シール部6Sは開口部14と上方から対向した状態が得られているので、蓋体9は傾斜面13Aなどによって阻害されることなく自由に剥離し、円滑な開封が行われる。
【0031】
加圧部材20を更に押し下げていくと、
図5の(d)に例示するように、主に容器本体2の側壁部4が上下方向に収縮した形状に変形することで、内容物Cの大半がボトル本体11の内部に排出される。
【0032】
(側壁部の詳細な構成)
図4に示すように、容器本体2の側壁部4は、底面3に向かって次第に縮径化される筒状体によって構成されており、フランジ5の裏面から底面3に向かって延出した基端部4Aと、底面3からフランジ5に向かって延出された先端部4Cと、これら基端部4Aと先端部4Cとを接続する中間部4Bとを備える。
【0033】
中間部4Bは基端部4A及び先端部4Cよりも壁面の肉厚を薄く成形することで、基端部4A及び先端部4Cよりも外力によって変形し易くなっている。尚、成形後に基端部4A及び先端部4Cのみにリブを形成する、或いは、中間部4Bにのみ折り目を形成するなどの他の手法によって中間部4Bを他の二箇所4A,4Cよりも変形し易くしてもよい。
【0034】
したがって、前述したように操作片23を介して加圧部材20を下方に押し下げていくと、側壁部4のうちで薄い中間部4Bが主体的に座屈する形態で容器本体2の変形が進められる。
【0035】
図5には、側壁部4が未だ変形を受けていない初期の(a)から、中間部4Bの大半が基端部4Aと先端部4Cの間に入り込むまで側壁部4が十分に変形した(d)まで、4つの状態が変形の進行に従って並べられている。
【0036】
この実施形態では、特に、
図5の(a)に例示するように、基端部4Aと中間部4Bの境界付近、及び、中間部4Bと先端部4Cとの境界付近には径方向に延びた微細な段差が設けられている。これらの段差の箇所では、中間部4Bが基端部4Aよりも小径となり、先端部4Cが中間部4Bよりも小径となっている。
【0037】
したがって、側壁部4が座屈変形して上下方向に縮小される際には、
図5の(d)に例示されるように、中間部4Bの一部が基端部4Aの径方向内側に進入し、先端部4Cが中間部4Bの径方向内側に進入する形態の変形が行われる。
【0038】
また、この実施形態では、
図5の(a)などに例示するように、側壁部4の周方向の一部には、蓋体9を下方にした容器本体2の姿勢における中間部4Bの端部(
図5では中間部4Bの下端)付近から、概して底面3側に向かって、次第に周方向の左右一方(
図5では左)に変位しながら次第に幅狭となり、中間部4Bと先端部4Cの境界付近に上方終端16Pを有する傾斜凹部16が設けられている。
【0039】
図4及び
図5に示すように、基端部4Aにおける被係合凹部5Bの径方向内側の箇所には、フランジ面5Aの裏面から底面3に向かって概して軸芯Xに沿って直線状に延びた基端凹部15が設けられている。基端凹部15は平面視において径方向内側に突出した円弧状に窪んでおり、傾斜凹部16はこの基端凹部15の端部(
図5では基端凹部15の上端)から底面3に向かって連続的に延びている。
【0040】
そこで、加圧部材20などによって側壁部4に上下方向の応力が加えられると、傾斜凹部16の上方終端16P付近に応力または歪みが集中するため、
図5の(b)に例示するように、同上方終端16P付近から側壁部4の座屈変形が開始される。
【0041】
図5の2番目の(b)は、傾斜凹部16の上方終端16P付近に対応する箇所で側壁部4の座屈変形が開始された状況を示しており、更に上下方向の応力が加えられると、中間部4Bの一部が径方向内側に折れ曲がり、基端部4Aの径方向内側に進入した
図5の3番目の(c)の状態が得られる。
【0042】
次に、
図5の(c)の状態から更に上下方向の応力が加えられると、基端部4Aの径方向内側で下方に突出した中間部4Bの折れ曲がり箇所が、中間部4Bの中で次第に底面3側に移動しながら、同時にフランジ5に近付き、中間部4Bの大半が基端部4Aと先端部4Cの間に入り込むまで側壁部4が十分に変形した
図5の4番目の(d)の状態に達する。
【0043】
この間、遅くとも3番目の
図5の(c)の状態では、
図7の(d)に例示するように、分離シール部6Sのみにおいて蓋体9がフランジ5Aから剥離して、開封が行われ、流出溝5Dと蓋体9の間から内容物Cが排出され始める。このとき、流出溝5Dと剥離した蓋体9の裏面との間には、
図5及び
図7に示すように、径方向に沿って延びる筒状の流出案内空間FSが形成されるので、内容物Cはこの筒状の流出案内空間によって案内された安定した形で排出される。
【0044】
尚、側壁部4の中間部4Bには、例えば搬送時の衝撃などで変形しないよう、肉厚の薄い箇所の強度を高める目的で、軸芯Xに対して同じ方向に傾斜した複数の細い線状凹部8が概して等間隔でリブ状に形成されている。
【0045】
(環状シール部の詳細な構成)
図1及び
図6に示すように、容器本体2と蓋体9とを封止している環状シール部6は、全周に亘って、フランジ面5Aの幅の全体が面状に溶着された形態ではなく、フランジ面5Aの幅の一部を占めるライン状に溶着された形態を呈している。
【0046】
より具体的には、環状シール部6は、
図6に示すように、被係合凹部5Bの径方向内側の位置で三角形の第1島状部7Aを含む三角形状に設けられた三角シール部6Tと、フランジ面5Aの被係合凹部5Bを除く部位において径方向外側に突出する環状または直線状に形成された最も長い一般シール部6Gと、一般シール部6Gの両端から被係合凹部5B寄りに第2島状部7Bを含むように設けられた左右一対の非分離シール部6Dと、三角シール部6Tと非分離シール部6Dとを接続する左右一対の連結環状シール部6Cとを有する。
尚、本明細書において島状部とは、蓋体9がフランジ面5Aに対して意図的に部分的に溶着されずに、周囲の溶着された部位の内部に島状に残された部位を指す。
【0047】
また、環状シール部6は、非分離シール部6Dと連結環状シール部6Cとの境界付近から流出溝5Dを挟んで互いに対向するように延出された左右一対の補助非分離シール部6Eを有する。
【0048】
1つだけ設けられた三角シール部6Tと2つある非分離シール部6Dとは、内部に第1島状部7Aや第2島状部7Bを含む環状を呈することで、環状シール部6が作る全体的な一次環状部の一部に二次環状部が含まれた形態とされている。ここで、一次環状部とは容器本体2の開口部全体を取り囲むように延びた単一の大きなシール部を指し、二次環状部とは第1島状部7Aや第2島状部7Bを取り囲むように延びた小さなシール部を指す。
【0049】
この実施形態では、主に三角シール部6Tが、環状シール部6内の他の箇所よりも容器本体2の内圧上昇によって剥離され易い分離シール部6Sを構成している。
三角シール部6Tは、フランジ面5Aにおける被係合凹部5Bの径方向内側に相当する領域に沿って設けられており、全体として環状シール部6の径方向内側に向かって突出した左右対称な二等辺三角形状を呈している。
【0050】
三角シール部6Tの中で、この二等辺三角形の径方向内側に位置する2辺は、一般シール部6Gとは逆に、平面視において開口部の径方向内側に向かって突出するように湾曲した逆向き環状シール部6Aとされている。
他方、二等辺三角形の径方向外側の底辺に相当する1辺は、逆向き環状シール部6Aの両端を連結するように直線状に延びた補助分離シール部6Bとされている。
【0051】
その径方向内側に向かって突出するように湾曲しているという形状的な特徴の結果、容器本体2の変形によって内圧が上昇する際には、逆向き環状シール部6Aの径方向内側を向いた先端P1(
図6及び
図7を参照)が、環状シール部6の中で容器本体2内の内圧が最も集中する箇所となり、逆向き環状シール部6Aは同内圧によって蓋体9の剥離が開始される剥離開始部の役割を果たす。
【0052】
図7は、蓋体9の剥離または環状シール部6の分離が未だ開始されていない初期の(a)から、容器本体2の内圧Fによって分離シール部6Sでの蓋体9の剥離が完了した状態を示す(d)まで、4つの図が剥離(分離)の進行に従って並べられている。
【0053】
図7の2番目の(b)は、逆向き環状シール部6Aの先端P1で蓋体9の剥離が開始された状態を示し、3番目の(c)は、逆向き環状シール部6Aの全体に亘って蓋体9の剥離が進んでいるが、未だ直線状の補助分離シール部6Bでは剥離が生じていない状態を示している。
【0054】
3番目の(c)に示すように、逆向き環状シール部6Aの剥離後は、補助分離シール部6Bが容器本体2内の内圧Fが最も集中する箇所となるため、内圧によって補助分離シール部6Bでの蓋体9の剥離が進み始める。
【0055】
補助分離シール部6Bにおける蓋体9の剥離が進行した結果、4番目の(d)に示すように、補助分離シール部6Bの一部が少しでも分離すれば、環状シール部6の部分的な分離が達成され、容器本体2からの内容物Cの排出が開始される。
【0056】
最終的に、
図7の4番目の(d)に示すように、直線状の補助分離シール部6Bの全長に亘って蓋体9の剥離が行われた状態で、言い換えれば、概して分離シール部6Sを構成する三角シール部6Tの領域のみで剥離、開封が行われた段階で、環状シール部6の分離は完了するが、内容物Cの概して全量を適度な速度で排出するために必要なだけの流出路は確保される。
【0057】
ところで、
図8に例示するように、環状シール部6は、環状シール部6の形状に対応した形状の環状突起31を下端に備えた高温のシールバー30によって、蓋体9を容器本体2のフランジ面5Aに所定時間(例えば1〜数秒間)に亘って押付けることによってシールされている。
【0058】
そのために、ラミネートフィルムからなる蓋体9を構成する複数層の中で、フランジ面5Aに接する最下層には、シールバー30の熱と圧力によって一時的に軟化してフランジ面5Aに熱融着する作用を備えたポリオレフィン系の樹脂を含むヒートシール層(不図示)が設けられている。
【0059】
シールバー30の押付けによって、シールバー30の下端に設けられた環状突起31に対応した箇所で蓋体9がヒートシール層によってフランジ面5Aに溶着され、同時に、環状突起31に対応した溝状の凹部がフランジ面5Aに形成される。
【0060】
本発明に係る研究成果の一つとして、環状シール部6の溝状の断面形状の中では、溝の縁部(溝の両側の僅かに盛り上がった部位)が最も大きな接合力を示すという知見が得られた。したがって、より大きな接合力を得るためには、単に接着面積を増加させたり、シールバー30によって形成される溝の幅寸法を増加させたりするよりも、溝の数を増やすほうが効果的であることが判明した。
【0061】
また、環状突起31の断面形状は環状シール部6の接合力を制御する大きな要素であるが、
図9に示すように、一般シール部6Gを含めて環状シール部6の大半を形成するために設けられた環状突起31については、径方向内側の部位と径方向外側の部位とが同等の形状を備えた、すなわち左右対称の断面形状とされている。
【0062】
他方、逆向き環状シール部6Aを形成するために設けられた環状突起31Aについては、径方向外側の部位(
図9のQ2)は、他の補助分離シール部6Bを形成するために設けられた環状突起31Bと同等の曲率半径を備えるが、径方向内側の部位(
図9のQ1)には、径方向外側の部位(Q2)よりも小さな曲率半径が採用されることで、左右非対称の特殊な断面形状とされている。
【0063】
したがって、
図9の下方に示すように、環状突起31Aによってシールされた逆向き環状シール部6Aの断面は、径方向内側の部位が、径方向外側の部位に比べて急な角度で底面3向きに窪む特殊な形状となる。すなわち、シールバー30によって形成された逆向き環状シール部6Aの溝は、径方向内側からの剥離力に対する抵抗力が、径方向外側からの剥離力に対する抵抗力を明確に下回るシール力不均等溝となる。その結果、逆向き環状シール部6Aの径方向内側に位置する部位は、環状シール部6の他の部位に比べて比較的小さな内圧Fで剥離が開始されることになるため、前述した先端P1が剥離開始点として確実に機能することになる。
【0064】
他方、逆向き環状シール部6Aの径方向外側に位置する部位(P2)は、補助分離シール部6Bなどと同等の角度で底面3向きに窪む一般的な断面形状を備えているので、流通時などに外部からの応力で蓋体9が開封されてしまう不都合な現象が防止されている。
【0065】
次に、左右一対の非分離シール部6Dは、
図7に示すように、流出溝5Dの周方向外側に配置されており、2本の環状シール部が、平面視で流線型を呈する第2島状部7Bを囲むように、周方向に沿って延びた形態を示す。このように非分離シール部6Dでは、第2島状部7Bを囲む2本の環状シール部を設けていることで、前述した溝の縁部の数が倍増するため、1本の環状シール部からなる一般シール部6Gを大きく上回る接合力で蓋体9が封止されている。また、非分離シール部6Dをシールするための環状突起31Aの部位は、補助分離シール部6Bなどと同等の曲率半径を備えた左右対称の一般的な断面形状とされている。その結果、もしも容器本体2の内圧上昇速度が一般的に想定されている範囲を超えた場合でも、分離シール部6Sで開始された分離が非分離シール部6Dにまで及ぶ虞は少ない。
【0066】
三角シール部6Tと非分離シール部6Dとの間は、左右一対の各1本の連結環状シール部6Cによって接続されており、非分離シール部6Dと連結環状シール部6Cとの境界付近からは、左右一対の補助非分離シール部6Eが、流出溝5Dを挟んで互いに対向するように、流出溝5Dの直ぐ手前まで延出されている。連結環状シール部6C及び補助非分離シール部6Eについても、補助分離シール部6Bなどと同等の曲率半径を備えた左右対称の一般的な断面形状とされている。
【0067】
図7の最後に付した(d)に例示するように、左右一対の補助非分離シール部6Eもまた非分離シール部6Dと同様に分離されることはなく、補助非分離シール部6Eは、蓋体9の剥離によって形成される流出路の幅を所定の予定値(三角シール部6Tの幅すなわち補助分離シール部6Bの長さと一致する)以下に制限する機能を果たしている。
【0068】
〔別実施形態〕
〈1〉流通時などの外力の影響を考慮する必要性が低い場合などには、
図10に例示するように、上記の実施形態では三角シール部6Tを構成する二等辺三角形の底辺に相当していた補助分離シール部6Bが省略された分離シール部6Sの形態で実施することも可能である。
【0069】
〈2〉上記の実施形態では、三角シール部6Tの内部に非シール部として第1島状部7Aが残されているが、三角シール部6Tの内部に第1島状部7Aを残すことなく、三角シール部6T内を全体的にシールしてもよい。
【0070】
〈3〉環状シール部6のうちで分離シール部6S以外の一般シール部6Gを、
図11に例示するように、複数の線状のシール部6Hが長い非シール部19を挟んで径方向の内外に存在する多重構造とすることで、一般シール部6Gのシール強度をさらに高めることも可能である。
【0071】
〈4〉或いは、
図12に例示するように、一般シール部6Gを、径方向の幅が広く、その内部に多数の円形または楕円形の島状の非シール部7Cが周方向に沿って配置された構造とすることで、一般シール部6Gのシール強度をさらに高めることも可能である。
【0072】
〈5〉
図13に例示するように、傾斜凹部16の代わりに、基端凹部15の端部(
図12では基端凹部15の下端)から底面3に向かって、次第に幅狭となりながら、概して側壁の母線に沿って直線状に延びる鉛直凹部17(変形制御凹部の一例)を設けても傾斜凹部16と類似の効果が得られる。
【0073】
〈6〉ポーション容器に収納しておく内容物としては液体に限らず、粉体と液体の混合物、粉体と気体の混合物などを用いることも可能である。