(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記メモリは、前記プロジェクタへ出力する対象の前記1以上の映像データそれぞれについて、当該映像データ全体のうち前記プロジェクタへ出力する部分の設定を前記配信管理情報に含めて記憶するように構成されており、
前記操作受付部は、前記モニタに表示される前記1以上の映像データそれぞれについて、当該映像データ全体のうち前記プロジェクタへ出力する部分を編集するための入力操作を受け付けるよう構成されており、
前記プロセッサは、前記操作受付部が受け付けた前記部分を編集するための入力操作に応じて、前記編集内容に従って前記配信管理情報を更新するように構成されている、請求項1に記載の情報処理装置。
前記プロセッサは、前記配信管理情報に基づいて、前記信号出力部から前記プロジェクタへ出力した前記映像データの配置および形状と、前記出力にかかる時刻とを対応付けた配信ログ情報を前記メモリに記憶させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0017】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1の情報処理装置を含むプロジェクションシステムの使用場面の一例を示す図である。例えば、コンビニエンスストアその他の店舗の運営者によって、店舗などのガラス面に、背面投影スクリーンからなるスクリーン400Aとスクリーン400Bとが張り付けられている。運営者は、予めPC(Personal Computer)等の情報処理装置に映像を蓄積し、スクリーンに投写する映像の投写方法を設定して、情報処理装置からプロジェクタへと映像が出力される。運営者の設定に応じて、店舗内に設置されるプロジェクタ(
図1では図示していない)は、スクリーン400A等へ投写する映像を左右反転させ、スクリーン400A等に投射された投写映像の歪みを補正する。
【0018】
これにより、運営者は、店舗の外部にいる閲覧者に対し、スクリーン400A、スクリーン400Bを通じて、様々な映像を提示することができ、(1)例えば製品のプロモーション映像を投写して、製品の販売促進につなげること、(2)販売促進に効果的なタイミングで広告をスクリーンに投写することで、広告主の広告効果を高めること、(3)店舗内部に限らず店舗外部へも映像を提示することで、消費者に対し消費行動を促すことができ、広告効果のフィードバックをより容易に得られること、(4)ポスター等の紙媒体をガラス面に張り付ける場合と比べて、動きのある映像を店舗外部の閲覧者に提示することができ、より消費者の注目を集めやすくすることが期待できる。
【0019】
また、運営者は、(5)店舗内にプロジェクタを設置できる範囲の制約が比較的大きい場合においても、情報処理装置を用いて映像の投写方法を編集することで、プロジェクタが通常有している歪み補正の限界を超えた補正をすること、(6)プロジェクタのホットスポットが閲覧者の視界に入らないようにプロジェクタを設置することで、映像の見栄えを向上させることも期待できる。
【0020】
<1.構成>
図2は、実施の形態1のプロジェクションシステムの構成を示す図である。
図2を参照して、実施の形態1のプロジェクションシステムは、情報処理装置100と、プロジェクタ300と、スクリーン400とを含む。
【0021】
情報処理装置100は、プロジェクタ300からスクリーン400に投写する映像の投写方法を設定するためのソフトウェアを実行することで、ユーザに対し、プロジェクタ300からスクリーン400へ投写する映像の歪みの補正等をするためのインタフェースを提供する。ユーザの再生指示に応じて、情報処理装置100からプロジェクタ300へと映像信号が出力される。プロジェクタ300は、その映像信号に基づいて、スクリーン400へ映像を投写する。
【0022】
スクリーン400に投写される映像データは、例えば外部のサーバ900から配信されている。情報処理装置100は、外部のサーバ900から配信される映像データを、ネットワーク800およびルータ500等を介して受信する。また、例えば店舗等にプロジェクタ300およびスクリーン400が設置される場合、情報処理装置100は、店舗等の売上データを管理する通信端末200と通信することで、売上データとスクリーン400に投写する映像データおよび映像データの投写タイミングとを関連付けることもできる。例えば、商品のプロモーション映像をスクリーン400に投写する場合、プロジェクションシステムは、そのプロモーション対象の製品の売上データと、スクリーン400へのプロモーション映像の投写タイミングとを関連付けることで、店舗等の運営者および広告主に対し、プロモーションの効果を確認させることができる。
【0023】
また、ユーザが情報処理装置100等を操作して映像データを生成し、生成された映像データをプロジェクタ300からスクリーン400へ投写することもできる。例えば、地域の住民に向けた情報、地域の観光に関する情報、求人情報その他の情報を含む映像データをユーザが生成してプロジェクタ300からスクリーン400へ投写することもできる。
【0024】
図3を参照して、プロジェクションシステムを構成する情報処理装置100を具体的に説明する。
図3は、情報処理装置100の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置100は、通信処理部11と、表示部12と、機器接続インタフェース13と、操作受付部14と、信号出力部15と、画像処理部16と、記憶部17と、制御部18とを含む。情報処理装置100は、例えばPC、タブレット端末等である。
【0025】
通信処理部11は、情報処理装置100が外部の通信機器と通信するためのインタフェースとして機能し、例えば無線LAN(Local Area Network)、有線LAN等によって外部の通信機器と接続する。
【0026】
表示部12は、ユーザがプロジェクタ300からスクリーン400へ投写する映像の投写方法を設定するためのユーザインタフェースを表示し、アプリケーションの動作によって静止画や動画などを表示する。表示部12は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)ディスプレイによって実現される。
【0027】
機器接続インタフェース13は、情報処理装置100に装着可能な媒体の接続を受け付けるためのインタフェースとして機能する。機器接続インタフェース13は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体19の装着を受け付ける。
【0028】
操作受付部14は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等であり、ユーザから情報処理装置100に対する入力操作を受け付ける。
【0029】
信号出力部15は、映像出力用のポート等を有しており、情報処理装置100の外部のプロジェクタ300等へ映像信号を出力する。
【0030】
画像処理部16は、映像データを補正する機能を有しており、例えばDSP(Digital Signal Processor)によって実現される。
【0031】
記憶部17は、フラッシュメモリ等によって構成され、配信用映像データ171、配信用静止画データ172、配信管理テーブル173、配信ログ174などの各種のデータを記憶する。配信用映像データ171と配信用静止画データ172とは、プロジェクタ300からスクリーン400へ投写する対象のデータである。配信管理テーブル173は、情報処理装置100からプロジェクタ300へ映像を出力する処理を管理するためのデータテーブルである。配信ログ174は、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力される映像のログである。配信管理テーブル173と配信ログ174については後述する。
【0032】
制御部18は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、ROMに記憶される制御プログラム等を読み込んで実行することにより、情報処理装置100の動作の全体を制御する。制御部18は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部18は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部14が受け付けた入力操作に応じて、配信管理テーブル173を編集する編集部21と、編集部21によって編集された配信管理テーブル173に示される各レコードの設定に基づいて、1以上の映像データに対し画像処理部16によって画像変換処理を行うことにより、プロジェクタ300へ出力する出力映像データを生成させる生成部22と、生成部22によって生成された出力映像データに応じた映像信号を信号出力部15によってプロジェクタ300へ出力させる出力制御部23と、の各機能を発揮する。
【0033】
情報処理装置100は、通信端末200と通信して売上データ等の情報を受信することができる。また、情報処理装置100は、サーバ900と通信して、スクリーン400へ投写する対象の配信用映像データをサーバ900から取得することができる。また、情報処理装置100は、配信ログ174をサーバ900へ送信することができる。例えば、サーバ900は、複数の店舗に対して配信用映像データを配信しており、各店舗の情報処理装置100から配信ログ174を受信する。
【0034】
図4を参照して、プロダクションシステムを構成するプロジェクタ300を具体的に説明する。
図4は、プロジェクタ300の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、プロジェクタ300は、A/D(Analog to Digital)変換部31と、画像処理部32と、フレームメモリ33と、液晶ライトバルブ駆動部34と、照明光学系35と、液晶ライトバルブ36と、投写光学系37と、レンズ駆動部38と、入力操作受付部39と、制御部40とを含む。
【0035】
A/D変換部31は、情報処理装置100からケーブル等を介して入力される映像信号に対して、デジタル信号への変換の必要に応じてA/D変換を行って、変換後のデジタルの映像信号を画像処理部32へ出力する。
【0036】
画像処理部32は、A/D変換部31から出力されたデジタルの映像信号を、フレームメモリ33に書き込む。画像処理部32は、キーストーン補正部41と、OSD(On Screen Display)処理部42として機能する。キーストーン補正部41は、プロジェクタ300からスクリーン400へ投射される映像信号のキーストーン歪みを補正するための処理を行う。OSD処理部42は、プロジェクタ300からスクリーン400へ投射される映像信号に、メニュー画面やプロジェクタ300の動作状態などを示す画像を合成する。画像処理部32は、フレームメモリ33に書き込まれた映像信号に対して、キーストーン補正部41およびOSD処理部42の機能を発揮して、キーストーン歪みを補正する処理やメニュー画面等を合成する処理を施して、合成後の映像信号を液晶ライトバルブ駆動部34へ出力する。
【0037】
フレームメモリ33は、A/D変換部31から出力されたデジタルの映像信号と、画像処理部32によって補正処理等が施された映像信号とを格納する。液晶ライトバルブ駆動部34は、画像処理部32の処理を経た映像信号に基づいて、液晶ライトバルブ36を駆動する。照明光学系35は、各種の発光体によって構成される。液晶ライトバルブ36は、複数の画素がマトリクス状に形成されており、液晶ライトバルブ駆動部34の駆動に従って各画素の透過率を調整する。液晶ライトバルブ36は、照明光学系35から射出されR(赤色)、G(緑色)、B(青色)に分離された各色の光を変調することにより、画像を表す画像光を出力する。
【0038】
投写光学系37は、プロジェクタ300の前面に取り付けられており、液晶ライトバルブ36によって画像光へと変調された光を拡大してスクリーン400へ投写する。投写レンズ43は、ズームレンズ、フォーカスレンズ等の複数のレンズを備えており、レンズ駆動部38の制御に従って、投写光学系37の光軸に沿って前後に移動する。レンズ駆動部38は、投写レンズ43を駆動して、焦点の調節等を行う。入力操作受付部39は、ユーザの入力操作を受け付けるためのボタン等であり、ユーザの入力操作に応じた信号を制御部40へ出力する。
【0039】
制御部40は、CPU等によって構成され、メモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、プロジェクタ300の各部の動作を制御する。
【0040】
<2.データ>
図5および
図6を参照して、実施の形態1のプロジェクションシステムで用いられるデータを説明する。
【0041】
<2.1 配信管理テーブル173>
図5は、配信管理テーブル173を示す図である。
図5に示すように、配信管理テーブル173の各レコードは、ファイル名51と、ファイル種別52と、変換種別53と、変換元座標54と、変換後座標55と、投影先画面56と、音出力ON/OFF57と、再生ON/OFF58と、再生開始位置59と、再生終了位置60と、リピートON/OFF61と、表示順62とを含む。
【0042】
ファイル名51は、プロジェクタ300からスクリーン400へと投写される対象の映像データを識別する。ファイル種別52は、レコードに示される映像データが、動画データ、静止画データ、または外部の機器から入力されたデータのいずれであるかという種別を特定する。
【0043】
変換種別53は、レコードに示されるデータをプロジェクタ300に出力する際のデータの変換の種別を示す。データの変換の種別は、例えば「矩形」と、「円」と、「曲面」とがある。「矩形」は、映像データを四角形の形状でプロジェクタ300へ出力することを示す。「円」は、映像データを魚眼変換してプロジェクタ300へ出力することを示す。「曲面」は、映像データを曲面変換してプロジェクタ300へ出力することを示す。
【0044】
変換元座標54は、レコードに示される映像データの一画面における任意の4点の座標を示す。情報処理装置100は、この変換元座標54に示される4点の座標に対応する四角形の形状に相当するデータを映像データから切り出して、切り出された当該データを、変換種別53に従って変換してプロジェクタ300へ出力する。
【0045】
変換後座標55は、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する際の出力映像における座標を示す。データの変換の種別が「矩形」である場合は、変換後座標55は、任意の4点の座標を示す。また、データの変換の種別が「円」である場合は、変換後座標55は、任意の4点の座標、および、屈折率を示す。
図5の例では屈折率「n1」がファイル名「picture1」のデータに対して設定されている。また、データの変換の種別が「曲面」である場合は、変換後座標55は、映像データの各頂点を示す任意の4点の座標、および、曲面の形状を決定するための2点の座標を示す。
【0046】
投影先画面56は、レコードに示される映像データを情報処理装置100から出力する際の、出力先のプロジェクタを示す。
図5の例では、投影先画面56に示されるデータ「Display1」は、プロジェクタが複数存在する場合に、第1のプロジェクタに映像データの投写をすべきことを示し、データ「Display2」は、第2のプロジェクタに映像データの投写をすべきことを示す。
【0047】
音出力ON/OFF57は、レコードに示される映像データを情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する際に音声を再生すべきか否かの設定を示す。再生ON/OFF58は、レコードに示される映像データをプロジェクタ300に出力すべきか否かの設定を示す。情報処理装置100は、再生ON/OFF58の設定のオンまたはオフに応じて、映像の出力を制御する。
【0048】
再生開始位置59と再生終了位置60とは、プロジェクタ300へ出力される動画データのうち再生すべき部分を示す。リピートON/OFF61は、レコードに示される動画データを、プロジェクタ300へ繰り返し出力すべきか否かを示す。
【0049】
表示順62は、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する動画データまたは静止画データが複数である場合であって、各データの表示領域が重なっている場合に、その表示の順序を示す。例えば、表示順62に示される表示順が大きいデータの表示が優先される。
【0050】
<2.2 配信ログ174>
図6は、配信ログ174を示す図である。
図6に示すように、配信ログ174の1件のレコードは、ファイル名71と、ファイル種別72と、変換種別73と、変換元座標74と、変換後座標75と、投影先画面76と、音出力ON/OFF77と、再生日時78と、再生開始位置79と、再生終了位置80と、表示順81とを含む。
【0051】
ファイル名71は、レコードに示される映像データを識別するための情報である。ファイル種別72は、レコードに示される映像データの種別を示す情報である。変換種別73は、レコードに示される映像データがプロジェクタ300に出力された際のデータの変換の種別を示す。
【0052】
変換元座標74は、レコードに示される映像データの一画面における任意の4点の座標を示し、この4点に示される四角形の形状が、元のデータから切り出されていることを示す。変換後座標75は、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力した映像データの座標を示す。投影先画面76は、レコードに示される映像データを出力した出力先のプロジェクタのログを示す。
【0053】
音出力ON/OFF77は、レコードに示される映像データの音声を再生したか否かを示す。再生日時78は、レコードに示される映像データがプロジェクタ300へ出力された日時をログとして示す。再生開始位置79と再生終了位置80とは、レコードに示される動画データのうち再生された部分(再生開始位置79に示される再生位置から再生終了位置80に示される再生位置まで)を示す。
【0054】
表示順81は、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する動画データまたは静止画データの表示の順序のログを示す。
【0055】
<3.動作>
図7以降の図面を参照して、情報処理装置100のユーザインタフェースおよび情報処理装置100の動作を説明する。具体的には、(1)情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する対象となる映像データを追加して配信管理テーブル173を更新する処理と、(2)ユーザによって追加され、配信管理テーブル173へ登録された映像データをプロジェクタ300へ出力するための設定をユーザが編集するための処理と、(3)情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力され、プロジェクタ300からスクリーン400へ投写された映像データの歪みを補正する処理と、(4)情報処理装置100からプロジェクタ300へ映像データを出力し、コンテンツを再生する処理とを説明する。
【0056】
<3.1 映像データを追加する処理>
図7は、情報処理装置100がプロジェクタ300へ出力する映像データの設定をするためのユーザインタフェースを示す図である。情報処理装置100は、表示部12に入力受付画面121を表示して、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力すべき映像を編集するための入力操作を受け付ける。
図7に示すように、入力受付画面121は、追加ボタン122と、第1の編集領域123と、第2の編集領域124と、開始ボタン125と、選択ファイル情報126と、座標情報127とを含む。情報処理装置100は、操作受付部14を介してユーザから追加ボタン122等への入力操作を受け付ける。
【0057】
追加ボタン122は、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する映像データを追加するための入力操作を受け付ける。
図7の例では、情報処理装置100から2つのプロジェクタ(第1のプロジェクタと第2のプロジェクタ)へ映像データを出力する場合を示している。第1の編集領域123は、情報処理装置100から第1のプロジェクタへ出力する映像を示す。第2の編集領域124は、情報処理装置100から第2のプロジェクタへ出力する映像を示す。
【0058】
図7の例では、第1の編集領域123に動画「Movie1」を示す出力映像データ129Aと、第2の編集領域124に動画「Movie2」を示す出力映像データ129Bとが登録されている。情報処理装置100から第1のプロジェクタへ動画「Movie1」を含む映像信号が出力される。情報処理装置100から第2のプロジェクタへ動画「Movie2」を含む映像信号が出力される。
【0059】
また、情報処理装置100は、第1の編集領域123において、出力映像データ129Aのファイル名を指示受付部128Aに表示する。情報処理装置100は、指示受付部128Aに対する入力操作を受け付けて、動画「Movie1」について配信管理テーブル173に登録されている設定を編集するためのユーザインタフェースを表示する。情報処理装置100は、第2の編集領域124において、出力映像データ129Bのファイル名を指示受付部128Bに表示する。情報処理装置100は、指示受付部128Bに対する入力操作を受け付けて、動画「Movie2」について配信管理テーブル173に登録されている設定を編集するためのユーザインタフェースを表示する。
【0060】
開始ボタン125は、情報処理装置100からプロジェクタ300への映像信号の出力を開始するための入力操作をユーザから受け付ける。
【0061】
選択ファイル情報126と座標情報127は、ユーザが選択した映像データについて、配信管理テーブル173に登録されている設定の内容を表示する領域である。
【0062】
<3.2 プロジェクタ300へ映像データを出力する設定の編集をするための処理>
図8と
図9とを参照して、ユーザから追加ボタン122に対する入力操作を受け付けた際に情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する映像データを追加するための処理について説明する。
図8は、プロジェクタ300への出力対象の映像データを追加する処理を示すフローチャートである。
【0063】
ステップS81において、情報処理装置100の制御部18は、追加する映像データの種別が「動画」、「静止画」、「外部機器からの入力」のいずれであるかを指定する入力操作をユーザから受け付ける。
【0064】
ステップS83において、制御部18は、ステップS81において受け付けたデータの種別の指定が、「外部機器からの入力」であるか否かを判定する。制御部18は、データの種別の指定が「外部機器からの入力」であると判定した場合(ステップS83においてYES)は、ステップS85の処理を実行する。
【0065】
ステップS85において、制御部18は、情報処理装置100へデータを入力する外部の入力機器を選択する操作をユーザから受け付ける。例えば、外部の入力機器として、光ディスクプレイヤー、スマートフォンなどの無線通信機器、PC、カメラなどがある。ケーブル等を介して情報処理装置100と外部の入力機器とが互いに接続している。情報処理装置100は、外部の入力機器から情報処理装置100へ転送するデータの指定をユーザから受け付ける。これにより、外部の入力機器から情報処理装置100へデータが転送される。また、情報処理装置100は、外部の入力機器として例えばカメラと接続し、カメラが撮影する映像データなど、外部の入力機器がリアルタイムに生成し情報処理装置100へ出力する映像データの入力を受け付けて、映像データに対しリアルタイムに画像処理を行ってプロジェクタ300へ映像信号を出力する。
【0066】
ステップS83において、制御部18は、「外部機器からの入力」ではないと判定した場合(ステップS83においてNO)は、ステップS87の処理を実行する。
【0067】
ステップS87において、制御部18は、ディレクトリのインデックスを参照し、配信用映像データ171および配信用静止画データ172のファイルの一覧を表示部12に表示して、映像データのファイル名を選択するための入力操作をユーザから受け付ける。
【0068】
ステップS88において、制御部18は、ユーザによって選択されたファイルを読み出してRAM等のメモリに格納する。
【0069】
ステップS89において、制御部18は、ユーザによって選択されたデータのファイル名を配信管理テーブル173に登録する。
【0070】
図9は、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する映像データを追加する入力操作をユーザから受け付けるためのユーザインタフェースを示す図である。
【0071】
編集画面131Aに示すように、制御部18は、ボタン群132を表示部12に表示して、追加する映像データの種別を指定する操作をユーザから受け付ける(ステップS81)。ユーザから、「動画」または「静止画」を指定する操作を受け付けた場合(ステップS83においてNO)、編集画面131Bに示すように、制御部18は、ファイルの一覧を示すディレクトリ133を表示部12に表示して、ファイルを選択する操作をユーザから受け付ける(ステップS87)。制御部18は、編集画面131Cに示すように、ユーザが選択したファイルのファイル名をメッセージボックス134に表示する。
【0072】
また、制御部18は、ステップS81において、ユーザから、「外部機器からの入力」を指定する操作を受け付けた場合(ステップS83においてYES)、編集画面131Dに示すように、外部機器の一覧を示す外部機器選択用ボタン群135を表示部12に表示して、外部の入力機器を選択する操作をユーザから受け付ける(ステップS85)。制御部18は、編集画面131Eに示すように、ユーザが選択した外部の入力機器をメッセージボックス136に表示する。
【0073】
以上の処理に示すように、情報処理装置100は、プロジェクタ300へ出力する映像データを追加して配信管理テーブル173を更新する。
【0074】
<3.3 映像データの歪みを補正する処理>
次に、
図10と
図11とを参照して、配信管理テーブル173に登録されている映像データをプロジェクタ300へ出力するための設定を、ユーザが編集するための処理について説明する。情報処理装置100は、
図7に示す指示受付部128(指示受付部128A、指示受付部128B)に対する入力操作をユーザから受け付ける。これにより、制御部18は、映像データにおいて、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する範囲の設定(画像として切り出す範囲、再生時間など)をするためのユーザインタフェースを表示部12に表示する。
【0075】
図10は、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する映像データの範囲を設定するための処理を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS101において、制御部18は、プロジェクタ300へ出力する映像データの範囲を設定するためのユーザインタフェース(変換元設定画面)を表示部12に表示する。このユーザインタフェースの例については後述する。
【0077】
ステップS103において、制御部18は、ユーザによって設定を受け付ける対象の映像データをメモリから読み出して、表示部12にプレビューを表示する。
【0078】
ステップS105において、制御部18は、配信管理テーブル173を参照して、レコードの各項目に示される情報を表示部12に表示する。
【0079】
ステップS107において、制御部18は、映像データのうち、ユーザがプロジェクタ300へ出力する範囲(画像として切り出す範囲、再生時間)を指定する操作を受け付けて、入力操作に応じて配信管理テーブル173を更新する。
【0080】
図11は、配信管理テーブル173に登録された映像データをプロジェクタ300へ出力する設定をユーザが編集するためのユーザインタフェースの一例を示す図である。
【0081】
制御部18は、表示部12に編集画面141を表示してユーザからの入力操作を受け付ける。編集画面141は、変換元表示部142と、パラメータ設定部144と、切り出し時間編集部148と、編集確定ボタン149と、キャンセルボタン150とを含む。
【0082】
変換元表示部142は、編集対象の映像データのプレビューを表示する領域である。切り出し領域143は、変換元表示部142にプレビューされる映像データのうち、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する範囲(画像として切り出す範囲)を示す領域である。制御部18は、切り出し領域143によって示される範囲を、座標表示部146に表示する。
【0083】
パラメータ設定部144は、編集対象の映像データについて配信管理テーブル173に登録されている各項目の情報を表示し、各項目の編集を受け付ける領域である。変換種別選択部145は、配信管理テーブル173の変換種別53に対応する。座標表示部146は、変換元座標54に対応する。再生パラメータ設定部147は、投影先画面56、音出力ON/OFF57、再生ON/OFF58、リピートON/OFF61および表示順62に対応する。
【0084】
切り出し時間編集部148は、編集対象の映像データについて、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する再生時間の指定をユーザから受け付ける領域である。切り出し時間編集部148Aは再生開始位置59に対応し、切り出し時間編集部148Bは再生終了位置60に対応する。例えば、制御部18は、切り出し時間編集部148Aに示されるアイコンを移動させる入力操作を受け付けることで、再生開始位置59の設定の変更を受け付ける。
【0085】
編集確定ボタン149は、映像データについての各種の設定を配信管理テーブル173に反映するための入力操作を受け付けるボタンである。キャンセルボタン150は、編集内容を破棄する入力操作を受け付けるボタンである。
【0086】
ここで、変換種別選択部145において設定を受け付けるファイルの変換の種別について詳しく説明する。
【0087】
図12は、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力する映像データの種別の変換を示す図である。制御部18は、切り出し領域143によって示される範囲の映像を映像データから抽出し、抽出された範囲のデータを、「矩形」、「円」、または「曲面」の形状のデータに変換する。
【0088】
図12の「矩形から任意の四角形への変換」に示すように、制御部18は、変換元表示部142において、切り出し領域143によって示される矩形の領域を有する映像データに対し、射影投影変換を行って出力映像データ129Cを算出する。
図7の例において、射影投影変換が行われた映像データを出力映像データ129Aに示す。
【0089】
また、
図12の「矩形から円への変換」に示すように、制御部18は、切り出し領域143によって示される領域を有する映像データに対し、屈折率を指定する入力操作を受け付けて魚眼変換を施すことで、円形の出力映像データ129Dを算出する。なお、矩形の画像に魚眼変換を行う技術は周知であるため詳細を記載しない。
【0090】
また、
図12の「矩形から曲面への変換」に示すように、制御部18は、切り出し領域143によって示される領域を有する映像データに対し、曲面の形状を決定するための2点を指定する入力操作を受け付けて曲面変換を施すことで、曲面形状の出力映像データ129Eを算出する。
図7の例において、曲面への変換が行われた映像データを出力映像データ129Bに示す。なお、矩形の画像に対し、曲面変換を行う技術は周知であるため詳細を記載しない。
【0091】
図13と
図14を参照して、プロジェクタ300からスクリーン400へ投写される映像データの歪みを補正するための処理を説明する。
【0092】
図13は、プロジェクタ300へ出力する映像データの種別を変換した変換後の映像データの形状を補正するための処理を示すフローチャートである。
【0093】
ステップS131において、制御部18は、プロジェクタ300へ出力すべき映像データの種別(「矩形」、「円」、「曲面」)の指定に応じて変換が行われた映像データの形状を、ユーザが編集するためのユーザインタフェース(変換後設定画面)を表示部12へ表示する。
【0094】
ステップS133において、制御部18は、配信管理テーブル173を参照して、配信管理テーブル173に登録された映像データを、各種の設定に従って表示部12にプレビュー表示する。このプレビュー表示の際に、制御部18は、プロジェクタ300へ映像データを出力する。
【0095】
ステップS135において、制御部18は、映像データを選択するための入力操作を受け付ける都度、選択された映像データの形状を幾何学的に補正する入力操作に応じて、補正後の映像データを表示部12にプレビュー表示し、補正後の映像データをプロジェクタ300へ出力する。
【0096】
図14は、プロジェクタ300からスクリーン400へ投写される映像データの歪みを補正するためのユーザインタフェースの例を示す図である。
図14に示すように、第1の編集領域123において、2つの映像データ(出力映像データ129A、出力映像データ129C)が第1のプロジェクタに割り当てられている。なお、この出力映像データ129Aと出力映像データ129Cとは、変換元の映像データが同一のコンテンツであってもよいし、別々のコンテンツであってもよい。例えば、出力映像データ129Aと出力映像データ129Cとの変換元の映像データが同一のコンテンツである場合、そのコンテンツの一画面を左右の2つに分けて抽出して、出力映像データ129Aと出力映像データ129Cとしてもよい。例えば、柱など凸凹状の壁面に対してプロジェクタ300から映像データを投写する場合、凸凹の形状に応じて映像データの歪みを補正することが望ましい。
【0097】
図14において、指示受付部128Aは、出力映像データ129Aのファイル名を示すアイコンである。また、指示受付部128Bは、出力映像データ129Bのファイル名を示すアイコンであり、指示受付部128Cは、出力映像データ129Cのファイル名を示すアイコンである。情報処理装置100は、これら指示受付部128A等に対応する映像データ(出力映像データ129A、出力映像データ129B、出力映像データ129C)などを選択する入力操作を受け付けることで、映像データの歪みを補正する。
【0098】
図14の例では、指示受付部128Aのアイコンが、指示受付部128Bと指示受付部128Cと比較して強調されて表示されており、指示受付部128Aに対応する映像データである出力映像データ129Aがユーザによって選択されていることを示す。制御部18は、ユーザによって選択されている映像データである出力映像データ129Aの周囲に、座標指定部130A、座標指定部130B、座標指定部130Cおよび座標指定部130Dを表示する。座標指定部130A等は、出力映像データ129Aの頂点を構成する4点の座標を示しており、配信管理テーブル173の変換後座標55に対応する。
【0099】
例えば、制御部18は、出力映像データ129Aの各頂点を移動させる入力操作を受け付けることにより、出力映像データ129Aを幾何学的に補正し、補正後の座標を座標指定部130A等に表示する。または、座標指定部130A等に対して数値を入力する操作を受け付けることで、映像データの歪みを補正することとしてもよい。また、出力映像データ129B等の曲面形状の映像データの歪みを補正する場合、映像データの各頂点の4点に加えて、曲面の形状を決定するための2点の補正をするための入力操作を受け付けることとしてもよい。また、円形形状の映像データの歪みを補正する場合、制御部18は、屈折率の設定を変更するための入力操作を受け付けることとしてもよい。
【0100】
また、制御部18は、入力受付画面121において、出力映像データ129A等の映像データを選択して移動させる操作(スライド操作)がなされることにより、各プロジェクタへ出力するための映像データの表示位置を補正する。
【0101】
以上の処理により、制御部18は、配信管理テーブル173の変換後座標55の設定を編集するための入力操作を受け付ける。
【0102】
<3.4 プロジェクタ300へ映像データを出力し、コンテンツを再生する処理>
図15を参照して、コンテンツを再生して情報処理装置100からプロジェクタ300へ映像信号を出力する処理について説明する。
図15は、コンテンツを再生する処理を示すフローチャートである。例えば、制御部18は、入力受付画面121に表示される開始ボタン125に対する入力操作を受け付けることにより、配信管理テーブル173の設定に従って、各プロジェクタへ映像信号の出力を開始する。
【0103】
ステップS151において、制御部18は、配信管理テーブル173を参照し、配信管理テーブル173に登録されている各映像データを、フレームメモリ33から1コマ読み出す。
【0104】
ステップS153において、制御部18は、1コマ読み出された各映像データについて、出力先となる投影先画面(プロジェクタ)ごとに振り分ける。
【0105】
ステップS155において、制御部18は、出力先となる投影先画面(プロジェクタ)ごとに、映像信号を生成するための処理を行う。制御部18は、配信管理テーブル173に登録されている映像データの各ファイルを、変換種別53、変換元座標54および変換後座標55の設定に従って、画像処理部16に画像変換処理を実行させる。
【0106】
ステップS157において、制御部18は、画像処理部16による画像変換処理後の各映像データを、表示順62に示される表示の順序に従って合成する。また、メニュー画面等をオンスクリーンで表示させる場合は、OSD(On Screen Display)処理を施して画像を合成する。
【0107】
ステップS159において、制御部18は、合成後の画像を表示部12へ表示し、プロジェクタ300へと出力する。
【0108】
<4.1 スクリーンの正面に映像データを投写する場合の使用場面>
以下、
図16〜
図19を参照して、情報処理装置100の使用場面とともに情報処理装置100の動作を詳しく説明する。
【0109】
図16は、映像データの歪みを補正する操作を示す図である。第1の編集領域123Aに示すように、配信管理テーブル173の設定において、長方形の形状の出力映像データ129Dが登録されている。スクリーン400に対し、上方からプロジェクタ300が映像データを投写する場合、投影画面405が台形形状に歪む。そこで、情報処理装置100は、
図14に示す第1の編集領域123Aを表示部12に表示して、出力映像データ129Dの各頂点(CP1、CP2、CP3、CP4)を移動させる入力操作をユーザから受け付ける。
図16の例では、制御部18は、操作受付部14を介して、頂点CP3を移動させる入力操作をユーザから受け付ける。
【0110】
第1の編集領域123Bに示すように、制御部18は、頂点CP3を移動させるための入力操作を受け付けて、投影画面405Dの右下の頂点に基づく画像の歪みを補正する。続いて、制御部18は、頂点CP4を移動させる入力操作をユーザから受け付ける。第1の編集領域123Cに示すように、制御部18は、出力映像データ129Dにおいて、頂点CP3および頂点CP4の位置を補正する入力操作を受け付けることで、投影画面405Dの歪みを補正することができる。
【0111】
<4.2 背面投射スクリーンに映像データを投写する場合の使用場面>
図17は、背面投射スクリーンに映像データを投写して、投写された映像データの歪みを補正する操作を示す図である。第1の編集領域123Dに示すように、配信管理テーブル173の設定において、長方形の形状の出力映像データ129Eが登録されている。背面投射スクリーンであるスクリーン400に対し、上方からプロジェクタ300が映像データを左右反転させずに投写したとする。
【0112】
この場合、背面投射スクリーンであるスクリーン400に対して正面から映像データを閲覧するユーザから見て、映像データが左右反転されて視認され、また、投影画面405Eの下辺が上辺に対して大きく投影され、台形形状の歪みが発生する。制御部18は、出力映像データ129Eの頂点CP1と頂点CP2とを入れ替える入力操作と、頂点CP3と頂点CP4とを入れ替える入力操作とに応じて、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力される映像データを左右反転させる。
【0113】
第1の編集領域123Eに示すように、制御部18は、左右反転された映像データをプロジェクタ300へ出力しており、スクリーン400に正面から映像データを閲覧するユーザから見た場合に、左右の反転はなく、台形形状の歪みが発生している投影画面405Eが視認されている。制御部18は、出力映像データ129Eの頂点CP3と頂点CP4とを移動させるための入力操作を受け付けて、投影画面405Eに示される台形形状の歪みを補正する。
【0114】
第1の編集領域123Fに示すように、制御部18は、左右反転された映像データであって台形形状の歪みが補正された映像信号を、プロジェクタ300へ出力する。これにより、投影画面405Eに示すように、歪みが補正された映像がプロジェクタ300から投影画面405Eへ投写される。
【0115】
<4.3 壁面の凸凹部分に映像データを投写する場合の使用場面>
図18は、壁面の凸凹部分に映像データを投写して、投写された映像データの歪みを補正する操作を示す図である。
図18の例では、第1の編集領域123Gにおいて、出力映像データ129F、出力映像データ129G、出力映像データ129Hおよび出力映像データ129Iの4つの映像データを登録している。
【0116】
例えば、1つのコンテンツにかかる映像を、出力映像データ129F〜出力映像データ129Iの4つに分割し、それぞれの映像データの歪みを、壁面の構造にあわせて補正する。第1の編集領域123Gにおいて、プロジェクタ300から映像データが投射され、投影画面405F、投影画面405G、投影画面405Hおよび投影画面405Iからなる投写画面が形成され、歪みが発生している。これらの歪みを補正するため、制御部18は、第1の編集領域123Gに登録された出力映像データ129F等の各頂点を移動させる入力操作を受け付ける。
【0117】
第1の編集領域123Hに示すように、制御部18は、出力映像データ129F、出力映像データ129G、出力映像データ129H、および出力映像データ129Iの各頂点を移動させる入力操作を受け付けて、歪みが補正された映像信号をプロジェクタ300へ出力する。その結果、投影画面405F、投影画面405G、投影画面405H、および投影画面405Iが、壁面の柱などの形状に応じて歪みが補正された状態で投写される。
【0118】
<4.4 複数のプロジェクタから映像データを投写する場合の例>
図19は、複数のプロジェクタから壁面等に対して映像データを投写する場合の例を示す図である。
図19に示すように、第1の編集領域123Jは、第1のプロジェクタ(プロジェクタ300A)に出力する映像データに対応し、第2の編集領域124Jは、第2のプロジェクタ(プロジェクタ300B)に出力する映像データに対応する。第1のプロジェクタ(プロジェクタ300A)は、投影画面405Jへ映像データを投写し、第2のプロジェクタ(プロジェクタ300B)は、投影画面405Kへ映像データを投写する。第1の編集領域123Jには、出力映像データ129Jが登録され、第2の編集領域124Jには、出力映像データ129Kが登録されている。これら出力映像データ129Jと出力映像データ129Kは、それぞれ別のコンテンツの映像データであるとしてもよいし、1つのコンテンツの映像データを左右に分割して、左側の映像データを第1のプロジェクタからスクリーンに投写し、右側の映像データを第2のプロジェクタからスクリーンに投写することとしてもよい。
【0119】
このように構成すると、例えば、複数のプロジェクタからスクリーンに対して投写する投写角度を鋭角にすることができ、人物が壁面に近づいた場合においても、プロジェクタからの発光が人物によって遮られる可能性を小さくしつつ、スクリーンに映像データを投写することができる。例えば、限られた空間において、人物などの利用者の指定等に応じて壁面に映像データを切り替えて表示する場合に、利用者が壁面に近づいたとしても、利用者自身がプロジェクタからの発光の影となる可能性を軽減し、投写された映像の視聴を容易にすることができる。
【0120】
なお、
図19の例では、プロジェクタの数は2つであるが、2つに限らず、3つ以上のプロジェクタから映像データをスクリーンに投写することとしてもよい。
【0121】
<5.映像データを投写することによる広告効果の測定>
上記<2.データ>で説明したように、情報処理装置100は、情報処理装置100からプロジェクタ300へ出力される映像のログを示す配信ログ174を保存している。この配信ログ174は、プロジェクタ300からスクリーン400へ映像データを投影した記録であるが、この映像データは、例えば広告効果を期待して製造業者、広告代理店等によって作成される。従って、映像データを投影したログと、実際の製品等の売上データとを照合することで、広告効果の測定をすることができる。
【0122】
図20は、広告効果の測定をするためのインタフェースの一例を示す図である。情報処理装置100は、記憶部17において、<2.データ>で説明した配信ログ174を記憶している。この他に、情報処理装置100は、プロモーション情報177と、売上データ178とを記憶している。
【0123】
プロモーション情報177は、映像データそれぞれを識別する情報(ファイル名)と、広告効果を測定するためのプロモーションの内容を識別する情報とを対応づけたものである。例えば、ファイル名「movie1」は、製品名「AB飲料」のプロモーション用に製作された映像データであることがプロモーション情報177において示されている。情報処理装置100は、これら映像データを、
図3にも示したように、外部のサーバ900から取得することとしてもよいし、配信用映像データ171を記憶している記憶媒体19の装着を受け付けることで取得することとしてもよい。プロモーションの内容は、製品の広告であってもよく、店舗からのおすすめ商品の情報などであってもよい。また、店舗周辺の地域の観光情報や、地域の求人情報などを映像データとしてプロジェクタ300からスクリーン400へ投写することとしてもよい。
【0124】
情報処理装置100は、売上データ178を、例えば通信端末200と通信接続することによって取得することとしてもよい。
【0125】
情報処理装置100の制御部18は、これら配信ログ174と、プロモーション情報177と、売上データ178とに基づいて、表示部12に、それぞれの映像データのプロモーション結果を表示する。制御部18は、表示部12において、プロモーション結果表示部191を表示する。プロモーション結果表示部191は、プロモーションの対象の一覧と、配信ログ174に基づいて、プロモーションが行われた時刻とを対応付けたコンテンツ再生時刻192を表示するための領域である。なお、
図20においては、コンテンツ再生時刻192の製品「AB飲料」が強調されて表示されており、ユーザが製品「AB飲料」を選択中であることを示す。
【0126】
実績表示部193は、広告効果の測定結果を表示するための領域である。売上データ178は、対象となる製品の売り上げの個数(または金額など)と、日時とが対応付けられている。制御部18は、実績表示部193において、配信ログ174と、プロモーション情報177と、売上データ178とに基づいて、プロモーションが行われた時刻を示すプロモーション時刻アイコン194を表示部12に表示し、売上データ178を併せて表示する。これにより、情報処理装置100は、広告効果の測定を容易にしている。
【0127】
なお、この例では、情報処理装置100が、外部の端末から売上データ178とプロモーション情報177とを受信しているが、これに限らず、情報処理装置100から外部の端末(例えば通信端末200)に対し、配信ログ174を送信し、外部の端末において、
図20のプロモーション結果表示部191およびコンテンツ再生時刻192などの情報を表示することとしてもよい。
【0128】
<実施の形態2>
次に、別の実施の形態にかかるプロジェクションシステムについて図面を参照して説明する。
【0129】
図21は、実施の形態2のプロジェクションシステムの使用場面の一例を示す図である。例えば、カラオケボックスなどの室内空間に、プロジェクタ300を設置して、プロジェクタ300から壁面へと投影面410C、投影面410Dが投写される。ユーザは、カラオケボックスの室内空間に設置されるカラオケ装置700に対し、リモコン装置などを操作することで、所望の楽曲を選曲する。カラオケ装置700は、プロジェクタ300と接続し、プロジェクタ300に対して映像出力している。カラオケ装置700は、ユーザが選曲した楽曲に対応する映像データを記憶している場合に、この映像データをプロジェクタ300から投影面410C、投影面410Dへと投写する。ユーザは、マイク720を使用して歌唱をしつつ、投影面410C、投影面410Dに投射された映像を楽しむことができる。
【0130】
図22は、実施の形態2のプロジェクションシステムの構成を示す図である。
図22を参照して、実施の形態2のプロジェクションシステムは、情報処理装置100と、プロジェクタ300と、投影面410Aと、投影面410Bと、カラオケ装置700とを含む。
【0131】
カラオケ装置700は、複数の楽曲の音源データと、楽曲に対応した映像データとを記憶している。カラオケ装置700は、ルータ500とネットワーク800とを経由してサーバ900と接続し、サーバ900から、最新の楽曲などの音源データおよび映像データを受信して、一定数の楽曲を蓄積する。カラオケ装置700は、ユーザが選曲した楽曲を保持していない場合は、サーバ900に問い合わせを行って、サーバ900から楽曲をダウンロードする。操作用リモコン710は、例えばタッチパネル等を備えてユーザによる楽曲の選曲をする操作を受け付ける。操作用リモコン710は、カラオケ装置700と通信接続し、ユーザが選曲した楽曲を識別する情報を送信する。マイク720は、音声入力を受け付けて、音声信号をカラオケ装置700へ無線送信する。
【0132】
情報処理装置100は、カラオケ装置700と接続し、カラオケ装置700から映像信号の入力を受け付ける。実施の形態2において、情報処理装置100は、情報処理装置100の外部から入力される映像データを外部入力として受信し、外部入力にかかる映像データをプロジェクタ300へ出力するための設定を、予め配信管理テーブル173に保持しておく。これにより、情報処理装置100からプロジェクタ300へ映像データを出力するための設定が運営者等によってなされた後は、カラオケ装置700から出力される映像データを、歪み補正などを適用しつつプロジェクタ300から投影面410A、投影面410Bに投写することができる。
【0133】
カラオケ装置等においては、ユーザがどの楽曲を選曲するか、事前に予測することは困難であり、ユーザの臨場感を高めるために、カラオケ装置とともに室内空間に備わるディスプレイに、選曲された楽曲に対応する映像データを表示することがある。実施の形態2のプロジェクションシステムによると、ユーザの周囲の壁面に、楽曲に対応した映像を投写することができるため、ユーザに対し、より高い臨場感を提供することができる。
【0134】
図23は、実施の形態2の、別のプロジェクションシステムにおいて、複数のプロジェクタから映像を投写する例を示す図である。
図23に示すように、室内空間のユーザに対し、360度の周囲の空間に映像を投写することとしてもよい。例えば、プロジェクタ300Cは、投影面410Cと投影面410Dとに対して映像データを投写する。プロジェクタ300Eは、投影面410Eと投影面410Fとに対して映像データを投写する。これにより、プロジェクションシステムは、室内空間のユーザの周囲の360度の空間に映像データを表示することができ、ユーザに対して、より一層高い臨場感を提供することができる。
【0135】
図24は、実施の形態2の、別のプロジェクションシステムにおける構成の例を示す図である。
図24に示すように、例えば、タブレット型の端末である情報処理装置100は、プロジェクタ300Cとプロジェクタ300Eの2つのプロジェクタに対して映像データを出力する。情報処理装置100は、ルータ500とネットワーク800とを経由し、サーバ900から360度のパノラマ形式の動画データを受信する。
【0136】
360度のパノラマ形式の動画データとは、例えば、2つの魚眼カメラを対向するように配置し、各魚眼カメラを同期させて撮影することで得られる動画データである。360度のパノラマ形式の動画データは、円形形状の動画データを2つ含む。情報処理装置100は、サーバ900からパノラマ形式の動画データを受信した場合、2つの円形形状の動画データの一方を、円形形状から矩形形状へと変換してプロジェクタ300Cへ出力する。情報処理装置100は、もう一方の動画データも同様に矩形形状へと変換してプロジェクタ300Eへ出力する。
【0137】
これにより、実施の形態2のプロジェクションシステムは、室内空間のユーザに対し、360度のパノラマ映像の視聴体験を提供することができ、ユーザは、臨場感の高い視聴体験をすることができる。例えば、カラオケボックスにおいては、室内空間の壁面に対し、ライブ会場などのステージの位置からの360度のパノラマ映像を投写して、歌い手がステージに立っているような臨場感を提供することができる。また、360度のパノラマ映像を壁面へ投写することにより、モデルルームであれば室内の様子を再現でき、リラクゼーションサロンであれば、壁面に風景などを投写することでリラクゼーション効果の向上を期待できる。また、360度のパノラマ映像を室内空間の壁面に投写することで、例えばサッカースタジアムのピッチから見た映像などをストリーミング形式で受信して、スポーツの競技者に近い目線の映像をリアルタイムに容易に視聴可能にすることができる。また、360度のパノラマ映像を使用するゲームなどのプレイを容易にすることもでき、ゲーム機を通信接続することにより、360度のパノラマ映像を使用するゲームの通信対戦も容易にすることができる。
【0138】
また、PC等の情報処理装置は、他の通信装置との通信によって360度のパノラマ形式のデータを受信して、受信したデータに示される360度のパノラマ映像をプロジェクタに出力する。そのため、プロジェクションシステムは、例えばユーザによって作成された、360度の空間を再現するためのパノラマ形式のデータの流通を促すこともできる。
【0139】
<変形例>
図25および
図26を参照して、上記の各実施の形態で説明したプロジェクションシステムの変形例を説明する。
【0140】
各実施形態のプロジェクションシステムにおいて、情報処理装置100は、任意の画像を用いて、歪み補正を行う前の映像データ(例えば、
図16の第1の編集領域123Aに示される出力映像データ129Dなど)に対し、この画像をマスクとして使用することとしてもよい。マスクとして使用する画像は、予め作成されたものを、情報処理装置100で動作するアプリケーションが読みこむこととしてもよいし、アプリケーション上で作成および編集することができる、としてもよい。
【0141】
図25は、マスク処理の適用例を示す図である。第1の編集領域123Kにおいて映像データとして出力映像データ129Lが登録されており、この出力映像データ129Lに対し、マスク画像195を適用することとする。第1の編集領域123Lに示すように、制御部18は、出力映像データ129Lとマスク画像195とをグループ化する処理を行うことで、合成済みコンテンツ198を生成する。以後、第1の編集領域123Mに示すように、制御部18は、合成済みコンテンツ198の各頂点を移動させる入力操作に応じて、出力映像データ129Lと、マスク画像195とを併せて変形させる。このように、出力映像データ129とマスク画像195とをグループ化することで、マスク画像が、映像データの変形の入力操作の影響を受けるようにすることができる。
【0142】
図26は、マスク画像としてグラデーション画像を使用した例を示す図である。第1の編集領域123Pにおいて映像データとして出力映像データ129Pが登録されている。制御部18は、この出力映像データ129Pと、グラデーションマスク196とをグループ化する処理を行う。これにより、第1の編集領域123Qに示すように、制御部18は、合成済みコンテンツ199を生成する。
【0143】
このように、グラデーションマスクを出力映像データ129に適用することで、マスク用の画像を用いて明るさの補正をすることができる。例えば、プロジェクタ300からスクリーン400へと投写する距離が遠くなるほど、スクリーン400に投写される映像の明るさが小さくなる傾向にある。そのため、グラデーションマスクを適用することで、プロジェクタ300からスクリーン400へ投写される映像の明るさのむらを容易に調整することができる。
【0144】
(まとめ)
実施の形態にかかる情報処理装置100によると、少なくとも1つの投写映像の歪を、情報処理装置で動作するソフトウェアによって補正した上で、情報処理装置からプロジェクタへ映像を出力する。そのため、プロジェクタが通常有している補正の限界を超えて、キーストーンなどの歪を補正することができ、プロジェクタからスクリーンへと投写する角度の自由度が高まる。例えば、プロジェクタを設置することができる範囲が天井の一部など限られた空間に制約される場合においても、プロジェクタの補正の限界を超えて、映像の歪を補正することができる。
【0145】
また、例えば、広告などの用途で、ガラス面などに背面投影スクリーンを貼り、左右を反転させた映像を、室内空間に設置されたプロジェクタからこの背面投影スクリーンに映像を投写する場合がある。この場合に、プロジェクタの設置位置をスクリーンに近くし、プロジェクタから映像を投写する角度を調節することで、室外空間の人物が背面投影スクリーンに向ける視線の範囲内に、プロジェクタの光源からの発光によって発生する明るさのムラ(ホットスポット)が含まれないようにすることもできる。
【0146】
実施の形態にかかる情報処理装置100は、プロセッサと、その上で実行されるプログラムにより実現される。本発明を実現するプログラムは、通信インタフェースを介してネットワークを利用した送受信等により提供される。
【0147】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。