特許第6132353号(P6132353)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋機械金属株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6132353-射出成形機 図000002
  • 特許6132353-射出成形機 図000003
  • 特許6132353-射出成形機 図000004
  • 特許6132353-射出成形機 図000005
  • 特許6132353-射出成形機 図000006
  • 特許6132353-射出成形機 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6132353
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】射出成形機
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/84 20060101AFI20170515BHJP
   B29C 45/66 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   B29C45/84
   B29C45/66
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-525486(P2013-525486)
(86)(22)【出願日】2011年7月26日
(86)【国際出願番号】JP2011066929
(87)【国際公開番号】WO2013014747
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2014年6月25日
【審判番号】不服2015-13719(P2015-13719/J1)
【審判請求日】2015年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222587
【氏名又は名称】東洋機械金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091694
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 守
(72)【発明者】
【氏名】樽家 宏治
【合議体】
【審判長】 加藤 友也
【審判官】 藤原 浩子
【審判官】 前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−288895(JP,A)
【文献】 特開2006−334820(JP,A)
【文献】 特開2006−198895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/20-33/28
B29C 45/76-45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型の型開閉を行なうサーボモータと、該サーボモータの実測トルク値を検出するトル
ク値検出手段とを備え、
前記サーボモータを駆動し、型閉工程として、高速型閉工程、低圧型閉工程、高圧型閉
工程を順に行なう射出成形機において、
前記低圧型閉工程中に型開側で発生する前記サーボモータの実測トルク値が0よりも下
において、下降から上昇に転じる変化が生じたときに、当該下降から上昇に転じた位置に
おける予め設定した所定の正常値の範囲以外の数値に実測トルク値が変化したことを、
記金型間に異物が存在するとして判定する異常判定手段を備え、該異常判定手段で異物が
あるとして判定されたときに前記サーボモータを停止させるサーボモータ停止手段を備え
たことを特徴とする射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型閉された金型のキャビティに加熱シリンダで溶融された樹脂を射出して成形品を製造する射出成形機に関し、特に、離型不良等で金型内に成形体の一部などが残存したときに、金型の型閉動作を速やかに停止させることが可能な射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より成形体の製造を行う射出成形機においては、成形体の離型不良等により金型間に成形体の一部などが異物として残存してしまい、それを金型の型閉時に挟んでしまうという不具合が発生することが知られており、例えば、本願出願と同一出願人から出願されている特許文献1には、金型間に異物が存在するか否かを判定する異物判定手段を備えた射出成形機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4490835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図5Aは従来の射出成形機の通常(比較的低速)の型閉工程における波形を表し、図5Bは従来の射出成形機の高速の型閉工程における波形を表している。なお、図5A、5Bにおいて、縦軸は、トグルリンク機構を作動することで、固定ダイプレートに固定された固定金型に対して可動ダイプレートに固定された可動金型を動作させるサーボモータの実測トルク値(実測トルク値に対応する波形は実線)及びサーボモータの回転速度(回転速度に対応する波形は点線)を表し、横軸は、可動金型の移動位置を位置として表しており、図示しないトルク値検出手段で検出される実測トルク値が0よりも上に位置している際は、型閉側にトルクが発生している場合(型閉方向のトルク値)を表し、実測トルク値が0よりも下に位置している際は、型開側にトルクが発生している場合(型開方向のトルク値)を表し、実測トルク値が0に位置している場合は、サーボモータの加速側と減速側とのトルクの静的バランスがとれている状態を表している。図5A、5Bに示す従来の型閉工程においては、図5Aの型閉工程では、比較的低速で型閉を行なう通常速度の型閉工程、低圧による低圧型閉工程、高圧な型閉力を発生させる高圧型閉工程(図示せず)を順に行い、図5Bの型閉工程では、高速で型閉を行う高速型閉工程、低圧による低圧型閉工程、高圧な型閉力を発生させる高圧型閉工程(図示せず)を順に行うが、これら従来の低圧型閉工程においては、型側のトルク値を検出し、そのトルク値の変化に基づき、金型で異物を挟んだことを判定するようにしており、図5Aでは、低圧型閉工程中の実測トルク値が型閉側にある場合で、異物を挟んだ場合に、実測トルク値がxからyへ変化し、実測トルク値yが予め設定された正常値としての監視トルク値以外の値になることにより、異常を検出しているのだが、図5Bでは、実測トルク値が、低圧型閉工程中の前半では型開側にあり、後半では型閉側にあり、実測トルク値がxからyへ変化し、実測トルク値yが予め設定した監視トルク値を超えることに基づき行なわれる異物を挟んだことの判定が、低圧型閉工程の前半ではなく、低圧型閉工程後半の、実測トルク値が型閉側に位置しているときに行なわれることから、異常の検出に時間がかかることとなり、金型の型閉動作を速やかに停止させることができず、異物としての成形体をかなり潰すこととなり、それに伴い金型が破損してしまう虞があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、型開側に発生するトルク値により金型間に成形体の一部などが異物として存在していることを判定することで高圧型閉工程よりも前に行なわれる低圧型閉工程中に金型間の異物を検出させ、こうした異常が発生したときに、高圧型閉工程が行なわれるよりも前の段階でサーボモータによる金型の型閉動作を速やかに停止させることができる射出成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の射出成形機の発明は、
金型の型開閉を行なうサーボモータと、該サーボモータの実測トルク値を検出するトル
ク値検出手段とを備え、
前記サーボモータを駆動し、型閉工程として、高速型閉工程、低圧型閉工程、高圧型閉
工程を順に行なう射出成形機において、
前記低圧型閉工程中に型開側で発生する前記サーボモータの実測トルク値が0よりも下
において、下降から上昇に転じる変化が生じたときに、当該下降から上昇に転じた位置に
おける予め設定した所定の正常値の範囲以外の数値に実測トルク値が変化したことを、
記金型間に異物が存在するとして判定する異常判定手段を備え、該異常判定手段で異物が
あるとして判定されたときに前記サーボモータを停止させるサーボモータ停止手段を備え
たことを特徴とする射出成形機。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、射出成形機の高速型閉工程の直後であって高圧型閉工程の直前に行なわれる低圧型閉工程において、低圧型閉工程中で型開側に発生するサーボモータの実測トルク値が予め設定した所定の正常値の範囲外になったとき、異常判定手段が、金型間に異物が存在するとして判定する。そして、金型間に異物があり、異常があるとして判定されたときには、その判定に基づいてサーボモータ停止手段はサーボモータの駆動を停止させる。よって、高圧型閉工程が実行されるより前の低圧型閉工程中に、金型間に異物があるとしてサーボモータを停止させ、金型の型閉動作を緊急停止させることができることから、型閉工程の後半で行なわれる高圧型閉工程により異物が高圧で押し潰され破断されてしまうことを回避することが可能となり、ひいては、金型の破損を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】射出成形機の概略構成を示す正面図である。
図2】射出成形機の制御系統の構成を示すブロック図である。
図3】実施例1の高速の型閉工程において金型間に異物が存在した場合の表示装置に表示される波形を示す説明図である。
図4】実施例2の通常(比較的低速)の型閉工程において金型間に異物が存在した場合の表示装置に表示される波形を示す説明図である。
図5A】従来の射出成形機における通常(比較的低速)の型閉工程において、金型間に異物が存在した場合の表示装置に表示される波形を示したものである。
図5B】従来の射出成形機における高速の型閉工程において、金型間に異物が存在した場合の表示装置に表示される波形を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図1図4により以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、本実施例において説明した以外の構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【実施例1】
【0010】
図1に示すように、実施例1の射出成形機1には機台2を備え、この機台2上に射出ユニット3、型閉ユニット4が配設されている。
【0011】
射出ユニット3には、筒型の加熱シリンダ10、加熱シリンダ10の先端に設けた射出ノズル11、加熱シリンダ10の内部に設けられたスクリュー12、原料である粒状の樹脂(ペレット)が投入されるホッパ13、ホッパ13が設けられたホッパブロック14等が構成されており、加熱シリンダ10の内部に設けられたスクリュー12が回転されると、加熱シリンダ10の後部へ供給された樹脂は射出ノズル11の設けられた加熱シリンダ10の先端側へ送り出され、加熱シリンダ10内に供給されてこの加熱シリンダ10内で加熱された溶融樹脂は、図示しない計量用モータ等からなる回転駆動手段によりスクリュー12が回転されることにより計量された後、図示しない、射出用モータ、ボールネジ機構等からなる進退駆動手段によりスクリュー12が前進されることで金型のキャビティへ所定量の溶融樹脂が射出される。
【0012】
また、型閉ユニット4には、固定金型15に対し可動金型16を前進後退させ型閉及び型開を行う型開閉機構を備えており、本実施形態における型開閉機構としては、サーボモータ17の駆動力を駆動源としてトグルリンク機構18を屈曲作動することで、固定ダイプレート19に固定された固定金型15に対して可動ダイプレート20に固定された可動金型16を繰り返し型開閉される。
【0013】
また、図2等に示すように、射出成形機1には、サーボモータ17の回転速度及び実測トルク値が波形として表示される表示装置5を備えており、射出成形機1に構成される制御手段21には、表示装置5に対し前述した波形等の各種情報を表示させる表示処理部22、サーボモータ17の実測トルク値を検出するトルク値検出手段23、トルク値検出手段23で検出した実測トルク値や、後述する低圧型閉工程における正常値が格納される記憶手段24、低圧型閉工程中の実測トルク値が、予め設定された低圧型閉工程の正常値の範囲から外れた際に、金型間に異物が存在するとして判定する異常判定手段25、異常判定手段25で異物があるとして判定されたときにサーボモータ17を停止させるサーボモータ停止手段26等を備える。なお、異常判定手段25による異物の判定は、離型不良により固定金型15や可動金型16のキャビティを形成する面に成形体が残存した際に、その残存した成形体が金型で挟さまれ、サーボモータ17の実測トルク値が、正常値から外れたことに基づいて判定される。
【0014】
ここで、高速で行なわれる型閉工程において、離型不良により金型間に成形体が残存した際の動作について、図3により説明する。なお、図3、及び後述する図4では、縦軸はサーボモータ17の実測トルク値(実測トルク値に対応する波形は実線)及びサーボモータ17の回転速度(回転速度に対応する波形は点線)を表し、横軸は可動金型16の移動位置を位置として表しており、トルク値検出手段23で検出される実測トルク値が0よりも上に位置している際は、型閉側にトルクが発生している場合(型閉方向のトルク値)を表し、実測トルク値が0よりも下に位置している際は、型開側にトルクが発生している場合(型開方向のトルク値)を表し、実測トルク値が0に位置している場合は、サーボモータ17の加速側と減速側とのトルクの静的バランスがとれている状態を表している。また、本実施例1の射出成形機1の型閉工程としては、高速型閉工程、低圧型閉工程、高圧型閉工程を順に行なうが、本発明の要旨とするところは、低圧型閉工程中のサーボモータ17の実測トルク値の変化に基づく判定であるため、異物の判定がされた以降の波形は、図3、及び後述する図4では図示を省略している。
【0015】
図3に示されるように、型閉工程が開始されると、高速型閉工程においては、先ずサーボモータ17の実測トルク値は一定になるよう駆動され(a−b間)、サーボモータ17の回転速度が所定速度に達すると(b)、その状態でサーボモータ17の回転速度と実測トルク値は一定に維持され(b−c)、b−c間の実測トルク値はa−b間よりも低い実測トルク値で一定に推移される。
【0016】
続いて、低圧型閉工程に移行するため、高速型閉工程後半のc−d間で減速が(サーボモータ17の駆動をオフ)行われると、その減速に伴い、実測トルク値は0に近づき、c−d間において、前半では実測トルク値が0よりも上に位置し、型閉側にトルクが発生しているのに対し、後半では実測トルク値が0よりも下に位置し、型開側にトルクが発生する。続いて、低圧型閉工程が開始された以降(d−e)の実測トルク値は、0よりも下の型開側に位置し型開側にトルクが発生される。なお、高速で型閉工程を行う図3の型閉工程においては、同図に示すように、実測トルク値が、高速型閉工程の後半から低圧型閉工程の前半に跨って徐々に変化(波形が下降)するようになっており、また、図3のd−e間においては、サーボモータ17の回転速度がほぼ一定になるよう駆動される。
【0017】
そして、低圧型閉工程中において、金型間に異物が存在し当該金型で異物が挟まれた場合には、eの実測トルク値xがfの実測トルク値yへと変化し(下降中であった波形が上昇)、型開側(0より下)で増加(増加する際は0から遠ざかる)しつつあった実測トルク値は、減少される(0に近づく)。つまり、実測トルク値の波形の方向がeの位置にて逆方向に切り換えられ(下降から上昇に転じる)、eにおける実測トルク値xから、fにおける実測トルク値yへと実測トルク値が変化し(型開側における実測トルク値の減少)、実測トルク値yについて、ユーザの設定により予め正常値として記憶手段24に格納されていた、正常値たる監視トルク値(eの位置のxの±20%の範囲の値)以外の数値に変化したとして、異常判定手段25により判定されると、その判定に基づきサーボモータ停止手段2がサーボモータ17の駆動を緊急停止させる。
【実施例2】
【0018】
次に、図3に基づき説明した高速で行なわれる型閉工程よりも低速で行なわれる通常の型閉工程について、実施例2として図4により説明する。なお、実施例2の型閉工程は、実施例1の型閉工程とは相違するが、実施例1で説明した射出成形機1を適用するものであることから、構成等の説明については省略し、実施例1で用いた符号を用い以下に説明する。
【0019】
実施例2の高速で型閉工程を行なわない通常(比較的低速)の型閉工程においては、型閉工程が開始されると、通常速度の型閉工程においては、サーボモータ17の実測トルク値は一定になるよう駆動され(a−b間)、サーボモータ17の実測トルク値が所定値に達すると(b)、それ以降は、サーボモータ17の回転速度と実測トルク値は一定に維持され(b−c)、b−c間の実測トルク値はa−b間よりも低い実測トルク値で一定に推移される。
【0020】
続いて、低圧型閉工程に移行するため、通常速度の型閉工程後半のc−d間で減速(サーボモータ17の駆動をオフ)が行われると、その減速中には、a−c間では実測トルク値が0よりも上に位置し、型閉側にトルクが発生していたのに対し、c−d間の実測トルク値は、0よりも下の型開側へ移行され、型開側にトルクが発生されることになる。
【0021】
続いて、通常速度の型閉工程の終了時であって低圧型閉工程の開始時であるdの位置にてサーボモータ17が駆動されると、実測トルク値は、型閉側(0より上)へと移行され、サーボモータ17の回転速度と実測トルク値が一定になるよう動作され(d−e)、次に、サーボモータ17の駆動のオフにより、サーボモータ17が減速される(e−f間)と、e−f間の実測トルク値は、型開側(0より下)へと移行され一定で推移される。そして、金型間に異物が存在し当該金型で異物が挟まれた場合には、e−fにかけて一定で推移してきた実測トルク値xは、fにおける実測トルク値xから、gにおける実測トルク値yへと変化し(型開側における実測トルク値の減少)、実測トルク値yについて、ユーザの設定により予め正常値として記憶手段24に格納されていた、正常値たる監視トルク値(e―f間の位置のxの±20%の範囲の値)以外の数値に変化したとして、異常判定手段25により判定されると、その判定に基づきサーボモータ停止手段26がサーボモータ17の駆動を緊急停止させる。
【0022】
以上のように実施例1、2の射出成形機1によれば、金型の型開閉を行なう駆動源としてのサーボモータ17と、サーボモータ17の実測トルク値を検出するトルク値検出手段23とを備え、サーボモータ17を駆動し、型閉工程として、高速型閉工程(又は通常速度の型閉工程)、低圧型閉工程、高圧型閉工程を順に行なう射出成形機1において、低圧型閉工程中で型開側等に発生するサーボモータ17の実測トルク値が、予め設定した所定の正常値の範囲から外れた際に金型間に異物が存在するとして判定する異常判定手段25を備え、異常判定手段25が異物があるとして判定したときにサーボモータ17を停止させるサーボモータ停止手段26を備え、高速型閉工程又は通常速度の型閉工程の直後であって高圧型閉工程の直前に行なわれる低圧型閉工程において、型開側に発生するサーボモータ17の実測トルク値が予め設定した所定の正常値の範囲外になったときには、異常判定手段25が、金型間に異物が存在するとして判定をし、金型間に異物があり、異常があるとして判定されたときには、その判定に基づいてサーボモータ停止手段26がサーボモータ17の駆動を停止させる。よって、高圧型閉工程が実行されるより前の低圧型閉工程中に、金型間に異物があるとしてサーボモータ17を停止させ、金型の型閉動作を緊急停止させることができることから、型閉工程の後半で行なわれる高圧型閉工程により異物が高圧で押し潰され破断されてしまうことを回避することが可能となり、ひいては、高圧型閉工程により異物が高圧で押し潰され破断されることに伴う金型の破損を防止することが可能となる。
【0023】
以上、本実施形態の一例を詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。上記一例では、異常判定手段25が金型間に異物が存在するとして判定をした際、サーボモータ17の駆動を緊急停止し、それにより型閉動作を緊急停止させるが、サーボモータ17の駆動を緊急停止させたその直後に、アラーム音の発生や、表示装置5に警告情報を文字や図形等で表示することでユーザに対し注意喚起するようにしてもよい。また、記憶手段24に予め格納される正常値(監視トルク値)としては、xの±20%の範囲の値として予め設定され記憶手段24に格納されたものであるが(例えば、xが「100」である場合には、80〜120の範囲の値)、その範囲としては、xの±20%に限定するのではなく、±10%や±5%にするなど、その設定範囲を適宜選定できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 射出成形機
15 固定金型(金型)
16 可動金型(金型)
17 サーボモータ
23 トルク値検出手段
25 異常判定手段
26 サーボモータ停止手段
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B