(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環がベンゼン、トルエン、アニリン、ニトロベンゼン、スチレン、フェノール、クロロベンゼン、安息香酸、ベンゾニトリルから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)本発明の第1のナノカーボン材料含有ゲルの製造方法
ナノカーボン材料と、ゲル化媒体としての液体状態にある置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環および/または置換基を有していてもよい芳香族複素単環(塩の形態であってもよいがイオン液体は除く)を、撹拌混合することによることを特徴とするものである(但しゲル化媒体に対するナノカーボン材料の配合割合は両者を撹拌混合することでゲル化する配合割合とする)。
以下、その詳細を説明する。
【0012】
(ナノカーボン材料)
本発明の第1のナノカーボン材料含有ゲルの製造方法の適用対象となるナノカーボン材料としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラファイト、グラフェン、カーボンナノホーン、ピーポッド、フラーレンなどの、大きさ(カーボンナノチューブにおいては直径、カーボンナノファイバーにおいては繊維径)がナノメートルスケールの炭素素材が例示される。カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ(SWNTs)であってもよいし、多層カーボンナノチューブ(MWNTs)であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
【0013】
(ゲル化媒体)
本発明の第1のナノカーボン材料含有ゲルの製造方法に用いるゲル化媒体は、液体状態にある置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環および/または置換基を有していてもよい芳香族複素単環(塩の形態であってもよいがイオン液体は除く)である。ゲル化媒体は単一の物質を用いてもよいし複数種類の物質を混合して用いてもよい。
【0014】
芳香族炭化水素単環とは、芳香族性を有する炭化水素単環を意味し、その代表例としてはベンゼンが挙げられる。芳香族炭化水素単環の員数は5〜10が望ましい。環の員数が小さすぎても大きすぎてもナノカーボン材料と効果的な相互作用を示すことが困難になることでゲル形成能が低下する。
【0015】
芳香族複素単環とは、芳香族性を有する複素単環を意味し、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1個以上含むものであればどのようなものであってもよい(ヘテロ原子を2個以上含む場合は同じへテロ原子を含んでもよいし異なるヘテロ原子を含んでもよい)。その具体例としては、窒素原子を含む芳香族複素単環であるピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、酸素原子を含む芳香族複素単環であるフラン、硫黄原子を含む芳香族複素単環であるチオフェン、リン原子を含む芳香族複素単環であるホスホール、窒素原子と酸素原子を含む芳香族複素単環であるオキサゾールやイソオキサゾール、窒素原子と硫黄原子を含む芳香族複素単環であるチアゾールやイソチアゾールなどが挙げられる。芳香族複素単環の員数は5〜10が望ましい。環の員数が小さすぎても大きすぎてもナノカーボン材料と効果的な相互作用を示すことが困難になることでゲル形成能が低下する。
【0016】
芳香族炭化水素単環や芳香族複素単環が分子内に有していてもよい置換基は特に限定されるものではない。置換基の具体例としては、アルキル基(メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、ドデシル基などの炭素数が1〜20の直鎖状または分岐鎖状または環状のアルキル基)、低級アルケニル基(ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、1−メチルアリル基などの炭素数が2〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基)、低級アルキニル基(エチニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基などの炭素数が2〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキニル基)、トリフルオロメチル基、低級アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基などの炭素数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基)、ハロゲン(塩素、臭素など)、ニトロ基、水酸基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基(モノメチルアミノ基などの炭素数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基でモノ置換されたアミノ基)、ジ低級アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基などの炭素数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基でジ置換されたアミノ基)、トリ低級アルキルシリル基(トリメチルシリル基などの炭素数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基でトリ置換されたシリル基)、ヒドロキシ低級アルキル基(ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などの炭素数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状のヒドロキシアルキル基)、低級アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのアルコキシ部分が炭素数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状であるアルコキシカルボニル基)、低級アルケニルオキシカルボニル基(ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基などのアルケニル部分が炭素数が2〜10の直鎖状または分岐鎖状であるアルケニルオキシカルボニル基)、低級アシル基(アセチル基、プロピオニル基などの炭素数が2〜10の直鎖状または分岐鎖状であるアシル基)、ハロゲン化アシル基(塩化アシル基、臭化アシル基など)、ホルミル基、アセタール化ホルミル基(エチレンアセタール化ホルミル基、プロピレンアセタール化ホルミル基など)、イソシアネート基、シアノ基、カルボニル基、カルバモイル基、低級アルキルカルバモイル基(メチルカルバモイル基などのアルキル部分が炭素数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状であるアルキルカルバモイル基)、低級アルキルスルホニル基(メチルスルホニル基などのアルキル部分が炭素数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状であるアルキルスルホニル基)、低級アルコキシスルホニル基(メトキシスルホニル基などのアルコキシ部分が炭素数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状であるアルコキシスルホニル基)、スルファモイル基、低級アルキルスルファモイル基(メチルスルファモイル基などのアルキル部分が炭素数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状であるアルキルスルファモイル基)、ジ低級アルキルホスホリル基(ジメチルホスホリル基など)、ジ低級アルコキシホスホリル基(ジメトキシホスホリル基など)、ジアミノホスホリル基、ボロニル基などが挙げられる。アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基は、置換基を有していてもよい(置換基としては上記の置換基の中のこれら以外の置換基が挙げられる)。芳香族炭化水素単環や芳香族複素単環が分子内に有していてもよい置換基の個数は1つであってもよいし2つ以上であってもよい。芳香族炭化水素単環や芳香族複素単環が分子内に置換基を2つ以上有する場合、置換基の種類は同じであってもよいし異なっていてもよい。また、2つの置換基が一緒になって炭素数が3〜10のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基を形成してもよい(これらは置換基を有していてもよいし鎖の途中にヘテロ原子を含んでいてもよい)。さらに、2つの置換基が一緒になって−CH=CH−CO−O−、−NH−N=N−、−CH
2−CH
2−NH−などを形成してもよい。
【0017】
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環や置換基を有していてもよい芳香族複素単環は、塩の形態、例えば、ナトリウム塩やカルシウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩やカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、塩酸塩や硫酸塩などの無機酸塩、クエン酸塩や酢酸塩などの有機酸塩、4級アンモニウム塩などであってもよい。
【0018】
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環としては、例えば、ベンゼン、トルエン、アニリン、ニトロベンゼン、スチレン、フェノール、クロロベンゼン、安息香酸、ベンゾニトリルなどを好適に用いることができる。また、置換基を有していてもよい芳香族複素単環としては、ピリジンなどを好適に用いることができる。しかしながら、好適に用いることができる置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環や置換基を有していてもよい芳香族複素単環は、これらの物質に限定されるわけではない。
【0019】
(ナノカーボン材料とゲル化媒体の攪拌混合)
本発明の第1のナノカーボン材料含有ゲルの製造方法においてゲル化媒体として用いる置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環や置換基を有していてもよい芳香族複素単環が液体状態にて行う限り、どのような方法で行ってもよい。具体的には、手動または電動によるメノウ乳鉢と乳棒を使用した混合、超音波照射、攪拌子を使用した攪拌、振とう攪拌、粉砕機による高速振動といった機械的手法を採用することができる。特筆すべきは、特許文献1に記載の方法において必須とされているせん断力は必ずしも必要でないことである。なお、本発明の第1のナノカーボン材料含有ゲルの製造方法においてゲル化媒体として用いる置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環や置換基を有していてもよい芳香族複素単環は、常温(室温を意味し具体的には15℃〜25℃が例示される)で液体状態のものが多いので、そうしたものの場合、常温でそのままゲル化媒体としてナノカーボン材料と撹拌混合することができる。置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環や置換基を有していてもよい芳香族複素単環が常温で固体状態であって液体状態でない場合、これらの物質に対して溶解能を有する液体物質、例えば、水、有機溶媒、これらの混合溶媒などを用いて溶解することで液体状態にしてゲル化媒体として用いればよい。有機溶媒としては、メタノールやエタノールやイソプロパノールなどのアルコール、エチレングリコールやプロピレングリコールなどのポリアルコール、アセトン、アセトニトリル、エーテル、ヘキサン、酢酸エチルなどを用いることができる。ゲル化媒体として用いる溶液中には、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環や置換基を有していてもよい芳香族複素単環が、30重量%以上含まれていることが望ましく、50重量%以上含まれていることがより望ましい。置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環や置換基を有していてもよい芳香族複素単環が塩の形態である場合、常温で固体状態のものが多いが、こうした場合もこれらの物質に対して溶解能を有する液体物質を用いて溶解することで液体状態にしてゲル化媒体として用いればよい。また、加熱によって溶融させることで液体状態(溶融状態)にできるものはそうしてゲル化媒体として用いればよい。加熱の程度は、物質の融点に依存するため、個々の物質によって異なるが、本発明の第1のナノカーボン材料含有ゲルの製造方法において用いるゲル化媒体は有機物質であることに鑑みれば、その上限は通常300℃である。また、常温で液体状態である置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環や置換基を有していてもよい芳香族複素単環は、これらの物質に対して溶解能を有する液体物質を用いて希釈してゲル化媒体として用いることもできる。この場合、ゲル化媒体として用いる溶液中には、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環や置換基を有していてもよい芳香族複素単環が、30重量%以上含まれていることが望ましく、50重量%以上含まれていることがより望ましい。
【0020】
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環や置換基を有していてもよい芳香族複素単環が、例えばスチレンのように、それ自体同士が重合することによって合成樹脂などの高分子物質となることができる物質の場合、ナノカーボン材料と撹拌混合してゲルを得た後に重合させることで、ナノカーボン材料を含む高分子組成物を得ることができる。また、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環や置換基を有していてもよい芳香族複素単環が、その他の物質と重合することによって合成樹脂などの高分子物質となることができる物質の場合、ゲルを製造する途中やゲルを製造した後にその他の物質を混合し、重合させることで、ナノカーボン材料を含む高分子組成物を得ることができる。置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環や置換基を有していてもよい芳香族複素単環が常温で固体状態である物質の場合、この物質に対して溶解能を有する液体物質として、この物質と重合することによって合成樹脂などの高分子物質となることができる物質を用いると、両者を混合して得られるゲル化媒体は重合性を有するので、ナノカーボン材料と撹拌混合してゲルを得た後に2つの物質を重合させることによってナノカーボン材料を含む高分子組成物を得ることができる。こうした組み合わせの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂の原料となるテレフタル酸ジメチル(常温で固体状態)とエチレングリコールの組み合わせなどが挙げられる。
【0021】
ナノカーボン材料とゲル化媒体の配合割合は、両者を撹拌混合することでゲル化する配合割合である限りどのような配合割合であってもよいが、両者を撹拌混合することでゲル化する配合割合は用いるゲル化媒体によって異なるため、一律に規定することはできない。しかしながら、ナノカーボン材料とゲル化媒体を撹拌混合することでゲル化する配合割合は、概ね、ゲル化媒体に対するナノカーボン材料の重量比が0.5%からであり、望ましくは1%以上、より望ましくは3%以上、さらに望ましくは4.5%以上である。ゲル化媒体に対するナノカーボン材料の重量比が少なすぎると、ゲル化媒体がナノカーボン材料に対して相対的に過剰となることでゲル化しにくくなる。一方、ゲル化媒体に対するナノカーボン材料の配合割合が多すぎると、ゲル化媒体がナノカーボン材料に対して相対的に不足することでゲルの状態を維持しにくくなる(軟性を失って乾いた粘土のような状態になりやすい)。従って、ゲル化媒体に対するナノカーボン材料の重量比は50%以下が望ましく、40%以下がより望ましく、30%以下がさらに望ましい。
【0022】
(2)本発明の第2のナノカーボン材料含有ゲルの製造方法
ナノカーボン材料と、ゲル化媒体としての、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環、置換基を有していてもよい芳香族複素単環から選択される少なくとも1種を分子内にあわせて2個以上有する常温で固体状態の物質を、この物質に対して溶解能を有する液状物質に溶解することで得られる溶液を、攪拌混合することによることを特徴とするものである。
以下、その詳細を説明する。
【0023】
(ナノカーボン材料)
本発明の第2のナノカーボン材料含有ゲルの製造方法の適用対象となるナノカーボン材料としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラファイト、グラフェン、カーボンナノホーン、ピーポッド、フラーレンなどの、大きさ(カーボンナノチューブにおいては直径、カーボンナノファイバーにおいては繊維径)がナノメートルスケールの炭素素材が例示される。カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ(SWNTs)であってもよいし、多層カーボンナノチューブ(MWNTs)であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
【0024】
(ゲル化媒体)
本発明の第2のナノカーボン材料含有ゲルの製造方法に用いるゲル化媒体は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環、置換基を有していてもよい芳香族複素単環から選択される少なくとも1種を分子内にあわせて2個以上有する常温で固体状態の物質を、この物質に対して溶解能を有する液体物質に溶解することで得られる溶液である。芳香族炭化水素単環、芳香族複素単環、これらが有していてもよい置換基の詳細については上述の通りである。ゲル化媒体は単一の溶液を用いてもよいし複数種類の溶液を混合して用いてもよい。
【0025】
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環、置換基を有していてもよい芳香族複素単環から選択される少なくとも1種を分子内にあわせて2個以上有する常温で固体状態の物質が有する芳香族炭化水素単環や芳香族複素単環の分子内における存在形態は特に限定されるものではなく、互いが直接的に結合して存在してもよいし、他の原子(炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子など)を介して結合して存在してもよい。また、これらは、縮合環の構成単環として互いが縮合して存在してもよいし、直接的に結合して存在してもよいし、他の原子を介して結合して存在してもよい。縮合環の具体例としては以下のものが挙げられる。
A.芳香族炭化水素縮合環:6員環同士
ナフタレン、フェナントレン、ピレン、アセナフテン、アセナフチレン、アントラセン、ベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[e]ピレン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[g,h,i]ペリレン、ベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、クリセン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、フルオランテン、フルオレン、インデノ[1,2,3−c,d]ピレン、テトラセン、トリフェニレン、テトラフェン、ペンタセン、ピセン、ペリレン
B.ヘテロ原子を有する芳香族縮合環:5員環+6員環
ベンゾフラン、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、ベンゾチオフェン、ベンゾ(c)チオフェン、ベンゾホスホール、ベンゾイミダゾール、プリン、インダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール
C.ヘテロ原子を有する芳香族縮合環:6員環+6員環
キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、アクリジン
D.その他
例えばシクロペンタジエニルアニオンとシクロヘプタトリエニウムイオンが縮合して構成されるアズレン(5員環+7員環)
【0026】
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環、置換基を有していてもよい芳香族複素単環から選択される少なくとも1種を分子内にあわせて2個以上有する常温で固体状態の物質は、塩の形態、例えば、ナトリウム塩やカルシウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩やカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、塩酸塩や硫酸塩などの無機酸塩、クエン酸塩や酢酸塩などの有機酸塩、4級アンモニウム塩などであってもよい。
【0027】
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環、置換基を有していてもよい芳香族複素単環から選択される少なくとも1種を分子内にあわせて2個以上有する常温で固体状態の物質に対して溶解能を有する液体物質としては、例えば、水、有機溶媒、これらの混合溶媒などが挙げられる。有機溶媒としては、メタノールやエタノールやイソプロパノールなどのアルコール、エチレングリコールやプロピレングリコールなどのポリアルコール、アセトン、アセトニトリル、エーテル、ヘキサン、酢酸エチルなどを用いることができる。ゲル化媒体として用いる溶液中には、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環、置換基を有していてもよい芳香族複素単環から選択される少なくとも1種を分子内にあわせて2個以上有する常温で固体状態の物質が、30重量%以上含まれていることが望ましく、50重量%以上含まれていることがより望ましい。
【0028】
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環、置換基を有していてもよい芳香族複素単環から選択される少なくとも1種を分子内にあわせて2個以上有する常温で固体状態の物質が、それ自体同士が重合することによって合成樹脂などの高分子物質となることができる物質の場合、この物質に対して溶解能を有する液体物質を用いて溶解してゲル化媒体としてからナノカーボン材料と撹拌混合してゲルを得た後に重合させることで、ナノカーボン材料を含む高分子組成物を得ることができる。また、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環、置換基を有していてもよい芳香族複素単環から選択される少なくとも1種を分子内にあわせて2個以上有する常温で固体状態の物質が、その他の物質と重合することによって合成樹脂などの高分子物質となることができる物質の場合、ゲルを製造する途中やゲルを製造した後にその他の物質を混合し、重合させることで、ナノカーボン材料を含む高分子組成物を得ることができる。置換基を有していてもよい芳香族炭化水素単環、置換基を有していてもよい芳香族複素単環から選択される少なくとも1種を分子内にあわせて2個以上有する常温で固体状態の物質に対して溶解能を有する液体物質として、この物質と重合することによって合成樹脂などの高分子物質となることができる物質を用いると、両者を混合して得られるゲル化媒体は重合性を有するので、ナノカーボン材料と撹拌混合してゲルを得た後に2つの物質を重合させることによってナノカーボン材料を含む高分子組成物を得ることができる。こうした組み合わせの具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の原料となるビスフェノールA(常温で固体状態)とエピクロルヒドリンの組み合わせをはじめとする、各種のビスフェノール型エポキシ樹脂の原料となるモノマー成分の組み合わせなどが挙げられる。
【0029】
(ナノカーボン材料とゲル化媒体の攪拌混合)
本発明の第2のナノカーボン材料含有ゲルの製造方法において用いるゲル化媒体が液体状態にて行う限り、どのような方法で行ってもよい。具体的には、手動または電動によるメノウ乳鉢と乳棒を使用した混合、超音波照射、攪拌子を使用した攪拌、振とう攪拌、粉砕機による高速振動といった機械的手法を採用することができる。特筆すべきは、特許文献1に記載の方法において必須とされているせん断力は必ずしも必要でないことである。ナノカーボン材料とゲル化媒体の配合割合は、ゲル化媒体に対するナノカーボン材料の重量比が0.1%以上が望ましく、0.5%以上がより望ましく、1%以上がさらに望ましい。ゲル化媒体に対するナノカーボン材料の重量比が少なすぎると、得られるゲルのナノカーボン材料含有量が少なくなる。一方、ゲル化媒体に対するナノカーボン材料の配合割合が多すぎると、ゲル化媒体がナノカーボン材料に対して相対的に不足することでゲルの状態を維持しにくくなる(軟性を失って乾いた粘土のような状態になりやすい)。従って、ゲル化媒体に対するナノカーボン材料の重量比は30%以下が望ましく、25%以下がより望ましく、20%以下がさらに望ましい。
【0030】
本発明の第1の製造方法および第2の製造方法によって製造されるナノカーボン材料含有ゲルは、ゲルゆえに加工性が高いので、各種の高分子物質(例えばポリビニルアルコール樹脂、ポリエステル樹脂、ビスフェノール樹脂など)に分散させることでナノカーボン材料を含む高分子組成物を調製した後(高分子物質へのゲルの分散はゲルを製造する途中やゲルを製造した後に高分子物質を混合することで行うこともできるし高分子物質を調製する途中にゲルを混合することで行うこともできる)、塗布、射出、押出といった様々な手法で加工し、実用に供することができる。従って、インク、塗料、プラスチック、ゴムなどをはじめとする各種の物品にナノカーボン材料を組み込むといったことが容易となり、ナノカーボン材料の用途展開が多彩になる。とりわけ、本発明の第1の製造方法によって製造されてなるナノカーボン材料含有ゲルは、有機溶媒などとして安価に入手が可能なベンゼンなどをゲル化媒体として用いることができるので、製造コストを抑えることができるという利点がある。加えて、ベンゼンなどは揮発性が高いので、例えばゲルを基材の表面に塗布した後、減圧下や常圧下でゲルからゲル化媒体を抜去することで、ナノカーボン材料からなる構造体を基材の表面に形成することができる。さらに、ナノカーボン材料とゲル化媒体からゲルを製造する際にナノカーボン材料とは異なる機能性材料を系内に添加した場合、得られるゲルは、ナノカーボン材料とその他の機能性材料の両者を含有する複合素材として利用することができる。従って、本発明によれば、機能性素材としてのナノカーボン材料の利用可能性を、従来技術では達成しえなかった分野や用途にまで広げることができる。
【実施例】
【0031】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって何ら限定して解釈されるものではない。なお、以下の実施例における実験は全て室温で行った。
【0032】
実施例1:
トルエン402.9mgをバイアルにとり、超音波照射しながらSWNTs(カーボンナノテクノロジー社製、以下同じ)55.2mg(前者に対して13.7wt%)を添加すると、内容物がゲル化した。内容物がゲルであることの確認は、バイアルを反転させてもバイアルの底の内容物が維持されたままである(流動性がない)ことと外観観察で行った。
【0033】
実施例2:
トルエン500.0mgをバイアルにとり、超音波照射しながらMWNTs(Thomas Swan社製、以下同じ)45.1mg(前者に対して9.0wt%)を添加すると、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。
【0034】
実施例3:
トルエン115.0mgを、メノウ乳鉢にとったMWNTs7.0mg(前者に対して6.1wt%)に、乳棒を用いて混合しながら添加すると、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。このゲルにトルエン115.0mgを乳棒を用いて混合しながら添加すると、ゲルはマイクロピペットを用いてマイクロチューブに移し替えることができる程度に軟化したが、MWNTsの凝集(バンドル化)は認められなかった。
【0035】
実施例4:
スチレン393.7mgをバイアルにとり、超音波照射しながらMWNTs39.4mg(前者に対して10.0wt%)を添加すると、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。
【0036】
実施例5:
ベンゼン130.0mgをメノウ乳鉢にとり、乳棒を用いて混合しながらMWNTs5.0mg、5.3mg、5.4mgを順次添加すると(合計15.7mg:前者に対して12.1wt%)、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。このゲルにベンゼン130.0mgを乳棒を用いて混合しながら添加すると、ゲルはマイクロピペットを用いてマイクロチューブに移し替えることができる程度に軟化したが、MWNTsの凝集は認められなかった。
【0037】
実施例6:
アニリン108.4mgをメノウ乳鉢にとり、乳棒を用いて混合しながらMWNTs5.1mg(前者に対して4.7wt%)を添加すると、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。このゲルにアニリン108.4mgを乳棒を用いて混合しながら添加すると、ゲルはマイクロピペットを用いてマイクロチューブに移し替えることができる程度に軟化したが、MWNTsの凝集は認められなかった。
【0038】
実施例7:
アニリン塩酸塩(結晶)61.075gを水150mLに溶解させてアニリン塩酸塩水溶液を得た。その一部(100μL:アニリン塩酸塩含有量は49.7mg)をゲル化媒体としてマクロピペットを用いてメノウ乳鉢に移し替え、乳棒を用いて混合しながらMWNTs6.1mg(ゲル化媒体に対して6.1wt%)を添加すると、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。
【0039】
実施例8:
フェノール(結晶)1.0239mgをバイアルにとり、蒸留水100μLを加えた後、バイアルを手でよく振って結晶を溶解させてフェノール水溶液を得た。その一部(95.5μL:フェノール含有量は0.946mg)をゲル化媒体としてマクロピペットを用いてメノウ乳鉢に移し替え、乳棒を用いて混合しながらMWNTs5.6mg(ゲル化媒体に対して6.0wt%)を添加すると、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。
【0040】
実施例9:
ニトロベンゼン123.0mgをメノウ乳鉢にとり、乳棒を用いて混合しながらSWNTs5.8mg(前者に対して4.7wt%)を添加すると、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。このゲルにニトロベンゼン123.0mgを乳棒を用いて混合しながら添加すると、ゲルは軟化したが、SWNTsの凝集は認められなかった。軟化したゲルをマイクロピペットを用いてTEMグリッド(HIGH GRADE Cu/Rh HR−26 400mesh、Maxtaform社製、以下同じ)に塗布し、1日間自然乾燥してニトロベンゼンを抜去した後、透過型電子顕微鏡(TEM)画像を得た。その結果、SWNTsは、そのほとんどが1本〜20本程度の束状(その太さは3nm〜50nm程度)になってゲル媒体であるニトロベンゼン中に分散され、立体的な3次元の網目構造を形成していたことがわかった(
図1参照)。SWNTsとニトロベンゼンを撹拌混合することでゲル化し、SWNTsがニトロベンゼン中で安定に保持されるのは、SWNTsがニトロベンゼン中でこうした3次元の網目構造を形成することで、SWNTs同士の動的な会合が効果的に抑制されるためであると推察された。
【0041】
実施例10:
ニトロベンゼン123.0mgをメノウ乳鉢にとり、乳棒を用いて混合しながらMWNTs3.6mg(前者に対して2.9wt%)を添加すると、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。このゲルにニトロベンゼン123.0mgを乳棒を用いて混合しながら添加すると、ゲルは軟化したが、MWNTsの凝集は認められなかった。軟化したゲルをマイクロピペットを用いてTEMグリッドに塗布し、1日間自然乾燥してニトロベンゼンを抜去した後、透過型電子顕微鏡(TEM)画像を得た。その結果は実施例9のSWNTsと同様であり、MWNTsも、そのほとんどが1本〜20本程度の束状(その太さは3nm〜50nm程度)になってゲル媒体であるニトロベンゼン中に分散され、立体的な3次元の網目構造を形成していたことがわかった(
図2参照)。
【0042】
実施例11:
トルエンのかわりにクロロベンゼンを用いること以外は実施例1と同様の操作を行なったところ、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。
【0043】
実施例12:
トルエンのかわりに安息香酸を用いること以外は実施例1と同様の操作を行なったところ、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。
【0044】
実施例13:
トルエンのかわりにベンゾニトリルを用いること以外は実施例1と同様の操作を行なったところ、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。
【0045】
実施例14:
トルエンのかわりにピリジンを用いること以外は実施例1と同様の操作を行なったところ、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。
【0046】
(実施例1〜実施例14のまとめと考察)
本発明の第1の製造方法によれば、ゲル化媒体に対してナノカーボン材料を重量比で5%以上含んでなるナノカーボン材料含有ゲルを製造することができる。ナノカーボン材料が高含有のゲルは、インク、塗料、プラスチック、ゴムなどをはじめとする各種の物品に所定量のナノカーボン材料を組み込んで機能性を付与したい場合などに有用である。また、ゲル化媒体をゲルに追加添加することでナノカーボン材料の凝集を引き起こすことなくゲルの粘性を容易に低下できることは、ゲルの取り扱い性の向上に寄与する。この実施例においてゲル化媒体として用いているベンゼン、アニリン、ベンゾニトリル、ピリジンは、特許文献2に記載の方法におけるゲル化媒体に要求される化学構造条件を満たさないことでゲル化媒体になり得ないと特許文献2において判定されているものである。その根拠は、これらの物質に対してSWNTsを3.5wt%添加した場合に内容物がゲル化しなかったことによる。しかしながら、これらの物質も、これらの物質に対するSWNTsの添加量を増やすことでゲル化媒体として機能し、内容物がゲル化することがこの実施例によってわかった。即ち、特許文献2に記載の方法におけるゲル化媒体に要求される化学構造条件を満たさない芳香族炭化水素単環や芳香族複素単環であっても、本質的にゲル形成能を有しないのではないということである。これらの物質も、特許文献2に記載の方法におけるゲル化媒体に要求される化学構造条件を満たす物質(芳香族炭化水素単環や芳香族複素単環を分子内にあわせて2個以上有する物質)よりもゲル形成能は低いものの、ゲル形成能を有している。ゲル形成能が低いことには有利な点がある。それは、ゲル形成能が高いゲル化媒体を用いた場合、ゲル化媒体に対するナノカーボン材料の添加量が少なくてもゲル化をもたらすので、高含量のゲルを得にくい側面を有するが、ゲル形成能が低いゲル化媒体を用いた場合、ゲル化媒体に対するナノカーボン材料の添加量が多くなければゲル化をもたらさないので、結果として高含量のゲルを得やすいという利点である。本発明の第1の製造方法によれば、ゲル化媒体に対してナノカーボン材料を重量比で5%以上、望ましくは10%以上含んでなるナノカーボン材料含有ゲルを製造することができることには、こうしたゲル化媒体の特質が関与していると考えられる。
【0047】
実施例15:
ニトロベンゼン123.0mgをメノウ乳鉢にとり、乳棒を用いて混合しながら市販のグラファイト電極をメノウ乳鉢で乳棒を用いて微細に粉砕したもの51.9mg(前者に対して42.2wt%)を添加すると、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。
【0048】
実施例16:
エピクロルヒドリン10mLをバイアルにとり、ビスフェノールA5.0152gを加えた後、ボルテックスミキサーと超音波照射によって両者をよく混ぜ合わすことでビスフェノールA型エポキシ樹脂のモノマー溶液を得た。その一部(581.0mg)をマイクロピペットを用いて別のバイアルに移し替え、超音波照射しながらMWNTs6.0mg(モノマー溶液に対して1.0wt%)を添加すると、内容物がゲル化した(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。
【0049】
実施例17:
ゲル化媒体としてベンゼン環を有する各種の物質とMWNTsをメノウ乳鉢にとり、乳棒を用いてすりつぶし混合することでMWNTs含有ゲルを得た(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。用いたゲル化媒体の種類と得られたゲルのゲル化媒体に対するMWNTsの重量比を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
実施例18:
ゲル化媒体としてベンゼン環を有する各種の物質とMWNTsをマイクロチューブまたはバイアルにとって混合し、超音波分散させることでMWNTs含有ゲルを得た(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。用いたゲル化媒体の種類と得られたゲルのゲル化媒体に対するMWNTsの重量比を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
実施例19:
ゲル化媒体としてピリジン環またはベンゼン環を有する常温で固体状態である各種の物質の溶液とMWNTsをメノウ乳鉢にとり、乳棒を用いてすりつぶし混合することでMWNTs含有ゲルを得た(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。用いたゲル化媒体の種類と得られたゲルのゲル化媒体に対するMWNTsの重量比を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】
実施例20:
ゲル化媒体としてベンゼン環またはピロール環を有する各種の物質とMWNTsをメノウ乳鉢にとり、乳棒を用いてすりつぶし混合することでMWNTs含有ゲルを得た(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。用いたゲル化媒体の種類と得られたゲルのゲル化媒体に対するMWNTsの重量比を表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】
実施例21:
市販の重合度500のポリビニルアルコール樹脂996mgと水19mLを300mLのビーカー内でホットプレートを用いて加熱混合し、ポリビニルアルコール樹脂の5wt%水溶液を得た。このポリビニルアルコール樹脂水溶液2mLをバイアルにとったアニリン塩酸塩(結晶)300mgに加え、ボルテックスミキサーによって両者をよく混ぜ合わせた。得られたアニリン塩酸塩を含むポリビニルアルコール樹脂水溶液400μLをゲル化媒体としてMWNTs8.0mg(ゲル化媒体に対して2.0wt%)とともにメノウ乳鉢にとり、乳棒を用いてすりつぶし混合することでMWNTs含有ゲルを得た(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。このゲルをマイクロピペットを用いてTEMグリッドに塗布し、1週間自然乾燥した後、透過型電子顕微鏡(TEM)画像を得た。また、このゲルをマイクロピペットを用いてSEM試料台(LK22T/Type−BA、φ10×7、日新EM社製)に塗布し、1週間自然乾燥した後、走査型電子顕微鏡(SEM)画像を得た。
図3にTEM画像を示し、
図4にSEM画像を示す。TEM画像から明らかなように、MWNTsは、そのほとんどが数本程度の束状(その太さは3nm〜10nm程度)になってゲル媒体であるアニリン塩酸塩を含むポリビニルアルコール樹脂水溶液中に分散され、立体的な3次元の網目構造を形成していたことがわかった。また、SEM画像から明らかなように、MWNTsは、そのほとんどが緻密な網目(その太さは3nm〜10nm程度)になってゲル媒体であるアニリン塩酸塩を含むポリビニルアルコール樹脂水溶液中に分散され、立体的な3次元網目構造を形成していたことがわかった。このゲルをガラス基板に塗布してから硬化させることで、基板上にMWNTs分散複合樹脂膜を形成することができた。その外観を
図5に示す。
【0058】
実施例22:
ゲル化媒体としてピリジン環またはベンゼン環を有する各種の物質とMWNTsからMWNTs含有ゲルを得た(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。用いたゲル化媒体の種類と得られたゲルのゲル化媒体に対するMWNTsの重量比と製法を表5に示す。
【0059】
【表5】
【0060】
実施例23:
ゲル化媒体としてのスチレンを含む市販のFRP(繊維強化プラスチック)樹脂(スチレン架橋型不飽和ポリエステル樹脂)とMWNTs(ゲル化媒体に対して5.0wt%)をメノウ乳鉢にとり、乳棒を用いてすりつぶし混合することでMWNTs含有ゲルを得た(実施例1と同様にして内容物がゲルであることを確認)。得られたMWNTs含有ゲル(透過型電子顕微鏡(TEM)画像によりゲル化媒体中にMWNTsが分散されていることを確認)をガラス基板に塗布してから硬化させることで75mm×5mm×0.15mmの試料片を作製し、4探針法にてその体積抵抗値を測定したところ、0.815Ω・cmであった。以上の結果から、このMWNTs含有ゲルは、電気伝導性を有する機能性高分子であることがわかった。