【課題を解決するための手段】
【0012】
(要旨)
本発明は、CANバスドライバに関し、ここで、主要ドライバトランジスタは、補完的ソースフォロワドライバで補足される。ソースフォロワドライバFETは、それらのドレインよりはむしろそれらのソースを通じてそれらの個々のCANバスラインを駆動するので、それらの出力インピーダンスは、オープンドレインドライバと比較して非常に低い。上記補完的ソースフォロワドライバは、主要ドライバFETのわずか前にオンし、そして主要ドライバFETのわずか後にオフし、ドミナント状態とリセッシブ状態との間の遷移の間にかなりより低いコモンモード負荷インピーダンスを提供し、それによって、主要ドライバFETにおける伝導電流ミスマッチから生じるコモンモード電圧変動をかなり低減する。
【0013】
ソースフォロワドライバは、高い程度のマッチングに等しくかつ反対である2つのライジング波形およびフォーリング波形を生じる補完的スロープ発電機回路を含む。良好なマッチングが、集積回路テクノロジが高度にマッチした補完的電流ソースおよび高度にマッチしたキャパシタを可能にするので可能である。補完的上昇スロープおよび減少スロープが、一対のマッチしたキャパシタ中に、等しいが、反対である電流をスイッチすることによって発生される。
【0014】
主要ドライバトランジスタが完全にオンされるとき、バスは、主要ドライバトランジスタおよびパラレルに伝導するそれらの個々のソースによって駆動される。
【0015】
別の実施形態では、ソースフォロワドライバが主要ドライバFETと同時にスイッチされるとき、同様の利点が達成される。なぜなら、ソースフォロワドライバの低インピーダンスがスイッチング影響に優越するからである。しかし、このような正確なタイミングは実際の回路では比較的困難である。
【0016】
例えば、本願明細書は以下の項目の構成を記載する。
(項目1)
バス用のドライバであって、上記バスは2つのコンダクタを備え、上記ドライバは、以下:
上記バスの第1のコンダクタに連結されるドレインおよび第1の電圧に連結されるソースを有する第1のドライブMOSFET;および
上記バスの第2のコンダクタに連結されるドレインおよび上記第1の電圧より低い第2の電圧に連結されるソースを有する第2のドライブMOSFET、を備える主要ドライバであって:
ここで、上記主要ドライバに付与される第1の入力データ状態が、上記第1のドライブMOSFETが上記第1のコンダクタを上記第1の電圧に向かって引くようにし、かつ上記第2のドライブMOSFETが上記第2のコンダクタを上記第2の電圧に向かって引くようにし、そして上記主要ドライバに付与される第2のデータ状態が、上記第1のドライブMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETが高インピーダンスであるためにオフであるようにする、主要ドライバ;ならびに
上記第1のコンダクに連結されるソースおよび上記第1の電圧に連結されるドレインを有する第1のソースフォロワMOSFET;および
上記第2のコンダクタに連結されるソースおよび上記第2の電圧に連結されるドレインを有する第2のソースフォロワMOSFET、を備えるソースフォロワ回路であって:
ここで、上記ソースフォロワ回路に付与される上記第1の入力データ状態が、上記第1のソースフォロワMOSFETが上記第1のコンダクタを上記第1の電圧に向かって引くようにし、かつ上記第2のソースフォロワMOSFETが上記第2のコンダクタを上記第2の電圧に向かって引くようにし、そして上記第2のデータ状態が、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETが高インピーダンスであるためにオフであるようにする、ソースフォロワ回路、を備え、
ここで、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETが制御されて、上記第1のドライブMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETがオンになると同時またはその前にオンになり、そして
ここで、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETが制御されて、上記第1のドライブMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETがオフになると同時、または上記第1のドライブMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETがオフになった後にオフになる、ドライバ。
(項目2)
上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETが制御されて、上記第1のドライブMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETがオンになる前にオンになり、そして
ここで、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETが制御されて、上記第1のドライブMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETがオフになった後にオフになる、項目1に記載のドライバ。
(項目3)
上記第1のソースフォロワMOSFETが、第1のカスケードMOSFETを通じて上記第1のコンダクタに連結されるそのソースを有し、そして上記第2のソースフォロワMOSFETが、第2のカスケードMOSFETを通じて上記第1のコンダクタに連結されるそのソースを有する、上記項目のいずれかに記載のドライバ。
(項目4)
上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第1のドライブMOSFETが、第1のダイオードを通じて上記第1のコンダクタに連結され、そして上記第2のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETが、第2のダイオードを通じて上記第2のコンダクタに連結される、上記項目のいずれかに記載のドライバ。
(項目5)
さらに、上記ソースフォロワ回路のための第1の遅延回路であって、上記第1の遅延回路が、データ信号を受け取り、上記第1の遅延回路が、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETのオフになることを遅延する第1の遅延回路;および
上記主要ドライバのための第2の遅延回路であって、第2の遅延回路が、上記データ信号を受け取り、上記第2の遅延回路が、上記第1のドライブMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETのオンになることを遅延する第2の遅延回路を備える、上記項目のいずれかに記載のドライバ。
(項目6)
上記ドライバが、コントローラ領域ネットワークバスドライバである、上記項目のいずれかに記載のドライバ。
(項目7)
上記第1のコンダクタおよび上記第2のコンダクタが、よじれた一対のワイヤを備える、上記項目のいずれかに記載のドライバ。
(項目8)
さらに:
入力データ信号を受け取り、そして第1のゲートドライブ電圧を上記第1のドライブMOSFETに出力し、かつ補完的な第2のゲートドライブ電圧を上記第2のドライブMOSFETに出力する、主要ゲートドライブ回路;
上記第1のソースフォロワMOSFETと逆平行に接続された第3のMOSFETであって、上記第3のMOSFETのドレインが、上記第1のソースフォロワMOSFETのソースに接続され、上記第3のMOSFETのソースが、上記第1のソースフォロワMOSFETのドレインに接続され、そして上記第3のMOSFETのゲートが、上記第1のゲートドライブ電圧を受け取るために接続され、上記第3のMOSFETが上記第1のゲートドライブMOSFETと同じ状態を有する、第3のMOSFET;および
上記第2のソースフォロワMOSFETと逆平行に接続された第4のMOSFETであって、上記第4のMOSFETのドレインが、上記第2のソースフォロワMOSFETのソースに接続され、上記第4のMOSFETのソースが、上記第2のソースフォロワMOSFETのドレインに接続され、そして上記第4のMOSFETのゲートが、上記第2のゲートドライブ電圧を受け取るために接続され、上記第4のMOSFETが上記第2のゲートドライブMOSFETと同じ状態を有する、第4のMOSFET、を備える、上記項目のいずれかに記載のドライバ。
(項目9)
バス用のドライバであって、上記バスは第1のコンダクタおよび第2のコンダクタを備え、上記ドライバは、以下:
入力データ信号を受け取り、そして第1のゲートドライブ電圧および補完的な第2のゲートドライブ電圧を出力する主要ゲートドライブ回路であって、上記主要ゲートドライブ回路に付与される第1の入力データが、上記第1のコンダクタが第1の電圧に向かって引かれるようにし、そして上記第2のコンダクタが第2の電圧に向かって引かれるようにし、そして上記主要ゲートドライブ回路に付与される第2のデータ状態が、上記第1のコンダクタおよび上記第2のコンダクタに対し高インピーダンスを提供する、主要ゲートドライブ回路;
ソースフォロワ回路であって、
上記第1のコンダクタに連結されるソースおよび上記第1の電圧に連結されるドレインを有する第1のソースフォロワMOSFET;および
上記第2のコンダクタに連結されるソースおよび上記第2の電圧に連結されるドレインを有する第2のソースフォロワMOSFET、を備え、
ここで、上記ソースフォロワ回路に付与される上記第1の入力データ状態が、上記第1のソースフォロワMOSFETを上記第1の電圧に向かって上記第1のコンダクタを引くようにし、そして上記第2のソースフォロワMOSFETを上記第2の電圧に向かって第2のコンダクタを引くようにし、そして上記第2のデータ状態が、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETが高インピーダンスであるようにするためにオフにされる、ソースフォロワ回路;
上記第1のソースフォロワMOSFETと逆平行に接続された第3のMOSFETであって、上記第3のMOSFETのドレインが、上記第1のソースフォロワMOSFETのソースに接続され、上記第3のMOSFETのソースが上記第1のソースフォロワMOSFETのドレインに接続され、上記第3のMOSFETのゲートが、上記第1のゲートドライブ電圧を受け取るために接続され、上記第3のMOSFETが上記第1のドライブMOSFETと同じ状態を有する、第3のMOSFET;および
上記第2のソースフォロワMOSFETと逆平行に接続された第4のMOSFETであって、上記第4のMOSFETのドレインが、上記第2のソースフォロワMOSFETのソースに接続され、上記第4のMOSFETのソースが、上記第2のソースフォロワMOSFETのドレインに接続され、そして上記第4のMOSFETのゲートが上記第2のゲートドライブ電圧を受け取るために接続され、上記第4のMOSFETが上記第2のドライブMOSFETと同じ状態を有する、第4のMOSFET、を備える、ドライバ。
(項目10)
さらに、上記ソースフォロワ回路のための第1の遅延回路であって、上記第1の遅延回路が、入力データ信号を受け取り、上記第1の遅延回路が、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETのオフになることを遅延し、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETが、上記第3のMOSFETおよび上記第4のMOSFETがオフになった後に所定時間オンのままである、第1の遅延回路;および
上記主要ゲートドライブ回路のための第2の遅延回路であって、上記第2の遅延回路が、上記入力データ信号を受け取り、上記第2の遅延回路が、上記第3のMOSFETおよび上記第4のMOSFETがオンになることを遅延し、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETが、上記第3のMOSFETおよび上記第4のMOSFETがオンになる前にオンになる第2の遅延回路を備える、上記項目のいずれかに記載のドライバ。
(項目11)
上記第1のソースフォロワMOSFETが、第1のカスケードMOSFETを通じて上記第1のコンダクタに連結されるそのソースを有し、そして上記第2のソースフォロワMOSFETが、第2のカスケードMOSFETを通じて上記第1のコンダクタに連結されるそのソースを有する、上記項目のいずれかに記載のドライバ。
(項目12)
上記ドライバが、コントローラ領域ネットワークバスドライバである、上記項目のいずれかに記載のドライバ。
(項目13)
上記第1のコンダクタおよび上記第2のコンダクタが、よじれた一対のワイヤを備える、上記項目のいずれかに記載のドライバ。
(項目14)
バス用のドライバを制御する方法であって、上記バスは第1のコンダクタおよび第2のコンダクタを備え、上記方法は:
主要ゲートドライブ回路によって入力データ信号を受け取る工程;
上記主要ゲートドライブ回路から第1のドライブMOSFETに第1のゲートドライブ電圧を出力し、上記第1のドライブMOSFETが第1の電圧と上記第1のコンダクタとの間に連結され、そして第2のドライブMOSFETに補完的な第2のゲートドライブ電圧を出力する工程であって、上記第2のドライブMOSFETが第2の電圧と上記第2のコンダクタとの間に連結されている、工程;および
第1のソースフォロワMOSFETを有するソースフォロワ回路に、上記第1のコンダクタに連結されるソースおよび上記第1の電圧に連結されるドレインを;そして第2のソースフォロワMOSFETに上記第2のコンダクタに連結されるソースおよび上記第2の電圧に連結されるドレイン提供する工程;を包含し、
ここで、第1の入力データ状態が、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第1のドライブMOSFETが、上記第1のコンダクタを上記第1の電圧に向かって引くようにし、そして上記第2のソースのソースフォロワMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETが、上記第2のコンダクタを上記第2の電圧に向かって引くようにし、そして第2のデータ状態が、上記第1のソースフォロワMOSFET、上記第1のドライブMOSFET、上記第2のソースフォロワMOSFET、および上記第2のドライブMOSFETを高インピーダンスであるようにするためにオフであるようにする、方法。
(項目15)
さらに:
上記ソースフォロワ回路のための第1の遅延回路によって入力データ信号を受け取る工程であって、上記第1の遅延回路が、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETのオフになることを遅延し、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETが、上記第1のドライブMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETがオフになった後の所定時間の間オンのままである、工程;および
上記主要ゲートドライブ回路のための第2の遅延回路によって入力データ信号を受け取る工程であって、上記第2の遅延回路が、上記第1のドライブMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETのオンになることを遅延し、上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のソースフォロワMOSFETが、上記第1のドライブMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETがオンになる前にオンになる、工程、を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
上記第1のドライブMOSFETが、上記第1のソースフォロワMOSFETと逆平行に接続され、ここで、上記第1のドライブMOSFETのドレインが上記第1のソースフォロワMOSFETのソースに接続され、上記第1のドライブMOSFETのソースが、上記第1のソースフォロワMOSFETのドレインに接続され、そして上記第1のドライブMOSFETのゲートが上記第1のゲートドライブ電圧を受け取るために接続され、そして上記第2のドライブMOSFETが、上記第2のソースフォロワMOSFETと逆平行に接続され、ここで、上記第2のドライブMOSFETのドレインが上記第2のソースフォロワMOSFETのソースに接続され、上記第2のドライブMOSFETのソースが、上記第2のソースフォロワMOSFETのドレインに接続され、そして上記第2のドライブMOSFETのゲートが上記第2のゲートドライブ電圧を受け取るために接続される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17)
上記第1のソースフォロワMOSFETおよび上記第1のドライブMOSFETが、第1のカスケードMOSFETを通じて上記第1のコンダクタにそれぞれ連結されるそれらのソースおよびドレインを有し、そして上記第2のソースフォロワMOSFETおよび上記第2のドライブMOSFETが、第2のカスケードMOSFETを通じて上記第1のコンダクタにそれぞれ連結されるそれらのソースおよびドレインを有する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
上記ドライバが、コントローラ領域ネットワークバスドライバである、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0017】
(開示の要約)
コントローラ領域ネットワーク(CAN)ドライバ(トランスミッタ)は、ドミナント状態でバスの第1コンダクタをプルアップするためのオープンドレイン第1ドライバMOSFET、およびドミナント状態でバスの第2のコンダクタをプルダウンするためのオープンドレイン第2ドライバMOSFETを有する従来の主要ドライバを含む。オンにし、そしてオフにする間に正確に等しい電流を伝導するためにドライバMOSFET特徴を完全にマッチすることは困難であるので、有意なコモンモード変動が生じ、電磁放射を生じる。ソースフォロワが、主要ドライバMOSFETがオンおよびオフされるとき、これらの主要ドライバMOSFETによって引き起こされる任意のコモンモード変動を大きく低減するために所定時間の間にコンダクタに対する低いコモンモード負荷インピーダンスを生成するために、第1のドライバMOSFETおよび第2のドライバMOSFETとパラレルにそれぞれ接続される。