(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
【0024】
[容器充填システム]
図1は、この発明の実施の形態にかかる容器充填システムを示す説明図である。同図は、容器充填システム1の構成と各チャンバにおける室圧分布との関係を示している。また、
図2は、
図1に記載した容器充填システムの電子線殺菌ユニットを示す説明図である。同図は、電子線殺菌ユニットの内部構造を示している。
【0025】
この容器充填システム1は、容器に内容物を充填する充填システムであり、特に、食品包装機などの食品機械に適用される。この実施の形態では、容器がペットボトルであり、内容物が飲料である場合を一例として説明する。
【0026】
容器充填システム1は、導入ライン21および搬出ライン22と、供給部31と、エアリンス部32と、電子線殺菌部34と、上流側チャンバ33および下流側チャンバ35と、ガス置換部36と、フィラ部37と、キャッパ部38および搬出部39と、複数の送風装置41〜43および複数の排気装置44〜47とを備える(
図1参照)。この容器充填システム1では、容器の搬送ラインのうち供給部31から搬出部39までが雰囲気中の微粒子を所定の基準量以下に制御したクリーンルームとなる。
【0027】
なお、この実施の形態では、容器の搬送方向を基準として「上流側」および「下流側」を定義する。また、電子線殺菌部34、上流側チャンバ33および下流側チャンバ35を含むユニットを、電子線殺菌ユニットUと呼ぶ。
【0028】
導入ライン21は、容器を搬入するラインであり、容器を成型する成型装置(図示省略)から容器を受け取って下流側に搬送する。搬出ライン22は、容器を搬出するラインであり、搬出部39から製品を受け取って所定の場所まで搬送する。
【0029】
供給部31は、スターホイールなどの搬送装置がチャンバ内に配置されて構成され(図示省略)、導入ライン21の下流側に配置される。この供給部31では、搬送装置が導入ライン21から容器を受け取って下流側に供給する。
【0030】
エアリンス部32は、ブロア装置および搬送装置がチャンバ内に配置されて構成され(図示省略)、供給部31の下流側に配置される。このエアリンス部32では、搬送装置が容器を下流側に搬送し、その途中で、ブロア装置が容器にエアを吹き込んで容器内の異物を除去する。なお、この実施の形態では、搬送装置が容器を倒立させて搬送し、この倒立状態にて、ブロア装置が容器にエアを吹き込んでいる(図示省略)。
【0031】
電子線殺菌部34は、一対の電子線照射装置341、342と、一対の搬送装置343、344とがチャンバ345内に配置されて構成される(
図1および
図2参照)。この電子線殺菌部34では、一対の搬送装置343、344が容器を下流側に搬送し、その途中で、一対の電子線照射装置341、342が容器に電子線を照射して容器を殺菌処理する。なお、この実施の形態では、容器の倒立状態と正立状態との双方にて、電子線による殺菌処理が行われている。具体的には、第一の搬送装置343が容器を倒立させた状態で搬送し、この倒立状態にて、第一の電子線照射装置341が容器に1度目の電子線を照射している。また、容器が第一の搬送装置343から第二の搬送装置344に受け渡されるときに倒立状態から正立状態に戻される(トランスファ機能)。そして、第二の搬送装置344が容器を正立させた状態で搬送し、この正立状態にて、第二の電子線照射装置342が容器に2度目の電子線を照射している。なお、電子線殺菌部34のチャンバ345は、電子線の照射により発生するX線が外部に漏れるのを防止するために、遮蔽用の物質によって覆われている。なお,必ずしも電子線殺菌部34で容器を正立状態とする必要はない。
【0032】
上流側チャンバ33および下流側チャンバ35は、電子線殺菌部34での電子線の照射により発生するX線を遮蔽し、また、電子線の照射により発生するオゾンを除去するためのチャンバである。上流側チャンバ33は、搬送装置331がチャンバ332内に配置されて構成され、電子線殺菌部34の上流側に配置される(
図1および
図2参照)。下流側チャンバ35は、搬送装置351がチャンバ352内に配置されて構成され、電子線殺菌部34の下流側に配置される。例えば、この実施の形態では、上流側チャンバ33がエアリンス部32と電子線殺菌部34との間に配置されて電子線殺菌部34に隣接している。また、下流側チャンバ35が電子線殺菌部34とガス置換部36との間に配置されて電子線殺菌部34に隣接している。
【0033】
ガス置換部36は、ブロア装置および搬送装置がチャンバ内に配置されて構成され(図示省略)、電子線殺菌ユニットU(下流側チャンバ35)の下流側に配置される。このガス置換部36では、搬送装置が容器を下流側に搬送し、その途中で、ブロア装置が容器に空気を吹き込んで電子線殺菌処理により発生したオゾンを容器から追い出す。なお、ガス置換部36は、容器を水で洗浄する洗浄装置を有しても良い(図示省略)。
【0034】
フィラ部37は、充填装置および搬送装置がチャンバ内に配置されて構成され(図示省略)、ガス置換部36の下流側に配置される。このフィラ部37では、搬送装置が容器を下流側に搬送し、その途中で、充填装置が容器に内容物を充填する。
【0035】
なお、この実施の形態では、容器が正立状態でフィラ部37に搬送されるため、フィラ部37に搬入される容器を正立状態にするためのトランスファ装置が省略されている(
図1参照)。しかし、これに限らず、容器が倒立状態でフィラ部37に搬送される構成では、フィラ部37の上流側あるいはフィラ部37の内部に、容器を正立状態にするためのトランスファ装置が配置されても良い(図示省略)。
【0036】
キャッパ部38は、キャッパ装置および搬送装置(図示省略)がチャンバ内に配置されて構成され、フィラ部37の下流側に配置される。このキャッパ部38では、搬送装置が容器を下流側に搬送し、その途中で、キャッパ装置が容器にキャップを装着する。
【0037】
搬出部39は、搬送装置がチャンバ内に配置されて構成され(図示省略)、キャッパ部38の下流側に配置される。この搬出部39では、搬送装置がキャッパ部38から容器を受け取って下流側の搬出ライン22に搬送する。
【0038】
送風装置41〜43は、空気を送り込む装置であり、電子線殺菌部34、フィラ部37およびキャッパ部38にそれぞれ設置されて、これらのチャンバ内に空気を送り込む。例えば、この実施の形態では、送風装置41〜43が送風機および除塵フィルタを有するファンフィルタユニットであり、無菌エアを電子線殺菌部34、フィラ部37およびキャッパ部38にそれぞれ送り込んでいる。排気装置44〜47は、空気を排出する装置であり、供給部31、上流側チャンバ33、下流側チャンバ35および搬出部39にそれぞれ配置されて、これらのチャンバ内の空気を排出する。
【0039】
この容器充填システム1では、まず、容器が導入ライン21から供給部31を介してエアリンス部32に搬送される。このエアリンス部32では、容器が倒立状態となり、容器にエアが吹き込まれて容器内の異物が除去される(
図1参照)。次に、容器がエアリンス部32から上流側チャンバ33を通って電子線殺菌部34に搬送される。この電子線殺菌部34では、容器に電子線が照射されて容器の殺菌処理が行われる(
図2参照)。次に、容器が電子線殺菌部34から下流側チャンバ35を通ってガス置換部36に搬送される。ガス置換部36では、容器に空気が吹き込まれて、電子線殺菌処理により発生したオゾンが容器から除去される。次に、容器がガス置換部36からフィラ部37に搬送される。フィラ部37では、容器に内容物が充填される。次に、容器がフィラ部37からキャッパ部38に搬送される。キャッパ部38では、容器にキャップが装着される。その後に、容器がキャッパ部38から搬出部39を介して搬出ライン22に搬送される。
【0040】
[各チャンバの室圧分布]
ここで、容器充填システム1では、電子線殺菌部34での電子線の照射によりX線が発生して、空気中の酸素がオゾンに変換される。このオゾンは、内容物を酸化劣化させる要因となるため、フィラ部37への流入を抑制する必要がある。
【0041】
また、内容物のコンタミネーションを防止するために、チャンバ外からの異物や菌の進入を防止する必要がある。特に、フィラ部37では、内容物を容器に充填する工程が行われるため、最も高い空気清浄度(空気中の微粒子が最も少ない状態)が要求される。
【0042】
そこで、この容器充填システム1(電子線殺菌ユニットU)では、フィラ部37へのオゾンの流入を抑制すると共にフィラ部37の空気清浄度を確保するために、以下の構成が採用されている(
図1および
図2参照)。
【0043】
まず、容器の搬送方向の上流側から順に、供給部31の室圧P1、エアリンス部32の室圧P2、上流側チャンバ33の室圧P3、電子線殺菌部34の室圧P4、下流側チャンバ35の室圧P5、ガス置換部36の室圧P6、フィラ部37の室圧P7、キャッパ部38の室圧P8、搬出部39の室圧P9を定義する。これらの室圧P1〜P9は、各チャンバ内の気圧である。また、外気圧(チャンバ外の気圧)をP0とする。
【0044】
このとき、各室圧P1〜P9は、P1<P0<P2<P3<P4>P5<P6<P7>P8>P0>P9の関係に設定される(
図1参照)。例えば、この実施の形態では、送風装置41〜43が電子線殺菌部34、フィラ部37およびキャッパ部38の各チャンバに空気を供給し、排気装置44〜47が供給部31、上流側チャンバ33、下流側チャンバ35および搬出部39のチャンバから空気を排出させている。また、各チャンバには、室圧を計測する圧力計(図示省略)が設置され、これらの圧力計の出力信号に基づいて送風装置41〜43および排気装置44〜47の駆動制御(送風ファン/排気ファンの出力制御あるいはエアバルブの開度制御)が行われている。これにより、各チャンバの室圧P1〜P9が上記の関係に制御されている。
【0045】
上記の構成では、フィラ部37の室圧P7が最も高い。これにより、フィラ部37の空気清浄度が適性に維持される。
【0046】
また、電子線殺菌部34の室圧P4が下流側チャンバ35の室圧P5よりも高い(P4>P5)。このため、電子線照射により発生したオゾンが電子線殺菌部34から下流側チャンバ35に流入し易い。一方、フィラ部37の室圧P7が下流側チャンバ35よりも高い(P7>P5)。このため、下流側チャンバ35からフィラ部37へのオゾンの流入が抑制され、また、フィラ部37の空気に含まれる異物がフィラ部37から下流側チャンバ35に集まり易い。したがって、下流側チャンバ35には、電子線殺菌部34からのオゾンやフィラ部37からの異物が集められる。そして、下流側チャンバ35内のオゾンや異物が排気装置46により室外に排出されて回収される。
【0047】
例えば、この実施の形態では、除塵フィルタを有する送風装置41、42が電子線殺菌部34およびフィラ部37にそれぞれ設置されて各チャンバ内に無菌エアを送り込んでいる(
図1および
図2参照)。また、排気装置46が下流側チャンバ35に配置されてチャンバ352内から空気を排出している。そして、送風装置41、42および排気装置46が駆動制御されることにより、電子線殺菌部34の室圧P4とフィラ部37の室圧P7と下流側チャンバ35の室圧P5とがP4>P5<P7の関係に制御されている。
【0048】
なお、電子線殺菌部34の室圧P4と下流側チャンバ35の室圧P5とは、2[Pa]≦(P4−P5)≦100[Pa]の関係を有することが好ましい。これにより、電子線殺菌部34にて発生したオゾンが下流側チャンバ35に適正に回収される。また、下流側チャンバ35の室圧P5とフィラ部37の室圧P7とは、2[Pa]≦(P7−P5)≦100[Pa]の関係を有することが好ましい。これにより、下流側チャンバ35からフィラ部37へのオゾンの流出が抑制される。
【0049】
また、電子線殺菌部34の室圧P4が上流側チャンバ33の室圧P3よりも高い(P4>P3)。このため、電子線照射により発生したオゾンの一部が電子線殺菌部34から上流側チャンバ33に流入して集められる。そして、上流側チャンバ33内のオゾンが排気装置45により室外に排出されて回収される。
【0050】
また、上流側チャンバ33の室圧P3が下流側チャンバ35の室圧P5よりも低い(P3<P5)。ここで、上流側チャンバ33の室圧P3と下流側チャンバ35の室圧P5との差ΔPは、1[Pa]≦ΔP≦100[Pa]の範囲にあることが好ましい。これにより、電子線殺菌部34にて発生したオゾンが、下流側チャンバ35よりも上流側チャンバ33に流入し易くなる。
【0051】
また、上流側チャンバ33の室圧P3および下流側チャンバ35の室圧P5が外気圧P0よりも高い(P0<P3<P5)。ここで、上流側チャンバ33の室圧P3と外気圧P0との差(P3−P5)は、1[Pa]≦(P3−P5)≦100[Pa]の範囲にあることが好ましい。これにより、上流側チャンバ33および下流側チャンバ35から室外へのオゾンの流出が抑制される。
【0052】
例えば、この実施の形態では、上流側チャンバ33および下流側チャンバ35が電子線殺菌部34を挟み込むように隣接して配置されている。これにより、電子線殺菌部34からのオゾンが上流側チャンバ33および下流側チャンバ35にて効率的に回収されている。また、上流側チャンバ33および下流側チャンバ35の配置によって、電子線殺菌部34の出入口(チャンバ345の容器搬送用出入口)からのX線の漏洩が抑制されている。また、上流側チャンバ33の入口(容器搬送方向上流側の開口部)および下流側チャンバ35の出口(容器搬送方向下流側の開口部)が、他のチャンバの出入口(例えば、フィラ部37の容器搬送用の出入口)よりも小さくなっている。これにより、上流側チャンバ33および下流側チャンバ35から外部へのオゾンの流出あるいはX線の漏洩が抑制されている。
【0053】
なお、この実施の形態では、エアリンス部32が供給部31と電子線殺菌ユニットU(上流側チャンバ33)との間に配置されている(
図1参照)。かかる構成は、エアリンスによって容器から除去された異物を
室圧が低い供給部31にて
排気装置44により回収できる点で、好ましい。これにより、無菌領域となる電子線殺菌部34の前段階にて、異物を回収できる。
【0054】
しかし、これに限らず、エアリンス部32が電子線殺菌ユニットU(下流側チャンバ35)とガス置換部36との間に配置されても良い(
図3参照)。かかる構成では、各室圧P1〜P9が、P1<P0<P3<P4>P5<P2<P6<P7>P8>P0>P9の関係に設定される。
【0055】
また、この実施の形態では、フィラ部37に1台の送風装置42が配置されている(
図1参照)。しかし、これに限らず、フィラ部37には、複数台の送風装置が配置されることが好ましい。かかる構成では、一つの送風装置が故障した場合にも、他の送風装置によりフィラ部37の室圧P7を確保できる。これにより、フィラ部37の空気清浄度を適正に維持できる。
【0056】
また、この実施の形態では、供給部31および搬出部39が他のチャンバよりも低い室圧P1、P9を有している。また、排気装置44、47が各チャンバ内から供給部31および搬出部39に流入したオゾンあるいは異物を排出して回収している。このとき、供給部31および搬出部39が外気圧P0よりも低いので、回収されたオゾンあるいは異物が供給部31および搬出部39から外部に流出する事態が防止されている。これにより、容器充填システム1の環境性が高められている。
【0057】
また、この実施の形態では、電子線殺菌部34に空気を送り込む送風装置41と、この送風装置41に供給される空気を除湿する除湿装置48とが設置されている(
図2参照)。これにより、電子線殺菌部34における硝酸の発生が抑制されている。特に、送風装置41が除塵フィルタを有し、除湿装置48が送風装置41に対して空気流れの上流側に配置されることにより、電子線殺菌部34には、無菌かつ除湿された空気が供給されている。なお、除湿装置48としては、例えば、クーラーが採用され得る。
【0058】
なお、この容器充填システム1では、送風装置41に供給される空気を不活性ガス化処理するガス処理装置が配置されても良い(図示省略)。これにより、電子線殺菌部34におけるオゾンの発生がより効果的に抑制される。
【0059】
また、この容器充填システム1では、例えば、電子線殺菌部34のチャンバ345内の冷却、電子線を照射する電子銃の冷却、容器を把持するハンドリング装置の冷却などを行う冷却装置が設置されても良い(図示省略)。かかる冷却装置の配置により、電子線殺菌部34内の温度を適正化(例えば、65[℃]以下に)できる。なお、かかる冷却装置としては、例えば、上記の除湿装置48が兼用され得る。
【0060】
[効果]
以上説明したように、この容器充填システム1は、電子線殺菌部34に対して容器搬送方向下流側かつフィラ部37に対して容器搬送方向上流側に配置されると共に電子線殺菌部34の室圧P4よりも低い室圧P5を有する下流側チャンバ35を備える(
図1および
図2参照)。かかる構成では、(1)電子線殺菌部34の室圧P4が下流側チャンバ35の室圧P5よりも高いので、電子線殺菌部34での電子線照射により発生したオゾンの一部が電子線殺菌部34から下流側チャンバ35に流入する。一方、(2)フィラ部37の室圧P7が下流側チャンバ35の室圧P5よりも高いので、下流側チャンバ35からフィラ部37へのオゾンの流入が抑制され、また、フィラ部37の空気に含まれる異物がフィラ部37から下流側チャンバ35に集められる。これにより、(1)フィラ部37へのオゾンの流入を抑制し、また、(2)フィラ部37の空気清浄度を確保できる利点がある。
【0061】
また、この容器充填システム1は、下流側チャンバ35内の空気を排出する排気装置46を備える(
図1および
図2参照)。かかる構成では、電子線殺菌部34からのオゾンやフィラ部37からの異物が排気装置46により下流側チャンバ35に集められて外部に排出される。これにより、チャンバ内のオゾンや異物を適正に回収できる利点がある。
【0062】
また、この容器充填システム1は、電子線殺菌部34に対して容器搬送方向上流側に配置されると共に電子線殺菌部34の室圧P4よりも低い室圧P3を有する上流側チャンバ33を備える(
図1および
図2参照)。かかる構成では、電子線殺菌部34の室圧P4が上流側チャンバ33の室圧P3よりも高いので、電子線殺菌部34での電子線照射により発生したオゾンの一部が電子線殺菌部34から上流側チャンバ33に流入する。これにより、容器搬送方向下流側へのオゾンの流出が抑制される利点がある。
【0063】
また、この容器充填システム1では、上流側チャンバ33が下流側チャンバ35の室圧P5よりも低い室圧P3を有する(P3<P5)。かかる構成では、電子線殺菌部34にて発生したオゾンが、下流側チャンバ35よりも上流側チャンバ33に流入し易い。これにより、下流側チャンバ35よりも下流側にあるライン(特に、フィラ部37)へのオゾンの流出や異物の飛散が抑制される利点がある。
【0064】
また、この容器充填システム1では、上流側チャンバ33および下流側チャンバ35が外気圧P0よりも高い室圧P5を有する(P0<P3<P5)。これにより、上流側チャンバ33および下流側チャンバ35から室外へのオゾンの流出が抑制される利点がある。これは、電子線殺菌部34の送風装置41が停止したときに、特に有益である。
【0065】
また、この容器充填システム1は、電子線殺菌部34の空気を除湿する除湿装置48を備える(
図2参照)。かかる構成では、除湿装置48が電子線殺菌部34の空気を除湿するので、電子線照射時における硝酸の発生が抑制される利点がある。