(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記傾斜線状突起が、下側ほど前記第2部材に近づくように延びる第1傾斜線状突起、及び上側ほど前記第2部材に近づくように延びる第2傾斜線状突起のうちの少なくともいずれか一方である請求項1に記載の容器。
前記凸形状の嵌合部の一側面に、下側ほど前記第2部材に近づくように延びる第1傾斜線状突起を備え、他側面に上側ほど前記第2部材に近づくように延びる第2傾斜線状突起を備える請求項5に記載の容器。
前記凸形状の嵌合部の両側面のそれぞれに、前記第1部材の引抜き方向に延びる水平線状突起、下側ほど前記第2部材に近づくように延びる第1傾斜線状突起、及び上側ほど前記第2部材に近づくように延びる第2傾斜線状突起を備える請求項5に記載の容器。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の容器の実施の形態として、生活排水等を処理する浄化槽を図面に基づいて説明する。
〔浄化槽の構成〕
図1及び
図2に示すように、浄化槽1は、底面2の四辺のそれぞれから上流側壁3、下流側壁4、右側壁5、及び左側壁6が立設し、上流側壁3と下流側壁4とが対向し、右側壁5と左側壁6とが対向して配置される本体部7を備える。尚、上流側壁3及び下流側壁4が位置する方向を長手方向Xとし、右側壁5及び左側壁6が位置する方向を幅方向Yとする。
【0033】
本体部7の中には、被処理水(生活排水等)の移動方向の上流側から、被処理水の原水を受ける原水槽としての好気濾床槽A(第1部材の一例)、被処理水中の固形分を分離する沈殿分離槽B1〜B3、嫌気性微生物による嫌気的処理を行う嫌気濾床槽C、複数の担体を曝気により被処理水中で流動させつつ好気性微生物による好気的処理を行う担体流動槽D、担体流動槽Dで処理された被処理水を担体で濾過する移動床式の移動床濾過槽E(第1部材の一例)、移動床濾過槽Eで濾過された被処理水を一時貯留する処理水槽F、処理水槽Fに貯留された被処理水を消毒して放流口75から外部に放流する消毒槽Gが配置される。
【0034】
原水流入管8は、浄化槽1の上流側壁3の上端から、好気濾床槽A内の好気濾床部40上方まで延びている。被処理水は、原水流入管8から好気濾床部40の上部に流入して、好気濾床部40内を下に移動しながら、好気性微生物による分解処理を受ける。
【0035】
好気濾床部40の下端から流出した被処理水は、好気本体部10の右壁部11の下端に設けてある第1連通口T1(
図5参照)を通過して、好気濾床槽Aの右に隣接する沈殿分離槽B1に移動する。沈殿分離槽B1に移動した被処理水は、第1沈殿バッフル80に設けてある第2連通口T2を通過して、好気濾床槽Aの上流側壁3側に隣接する沈殿分離槽B2に移動する。沈殿分離槽B2に移動した被処理水は、第2沈殿バッフル90に設けてある第3連通口T3を通過して、好気濾床槽Aの左側に隣接する沈殿分離槽B3に移動する。このように、好気濾床槽Aにおいて好気的処理を受けた被処理水は、好気濾床槽Aの周りを回るように沈殿分離槽B1、B2、B3と順に移動しながら、被処理水中の固形物が沈殿して除去される。
【0036】
沈殿分離槽B3で分離処理された被処理水は、仕切壁W1の第4連通口T4から嫌気濾床槽Cに移動する。
図1に示すように、この第4連通口T4は、仕切壁W1において、沈殿分離槽B1の幅方向Yの中心Zよりも左側(左側壁6側)であって、好気濾床槽A付近の上下方向の中間部に設けられている。
【0037】
第4連通口T4から嫌気濾床槽Cに流入した被処理水は、第1バッフルプレート45に案内されて仕切壁W1に沿って下降し、嫌気濾床42を上向きに通過して嫌気的処理されると共に浮遊物質が捕捉され、固形物がほとんど分解された被処理水が第2バッフルプレート46に案内されて、仕切壁W2に設けた第5連通口T5からオーバーフローにより担体流動槽Dに流入する。
【0038】
担体流動槽Dには、曝気用の散気部43が底部に設けられている。好気性微生物を担持した多数の流動担体44が、散気部43からの曝気によって、被処理水と共に流動できるように収容されている。
【0039】
図3(a),(b)に示すように、担体流動槽Dに流入した被処理水は、散気部43からの曝気により酸素の供給を受けながら流動担体44と共に流動して好気的処理をされた後、汚泥等の浮遊物質と共に、移動床濾過槽Eの側壁部材51に設けた第6連通口T6からオーバーフローにより移動床濾過槽E内に流入する。
【0040】
第6連通口T6から移動床濾過槽Eに流入した被処理水は、複数の濾過担体50によって形成された濾過層によって濾過処理をされた後、移動床濾過槽Eのカバー部材72の下側に設けた第7連通口T7から処理水槽Fに流入して一時貯留される。尚、本実施形態では、担体流動槽Dの被処理水が第6連通口T6から移動床濾過槽Eに流入すると共に、移動床濾過槽Eの被処理水が第9連通口T9から担体流動槽Dに流入することによって、被処理水が、担体流動槽Dと移動床濾過槽Eとの間で循環できるようにも構成されている。
【0041】
処理水槽Fに貯留された被処理水は、消毒槽Gの右側面上部に設けられている流入路73に流入し、流入路73の内壁74に設けられた第8連通口T8からオーバーフローにより消毒槽G内に流入する。
【0042】
消毒槽Gの中に流入した被処理水は、薬剤筒内の薬剤と接触して消毒された後、下流側壁4に設けた放流口75を介してオーバーフローによって外部に放流される。
【0043】
〔好気濾床槽〕
図2に示すように、好気濾床槽Aは、好気本体部10と、好気性微生物を付着生息させる好気濾床部40と、好気濾床部40に下から空気を供給する散気管41とを備える。被処理水は、原水流入管8から好気濾床部40の上部に流入し、好気濾床部40を通過する際に、好気性微生物による有機物の分解が行われる。
【0044】
図1に示すように、好気濾床槽Aは、本体部7の幅方向Yの中心Zよりも右側(右側壁5側)に偏心して設けられる。そのため、第1沈殿バッフル80の幅は、第2沈殿バッフル90の幅よりも小さく設定されている。
【0045】
図4及び
図5に示すように、好気濾床槽Aの好気本体部10は、右壁部11、前壁部16、左壁部20を備えて構成される。
図6及び
図7に示すように、右壁部11及び左壁部20のそれぞれは、厚さが他の部分よりも薄い折り曲げ部30を介して、前壁部16に連設されている。
【0046】
好気濾床槽Aの好気本体部10は、例えば、ポリプロピレンや塩化ビニル等(第1部材の構成素材の一例)の可撓性材料を用いて、公知の射出成形方法により平板状に成形される。そして、
図6、
図7に示すように、右壁部11及び左壁部20のそれぞれを、互いに対向するように折り曲げ部30において折り曲げることによって、右壁部11及び左壁部20のそれぞれが平面視で前壁部16と直交するように配置され、コの字型の横断面形状を有する好気本体部10が形成される。尚、本実施形態では、好気濾床槽Aの好気本体部10について射出成形による成形を行っているが、これに限定されるものではない。
【0047】
図5に示すように、右壁部11、前壁部16、及び左壁部20はいずれも、上下方向に沿って凸部35と凹部36とが交互に配置されるような形状を有しており、その幅方向の中間に上下方向に延びる補強用リブ37が立設されている。
【0048】
前壁部16の上端部には、原水流入管8を挿通させるための円形の貫通孔17が形成されている。前壁部16の下端には、幅方向向全体に亘って縦断面が凸形状の下側嵌合片18が設けられている。下側嵌合片18の両側面には、鉛直方向に対して斜めに延びる傾斜線状突起が設けられている。
【0049】
右壁部11の下端には、第1連通口T1が形成されている。右壁部11の内側面には、好気濾床部(例えば、好気ろ床ネット等)を固定するための固定部材(図示せず)が設けられている。右壁部11の側端部には、上下方向全体に亘って横断面が凸形状の右側嵌合片13(凸形状の嵌合部の一例)が設けられている。右側嵌合片13は、横側方からみて、平坦部13aと、平坦部13aから隆起する隆起部13bとが上下方向に沿って交互に配置されるような形状を有する。また、右側嵌合片13の横外側面には、端側ほど上に位置するように傾斜する第1傾斜線状突起14が上下方向に沿って複数設けられており、右側嵌合片13の横内側面には、端側ほど下に位置するように傾斜する第2傾斜線状突起15が上下方向に沿って複数設けられている。
【0050】
左壁部20の下端には、幅方向向全体に亘って縦断面が凸形状の下側嵌合片22が設けられている。下側嵌合片22の両側面には、鉛直方向に対して斜めに延びる傾斜線状突起が設けられている。
【0051】
左壁部20の内側面には、好気濾床部(例えば、好気ろ床ネット等)を固定するための固定部材21が設けられている。左壁部20の側端部には、上下方向全体に亘って横断面が凸形状の左側嵌合片23(凸形状の嵌合部の一例)が設けられている。左側嵌合片23は、横側方からみて、平坦部23aと、平坦部23aから隆起する隆起部23bとが、上下方向に沿って交互に配置されるような形状を有する。また、左側嵌合片23の横外側面には、端側ほど上に位置するように傾斜する第1傾斜線状突起24が上下方向に沿って複数設けられており、左側嵌合片23の横内側面には、端側ほど下に位置するように傾斜する第2傾斜線状突起25が上下方向に沿って複数設けられている。
【0052】
図7に示すように、折り曲げ部30の前壁部16側の近傍に、上下方向に亘る凹形状部31が設けられており、折り曲げ部30の左壁部20側の近傍に、上下方向に亘る凹形状部32が設けられており、凹形状部31と凹形状部32とが、折り曲げ部30を介して連設する。尚、図示しないが、右壁部側に位置する折り曲げ部の近傍にも同様に凹形
状部が設けられている。
【0053】
左壁部20を、折り曲げ部30において、
図7の一点鎖線の矢印で示す方向に折り曲げることによって、凹形状部32の外側面32aが、凹形状部31の底面31aに対向配置し、凹形状部32の上面32bが、凹形状部31の内側面31bに対向配置し、前壁部16の面と凹形状部32の他方の外側面32cとが面一となる。
【0054】
これにより、左壁部20が、平面視において前壁部16と直交するように配置されると共に、折り曲げ部30において、L字状に突出する横断面形状を有する左嵌合突起33が形成される。また
図6に示すように、右壁部11についても同様に、左壁部20と対向するように折り曲げ部において折り曲げることによって、L字状に突出する横断面形状を有する右嵌合突起34が形成される。
【0055】
図9に示すように、第2沈殿バッフル90の側端部には、上下方向に亘るL字状の凹み91が形成されており、他側端部には上下方向に亘る嵌合用溝92(
図4参照)が形成されており、下端には、幅方向向全体に亘って縦断面が凸形状の下側嵌合片93(
図4及び
図8参照)が設けられている。また下側嵌合片93の両側面には、鉛直方向に対して斜めに延びる傾斜線状突起が設けられている。
【0056】
また、上記第2沈殿バッフル90と同様に、第1沈殿バッフル80の側端部には、上下方向に亘るL字状の凹み81が形成されており、他側端部には上下方向に亘る嵌合用溝82(
図4び
図8参照)が形成されており、下端には、幅方向向全体に亘って縦断面が凸形状の下側嵌合片83(
図4参照)が設けられている。また下側嵌合片83の両側面には、鉛直方向に対して斜めに延びる傾斜線状突起が設けられている。
【0057】
図8〜
図10に示すように、好気本体部10に対して、第1沈殿バッフル80と第2沈殿バッフル90とを接合させることができる。詳細には、
図9及び
図10に示すように、好気本体部10の左嵌合突起33に対して、上方から第2沈殿バッフル90の凹み91を嵌め込んで下にスライドさせることによって、好気本体部10の左嵌合突起33が第2沈殿バッフル90の凹み91と係合して、好気本体部10と第2沈殿バッフル90との接合部が形成される。また図示しないが、好気本体部10の右嵌合突起34に対して、上方から第1沈殿バッフル80の凹み81を嵌め込んで下にスライドさせることによって、好気本体部10の右嵌合突起34が第1沈殿バッフル80の凹み81と係合して、好気本体部10と第1沈殿バッフル80との接合部が形成される。
【0058】
図8に示すように、仕切壁W1(第2部材の一例)の好気濾床槽A側の側面における、第4連通口T4の左側(
図8の紙面上、第4連通口T4の右側)に隣接する位置に、上下方向に亘る2つの左縦リブ95が設けられており、これにより左側嵌合溝96(凹形状の被嵌合部の一例)が形成されている。また、仕切壁W1の好気濾床槽A側の側面における、左側嵌合溝96よりもさらに左側(
図8の紙面上、左側嵌合溝96のさらに右側)に、上下方向に亘る2つの右縦リブ97が設けられており、これにより右側嵌合溝98(凹形状の被嵌合部の一例)が形成されている。左側嵌合溝96と右側嵌合溝98との間の距離は、コの字型に形成された好気本体部10における左側嵌合片23と右側嵌合片13との間の距離に一致する。尚、仕切壁W1は、例えばFRP等により構成されている。
【0059】
図11に示すように(
図11には、左側嵌合片23と左側嵌合溝96との接合部が形成される様子のみが示されており、右側嵌合片13と右側嵌合溝98との接合部が形成される様子が示されていないが、右側嵌合片13と右側嵌合溝98との接合部もまた、左側嵌合片23と左側嵌合溝96との接合部と同様に且つ同時に形成される)、仕切壁W1における右側嵌合溝98及び左側嵌合溝96のそれぞれに、少なくとも仕切壁W1と接着可能な接着剤(図示せず)を充填しておき、好気本体部10における右側嵌合片13及び左側嵌合片23のそれぞれを、仕切壁W1における右側嵌合溝98及び左側嵌合溝96に嵌め込むことによって、右側嵌合片13及び左側嵌合片23のそれぞれが、右側嵌合溝98内及び左側嵌合溝96内にのみ配置される。そして、右側嵌合片13と右側嵌合溝98との接合部、及び左側嵌合片23と左側嵌合溝96との接合部が形成され、好気本体部10と仕切壁W1とが接合する。
【0060】
このとき、接着剤は、右側嵌合片13における第1傾斜線状突起14及び第2傾斜線状突起15のそれぞれの引抜き方向側の面、並びに左側嵌合片23における第1傾斜線状突起24及び第2傾斜線状突起25のそれぞれの引抜き方向側の面に周り込むようにして移動し配置されて固化する。これにより、好気濾床槽Aの嵌合構造において、右側嵌合片13及び左側嵌合片23のそれぞれが、右側嵌合溝98及び左側嵌合溝96から外れ難くなると共に、接着剤の固化により槽内の汚水や空気が側壁から外部に漏れ難くなる。尚、図示しないが、第1傾斜線状突起14、24及び第2傾斜線状突起15、25のそれぞれは、好気濾床槽Aの好気本体部10の引抜き方向と交差する方向に延びている状態にある。即ち、右側嵌合片13の第1傾斜線状突起14及び左側嵌合片23の第1傾斜線状突起24は、上側ほど仕切壁W1に近づくように延びており、右側嵌合片13の第2傾斜線状突起15及び左側嵌合片23の第2傾斜線状突起25は、下側ほど仕切壁W1に近づくように延びている状態となる。
【0061】
本体部7の底面2には、図示しない凹形状の溝が形成されており、また、本体部7の右側壁5、及び左側壁6には、上下方向に亘る図示しない凸部が形成されている。本体部7の右側壁5、及び左側壁6のそれぞれに形成された図示しない凸部に対して、第1沈殿バッフル80の嵌合用溝82及び第2沈殿バッフル90の嵌合用溝92を嵌め込みつつ、本体部7の底面2に形成された図示しない溝に対して、好気本体部10における前壁部16の下側嵌合片18と左壁部20の下側嵌合片22、第1沈殿バッフル80の下側嵌合片83、及び第2沈殿バッフル90の下側嵌合片93を、上から嵌め込むことによって、好気本体部10と第1沈殿バッフル80と第2沈殿バッフル90とが本体部7に固定される。
【0062】
尚、このとき、本体部7の底面2に形成された図示しない溝の中に、少なくとも本体部7の底面2に接着可能な接着剤を充填しておき、好気本体部10における前壁部16の下側嵌合片18と左壁部20の下側嵌合片22、第1沈殿バッフル80の下側嵌合片83、及び第2沈殿バッフル90の下側嵌合片93を当該溝に嵌め込むことによって接合部が形成され、好気本体部10と第1沈殿バッフル80と第2沈殿バッフル90との接合体と、本体部の底面とが接合する。接着剤は、前壁部16の下側嵌合片18の傾斜線状突起、左壁部20の下側嵌合片22の傾斜線状突起、第1沈殿バッフル80の下側嵌合片83の傾斜線状突起、及び第2沈殿バッフル90の下側嵌合片93の傾斜線状突起のそれぞれの引抜き方向側の面に接着剤が周り込むようにして配置され固化する。これにより、好気濾床槽Aの嵌合構造において、好気本体部10における前壁部16の下側嵌合片18、左壁部20の下側嵌合片22、第1沈殿バッフル80の下側嵌合片83、及び第2沈殿バッフル90の下側嵌合片93のそれぞれが、図示しない溝から外れ難くなると共に、接着剤の固化により槽内の汚水や空気が底部から外部に漏れ難くなる。
【0063】
〔移動床濾過槽〕
図12及び
図13に示すように、移動床濾過槽Eは、側壁部材51と、スロート部材70と、カバー部材72とを備えて構成されている。
【0064】
図14に示すように、側壁部材51は、第1側壁部分52と、第2側壁部分54とを備える。側壁部材51は、例えば、ポリプロピレンや塩化ビニル等(第1部材の構成素材の一例)の可撓性材料を用いて、公知の射出成形方法により平板状に成形され、平面視において第1側壁部分52と第2側壁部分54とが略直角に交差するように、折り曲げ部において折り曲げられることによって形成される。尚、本実施形態では、側壁部材51について射出成形による成形を行っているが、これに限定されるものではない。
【0065】
図15に示すように、折り曲げ部56の第1側壁部分52側の近傍に、上下方向に亘る凹形状部57が設けられており、折り曲げ部56の第2側壁部分54側の近傍に、上下方向に亘る凹形状部58が設けられており、凹形状部57と凹形状部58とが、厚さが他の部分よりも薄い折り曲げ部56を介して連設する。
【0066】
第1側壁部分52を、折り曲げ部56において、
図15の一点鎖線の矢印で示す方向に折り曲げることによって、凹形状部58の外側面58aが、凹形状部57の底面57aに対向配置し、凹形状部58の上面58bが、凹形状部57の内側面57bに対向配置する。これにより、第1側壁部分52の水路壁53の面と第2側壁部分54の水路壁55の面とが面一となり、さらにスロート部材70と組み合わせることによって、第1側壁部分52と第2側壁部分54とが交差して隅部を形成する部分に、円形の横断面を有するエアリフトポンプ用の揚水路R1(
図3参照)が上下方向に亘って形成される。
【0067】
また、第1側壁部分52を折り曲げることによって、折り曲げ部56において、凸形状の横断面形状を有する嵌合突起59(凸形状の嵌合部の一例)が形成される。
【0068】
図16及び
図17に示すように、嵌合突起59の第1側壁部分52側の横外側面には、水平方向に延びる水平線状突起60、端側ほど上に位置するように傾斜する第1傾斜線状突起61、及び、端側ほど下に位置するように傾斜する第2傾斜線状突起62が上下方向に沿って複数設けられている。さらに、
図17に示すように、これら水平線状突起60、第1傾斜線状突起61、及び第2傾斜線状突起62に隣接する位置に、上下方向に亘る縦リブ63が設けられている。
【0069】
仕切壁W2(第2部材の一例)の下流側壁4側の側面に、上下方向に亘る2つの接合リブ99が設けられており、これにより嵌合溝100(凹形状の被嵌合部の一例)が形成されている。尚、仕切壁W2は、例えばFRP等により構成されている。
【0070】
嵌合溝100に、少なくとも仕切壁W2と接着可能な接着剤を充填しておき、側壁部材51の嵌合突起59を、仕切壁W2の嵌合溝100に嵌め込むことによって、凹形状部58の裏面58cと、嵌合溝100の右側の接合リブ99(
図17の紙面上、左側の接合リブ99)とが当接し、嵌合突起59の縦リブ63と嵌合溝100の左側の接合リブ99(
図17の紙面上、右側の接合リブ99)とが当接する。そして、嵌合突起59と嵌合溝100との接合部が形成され、移動床濾過槽Eと仕切壁W2とが接合する。
【0071】
このとき、接着剤は、嵌合突起59における水平線状突起60、第1傾斜線状突起61、及び第2傾斜線状突起62のそれぞれの引抜き方向側の面に周り込むようにして移動するが、嵌合突起59の縦リブ63が設けられていることによって、嵌合溝100から漏れ出すことが防止される。
【0072】
尚、水平線状突起60は、移動床濾過槽Eの側壁部材51の引抜き方向に延びており、第1傾斜線状突起61及び第2傾斜線状突起62のそれぞれは、移動床濾過槽Eの側壁部材51の引抜き方向と交差する方向に延びている状態にある。即ち、水平線状突起60は水平方向に延びており、第1傾斜線状突起61は上側ほど仕切壁W2に近づくように延びており、第2傾斜線状突起62は下側ほど仕切壁W2に近づくように延びている状態となる。これにより、移動床濾過槽Eの側壁部材51は、引抜き方向だけでなく、上下方向に対しても外れ難い構造となっている。
【0073】
〔その他の実施形態〕
線状突起の形状は、上述の実施形態における水平線状突起や傾斜線状突起に限定されるものではない。例えば、
図18に示すように、線状突起106の形状を(a)破線状、(b)逆「く」の字状、(c)「く」の字状、(d)直線状、(e)波状、(f)V字状などの形状にしても良い。尚図中の矢印は、第1部材の引抜き方向を示す。
【0074】
突起部の形状は、上述の実施形態における線状突起に限定されるものではない。例えば、
図19に示すように、突起部107の形状を(a)円状、(b)楕円状、(c)四角形状、(d)ひし形状、(e)三角形状、(f)星型状などの楕円状突起又は多角形状突起にしても良い。尚図中の矢印は、第1部材の引抜き方向を示す。
【0075】
上述の実施形態では、第1部材の材質として、ポリプロピレンや塩化ビニルを挙げたがこれに限定されるものではなく、接着剤による接着が困難な材質であっても良いし、接着可能な材質であっても良い。また、第2部材は、接着剤が接着可能な他の材質であっても良い。