(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず
図1を用いて、一実施の形態としてウェハ状態の半導体装置について説明する。
【0012】
図1を参照して、半導体ウェハSWは、たとえばシリコンの単結晶により形成されている。半導体ウェハSWの主表面には、複数のイメージセンサ用のチップ領域IMCが配置されている。複数のチップ領域IMCの各々は矩形の平面形状を有し、行列状に配置されている。半導体ウェハSWの主表面において隣り合う1対のチップ領域IMCの間の領域はエッジ領域EGR(素子外領域)である。エッジ領域EGRはチップ領域IMCの外周を囲むように矩形状に配置されており、複数のチップ領域IMCの各々を半導体ウェハSWの主表面において区画している。なお
図1の半導体ウェハSWの外周の近傍において点線とエッジ領域EGRとにより囲まれる領域は半導体ウェハSWの外縁によりチップ領域IMCとしての矩形の一部が切り取られるが、この領域はチップ領域IMCと同等のイメージセンサ用の素子が配置された構成を有してもよい。
【0013】
次に
図2を用いて、
図1のチップ領域IMCとエッジ領域EGRとについて説明する。
図2(A)を参照して、半導体ウェハSWに配置されるチップ領域IMCの各々は、フォトダイオード領域PDR(素子領域)と、周辺回路領域PCRと、パッド形成領域PARとを有している。フォトダイオード領域PDRは、光電変換素子(受光素子)としてのフォトダイオードが複数、たとえば行列状に配置された領域である。周辺回路領域PCRは、フォトダイオード領域PDRのフォトダイオードを制御するための周辺回路が形成された領域である。パッド形成領域PARは、フォトダイオード領域PDRのフォトダイオードおよび周辺回路領域PCRの制御用素子などを駆動させるための電極として形成される、たとえば矩形状の導電性の薄膜であるパッドが配置され得る領域である。
【0014】
図2(A)および
図2(B)を参照して、フォトダイオード領域PDRは平面視においてチップ領域IMCの中央部に矩形の平面形状を有するように配置されており、周辺回路領域PCRは平面視においてフォトダイオード領域PDRの外周を取り囲むように配置されている。またパッド形成領域PARは平面視において周辺回路領域PCRの外周を取り囲むように配置されている。
【0015】
一方、特に
図2(B)を参照して、エッジ領域EGRは、ガードリング領域GRRと、ダイシングライン領域DLRとを有している。ガードリング領域GRRは、平面視においてチップ領域IMC(パッド形成領域PAR)の外周を取り囲むように配置されており、ダイシングライン領域DLRは、平面視においてガードリング領域GRRの外周を取り囲むように配置されている。
【0016】
ガードリング領域GRRには、後述するようにチップ領域IMC(フォトダイオード領域PDR)の外周を取り囲むように配置される金属配線の積層構造としてのガードリングが形成されている。ガードリングを有することにより、チップ領域IMC(フォトダイオード領域PDR)のフォトダイオードを外部の水分などから保護する役割を有する。
【0017】
ダイシングライン領域DLRは、半導体ウェハSWにおいて、複数のチップ領域IMCの間に挟まれている。ダイシングライン領域DLRにはアライメントマークなどが配置されている。ダイシングライン領域DLRで半導体ウエハSWが
図2(B)に示す点線において切断(ダイシング)されることにより、半導体ウエハSWは、チップ領域IMCとエッジ領域EGRとを有する複数個の半導体チップCHPに分割される。
【0018】
図2(B)の中央に位置する半導体チップCHPは、ダイシングライン領域DLRがダイシングライン領域DLR1とダイシングライン領域DLR2とに分割されたうちのダイシングライン領域DLR1がエッジ領域EGRの一部として配置されることにより構成される。また
図2(B)の中央部の半導体チップCHPの右側に配置されるチップ領域IMCは、上記のダイシングでの分割によるダイシングライン領域DLR2がエッジ領域EGRの一部として配置されることにより構成されることになる。
【0019】
なお
図2においては特にフォトダイオード領域PDRを実際より縮小し、フォトダイオード領域PDR以外の各領域を実際より拡大するように示されており、各領域の寸法は実際の寸法とは大きく異なる場合がある。具体的には、たとえばダイシングライン領域DLRは、ダイシングライン領域DLR1とダイシングライン領域DLR2とを合計して60μm以上120μm以下の幅(平面視において矩形を形成するように延在する方向に交差する方向の幅)を有することが好ましい。このダイシング領域が実際にダイシングの際に刃物により切断される領域の幅(いわゆるブレード幅)は上記ダイシングライン領域DLRの幅の約半分であることが好ましく、具体的にはたとえば30μm以上60μm以下であることが好ましい。
【0020】
次に
図3を用いて、一実施の形態の半導体チップCHPの各部分の構成について説明する。
【0021】
図3を参照して、一実施の形態のたとえばイメージセンサ用の半導体チップCHPは、フォトダイオード領域PDRのフォトダイオードPD(受光素子)と、周辺回路領域PCRの制御用トランジスタCTRとを有している。
【0022】
具体的には、半導体チップCHPは、たとえばシリコンからなる半導体基板SUB(半導体ウェハSWの基板と同じ)のn
-領域NTRに形成されている。フォトダイオード領域PDRと周辺回路領域PCRとは、半導体基板SUBの表面に形成されたフィールド酸化膜FOにより互いに平面視において分離されている。その他の互いに隣り合う各領域についても、半導体基板SUBの表面に形成されたフィールド酸化膜FOにより互いに平面視において分離されていてもよい。たとえば上記のフィールド酸化膜FOは、パッド形成領域PARおよびエッジ領域EGRにも配置されており、各領域のフィールド酸化膜FOは互いに同一の層として形成されている。
【0023】
フォトダイオードPDは、フォトダイオード領域PDRの半導体基板SUB内に形成されており、p型ウェル領域PWR1とn型不純物領域NWRとにより構成されている。p型ウェル領域PWR1はフォトダイオード領域PDR内の半導体基板SUBの表面に形成されている。n型不純物領域NWRはp型ウェル領域PWR1内の半導体基板SUBの表面に形成されており、p型ウェル領域PWR1とpn接合を構成している。
【0024】
フォトダイオード領域PDRには、転送用トランジスタTTRなどのMIS(Metal Insulator Semiconductor)トランジスタも形成されている。特に転送用トランジスタTTRは1対のソース/ドレイン領域NWR、NNR、NRと、ゲート絶縁膜GIと、ゲート電極GEとを有している。1対のn型ソース/ドレイン領域NWRとNNR、NRとの各々は、p型ウェル領域PWR1内の半導体基板SUBの表面に互いに間隔をおいて配置されている。1対のn型ソース/ドレイン領域NWR、NNR、NRの一方の領域は、フォトダイオードPDのn型不純物領域NWRと一体となっており、互いに電気的に接続されている。1対のソース/ドレイン領域NWR、NNR、NRの他方の領域は、高濃度領域としてのn
+不純物領域NRとLDD(Lightly Doped Drain)としてのn型不純物領域NNRとを有している。1対のソース/ドレイン領域NWRとNNR、NRとに挟まれる半導体基板SUBの表面の上にはゲート絶縁膜GIを挟んでゲート電極GEが形成されている。
【0025】
また、p型ウェル領域PWR1内の半導体基板SUBの表面には、上層配線と接続するためp
+不純物領域PRが形成されている。
【0026】
フォトダイオードPDを覆うように半導体基板SUBの表面上には、たとえばシリコン窒化膜NFとシリコン酸化膜OFとがこの順に積層された絶縁層が形成されている。この絶縁層の一方端はゲート電極GEの一方上に乗り上げている。また上記絶縁層の残渣としてゲート電極GEの他方の側壁には、上記と同様にシリコン窒化膜NFとシリコン酸化膜OFとがこの順に積層された側壁絶縁層が形成されている。
【0027】
周辺回路領域PCRにおける、半導体基板SUBの表面には、たとえばp型ウェル領域PWR2が形成されている。このp型ウェル領域PWR2には、複数のフォトダイオードPDの動作を制御するための制御素子が形成されており、この制御素子はたとえばMISトランジスタCTRを含んでいる。
【0028】
このMISトランジスタCTRは、1対のn型ソース/ドレイン領域NNR、NRと、ゲート絶縁膜GIと、ゲート電極GEとを有している。1対のn型ソース/ドレイン領域NNR、NRの各々は、互いに間隔をあけて半導体基板SUBの表面に形成されている。1対のn型ソース/ドレイン領域NNR、NRの各々は、たとえば高濃度領域としてのn型不純物領域NRとLDDとしてのn型不純物領域NNRとを有している。
【0029】
1対のn型ソース/ドレイン領域NNR、NRに挟まれる半導体基板SUBの表面の上にはゲート絶縁膜GIを挟んでゲート電極GEが形成されている。ゲート電極GEの側壁には、たとえばシリコン窒化膜NFとシリコン酸化膜OFとがこの順に積層された側壁絶縁層が形成されている。
【0030】
フォトダイオード領域PDRと周辺回路領域PCRとの各MISトランジスタのゲート電極GEはたとえば不純物がドープされた多結晶シリコンからなっていてもよく、またたとえばTiN(窒化チタン)などの金属からなっていてもよい。
【0031】
エッジ領域EGRのガードリング領域GRRにおける半導体基板SUBの表面には、n
+不純物領域NRが形成されている。n
+不純物領域NRは、フォトダイオード領域PDRのp
+不純物領域PRと同様に、上層配線と接続するために形成されている。
【0032】
チップ領域IMC(フォトダイオード領域PDR、周辺回路領域PCRおよびパッド形成領域PAR)およびエッジ領域EGR(ガードリング領域GRRおよびダイシングライン領域DLR)の各々において、半導体基板SUBの表面上には、上記の素子(フォトダイオードPD、MISトランジスタTTR、CTR)を覆うように層間絶縁層II1が形成されている。フォトダイオード領域PDR、周辺回路領域PCR、およびガードリング領域GRRにおいては、層間絶縁層II1上に、パターニングされた1層目の金属配線ML1が形成されている。この1層目の金属配線ML1は、層間絶縁層II1のコンタクトホール内を埋め込む導電層C1を通じて、たとえばp
+不純物領域PRまたはn
+不純物領域NRと電気的に接続されている。
【0033】
金属配線ML1を覆うように層間絶縁層II1上には層間絶縁層II2が形成されている。フォトダイオード領域PDR、周辺回路領域PCR、およびガードリング領域GRRにおいては、層間絶縁層II2上に、パターニングされた2層目の金属配線ML2が形成されている。この2層目の金属配線ML2は、層間絶縁層II2のスルーホール内を埋め込む導電層T1を通じて1層目の金属配線ML1と電気的に接続されている。
【0034】
金属配線ML2を覆うように層間絶縁層II2上には層間絶縁層II3が形成されている。フォトダイオード領域PDR、周辺回路領域PCR、およびガードリング領域GRRにおいては、層間絶縁層II3上に、パターニングされた3層目の金属配線TMLが形成されている。この金属配線TMLは、チップ領域IMCおよびエッジ領域EGRに形成される金属配線のうち最上層に形成されている配線である。この3層目の最上層金属配線TMLは、層間絶縁層II3のスルーホール内を埋め込む導電層T2を通じて2層目の金属配線ML2と電気的に接続されている。
【0035】
図3においては金属配線は最上層金属配線TMLを含め合計3層が積層されているが、当該金属配線の積層される数はこれに限らず任意とすることができる。また最上層金属配線TMLおよび金属配線ML1,ML2はアルミニウムなどの金属材料からなることが好ましいが、アルミニウムの代わりに銅などの金属材料からなってもよい。また層間絶縁層II1,II2,II3はたとえばシリコン酸化膜よりなっており、金属材料よりなる金属配線ML1,ML2とはエッチング選択比(たとえば導電層T1,T2などを形成するための層間絶縁層II2,II3のエッチング時におけるエッチング選択比)の異なる材料からなっている。さらに導電層C1,T1,T2は、層間絶縁層に形成されたスルーホールがタングステンなどの金属材料により充填された構成を有することが好ましい。また図示されないが、導電層C1,T1,T2を形成する上記スルーホールの側壁や底壁にはバリアメタルが形成されてもよい。
【0036】
チップ領域IMCの特にフォトダイオード領域PDRにおいて、導電層C1,T1,T2により互いに電気的に接続される金属配線ML1,ML2,TMLは、転送用トランジスタTTRの1対のn型ソース/ドレイン領域NWR、NNR、NRの一方の領域と電気的に接続されている。一方、エッジ領域EGRの特にガードリング領域GRRにおいて、金属配線ML1,ML2,TMLとこれらを互いに電気的に接続する導電層C1,T1,T2とによりガードリングGRが構成される。このガードリングGRは、n+不純物領域NRの真上を
図3の上下方向に延在するように配置される。またガードリングGRは平面視においてガードリング領域GRRに沿うように、すなわち平面視においてチップ領域IMCを矩形状に取り囲むように形成されている。
【0037】
したがってガードリングGRは、層間絶縁層II1〜II3などを含む積層構造におけるガードリングGRの内側(ガードリングGRに取り囲まれるチップ領域IMCなど)にガードリングGRの外側(ガードリングGRに取り囲まれる領域の外側)からの異物の浸入などを防ぐ壁面として機能する。より具体的には、上記のようにたとえばガードリングGRに取り囲まれる領域の外側から水分などがガードリングGRに取り囲まれる領域の内側に進入することが、ガードリングGRの壁面により抑制される。
【0038】
またパッド形成領域PARにおける最上層金属配線TMLは、上記の電極として形成される、たとえば矩形状の導電性の薄膜であるパッドである。
【0039】
なおフォトダイオード領域PDRにおいて、特にフォトダイオードPDの真上には、金属配線ML1,ML2,TMLが配置されていない。このような構成とすることにより、
図3の上方からフォトダイオードPDへの光の入射を容易にすることができる。
【0040】
最上層金属配線TMLを覆うように、層間絶縁層II3上には平坦化膜FFが形成されている。平坦化膜FFは、フォトダイオード領域PDR、周辺回路領域PCR、パッド形成領域PAR、エッジ領域EGRともに形成されている。平坦化膜FFはたとえばシリコン酸化膜よりなっており、層間絶縁層II1〜II3と同様の形成方法により、層間絶縁層II1〜II3と同様の厚みとなるように形成されることが好ましい。
【0041】
平坦化膜FFは、フォトダイオード領域PDRおよび周辺回路領域PCRにおいては、その上面の高さ(その上面の、半導体基板SUBの主表面からの
図3の上下方向に関する距離)がほぼ一定になるように、ほぼ全面に形成されている。すなわち当該各領域における平坦化膜FFの厚みはほぼ一定である。平坦化膜FFは、パッド形成領域PARにおいては、たとえばパッドとしての最上層金属配線TMLの一部の領域(平面視における外縁近傍の領域)を覆うように形成されており、最上層金属配線TML(パッド)の上記一部の領域以外の領域(平面視における中央部)は覆わないように形成されている。すなわち平面視における上記中央部においては、最上層金属配線TMLが露出している。
【0042】
またパッド形成領域PARの平坦化膜FFは、たとえば平面視における中央部側の端部において他の領域に比べてその厚みが薄くなっており、階段状の断面形状を有していてもよい。具体的には、パッド形成領域PARのうち上記中央部側の端部以外の領域における平坦化膜FFの厚みは、フォトダイオード領域PDRおよび周辺回路領域PCRにおける平坦化膜FFの厚みにほぼ等しい。パッド形成領域PARのうち上記中央部側の端部における平坦化膜FFは、フォトダイオード領域PDRなどの平坦化膜FFよりも厚みが薄い。
【0043】
エッジ領域EGRにおいては、平坦化膜FFは、ガードリング領域GRRのガードリングGRを構成する最上層金属配線TMLの上面を覆うように形成されている。すなわち平坦化膜FFの上面はガードリングGRを構成する最上層金属配線TMLの上面よりも上側(半導体基板SUBに対向する側と反対側)に位置している。
【0044】
ガードリング領域GRRの外側(フォトダイオード領域PDRに対向する側と反対側であり、
図3の右側)およびダイシングライン領域DLRにおいて、ガードリング領域GRRの内側(フォトダイオード領域PDRに対向する側であり、
図3の左側)に比べて平坦化膜FFが薄くなっている。ガードリングGRの最上層金属配線TMLと平面視において重なる領域においても、その一部(
図3の右側)において他の領域に比べて平坦化膜FFが薄くなっているが、その薄くなった領域においても平坦化膜FFは最上層金属配線TMLの上面を覆っている。つまり平坦化膜FFはエッジ領域EGRの最上層金属配線TMLのほぼ全面を覆っている。
【0045】
エッジ領域EGRのうち上記の平坦化膜FFが薄くなった領域における平坦化膜FFの厚みは、たとえばパッド形成領域PARにおける平坦化膜FFが薄くなった領域(平面視における中央部)における平坦化膜FFの厚みとほぼ等しい。またエッジ領域EGRのうち平坦化膜FFが厚い領域における平坦化膜FFの厚みは、フォトダイオード領域PDRおよび周辺回路領域PCRにおける平坦化膜FFの厚みにほぼ等しい。
【0046】
平坦化膜FF上にはパッシベーション膜PAS(保護膜)が形成されている。パッシベーション膜PASはたとえばシリコン窒化膜により形成されており、パッシベーション膜PASより半導体基板SUBに近い側(
図3の下側)の各層を水分などから保護する役割を有する。
【0047】
フォトダイオード領域PDRおよび周辺回路領域PCRにおいては、パッシベーション膜PASは平坦化膜FF上に、その厚みがほぼ一定になるようにほぼ全面に形成されている。パッシベーション膜PASは、パッド形成領域PARおよびエッジ領域EGRにおいては、その真下の平坦化膜FFの厚みが厚い領域を覆うように形成されており、それ以外の領域には形成されていない。
【0048】
フォトダイオード領域PDR、周辺回路領域PCR、パッド形成領域PARおよびエッジ領域EGRの各領域において、パッシベーション膜PASが形成された領域においては、パッシベーション膜PASおよびその真下の平坦化膜FFの厚みはほぼ一定である。しかしパッド形成領域PARおよびエッジ領域EGRにおいてパッシベーション膜PASが形成されない領域においては、その真下の最上層金属配線TMLまたは平坦化膜FFの上面が露出している。
【0049】
ここで特に素子外領域としてのエッジ領域EGRに着目すれば、特に
図3の右側において平坦化膜FFが他の領域より薄くなった領域の真上にはパッシベーション膜PASが形成されておらず除去されている。パッシベーション膜PASが除去された領域(除去部)はこれに隣接するパッシベーション膜PASが形成された領域に対して段差LVLを形成している。
【0050】
エッジ領域EGRにおける段差LVLの量(段差量GP)は、エッジ領域EGR(フォトダイオード領域PDRなど他の領域でもよい)の特にパッシベーション膜PASの上面と、段差LVLにおける平坦化膜FFの上面との、半導体基板SUBの厚み方向に関する高さの差のことをいう。
【0051】
上記のように、エッジ領域EGRにおいて、段差LVLの底面(段差LVLにおける平坦化膜FFの上面)は、ガードリングGRを構成する最上層金属配線TMLの上面よりも
図3の上側に位置している。したがって
図3においてはエッジ領域EGRの最上層金属配線TMLの上面は露出しておらず、パッド形成領域PARの最上層金属配線TMLの上面のみが露出している。
【0052】
フォトダイオード領域PDRの、特にフォトダイオードPDの真上において、パッシベーション膜PAS上に平坦化膜FFとカラーフィルタCFとが、この順に積層されている。この平坦化膜FFは、上記の層間絶縁層II3上の平坦化膜FFと同様にたとえばシリコン酸化膜により形成されることが好ましく、カラーフィルタCFは、一般公知の有機材料または無機材料により形成されることが好ましい。また図示されないが、カラーフィルタCF上にはフォトダイオードPDに所望の光を高効率に入射させるための集光レンズが形成される。
【0053】
次に
図4〜
図8を用いて、一実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。なお以下においては、
図3に示す層間絶縁層II3および、層間絶縁層II3よりも下側の各層の形成方法についての詳細な説明は省略するため、
図4〜
図8において上記各層は
図3に比べて図示が簡略化されている。
【0054】
図4を参照して、シリコンやゲルマニウムなど、使用時に照射する光の波長に応じて異なる半導体材料からなる半導体基板SUB(半導体ウェハSW:
図1参照)が準備され、その主表面に、
図3に示すフォトダイオードPDや層間絶縁層II1〜II3、金属配線ML1,ML2、導電層T1,T2などが形成される。上記の各領域は一般公知の方法により形成される。これにより、半導体基板SUBの主表面は、フォトダイオードPDが形成されたフォトダイオード領域PDRと、上記の制御用トランジスタCTRなどが形成された周辺回路領域PCRと、パッド形成領域PARとからなるチップ領域IMC(
図2参照)と、チップ領域IMCの外周側のエッジ領域EGRとに区画される。
【0055】
層間絶縁層II3の上面を覆うように、たとえばスパッタリングにより金属配線TMLが形成され、通常の写真製版技術およびエッチングにより
図4に示すような形状にパターニングされる。この金属配線TMLは最上層の金属配線TMLとなり、フォトダイオード領域PDR、周辺回路領域PCR、パッド形成領域PARおよびエッジ領域EGRの各領域に形成される。
【0056】
次にエッジ領域EGRを含む各領域に、最上層金属配線TMLの上面を覆うように、層間絶縁層II3上に平坦化膜FFが形成される。平坦化膜FFは層間絶縁層II1〜II3と同様にたとえば通常のCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される。また平坦化膜FFはエッジ領域EGRを含む各領域においてほぼ全面に、ほぼ均一の膜厚となり、その上面がほぼ平坦となるように形成される。その一方で平坦化膜FFは層間絶縁層II3とその上方の最上層金属配線TMLとの双方の上面を覆うように形成される。このような態様を形成することが可能な程度に、平坦化膜FFは、最上層金属配線TMLよりも厚く形成することが好ましい。
【0057】
次にエッジ領域EGRを含む各領域の平坦化膜FF上のほぼ全面にパッシベーション膜PASが、たとえば通常のCVD法により形成される。
【0058】
次にたとえばいわゆるポジ型のフォトレジストPHRを用いた通常の写真製版技術により、パッシベーション膜PASを除去したい領域に開口を有するフォトレジストPHRのパターンが形成される。ここでポジ型のフォトレジストPHRとは、露光部分が現像液により可溶性となるフォトレジストを意味する。
【0059】
図5を参照して、フォトレジストPHRのパターンを用いた通常のエッチングにより、パッシベーション膜PASがパターニングされ、パッド形成領域PARの一部(平面視における中央部)およびエッジ領域EGRの一部(ガードリング領域GRRのフォトダイオード領域PDRから遠い側およびダイシングライン領域DLR)のパッシベーション膜PASが除去される。
【0060】
パッシベーション膜PASが除去される領域においてはパッシベーション膜PASがすべて除去されるためその真下の平坦化膜FFが露出されるが、オーバーエッチングによりその真下の平坦化膜FFもその一部がエッチングの影響を受けるため除去される。このためパッシベーション膜PASが除去される領域は、パッシベーション膜PASが除去されない領域に比べて、パッシベーション膜PASの厚みとその真下の平坦化膜FFのオーバーエッチングされる厚みとの総和分だけ全体の厚みが薄くなった、パッシベーション膜PASの除去部としての段差LVLが形成される。
【0061】
平坦化膜FFは、最上層金属配線TMLの上面に達しない程度にオーバーエッチングされることが好ましい。つまり形成される段差LVLの底面である平坦化膜FFの上面は、最上層金属配線TMLの上面よりも上側(半導体基板SUBに対向する側と反対側)に位置するように形成される。ここではエッジ領域EGRの最上層金属配線TMLの上面上を含む平面視におけるほぼ全面において平坦化膜FFが残存するように、パッシベーション膜PASがエッチング除去され、段差LVLが形成される。
【0062】
図6を参照して、たとえばポジ型のフォトレジストPHRを用いた通常の写真製版技術により、パッド形成領域PARのパッドの平面視における中央部に開口を有するフォトレジストPHRのパターンが形成される。このフォトレジストPHRのパターンは、フォトダイオード領域PDR、周辺回路領域PCRおよびエッジ領域EGRのほぼ全面を覆うように形成されることが好ましい。
【0063】
図7を参照して、フォトレジストPHRのパターンを用いた通常のエッチングにより、パッシベーション膜PASの下面に接する平坦化膜FFがパターニングされ、パッド形成領域PARの平面視における中央部の平坦化膜FFが除去される。この処理により、パッド形成領域PARの平面視における中央部においてはパッシベーション膜PASと平坦化膜FFとの双方が除去され、その直下の最上層金属配線TML(パッド)の上面が露出する。
【0064】
一方、フォトダイオード領域PDR、周辺回路領域PCRおよびエッジ領域EGRにおいては、そのほぼ全面がフォトレジストPHRに覆われた状態で上記エッチングがなされる。このため、
図6および
図7の工程においては、フォトダイオード領域PDR、周辺回路領域PCRおよびエッジ領域EGRのパッシベーション膜PASおよび平坦化膜FFはエッチングされることなく、エッジ領域EGRの段差LVLは
図5と同様の状態が維持される。つまりエッジ領域EGRにおいては、
図5の工程において残存した平坦化膜FFが引き続き残存する。
【0065】
なおここでのフォトレジストPHRの開口は、パッド形成領域PARのパッシベーション膜PASをエッチングするためのフォトレジストPHRの開口と平面的に重なる位置にあるが、パッシベーション膜PAS用のフォトレジストPHRの開口よりもやや小さくなっている。このためパッシベーション膜PASの開口部の端部近傍においてはその真下の平坦化膜FFが除去されない。その結果、パッド形成領域PARの平坦化膜FFは、中央部におけるやや薄い領域(パッシベーション膜PASのオーバーエッチングによる)と、その外周側の厚い領域とを有する。
【0066】
図8を参照して、通常の成膜技術、写真製版技術およびエッチングにより、フォトダイオード領域PDRの特にフォトダイオードPDの真上におけるパッシベーション膜PAS上に、平坦化膜FFおよびカラーフィルタCFが形成される。
図8の態様は、
図3に示す各領域の態様に相当する。
【0067】
なお図示されないが、この工程の後、たとえばカラーフィルタCF上にはフォトダイオードPDに所望の光を高効率に入射させるための集光レンズが形成される。
【0068】
以上により
図1〜
図2に示すように、上記の各領域PDR,PCR,PAR,EGRが半導体ウェハSWの主表面において行列状に繰り返すように配置される。これを
図2(B)の点線で示すように、エッジ領域EGRの一部であるダイシングライン領域DLRにおいて切断することにより、フォトダイオードPDを有する、イメージセンサ用の半導体チップCHPが複数形成される。
【0069】
次に、一実施の形態の作用効果を説明する。
たとえばダイシングライン領域DLRにおいてパッシベーション膜PASが除去されずに除去部(段差LVL)が形成されない場合には、半導体ウェハSWの半導体チップCHPへのダイシングの際にパッシベーション膜PASが切断される。パッシベーション膜PASがシリコン窒化膜で形成される場合には、パッシベーション膜PASの保護膜としての効果が特に高まるが、同時にパッシベーション膜PASの切断時にクラックまたはチッピングが発生する可能性が高くなる。シリコン窒化膜は硬度が高く、クラックが発生しやすい材料であるためである。このクラックは切断により形成される半導体チップCHPの方へ進行し、半導体チップCHPにクラック不良を来たす可能性がある。
【0070】
そこでダイシングライン領域DLRにおいて段差LVLを形成し、パッシベーション膜PASを除去することにより、ダイシングの際のパッシベーション膜PAS(シリコン窒化膜)を起点とするクラックおよびチッピングが発生し得なくなる。このためダイシング後の半導体チップCHPにおけるクラック不良およびチッピング不良の発生を抑制することができる。
【0071】
次に、より高効率にパッド形成領域PARの最上層金属配線TMLを露出させる観点から、当該露出のためのパッシベーション膜PASとその真下の平坦化膜FFとをエッチング除去すると同時に、ダイシング領域の段差LVLを形成するためにパッシベーション膜PASとその下面に接する平坦化膜FFとしてのシリコン酸化膜とをエッチング除去する場合を考える。このとき、除去されたパッシベーション膜PASの真下の平坦化膜FFが、ガードリングGRを構成する最上層金属配線TMLの上面よりも半導体基板SUB側(下側)の領域に達するまで除去されれば、最終的に形成される段差LVLの量GP(
図3参照)が非常に大きくなる。またたとえば上記の一実施の形態のように、エッジ領域EGRのうちダイシングライン領域DLRのみならずガードリング領域GRRのパッシベーション膜PASなどが除去され段差LVLが形成される場合には、最上層金属配線TMLの上面よりも下側まで平坦化膜FFが除去されれば、ガードリングGRの最上層金属配線TMLの上面が露出する。
【0072】
このように段差LVLの量GPが、特にガードリングGRの最上層金属配線TML上の平坦化膜FFがなくなる程度に非常に大きくなれば、エッジ領域EGRにおける最上面の平坦性が非常に悪くなり、その結果後工程(
図8参照)においてフォトダイオード領域PDRに形成される平坦化膜FFの上面も平坦性が悪くなる可能性がある。これは、
図8の工程において、平坦化膜FFは、その上面を平坦にするためには、いったん段差LVL内を充填し、かつ露出したガードリングGRの最上層金属配線TMLの上面を覆うするように形成される必要があるためである。
【0073】
このため、エッジ領域EGRの段差が大きくなった場合、フォトダイオード領域PDRの上面を平坦にするためには、フォトダイオード領域PDRにおいて、カラーフィルタCFの下面に接する
図8の平坦化膜FFを特に厚く形成する必要が生じる。仮に平坦性の低いフォトダイオード領域PDRが形成された場合、当該イメージセンサにより形成される画像のムラが増え、画素の制御性が低下する可能性があるためである。
【0074】
しかし
図8の平坦化膜FFが厚く形成されることにより、コストが増加する可能性がある。また当該平坦化膜FFが厚く形成されることにより、カラーフィルタCFの上方からフォトダイオードPDへの光の入射効率が低下し、フォトダイオードPDの機能が低下する問題が発生する可能性がある。
【0075】
そこで一実施の形態においては、半導体チップCHPへのクラックの発生を抑制するとともに画素の制御性の低下を抑制するために、エッジ領域EGRの最上面(平坦化膜FFの上面)のチップ領域IMCのパッシベーション膜PASの上面に対する段差LVLが形成されるが、段差LVLの量が比較的小さくなるように配慮されている。具体的には、上記の段差LVLが、エッジ領域EGR(特にダイシングライン領域DLR)のパッシベーション膜PASを除去し、かつエッジ領域EGRのガードリングGRの最上層金属配線TMLの上面上において平坦化膜FFが残存するように形成される。ここではパッシベーション膜PASがエッチングされる際にその下面に接する平坦化膜FFがたとえオーバーエッチングされたとしても、
図5に示すようにガードリングGRの上面に達しない程度にオーバーエッチングされ、ガードリングGRの最上層金属配線TMLの上面上に平坦化膜FFが残存するように調整される。
【0076】
このためダイシングライン領域DLRのパッシベーション膜PASを起点とし、半導体チップCHPに向けて進行するクラックを抑制する効果を奏し、かつエッジ領域EGRの最上面の平坦性の劣化を抑制することができる。その結果、フォトダイオード領域PDRの平坦性を維持することができる。
【0077】
ガードリングGRの最上層金属配線TMLの上面を平坦化膜FFが覆う段差LVLが形成されることにより、言い換えればガードリングGRの最上層金属配線TMLの上面に平坦化膜FFが残存することにより、当該金属配線TML上の平坦性が確保される。その結果、コストの増加を招くことなく、かつフォトダイオードPDの受光効率などの信頼性を低下させることなく、フォトダイオード領域PDRの平坦性を維持することができる。
【0078】
以上のように一実施の形態においては、クラック不良などの抑制と、平坦化の確保との双方の作用効果を奏することができる。さらに、(ガードリングGR上の)平坦化膜FF上に保護膜としてのパッシベーション膜PASが形成されることにより、フォトダイオードPDなどへの水分などの浸入を抑制する効果が高められる。以上より一実施の形態によれば、信頼性の高い半導体チップCHPを提供することができる。
【0079】
(実施の形態2)
まず
図9を用いて、本実施の形態の半導体チップCHPの各部分の構成について説明する。
【0080】
図9を参照して、本実施の形態の半導体チップCHPは実施の形態1(
図3)の半導体チップCHPと基本的に同様の構成を有している。しかし本実施の形態の半導体チップCHPは、エッジ領域EGRに第1の溝SLT1が形成されている点において実施の形態1と異なっている。
【0081】
第1の溝SLT1は、パッシベーション膜PASの除去部である段差LVLに形成されており、より具体的には段差LVLの底面である平坦化膜FFの上面の一部の領域に、平坦化膜FFが除去された領域(除去部)として形成されている。第1の溝SLT1はガードリングGRの最上層金属配線TMLの真上に形成され、第1の溝SLT1は最上層金属配線TMLの真上における平坦化膜FFの上面の一部を起点として、当該最上層金属配線TMLの上面に達するように、
図9の上下方向(深さ方向)に延びている。
【0082】
第1の溝SLT1は、
図9の左右方向の幅が段差LVLに比べて非常に狭い。具体的には第1の溝SLT1の幅wは2μm以上であり、かつダイシングに用いる刃物の幅(ブレード幅)の10%以下であることが好ましい。上記のようにブレード幅は30μm以上60μm以下であるため、第1の溝SLT1の幅wは通常、3〜6μm以下である。
【0083】
幅wを2μm以上とすることにより、確実に第1の溝SLT1を開口させ、チッピングを抑制する効果が高まり、また後述するように溝SLT1がクラックの進行を抑制する効果をより高めることができる。また幅wをブレード幅の10%以下とする上限値は、カラーフィルタCFを形成する際に第1の溝SLT1にカラーフィルタCFが充填されることを極力抑制する観点から決定される。
【0084】
第1の溝SLT1が形成される領域では平坦化膜FFが除去されるため、ガードリングGRの最上層金属配線TMLの上面が露出する。しかし第1の溝SLT1の幅wは通常、ガードリングGRの幅に比べて十分に狭い、いわゆるスリット状の断面形状である。このため、第1の溝SLT1以外の領域において最上層金属配線TMLの上面のほぼ全面が平坦化膜FFに覆われていれば、ここでは
図9のような態様についても最上層金属配線TMLの上面が平坦化膜FFに覆われている(平坦化膜FFが残存する)ということにする。
【0085】
本実施の形態の半導体チップCHPの構成は、以上の各点において実施の形態1(
図3)の半導体チップCHPの構成と異なるが、他の各点においては実施の形態1(
図3)の半導体チップCHPの構成と同様である。このため
図3と同一の構成要素については同一の参照符号を付し、その説明を繰り返さない。このことは以降の各実施の形態についても同様である。
【0086】
次に
図10〜
図12を用いて、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。なおここでは、実施の形態1の製造方法と異なる点においてのみ説明する。
【0087】
図10を参照して、実施の形態1の
図5までの工程と同様の処理がなされた後、たとえばポジ型のフォトレジストPHRを用いた通常の写真製版技術により、パッド形成領域PARのパッドの平面視における中央部、およびエッジ領域EGRのうち第1の溝SLT1を形成しようとする領域に開口を有するフォトレジストPHRのパターンが形成される。ここでは上記の開口以外の領域はほぼ全面を覆うようにフォトレジストPHRのパターンが形成される。
【0088】
図11を参照して、フォトレジストPHRのパターンを用いた通常のエッチングにより、パッシベーション膜PASの下面に接する平坦化膜FFがパターニングされ、パッド形成領域PARの平面視における中央部、およびガードリングGRの真上の一部の領域の平坦化膜FFが除去される。ここではガードリングGRの真上の平坦化膜FFが、その上面からガードリングGRの上面の深さに達するように除去されることにより第1の溝SLT1が形成される。ただしガードリングGR上のうち第1の溝SLT1が形成される領域以外の領域については、実施の形態1と同様に平坦化膜FFが残存する。
【0089】
図12を参照して、以降、
図8と同様の後処理がなされる。
次に、本実施の形態の作用効果を説明する。本実施の形態は実施の形態1の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
【0090】
本実施の形態においてはダイシングの際にダイシングライン領域DLRから発生したクラックがフォトダイオード領域PDRの方に向けて進行したとしても、上記の第1の溝SLT1により、ガードリングGRの真上において進行を止めることができる。これは溝SLT1において平坦化膜FFが途切れるため、平坦化膜FF内を伝わるクラックの進行が止められるためである。このため実施の形態1に比べてさらに、半導体チップCHPがクラックがフォトダイオード領域PDRに到達する不良を発生する可能性を低減することができる。
【0091】
なお溝SLT1が少なくとも平坦化膜FFの上面からガードリングGRの上面に達するまで深さ方向に延在するため、ダイシングライン領域DLRからフォトダイオード領域PDRに向けて(半導体基板SUBの主表面に沿う方向に)平坦化膜FF内を伝播するクラックはガードリングGRの真上において必ず溝SLT1を経由することになる。このため、ガードリングGRの真上をフォトダイオード領域PDRに向けて進行するクラックは必ず溝SLT1により進行を妨げられることになる。
【0092】
本実施の形態においては第1の溝SLT1の存在により、ガードリングGRの最上層金属配線TMLはその上面の一部が平坦化膜FFで覆われなくなるが、上記のように溝SLT1の幅w(
図9参照)はガードリングGRの幅に比べて十分に狭く、溝SLT1の平面積はガードリングGRの平面積に比べて十分に小さい。このためガードリングGRの上面が溝SLT1以外の領域において平坦化膜FFに覆われていれば、溝SLT1が形成されていてもガードリングGRの上面上において平坦化膜FFの平坦性をすることができる。
【0093】
図9に示すように、特に第1の溝SLT1がガードリングGRの真上の領域のうち、ガードリングGRが平面的に矩形状に延在する方向に交差する幅方向(
図9の左右方向)に関する端部の真上に形成されないように、当該端部以外の中央部の真上のみに形成されることが好ましい。このようにすれば、少なくとも上記幅方向に関する一方および他方の双方の端部においては最上層金属配線TMLの上面が平坦化膜FFに覆われることにより、平坦化膜FFの上面の平坦性を維持する効果が高まる。
【0094】
(実施の形態3)
まず
図13を用いて、本実施の形態の半導体チップCHPの各部分の構成について説明する。
【0095】
図13を参照して、本実施の形態の半導体チップCHPは実施の形態1,2(
図3,9)の半導体チップCHPと基本的に同様の構成を有している。しかし本実施の形態の半導体チップCHPは、エッジ領域EGRの段差LVLにおける第1の溝SLT1が、平面視においてガードリングGRの最上層金属配線TMLより外周側(フォトダイオード領域PDRに対向する側と反対側:
図13の右側)に形成されている。具体的には第1の溝SLT1は、たとえばダイシングライン領域DLRに形成されている。
【0096】
図13の第1の溝SLT1は、ガードリングGRの外周側において、段差LVLの底面である平坦化膜FFの上面の一部の領域に形成され、平坦化膜FFの上面の一部を起点として、最上層金属配線TMLの上面の深さに達するように、
図13の上下方向(深さ方向)に延びている。なお
図13に示すように、最上層金属配線TMLの上面より深い領域に達するように溝SLT1が形成されることがより好ましい。
【0097】
図14〜
図15を参照して、本実施の形態の製造方法は、
図10〜
図11の実施の形態2の製造方法と比較して、第1の溝SLT1がガードリングGRより外周側に形成される点においてのみ異なっており、他の点においては実施の形態2の製造方法と同様である。
【0098】
次に、本実施の形態の作用効果を説明する。本実施の形態は実施の形態2の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
【0099】
本実施の形態においては、ガードリングGRの最上層金属配線TMLの真上が第1の溝SLT1により露出することなく、(たとえば実施の形態1と同様に)最上層金属配線TMLのほぼ全面が平坦化膜FFに覆われている。このため最上層金属配線TMLの金属材料に起因する異物の発生を抑制することができる。
【0100】
具体的には、たとえば平坦化膜FFがエッチングされる際にオーバーエッチングによりその真下の最上層金属配線TMLがエッチングされれば、除去された平坦化膜FF(シリコン酸化膜)中の酸素原子と金属配線TMLの金属材料とが反応を起こすことにより異物を発生する可能性がある。ところが最上層金属配線TMLの真上の平坦化膜FFがエッチングされなくなることにより、上記の反応性異物による信頼性の低下を抑制することができる。
【0101】
(実施の形態4)
まず
図16を用いて、本実施の形態の半導体チップCHPの各部分の構成について説明する。
【0102】
図16を参照して、本実施の形態の半導体チップCHPは上記の各実施の形態の半導体チップCHPと基本的に同様の構成を有している。本実施の形態においても実施の形態2と同様に、ガードリングGRの真上に第1の溝SLT1が形成されている。
【0103】
しかし本実施の形態の半導体チップCHPは、エッジ領域EGRにおいてパッシベーション膜PASが除去されておらず、段差LVLが形成されていない。第1の溝SLT1はガードリングGRの真上の一部の領域において、パッシベーション膜PASの上面から、パッシベーション膜PASおよびその下面に接する平坦化膜FFを貫通してガードリングGRの最上層金属配線TMLの上面に達するように形成されている。エッジ領域EGRにおけるパッシベーション膜PASは、第1の溝SLT1が形成されている領域において除去されているものの、それ以外の領域においては除去されておらず、
図16の断面図においてエッジ領域EGRの端部(ダイシング後の半導体チップCHPの外縁部)にまで延びている。言い換えれば、エッジ領域EGRにおいてパッシベーション膜PASは、第1の溝SLT1が形成される領域以外の全面に形成されていることが好ましい。
【0104】
次に
図17〜
図18を用いて、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。なおここでは、上記の各実施の形態の製造方法と異なる点においてのみ説明する。
【0105】
図17を参照して、まず実施の形態1の
図4の工程と同様に、半導体基板SUB(半導体ウェハSW)のエッジ領域EGRを含む各領域に、最上層金属配線TMLと、その上面を覆う平坦化膜FFと、その上のパッシベーション膜PASとが形成される。
【0106】
次にたとえばポジ型のフォトレジストPHRを用いた通常の写真製版技術により、パッシベーション膜PASを除去したい領域に開口を有するフォトレジストPHRのパターンが形成される。ここではパッド形成領域PARの一部(平面視における中央部)およびエッジ領域EGRの一部に開口を有するフォトレジストPHRのパターンが形成されるが、エッジ領域EGRにおいては、第1の溝SLT1を形成したい領域のみに開口が形成されている。
【0107】
図18を参照して、上記フォトレジストPHRのパターンを用いた通常のエッチングにより、パッシベーション膜PASがパターニングされ、フォトレジストPHRの開口部に応じてパッド形成領域PARの一部(平面視における中央部)およびエッジ領域EGRの一部(第1の溝SLT1の形成される領域)のパッシベーション膜PASが除去される。次にこのパッシベーション膜PASのパターンをマスクとして再度通常のエッチングを行なうことにより、パッシベーション膜PASの真下の平坦化膜FFがエッチングされる。
【0108】
パッシベーション膜PASがエッチングされた領域の真下の平坦化膜FFが除去されることにより、パッド形成領域PARにおいては最上層金属配線TMLの一部(平面視における中央部)が露出される。ここではパッシベーション膜PASと平坦化膜FFとの開口部が一致するように、両者がエッチングされる。
【0109】
エッジ領域EGRにおいては、ガードリングGRの最上層金属配線TMLの真上において、パッシベーション膜PASの上面からパッシベーション膜PASを貫通しさらにガードリングGRの最上層金属配線TMLの上面に達するように平坦化膜FFがエッチングされ、第1の溝SLT1が形成される。ただしガードリングGRの真上を含むエッジ領域EGRにおいては、第1の溝SLT1以外の領域はパッシベーション膜PAS、平坦化膜FFともに除去されることなく残存し、パッシベーション膜PASの除去部として形成されるのは第1の溝SLT1のみである。したがってパッシベーション膜PASは形成された半導体チップCHPの主表面の端部にまで延びる。
【0110】
次に、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態ではエッジ領域EGRにて、パッシベーション膜PASの除去部として第1の溝SLT1のみが形成され、幅の広い段差LVLは形成されない。また実施の形態2で述べたように第1の溝SLT1は幅が十分に狭いため、溝SLT1による段差が形成されるとしても、エッジ領域EGR全体の平坦性に影響を及ぼさない。つまりエッジ領域EGRには実質的に段差が存在しない。段差LVLが形成されないことから半導体チップCHPの平坦性が上記の各実施の形態よりもいっそう高められる。
【0111】
また第1の溝SLT1が存在することにより、実施の形態2,3と同様に、フォトダイオード領域PDRへのダイシングに起因するクラックの進行(伝播)を抑制することができる。したがって本実施の形態においてもクラック不良などの抑制と、平坦化の確保との双方の作用効果を奏することができる。さらに上記各実施の形態と同様に、平坦化膜FF上のパッシベーション膜PASによりフォトダイオード領域PDRなどへの水分の浸入を抑制する役割も確保される。
【0112】
(実施の形態5)
まず
図19を用いて、本実施の形態の半導体チップCHPの各部分の構成について説明する。
【0113】
図19を参照して、本実施の形態の半導体チップCHPは実施の形態4の半導体チップCHPと基本的に同様の構成を有している。実施の形態4は実施の形態2と平面視において同じ位置に実施の形態2と同様の第1の溝SLT1が形成されているが、本実施の形態は実施の形態3と平面視において同じ位置に実施の形態3と同様の第1の溝SLT1が形成されている。具体的にはエッジ領域EGRにおける第1の溝SLT1が、平面視においてガードリングGRの最上層金属配線TMLより外周側(フォトダイオード領域PDRに対向する側と反対側:
図13の右側)に形成されている。
【0114】
図20〜
図21を参照して、本実施の形態の製造方法は、
図10〜
図11の実施の形態2の製造方法と比較して、第1の溝SLT1がガードリングGRより外周側に形成される点においてのみ異なっており、他の点においては実施の形態2の製造方法と同様である。
【0115】
本実施の形態は、実施の形態4の作用効果に加えて、実施の形態3と同様の作用効果を奏する。具体的にはガードリングGRの最上層金属配線TML1の真上が露出されないため、金属材料に起因する異物の発生を抑制することができる。
【0116】
(実施の形態6)
たとえば実施の形態4の半導体チップCHPは、第1の溝SLT1がガードリングGRの最上層金属配線TMLの真上に形成されている。具体的には
図22を参照して、個々の半導体チップCHPに切断される前の半導体ウェハSWの、平面視においてチップ領域IMCの外周を取り囲む矩形状のガードリング領域GRR内に、ガードリング領域GRRと同様の矩形状の溝SLT1が形成されている。このように第1の溝は平面視においてチップ領域IMCの縁部(特に外周の縁部)に沿うように延在し、チップ領域IMCの外周と同じ矩形の平面形状を有している。
【0117】
図23を参照して、本実施の形態においては、実施の形態4に対して、第1の溝SLT1に加え第2の溝SLT2を有している。第2の溝SLT2は、個々の半導体チップCHPに切断される前の半導体ウェハSWの平面視において、第1の溝SLT1の延在する方向に対して交差(たとえば直交)する方向に延びている。
【0118】
第2の溝SLT2は、第1の溝SLT1よりも個々の半導体チップCHPにおける外周側(第1の溝SLT1から見てフォトダイオード領域PDRに対向する側と反対側)に形成されている。その結果第2の溝SLT2は、特に半導体ウェハSWにおいて互いに隣り合う1対のガードリング領域GRRに形成される第1の溝SLT1同士を接続するように形成される。ガードリング領域GRRの外周側にはこれを取り囲むようにダイシングライン領域DLRが形成されている。つまり第2の溝SLT2は、ガードリング領域GRRにおける第1の溝SLT1よりもその延在する方向に交差する幅方向に関する外周側、およびダイシングライン領域DLRの延在する方向に交差する幅方向に関する全体を延在するように形成されている。
【0119】
なお第2の溝SLT2の(平面視において延在する方向に交差する方向の)幅は、上記の実施の形態における第1の溝SLT1の幅wと同様であることが好ましい。
【0120】
したがって第2の溝SLT2は主にダイシングライン領域DLRに配置される。第2の溝SLT2は平面視における第1の溝SLT1の延在する方向に関する一定の間隔(ピッチ)ごとに配置されている。具体的には当該間隔Pは100μm以上1000μm以下であることが好ましい。ダイシングライン領域DLRはガードリング領域GRRおよびチップ領域IMCと同じ方向に、すなわち平面的に矩形状を形成するように延在する。このため第2の溝SLT2は、ダイシングライン領域DLRの延びる方向(チップ領域IMCの縁部の延びる方向)に交差する方向に延びている。第2の溝SLT2は、ダイシングライン領域DLRの延びる方向に関する一定の間隔ごとに配置されている。
【0121】
図23に示す点線において半導体ウェハSWが切断され個々の半導体チップCHPとなった場合、当該半導体チップCHPの平面視における外周近傍すなわちダイシングライン領域DLRには、第1の溝SLT1に交差するように、第1の溝SLT1から外側へ向かうように延びる第2の溝SLT2が複数、一定の間隔Pごとに配置される。
【0122】
図24を参照して、第2の溝SLT2は、第1の溝SLT1と同様にパッシベーション膜PASの除去部として形成されている。すなわち本実施の形態においては第1の溝SLT1および第2の溝SLT2によりパッシベーション膜PASの除去部が形成され、これ以外の領域にはたとえば実施の形態1の段差LVLのような除去部は存在しない。
【0123】
第2の溝SLT2は、少なくとも第1の溝SLT1と同じ深さまで形成されることが好ましい。ここでは実施の形態4と同様に、第1の溝SLT1は、パッシベーション膜PASの上面からガードリングGRの最上層金属配線TMLの上面に達するように形成される。このため第2の溝SLT2は、少なくともガードリングGRの最上層金属配線TMLの上面に達する深さまで、
図24の上下方向に延びることが好ましい。
【0124】
図25を参照して、本実施の形態の製造方法において、たとえば
図17〜
図18に示す第1の溝SLT1を形成する工程と同時に、ダイシングライン領域DLRに対して上記の第2の溝SLT2を形成する処理がなされる。
図25に示すように溝SLT2を形成するためのフォトレジストPHRのパターンが、通常の写真製版技術により形成される。当該フォトレジストPHRの開口部の真下に第2の溝SLT2が形成される。
【0125】
次に本実施の形態の作用効果を説明する。本実施の形態は、実施の形態4の作用効果に加えて以下の作用効果を有する。
【0126】
本実施の形態においては第1の溝SLT1が形成される領域よりも外周側に第2の溝SLT2が、ダイシングライン領域DLRの延在する方向に交差するように形成されている。このためダイシング時にダイシングライン領域がその延在する方向に沿って切断された際に、切断された後の半導体チップCHPの外縁部がその延在する方向に関する一定間隔ごとに第2の溝SLT2の切欠き部を有する。したがってダイシングされた領域におけるパッシベーション膜PASの長さが第2の溝SLT2が並ぶ間隔(ピッチP)よりも長くなることはない。
【0127】
このため、切断後の半導体チップCHPの外縁部に存在するパッシベーション膜PASの残部(いわゆるバリ)が半導体チップCHPの回路内部に侵入することにより、当該回路が絶縁不良を起こすなどの不具合の発生を抑制することができる。
【0128】
第2の溝SLT2が形成されず、ダイシング時にたとえばチップ領域IMCの矩形の1辺分の長さを有するパッシベーション膜PASの残部が発生した場合、これが回路内部に侵入すれば、当該回路が絶縁不良を起こす可能性が高い。第2の溝SLT2はこれを抑制する役割を有する。
【0129】
本実施の形態においては上記のように、ダイシングライン領域DLRの(延在する方向に交差する方向である)幅方向の全体を横切り、(切断前の)半導体ウェハSWにおいて隣接する1対の半導体チップCHPの第1の溝SLT1同士をつなぐように形成されていることがより好ましい。このようにすればダイシングライン領域DLRの幅方向に関するどの位置で切断されても確実に第2の溝SLT2により上方のパッシベーション膜PASがピッチPよりも長くなることはなくなる。
【0130】
なお本実施の形態においては、パッシベーション膜PASの膜厚が0.3μm以下であることが好ましい。このようにすれば、パッシベーション膜PASが切断されることによる上記パッシベーション膜PASの残部の長さが短くなることに加え、上記バリの厚みが薄く(短く)なるため、上記の効果を一層高めることができる。
【0131】
(実施の形態7)
実施の形態6は第2の溝SLT2を実施の形態4の半導体チップCHPに適用した例であるが、本実施の形態は第2の溝SLT2を実施の形態5の半導体チップCHPに適用した例である。
【0132】
図26を参照して、実施の形態5の半導体チップCHPは、ガードリングGRの最上層金属配線TMLより外周側に第1の溝SLT1が形成される。このため通常はガードリング領域GRRより外周側すなわちダイシングライン領域DLRに第1の溝SLT1が形成されている。この点において本実施の形態は実施の形態6と異なるが、
図27を参照して、その他の点においては本実施の形態は実施の形態6と同様であるため説明を省略する。
【0133】
本実施の形態においてはダイシングライン領域DLRに第1の溝SLT1が形成されるため、それよりも外周側に形成される第2の溝SLT2は、ダイシングライン領域DLRの幅方向に関する一部の領域のみを延在する。しかし第1の溝SLT1よりも外周側にてダイシングがなされれば、実施の形態6と同様の作用効果を奏することができる。
【0134】
なお本実施の形態についても、実施の形態6と同様の観点から、パッシベーション膜PASの膜厚が0.3μm以下であることが好ましい。
【0135】
以上の説明は主にダイシング後の半導体チップCHPに関するものであるが、各実施の形態のダイシング前の半導体ウェハSWについても、チップ領域IMCおよびエッジ領域EGRに関して、当然に半導体チップCHPと同様の特徴を有する。以下に、その他の実施の形態に記載された内容の一部を記載する。
【0136】
(1)半導体ウェハは、主表面を有する半導体基板と、半導体基板内に受光素子が形成され、主表面において複数行列状に配置された素子領域と、主表面において素子領域の外周側に形成され、複数の素子領域を区画する素子外領域とを備える。上記素子外領域は、素子外領域に形成される金属配線のうち最上層の最上層金属配線と、最上層金属配線の上面を覆う平坦化膜と、平坦化膜上に形成された保護膜とを含む。上記素子外領域の少なくとも一部において保護膜が除去された除去部が形成されている。
【0137】
(2)(1)の半導体ウェハにおいて、除去部は、平坦化膜の上面が最上層金属配線の上面よりも半導体基板に対向する側と反対側に位置している段差を含む。
【0138】
(3)(1)の半導体ウェハにおいて、最上層金属配線は平面視において素子領域を取り囲む。
【0139】
(4)(2)の半導体ウェハにおいて、除去部は、段差の一部の領域において平坦化膜の上面から少なくとも最上層金属配線の上面の深さに達する第1の溝を含む。
【0140】
(5)(4)の半導体ウェハにおいて、第1の溝は最上層金属配線の真上に形成される。
【0141】
(6)(4)の半導体ウェハにおいて、第1の溝は平面視において、最上層金属配線より外周側に、より具体的には最上層金属配線の、素子領域に対向する側と反対側に、形成される。
【0142】
(7)(1)の半導体ウェハにおいて、除去部は、保護膜の上面から少なくとも最上層金属配線の上面の深さに達する第1の溝を含む。上記保護膜は主表面の第1の溝以外の領域に形成される。
【0143】
(8)(7)の半導体ウェハにおいて、第1の溝は最上層金属配線の真上に形成される。
【0144】
(9)(7)の半導体ウェハにおいて、第1の溝は平面視において、最上層金属配線より外周側に、より具体的には最上層金属配線の、素子領域に対向する側と反対側に、形成される。
【0145】
(10)(7)の半導体ウェハにおいて、第1の溝は平面視において素子領域の縁部に沿うように延びる。上記除去部は、第1の溝より外周側に、より具体的には最上層金属配線の、素子領域に対向する側と反対側に、第1の溝と平面視において交差する方向に延びる第2の溝をさらに含む。
【0146】
(11)(7)の半導体ウェハにおいて、保護膜の膜厚は0.3μm以下である。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。