特許第6132529号(P6132529)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6132529
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20170515BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20170515BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170515BHJP
【FI】
   F21S8/08 200
   F21S8/08 110
   F21V23/00 115
   F21V23/00 140
   F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-264556(P2012-264556)
(22)【出願日】2012年12月3日
(65)【公開番号】特開2014-110179(P2014-110179A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2015年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】小林 正自
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−215293(JP,A)
【文献】 特開2010−052527(JP,A)
【文献】 特開2012−109195(JP,A)
【文献】 特開2005−158540(JP,A)
【文献】 特開2014−102923(JP,A)
【文献】 特開2014−072062(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/110720(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/08
F21V 23/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点の隅切り部またはその近傍にあるポールに設置される、複数のランプユニットからなる照明装置であって、
前記複数のランプユニットのうち少なくとも一つは、前記照明装置が設置された隅切り部から走路と平行に延びる横断歩道を照明するように構成された横断歩道照明ユニットであり、
前記横断歩道照明ユニットは、前記横断歩道の中央よりも前記隅切り部から遠い側が最も高い照度となるように照明し、かつ、前記走路のうちの交差点を挟んだ対面側の走路の歩道側の端を含み交差点外にまで延びる退出走路部分も照明するよう構成されることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記横断歩道照明ユニットは、発光ダイオードを光源とする複数のLEDランプユニットが組み込まれたランプアセンブリを備え、前記複数のLEDランプユニットの主光軸が個別にまたはグループ毎に異なることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
交差点内またはその近傍の歩行者の存在を検知する検知手段をさらに備え、
前記横断歩道照明ユニットは、前記検知手段で検知される歩行者の有無に応じて、点消灯を含む調光が可能に構成されるか、または照射方向が可変に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記横断歩道照明ユニットは、交差点に設置された信号機からの情報に応じて、点消灯を含む調光が可能に構成されるか、または照射方向が可変に構成されることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点の隅切り部に設置される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
国土交通省による「道路照明施設設置基準」によると、交差点照明の役割として以下の三つが挙げられている。
i)遠方から交差点の存在がわかること。
ii)交差点付近に存在する他の自動車、歩行者等が、交差点より手前から識別できること。
iii)交差点内に存在する他の自動車、歩行者等が、交差点内において識別できること。
【0003】
上記の要件を満たす交差点照明の配置例を図1に示す。従来では、交差点からやや離れた四箇所(図1中のA)に照明装置を配置し、交差点内の歩行者に観察者から逆向きに光を照らすシルエット視で、歩行者を視認させていた。
【0004】
近年では、交差点内での右直事故防止などのために、交差点の隅切り部(図1中のB)にも照明装置を追加配置することが推奨されている。四箇所の隅切り部に照明装置を設置したときの照射範囲を図2中にハッチングで示す。各照明装置B1〜B4は、隅切り部を中心に、横断歩道C1〜C4、歩道待機部D1〜D4、さらには交差点の中央部までを照明する。特許文献1には、図2と同様に、交差点の隅切り部に設置された照明器具が歩道待機部と横断歩道とを照明する様子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−190624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、交差点の四箇所の隅切り部に照明装置B1〜B4を追加設置することで、例えば車両Fのドライバーから見ると、歩道待機部D1や、横断歩道C1、C4の中央よりも隅切り部に近い位置を歩行する歩行者E1、E3が、照明装置B1により逆シルエット視となる。逆シルエット視では歩行者の顔の表情まで分かるようになるので、ドライバーはより的確な運転操作が可能となる。一方、横断歩道C1、C4中央よりも遠い側を歩行する歩行者E2、E4は、車両Fのドライバーから見ると照明装置B2、B4で照らされてシルエット視となるため、さほど視認性は高くならないという問題がある。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、交差点の隅切り部に設置され、横断歩道を歩行する歩行者の視認性を高める照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、交差点の隅切り部またはその近傍にあるポールに設置される、複数のランプユニットからなる照明装置である。複数のランプユニットのうち少なくとも一つは、照明装置が設置された隅切り部から走路と平行に延びる横断歩道を照明するように構成された横断歩道照明ユニットである。横断歩道照明ユニットは、走路の交通制御を行う外部手段からの情報に応じて、点消灯を含む調光が可能に構成されるか、または照射方向が可変に構成される。
【0009】
この態様によると、横断歩道照明ユニットが、照明装置の設置された隅切り部から走路と平行に延びる横断歩道を照明するので、走路上の車両のドライバーから見て、走路と平行に延びる横断歩道上の歩行者が逆シルエット視となるため、従来よりも歩行者を明瞭に視認することが可能になる。
【0010】
横断歩道照明ユニットは、発光ダイオードを光源とする複数のLEDランプユニットが組み込まれたランプアセンブリを備え、複数のLEDランプユニットの主光軸が個別にまたはグループ毎に異なってもよい。
【0011】
ランプアセンブリは、ポールから斜め上方に向けて交差点中心側に突出するように該ポールに取り付けられており、複数のLEDランプユニットは、ポールから遠方にあるLEDランプユニットの方が該ポール側にあるLEDランプユニットよりも狭角で対面側の横断歩道を照明するように構成されてもよい。
【0012】
交差点内またはその近傍の歩行者の存在を検知する検知手段をさらに備えてもよい。横断歩道照明ユニットは、検知手段で検知される歩行者の有無に応じて、点消灯を含む調光が可能に構成されるか、または照射方向が可変に構成されてもよい。
【0013】
外部手段は交差点に設置された信号機であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、交差点の隅切り部に設置され、横断歩道を歩行する歩行者の視認性を高める照明装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来の交差点照明装置の配置例である。
図2図1の照明装置の照射範囲を示す図である。
図3】(a)は本発明の一実施形態に係る照明装置の外観図であり、(b)は照明装置の側面図である。
図4】ランプアセンブリを構成するランプユニットの一例を示す断面図である。
図5】ランプアセンブリを構成するランプユニットの一例を示す断面図である。
図6】ランプアセンブリを構成するランプユニットの一例を示す断面図である。
図7】交差点の隅切り部に設置された照明装置の第1ランプアセンブリの照射範囲を示す図である。
図8】交差点の隅切り部に設置された照明装置の第2ランプアセンブリの照射範囲を示す図である。
図9】交差点の隅切り部に設置された照明装置の第3ランプアセンブリの照射範囲を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る照明装置とその制御装置の構成図である。
図11】交差点内に歩行者が存在するときの、照明装置による照射範囲を示す図である。
図12】交差点内に歩行者が存在しないときの、照明装置による照射範囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図3(a)は本発明の一実施形態に係る照明装置10の外観図であり、図3(b)は照明装置10の側面図である。照明装置10は、交差点の隅切り部またはその近傍に設置されるポール12と、ポール12の最上部に取り付けられる第1ランプアセンブリ14、第2ランプアセンブリ16と、ポール12の中間に取り付けられる第3ランプアセンブリ18と、を備える。ランプアセンブリ14、16、18は、照射範囲および照射方向がそれぞれ異なっている。各ランプアセンブリは、光源として発光ダイオードを使用する複数のランプユニット20の組み合わせで構成される。
【0017】
各ランプアセンブリは、点消灯を含む調光が可能に構成されるか、または照射方向が可変に構成されている。照明装置10には、各ランプアセンブリを制御する制御装置100が接続されている。制御装置の構成は後述する。
【0018】
図3(b)に示すように、第1ランプアセンブリ14は、その照射面が真下ではなくやや斜め上方に向けて交差点側に突出するようにポール12に取り付けられる。
【0019】
第1ランプアセンブリ14は、発光ダイオードを光源とする複数のLEDランプユニット20a〜cが一つの筐体に組み込まれて構成される。各LEDランプユニット20a〜cは、個別にまたはグループ毎に異なる主光軸を有している。
【0020】
第1ランプアセンブリ14は、照明装置10が設置された隅切り部から走路と平行に延びる横断歩道を、交差点を挟んで隅切り部の対面側に位置する横断歩道よりも高い照度で照明するように構成される。具体的には、ポール12から遠方にある(交差点側に位置する)LEDランプユニット20aが、狭角のスポットビームで対面側の横断歩道を高照度で照明する。ポール12に近づくにつれて、より広い範囲を照射する拡散配光のLEDランプユニット20b、20cを配置する。狭角配光は、例えば図4に示す放物面形状の反射面を有するランプユニットで実現することができ、拡散配光は、例えば図5に示す略回転楕円面形状の反射面を有するランプユニットや、図6に示す略放物柱形状の反射面を有するランプユニットで実現することができる。これ以外にも、略双曲面や略双曲柱形状の反射面を有するランプユニットを使用してもよい。
【0021】
第1ランプアセンブリ14の全体の配光は、図7を参照して後述する。
【0022】
第2ランプアセンブリ16は、第1ランプアセンブリ14に対して略直角方向に延びるようにポール12に取り付けられる。第2ランプアセンブリ16も、第1ランプアセンブリ14と同様に、その照射面が真下ではなくやや斜め上方に向けて交差点側に突出するようにポール12に取り付けられる。
【0023】
第3ランプアセンブリ18は、第1および第2アセンブリの下方でポール12の中間に取り付けられる。第3ランプアセンブリ18は、ポールが設置された隅切り部と、その周辺の歩道待機部および交差点内を照射するよう下向きに光を発する。
【0024】
各ランプアセンブリは、それぞれが光源として発光ダイオードを使用する複数のランプユニットの組み合わせで構成される。以下、ランプユニットの構成例を図4〜6に示す。
【0025】
図4は、狭角配光に適したランプユニット70の構成を示す。リフレクタ74の内側には略回転放物面形状の反射面が形成されており、発光ダイオード72から発せられた光を反射する。
【0026】
図5は、拡散配光に適したランプユニット80の構成を示す。リフレクタ84の内側には略回転楕円面形状の反射面が形成されており、発光ダイオード82から発せられた光を反射し、投影レンズ86を通して照射する。
【0027】
図6は、拡散配光に適したランプユニット110を示す。ランプユニット110のリフレクタ114の内側には略放物柱形状の反射面が形成されており、発光ダイオード112から発せられた光を拡散する。
【0028】
図7は、交差点の隅切り部(左上隅)に設置された照明装置10Aの第1ランプアセンブリ14の照射範囲90を示す。図中の色の濃い部分ほど照度が高いことを表している。以下では、交差点の左上隅に設置された一台の照明装置の照射範囲について説明するが、交差点の他の三箇所の隅切り部に設置された照明装置10B〜10Dの照射範囲についても同様である。
【0029】
図示するように、第1ランプアセンブリ14は、交差点内から照明装置10の下側に隣接する走路40の直進方向に延びる広範囲を主に照明する。より具体的には、照明装置10Aが設置された隅切り部から走路40と平行に延びる横断歩道50Bを、交差点を挟んで隅切り部の対面側に位置する横断歩道50Cよりも高い照度で照明する。特に、横断歩道50Bの中央よりも遠い側が最も高い照度となっている。これにより、走路40上の車両30のドライバーから見て、走路と平行に延びる横断歩道50B上の歩行者が逆シルエット視となるため、従来よりも歩行者を明瞭に視認することが可能になる。
【0030】
さらに、照明装置10Aは、上記と同様の配光を有し、交差点の中心を挟んで隅切り部の対面側に位置する横断歩道50Dよりも高い照度で横断歩道50Aを照明するランプアセンブリをさらに設けてもよい。こうすると、走路46上の車両31のドライバーから見て、走路40を横切る横断歩道50A上の歩行者も逆シルエット視となる。同様の照明装置を四箇所の隅切り部に設置することで、いずれの走路40〜46上の車両のドライバーから見ても、隅切り部の両側に位置する横断歩道上の歩行者が逆シルエット視となり、視認性が向上する。
【0031】
また、第1ランプアセンブリ14の照射範囲90は、交差点内のみならず、交差点を挟んだ対面側の走路40の左端も含むように、交差点外にまで延びる。このため、交差点外で走路40を乱横断する歩行者Eや、走路40内を不規則に走行する自転車を、照明装置10の手前側から照明することができる。このため、走路40上の車両30のドライバーから見ると、歩行者や自転車が逆シルエット視となるため、その視認性が向上する。
【0032】
図8は、交差点の隅切り部(左上隅)に設置された照明装置10Aの第2ランプアセンブリ16の照射範囲92を示す図である。第2ランプアセンブリ16は、照明装置10が設置されている隅切り部に隣接する走路44とその周辺を主に照明する。照射範囲92は、走路40上の車両30のドライバーにはグレアを与えないように設定される。
【0033】
第2ランプアセンブリ16を設けることで、車両30が交差点を左折するときでも、走路44を乱横断する歩行者や自転車が車両30のドライバーから見ると逆シルエット視となるため、歩行者および自転車の視認性が向上する。
【0034】
図9は、交差点の隅切り部(左上隅)に設置された照明装置10Aの第3ランプアセンブリ18の照射範囲94を示す図である。第3ランプアセンブリ18は、照明装置10Aが設置された隅切り部の周辺を照明する。
【0035】
第1ランプアセンブリ14(以下、「横断歩道照明ユニット14」とも呼ぶ)は、横断歩道を高照度で照明するため、エネルギー消費量が大きい。そこで、交差点内の歩行者の存在状況に応じて、横断歩道照明ユニット14の照度または照射方向を制御することが好ましい。
【0036】
図10は、交差点の隅切り部の四箇所に設置された四つの照明装置10A〜10Dとその制御装置100の構成図である。制御装置100は、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や電気回路で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0037】
交差点情報取得部102は、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)や、交差点に設置された信号機などの外部システムから、交差点における交通密度や車両存在状況などを取得する。
【0038】
車両情報取得部104は、交差点や道路に設置されたカメラや車両検知センサ、または車両に搭載されているカーナビゲーションシステムなどから、所定の交差点における交通密度や車両存在状況などを取得する。
【0039】
歩行者情報取得部106は、交差点や道路に設置されたカメラや歩行者検知センサなどから、所定の交差点における歩行者存在状況を取得する。歩行者の所有しているGPS(Global Positioning System)付きの携帯電話またはスマートフォン等の電子機器からの情報に基づき、交差点内の歩行者位置を取得してもよい。
【0040】
配光制御部108は、情報取得部102〜106で取得された情報に応じて、交差点に設置された四台の照明装置10A〜10Dの点消灯または調光を制御する。
【0041】
照明装置10A〜10Dはそれぞれ、照明装置の設置された隅切り部に隣接する横断歩道(図7の例では、横断歩道50B、50A)を主に照明する照射範囲90、90’(図11参照)をそれぞれ有する第1ランプアセンブリ14、14’を備える。第1ランプアセンブリ14、14’には、照射方向を変更するようにLEDランプユニットを駆動するランプユニット駆動部14a、14a’と、LEDランプユニットを調光する点消灯制御部14b、14b’と、がそれぞれ設けられている。
【0042】
配光制御部108は、交差点内およびその周辺に歩行者が存在する場合は、図11に示すように、第1ランプアセンブリ14、14’により横断歩道50B、50Aと、歩道待機部52A、52B、52Dを照明する。
【0043】
配光制御部108は、交差点内およびその周辺に歩行者が存在しない場合は、横断歩道50Aを照明する第1ランプアセンブリ14’のLEDランプユニットを消灯または減光する。そして、横断歩道50Bを照明する第1ランプアセンブリ14のLEDランプユニットを回転させるとともに、横断歩道の対面側を照射するLEDランプユニット(例えば図3(b)のランプユニット20a)を消灯または減光し、隅切り部に隣接する走路44を照明する(図12の照射範囲96)。
【0044】
配光制御部108は、交差点内に車両が存在しない場合には、第1ランプアセンブリ14、14’を消灯し、隅切り部近傍を照明する第3ランプアセンブリ18のみを点灯することで、交差点の存在を示すようにしてもよい。
【0045】
配光制御部108は、信号機の状態に応じて照明装置を制御してもよい。例えば、左上隅に設置された照明装置10Aを例にすると、隅切り部に隣接する走路40の信号が青であるときは、第1ランプアセンブリ14を点灯し、信号が赤であるときは、第1ランプアセンブリ14を消灯するようにしてもよい。この場合、照明装置10Aの第2、第3ランプアセンブリ16、18は点灯したままにしておく。信号機が青であるか赤であるかの情報は、信号機そのものから取得してもよいし、ITS等の交通制御システムから取得してもよい。
【0046】
以上説明したように、本実施形態によれば、照明装置が設置された隅切り部から走路と平行に延びる横断歩道を、交差点を挟んで隅切り部の対面側に位置する横断歩道よりも高い照度で照明するようにした。これにより、走路上の車両のドライバーから見て、走路と平行に延びる横断歩道上の歩行者が逆シルエット視となるため、従来よりも歩行者を明瞭に視認することが可能になる。
【0047】
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
【0048】
実施の形態では、照射範囲および照射方向がそれぞれ異なるランプアセンブリ14、16、18を一つのポール上に複数設けることを説明した。この代わりに、図7〜9に示した照射範囲を構成する複数のランプユニットを、一つのランプアセンブリ(例えば第1ランプアセンブリ14)内に組み込んでもよい。
【0049】
実施の形態では、各ランプユニットの反射面形状により配光を調整することを述べたが、各ランプユニットのアウターレンズに拡散角の異なる複数のレンズステップを設け、このレンズステップにより配光を調整してもよい。
【符号の説明】
【0050】
10A〜10B 照明装置、 12 ポール、 14 第1ランプアセンブリ(横断歩道照明ユニット)、 16 第2ランプアセンブリ、 18 第3ランプアセンブリ、 20a〜20c LEDランプユニット、 40 走路、 50A〜50D 横断歩道、 100 制御装置、 102 交差点情報取得部、 104 車両情報取得部、 106 歩行者情報取得部、 108 配光制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12