特許第6132542号(P6132542)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6132542フランジからの突起部を有する包装用容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6132542
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】フランジからの突起部を有する包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/34 20060101AFI20170515BHJP
   B65D 43/06 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   B65D1/34
   B65D43/06
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-275369(P2012-275369)
(22)【出願日】2012年12月18日
(65)【公開番号】特開2014-118189(P2014-118189A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】502444700
【氏名又は名称】株式会社関口商事
(73)【特許権者】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大和 信博
(72)【発明者】
【氏名】坂井 秀行
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第02410739(GB,A)
【文献】 特開2003−063573(JP,A)
【文献】 実開昭54−154944(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0000920(US,A1)
【文献】 特開平09−255067(JP,A)
【文献】 米国特許第05377860(US,A)
【文献】 実開平4−84124(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/00− 1/48
B65D43/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口の周縁に形成されたフランジを有した包装用容器において、
前記フランジの外縁を、辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がるようにし、
前記フランジの外縁に基端部にて連続的に形成されて、先端部が外方に突出する突起部を有したものとして、この各突起部の先端部を前記基端部から順次幅狭な形状となるようにすることによって、前記各突起部を三角形状のものに形成するとともに、
前記基端部に形成した折曲部にて前記各突起部が外側下方に向けて傾斜するようにしたことを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記各突起部に、前記基端部から始まって前記先端部にて終わる複数の水案内部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
それぞれフランジを有する容器本体と蓋体とからなる包装用容器において、
前記容器本体側のフランジの外縁を、辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がるようにするとともに、前記蓋体側のフランジの外縁を平坦にするようにし、
前記各フランジの外縁に各基端部にて連続的に形成されて、各先端部が外方に突出する突起部を有し、前記容器本体に蓋体を嵌合したとき、この蓋体の少なくとも1つの前記突起部が前記容器本体側の突起部上に位置することになり、
前記容器本体側の各突起部についてのみ、その先端部を前記基端部から順次幅狭な形状となるように形成するとともに、前記基端部に形成した折曲部にて前記各突起部が外側下方に向けて傾斜するようにして、
前記蓋体側の少なくとも1つの前記突起部と、前記容器本体側の突起部との間に、側面からみたときに、外側外方に向けて広がる空間Rを形成したことを特徴とする包装用容器。
【請求項4】
前記容器本体側の各突起部に、前記基端部から始まって前記先端部にて終わる複数の水案内部を形成したことを特徴とする請求項3に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等を収納する使い捨ての包装用容器に関し、特に、フランジからの突起部を有する包装用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品等を収納する使い捨ての包装用容器は、スーパーやコンビニエンスストア等で大量に使用されており、収納する食品等に応じた種々な形態のものが提案されている。この種の包装用容器としては、所謂「トレー」と称されている「蓋」のない皿状のものや、容器本体(食品等の収納や載置がなされ、時にはラップによって覆われる)、蓋体(食器や容器本体を上側から覆うもの)がある。勿論、上記の容器本体と、その開口を形成する嵌合フランジに嵌合される蓋体とからなる包装用容器も大量に使用されている。
【0003】
つまり、以下で「包装用容器」と言った場合、トレー、容器本体単独、蓋体単独、そして容器本体と蓋体とからなるものを対象としているものであり、特に断らない限り、これら全てを指すものである。
【0004】
また、この種の使い捨て包装用容器は、安価で衛生的に提供できることから、合成樹脂シートを材料として熱成形されることが多く、また、この熱成形の際には、所謂「多数個取り」がなされる。なお、シート成形法は、射出成形法に比べれば、「深かもの」の成形には向かないが、食品等を収納する使い捨ての包装用容器を成形するには何等問題はない。
【0005】
さて、この種の包装用容器では、その開口部の補強を行うために、開口の周囲にフランジ(縁取り及び嵌合部ともなる)を形成することが一般であるが、このフランジに、種々な理由から「突出部」を形成することがなされる。この「突出部」は、包装用容器の取手となったり、つまみ部となったり、さらには、ラップの支えとなったりするものであって、フランジを成形する際に同時に形成されることが一般である。
【0006】
ところで、この包装用容器に食品等を収納した後には、そのまま室温の棚に並べられることもあるが、通常は、冷蔵または冷凍陳列される。これを消費者が購入して持ち帰ると、包装用容器の「突起部」に「結露」が生じていることがあり、この結露は容器内の液汁が零れたように見えるし、食品以外の何かが付着したようにも見え、内容物を食してよいかどうかの不安を消費者に与えてしまう可能性がある。
【0007】
特に、容器本体に蓋体を嵌合する包装用容器では、食品等を収納した(最近では人出ではなく、機械的になされることが多くなってきている)後に、余分な付着物を落とすために水洗浄を行うことがあるが、この洗浄水が「突起部」に付着したままとなって、この残留洗浄水も消費者に不安を与える可能性がある。まして、容器本体に蓋体を嵌合する包装用容器では、両者の「突起部」(開封のためのつまみ部とされることが多い)が重なり合うことがあって、この突起部の重合部分に洗浄水が毛細管現象によって浸み込んでしまうと、短時間内での乾燥では除去できないことがあるだけでなく、両突起部の重合部分での開封が困難となる。
【0008】
この種の包装用容器において、上述した「開封困難」に着目した従来技術としては、特許文献1があり、「結露」に着目した従来技術としては、特許文献2及び特許文献3がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3533384号掲載公報、要約
【特許文献2】特開2002−362643号公報、要約
【特許文献3】特許第3114859号掲載公報、要約
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1には、「容器本体の張出部の上に蓋のつまみ部を重ね合わせた上記合成樹脂製容器では、煮汁や漬け汁を併有する出来合の惣菜や各種漬物などの食品を食べる前に、蓋のつまみ部をめくってつまんで蓋を容器本体との熱融着部から引き剥がしながら蓋の一部を開けて煮汁や漬け汁を切るが、このとき、容器本体の張出部の上に重ね合わせた蓋のつまみ部がめくり難いという不具合があった」のを解消することを目的とした「合成樹脂製容器」が提案されている。
【0011】
この特許文献1の「合成樹脂製容器」では、「外部スカートの裾の一部を他部よりも短く形成してこの短い裾部と前記他部の両側端とが出会う二箇所にそれぞれ入隅角部を設け、前記つまみ部は前記短い裾部から外方へ張り出し成形されている」のであるが、これだと「開封操作」が行い易くはなるが、「結露」の問題は解決されない。
【0012】
特許文献2には、「蓋の内側に付着した水滴を速やかに除去すると共に、外部に流れ出さないようにした包装用容器を提供すること」を目的とした「包装用容器」が提案されているが、この包装用容器は、「蓋と容器本体とからなる包装用容器において、容器本体の口縁にフランジが設けられ、蓋の外周には上記フランジに対向する周縁部が設けられている。上記フランジと周縁部との間に、部分的に互いの間隔を広く形成するための空間部を形成している」ものである。
【0013】
しかしながら、この特許文献2の「包装用容器」では、「蓋の内側に付着した水滴を速やかに除去する」ものであって、包装用容器の外側に付着した水滴を除去することはできないものとなっている。
【0014】
そして、特許文献3には、「電子レンジで加熱することなどにより容器内部で膨張した空気を水蒸気とともに漏出させ、容器内に結露を生じ難くするとともに、容器内に発生した結露は容器外側に漏出させない構造を備えた食品収納用容器を提供せんとするものである」が、この食品収納用容器でも、上記特許文献2の場合と同様に、包装用容器の外側に付着した結露を除去することはできないものとなっている。
【0015】
そこで、本発明者等は、この種のフランジからの突起部を有する包装用容器について、その外側に付着した結露や水滴を簡単に除去するにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0016】
すなわち、本発明の目的とするところは、外側に付着した結露や水滴を簡単に除去することのできる包装用容器を提供することにある。
【0017】
また、本発明の他に目的とするところは、それぞれ突起部を有する容器本体と蓋体とからなる包装用容器において、外側に付着した結露や水滴を簡単に除去することができるようにすることは勿論、これらの容器本体及び蓋体の両突起部間に水滴が付着しにくくすることのできる包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「開口の周縁に形成されたフランジ11を有した包装用容器10において、
フランジ11の外縁11aを、辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がるようにし、
フランジ11の外縁11aに基端部12aにて連続的に形成されて、先端部12bが外方に突出する突起部12を有したものとして、この各突起部12の先端部12bを基端部12aから順次幅狭な形状となるようにすることによって、各突起部12を三角形状のものに形成するとともに、
基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12が外側下方に向けて傾斜するようにしたことを特徴とする包装用容器10」
である。
【0019】
すなわち、この請求項1に係る包装用容器10は、まず、図1にも示すように、開口の周縁に形成されたフランジ11を有したものであるが、このフランジ11の外縁11aを、図2にも示すように、その辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がるようにしたものである。
【0020】
この場合、「辺部中央部」は、例えば図2に示すフランジ11の外縁11aの中央部付近を言うものであり、図2のように、正面から見たフランジ11の外縁11aの図示左右方向の中心点から、一定の広がりを持った部分を言うものである。換言すれば、外縁11aの「辺部中央部」は、中心点を含んで一定の範囲で左右両側部分に広がるものであるから、外縁11aが下方へ垂れ下がるのは、中心点から直接の場合は勿論、中心点から暫く水平状態のまま進んでから左右に垂れ下がる場合があることになる。
【0021】
勿論、「両側部分」は、包装用容器10が平面視「丸型」や「楕円型」である場合には、フランジ11の外縁11aの「辺部中央部」から文字通り左右に広がる部分を言うものであり、包装用容器10が平面視「角型」や「菱型」であって「コーナー」を有する場合には、この「コーナー」との間に存在するフランジ11の外縁11aとするものである。以下、及び後述する実施形態の包装用容器10では、「両側部分」の広がり先として、この「コーナー」または「コーナー部」という用語を使用することとする。
【0022】
以上のようにした請求項1に係る包装用容器10では、これに食品等の収納物を収納してから冷蔵または冷凍して取り出すと、空気中の水蒸気が結露して表面に付着する。当該包装用容器10を、例えば長めの時間を掛けて持ち帰ると、結露が大量になって水滴化するが、この水滴は、各外縁11aにおいて次のように除去されるから、内容物の一部が漏れ出たかなという不安や、最初から不純物が付着していたのではないかという不安を与えることはない。
【0023】
何故なら、この包装用容器10を水平な机上に置いた場合も、一般的には傾斜させてある陳列棚上に置いた場合も、結露等によってフランジ11上に付着した水分は、このフランジ11を伝ってその外縁11a上に至り、最終的には自然とコーナー部に至ることになる。特に、フランジ11の外縁11aは、図2にも示すように、辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がるのであるから、図2に示す左右方向何れに傾いていても、フランジ11上に付着した水分は、自然とコーナー部に至ることになる。
【0024】
以上のことは、当該包装用容器10が開口部をフィルムによって覆うことになる所謂「トレー」タイプのものであっても同様に言える。何故なら、フィルムは、フランジ11の外縁11aを覆うことになるからであり、また、薄いものであるため、フランジ11の外縁11aが辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がることを阻害しないからである。
【0025】
また、この包装用容器10自体を、図2とは上下反対向きに使用する場合、つまり他の容器の蓋体として使用する場合、フランジ11の各辺部の中央が凹んだものとなるが、この場合も、フランジ11上に付着した水分を、自然とコーナー部に至らせることになる。何故なら、辺部中央部に存在するフランジ11の外縁11aは、図1にも示すように、非常に幅狭なものであるし、水の案内はするが保持はできないからであり、一方、両側部分にかけて上方へ盛り上がることになる各「コーナー部」は、流れてきた水の水切りを行う部分となるからである。
【0026】
さらに、この包装用容器10が、図2示したものに、図2に示したのとは上下反対にされる「蓋体」を嵌合するものである場合にも、上述した理由によって、フランジ11上に付着した水分を、自然とコーナー部に至らせることになる。
【0027】
それだけでなく、当該包装用容器10がフランジ11の外縁11aを辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がるものとしたことによって、フランジ11と蓋体側のフランジとの間に、フランジ11の外縁11aの辺部中央部から両側部分にかけて大きく広がることになる空間Rが、例えば図8に示すように、形成されることになる。このため、例えば洗浄水が、当該包装用容器10のフランジ11と蓋体側のフランジとの間の空間R内に毛細管現象によって浸み込もうとしても、コーナー部に至った水の重力によって水切りされてしまうことになって、溜まることはない。
【0028】
従って、この請求項1に係る包装用容器10は、まず、外側に付着した結露や水滴を簡単に除去することができるものとなっているのである。
【0029】
また、この請求項1の包装用容器10については、上述したように、
「フランジ11の外縁11aに基端部12aにて連続的に形成されて、先端部12bが外方に突出する突起部12を有したものとして、この各突起部12の先端部12bを基端部12aから順次幅狭な形状となるようにすることによって、各突起部12を三角形状のものに形成するとともに、基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12が外側下方に向けて傾斜するようにした」
ものである。
【0030】
すなわち、この請求項1に係る包装用容器10は、図1にも示すように、フランジ11の外縁11aを辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がるようにしたものであることを前提としながらも、フランジ11の外縁11aに基端部12aにて連続的に形成されて、先端部12bが外方に突出する少なくとも1つの突起部12とを有したものであり、各突起部12について、図3の(a)に示すように、その先端部12bを基端部12aから順次幅狭な形状となるように形成するとともに、基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12が外側下方に向けて傾斜するようにしたものである。
【0031】
以上のようにした請求項1に係る包装用容器10では、これに食品等の収納物を収納してから冷蔵または冷凍して取り出すと、空気中の水蒸気が結露して表面に付着する。当該包装用容器10を、例えば長めの時間を掛けて持ち帰ると、結露が大量になって水滴化するが、この水滴は、各突起部12において次のように除去されるから、内容物の一部が漏れ出たかなという不安や、最初から不純物が付着していたのではないかという不安を与えることはない。
【0032】
何故なら、各突起部12については、まず、図3の(a)に示すように、その先端部12bが基端部12aから順次幅狭となるように形成されているため尖っているから、包装用容器10の表面やフランジ11、そして各突起部12に付着した結露は、各部分を伝って先端部12bに集まり易くなっている。当該包装用容器10を持ち運びする際は、当該包装用容器10を完全に水平状態に維持されることは殆どなく、当該包装用容器10が傾けられることが多いからである。
【0033】
勿論、本発明に係る包装用容器10の各突起部12については、図3の(b)に示すように、基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12が外側下方に向けて傾斜させてあるから、各部分を伝って先端部12bに集まった水滴は、当該先端部12bが基端部12aから順次幅狭となるように形成されて尖っていることもあって、重力によって自然と「水切り」される、つまり除去されることになるのである。
【0034】
以上の各突起部12による、水滴の自然な除去現象は、当該包装用容器10が、「トレー」、後述する「容器本体10A」単独、「蓋体10B」単独、そして、「容器本体10Aと蓋体10Bとからなるもの」であっても、同様に発生するものである。
【0035】
従って、この請求項1の発明に係る包装用容器10は、外側に付着した結露や水滴を簡単に除去することができるものとなっているとともに、フランジ11の外縁11aを辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がるようにしたことによって、簡単に除去することができるだけでなく、各突起部12によっても簡単に除去することができるものとなっているのである。
【0036】
上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載の包装用容器10について、
「各突起部12に、基端部12aから始まって先端部12bにて終わる複数の水案内部14を形成したこと」
である。
【0037】
すなわち、この請求項2の包装用容器10では、各突起部12に水案内部14を形成したものであり、各水案内部14は、図3に示すように、突起部12の基端部12aから始まって先端部12bにて終わる複数のものとしたものである。また、各水案内部14は、図4に示すように、各突起部12に対する「溝」として形成してもよく、これとは逆に、「突条」として形成したものでもよい。要するに、これらの各水案内部14は、文字通り、水滴を除去するための案内が行えて、しかもシート成形ができるのであればどのような形状のものであってもよく、図3に示すような直線状は勿論、曲線状のものであってもよいものである。
【0038】
各水案内部14を、突起部12の基端部12aから始まって先端部12bにて終わる複数のものとしなければならないが、その理由は、突起部12という小さな面積のものの表面に付着した結露あるいは水滴の全てを、包装用容器10に再付着しないようにするために、できるだけ突起部12の先端部12bに導き、ここから自然落下させたいためである。
【0039】
つまり、これらの水案内部14を各突起部12に形成した包装用容器10では、各突起部12の先端部12bを基端部12aから順次幅狭な形状となるように形成するとともに、基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12が外側下方に向けて傾斜するようにしたこととも相まって、各突起部12の表面に付着した結露あるいは水滴の全てが、各水案内部14の先端部、すなわち、各突起部12の先端部12bに集まって滴となり、包装用容器10に再付着しないで纏まって自然に落下することになるのである。
【0040】
また、この包装用容器10の各水案内部14については、その先端を、各突起部12の先端部12bにて集合させて実施することも有効である。
【0041】
つまり、各水案内部14の先端を、各突起部12の先端部12bにて集合させた包装用容器10では、図3の(a)に示すように、突起部12という小さな面積のものの表面に付着した結露あるいは水滴の全てが突起部12の先端部12bに確実に導かれることになる。このため、結露がより一層水滴化し易く、包装用容器10から突出している各突起部12の先端から、包装用容器10に再付着しないで落下することになる。
【0042】
従って、この請求項2の発明に係る包装用容器10は、上記請求項1に係るそれと同様な機能を発揮する他、外側に付着した結露や水滴を、各水案内部14によって各突起部12の先端部12bに集めるため、結露や水滴の除去が効率良く行えるとともに、外側に付着した結露や水滴が、先端を集合させた各水案内部14によって各突起部12の先端部12bに積極的に集めることができて、結露や水滴の除去が効率良く行えるものとなっているのである。
【0043】
また、上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、
「それぞれフランジ11A・11Bを有する容器本体10Aと蓋体10Bとからなる包装用容器10において、
各フランジ11A・11Bの外縁11a・11bに各基端部12aにて連続的に形成されて、各先端部12bが外方に突出する突起部12A・12Bを有し、容器本体10Aに蓋体10Bを嵌合したとき、この蓋体10Bの少なくとも1つの突起部12Bが容器本体10A側の突起部12A上に位置することになり、
容器本体10A側の各突起部12Aについてのみ、その先端部12bを基端部12aから順次幅狭な形状となるように形成するとともに、基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12Aが外側下方に向けて傾斜するようにして、
蓋体10B側の少なくとも1つの突起部12Bと、容器本体10A側の突起部12Aとの間に、側面からみたときに、外側外方に向けて広がる空間Rを形成したことを特徴とする包装用容器10」
である。
【0044】
この容器本体10Aと蓋体10Bとからなる包装用容器10の以下の説明中、及びこの請求項3を説明する図6図8中においては、上記請求項1で説明した各部材に対応する部材の各符号に、容器本体10A側の部材については「Aまたはa」を、また、蓋体10B側の部材については「Bまたはb」をさらに付して区別ができるようにしている。つまり、符号の後に「Aまたはa」が付された部材で、「先端部12b」以外の部材は「容器本体」側の部材であり、同「Bまたはb」が付された部材で、「先端部12b」以外の部材は「蓋体」側の部材である。
【0045】
この請求項3に係る包装用容器10は、図6図8に示すように、まず、それぞれフランジ11A・11Bを有する容器本体10Aと蓋体10Bとからなり、容器本体10A側のフランジ11Aの外縁11aを辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がるようにするとともに、蓋体10B側のフランジ11Bの外縁11bを平坦にするようにしたものである。この場合、「外縁11aの辺部中央部」は、例えば上述した図2に示すフランジ11の外縁11aの中央部分を言うものであって、中心から一定の範囲で左右に広がるものである。勿論、「コーナー」は、同じく図2に示すフランジ11の外縁11aの左右両端部分を言うものである。
【0046】
以上のようにした包装用容器10では、これに食品等の収納物を収納してから冷蔵または冷凍して取り出すと、空気中の水蒸気が結露して表面に付着する。当該包装用容器10を、例えば長めの時間を掛けて持ち帰ると、容器本体10Aや蓋体10Bに対する結露が大量になって水滴化する。ところが、この水滴はフランジ11Aの各外縁11aにおいて次のように除去され、また蓋体10B側の外縁11bのコーナー部と、容器本体10A側の外縁11aのコーナー部との間に毛細管現象による水滴の溜まりが発生しないから、内容物の一部が漏れ出たかなという不安や、最初から不純物が付着していたのではないかという不安を与えることはない。
【0047】
何故なら、この包装用容器10を水平な机上に置いた場合も、一般的には傾斜させてある陳列棚上に置いた場合も、結露等によってフランジ11A・11B上に付着した水分は、これらのフランジ11A・11Bを伝ってその外縁11a・11b上に至り、最終的には自然とコーナー部に至ることになる。特に、フランジ11Aの外縁11aは、図6及び図7にも示すように、辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がるのであるから、図2に示す左右方向何れに傾いていても、フランジ11A上に付着した水分は、自然とコーナー部に至ることになる。
【0048】
また、この請求項3の包装用容器10は、蓋体10B側のフランジ11Bの外縁11bを平坦にすることによって、この蓋体10B側のフランジ11Bの外縁11bのコーナー部と、容器本体10A側のフランジ11Aの外縁11aのコーナー部との間に、図7及び図8に示すように、空間Rが形成されることになる。この空間Rが存在することによって、蓋体10B側のフランジ11Bの各外縁11bのコーナー部と、容器本体10A側のフランジ11Aの各外縁11aのコーナー部との間に、毛細管現象による水滴の溜まりが発生しないことになるのである。
【0049】
従って、この請求項3に係る包装用容器10は、まず、外側に付着した結露や水滴を簡単に除去することができるものとなっているのである。
【0050】
また、この請求項3に記載の包装用容器10については、上述したように、
「各フランジ11A・11Bの外縁11a・11bに各基端部12aにて連続的に形成されて、各先端部12bが外方に突出する突起部12A・12Bとを有し、容器本体10Aに蓋体10Bを嵌合したとき、この蓋体10Bの少なくとも1つの突起部12Bが容器本体10A側の突起部12A上に位置することになる包装用容器10において、
容器本体10A側の各突起部12Aについてのみ、その先端部12bを基端部12aから順次幅狭な形状となるように形成するとともに、基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12Aが外側下方に向けて傾斜するようにして、
蓋体10B側の少なくとも1つの突起部12Bと、容器本体10A側の突起部12Aとの間に、側面からみたときに、外側外方に向けて広がる空間Rを形成した」
ものである。
【0051】
すなわち、この請求項3に係る包装用容器10は、各フランジ11A・11Bの外縁に各基端部12aにて連続的に形成されて、各先端部12bが外方に突出する突起部12A・12Bとを有し、容器本体10Aに蓋体10Bを嵌合したとき、この蓋体10Bの少なくとも1つの突起部12Bが容器本体10A側の突起部12A上に位置することになるものである。
【0052】
さて、この請求項3に係る包装用容器10では、図6図8に示すように、容器本体10A側の各突起部12Aについてのみ、その先端部12bを基端部12aから順次幅狭な形状となるように形成するとともに、基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12Aが外側下方に向けて傾斜するようにしたものである。これにより、容器本体10A側の突起部12Aについては、容器本体10Aやフランジ11Aの表面等に付着した結露は、各部分を伝って先端部12bに集まり易くなっているし、基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12が外側下方に向けて傾斜させてあることから、各部分を伝って先端部12bに集まった水滴が、重力によって自然と「水切り」される、つまり除去されることになるのである。
【0053】
また、この容器本体10Aと蓋体10Bからなる包装用容器10では、蓋体10B側の少なくとも1つの突起部12Bと、容器本体10A側の突起部12Aとの間には、図7及び8に示すように、側面からみたときに、外側外方に向けて広がる空間Rが形成されるのであるから、容器本体10A側の突起部12Aと蓋体10B側の突起部12Bとの間に、例えば洗浄作業等によって入り込んだ水あるいは水滴には毛細管現象が働かず、これらの水あるいは水滴は、両突起部12・12B間に留まることができないだけでなく更に奥に浸み込むこともできない。そして、容器本体10A側の各突起部12Aが、図8に示すように、基端部12aに形成した折曲部13にて外側下方に向けて傾斜させてあるから、留まることも浸み込むこともできなかった水滴は、各突起部12Aの先端部12bから滴り落ちざるを得ないのである。
【0054】
従って、この請求項3に係る包装用容器10は、外側に付着した結露や水滴を簡単に除去することができるものとなっているだけでなく、これらの容器本体10A及び蓋体10Bの両突起部12A・12B間に水滴が付着しにくくすることができるものとなっているのである。
【0055】
上記課題を解決するために、請求項4に係る発明の採った手段は、上記請求項3に記載の包装用容器10について、
「容器本体10A側の各突起部12Aに、基端部12aから始まって先端部12bにて終わる複数の水案内部14を形成したこと」
である。
【0056】
すなわち、この請求項4の包装用容器10では、請求項3のそれと同様に、各突起部12Aの先端部12bを基端部12aから順次幅狭な形状となるように形成するとともに、基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12が外側下方に向けて傾斜するようにしたこととも相まって、各突起部12Aの表面に付着した結露あるいは水滴の全てが、各水案内部14の先端部、すなわち、各突起部12Aの先端部12bに集まって滴となり、包装用容器10に再付着しないで纏まって自然に落下することになるのである。
【0057】
勿論、この包装用容器10の各水案内部14について、その各先端を、各突起部12Aの先端部12bにて集合させて実施することができる。
【0058】
このようにした包装用容器10では、各突起部12Aに複数形成した各水案内部14について、その先端を、各突起部12Aの先端部12bにて集合させたものであるが、これにより、突起部12Aという小さな面積のものの表面に付着した結露あるいは水滴の全てが突起部12Aの先端部12bに確実に導かれることになる。このため、結露がより一層水滴化し易く、包装用容器10から突出している各突起部12の先端から、包装用容器10に再付着しないで落下することになる。
【0059】
従って、この請求項4の発明に係る包装用容器10は、上記請求項3に係るそれと同様な機能を発揮する他、外側に付着した結露や水滴を、各水案内部14によって各突起部12Aの先端部12bに集めるため、結露や水滴の除去が効率良く行えるとともに、外側に付着した結露や水滴が、先端を集合させた各水案内部14によって各突起部12の先端部12bに積極的に集めることができて、結露や水滴の除去が効率良く行えるものとなっているのである。
【発明の効果】
【0060】
以上説明した通り、請求項1及び請求項2に係る発明においては、
「開口の周縁に形成されたフランジ11を有した包装用容器10において、
フランジ11の外縁11aを、辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がるようにし、
フランジ11の外縁11aに基端部12aにて連続的に形成されて、先端部12bが外方に突出する突起部12を有したものとして、この各突起部12の先端部12bを基端部12aから順次幅狭な形状となるようにすることによって、各突起部12を三角形状のものに形成するとともに、
基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12が外側下方に向けて傾斜するようにしたこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、外側に付着した結露や水滴を簡単に除去することができるものなっているとともに、フランジ11の外縁11aを辺部中央部から両側部分にかけて下方へ垂れ下がるようにしたことによって、簡単に除去することができるだけでなく、各突起部12によっても簡単に除去することができるのできる包装用容器10を提供することができるのである。
【0061】
また、請求項3及び請求項4に係る発明においては、
「それぞれフランジ11A・11Bを有する容器本体10Aと蓋体10Bとからなる包装用容器10において、
各フランジ11A・11Bの外縁11a・11bに各基端部12aにて連続的に形成されて、各先端部12bが外方に突出する突起部12A・12Bを有し、容器本体10Aに蓋体10Bを嵌合したとき、この蓋体10Bの少なくとも1つの突起部12Bが容器本体10A側の突起部12A上に位置することになり、
容器本体10A側の各突起部12Aについてのみ、その先端部12bを基端部12aから順次幅狭な形状となるように形成するとともに、基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12Aが外側下方に向けて傾斜するようにして、
蓋体10B側の少なくとも1つの突起部12Bと、容器本体10A側の突起部12Aとの間に、側面からみたときに、外側外方に向けて広がる空間Rを形成したこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、それぞれ突起部12A・12Bを有する容器本体10Aと蓋体10Bとからなる包装用容器10において、外側に付着した結露や水滴を簡単に除去することができるようにすることは勿論、これらの容器本体10A及び蓋体10Bの両突起部12A・12B間に水滴が付着しにくくすることのできる包装用容器10を提供することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】本発明の第1実施例に係る包装用容器10の平面図である。
図2】同包装用容器10の正面図である。
図3】同包装用容器10の一部分を拡大して示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)の断面図である。
図4】同包装用容器10の突起部12についての、図1中の2−2線に沿って見た部分拡大縦断面図である。
図5】同包装用容器10の、図1中の3−3線に沿って見た縦断面図である。
図6】本発明の第2実施例に係る、容器本体10Aと蓋体10Bとからなる包装用容器10の分解縦断面図である。
図7】同容器本体10Aと蓋体10Bとからなる包装用容器10の正面である。
図8】同包装用容器10の、容器本体10Aと蓋体10Bとを嵌合した状態の部分拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
次に、上記のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した実施の形態である包装用容器10について説明するが、図1図5は本発明の第1実施例を示すものであり、図6及び図8は本発明の第2実施例を示すものである。
【0064】
なお、図1図5に示した第1実施例に係る包装用容器10では、「トレー」、「容器本体単独」または「蓋体単独」の場合を想定しているものであって、特に、「容器本体単独」の場合を想定しているものである。
【0065】
一方、図6及び図8に示した第2実施例では、容器本体10Aと蓋体10Bとからなる包装用容器10を想定しているものであり、この容器本体10Aと蓋体10Bとからなる包装用容器10の以下の説明中においては、上記第1実施例で説明する各部材に対応する部材の各符号に、容器本体10A側の部材については「Aまたはa」を、また、蓋体10B側の部材については「Bまたはb」をさらに付して区別ができるようにしている。つまり、第2実施例の説明中において、符号の後に「Aまたはa」が付された部材で、「先端部12b」以外の部材は「容器本体」側の部材であり、同「Bまたはb」が付された部材で、「先端部12b」以外の部材は「蓋体」側の部材である。
【0066】
また、第1実施例の包装用容器10も、第2実施例における容器本体10Aや蓋体10Bも、基本的には、合成樹脂シートをシート成形して製造されるものである。この合成樹脂シートとしては、発泡性ポリスチレンペーパーは勿論、各種合成樹脂材料からなるソリッドタイプのシートも採用される。
【0067】
(第1実施例)
図1図5には、第1実施例に係る包装用容器10が示してあるが、この包装用容器10は、厚さ0.35mmのA―PET(延伸ポリエチレンテレフタレートシート)を材料としてシート成形したものであり、主として「容器本体」として成形したものであるが、当該包装用容器10は、「トレー」、後述する「容器本体10A」単独、「蓋体10B」単独、として使用されることがあるものである。
【0068】
この包装用容器10は、図1に示したように、略四角形状にした開口の周縁に形成されたフランジ11と、このフランジ11の四隅の外縁のそれぞれに基端部12aにて連続的に形成されて、先端部12bが外方に突出する複数の突起部12とを有したものであり、底壁は、四隅の膨出脚部にて僅かに持ち上げて、この底壁の下側を冷気が流れ得るようにしたものである。勿論、この底壁やこれから立ち上がる側壁については、当該包装用容器10の剛性を確保したり、収納物が直接触れる部分を少なくしたりするために、内側に突出する多数の膨出リブが形成してある。
【0069】
各突起部12については、図3に示したように、その先端部12bを基端部12aから順次幅狭な形状となるように形成するとともに、図1及び図3に示した基端部12aに形成された折曲部13にて、例えば図6または図8に示したように、各突起部12が外側下方に向けて傾斜するようにしてある。各突起部12については、シート成形後のフランジ11をトリミングするに際して同時に形成されるものであるが、その基端部12aに形成された折曲部13とともに、立体カットしたものである。勿論、これら各突起部12やこれに形成してある折曲部13については、上記シート成形時に型成形しておくことも可能である。
【0070】
この第1実施例の包装用容器10では、各突起部12に水案内部14が形成してあり、各水案内部14は、図3に示したように、突起部12の基端部12aから始まって先端部12bにて終わる複数のものである。また、各水案内部14は、図4に示したように、各突起部12に対する「溝」として形成してもよく、これとは逆に、「突条」として形成したものでもよい。このように、各水案内部14を、突起部12の基端部12aから始まって先端部12bにて終わる複数のものとしたから、突起部12という小さな面積のものの表面に付着した結露あるいは水滴の全てを、突起部12の先端部12bに導いてここから自然落下させるのである。
【0071】
つまり、これらの水案内部14を各突起部12に形成した包装用容器10では、各突起部12の先端部12bを基端部12aから順次幅狭な形状となるように形成するとともに、基端部12aに形成した折曲部13にて各突起部12が外側下方に向けて傾斜するようにしたこととも相まって、各突起部12の表面に付着した結露あるいは水滴の全てが、各水案内部14の先端部、すなわち、各突起部12の先端部12bに集まって滴となり、包装用容器10に再付着しないで纏まって自然に落下することになる。
【0072】
さらに、この第1実施例の包装用容器10においては、各水案内部14の先端が、各突起部12の先端部12bにて集合するようにしてある。これにより、この第1実施例の包装用容器10では、突起部12という小さな面積のものの表面に付着した結露あるいは水滴の全てを、突起部12の先端部12bに確実に導くことになる。
【0073】
以上のようにした包装用容器10では、これに食品等の収納物を収納してから冷蔵または冷凍して取り出すと、空気中の水蒸気が結露して表面に付着するが、この水滴は各突起部12において、各水案内部14に案内されながら最終的に自然落下して除去されることになるから、「内容物の一部が漏れ出たかな」という不安や、「最初から不純物が付着していたのではないか」という不安を与えない。
【0074】
(第2実施例)
図6図8には、本発明の第2実施例に係る包装用容器10が示してあるが、この包装用容器10は、それぞれ略四角形状のフランジ11A・11Bを有する容器本体10Aと蓋体10Bとからなり、各フランジ11A・11Bの外縁に各基端部12aにて連続的に形成されて、各先端部12bが外方に突出する突起部12A・12Bとを有するものである。
【0075】
この第2実施例に係る、容器本体10Aと蓋体10Bとからなる包装用容器10の以下の説明中、及び図6図8中においては、上記第1実施例で説明した各部材に対応する部材の各符号に、容器本体10A側の部材については「Aまたはa」を、また、蓋体10B側の部材については「Bまたはb」をさらに付して区別ができるようにした。つまり、以下の説明中や図6図8中においては、符号の後に「Aまたはa」が付された部材で、「先端部12b」以外の部材は「容器本体」側の部材であり、同「Bまたはb」が付された部材で、「先端部12b」以外の部材は「蓋体」側の部材であることを示している。
【0076】
また、この第2実施例の包装用容器10においては、容器本体10Aに蓋体10Bを嵌合したとき、図7及び図8に示したように、蓋体10Bの少なくとも1つの突起部12Bが容器本体10A側の突起部12A上に位置することになるものである。この蓋体10Bの突起部12Bは、当該蓋体10Bを容器本体10Aから開放する際に使用される「つまみ部」とされることが多く、少なくとも1つあれば十分であり、四隅にあっても問題はない。
【0077】
そして、この蓋体10Bの少なくとも1つの突起部12Bは、容器本体10A側の突起部12A上に位置するとともに、その下側にある容器本体10A側の各突起部12Aを、基端部12aに形成した折曲部13にて外側下方に向けて傾斜させたことから、図7及び図8に示したように、これらの蓋体10B側の突起部12Bと容器本体10A側の突起部12Aとの間に、外側外方に向けて広がる空間Rが形成されることになる。
【0078】
この空間Rが外側外方に向けて広がっていて、容器本体10A側の突起部12Aが、基端部12aに形成した折曲部13にて外側下方に向けて傾斜していることにより、上下にて重合している蓋体10B側の突起部12Bと容器本体10A側の突起部12Aとの間には、水についての毛細管現象は全く発生しない。従って、容器本体10A側の突起部12Aに結露した水分や、洗浄時に葺き付けられた洗浄水は、蓋体10B側の突起部12Bと容器本体10A側の突起部12Aとの間に留まることがないことは勿論、容器本体10A側の突起部12Aの、上記第1実施例で説明したのと同様の機能によって、除去されることになる。
【符号の説明】
【0079】
10 包装用容器
10A 容器本体
10B 蓋体
11 フランジ
11a・11b 外縁
11A フランジ
11B フランジ
12 突起部
12a 基端部
12b 先端部
12A 突起部
12B 突起部
13 折曲部
14 水案内部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8