特許第6132593号(P6132593)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6132593
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】換気扇装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/013 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
   F24F7/013 101F
   F24F7/013 101E
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-40909(P2013-40909)
(22)【出願日】2013年3月1日
(65)【公開番号】特開2014-169808(P2014-169808A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2016年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】391008294
【氏名又は名称】フルタ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100137383
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】古田 成広
(72)【発明者】
【氏名】岡井 信繁
【審査官】 佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−065856(JP,A)
【文献】 実開昭59−180136(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/013
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プーリユニットを備え、換気対象の換気を行う換気扇本体と、
前記換気扇本体が嵌め込まれ、前記換気扇本体を回転可能に支持する第1枠体と、
前記第1枠体に離間して配置された第2枠体と、
一部が前記第1プーリユニットに取り付けられ、両端部のうち、一方の端部が引っ張られることにより、前記換気扇本体に回転運動を伝達するワイヤ部材と、
を有し、
前記第1プーリユニットから引き出された前記ワイヤ部材の両端部は、前記換気扇本体から前記第2枠体側に引き出されて配備され、
前記第1プーリユニットに、前記ワイヤ部材が巻き付けられるワイヤロック部を形成し、
前記ワイヤ部材は、前記ワイヤロック部に少なくとも1回以上巻き付けられることで、前記第1プーリユニットに取り付け、
前記ワイヤロック部は、長円柱板状に形成したことを特徴とする換気扇装置。
【請求項2】
前記第2枠体に回転可能に取り付けられた第2プーリユニットを有し、
前記ワイヤ部材は、前記第2プーリユニットに掛けられた後に、鉛直下方に垂れ下がっていることを特徴とする請求項1に記載の換気扇装置。
【請求項3】
前記第1枠体に回転可能に取り付けられた第3プーリユニットを有し、
前記ワイヤ部材は、前記第3プーリユニットに掛けられた後に、前記第2プーリユニットに掛けられていることを特徴とする請求項に記載の換気扇装置。
【請求項4】
前記換気扇本体を回転させないように、前記換気扇本体に形成された被係止部に係止する係止部と、
前記ワイヤ部材に連繋されるとともに、前記係止部と前記被係止部との係止を解除する係止解除部と、
を有し、
前記係止解除部は、前記ワイヤ部材の端部が引っ張られることによって、前記係止部と前記被係止部との係止を解除することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の換気扇装置。
【請求項5】
前記係止解除部に回転可能に取り付けられた第4プーリユニットを有し、
前記第1プーリユニットから引き出された前記ワイヤ部材は、前記第4プーリユニットに掛けられることで、前記係止解除部は、前記ワイヤ部材に連繋されていることを特徴とする請求項に記載の換気扇装置。
【請求項6】
前記係止解除部は、支持軸によって、前記第1枠体に対して回動可能に取り付けられ、
前記係止解除部の一端には、前記係止部が接続されるとともに、前記係止解除部の他端には、前記第4プーリユニットが取り付けられ、
前記係止解除部は、前記ワイヤ部材の端部が引っ張られることによって、前記第4プーリユニットが、前記支持軸を中心に回動し、
前記第4プーリユニットの回動に伴って、前記係止部が移動して、前記係止部と前記被係止部との係止が解除されることを特徴とする請求項に記載の換気扇装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気扇装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農作物の育成においては、天候に左右されず、農作物の安定した品質を保持するために、ビニールハウスが用いられることがある。ビニールハウスには、ハウス内に外気を吸引することにより、欠乏した炭酸ガスの供給や、光合成を促進させて作物の病気を防ぐことなどのために、一般に、換気扇装置が取り付けられている。例えば、特許文献1には、ビニールハウスの妻面に取り付けられた換気扇装置が、開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の換気扇装置では、換気の方向を変えるために回転可能に支持された換気扇本体が、ビニールハウスの妻面からオフセットされた状態で設置されている。そして、換気扇本体に回転可能に連繋されているワイヤの両端が、換気扇本体からそのまま鉛直下方に垂れ下がっている。この換気扇装置の換気の方向を変える場合、ユーザが、ワイヤの両端部のいずれかを引っ張ることで、換気扇本体は回転し、これにより、換気扇装置は、ビニールハウス内の空気を外部に排出する排気状態、及びビニールハウス外部の空気を内部に吸気する吸気状態のいずれかの状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−65856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の換気扇装置では、ワイヤの両端は、換気扇本体からそのまま鉛直下方に垂れ下がっている。このため、例えば、ビニールハウス内の農作物の畑を防虫ネットが覆っている場合、ワイヤの両端が、防虫ネットに干渉するおそれがある。これにより、ユーザが、換気扇装置の操作をしづらくなるおそれがある。または、防虫ネットにワイヤを通すための穴が必要になる。この場合、穴から交配用のマルハナバチが、外に逃げてしまう。
【0006】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、操作性の良い換気扇装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明に係る換気扇装置は、
第1プーリユニットを備え、換気対象の換気を行う換気扇本体と、
前記換気扇本体が嵌め込まれ、前記換気扇本体を回転可能に支持する第1枠体と、
前記第1枠体に離間して配置された第2枠体と、
一部が前記第1プーリユニットに取り付けられ、両端部のうち、一方の端部が引っ張られることにより、前記換気扇本体に回転運動を伝達するワイヤ部材と、
を有し、
前記第1プーリユニットから引き出された前記ワイヤ部材の両端部は、前記換気扇本体から前記第2枠体側に引き出されて配備され、
前記第1プーリユニットに、前記ワイヤ部材が巻き付けられるワイヤロック部を形成し、
前記ワイヤ部材は、前記ワイヤロック部に少なくとも1回以上巻き付けられることで、前記第1プーリユニットに取り付け、
前記ワイヤロック部は、長円柱板状に形成した
【0010】
前記第1プーリユニットの内部には、前記ワイヤ部材が巻き付けられるワイヤロック部が形成され、
前記ワイヤ部材は、前記ワイヤロック部に少なくとも1回以上巻き付けられることで、前記第1プーリユニットに取り付けられていてもよい。
【0011】
前記ワイヤロック部は、長円柱板状に形成されていてもよい。
【0012】
前記換気扇本体を回転させないように、前記換気扇本体に形成された被係止部に係止する係止部と、
前記ワイヤ部材に連繋されるとともに、前記係止部と前記被係止部との係止を解除する係止解除部と、
を有し、
前記係止解除部は、前記ワイヤ部材の端部が引っ張られることによって、前記係止部と前記被係止部との係止を解除するようにしてもよい。
【0013】
前記係止解除部に回転可能に取り付けられた第4プーリユニットを有し、
前記第1プーリユニットから引き出された前記ワイヤ部材は、前記第4プーリユニットに掛けられることで、前記係止解除部は、前記ワイヤ部材に連繋されていてもよい。
【0014】
本発明の第3の観点に係る換気扇装置は、
第1プーリユニットを備え、換気対象の換気を行う換気扇本体と、
前記換気扇本体が嵌め込まれ、前記換気扇本体を回転可能に支持する第1枠体と、
前記第1枠体に離間して配置された第2枠体と、
一部が前記第1プーリユニットに取り付けられ、両端部のうち、一方の端部が引っ張られることにより、前記換気扇本体に回転運動を伝達するワイヤ部材と、
前記換気扇本体を回転させないように、前記換気扇本体に形成された被係止部に係止する係止部と、
前記ワイヤ部材に連繋されるとともに、前記ワイヤ部材の端部が引っ張られることによって、前記係止部と前記被係止部との係止を解除する係止解除部と、
前記係止解除部に回転可能に取り付けられた第4プーリユニットと、
を有し、
前記第1プーリユニットから引き出された前記ワイヤ部材の両端部は、前記換気扇本体から前記第2枠体側に引き出され、
前記第1プーリユニットから引き出された前記ワイヤ部材は、前記第4プーリユニットに掛けられることで、前記係止解除部は、前記ワイヤ部材に連繋されている。
前記係止解除部は、支持軸によって、前記第1枠体に対して回動可能に取り付けられ、
前記係止解除部の一端には、前記係止部が接続されるとともに、前記係止解除部の他端には、前記第4プーリユニットが取り付けられ、
前記係止解除部は、前記ワイヤ部材の端部が引っ張られることによって、前記第4プーリユニットが、前記支持軸を中心に回動し、
前記第4プーリユニットの回動に伴って、前記係止部が移動して、前記係止部と前記被係止部との係止が解除されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、操作性に優れた換気扇装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る換気扇装置の第1状態における斜視図(その1)である。
図2】本発明の実施形態に係る換気扇装置の第2状態における斜視図である。
図3】第1状態における換気扇装置の正面図である。
図4】第1状態における換気扇装置の側面図である。
図5】第1状態における換気扇装置の斜視図(その2)である。
図6】第1状態における換気扇装置の分解斜視図である。
図7】換気扇本体の正面図である。
図8A】換気扇本体の斜視図である。
図8B】換気扇本体の一部を拡大した斜視図(その1)である。
図8C】換気扇本体の一部を拡大した斜視図(その2)である。
図9】換気扇本体のプーリユニットの分解斜視図である。
図10】換気扇本体のプーリユニットの一部を分解した斜視図である。
図11】換気扇本体のプーリユニットの断面図である。
図12】枠体ユニットの斜視図である。
図13】伝達機構部等の構造図である。
図14】換気扇装置が取り付けられたビニールハウスの斜視図である。
図15】第1状態の換気扇装置の使用状態を説明するための側面図である。
図16】第2状態の換気扇装置の使用状態を説明するための側面図である。
図17】換気扇装置の動作を説明するための斜視図(その1)である。
図18】換気扇装置の動作を説明するための構造図(その1)である。
図19】換気扇装置の動作を説明するための構造図(その2)である。
図20】換気扇装置の動作を説明するための斜視図(その2)である。
図21】換気扇装置の動作を説明するための構造図(その3)である。
図22】換気扇装置の動作を説明するための構造図(その4)である。
図23】比較例に係る換気扇装置の使用状態を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る換気扇装置10について図を用いて説明する。なお、理解を容易にするために、XYZ座標を設定し、適宜参照する。
【0018】
換気扇装置10は、例えば、ビニールハウスの換気を行うために用いられる。換気扇装置10は、図1に示すように、換気扇本体20と、枠体ユニット40と、ワイヤ部材Wとを有する。換気扇本体20は、枠体ユニット40の枠体41に回転可能に支持されている。本実施形態に係る換気扇装置10は、換気扇本体20を回転させることで、図1に示すような、+Y方向に風を送り出す第1状態と、図2に示すような、−Y方向に風を送り出す第2状態とのいずれかの状態になるように切り替えられる。
【0019】
換気扇本体20は、図1及び図3に示すように、回転羽根21を有し、この回転羽根21の回転に基づいて、換気対象の換気を行う。換気扇本体20は、回転羽根21に加えて、枠22と、モータユニット23と、ファンガード24とを有する。
【0020】
回転羽根21は、モータユニット23の出力軸に取り付けられている。回転羽根21は、その回転により、換気扇装置10が取り付けられた施設の外部又は内部に空気を送り出す部材である。例えば、図4に示すように、回転羽根21が回転することにより、回転羽根21は、空気を+Y方向(背面方向)に送り出す。回転羽根21は、図5に示すように、本実施形態においては、3枚の羽根を有している。3枚の羽根は、モータユニット23の出力軸を中心とする円周に沿って、等間隔に形成されている。
【0021】
枠22は、図6に示すように、略板状に形成された部材であり、回転羽根21、モータユニット23、及びファンガード24を支持する。枠22には、Y軸方向に貫通する丸孔形状の貫通孔22aが形成されている。貫通孔22a内には、回転羽根21が配置される。
【0022】
図7に示すように、枠22には、回転軸25、26が形成されている。詳しくは、回転軸25は、枠22の上面(+Z側の面)に、上方に突出するように形成されている。また、回転軸26は、枠22の下面(−Z側の面)に下方に突出するように形成されている。
【0023】
図8Aに示すように、枠22には、回転止め部27R、27L及び被係止部28R、28Lが形成されている。
【0024】
回転止め部27R、27Lは、換気扇本体20が、所定の回転角度以上に回転しないように規制するために用いられる。回転止め部27Rは、図8Bに示すように、XY断面が略U字型形状に形成され、枠22の下面から下方に突出するように形成されている。詳しくは、回転止め部27Rは、YZ平面に平行となるように形成された一対の側壁部27a、27bと、XZ平面に平行となるように形成された側壁部27cとからなる。同様に、回転止め部27Lは、図8Cに示すように、XY断面が略U字型形状になるように形成され、枠22の下面から下方に突出するように形成されている。回転止め部27Lは、YZ平面に平行に形成された一対の側壁部27a、27bと、XZ平面に平行に形成された側壁部27cとからなる。
【0025】
被係止部28R、28Lは、図8B及び図8Cに示すように、YZ平面に平行な板状の部材である。被係止部28R、28Lには、X軸方向に沿って溝部28aが形成されている。この溝部28aには、後述するロックピン62の先端部62aが挿入される。なお、本実施形態においては、被係止部28R、28Lは、溝部28aが形成された板状の部材であるが、これに限らず、ロックピン62が挿入できる形状であれば、これ以外の形状であってもよい。例えば、溝部28aが形成された板状の部材ではなく、孔部が形成された板状の部材であってもよい。
【0026】
モータユニット23は、図1に示すように、4本のスポーク部材23aによって、枠22に固定されている。モータユニット23は、例えば、出力軸、ロータ、ステータ等を有している。モータユニット23には、図示しないケーブル等を介して、商用電源から電圧が供給される。モータユニット23に電圧が供給されることによって、モータユニット23のロータが回転する。このロータの回転運動は、出力軸に出力される。
【0027】
ファンガード24は、例えば、金属からなる網状の部材である。ファンガード24は、枠22の貫通孔22aを覆うように、枠22の−Y側から、枠22に取り付けられている。ファンガード24は、作業者が、誤って、回転する回転羽根21に触れることを防止するために用いられる。
【0028】
また、換気扇本体20は、図6に示すように、上記各部材(回転羽根21、枠22、モータユニット23、及びファンガード24)に加えて、プーリユニット30をさらに有する。
【0029】
プーリユニット30は、枠22の下面(−Z側の面)に固定され、枠22とともに回転する部材である。プーリユニット30は、図9に示すように、上板部材31と、中板部材32と、下板部材33と、ワイヤ部材Wを巻き付けて固定するためのワイヤロック部34とを有する。プーリユニット30は、例えば、ボルト等によって、図7に示すように、枠22の下面に固定される。これにより、プーリユニット30は、枠22ともに回転する。
【0030】
上板部材31は、図9に示すように、円板形状に形成されている。上板部材31には、Z軸方向に貫通する貫通孔31aが形成されている。貫通孔31aには、回転軸26が挿通される。
【0031】
中板部材32は、上板部材31の下面(−Z側の面)に固定される。中板部材32は、略円板形状に形成されている。詳しくは、中板部材32は、その直径が、上板部材31の直径よりもやや小さい略円板形状に形成されている。中板部材32には、Z軸方向に貫通する貫通孔32aが形成されている。貫通孔32aには、回転軸26が挿通される。また、中板部材32には、切欠部32bが形成されている。この切欠部32bは、一部が開放された略長円孔形状に形成されている。
【0032】
下板部材33は、中板部材32の下面(−Z側の面)に固定される。下板部材33は、上板部材31の同等の形状及び寸法の円板形状に形成されている。下板部材33には、Z軸方向に貫通する貫通孔33aが形成されている。貫通孔33aには、回転軸26が挿通される。
【0033】
ワイヤロック部34は、略長円板形状に形成されている。このワイヤロック部34は、切欠部32bの内周面から離間した状態で、切欠部32b内に配置される。これにより、図10に示すように、ワイヤロック部34の外周面と、切欠部32bの内周面との間には、所定の幅の溝部が形成される。この溝部の幅は、ワイヤ部材Wの直径と、ほぼ同等の寸法である。
【0034】
ワイヤ部材Wは、図5に示すように、プーリユニット30に取り付けられ、両端部のうち、一方の端部が引っ張られることにより、換気扇本体20に回転運動を伝達する部材である。ワイヤ部材Wは、例えば、直径が2mm、長さが2000mmのステンレスワイヤからなる。ワイヤ部材Wは、プーリユニット30に固定され、ワイヤ部材Wの両端部は、換気扇本体20から枠体42側(+Y側)に引き出され、枠体42から鉛直下方(−Z方向)に垂れ下がっている。
【0035】
上述のワイヤ部材Wは、図11に示すように、プーリユニット30のワイヤロック部34に巻き付けられる。また、中板部材32の上面(+Z側の面)には、図10に示すように、ねじ等で、上板部材31が取り付けられる。同様に、中板部材32の下面(−Z側の面)には、ねじ等で、下板部材33が取り付けられる。上板部材31及び下板部材33が取り付けられることにより、ワイヤ部材Wは、上下方向に挟みこまれる。以上により、ワイヤ部材Wは、プーリユニット30に対して固定される。
【0036】
枠体ユニット40は、図12に示すように、枠体41、42と、連結部材43と、補強部材44とを有する。枠体ユニット40は、例えば、鋼材からなる。
【0037】
枠体41は、換気扇本体20が嵌め込まれて、換気扇本体20を回転可能に支持する部材である。枠体41は、略正方形状に形成されている。枠体41は、正方形の4つの辺に相当する上枠部材45と、下枠部材46と、横枠部材47R、47Lとから構成される。
【0038】
上枠部材45の下面(−Z側の面)には、孔部45aが形成されている。この孔部45aには、上述した回転軸25を挿入される。また、下枠部材46の上面(+Z側の面)には、孔部46aが形成されている。この孔部46aには、上述した回転軸26を挿入される。回転軸25、26が、孔部45a、46aに挿入されることにより、換気扇本体20は、枠体41に対して回転可能に支持される。また、下枠部材46の上面には、円柱形状の凸部46bが形成されている。凸部46bは、+Z方向に突出するように形成されている。
【0039】
枠体42は、枠体41から+Y側に離間して設けられている。枠体42は、枠体41の4辺の長さと同等の長さからなる略正方形状に形成されている。
【0040】
連結部材43は、枠体41の四方の角部(頂点の部分)と、枠体42の四方の角部(頂点の部分)とを連結する部材である。連結部材43は、例えば、L形断面の山形鋼材である。本実施形態においては、連結部材43の本数は、4本である。
【0041】
補強部材44は、枠体ユニット40の構造的な強度を高めるための部材である。補強部材44は、板状の部材である。本実施形態において、補強部材44の本数は、2本である。補強部材44は、+X側及び−X側から、枠体41、42に取り付けられる。
【0042】
換気扇装置10は、図6に示すように、上述した換気扇本体20、ワイヤ部材W、及び枠体ユニット40に加えて、伝達機構部50をさらに有する。
【0043】
伝達機構部50は、図13に示すように、プーリユニット51〜53と、プーリユニット61を有するロックユニット60と、ロックユニット60等を収納するケース54とを有する。ケース54は、ボルトやねじ等の止め具によって、枠体41の下枠部材46の上面(+Z側の面)に固定されている。
【0044】
プーリユニット51は、ケース54に対して、Z軸方向に平行な回転軸51a回りに回転可能に支持されている。プーリユニット51には、ワイヤ部材Wが、ロックユニット60のプーリユニット61に掛けられて後に、掛けられている。
【0045】
プーリユニット52は、ケース54に対して、X軸方向に平行な回転軸52a回りに回転可能に支持されている。プーリユニット52は、回転軸52aと、X軸方向に重ねられるように配置された2つのプーリ52b、52cとを有する。−X側のプーリ52bには、ワイヤ部材Wが、プーリユニット51に掛けられた後で、掛けられている。+X側のプーリ52cには、ワイヤ部材Wが、プーリユニット61に掛けられた後で、掛けられている。
【0046】
プーリユニット53は、枠体42に対して、X軸方向に平行な回転軸53a回りに回転可能に支持されている。プーリユニット53は、回転軸53aと、X軸方向に重ねられるように配置された2つのプーリ53b、53cとを有する。−X側のプーリ53bには、ワイヤ部材Wが、プーリユニット52のプーリ52bに掛けられた後で、掛けられる。+X側のプーリ53cには、ワイヤ部材Wが、プーリユニット52のプーリ52cに掛けられた後で、掛けられる。プーリユニット53のプーリ53b、53cに掛けられたワイヤ部材Wの両端部は、図6に示すように、鉛直下方(−Z方向)に垂れ下がっている。
【0047】
ロックユニット60は、換気扇本体20を第1状態及び第2状態のいずれかに保持するために用いられる。ロックユニット60は、図13に示すように、ロックピン62と、係止解除部63と、スプリング64と、プーリユニット61とを有する。
【0048】
ロックピン62は、−X側の先端部62aが、被係止部28Lの溝部28aに挿入される。これにより、換気扇本体20は、Z軸回りに非回転状態となるように係止される。ロックピン62の+X側の端部は、接続ピン62bによって、係止解除部63に接続されている。
【0049】
係止解除部63は、略L字型に形成された板状の部材である。係止解除部63は、ワイヤ部材Wの端部が引っ張られることによって、ロックピン62と被係止部28Lとの係止を解除する。係止解除部63は、プーリユニット61を介して、ワイヤ部材Wに連繋されている。また、係止解除部63は、支持軸63aによって、枠体41に回動可能に支持されている。
【0050】
スプリング64は、例えば、圧縮コイルばねから構成されている。スプリング64は、ロックピン62を−X方向に付勢する。
【0051】
プーリユニット61は、係止解除部63の+X側の端部に、Z軸方向に平行な回転軸61a回りに回転可能に支持されている。プーリユニット61は、Z軸方向に2つのプーリが重ねられた2段式プーリである。下側(−Z側)のプーリには、プーリユニット30から時計回りに引き出されたワイヤ部材Wが、掛けられている。上側(+Z側)のプーリには、プーリユニット30から反時計回りに引き出されたワイヤ部材Wが、掛けられている。
【0052】
また、ワイヤ部材Wの両端部には、図6に示すように、取手部11A、11Bが取り付けられている。取手部11A、11Bは、換気扇装置10を操作するユーザが掴んで、ワイヤ部材Wの端部を引く動作を容易にするための部材である。取手部11A、11Bは、例えば、本実施形態では、チェーンである。
【0053】
上述のように構成された換気扇装置10は、例えば、図14に示すように、ビニールハウス100の妻面101(+Y側の側面)に取り付けられる。詳しくは、図15に示すように、換気扇装置10の枠体ユニット40の枠体42が、妻面101に形成された開口101aに取り付けられる。枠体42が、開口101aに取り付けられることで、換気扇本体20は、妻面101から、ビニールハウス100の内部101A側(−Y側)にオフセットされた状態で配置される。また、ビニールハウス100内では、例えば、トマト102aがなる複数本の作物102が栽培されている。ただし、栽培対象は、トマト102aに限られない。例えば、イチゴであってもよいし、これら以外の果物、野菜であってもよい。作物102は、防虫ネット103によって覆われている。防虫ネット103は、作物102のトマト102aを害虫から保護したり、トマト102aの交配用のマルハナバチが外部に逃げてしまうことを防いだりする。
【0054】
なお、本実施形態においては、枠体42には、電動シャッター70が取り付けられている。電動シャッター70は、ビニールハウス100の内部100Aと外部100Bとが連通する連通状態と、内部100Aと外部100Bとが連通しない非連通状態とに切り替える開閉装置である。
【0055】
次に、換気扇装置10の、図15に示す第1状態から図16に示す第2状態に切り替える動作について説明する。なお、換気扇装置10が、図14及び図15に示すように、ビニールハウス100の妻面101に取り付けられた場合、図15に示す第1状態は、換気扇本体20が、ビニールハウス100の内部100Aから外部100Bに、空気を排出する排気状態である。そして、図16に示す第2状態は、換気扇本体20が、ビニールハウス100の外部100Bから内部100Aに、空気を吸入する吸気状態である。
【0056】
先ず、換気扇装置10のユーザが、取手部11Aを、図17に示すように、下方(−Z方向)に引っ張ると、図16中の矢印に示されるように、ワイヤ部材Wが引っ張られる。
【0057】
ワイヤ部材Wが引っ張られると、図18に示すように、ロックユニット60の係止解除部63が、支持軸63aを中心に、Z軸回りに回動する。なお、この時には、プーリユニット30は回転しない。係止解除部63は、ケース54に形成された回転規制部55に当接するまで回動する。係止解除部63が支持軸63aを中心に回動すると、係止解除部63に接続されたロックピン62が、スプリング64の付勢力に抗して、+X方向に移動する。これにより、ロックピン62と被係止部28Lとの係止が解除される。
【0058】
さらに、ワイヤ部材Wが引っ張られると、図19に示すように、プーリユニット30が、回転軸26を中心に、Z軸回りに回動する。これにより、図20に示すように、換気扇本体20が、Z軸回りに回動する。
【0059】
図21に示すように、プーリユニット30が、Z軸回りに180°まで回動すると、回転止め部27Rが、枠体41の下枠部材46に形成された凸部46bに当接する。これにより、所定回転角度以上の換気扇本体20の回転を防止しつつ、換気扇装置10は、第1状態から第2状態に切り替えられる。
【0060】
次に、ユーザが、取手部11Aから手を離すことにより、ロックピン62は、図22に示すように、スプリング64の付勢力に沿って、−X方向に移動する。これにより、ロックピン62の先端部62aが、被係止部28Rの溝部28aに挿入され、ロックピン62と被係止部28Rとが係止される。この結果、換気扇装置10は、図2に示すような第2状態(吸気状態)に保持される。
【0061】
なお、換気扇装置10を、第2状態(吸気状態)から第1状態(排気状態)に切り替える動作は、図17を参照するとわかるように、換気扇装置10のユーザによって、取手部11Bが、下方(−Z方向)に引っ張られることで行われる。
【0062】
以上、説明したように、本実施形態に係る換気扇装置10では、図5に示すように、ワイヤ部材Wの端部は、換気扇本体20から枠体42側(+Y側)に引き出されている。したがって、ワイヤ部材Wの端部は、換気扇本体20からそのまま鉛直下方には垂れ下がっておらず、図15に示すように、ビニールハウス100の妻面101側に引き出されてから垂れ下がっている。このため、換気扇本体20の下方に、防虫ネット103が配置されていた場合でも、ワイヤ部材Wの両端が、防虫ネット103に干渉しにくくなる。
【0063】
例えば、図23に示すように、ワイヤ部材Wの両端が、換気扇本体20からそのまま鉛直下方に垂れ下がっている換気扇装置210の場合、換気扇本体20は、妻面101から、ビニールハウス100の内部100A側(−Y側)にオフセットされた状態で配置されるため、垂れ下がったワイヤ部材Wの両端が、防虫ネット103に干渉するおそれがある。この結果、ユーザが、換気扇装置10の操作をしづらくなる。もしくは、防虫ネット103に、ワイヤ部材Wを通すための穴103aを作らなければならない。この場合、穴103aから、トマト102aの交配用のマルハナバチが、外に逃げてしまうおそれがある。
【0064】
これに対し、本実施形態においては、図15に示すように、ワイヤ部材Wの端部は、ビニールハウス100の妻面101側に引き出されてから垂れ下がっているため、防虫ネット103に干渉しにくくなる。これにより、ユーザが、換気扇装置10の操作を行いやすくなる。また、防虫ネット103に、ワイヤ部材Wを通すための穴103aを作る必要もないため、穴103aから、トマト102aの交配用のマルハナバチが、外に逃げてしまうおそれもない。
【0065】
また、本実施形態では、図13に示すように、プーリユニット30の内部に、ワイヤ部材Wが巻き付けられるワイヤロック部34が形成されている。このため、ワイヤ部材Wを確実にプーリユニット30に固定できる。これにより、ユーザが、ワイヤ部材Wの取手部11A、11Bを引っ張った場合に、換気扇本体20が空回りしたりせずに、を安定して回動させることができる。結果として、ユーザが、換気扇装置10の操作を行いやすくなる。
【0066】
また、プーリユニット30のワイヤロック部34が形成されていることにより、ユーザが、ワイヤ部材Wを容易にプーリユニット30に巻き付けて、組み付けることができる。
【0067】
また、換気扇装置10の伝達機構部50は、図17に示すように、枠体42に回転可能に取り付けられたプーリユニット53を有している。そして、ワイヤ部材Wは、プーリユニット53に掛けられてから、鉛直下方に垂れ下がっている。このため、ユーザが、ワイヤ部材Wの取手部11A、11Bを引っ張った場合に、このプーリユニット53の回転作用に基づいて、大きな力を必要とすることなく、換気扇本体20を円滑に回動させることができる。結果として、ユーザが、換気扇装置10の操作を行いやすくなる。
【0068】
また、換気扇装置10の伝達機構部50は、枠体41に回転可能に取り付けられたプーリユニット52を有している。そして、ワイヤ部材Wは、このプーリユニット52に掛けられている。このため、ユーザが、ワイヤ部材Wの取手部11A、11Bを引っ張った場合に、このプーリユニット52の回転作用に基づいて、大きな力を必要とすることなく、換気扇本体20を円滑に回動させることができる。結果として、ユーザが、換気扇装置10の操作を行いやすくなる。
【0069】
同様に、換気扇装置10の伝達機構部50は、図17に示すように、ワイヤ部材Wが掛けられるプーリユニット51、61を有している。このため、ユーザが、ワイヤ部材Wの取手部11A、11Bのいずれかを引っ張った場合に、このプーリユニット51、61の回転作用に基づいて、大きな力を必要とすることなく、換気扇本体20を円滑に回動させることができる。結果として、ユーザが、換気扇装置10の操作を行いやすくなる。
【0070】
また、換気扇装置10の伝達機構部50は、換気扇装置10を第1状態(排気状態)又は第2状態(吸気状態)に保持するロックユニット60を有している。このため、換気扇装置10の動作中に、換気扇本体20の回転羽根21の回転の勢いにより、換気扇本体20が、枠体ユニット40に対して揺れて、換気扇装置10の動作が、不安定になることを防ぐことができる。
【0071】
また、換気扇装置10においては、ユーザが、ワイヤ部材Wの取手部11A、11Bのいずれかを引っ張ることにより、ロックユニット60のロックピン62と被係止部28R、28Lとの係止が解除され、その後、換気扇本体20が回動する。このため、ユーザが、ワイヤ部材Wの取手部11A、11Bを引っ張る動作のみで、ロックピン62と被係止部28R、28Lとの係止の解除と、換気扇本体20の回動とが連続して行われる。これにより、ユーザにとって、換気扇装置10の使い勝手が良好になる。
【0072】
また、換気扇装置10では、換気扇本体20の枠22の下面に、回転止め部27R、27Lが形成されている。この回転止め部27R、27Lは、第1状態から第2状態に切り替わるとき、又は、第2状態から第1状態に切り替わるときの、換気扇本体20の所定回転角度以上の回転を防止する。これにより、換気扇装置10を、第1状態から第2状態に、又は、第2状態から第1状態に確実に切り替えることができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0074】
例えば、本実施形態では、ワイヤ部材Wは、プーリユニット30のワイヤロック部34に1回巻き付けられことで、プーリユニット30に固定されている。しかしながら、ワイヤ部材Wの固定方法は、これに限らない。例えば、ねじなどによって、ワイヤ部材Wは、プーリユニット30に固定されていてもよい。または、ワイヤ部材Wは、ワイヤロック部34に2回以上巻き付けられことで、プーリユニット30に固定されていてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、ワイヤロック部34は、長円柱板状に形成されている。しかしながら、これに限らず、ワイヤロック部34は、ワイヤ部材Wが巻き付けられる形状であれば、これ以外の形状であってもよい。
【0076】
また、本実施形態では、換気扇装置10の使用例として、ビニールハウス100に取り付けた例を示している。しかしながら、換気扇装置10の取り付けの対象は、これに限られない。例えば、換気扇装置10を工場に取り付けて、工場の換気に用いることもできる。また、ビニールハウス100や工場以外の設備に取り付けることもできる。
【0077】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0078】
10、210 換気扇装置
11A、11B 取手部
20 換気扇本体
21 回転羽根
22 枠
22a 貫通孔
23 モータユニット
23a スポーク部材
24 ファンガード
25、26 回転軸
27R、27L 回転止め部
27a、27b、27c 側壁部
28R、28L 被係止部
28a 溝部
30 プーリユニット(第1プーリユニット)
31 上板部材
31a、32a、33a 貫通孔
32 中板部材
32b 切欠部
33 下板部材
34 ワイヤロック部
40 枠体ユニット
41 枠体(第1枠体)
42 枠体(第2枠体)
43 連結部材
44 補強部材
45 上枠部材
45a、45b 孔部
46 下枠部材
46b 凸部
47R、47R 横枠部材
50 伝達機構部
51 プーリユニット
51a、52a、53a 回転軸
52 プーリユニット(第3プーリユニット)
52b、52c プーリ
53 プーリユニット(第2プーリユニット)
53b、53c プーリ
54 ケース
55 回転規制部
60 ロックユニット
61 プーリユニット(第4プーリユニット)
62 ロックピン(係止部)
62a 先端部
62b 接続ピン
63 係止解除部
63a 支持軸
64 スプリング
70 電動シャッター
100 ビニールハウス
100A 内部
100B 外部
101 妻面
101a 開口
102 作物
102a トマト
103 防虫ネット
103a 穴
W ワイヤ部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23