特許第6132619号(P6132619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6132619
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 25/20 20060101AFI20170515BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20170515BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20170515BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20170515BHJP
   B41J 3/60 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   B41J25/20
   G03G21/00 500
   B65H37/04 D
   G03G21/00 378
   B41J29/38 Z
   B41J3/60
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-70858(P2013-70858)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-193562(P2014-193562A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2016年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158757
【弁理士】
【氏名又は名称】▲濱▼田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100121094
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 亮
(72)【発明者】
【氏名】花本 佳弘
【審査官】 牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−169875(JP,A)
【文献】 特開平07−089256(JP,A)
【文献】 特開2005−059983(JP,A)
【文献】 特開2002−273971(JP,A)
【文献】 特開2003−012223(JP,A)
【文献】 特開2003−080792(JP,A)
【文献】 特開平11−069038(JP,A)
【文献】 特開平06−286272(JP,A)
【文献】 特開2009−269186(JP,A)
【文献】 特開2011−224831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 25/20
B41J 3/60
B41J 29/38
B65H 37/04
G03G 21/00
G03G 15/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した印刷ジョブを用紙に対して、印刷を行う印刷部と、
前記印刷部により印刷された用紙を排出する排出部と、
前記排紙部で排出された用紙に対して、後処理動作を行う後処理モードを設定可能であるとともに、前記排出部で排出された用紙に対して、ジョブ毎に仕分け動作を行う仕分けモードとを切替可能に構成される後処理部と、
前記後処理動作を行う場合に、前記後処理動作が不可であると判断した場合には、前記後処理部は、仕分け動作を行うとともに、
前記印刷部に対して、少なくとも前記印刷ジョブの最終頁の裏面に、裏面用後処理位置を印刷し、前記印刷ジョブの最初のページの表面に、表面用後処理位置を印刷するように前記印刷部を制御する制御部と、を備え、
前記裏面用後処理位置と前記表面用後処理位置を印字する印字形態が異なっていること
特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記制御部は、ソートモード条件、表面及び裏面後処理位置の印刷指定条件を設定できるように制御すること
を特徴とする請求項記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムにおいて、印刷部により印刷された用紙に対して後処理を行う後処理部を組み込んだ画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成システムにおいて、印刷部により印刷された用紙に対して、ステープル動作やパンチ動作等の後処理を行う後処理部を組み込んだ画像形成システムが知られている。
【0003】
上記後処理部において、ステープル動作やパンチ動作は、最大許容枚数が決められており、その枚数を越えて後処理動作を行う場合がある。ステープル動作の場合には、ステープルの針が、用紙束に挿入される際に、用紙束の途中で座屈を生じて、綴じが不完全になる場合がある。また、パンチ動作の場合には、パンチ動作を行うモータに過大な負荷がかかり、パンチ動作が停止することにより、画像形成システム全体が停止することになり、画像形成システムの稼働時間が減少し、生産性に影響を与える不具合が生じる。
【0004】
そこで、特許文献1として、記録紙がステープル部の最大綴じ枚数を越えた場合に、後処理装置をソートモードに切り換え、記録紙束に対するステープルを禁止して記録紙束を排出させるように制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−169875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1は、後処理装置において、用紙束がソートモードに切替えられて排出されるため、後処理部の異常により、画像形成システムが停止することなく、通常に印刷した場合と稼働時間を同じくして用紙を排出することが可能になる。
【0007】
しかしながら、画像形成システムを使用する操作者は、用紙束に対してステープル動作を手動で行わなければならない。この場合、用紙束を単に取り出しただけでは、ステープルの位置、方向、数などを、直ちに認識できない問題がある。
【0008】
また、近年の用紙束の印刷状況を鑑みると、両面印刷されて綴じられる場合には、ステープルやパンチなどの後処理形態は、印刷物の最終的な仕上がり状態を決定するものである。したがって、印刷物を作成した作成者の意図とは異なった位置にステープルやパンチなどがなされると、その印刷物を使用するユーザは、困惑する状況になりうる。
【0009】
そして、印刷物を作成した作成者が印刷を行い、作成者自身が手動でステープル動作を行う場合には、後処理動作を意図どおりになされる場合が多い。しかしながら、近年の印刷物の多様化により、大量にまとめて印刷する場合、印刷物の作成者と、装置を使用して印刷物を印刷する操作者が異なる場合がある。このような場合には、作成者と操作者が異なることにより、特に、意図しない位置にステープル動作がなされ、印刷物の仕上がりが悪くなってしまい、再作成を余儀なくされる問題がある。
【0010】
さらに、例えば、ステープルの位置を明確にするよう、用紙束の表面のステープルの位置を印字して出力する場合には、フェースダウン排紙やフェースアップ排紙などの排紙状況によっては、装置を使用して印刷物を印刷する操作者は、どちらの方向からステープルをしていいのか、直ちに認識することが難しい状況にある。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑み、パンチ動作やステープル動作等の後処理動作が不可の場合に、ソートモードに切り替えて排出するとともに、印刷ジョブの最終頁に、裏面用の後処理位置を印刷するように制御することで、排紙状況によらず、装置を使用して印刷物を印刷する操作者が困惑することなく手動で後処理動作を行うことができる画像形成システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)
受信した印刷ジョブを用紙に対して、印刷を行う印刷部と、
前記印刷部により印刷された用紙を排出する排出部と、
前記排紙部で排出された用紙に対して、後処理動作を行う後処理モードを設定可能であるとともに、前記排出部で排出された用紙に対して、ジョブ毎に仕分け動作を行う仕分けモードとを切替可能に構成される後処理部と、
前記後処理動作を行う場合に、前記後処理動作が不可であると判断した場合には、前記後処理部は、仕分け動作を行うとともに、
前記印刷部に対して、少なくとも前記印刷ジョブの最終頁の裏面に、裏面用後処理位置を印刷するように前記印刷部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【0013】
前記制御部は、さらに、前記印刷ジョブの最初のページの表面に、表面用後処理位置を印刷するように前記印刷部を制御すること
を特徴する(1)記載の画像形成システム。
【0014】
(3)
前記制御部は、ソートモード条件、表面及び裏面後処理位置の印刷指定条件を設定できるように制御すること
を特徴とする(2)記載の画像処理装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第一の画像形成システムによれば、ステープル動作やパンチ動作等の後処理動作が不可の場合に、ソートモードに切り替えて排出するとともに、印刷ジョブの最終頁に裏面用の後処理位置を印刷するように制御することで、排紙状況によらず、装置を使用して印刷物を印刷する操作者が手動による後処理を困惑することなく行うことができる画像形成システムを提供することができる。また、最終頁の裏面に後処理位置を印刷するため、すべての頁に印字する必要がない。
【0016】
本発明の第二の画像形成システムによれば、さらに、表面後処理位置が用紙に対して印刷されているため、フェースダウン排紙だけではなく、フェースアップ排紙も加味された上で、排紙状況によらず、後処理指示位置が付されているため、より困惑せずに操作者がステープルやパンチを行うことができる。
【0017】
本発明の第三の画像形成システムによれば、操作者の要望に応じて、後処理位置の印刷可否を設定できるため、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態における画像形成システムの概略構成図
図2】本実施形態における後処理装置の全体図
図3】本実施形態における画像形成システムの制御構成を示すブロック図
図4】本実施形態における画像形成システムの制御構成を示す制御フロー図
図5】本実施形態における画像形成システムから排出された用紙束の状態を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本実施形態における画像形成システムを説明する。図1は、画像形成システム100の概略構成図である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態における画像形成システム100は、外部給紙台102と、内部給紙台104と、外部給紙ローラ106、内部給紙ローラ108と、レジストローラ110と、搬送ベルト112と、印刷部114と、上昇搬送ローラ116と、水平搬送ローラ120と、切替部122と、排出搬送ローラ124と、後処理装置200と、排紙台214と、反転搬送ローラ126と、反転ローラ128と、再給紙ローラ130と、表示部132と、給紙系搬送経路FRと、通常搬送経路CRと、排出系搬送路DRと、反転搬送経路SRと、を備えている。
【0021】
外部給紙台102及び内部給紙台104は、印刷に用いられる用紙を積載している。外部給紙台102は、一部が画像形成システム100の外部に露出して設置されている。
【0022】
内部給紙台104は、外部給紙台102と同様に印刷に用いられる用紙を積載している。内部給紙台104は、画像形成システム100の内部に設置されている。
【0023】
外部給紙ローラ106及び内部給紙ローラ108は、外部給紙台102及び内部給紙台104から用紙を一枚ずつ取り出し給紙系搬送路FRに沿って、レジストローラ110へ向けて搬送する。
【0024】
レジストローラ110は、外部給紙ローラ106、内部給紙ローラ108、後述する再給紙ローラ130から搬送されてきた用紙を一旦止めた後、斜行補正を行い、搬送ベルト112及び印刷部114に向けて搬送する。
【0025】
搬送ベルト112は、レジストローラ110の下流側に配置され、レジストローラ110により搬送された用紙を、搬送ベルト112の表面に形成された搬送面に吸着させつつ、搬送する。搬送ベルト112は、駆動ローラ及び従動ローラに架け渡される環状の無端状ベルトである。搬送ベルト112には、用紙を吸着保持するための貫通孔であるベルト孔(不図示)が多数形成されている。搬送ベルト112は、駆動ローラの駆動により、図1における時計回り方向に回転することで、搬送面上に吸着保持した用紙を図1における右方向に向けて搬送する。
【0026】
印刷部114は、搬送ベルト112の上部に配置され、用紙の搬送方向と略直交する方向に複数のノズルが配列されたラインタイプのインクジェットヘッドを有する。印刷部114は、搬送ベルト112により搬送される用紙にインクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して画像を印刷する。
【0027】
上昇搬送ローラ116は、用紙をニップしつつ、搬送ベルト112から受け渡され、印刷部114により印刷された用紙を図1における上昇方向へ、水平搬送ローラ120に向けて搬送する。
【0028】
水平搬送ローラ120は、用紙をニップしつつ、上昇搬送ローラ116から受け渡された用紙を図1における右方向から左方向へと搬送する。水平搬送ローラ120は、通常搬送経路CRに沿って配置されている。
【0029】
切替部122は、用紙の搬送経路を排出系搬送経路DRと反転系搬送経路SRとの間で切り替えるように構成される。切替部122は、排出系搬送経路DRと反転系搬送経路SRとの分岐点に配置されている。
【0030】
本実施形態において、用紙に対して両面印刷される場合、切替部122は、片面印刷済の用紙を反転搬送経路SR側に用紙が搬送されるように、反転搬送ローラ126側に搬送されるように切り替える。
【0031】
反転搬送ローラ126は、通常搬送経路CRから切替部122により切り替えられた用紙を、反転ローラ128に向けて搬送する。
【0032】
反転ローラ128は、片面印刷済の用紙を一時的に反転搬送経路SRに一時的に搬入した後に搬出して、再給紙ローラ130へ向けて搬送する。反転ローラ128は、反転搬送経路SR上に配置されている。反転搬送経路SRは、用紙を一時的に搬入するための空間である。反転搬送経路SRは、後処理装置200の下方に形成されている。
【0033】
再給紙ローラ130は、反転ローラ128により搬送されてきた用紙をレジストローラ110へ向けて搬送する。再給紙ローラ130は、反転ローラ128と、レジストローラ110とで形成される経路上に配置されている。片面が印刷された用紙は、レジストローラ110から、搬送ベルト112に搬送され、印刷部114により印刷され、上昇搬送ローラ116及び水平搬送ローラ120を搬送される。
【0034】
また、片面印刷または両面印刷で用紙が排出される場合、通常搬送経路CRにおける切替部122に到達すると、排出系搬送経路DRに切り替えられ、切替部122から、排出搬送ローラ124にニップされながら搬送される。
【0035】
排出搬送ローラ124は、水平搬送ローラ120から用紙を受け取り、ニップしながら、後処理装置200の後処理搬送ローラ202に向けて搬送する。
【0036】
後処理搬送ローラ202は、後処理装置200に配置され、印刷された用紙を排出搬送ローラ124から受け取る。後処理搬送ローラ202は、後処理装置200内に配置される排出ローラ204に用紙を受け渡す。
【0037】
印刷された単一の用紙または用紙束は、ステープルやパンチなどの後処理が施される場合には、排出ローラ204から後処理部212に搬送され、後処理が施され、反転排出ローラ206を経由して排紙台214に排出される。後処理が施されない場合には、排出ローラ204から反転排出ローラ206を経由して、排紙台214に排出される。
【0038】
表示部132は、画像形成システム100におけるユーザからの指示を操作するパネルであり、画像形成システム100の装置上面に備えられている。
【0039】
次に、図2を参照して、後処理装置200における用紙の動作を詳細に説明する。
【0040】
後処理装置200は、後処理搬送ローラ202と、排出ローラ204と、反転排出ローラ206と、支持部材208と、後処理送出ローラ210と、後処理部212と、排紙台214と、を備えている。本実施形態において、後処理装置200における排出においては、1枚ずつ用紙を排出する場合、すなわち単一の用紙の場合か、または複数枚の用紙をまとめて排出する場合、すなわち用紙束として排出する場合かで、排出動作が異なっている。
【0041】
本実施形態において、単一の用紙を排出する場合、後処理搬送ローラ202は、通常排紙経路CRから用紙が1枚ずつ排出され、排出搬送ローラ124から用紙を受け取り、搬送する。また、排出ローラ204は、後処理搬送ローラ202から搬送された用紙をニップする。そして、反転排出ローラ206は、排出ローラ204から用紙を受け取り、排紙台214に用紙を一枚ずつ排紙する。
【0042】
本実施形態において、後処理装置200は、ソートモードを設定可能に構成されている。ソートモードの場合には、画像形成システム100に受信されたジョブの所定枚数に応じて、排紙台214が図示しないモータなどの駆動手段によって、図2に向かって紙面方向、すなわち、用紙排出方向と直行する方向に動作することによって、用紙に対して仕分け動作を行って排出するように構成される。
【0043】
本実施形態において、用紙束として排出される場合、後処理装置200は、ステープルやパンチなどの後処理を後処理部212により施して排出する。まず、通常排紙経路CRから用紙が1枚ずつ排出され、後処理搬送ローラ202は、排出搬送ローラ124から用紙を受け取り、搬送する。
【0044】
また、排出ローラ204は、後処理搬送ローラ202から搬送された用紙をニップする。また、反転排出ローラ206は、排出ローラ204から搬送された用紙をニップし、後処理部212に向かって、排出方向と反対方向、すなわち図2の紙面に対して、左方向から右方向に向かって搬送するように回転する。反転させられた用紙は、支持部材208に排出されるとともに、後処理送出ローラ210によって、後処理部212に送出される。
【0045】
後処理部212は、受信されたジョブに基づいて、所定枚数の所定箇所へのステープルまたはパンチ動作を行う。後処理動作がなされた用紙束は、後処理送出ローラ210により、支持部材208を経由して反転排出ローラ206へ送出される。反転排出ローラ206は、反転時にニップされているが、用紙束を排出する場合には、そのニップが解除される。このため、用紙束は、反転排出ローラ206から排紙台214に向かって排出される。
【0046】
なお、本実施形態において、後処理部212の例として、針により用紙束を綴じるステープル動作、パンチにより用紙束に貫通孔をあけるパンチ動作を説明した。後処理部212は、上記実施形態に限らず、用紙に捺印処理を行うスタンプ動作、用紙の周りを切り取るトリマー動作、用紙に折り処理を行う折り動作、を含むものである。
【0047】
次に、図3を参照して、本実施形態における制御ブロックを説明する。本実施形態においては、画像形成システム100は、パーソナルコンピュータ(PC)301が接続されている。画像形成システム100は、受信部303と、制御部305と、給紙部307と、印刷部309と、反転部311と、後処理部313と、排出部315とを備えている。
【0048】
PC301は、画像形成システム100に接続され、画像形成システム100に対して、ユーザの操作により、印刷に必要なジョブデータを送信する。ジョブデータには、両面印刷の有無や長辺綴じや短辺綴じなどの綴じ方向に関する用紙の印刷に関する情報、ステープル動作の有無、パンチ動作の有無、ソートの有無などの後処理印刷に関する情報、画像濃度や印刷に対する画像処理などの画像に関する情報が含まれる。
【0049】
受信部303は、パーソナルコンピュータ301からジョブデータを受信する。制御部305は、受信部303からジョブデータを受け取る。制御部305は、画像形成システム100の全体的な制御を行う。
【0050】
給紙部307は、制御部305からの命令、すなわち印刷を開始する場合における給紙部307に対する用紙を1枚ずつ給紙する命令に応じて、給紙を開始する。
【0051】
次に、印刷部309は、給紙を開始した場合には、制御部305からの命令、すなわち、ジョブデータに応じて、用紙に画像形成する命令に応じて、用紙に画像形成を行う。
【0052】
制御部305は、ジョブデータに両面印刷が含まれる場合には、反転部311に対して、用紙を反転して、再度、印刷部309に用紙を給紙するように制御する。反転部311は、印刷部309で印刷された用紙を反転させ、再度、印刷部309に対して用紙を搬送する。
【0053】
制御部305は、ジョブデータに後処理が必要な情報が含まれている場合には、後処理部313に対して、ステープル動作やパンチ動作、仕分け動作などの後処理動作を行うように制御する。後処理部313は、単一の用紙または用紙束に対して、後処理を施す。
【0054】
制御部305は、印刷ジョブが終了した場合には、排出部315に対して、単一の用紙または後処理が施された用紙束を排出するように制御する。排出部313は、単一の用紙または後処理が施された用紙束を排紙台214に排出する。
【0055】
次に、図4を参照して、本実施形態における制御フロー動作を示す。制御フローにおいて、制御部305は、画像形成システム100全体の制御を行っている。図4に示すように、本実施形態においては、ユーザがPCから印刷ジョブに関するジョブデータを発信することにより、スタートされる(ステップ401)。
【0056】
次に、画像形成システム100が印刷ジョブを受信する(ステップ403)。制御部305は、受信されたジョブデータに対して、ステープルやパンチなどの後処理動作があるか否かが判断される(ステップ405)。
【0057】
印刷ジョブに後処理動作がない場合(ステップ405でNoの場合)、印刷ジョブを画像形成システム100にて印刷して、排紙台214に排出する(ステップ407)。そして、印刷ジョブは、終了となる(ステップ409)。
【0058】
印刷ジョブに後処理動作がある場合(ステップ405でYesの場合)、後処理動作が不可能であるか否かが判断される(ステップ411)。
【0059】
ここで、本実施形態において、後処理動作が不可の場合とは、例えば、後処理部212におけるステープルまたはパンチの許容量が閾値を越えた場合である。後処理動作において、ステープル針の大きさ、ステープル時モータの負荷、パンチ時のモータの負荷を考慮すると、用紙束の枚数が所定枚数に制限される。この所定枚数を越えて印刷ジョブが受信された場合には、後処理部212が後処理をすることができない。また、後処理における消耗品が欠如している場合も、後処理動作が不可の場合になる。ここで、後処理における消耗品とは、例えば、ステープル動作においては針であり、スタンプ動作においてはインクである。
【0060】
後処理動作が可能の場合(ステップ411でNoの場合)、印刷ジョブを画像形成システム100にて印刷して、後処理部212で後処理動作が施されてから、排紙台214に排出する(ステップ413)。そして、印刷ジョブは、終了となる(ステップ415)。
【0061】
後処理動作が不可能の場合(ステップ411でYesの場合)、画像形成システム100は、後処理装置200において、所定枚数を排出して、部ごとに仕分け動作を行うソートモードに切り替える(ステップ417)。そして、ソートモードに切り替えられた場合、ジョブデータが印刷される(ステップ419)。
【0062】
ここで、本来であればステープルやパンチ動作を行うはずであった印刷ジョブであるが、ソートモードで排出されると、どの部分にステープルやパンチ動作などの後処理動作をしなければならないか、印刷物を見ただけでは、直ちにわからない状況にある。
【0063】
さらに、両面印刷がされている場合において、表面が上面になって排出されるいわゆるフェースアップ排紙の場合や裏面が上面になって排出されるいわゆるフェースダウン排紙の場合などを鑑みると、用紙束の排紙状況によって変動する可能性もある。
【0064】
したがって、本実施形態においては、図5に示すように、ステープル動作の裏面、パンチ動作の裏面に示すように、印刷ジョブの最終のページの裏面に裏面用後処理位置を印刷するように、印刷部を制御するように構成されている。
【0065】
さらに、図5に示すように、裏面に加えて、ステープル動作の表面、パンチ動作の表面にも、表面用後処理位置を印刷するように制御するように構成することができる。本実施形態においては、印刷物を排紙台から取得したユーザは、どの位置に、どの方向で後処理動作を行えばよいのか、直ちに理解することができる。すなわち、表面用後処理位置を示す印字形態と裏面用後処理位置を印字する印字形態を異ならせることにより、より、操作者に直ちに後処理形態を理解させることができる。
【0066】
続いて、図4を参照して、本実施形態における制御フローを説明する。後処理動作が不可能であって、ソートモードに切り替わった場合(ステップ417でNoの場合)、ジョブデータを印刷する(ステップ419)。そのジョブデータをソートモードで印刷する場合に、最終頁の裏面に後処理位置を印刷するように制御する(ステップ421)。そして、少なくとも裏面に後処理位置が印刷された状態で、排紙台214によってソート動作が行われ、単一用紙または用紙束が排出され(ステップ423)、ジョブデータの一連の印刷動作が終了する(ステップ425)。
【0067】
なお、後処理が不可能である場合にソートモードで排出するかもしくは印刷自体をエラーとして警告してユーザに止めるように動かすかの選択は、ユーザが任意に設定してもよい。
【0068】
また、ステープル動作の後処理位置の印字について、裏面に印字するか、表面に印字するか、双方に印字するか、双方ともに印字しないように設定するかも、ユーザが任意に選択できるものとする。さらに、表面用後処理位置の印字形態と裏面用後処理位置の印字形態を、ユーザが複数選択可能に構成してもよい。本実施形態において、上記のようにユーザが設定することができることにより、ユーザに応じた排出形態を選択できる効果がある。
【0069】
上記のように、本発明は、本実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0070】
100 画像形成システム
102 外部給紙台
104 内部給紙台
106 外部給紙ローラ
108 内部給紙ローラ
110 レジストローラ
112 搬送ベルト
114 印刷部
116 上昇搬送ローラ
120 水平搬送ローラ
122 切替部
124 排出搬送ローラ
126 反転搬送ローラ
128 反転ローラ
130 再給紙ローラ
132 表示部
FR 給紙系搬送経路
CR 通常搬送経路
DR 排出系搬送路
SR 反転搬送経路
200 後処理装置
202 後処理搬送ローラ
204 排出ローラ
206 反転排出ローラ
208 支持部材
210 後処理送出ローラ
212 後処理部
214 排紙台
301 パーソナルコンピュータ(PC)
303 受信部
305 制御部
307 給紙部
309 印刷部
311 反転部
313 後処理部
315 排出部
図1
図2
図3
図4
図5