特許第6132695号(P6132695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6132695
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】工作機械用テーブル装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 1/01 20060101AFI20170515BHJP
   B23Q 1/28 20060101ALI20170515BHJP
   B23Q 1/52 20060101ALI20170515BHJP
   B23Q 1/44 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   B23Q1/01 T
   B23Q1/28 A
   B23Q1/52
   B23Q1/44
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-153649(P2013-153649)
(22)【出願日】2013年7月24日
(65)【公開番号】特開2015-24452(P2015-24452A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2014年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】513187232
【氏名又は名称】渡邊 通雄
(73)【特許権者】
【識別番号】513187243
【氏名又は名称】合田 和幸
(73)【特許権者】
【識別番号】513187254
【氏名又は名称】曽我部 尊
(74)【代理人】
【識別番号】100087619
【弁理士】
【氏名又は名称】下市 努
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 通雄
(72)【発明者】
【氏名】合田 和幸
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 尊
【審査官】 永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−341076(JP,A)
【文献】 特開2013−039641(JP,A)
【文献】 特開2009−012120(JP,A)
【文献】 特開2013−029186(JP,A)
【文献】 特開2004−082287(JP,A)
【文献】 特開2008−207296(JP,A)
【文献】 特開平06−134605(JP,A)
【文献】 国際公開第96/009913(WO,A1)
【文献】 特表2013−509307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 1/01
B23Q 1/28
B23Q 1/44
B23Q 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ベッド上に移動テーブルをY軸方向に移動可能に搭載し、該固定ベッドを跨ぐように門形コラムを配設し、該コラムにX軸方向に移動可能に配設されたラムを介して主軸ヘッドをZ軸方向に移動可能かつ旋回・割り出し可能に配設し、該主軸ヘッド,前記移動テーブルをX軸,Y軸,Z軸方向に相対移動させることにより割り出しミーリング加工に対応可能な工作機械に用いられるテーブル装置であって、
該テーブル装置は、ワーク載置面及び該ワーク載置面の反対側裏面に形成された円形凹部を有するテーブル本体と、該テーブル本体の前記円形凹部内に配置され、前記テーブル本体をテーブル中心軸回りに回転可能に支持するベース部材と、前記テーブル本体を割り出し位置決め可能に、かつ旋削加工が可能な回転数に回転駆動する駆動機構とをユニット化してなるテーブルユニットを有し、
該テーブルユニットは、前記旋削加工を行う場合には前記移動テーブル上に取り付け、前記割り出しミーリング加工を行う場合には前記移動テーブルから取り外すことで前記旋削加工及び前記割り出しミーリング加工に対応可能に構成され、
前記駆動機構は、前記テーブル本体の前記円形凹部に固定されたロータ支持ブロックの外周面に取り付けられたロータと、前記ベース部材に固定されたステータ支持ブロックの内周面に取り付けられたステータとからなるダイレクトドライブ型ビルトインサーボモータにより構成され、
前記ロータ支持ブロック及びステータ支持ブロックには、それぞれ前記ロータ及びステータを囲むように冷却ジャケットが形成されており、
前記テーブル本体は、クロスローラベアリングを介して前記ベース部材に回転自在に支持されており、該クロスローラベアリングは、前記ビルトインサーボモータの径方向外側を囲むように配置され、
さらに前記クロスローラベアリングは、前記テーブル本体に固定された外輪と前記ベース部材に固定された内輪との間に多数のコロを配置した構造を有し、かつ前記内輪側を冷却するように構成されている
ことを特徴とする工作機械用テーブル装置。
【請求項2】
請求項1に記載の工作機械用テーブル装置において、
前記ベース部材には、前記テーブル本体を所定の割り出し位置にクランプするクランプ機構が配設されている
ことを特徴とする工作機械用テーブル装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の工作機械用テーブル装置において、
前記テーブル本体は、1500〜3000mmの直径を有し、かつ前記駆動機構により50〜150rpmの回転数で駆動される
ことを特徴とする工作機械用テーブル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合加工に対応するよう構成された工作機械用テーブル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の5面加工機に回転テーブルを付加して加工を行う複合型の工作機械として、例えば、特許文献1には、機械正面から見て、前後方向に移動可能に配設された加工テーブルに大径の回転テーブルを配設し、該回転テーブルを、サーボモータにより減速ギヤ機構を介して所定の割り出し位置に回転駆動すると共に、ステッピングモータによりタイミングベルト機構を介してワーク加工が可能な回転数に回転駆動するようにした門型の5面加工機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−39641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の5面加工機では、前記加工テーブルに大径の回転テーブルをタイミングベルト機構,減速ギヤ機構を介して一体的に組み付ける構造を採用しており、組み付け構造が複雑になるとともに、組み付け工数が多くなり、機械全体の価格が高騰するという問題がある。
【0005】
また前記従来の5面加工機では、割り出しミーリング加工には対応できるものの、旋削加工(ターニング加工)を行なう場合には、別の工作機械,例えばNCターニング盤にワークを移動させる必要があり、作業効率が低く、納期,コスト面での競争力に対応できないとともに、別の工作機械を設置するためのスペースを確保しなければならないという問題がある。
【0006】
本発明は、前記従来の実情に鑑みてなされたもので、簡単な構造で組み付け工数を削減できるとともに、割り出しミーリング加工と旋削加工の両方を実現できる工作機械用テーブル装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、固定ベッド上に移動テーブルをY軸方向に移動可能に搭載し、該固定ベッドを跨ぐように門形コラムを配設し、該コラムにX軸方向に移動可能に配設されたラムを介して主軸ヘッドをZ軸方向に移動可能かつ旋回・割り出し可能に配設し、該主軸ヘッド,前記移動テーブルをX軸,Y軸,Z軸方向に相対移動させることにより割り出しミーリング加工に対応可能な工作機械に用いられるテーブル装置であって、
該テーブル装置は、ワーク載置面及び該ワーク載置面の反対側裏面に形成された円形凹部を有するテーブル本体と、該テーブル本体の前記円形凹部内に配置され、前記テーブル本体をテーブル中心軸回りに回転可能に支持するベース部材と、前記テーブル本体を割り出し位置決め可能に、かつ旋削加工が可能な回転数に回転駆動する駆動機構とをユニット化してなるテーブルユニットを有し、
該テーブルユニットは、前記旋削加工を行う場合には前記移動テーブル上に取り付け、前記割り出しミーリング加工を行う場合には前記移動テーブルから取り外すことで前記旋削加工及び前記割り出しミーリング加工に対応可能に構成され、
前記駆動機構は、前記テーブル本体の前記円形凹部に固定されたロータ支持ブロックの外周面に取り付けられたロータと、前記ベース部材に固定されたステータ支持ブロックの内周面に取り付けられたステータとからなるダイレクトドライブ型ビルトインサーボモータにより構成され、
前記ロータ支持ブロック及びステータ支持ブロックには、それぞれ前記ロータ及びステータを囲むように冷却ジャケットが形成されており、
前記テーブル本体は、クロスローラベアリングを介して前記ベース部材に回転自在に支持されており、該クロスローラベアリングは、前記ビルトインサーボモータの径方向外側を囲むように配置され、
さらに前記クロスローラベアリングは、前記テーブル本体に固定された外輪と前記ベース部材に固定された内輪との間に多数のコロを配置した構造を有し、かつ前記内輪側を冷却するように構成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の工作機械用テーブル装置において、前記ベース部材には、前記テーブル本体を所定の割り出し位置にクランプするクランプ機構が配設されていることを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の工作機械用テーブル装置において、前記テーブル本体は、1500〜3000mmの直径を有し、かつ前記駆動機構により50〜150rpmの回転数で駆動されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、ワークが載置されるテーブル本体と、該テーブル本体を回転可能に支持するベース部材と、前記テーブル本体を回転駆動する駆動機構とでテーブルユニットを構成し、該テーブルユニットを工作機械本体に着脱可能に搭載したので、テーブルユニットをそのまま機械本体に取り付けるだけで割り出しミーリング加工と旋削加工との両方を実現でき、従来構造に比べて組み付け構造を簡単にできるとともに、組み付け工数を大幅に低減でき、ひいては機械全体の価格を抑えることができる。
【0013】
本発明では、前述のように、1台の工作機械で割り出しミーリング加工と旋削加工との両方を行なうことができるので、ワークを移動させる必要がなく、従ってそれだけ作業効率の向上を図ることができ、納期,コスト面での競争力を高めることができるとともに、別の工作機械を設置するためのスペースを不要にできる。
【0014】
本発明では、前記駆動機構を、テーブル本体に固定されたロータとベース部材に固定されたステータとからなるダイレクトドライブ型のビルトインサーボモータにより構成したので、1台のモータで割り出し位置決めと旋削加工に必要な高速回転とを実現でき、前記従来公報のように2台のモータを用いる場合に比べてコストを低減できるとともに、装置全体を小型化できる。
【0015】
本発明では、前記テーブル本体をクロスローラベアリングを介して回転自在に支持し、該クロスローラベアリングをビルトインサーボモータの外側を囲むように配置したので、1個のベアリングでラジアル荷重、スラスト荷重、モーメント荷重の3方向に対してテーブル本体の支持剛性を確保することができるとともに、大径のスラストベアリングを用いない為、該テーブル本体を高速回転駆動することができる。
【0016】
請求項2の発明では、前記ベース部材にテーブル本体を所定の割り出し位置にクランプするクランプ機構を設けたので、ワーク加工時における加工精度を確保することができる。
【0017】
請求項3の発明では、テーブル本体を1500〜3000mmの直径を有し、かつ駆動機構により50〜150rpmで回転駆動し、その回転を可能にした冷却方式の採用とあいまって、大型のテーブル本体であっても加工精度を確保しつつ、旋削加工を可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例1によるテーブル装置が搭載された門形の5面加工機の概略斜視図である。
図2】前記5面加工機の側面図である。
図3】前記テーブル装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0020】
図1ないし図3は、本発明の実施例1による工作機械用テーブル装置を説明するための図である。
【0021】
図において、1は本実施例のテーブル装置2を取り付けた門形の5面加工機を示している。
【0022】
この5面加工機1は、5面加工を連続して行なうことが可能な複合型の工作機械であり、設置面に固定されたベッド5と、該ベッド5上にY軸方向に移動可能に搭載された矩形状の移動テーブル6と、前記ベッド5を跨ぐように配設された門形のコラム7と、該コラム7の機械正面側の壁面にX軸方向に移動可能に搭載されたサドル8と、該サドル8にZ軸方向に移動可能に挿入されたラム9と、該ラム9の下端部に装着された旋回・割り出し機能を有する主軸ヘッド10とを備えている。
【0023】
前記コラム7は、左,右一対の垂直コラム部材7a,7aと、該左,右のコラム部材7aの上面に架設されたクロスレール7bとを有する。このクロスレール7bには、前記サドル8を移動自在に支持する上,下一対のガイドレール11,11及び前記サドル8を駆動制御するボールネジ送り機構(不図示)が配設されている。
【0024】
また前記主軸ヘッド10は、縦主軸10aと横主軸10bとを備えている。この各主軸10a,10bには、工具(不図示)が着脱可能に装着されており、各工具は、ワーク加工が終了すると、工具自動交換装置(不図示)により次工程の工具に交換される。
【0025】
前記テーブル装置2は、ワーク(不図示)が載置される円形状のテーブル本体13と、該テーブル本体13をテーブル中心軸C回りに回転可能に支持するベース部材15と、前記テーブル本体13を回転駆動する駆動機構16とをユニット化した構造を有する。そして、このユニット化したテーブルユニット2′は、前記5面加工機1の移動テーブル6上に着脱可能に搭載されており、詳細には、以下の構造を有する。
【0026】
前記テーブル本体13は、直径Dが1500〜3000mm、高さhが200mm程度の大きさを有する。また前記ベース部材15を含めた全体の高さHは400mm程度に設定されている。
【0027】
前記テーブル本体13のワーク載置面13aの反対側裏面には、これの外周面近傍まで広がる大きさの円形凹部13bが形成されており、該円形凹部13b内に前記ベース部材15が配置されている。
【0028】
前記駆動機構16は、ダイレクトドライブ型のビルトインサーボモータ16′により構成されている。このビルトインサーボモータ16′は、テーブル中心軸Cと同軸をなし、前記テーブル本体13に固定されたロータ16aと、該ロータ16aに対向するよう前記ベース部材15に固定されたステータ16bとを有する。これによりテーブル本体13を、タイミングベルト機構や減速ギヤ機構を介することなく直接回転駆動する。
【0029】
前記ロータ16aは、リング形状のロータ支持ブロック20の外周面に取り付けられている。このロータ支持ブロック20は、円形凹部13に固定されている。
【0030】
また前記ステータ16bは、前記ベース部材15に固定されたリング形状のステータ支持ブロック21の内周面に取り付けられている。
【0031】
前記ビルトインサーボモータ16′により前記テーブル本体13は、所定の角度に割り出し位置決め可能に、かつ旋削加工が可能な回転数,例えば50〜150rpmに回転駆動される。
【0032】
ここで、ビルトインサーボモータ16′を採用した場合には、その出力からして発熱し易く、この発熱の如何によってはテーブル本体13に熱変位が生じる懸念がある。そこで、ロータ支持ブロック20及びステータ支持ブロック21にそれぞれロータ16a,ステータ16bを囲むように冷却ジャケット(不図示)を形成し、該冷却ジャケットに冷却液を循環させることでモータ全体を冷却することが好ましい。
【0033】
またビルトインサーボモータ16′を採用したことにより、前述のようにテーブルユニット2′の高さHは400mm程度と、従来の一般的なテーブル高さの1/2以下となっている。これによりZ軸ストロークのさらなる有効利用が可能となる。
【0034】
前記テーブル本体13は、クロスローラベアリング24を介して前記ベース部
材15により回転自在に支持されている。
【0035】
前記クロスローラベアリング24は、テーブル中心軸Cと同軸をなし、かつビルトインサーボモータ16の外方を囲むように配設されており、前記テーブル本体13に固定された外輪24aと、前記ベース部材15に固定された内輪24bとの間に多数の円筒形コロ24cを配置した構造を有する。
【0036】
ここで、クロスローラベアリング24の発熱対策としては、内輪24b側を冷却することで内部圧力の上昇を防止することが有効であり、そのためには軸心冷却・潤滑方式を採用するのが好ましい。
【0037】
前記ベース部材15には、前記テーブル本体13を所定の割り出し位置にクランプする複数のクランプ機構25が周方向に所定間隔をあけて配設されている。
【0038】
このクランプ機構25は、有底筒状のシリンダ25a内にピストン25bを軸方向に進退可能に挿入し、該ピストン25bとシリンダ25aの底部との間に油圧室25cを設けるとともに、前記ピストン25bを後退方向に付勢するばね25dを配設した構造を有する。
【0039】
前記シリンダ25aは、前記ベース部材15の半径方向外端部に固定されており、前記ピストン25bの先端面は、前記テーブル本体13の円形凹部13bの内周面13cに当接可能に対向している。
【0040】
前記油圧室25cに油圧が供給されると、ピストン25bが突出してテーブル本体13を押圧することで回転不能にクランプする。油圧が解放されるとばね25dの付勢力によりピストン25bが後退することでアンクランプ状態となる。
【0041】
ここで、図示していないが、油圧供給源は、エアハイドロブースターと油圧タンクとで構成されており,これらは前記ベース部材15に内蔵されている。またテーブル本体13のクランプ,アンクランプは、不図示のスイッチのオン,オフにより検出している。
【0042】
また前記テーブル本体13をクランプした状態で、旋削加工を行なう場合には、旋削用工具の回り止めを行なう必要がある。このため主軸ヘッド10に回り止めの固定キーを追加することとなるが、固定キーを追加するだけで済むことから、構造の複雑化を回避しつつ回り止めを行なうことができる。
【0043】
本実施例によれば、ワークが載置されるテーブル本体13と、該テーブル本体13を回転可能に支持するベース部材15と、前記テーブル本体13を回転駆動するビルトインサーボモータ16とでテーブルユニット2′を構成し、該テーブルユニット2′を前記5面加工機1の移動テーブル6に着脱可能に搭載したので、予め組み立てておいたテーブルユニット2′をそのまま移動テーブル6に取り付けることができ、従来の一体型のものに比較して組み付け構造及び工数を大幅に低減でき、ひいては機械全体の価格を抑えることができる。
【0044】
また前記テーブルユニット2′を、既存の5面加工機や門形立型マシニングセンタにそのまま付加することもでき、このようにした場合には、安価にかつ場所をとることなくNCターニング盤の機能を得ることができ、特に設備費,設置スペースに制約のある中小企業における活性化に貢献することができる。
【0045】
本実施例では、前記ビルトインサーボモータ16により、前記テーブル本体13を割り出し位置決め可能に、かつ旋削加工が可能な回転数に回転駆動したので、ワークを移動させることなく、1台の5面加工機や門形立型マシニングセンタ1で割り出しミーリング加工と旋削加工との両方を行なうことができる。これにより作業効率を高めることができ、納期,コスト面での競争力を強めることができ、さらには旋削加工を行なうための加工機の設置を不要にできる。
【0046】
本実施例では、駆動機構16をビルトインサーボモータ16′により構成したので、1台のモータで割り出し位置決めと、旋削加工に必要な50〜150rpmの回転数に駆動することができ、モータ冷却構造とあいまって、直径が1500〜3000mmの大型のテーブル本体13であっても加工精度を確保しつつ、旋削加工を可能にできる。また1台のモータで済むことから、前述の従来公報のように2台のモータを用いる場合に比べてコストを低減できるとともに、装置全体を小型化できる。
【0047】
本実施例では、前記テーブル本体13をクロスローラベアリング24により回転自在に支持したので、ラジアル荷重、スラスト荷重およびモーメント荷重に対する必要な強度,剛性を確保でき、大型でかつ重量物であるテーブル本体13の支持剛性を高めることができ、ベアリング冷却構造とあいまって、該テーブル本体13を高速で回転駆動する際の変位を防止することができる。
【0048】
本実施例では、前記ベース部材15にテーブル本体13を所定の割り出し位置にクランプするクランプ機構25を設けたので、ワーク加工時における加工精度を確保することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 立型マシニングセンタ(工作機械)
2 テーブル装置
2′ テーブルユニット
13 テーブル本体
15 ベース部材
16 駆動機構
16a ロータ
16b ステータ
24 クロスローラベアリング
25 クランプ機構
C テーブル中心軸
図1
図2
図3