特許第6132777号(P6132777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6132777
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】直播機
(51)【国際特許分類】
   A01C 7/08 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
   A01C7/08 310E
【請求項の数】8
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-1108(P2014-1108)
(22)【出願日】2014年1月7日
(65)【公開番号】特開2015-128386(P2015-128386A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2016年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】園田 義昭
(72)【発明者】
【氏名】牧原 邦充
(72)【発明者】
【氏名】永田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】日熊 敏之
【審査官】 石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06520100(US,B1)
【文献】 米国特許第05802997(US,A)
【文献】 米国特許第05974986(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 7/00− 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
種籾を貯留するホッパーと、そのホッパーに貯留されている種籾を繰り出して田面に供給する複数の繰り出し部とを備えて、田面の左右方向での複数箇所に種籾を供給するように構成された前播種装置と、
前記前播種装置の後方側で、種籾を貯留するホッパーと、そのホッパーに貯留されている種籾を繰り出して田面に供給する複数の繰り出し部とを備えて、かつ前記前播種装置による種籾の供給箇所とは左右方向で異なる箇所の田面に種籾を供給するように構成された後播種装置とを備えている直播機。
【請求項2】
前記後播種装置による種籾の供給箇所同士の左右方向での間隔は、前記前播種装置による種籾の供給箇所同士の左右方向での間隔と等間隔である請求項1記載の直播機。
【請求項3】
前記前播種装置及び前記後播種装置のそれぞれに設けられた前記ホッパーは、各ホッパーの前端側に位置する左右方向の揺動支点回りで上下方向に揺動開閉可能な蓋体を備え、後方側から開閉可能に構成されている請求項1又は2記載の直播機。
【請求項4】
前記前播種装置と前記後播種装置とのそれぞれに備えられた複数の前記繰り出し部は、前記前播種装置における前記繰り出し部の配設位置と、前記後播種装置における前記繰り出し部の配設位置とが、田面への種籾の供給箇所の上方位置であるように配設されている請求項1〜3のいずれか一項記載の直播機。
【請求項5】
前記前播種装置と前記後播種装置とは、それぞれに備えられた各ホッパーの上端における上下方向高さが、前後で同一もしくはほぼ同一であるように構成されている請求項1〜4のいずれか一項記載の直播機。
【請求項6】
前記前播種装置と前記後播種装置とは、それぞれが左右方向に並ぶ複数の前記ホッパーを備え、それぞれに備えられた各ホッパーの上端における上下方向高さが、左右方向で同一もしくはほぼ同一であるように構成されている請求項1〜5のいずれか一項記載の直播機。
【請求項7】
前記前播種装置又は前記後播種装置は、そのいずれか一方に、播種対象位置の田面を整地する整地フロートが備えられたものである請求項1〜6のいずれか一項記載の直播機。
【請求項8】
前記前播種装置又は前記後播種装置のうち、複数の前記ホッパーと、複数の前記繰り出し部と、複数の前記整地フロートとが備えられたところの、前記前播種装置又は前記後播種装置は、各整地フロート毎に前記ホッパーと前記繰り出し部とが組み合わされた播種ユニットの集合体によって構成されている請求項7記載の直播機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種籾を貯留するホッパーと、そのホッパーに貯留されている種籾を繰り出して田面に供給する複数の繰り出し部とを備えて、田面の左右方向での複数箇所に種籾を供給するように構成された播種装置を備える直播機に関する。
【背景技術】
【0002】
前述のような直播機としては、次のような技術を用いた構造のものが存在する。
隔壁で前後に仕切られたホッパーの内部に、前側に位置する肥料の貯留部と、後側に位置する種子の貯留部とを形成し、各貯留部の下部側に設けた繰り出し部で、肥料と種子とを各別に繰り出し、その繰り出し部の下端側に設けた肥料用ホースから肥料を田面に供給し、種子用ホースから種子を田面に供給するように構成されたもの(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−28124号公報(段落番号「0013」、「0018」、図1図3図4参照。)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のものでは、種子の貯留部の前方側に肥料の貯留部を形成し、各貯留部の下部側に設けた繰り出し部に肥料用ホースと種子用ホースとを接続して、肥料及び種子を供給するようにしている。前記肥料用ホースと種子用ホースとのうち、種子用ホースは、左右方向での一定間隔で配設される作溝器に接続されている。そして、肥料用ホースは、左右方向間隔が不等間隔である肥料用の作溝器に接続されている。
このように肥料用の作溝器であれば、左右方向での配設間隔を、その後に生育する苗の条間と同等に設定する必要はないので任意に決定することができる。しかし、種子用の作溝器は、その後に生育する苗の条間を予め定められた一定の間隔に保つ必要から、その配設間隔が所定の等間隔であるように制限される。このため、直播機に備えられた所定の左右方向幅の播種装置で播種することができる条数は、種子用の作溝器の配設間隔の総和となる。
したがって、種子用の作溝器の配設間隔が一般的な条間に設定されている播種機では、一般的な条間よりも狭い条間での密播きを行うことはできない。
【0005】
上記の特許文献1に記載の播種機において、種子用の作溝器の左右方向での配設間隔を狭めれば、その配設間隔を狭めた箇所の範囲内では密播きされた状態とすることは可能ではあるが、種籾を貯留するホッパーや繰り出し部の左右方向幅が変化しない限り、播種装置全体の左右方向幅は広いままである。
このため、種子用の作溝器の配設間隔を狭めて走行機体の通過跡のうちの一部分だけが密播き状態となるようにしても、走行機体の通過跡の他の部分には種子が播かれていない状態となるので、実用的ではない。
【0006】
本発明は、種籾を貯留するホッパーや繰り出し部の左右方向幅を大幅に削減するような、大きな設計変更を伴うことによるコスト増を避けながら、密播き可能な直播機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔解決手段1〕
上記課題を解決するために講じた本発明における播種機の技術手段は、種籾を貯留するホッパーと、そのホッパーに貯留されている種籾を繰り出して田面に供給する複数の繰り出し部とを備えて、田面の左右方向での複数箇所に種籾を供給するように構成された前播種装置と、前記前播種装置の後方側で、種籾を貯留するホッパーと、そのホッパーに貯留されている種籾を繰り出して田面に供給する複数の繰り出し部とを備えて、かつ前記前播種装置による種籾の供給箇所とは左右方向で異なる箇所の田面に種籾を供給するように構成された後播種装置とを備えているということである。
【0008】
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1にかかる本発明の構成によると、田面の左右方向での複数箇所に種籾を供給可能な前播種装置と後播種装置とを備えて、前播種装置による種籾の供給箇所とは左右方向で異なる箇所の田面に後播種装置による種籾が供給される。つまり、これらの前播種装置と後播種装置とによる種籾の供給箇所同士の左右方向での間隔は、前播種装置又は後播種装置による種籾の供給箇所と、その供給箇所に左右方向で最も近い位置の後播種装置又は前播種装置による種籾の供給箇所との間隔になる。
したがって、種籾の供給箇所同士の左右方向での間隔を、前播種装置のみで、あるいは後播種装置のみで設定するのではなく、前播種装置と後播種装置とによる種籾の供給箇所同士の左右方向での位置ずれを有効利用して設定することが可能である。これにより、種籾を貯留するホッパーや繰り出し部の左右方向幅を大きく削減するような設計変更も必要もなく、仕様変更によるコスト増を避けながら、密播き可能な直播機を得られるという利点がある。
【0009】
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記後播種装置による種籾の供給箇所同士の左右方向での間隔は、前記前播種装置による種籾の供給箇所同士の左右方向での間隔と等間隔であるということである。
【0010】
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段2にかかる発明の構成によると、前播種装置による種籾の供給箇所同士の左右方向での間隔と、後播種装置による種籾の供給箇所同士の左右方向での間隔とが等間隔であり、その前播種装置と後播種装置との左右方向での位置ずれを有効利用して種籾の供給間隔を設定することが可能であるから、前播種装置と後播種装置とは、それぞれからの種籾の供給箇所同士の左右方向での間隔が互いに等しいものであるところの、共通の装置を用いることができる。
したがって、前播種装置と後播種装置とを別々の仕様で構成する場合に比べて、多くの部品を共用できて低コスト化を図り易いという利点がある。
【0011】
〔解決手段3〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記前播種装置及び前記後播種装置のそれぞれに設けられた前記ホッパーは、各ホッパーの前端側に位置する左右方向の揺動支点回りで上下方向に揺動開閉可能な蓋体を備え、後方側から開閉可能に構成されているということである。
【0012】
〔解決手段3にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段3にかかる発明の構成によると、前播種装置及び後播種装置のそれぞれに対する種籾の供給を容易に行い易い。
つまり、前播種装置及び後播種装置のそれぞれのホッパーには、肥料や薬剤ではなく、種籾が貯留されるのであるが、この種籾は、肥料や薬剤に比べて、単位面積あたりで田面に供給される量は遙かに少ないものである。このため、前播種装置及び後播種装置のそれぞれのホッパーに、作業開始時点で所要量の種籾を供給しておけば、その圃場における作業途中で種籾の補給を行う必要性はほとんど生じないのが一般的である。
したがって、前播種装置及び後播種装置のそれぞれに備えられた蓋体を機体の後方側から開閉操作し易く構成しておけば、畦からの種籾の供給作業を行い易くすることができ、走行機体上から後方側へ身を乗り出して播種装置に種籾を供給するような、作業の行い難い体勢での供給作業を要さずに、種籾を供給し易くし得る利点がある。
【0013】
〔解決手段4〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記前播種装置と前記後播種装置とのそれぞれに備えられた複数の前記繰り出し部は、前記前播種装置における前記繰り出し部の配設位置と、前記後播種装置における前記繰り出し部の配設位置とが、田面への種籾の供給箇所の上方位置であるように配設されているということである。
【0014】
〔解決手段4にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段4にかかる発明の構成によると、前播種装置と後播種装置とのそれぞれに備えられた複数の繰り出し部の配設位置が、それぞれ田面への種籾の供給箇所の上方位置であるから、繰り出し部から繰り出された種籾をそのまま落下させるだけで、田面への供給箇所を左右方向で位置ずれさせることができる。
したがって、繰り出し部から繰り出された種籾を、別途供給ホースを用いる等して適宜箇所まで落下方向を変更させながら案内する必要がなく、構造の簡素化を図り易いものである。
【0015】
〔解決手段5〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記前播種装置と前記後播種装置とは、それぞれに備えられた各ホッパーの上端における上下方向高さが、前後で同一もしくはほぼ同一であるように構成されているということである。
【0016】
〔解決手段5にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段5にかかる発明の構成によると、前播種装置と後播種装置との各ホッパーの上端における上下方向高さが、前後で同一もしくはほぼ同一であるように構成されているので、前播種装置に対する種籾の供給作業も、後播種装置に対する種籾の供給作業も、後方側から同様に行い易い。
したがって、後播種装置が高くて前播種装置に対する後方側からの種籾の供給作業が行い難かったり、逆に前播種装置が高くて後播種装置の蓋体を前方側へ大きく開放し難かったりような種籾供給作業が阻害される虞が少ない点で有利である。
【0017】
〔解決手段6〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記前播種装置と前記後播種装置とは、それぞれが左右方向に並ぶ複数の前記ホッパーを備え、それぞれに備えられた各ホッパーの上端における上下方向高さが、左右方向で同一もしくはほぼ同一であるように構成されているということである。
【0018】
〔解決手段6にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段6にかかる発明の構成によると、前播種装置と後播種装置とは、各ホッパーの上端における上下方向高さが、左右方向で同一もしくはほぼ同一であるように構成されているので、それぞれのホッパーに対して種籾を供給する際に、種籾の入った重い袋を左右方向で隣接する位置のホッパーに仮置きした状態で支持させながら供給することができ、種籾供給作業を楽に行い易いという利点がある。
【0019】
〔解決手段7〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記前播種装置又は前記後播種装置は、そのいずれか一方に、播種対象位置の田面を整地する整地フロートが備えられたものであるということである。
【0020】
〔解決手段7にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段7にかかる発明の構成によると、前播種装置又は後播種装置のいずれか一方に、播種対象位置の田面を整地する整地フロートが備えられたものであるから、各播種装置と田面との間隔を安定的に維持して良好な播種を行い易く、また、整地フロートが前後両方の播種装置に備えられた場合のように泥押しが多くなる可能性も少なくて済む利点がある。
【0021】
〔解決手段8〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記前播種装置又は前記後播種装置のうち、複数の前記ホッパーと、複数の前記繰り出し部と、複数の前記整地フロートとが備えられたところの、前記前播種装置又は前記後播種装置は、各整地フロート毎に前記ホッパーと前記繰り出し部とが組み合わされた播種ユニットの集合体によって構成されているということである。
【0022】
〔解決手段8にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段8にかかる発明の構成によると、各整地フロート毎にホッパーと繰り出し部とが組み合わされた播種ユニットを構成して、その播種ユニットの集合体によって前播種装置又は後播種装置を構成したものであるから、播種ユニット毎の組付けや分解などを行い易く、メンテナンス作業を行い易いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】乗用型直播機の全体側面図である。
図2】乗用型直播機の全体平面図である。
図3】播種装置の全体背面図である。
図4】第1〜第15供給ラインの配置、前及び後繰り出し部の配置、前及び後繰り出し部への伝動構造を示す概略平面図である。
図5】播種装置の全体側面図である。
図6】後ホッパー、後繰り出し部、作溝器及び案内部材を非作業姿勢に操作した状態を示す側面図である。
図7】第1〜第15供給ライン、前及び後繰り出し部、作溝器、フロート、後輪及び整地部材等の配置を示す概略平面図である。
図8】前ホッパー、前繰り出し部、作溝器及び案内部材、フロート等、並びに、後ホッパー、後繰り出し部、作溝器及び案内部材等の背面図である。
図9】播種装置において、横フレーム及び縦フレーム等の構造を示す全体斜視図である。
図10】左側の後ホッパー、後繰り出し部、作溝器及び案内部材等を示す背面図である。
図11】右側の後ホッパー、後繰り出し部、作溝器及び案内部材等を示す背面図である。
図12】整地部材及び溝切り器とクラッチ部材との連係構造を示す説明図である。
図13】泥除け板、整地部材及び溝切り器等の支持構造を示す背面図である。
図14】溝切り器の操作用のロッドの係止構造を示す部分断面図である。
図15】播種パターンを示す説明図である。
図16】別実施形態における播種装置の全体側面図である。
図17】別実施形態における第1〜第15供給ライン、前及び後繰り出し部、作溝器、フロート、後輪及び整地部材等の配置を示す概略平面図である。
図18】別実施形態におけるフロートを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔直播機の全体構成〕
図1及び図2に示すように、前輪1及び後輪2で支持された走行機体の後部に播種装置5が装備されている。この播種装置5は、走行機体の後部に備えたリンク機構3に連結され、リンク機構3を上下に揺動駆動する油圧シリンダ4によって上下揺動可能に支持されている。
播種装置5は、催芽状態で少し芽が出始めた状態の種籾を点播状態で田面Gに供給する15条型式のものであり、進行方向の前方側に位置させた前播種装置5Aと、後方側に位置させた後播種装置5Bとを備えている。この播種装置5が走行機体の後部に支持されて直播機の一例である乗用型直播機が構成されている。
【0025】
〔播種装置〕
播種装置5の全体構成について説明する。
図1乃至図5に示すように、播種装置5は、進行方向の前方側に位置させた前播種装置5Aと、後方側に位置させた後播種装置5Bとを備え、この前播種装置5Aと後播種装置5Bとが、図9に示される枠状の播種支持枠5Cに支持された構造のものである。
播種支持枠5Cは、前方側で左右方向に沿う横フレーム6と、後方側で左右方向に沿う横フレーム9と、前後の横フレーム6,9の右及び左端部に亘って前後方向の右及び左の縦フレーム16が連結されて平面視で矩形枠状に形成されている。
【0026】
後方側の横フレーム9の上側に立設した複数の上下向きのフレーム30、及び44,45を介して、後方側の横フレーム9と平面視で重複する位置に別の後側上部横フレーム8を連設してある。前方側の横フレーム6の下部から後側に向けて4本の前後方向に沿う縦フレーム17が連結されている。この縦フレーム17の後端部には、その上側に複数の上下向きのフレーム21が立設されており、上下向きのフレーム21を介して、前側上部横フレーム22が支持されている。
【0027】
図5及び図9に示すように、横フレーム6の右及び左側部に上下方向のフレーム10が連結されており、フレーム10の上部及び中間部に亘って左右方向の横フレーム11,12が連結されている。横フレーム6の中央部に、ローリング軸13が連結されて前向きに突出している。リンク機構3において、上下方向のヒッチフレーム14の下端部にボス部14aが連結されて、ローリング軸13がヒッチフレーム14のボス部14aに回転自在に支持されており、ヒッチフレーム14の上部とフレーム10の上部とに亘って、右及び左のバネ15が接続されている。
【0028】
図1及び図5に示すように、播種装置5を機体の後部に支持させた状態において、バネ15の付勢力により機体と平行な状態に戻されようとする状態で支持され、播種装置5が田面Gに沿うようにローリング軸13の前後軸芯P1周りでローリング作動可能に構成されている。
図5及び図9に示すように、横フレーム6においてローリング軸13の右及び左側部に、右及び左の受け部6aが連結されており、リンク機構3を上限まで上昇させると、リンク機構3に備えられた右及び左のストッパー(図示せず)が、横フレーム6の受け部6aに当たって、播種装置5がローリングしないように保持される。
【0029】
図1,2,9に示すように、横フレーム6の右及び左端部にブラケット6bが連結されて、次の作業行程の目印を田面Gに形成する右及び左のマーカー18が、横フレーム6のブラケット6bの前後軸芯p2周りに上下に揺動自在に支持されている。これによって、田面Gに接地して田面Gに目印を形成する作業姿勢、及び田面Gから上方に位置した格納姿勢に、右及び左のマーカー18を操作する。
【0030】
図9に示すように、縦フレーム16の前端部に断面コ字状のブラケット16aが前後向きに連結されている。丸パイプをクランク状に折り曲げた右及び左のガード部材19が、縦フレーム16のブラケット16aに前後軸芯P3周りに回転自在に支持されている。このガード部材19は、図2及び図9に示すように、前播種装置5Aの前繰り出し部20から後播種装置5Bの後繰り出し部48に渡る範囲に設けてある。
【0031】
図2及び図9に示す状態は、ガード部材19を固定ピン(図示せず)により横向き姿勢に固定した状態であり、横向き姿勢において播種装置5の前繰り出し部20から後繰り出し部48に渡る範囲の右及び左側が、ガード部材19により保護される。
路上等においてガード部材19を下向き姿勢に変更して固定ピンにより固定すると、播種装置5を地面まで下降させた場合、ガード部材19を播種装置5のスタンドとして使用することができる。
【0032】
図5,7,9に示すように、横フレーム6において後輪2の後方に対応する部分に、縦フレーム61が連結されて前方に延出されており、縦フレーム61の前端部に上下向きのフレーム62が連結され、フレーム62の上端部に左右向きのフレーム63が連結されている。後輪2が後方に跳ね飛ばす泥を止める平板状の泥除け板64が、フレーム62,63に連結されている。
【0033】
図5,7に示すように、泥除け板64の下方側で上下向きのフレーム62の下端部に、田面Gに排水用の溝を形成するための溝切り器87が設けられている。
この溝切り器87は、断面が下向きの三角形状を備えた中央部87aと、中央部87aの右及び左側に延出された平板状の横板部87bとを備えており、前記フレーム62の下端部で左右方向の横軸芯P7周りに上下に揺動自在に支持されている。さらに、この溝切り器87においては、中央部87aに対する横板部87bの位置が、横軸芯P7周りで相対的に上下に変更可能に構成されている。これにより、溝切り器87の中央部87aにより田面Gに排水用の溝を形成するのであり、形成された溝の右及び左横側に盛り上がる泥を、溝切り器87の左右の横板部87bで押圧して平滑にする。
【0034】
図5及び図12乃至図14に示すように、溝切り器87の中央部87aの後端部には、ロッド89が接続されていて、ロッド89により溝切り器87の後部の下限位置が決められるように構成されている。
ロッド89は、その下端側に下向きに弾性付勢するように圧縮バネ90が取り付けられており、溝切り器87の後部をロッド89が貫通して中央部87aの下面側で固定ボルト89aにより固定されることにより、圧縮バネ90の収縮可能範囲で溝切り器87が前記横軸芯P7周りで上方側へ変位可能に構成されている。
ロッド89の中間部には係合体89bが一体に溶接固定されており、この係合体89bが上下方向のフレーム10の中間部から前方に向けて延設されたブラケット88に対して係脱可能に構成されている。
【0035】
つまり、ブラケット88の前部寄り箇所に、前記係合体89bの上下二箇所に形成されている係合凹部89cの何れかに対して係合可能な係合ピン88aが固定してある。そして、ブラケット88の後部寄り箇所に形成した長孔88bに、ロッド89を後方側から前方側へ押圧するための押圧体88cが挿入され、かつ、押圧体88cを前方側へ向けて付勢するコイルスプリング88dが、ブラケット88の前端側の止めピン88eと前記押圧体88cとの間に張設されている。
したがって、図5に示すように、溝切り器87が溝切り作用位置に有る状態では、係合体89bの上部箇所に形成されている係合凹部89cがブラケット88の係合ピン88aに係合した状態で位置決めされる。この状態からコイルスプリング88dの付勢力に抗してロッド89を後方側へ揺動操作し、係合ピン88aと上部箇所の係合凹部89cとの係合を外してロッド89を引き上げ操作し、係合体89bの下側の係合凹部89cが係合ピン88aに係合されると、図12に示すように、溝切り器87が田面の上方側へ引き上げられて、溝切り解除位置に操作された状態で維持される。
このように、ブラケット88の係合ピン88aに対するロッド89の係合体89bの係合位置を変更することによって、溝切り器87の後部の下限位置を上下に変更させることができる。
【0036】
図7に示すように、溝切り器87を備えた場合、溝切り器87は第4及び第12供給ラインL4,L12に位置する。溝切り器87の直前方に後輪2が位置するように設定されており、溝切り器87の右及び左側に2個の整地部材67を配設してある。
【0037】
図7に示すように、溝切り器87が第4及び第12供給ラインL4,L12に位置して、図5に示すように溝切り作用状態に操作されていると、第4及び第12供給ラインL4,L12に種籾が供給されない。図12に示すように、溝切り器87が田面の上方側へ引き上げられて、溝切り解除位置に操作された状態とすることによって第4及び第12供給ラインL4,L12に種籾が供給される。
【0038】
つまり、溝切り器87を上下に位置変更させるための前記ロッド89の中間部には、操作ワイヤ92が連結されている。この操作ワイヤ92は、図4に示すところの、第4及び第12供給ラインL4,L12に対応する後繰り出し部48に動力を伝達するクラッチ部材75bを操作するように、図示しない連係機構を介して連係されている。
図5に示すように、ロッド89に備えた係合体89bの上部箇所に形成されている係合凹部89cがブラケット88の係合ピン88aに係合して、溝切り器87が溝切り作用位置に有る状態では、第4及び第12供給ラインL4,L12に対応する後繰り出し部48に動力を伝達するクラッチ部材75bは、バネ75cの押圧付勢力に抗して強制的にクラッチ切り位置に操作される。
ロッド89が引き上げられて、図12に示すように、係合体89bの下部箇所に形成されている係合凹部89cがブラケット88の係合ピン88aに係合して、溝切り器87が溝切り解除位置に有る状態では、第4及び第12供給ラインL4,L12に対応する後繰り出し部48に動力を伝達するクラッチ部材75bは、バネ75cの押圧付勢力によってクラッチ入り位置に操作される。
【0039】
前記ロッド89及びブラケット88は左右二箇所に設けてあり、左右各別に切換操作して、左右の溝切り器87を溝切り作用位置、及び溝切り解除位置に切換操作するように構成されている。
【0040】
図5,7,13に示すように、レーキ状の整地部材65が泥除け板64の前面にボルト連結されており、整地部材65の長孔65aの範囲において、整地部材65の泥除け板64への連結位置を上下に調節することができる。
図12,13に示すように、泥除け板64の後側には、縦フレーム61の下面に左右方向のフレーム66が連結されており、レーキ状の2個の整地部材67が溝切り器87の両横側に位置するようにフレーム66にボルト連結されている。
整地部材67に4個の長孔67aが備えられている。これにより、整地部材67の長孔67aの範囲において、整地部材67のフレーム66への連結位置を上下に調節することができるのであり、整地部材67の4個の長孔67aの、どの長孔67aを使用するかにより、整地部材67のフレーム66への連結位置を左右に調節することができる。
【0041】
図1,2,7に示すように、播種装置5には、中央側の右及び左のフロート31、及び外側の右及び左のフロート32の、4個のフロート31,32が備えられている。4個のフロート31,32は同じもので構成されている。
【0042】
〔前播種装置の支持構造〕
次に、前播種装置5Aの支持構造について説明する。
前播種装置5Aは、図2及び図7に示すように、1つの前ホッパー23と、その下方に位置する左右一対の前繰り出し部20を備えるとともに、1つのフロート31(又は32)、及び左右一対の作溝器27を備えてなる播種ユニットの4組を左右方向に併設したものであり、8条分の播種を行うことができるように構成されている。
【0043】
図5,8,9に示すように、縦フレーム17の後部に上下向きのフレーム21が連結されて、フレーム21の上端部に亘って左右方向の前側上部横フレーム22が連結されており、8個の前繰り出し部20が左右方向に所定間隔を置いて並べて前側上部横フレーム22に連結されている。2個の前繰り出し部20の上部に亘って前ホッパー23が連結されており、8個の前繰り出し部20に対して4個の同一の前ホッパー23が備えられている。
この場合、8個の前繰り出し部20の上部に亘って、横長の単一の前ホッパー23を連結するように構成してもよい。
【0044】
図5,8,9に示すように、フレーム21の上端部にブラケット21aが連結されて、フレーム21のブラケット21aに支持板24が連結されており、支持板24により前ホッパー23の中央部が下側から支持されている。
前ホッパー23は、その上部の前端部に備えた横軸芯P4(揺動支点に相当する)周りに蓋体23aが開閉自在に支持されている。したがって、この前ホッパー23では、前記蓋体23aの後端側をつかんで上方側へ開放操作できるように構成されたものであり、播種装置5の後側から前ホッパー23に種籾の供給を行うことができる。
【0045】
図5,7,8,9に示すように、各縦フレーム17の後端部にチャンネル状のブラケット25が後方開放状態で連設されている。これらの各ブラケット25に亘って左右方向の横フレーム26が連結されている。側面視で三角形状の溝切り板27aの後部に右及び左の縦壁板27bが後向きに連結されて、作溝器27が構成されており、前繰り出し部20の下方に位置するように、8個の作溝器27が左右方向に所定間隔を置いて並べて横フレーム26に連結されている。
【0046】
図8及び図9に示すように、ブラケット25に上下向きの長孔25bが備えられて、横フレーム26がボルト29によりブラケット25の長孔25bに連結されている。これにより、ブラケット25の長孔25bに沿って横フレーム26の高さを調節して、ボルト29により横フレーム26をブラケット25に連結することによって、8個の作溝器27の高さを同時に変更することができる。この場合、フロート31,32の底面よりも少し下方に作溝器27の下端部が位置するようにして、作溝器27により田面Gに浅い溝が形成されるようにする。
【0047】
図5及び図8に示すように、板材を断面コ字状に折り曲げて構成された案内部材28が前繰り出し部20の下部に連結されて下方に延出さており、案内部材28の下部が作溝器27の縦壁板27bの間に挿入されている。
【0048】
これにより図3,4,7に示すように、フロート31,32及び整地部材65,67によって均された田面Gに、後述する第1,3,5,7,9,11,13,15供給ラインL1,L3,L5,L7,L9,L11,L13,L15に沿って、作溝器27によって浅い溝が形成されるのであり、前ホッパー23の種籾が前繰り出し部20により繰り出され、案内部材28で囲まれた空間を落下して、第1,3,5,7,9,11,13,15供給ラインL1,L3,L5,L7,L9,L11,L13,L15に沿って形成された田面Gの浅い溝に供給される。
【0049】
〔後播種装置の支持構造〕
次に、後播種装置5Bの支持構造について説明する。
後播種装置5Bは、図2及び図7に示すように、1つの後ホッパー47と、その下方に位置する左右一対の後繰り出し部48と、左右一対の作溝器55とを備えてなる左右両外側の播種ユニットの2組と、1つの後ホッパー46と、その下方に位置する3箇所の後繰り出し部48と、3箇所の作溝器55とを備えてなる中央部の播種ユニットの1組とを左右方向に併設したものであり、7条分の播種を行うことができるように構成されている。
【0050】
図8,9,10,11に示すように、横フレーム8,9に亘って上下向きのフレーム30,44,45が連結されて、枠状のフレームが構成されている。フレーム44にボス部49が連結されており、ボス部49が左の縦フレーム16に連結された支持部材50の横軸芯P6周りに回転可能に支持されている。フレーム45に支持ピン51が連結されており、支持ピン51が右の縦フレーム16に連結された支持部材52の横軸芯P6周りに回転可能に支持されている。
【0051】
図5,8,10,11に示すように、7個の後繰り出し部48が左右方向に所定間隔を置いて並べて上部横フレーム8に連結されており、後繰り出し部48と前繰り出し部20とは同一の構造のものである。中央の3個の後繰り出し部48の上部に亘って、後ホッパー46が連結されている。右の2個の後繰り出し部48及び左の2個の後繰り出し部48の上部に亘って後ホッパー47が連結されて、4個の後繰り出し部48に対して2個の同一の後ホッパー47が備えられており、前ホッパー23と後ホッパー47とは同一の構造のものである。
この場合、7個の後繰り出し部48の上部に亘って、横長の単一の後ホッパー46を連結するように構成してもよい。
【0052】
図5,8,9,10,11に示すように、フレーム30の上端部にブラケット30aが連結されて、フレーム30のブラケット30aに支持板24が連結されている。支持板24により後ホッパー46,47の中央部が下側から支持されている。
後ホッパー46,47は、その上部の前端部に備えた横軸芯P5(揺動支点に相当する)周りに蓋部46a,47aが開閉自在に支持されている。したがって、この後ホッパー46,47では、その蓋部46a,47aの後端部をつかんで上方側へ開放操作できるように構成されたものであり、播種装置5の後側から後ホッパー46,47に種籾の供給を行うことができる。
【0053】
図5,7,8,9に示すように、横フレーム9の右及び左側部の2個のブラケット53が連結され、ブラケット53に亘って左右方向の横フレーム54が連結されている。側面視で三角形状の溝切り板55aの後部に右及び左の縦壁板55bが後向きに連結されて、作溝器55が構成されており、後繰り出し部48の下方に位置するように、7個の作溝器55が左右方向に所定間隔を置いて並べて横フレーム54に連結されている。
【0054】
図8及び図9に示すように、ブラケット53に上下向きの長孔53aが備えられて、横フレーム54がボルト56によりブラケット53の長孔53aに連結されている。これにより、ブラケット53の長孔53aに沿って横フレーム54の高さを調節して、ボルト56により横フレーム54をブラケット53に連結することによって、7個の作溝器55の高さを同時に変更することができる。
【0055】
この場合、ブラケット53の長孔53aがブラケット25の長孔25bよりも長いものに設定されており、作溝器55の高さの調節範囲が作溝器27の高さの調節範囲よりも大きなものに設定されている。
リンク機構3や播種装置5の全体のたわみ等により播種装置5が後下がり気味になり、作溝器55の高さが作溝器27の高さよりも低くなる傾向があるので、フロート31,32の底面よりも少し下方に作溝器55の下端部が位置するように、作溝器27の高さを設定した後、作溝器27と同じ高さになるように作溝器55の高さを設定する。このように作溝器27と同じ高さになるように作溝器55の高さを設定する際に、作溝器55の高さの調節範囲が大きいことが有効となる。
【0056】
図5及び図8に示すように、板材を断面コ字状に折り曲げて構成された案内部材57が後繰り出し部48の下部に連結されて下方に延出さており、案内部材57の下部が作溝器55の縦壁板55bの間に挿入されている。
【0057】
これにより、図3,4,7に示すように、フロート31,32及び整地部材65,67によって均された田面Gに、後述する第2,4,6,8,10,12,14供給ラインL2,L4,L6,L8,L10,L12,L14に沿って、作溝器55によって浅い溝が形成されるのであり、後ホッパー46,47の種籾が後繰り出し部48により繰り出され、案内部材57で囲まれた空間を落下して、第2,4,6,8,10,12,14供給ラインL2,L4,L6,L8,L10,L12,L14に沿って形成された田面Gの浅い溝に供給される。
【0058】
〔後播種装置の姿勢変更〕
次に、後播種装置5Bの姿勢変更について説明する。
図8,10,11に示すように、フレーム44に連結されたボス部49が、左の縦フレーム16に連結された支持部材50の横軸芯P6周りに回転自在に支持され、フレーム45に連結された支持ピン51が、右の縦フレーム16に連結された支持部材52の横軸芯P6周りに回転自在に支持されている。
【0059】
これにより、図5及び図8に示すように、3個の後ホッパー46,47、7個の後繰り出し部48、7個の作溝器55及び7個の案内部材57等が、横フレーム8,9に支持された状態で、ボス部49及び支持ピン51により支持部材50,52に、横軸芯P6周りに揺動自在に支持された状態となっている。
【0060】
図8,10,11に示すように、横フレーム9の右及び左端部にブラケット9aが連結されて、連結ピン58が横フレーム9のブラケット9aに左右方向にスライド自在及び左右方向の横軸芯周りに回転自在に支持されており、連結ピン58を横外側の突出側に付勢するバネ59が備えられている。
【0061】
図5,8,10,11に示す状態は、後ホッパー46,47、後繰り出し部48、作溝器55及び案内部材57が起立した作業姿勢であり、縦フレーム16の後端部に連結された係合部16bの開口に連結ピン58を挿入した状態であり、後ホッパー46,47、後繰り出し部48、作溝器55及び案内部材57が連結ピン58により作業姿勢に固定された状態である。作業姿勢において、後繰り出し部48が前繰り出し部20と同じ高さに配置されるのであり、後ホッパー46,47が前ホッパー23と同じ高さに配置される。
【0062】
作業姿勢において、フロート31,32及び整地部材65,67によって均された田面Gに、第2,4,6,8,10,12,14供給ラインL2,L4,L6,L8,L10,L12,L14に沿って、作溝器55によって浅い溝が形成されるのであり、後ホッパー46,47の種籾が後繰り出し部48により繰り出され、案内部材57で囲まれた空間を落下して、第2,4,6,8,10,12,14供給ラインL2,L4,L6,L8,L10,L12,L14に沿って形成された田面Gの浅い溝に供給される。
【0063】
図6に示すように、縦フレーム16の係合部16bから連結ピン58を抜くことによって、後ホッパー46,47、後繰り出し部48、作溝器55及び案内部材57を横軸芯P6周りで図中時計回りに回動させることができる。
左の縦フレーム16の後端部に連結された支持板16cにフレーム44を当てて、後ホッパー46,47、後繰り出し部48、作溝器55及び案内部材57の重量を左の縦フレーム16の支持板16cに支持させることにより、後ホッパー46,47、後繰り出し部48が後方に倒れ、作溝器55及び案内部材57が前方に浮き上がった非作業姿勢とすることができる。
【0064】
図6に示す非作業姿勢の状態から、後ホッパー46,47、後繰り出し部48、作溝器55及び案内部材57を、横軸芯P6周りで図中反時計回りに回動させることにより、図5に示す作業姿勢に戻すことができる。
図6及び図10に示すように、横フレーム8,9を図5及び図6の紙面反時計方向に付勢するバネ60が、ボス部49に外嵌されて支持部材50とフレーム44とに亘って取り付けられており、後ホッパー46,47、後繰り出し部48、作溝器55及び案内部材57を上方に持ち上げる際に、バネ60の付勢力が補助となる。
【0065】
〔前後の繰り出し部の配置〕
次に、前及び後繰り出し部20,48の配置について説明する。
図3,4,7に示すように、前後方向に沿った15個の第1〜15供給ラインL1〜L15が、左右方向に所定間隔W1を置いて田面Gに設定されており、左端部の供給ラインを第1供給ラインL1として、右側に第2〜15供給ラインL2〜L15が設定されている。この場合、隣接する供給ラインの間隔(所定間隔W1)は、150mm程度に設定されている。
【0066】
図3,4,7に示すように、8個の前繰り出し部20が、第1,3,5,7,9,11,13,15供給ラインL1,L3,L5,L7,L9,L11,L13,L15(奇数番目の供給ライン)の上方に位置するように、左右方向に所定の間隔をおいて並べて配置されている。この前繰り出し部20同士の左右方向での隣接間隔が、前播種装置5Aによって圃場に播種される箇所同士の間隔、つまり前播種装置5Aの播種間隔W2である。8個の作溝器27が、第1,3,5,7,9,11,13,15供給ラインL1,L3,L5,L7,L9,L11,L13,L15(奇数番目の供給ライン)の位置に配置されている。
【0067】
図3,4,7に示すように、前繰り出し部20の後側において、7個の後繰り出し部48が、第2,4,6,8,10,12,14供給ラインL2,L4,L6,L8,L10,L12,L14(偶数番目の供給ライン)の上方に位置するように、左右方向に所定間隔を置いて並べて配置されている。この後繰り出し部48同士の左右方向での隣接間隔が、後播種装置5Bによって圃場に播種される箇所同士の間隔、つまり後播種装置5Bの播種間隔W3であり、これは前播種装置5Aの播種間隔W2と等間隔に設定されている。7個の作溝器55が、第2,4,6,8,10,12,14供給ラインL2,L4,L6,L8,L10,L12,L14(偶数番目の供給ライン)の位置に配置されている。
【0068】
以上の構造により、図3,4,7に示すように、隣接する前繰り出し部20の間隔(播種間隔W2)が、隣接する供給ラインの間隔(所定間隔W1)の2倍になるのであり、隣接する後繰り出し部48の間隔(播種間隔W3)が、隣接する供給ラインの間隔(所定間隔W1)の2倍になる。
前及び後繰り出し部20,48が前後方向視において左右方向にずれることになるのであり、前後方向視において前繰り出し部20の間に、後繰り出し部48が位置する状態となる。この場合に、前繰り出し部20の数と後繰り出し部48の数との差が1個であるので、前後方向視において隣接する前繰り出し部20の間の全てに、後繰り出し部48が配置されている。
【0069】
図3,4,7に示すように、機体及び播種装置5の左右方向での中心線CLが第8供給ラインL8の位置となって、4番目の後繰り出し部48(第8供給ラインL8)が中心線CL上に位置し、4番目の前繰り出し部20(第7供給ラインL7)と、5番目の前繰り出し部20(第9供給ラインL9)との間に中心線CLが位置する。
これにより、中央の供給ライン(第8供給ラインL8)の右及び左側に同数の前繰り出し部20が左右対称に配置されるのであり、中央の供給ライン(第8供給ラインL8)に中央の後繰り出し部48が配置され、中央の後繰り出し部48の右及び左側に同数の後繰り出し部48が左右対称に配置される状態となる。
【0070】
〔繰り出し部への伝動構造〕
次に、前及び後繰り出し部20,48への伝動構造について説明する。
図4,5,9に示すように、横フレーム6の中央部の上部に、ボス部68が支持部材78を介して前後向きに連結されて、ボス部68の後端部にベベルギヤケース69が連結されており、前側上部横フレーム22の左端部及び支持部材50に亘って平板状の支持板70が連結されている。ボス部68に入力軸71が回転自在に支持されており、機体の前部に備えられたエンジン7の動力が伝動軸95を介して入力軸71に伝達されている。
【0071】
図4及び図5に示すように、ベベルギヤケース69と支持板70とに亘って伝動軸72が架設されており、ベベルギヤケース69において、入力軸71に固定されたベベルギヤ71aと、伝動軸72に固定されたベベルギヤ72aとが咬合している。支持板70及び前繰り出し部20に亘って左右方向に1本の伝動軸73が架設されており、支持板70側において、伝動軸72に固定されたスプロケット72bと、伝動軸73に固定されたスプロケット73dとに亘って伝動チェーン74が架設されている。
【0072】
図4,5,8,10に示すように、ボス部49の内部及び後繰り出し部48に亘って左右方向に1本の伝動軸75が架設されて、支持板70の後部の開口部70aにボス部49及び伝動軸75が挿入されており、支持板70側において、伝動軸73に固定されたスプロケット73eと、伝動軸75に固定されたスプロケット75dとに亘って伝動チェーン76が架設されている。
【0073】
図4,8,10に示すように、伝動軸72のスプロケット72b、伝動軸73のスプロケット73d,73e、伝動軸75のスプロケット75d、伝動チェーン74,76等を覆うカバー77が、支持板70に連結されている。
図5,10,11に示すように、伝動軸75が横軸芯P6(ボス部49及び支持ピン51)と同芯状に配置されているので、後ホッパー46,47、後繰り出し部48、作溝器55及び案内部材57を作業及び非作業姿勢に操作しても、伝動軸75等に無理は生じない。
【0074】
図4及び図8に示すように、8個の出力ギヤ73aが伝動軸73に相対回転自在に外嵌されて、8個のクラッチ部材73bが伝動軸73に一体回転及びスライド自在に外嵌されており、クラッチ部材73bを出力ギヤ73aとの咬合側に付勢するバネ73cが、伝動軸73に外嵌されている。前繰り出し部20の入力ギヤ20aが前繰り出し部20の左側面に備えられており、前繰り出し部20の入力ギヤ20aと伝動軸73の出力ギヤ73aとが咬合している。
【0075】
図4,10,11に示すように、7個の出力ギヤ75aが伝動軸75に相対回転自在に外嵌されて、7個のクラッチ部材75bが伝動軸75に一体回転及びスライド自在に外嵌されており、クラッチ部材75bを出力ギヤ75aとの咬合側に付勢するバネ75cが、伝動軸75に外嵌されている。後繰り出し部48の入力ギヤ48aが後繰り出し部48の左側面に備えられており、後繰り出し部48の入力ギヤ48aと伝動軸75の出力ギヤ75aとが咬合している。
【0076】
以上の構造により図4に示すように、エンジン7の動力が入力軸71、伝動軸72及び伝動チェーン74を介して伝動軸73に伝達されるのであり、伝動チェーン76を介して伝動軸75に伝達される。
伝動軸73,75のクラッチ部材73b,75bが出力ギヤ73a,75aに咬合している状態において、伝動軸73,75の動力が伝動軸73,75の出力ギヤ73a,75aから前繰り出し部20の入力ギヤ20a(後繰り出し部48の入力ギヤ48a)に伝達されて、前繰り出し部20(後繰り出し部48)が駆動される。
【0077】
〔繰り出し駆動停止〕
次に、前及び後繰り出し部20,48の駆動及び停止構造について説明する。
図4に示すように、前繰り出し部20に亘って左右方向に1本の操作軸79が回転自在に架設されており、伝動軸73のクラッチ部材73bに対応するように、8個のカム部材79aが操作軸79に連結されている。操作軸79の右端部に操作レバー80が連結されており、円板状のレバーガイド81が前側上部横フレーム22の右端部に連結されている。
【0078】
図4,10,11に示すように、後繰り出し部48に亘って左右方向に1本の操作軸82が回転自在に架設されており、伝動軸75のクラッチ部材75bに対応するように、7個のカム部材82aが操作軸82に連結されている。操作軸82の右端部に操作レバー83が連結されており、円板状のレバーガイド84が上部横フレーム8の右端部に連結されている。
【0079】
以上の構造により、操作レバー80,83により操作軸79,82を回転操作することにより、後述するように操作軸79,82のカム部材79a,82aによって、伝動軸73,75のクラッチ部材73b,75bがバネ73c,75cに抗して出力ギヤ73a,75aから離し操作されて、前及び後繰り出し部20,48が停止する。
【0080】
操作レバー80及びレバーガイド81は以下に示す第1〜8位置を備えている。
第1位置(全ての前繰り出し部20が駆動された状態)。
第2位置(1,2番目の前繰り出し部20(第1,3供給ラインL1,L3)が停止して、これ以外の前繰り出し部20が駆動された状態)。
第3位置(1〜4番目の前繰り出し部20(第1,3,5,7供給ラインL1,L3,L5,L7)が停止して、これ以外の前繰り出し部20が駆動された状態)。
第4位置(1〜6番目の前繰り出し部20(第1,3,5,7,9,11供給ラインL1,L3,L5,L7,L9,L11)が停止して、これ以外の前繰り出し部20が駆動された状態)。
第5位置(7,8番目の前繰り出し部20(第13,15供給ラインL13,L15)が停止して、これ以外の前繰り出し部20が駆動された状態)。
第6位置(5〜8番目の前繰り出し部20(第9,11,13,15供給ラインL9,L11,L13,L15)が停止し、これ以外の前繰り出し部20が駆動された状態)。
第7位置(3〜8番目の前繰り出し部20(第5,7,9,11,13,15供給ラインL5,L7,L9,L11,L13,L15)が停止して、これ以外の前繰り出し部20が駆動された状態)。
第8位置(全ての前繰り出し部20が停止した状態)。
【0081】
操作レバー83及びレバーガイド84は以下に示す第1〜8位置を備えている。
第1位置(全ての後繰り出し部48が駆動された状態)。
第2位置(1,2番目の後繰り出し部48(第2,4供給ラインL2,L4)が停止して、これ以外の後繰り出し部48が駆動された状態)。
第3位置(1〜4番目の後繰り出し部48(第2,4,6,8供給ラインL2,L4,L6,L8)が停止して、これ以外の後繰り出し部48が駆動された状態)。
第4位置(1〜5番目の後繰り出し部48(第2,4,6,8,10供給ラインL2,L4,L6,L8,L10)が停止して、これ以外の後繰り出し部48が駆動された状態)。
第5位置(6,7番目の後繰り出し部48(第12,14供給ラインL12,L14)が停止して、これ以外の後繰り出し部48が駆動された状態)。
第6位置(5〜7番目の後繰り出し部48(第10,12,14供給ラインL10,L12,L14)が停止し、これ以外の後繰り出し部48が駆動された状態)。
第7位置(3〜7番目の前繰り出し部20(第6,8,10,12,14供給ラインL6,L8,L10,L12,L14)が停止して、これ以外の後繰り出し部48が駆動された状態)。
第8位置(全ての後繰り出し部48が停止した状態)。
【0082】
通常の状態では、操作レバー80,83を第1位置に操作しておき、全ての前及び後繰り出し部20,48が駆動された状態としておく。種籾を部分的に田面Gに供給しない場合、操作レバー80を第2位置に操作すれば、操作レバー83も第2位置に操作するというように、操作レバー80,83を同じ位置に操作するのであり、前及び後繰り出し部20,48の停止状態は前述のとおりである。
【0083】
〔繰り出し調節〕
次に、前及び後繰り出し部20,48の繰り出し量の調節構造について説明する。
図4及び図8に示すように、前繰り出し部20の繰り出し量を調節する調節ギヤ20bが、前繰り出し部20の右側面に備えられている。前繰り出し部20に亘って左右方向に1本の操作軸85が回転自在及び軸芯方向にスライド自在に架設されており、前繰り出し部20の調節ギヤ20bに対応するように、8個の調節ギヤ85aが操作軸85に連結されている。操作軸85の右端部にハンドル部85bが備えられており、通常の状態では、前繰り出し部20の調節ギヤ20bと操作軸85の調節ギヤ85aとは咬合していない。
【0084】
図4,10,11に示すように、後繰り出し部48の繰り出し量を調節する調節ギヤ48bが、後繰り出し部48の右側面に備えられている。後繰り出し部48に亘って左右方向に1本の操作軸86が回転自在及び軸芯方向にスライド自在に架設されており、後繰り出し部48の調節ギヤ48bに対応するように、7個の調節ギヤ86aが操作軸86に連結されている。操作軸86の右端部にハンドル部86bが備えられており、通常の状態では、後繰り出し部48の調節ギヤ48bと操作軸86の調節ギヤ86aとは咬合していない。
【0085】
以上の構造により、前及び後繰り出し部20,48の繰り出し量を調節する場合、操作軸85,86を右方にスライド操作して、操作軸85,86の調節ギヤ85a,86aを前及び後繰り出し部20,48の調節ギヤ20b,48bに咬合させる。
この後、操作軸85,86のハンドル部85b,86bにより操作軸85,86を回転操作して、前及び後繰り出し部20,48の調節ギヤ20b,48bを回転させて、前及び後繰り出し部20,48の繰り出し量を調節する。この場合、全ての前繰り出し部20の繰り出し量を同時に調節することができるのであり、全ての後繰り出し部48の繰り出し量を同時に調節することができる。
【0086】
〔播種パターン〕
上記の構造の播種装置5で供給される播種パターンとしては、各種のパターンが存在する。
一例を示すと、図15(a)に示すように、前播種装置5Aの各繰り出し部20と、後播種装置5Bの各繰り出し部48とから、同時に播種されるようにしてもよい。
この場合には、白丸で示す前播種装置5Aでの左右方向の播種間隔W2と、黒丸で示す後播種装置5Bでの左右方向の播種間隔W3とが同一間隔であり、かつ、黒丸で示される後播種装置5Bでの播種位置が、左右方向で前播種装置5Aにおける左右方向の播種間隔W2の幅内に位置するように播種される。
また、前後方向でも、白丸で示す前播種装置5Aでの前後方向の播種間隔S1と、黒丸で示す後播種装置5Bでの前後方向の播種間隔S2とが同一間隔であり、かつ、黒丸で示される後播種装置5Bでの播種位置が、左右方向で播種装置5Aにおける左右方向の播種間隔W2の幅内に位置するように播種される。この場合、前後方向の播種間隔S1,S2は、左右方向の播種間隔W2,W3と同一間隔に設定されているが、前後方向の播種間隔S1,S2が左右方向の播種間隔W2,W3よりも多少広い、あるいは多少狭いものであっても差し支えない。
【0087】
また、図15(b)に示すように、前播種装置5Aの各繰り出し部20と、後播種装置5Bの各繰り出し部48とから播種された種籾が、左右方向でほぼ一直線上に並ぶ状態に播種されるようにしてもよい。
この場合にも、白丸で示す前播種装置5Aでの左右方向の播種間隔W2と、黒丸で示す後播種装置5Bでの左右方向の播種間隔W3とが同一間隔であり、かつ、黒丸で示される後播種装置5Bでの播種位置が、左右方向で前播種装置5Aにおける左右方向の播種間隔W2の幅内に位置するように播種される。
しかし、前後方向では、白丸で示す前播種装置5Aでの前後方向の播種間隔S1と、黒丸で示す後播種装置5Bでの前後方向の播種間隔S2とは同一間隔であるものの、白丸で示す前播種装置5Aでの播種位置と、ほぼ同等の前後方向位置に、黒丸で示される後播種装置5Bでの播種位置が存在するので、全体の播種位置が左右方向でほぼ一直線上に並ぶ状態に播種される。
【0088】
さらにまた、図15(c)に示すように、前播種装置5Aの各繰り出し部20と、後播種装置5Bの各繰り出し部48とから播種された種籾が、それぞれ前後方向でほぼ一直線上に並ぶ状態に播種されるようにしてもよい。
この場合にも、白丸で示す前播種装置5Aでの左右方向の播種間隔W2と、黒丸で示す後播種装置5Bでの左右方向の播種間隔W3とが同一間隔であり、かつ、黒丸で示される後播種装置5Bでの播種位置が、左右方向で播種装置5Aにおける左右方向の播種間隔W2の幅内に位置するように播種される。
しかし、この場合には、白丸で示す前播種装置5Aでの前後方向の播種間隔S1と、黒丸で示す後播種装置5Bでの前後方向の播種間隔S2とが、それぞれの左右方向での播種間隔W2,W2に比べてかなり幅狭に設定されているので、それぞれの播種位置が前後方向でほぼ一直線上に並ぶ状態に播種される。
【0089】
尚、黒丸で示される後播種装置5Bでの播種位置と、その左右両側における白丸で示される前播種装置5Aでの播種位置との間隔が、左右両側で等しい間隔である必要はなく、左右何れかの側に偏った状態で播種されるものであっても差し支えなく、要は、後播種装置5Bでの播種位置が、左右方向で前播種装置5Aにおける左右方向の播種間隔W2の幅内に位置するように播種されるものであればよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0090】
〔別実施形態の1〕
上記の実施形態では、前播種装置5Aにフロート31(又は32)を設けた構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。例えば、図16に示すように、フロート31(又は32)を前播種装置5Aにではなく、後播種装置5Bに設けたものであってもよい。
このように後播種装置5Bにフロート31(又は32)を設けた場合、後播種装置5Bにおける播種ユニットは、1つの後ホッパー47と、その下方に位置する左右一対の後繰り出し部48と、左右一対の作溝器55との他に、1つのフロート31(又は32)が加えられたもので構成される。よって、播種予定条数が奇数条である場合には、後播種装置5Bに偶数条を播種する播種ユニットが装備されることになる。
また、フロート31(又は32)を全く用いないものであってもよい。この場合、播種装置5の昇降操作を行うリンク機構3の対機体高さを制御するなどして、播種対象の田面と前播種装置5A及び後播種装置5Bの対地高さを制御するように構成するのが望ましい。つまり、図示はしないが、例えば田面に接して揺動作動する泥面検知体を用いて、田面から播種装置5の繰り出し部22,48までの高さを検出し、その検出結果に基づいてリンク機構3の対機体高さを制御するなどすればよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0091】
〔別実施形態の2〕
上記の実施形態では、播種装置5として、1つの前ホッパー23と、その下方に位置する左右一対の前繰り出し部20、及び左右一対の作溝器27を備える構造のもの、あるいは、1つの後ホッパー46と、その下方に位置する3箇所の後繰り出し部48と、3箇所の作溝器55とを備える構造のものを例示したが、ホッパーと繰り出し部と作溝器との組み合わせ個数に関しては、これに限られるものではない。
すなわち、1つのホッパーに1つの繰り出し部と1つの作溝器、あるいは4つ以上の繰り出し部と4つ以上の作溝器を設けるものであっても差し支えない。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0092】
〔別実施形態の3〕
上記の実施形態では、直播機として、整地部材65,67とともに、溝切り器87を備えた構造のものを例示したが、これに限られるものではない。
例えば図17に示すように、溝切り器を備えずに整地部材65及び67を備えた構造のものであっても差し支えない。
この場合、左右の後輪2と、その通過跡付近の播種位置を示す第3及び第4供給ラインL3,L4、ならびに第12及び第13供給ラインL12,L13との位置関係は次のように設定するのが望ましい。
後輪2は外周部のリム部2aと、リム部2aの円周方向に沿って所定間隔を置いて備えられるラグ部2bとを備えて構成されており、リム部2aの横幅よりもラグ部2bの横幅が大きなものとなっている。
【0093】
図17に示すように、右及び左の後輪2において、後輪2(リム部2a)の横幅の左右中心から後方に延長された仮想中心線C1が設定されている。
この場合、仮想中心線C1に整地部材65と整地部材67との重複部分が位置するように、整地部材65,67の位置が設定されている。仮想中心線C1から右及び左側に外れた位置に種籾が供給されるように、仮想中心線C1の近傍の第3及び第4供給ラインL3,L4(作溝器27,55)、第12及び第13供給ラインL12,L13(作溝器27,55)の位置が設定されている。
【0094】
図17に示すように、右及び左の後輪2において、後輪2のリム部2aの横幅の右及び左端部から後方に延長された仮想リム部線C2と、後輪2のラグ部2bの横幅の右及び左端部から後方に延長された仮想ラグ部線C3とが設定されている。
この場合、仮想リム部線C2に整地部材65と整地部材67との重複部分が位置するように、整地部材65,67の位置が設定されており、仮想ラグ部線C3に整地部材65,67が位置するように、整地部材65,67の位置が設定されている。
【0095】
図17に示すように、左の後輪2において、仮想中心線C1の左側の仮想リム部線C2と仮想ラグ部線C3との間の位置に種籾が供給されるように、第3供給ラインL3(作溝器27)の位置が設定されている。仮想中心線C1の右側の仮想リム部線C2と仮想ラグ部線C3との間の位置に種籾が供給されるように、第4供給ラインL4(作溝器55)の位置が設定されている。
【0096】
この場合、左の後輪2において、仮想ラグ部線C3の位置に種籾が供給されるように、第3及び第4供給ラインL3,L4(作溝器27,55)の位置を設定してもよい。
仮想中心線C1の左側の仮想ラグ部線C3から左側に外れた位置に種籾が供給されるように、第3供給ラインL3(作溝器27)の位置を設定してもよく、仮想中心線C1の右側の仮想ラグ部線C3から右側に外れた位置に種籾が供給されるように、第4供給ラインL4(作溝器55)の位置を設定してもよい。
【0097】
図17に示すように、右の後輪2において、仮想中心線C1の左側の仮想リム部線C2と仮想ラグ部線C3との間の位置に種籾が供給されるように、第12供給ラインL12(作溝器55)の位置が設定されている。仮想中心線C1の右側の仮想リム部線C2と仮想ラグ部線C3との間の位置に種籾が供給されるように、第13供給ラインL13(作溝器27)の位置が設定されている。
【0098】
この場合、右の後輪2において、仮想ラグ部線C3の位置に種籾が供給されるように、第12及び第13供給ラインL12,L13(作溝器27,55)の位置を設定してもよい。
仮想中心線C1の左側の仮想ラグ部線C3から左側に外れた位置に種籾が供給されるように、第12供給ラインL12(作溝器55)の位置を設定してもよく、仮想中心線C1の右側の仮想ラグ部線C3から右側に外れた位置に種籾が供給されるように、第13供給ラインL13(作溝器27)の位置を設定してもよい。
また、図示はしないが、溝切り器87を備えた構造のものにおいて、中央部の整地部材65を省き、溝切り器87とその左右両側の整地部材67とを備えた構造のものに構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0099】
〔別実施形態の4〕
上記の実施形態では、播種装置5に備えるフロート31(又は32)として、前播種装置5A、もしくは後播種装置5Bの何れかの下部位置に、フロート31(又は32)を左右方向に沿って列状に設けた構造のものを例示したが、これに限られるものではない。
例えば図18に示すように、前播種装置5Aの下部に、外側の右及び左のフロート32と、中央側の右及び左のフロート31との4個のフロート31,32を備えるとともに、その前方側に別の前部フロート31F,32Fを設けたものであってもよい。
この前部フロート31F,32Fは、外側の右及び左のフロート32、並びに中央側の右及び左のフロート31のうちの隣接するフロート同士の間隔Dの前方側に位置して、かつ左右方向で重複するように前記間隔Dよりも幅広に形成されている。この前部フロート31F,32Fによって、外側の右及び左のフロート32、並びに中央側の右及び左のフロート31では整地されない左右方向での範囲を整地するように配設されている。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0100】
〔別実施形態の5〕
上記の実施形態では、前播種装置5Aに8個の前繰り出し部20、及び同数の作溝器27を設け、後播種装置5Bに7個の後繰り出し部48、及び同数の作溝器55を設けた構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
すなわち、上記の実施形態では、播種条数が15条であるため、前側の前播種装置5Aに8個の前繰り出し部20や作溝器27を設け、後側の後播種装置5Bに7個の後繰り出し部48や作溝器55を設けたが、播種条数としては15条に限らず、これよりも少数、もしくは多数の条数での播種を行うようにしてもよい。そして播種条数が異なれば、当然に、前播種装置5Aの前繰り出し部20や作溝器27、及び後播種装置5Bの後繰り出し部48や作溝器55の数も異なってくる。例えば、13条であれば、前播種装置5Aに7個の前繰り出し部20や作溝器27を設け、後側の後播種装置5Bに6個の後繰り出し部48や作溝器55を設けたものを採用することができるものであり、17条であれば、前播種装置5Aに9個の前繰り出し部20や作溝器27を設け、後側の後播種装置5Bに8個の後繰り出し部48や作溝器55を設けたものを採用することができる。このように、播種予定条数に応じて適宜に前後で分割した条数とすればよい。
また、前播種装置5Aの前繰り出し部20や作溝器27と、後播種装置5Bの後繰り出し部48や作溝器55との関係では、前播種装置5A側の前繰り出し部20や作溝器27の個数が、後播種装置5Bの後繰り出し部48や作溝器55の個数よりも多いものである必要はなく、逆に、前播種装置5A側の前繰り出し部20や作溝器27の個数よりも、後播種装置5Bの後繰り出し部48や作溝器55の個数が多いものであってもよい。さらに、前播種装置5A側の前繰り出し部20や作溝器27の個数と、後播種装置5Bの後繰り出し部48や作溝器55の個数が同数であっても差し支えない。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0101】
〔別実施形態の6〕
上記の実施形態では、前播種装置5Aの前繰り出し部20と後播種装置5Bの後繰り出し部48とが左右方向で異なる位置に配設された構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
すなわち、前播種装置5Aの前繰り出し部20と後播種装置5Bの後繰り出し部48とが左右方向で同位置に設けられたものであってもよい。この場合は、前播種装置5Aの前繰り出し部20と後播種装置5Bの後繰り出し部48とのいずれか一方から繰り出された種籾を、他方から繰り出された種籾の落下位置とは左右方向で異なる位置に落下するように案内する案内手段を設けておく、もしくは、前播種装置5Aの前繰り出し部20と後播種装置5Bの後繰り出し部48との両方から繰り出された種籾が左右方向で異なる位置に落下するように案内する案内手段を設けておく必要がある。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0102】
〔別実施形態の7〕
上記の実施形態では、溝切り器87を播種装置5の前端側に備えた泥除け板64の下方側で上下向きのフレーム62の下端部に設けたものを例示したが、この構造に限られるものではなく、播種装置5の前後方向での中間位置や後方側位置に設けてもよい。
例えば、図示はしないが、播種装置5の前後方向での中間位置に存在する横フレーム26に取付部材を装着して溝切り器87を連結固定するように構成してもよい。また、溝切り器87の取付対象も播種支持枠5Cに限らず、中央側の右及び左のフロート31の下面、又は外側の右及び左のフロート32の下面に固定して設けてよい。あるいは、最外側に位置するガード部材19の下部に固定して設けてもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0103】
〔別実施形態の8〕
上記の実施形態では、前播種装置5Aの前ホッパー23の上端部と、後播種装置5Bの後ホッパー46,47の上端部とがほぼ同高さである構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
すなわち、前播種装置5Aの前ホッパー23の上端部と、後播種装置5Bの後ホッパー46,47の上端部との高さが異なるものであっても差し支えない。例えば、前播種装置5Aの前ホッパー23の上端部が後播種装置5Bの後ホッパー46,47の上端部よりも高い、あるいは、逆に前播種装置5Aの前ホッパー23の上端部が後播種装置5Bの後ホッパー46,47の上端部よりも低い構造のものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0104】
〔別実施形態の9〕
上記の実施形態では、前播種装置5Aの前ホッパー23の上端部と、後播種装置5Bの後ホッパー46,47の上端部とが、それぞれ左右方向で、ほぼ同高さである構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
すなわち、前播種装置5Aの前ホッパー23の上端部が左右方向で、中央側が高く、左右外方側が低い構造であるとか、逆に中央側が低く、左右外方側が高い構造のものであってもよい。また、後播種装置5Bの後ホッパー46,47においても同様で、左右方向での中央側が高く、左右外方側が低い構造、あるいは、逆に中央側が低く、左右外方側が高い構造のものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0105】
〔別実施形態の10〕
上記の実施形態では、播種装置5に作溝器27,55を備えた構造のものを例示したが、これに限らず、作溝器27,55を備えない構造のものであっても差し支えない。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、催芽状態で少し芽が出始めた状態の種籾を田面Gに供給する直播機に限らず、鉄コーティング処理された種籾、カルパコーティング処理された種籾、肥料や薬剤等の粉粒体を田面Gに供給する直播機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0107】
5 播種装置
5A 前播種装置
5B 後播種装置
8 フレーム
20,48 前繰り出し部
23,46,47 ホッパー
23a 蓋体
P4,P5 揺動支点
31,32 整地フロート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18