(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
筐体の内部に、ディスクを保持する回転駆動部を搭載した駆動ベースが弾性支持され、前記回転駆動部での保持が解除されたディスクを筐体の外部へ向けて搬出する搬送ローラが設けられているディスク装置において、
前記搬送ローラの回転力でディスクを筐体から搬出するときに、前記駆動ベースを前記筐体の内部で拘束する拘束機構が設けられており、
前記駆動ベースに、前記回転駆動部へのディスクのクランプとクランプ解除を行う切換えスライダが設けられ、前記切換えスライダに、前記回転駆動部で保持されていたディスクを搬出する動作が開始されてから、前記拘束機構による前記駆動ベースの拘束が完了するまでの間に、前記筐体に当たって前記駆動ベースの動きを規制する規制部材が一体に形成されており、
前記切換えスライダが、前記回転駆動部におけるディスクの保持を解除する方向へ移動するときに、前記規制部材が前記筐体の内部に当たって、前記駆動ベースが規制されることを特徴とするディスク装置。
前記駆動ベースの前部に前記拘束機構が設けられ、前記拘束機構では、前記駆動ベースに拘束部材が回動自在に支持されて、前記拘束部材が回動したときにその一部が前記筐体に当たって、前記駆動ベースが拘束され、前記規制部材が、前記拘束部材の回動力によって回動させられる請求項2記載のディスク装置。
前記筐体には、遮蔽部材と、前記遮蔽部材をディスクの挿入経路を横断する遮蔽位置と前記挿入経路から離れる開放位置との間で移動させる遮蔽機構とが設けられ、前記駆動ベースに、前記遮蔽機構を動作させる遮蔽切換え部が設けられており、
前記規制部材によって、前記遮蔽切換え部が前記遮蔽機構から離れる方向へ前記駆動ベースが動かないように規制される請求項1ないし6のいずれかに記載のディスク装置。
前記搬送ローラに対向する対向部材と、前記搬送ローラを支持するローラブラケットと、前記ローラブラケットを動作させて前記搬送ローラを前記対向部材に向けて移動させるローラ付勢ばねとが設けられて、前記搬送ローラと前記対向部材とでディスクが挟まれてディスクが搬出され、
前記規制部材によって、前記駆動ベースが、前記搬送ローラでディスクを押し付ける方向と同じ方向へ動かないように規制される請求項1ないし7のいずれかに記載のディスク装置。
前記搬送ローラは、前記対向部材から離れているときに、ディスクを搬出する方向へ回転し始め、前記搬送ローラが、ディスクを前記対向部材に押し付ける前に、前記駆動ベースが前記規制部材で規制される請求項8記載のディスク装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のディスク装置では、回転駆動部でのディスクの保持が解除された後に、拘束機構による駆動ベースの拘束が完了するまでの間に、弾性支持されている駆動ベースが筐体の内部で動いてしまう問題がある。
【0009】
駆動ベースの拘束が完了するまでの間に、搬出方向へ回転している搬送ローラがディスクに当たると、ディスクが筐体の外部に向けて動き出してしまうが、このときに駆動ベースが動いてしまうと、搬出中のディスクが挿入・排出口の縁部などに当たって、ディスクが搬出されなくなる課題が生じやすい。
【0010】
また、筐体の前部の挿入・排出口に遮蔽部材(シャッタ)が設けられ、この遮蔽部材が、駆動ベースに設けられた遮蔽切換え部で動作させられる構造を採用しているディスク装置において、ディスクの搬出動作の開始時に駆動ベースが動いてしまうと、遮蔽切換え部で遮蔽部材を確実に開放させることができないことがあり得る。
【0011】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、回転駆動部でのディスクの保持が解除された後で、駆動ベースの拘束が完了するまでの間に、駆動ベースの動きを規制できるようにしたディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、筐体の内部に、ディスクを保持する回転駆動部を搭載した駆動ベースが弾性支持され、前記回転駆動部での保持が解除されたディスクを筐体の外部へ向けて搬出する搬送ローラが設けられているディスク装置において、
前記搬送ローラの回転力でディスクを筐体から搬出するときに、前記駆動ベースを前記筐体の内部で拘束する拘束機構が設けられており、
前記駆動ベースに
、前記回転駆動部へのディスクのクランプとクランプ解除を行う切換えスライダが設けられ、前記切換えスライダに、前記回転駆動部で保持されていたディスクを搬出する動作が開始されてから、前記拘束機構による前記駆動ベースの拘束が完了するまでの間に、前記筐体に当たって前記駆動ベースの動きを規制する規制部材が一体に形成されており、
前記切換えスライダが、前記回転駆動部におけるディスクの保持を解除する方向へ移動するときに、前記規制部材が前記筐体の内部に当たって、前記駆動ベースが規制されることを特徴とするものである。
【0013】
例えば、本発明のディスク装置は、前記回転駆動部でのディスクの保持解除動作と、前記拘束機構による前記駆動ベースの拘束動作が、同じ駆動源からの動力の伝達によって行われる。
【0014】
また、前記回転駆動部でのディスクの保持解除の開始と前記拘束機構による前記駆動ベースの拘束の完了との間に時間があり、前記規制部材による規制動作が前記時間に行われる。
【0015】
ディスク装置では、回転駆動部によるディスクの保持が解除された後から駆動ベースの拘束が完了するまでの間に、駆動ベースが弾性支持される時間帯が発生する。この時間帯に、規制部材を使用して駆動ベースの動きが規制されることで、搬出中のディスクが安定して搬出されるようになる。
【0016】
本発明は、前記筐体には、遮蔽部材と、前記遮蔽部材をディスクの挿入経路を横断する遮蔽位置と前記挿入経路から離れる開放位置との間で移動させる遮蔽機構とが設けられ、前記駆動ベースに、前記遮蔽機構を動作させる遮蔽切換え部が設けられており、前記規制部材によって、前記遮蔽切換え部が前記遮蔽機構から離れる方向へ前記駆動ベースが動かないように規制されるものとして構成できる。
【0017】
上記構成のディスク装置では、回転駆動部でのディスクの保持が解除された後に駆動ベースの拘束が完了するまでの間、駆動ベースを遮蔽機構から離れる方向へ移動しないように規制しているので、駆動ベースに設けられた遮蔽切換え部によって遮蔽機構を確実に動作させることができる。
【0018】
本発明は、前記搬送ローラに対向する対向部材と、前記搬送ローラを支持するローラブラケットと、前記ローラブラケットを動作させて前記搬送ローラを前記対向部材に向けて移動させるローラ付勢ばねとが設けられて、前記搬送ローラと前記対向部材とでディスクが挟まれてディスクが搬出され、前記規制部材によって、前記駆動ベースが、前記搬送ローラでディスクを押し付ける方向と同じ方向へ動かないように規制されることが好ましい。
【0019】
ディスクが搬出されるときに、搬送ローラによってディスクが対向部材へ押し付けられるときに、その押し付け力で駆動ベースが動いてしまうと、搬出中のディスクが挿入口の内側などに当たりやすくなる。そこで、規制部材によって、駆動ベースが搬送ローラによる押し付け力の作用方向へ動かないように規制することで、搬出中のディスクを安定して挿入口へ送り出せるようになる。
【0020】
本発明は、前記搬送ローラは、前記対向部材から離れているときに、ディスクを搬出する方向へ回転し始め、前記搬送ローラが、ディスクを前記対向部材に押し付ける前に、前記駆動ベースが前記規制部材で規制されることが好ましい。
【0021】
上記構成では、回転している搬送ローラがディスクに当たったときに、駆動ベースが規制されるため、ディスクを安定した姿勢で筐体外へ搬出できる。
【0023】
あるいは、本発明は、
前記規制部材が前記切換えスライダに一体に形成される代わりに、前記駆動ベースには、前記規制部材が回動自在に設けられており、前記規制部材の回動動作によって、前記規制部材の一部が前記筐体の内部に当たって、前記駆動ベースが規制されるもの
である。
【0024】
例えば、本発明のディスク装置は、前記駆動ベースの前部に前記拘束機構が設けられ、前記拘束機構では、前記駆動ベースに拘束部材が回動自在に支持されて、前記拘束部材が回動したときにその一部が前記筐体に当たって、前記駆動ベースが拘束され、前記規制部材が、前記拘束部材の回動力によって回動させられる。
【0025】
本発明は、前記拘束部材は、前記搬送ローラを支持するローラブラケットとして兼用されているものとして構成できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明のディスク装置は、回転駆動部でのディスクのクランプが解除されてから駆動ベースの拘束が完了するまでの間に、弾性支持されている駆動ベースの動作を抑制できる。そのため、ディスクを安定した状態で搬出できる。また駆動ベースに遮蔽切換え部が設けられ、この遮蔽切換え部で筐体の遮蔽部材(シャッタ)を動作させる場合であっても、駆動ベースを規制した状態で、遮蔽部材を確実に動作させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態のディスク装置1は、
図1と
図2に示すように側方から見た状態では、Y1方向が搬入方向(後方)でY2方向が搬出方向(前方)、Z1方向が上方でZ2方向が下方である。
図5と
図6に示すように、前方から見た状態では、X1方向が右側方で、X2方向が左側方である。
【0029】
ディスク装置1は筐体2を有している。筐体2は金属板で形成されている。筐体2は、天井板3と底板4、搬出方向(前方:Y2方向)に向く前部に位置する前板5と、搬入方向(後方:Y1方向)に向く後板6とを有し、さらに左右方向(X1−X2方向)に向く両側板7,7を有する立方体形状である。筐体2は、いわゆる1DINの容積を有している。車載用として使用されるときは、筐体2が自動車のインストルメントパネルの内部に設置され、前板5が、車室内に向けられる。
【0030】
図1に示すように、筐体2の前板5には開口部5aが形成されている。前板5の前方にはパネル8が設置される。パネル8は化粧パネルであり、表示画面や各種操作釦が配置されている。パネル8には挿入・排出口8aが開口している。
【0031】
ディスクDは、挿入・排出口8aから開口部5aを経て筐体2の内部に搬入される。また筐体2内のディスクDは、開口部5aから挿入・排出口8aを経て外部に搬出される。
【0032】
図1に示すように、筐体2の内部に、金属板で形成された駆動ベース10が収納されている。駆動ベース10は、駆動板部11と、左右方向(X1−X2方向)の両側で折り曲げられた駆動側板12,12を有している。駆動板部11は、筐体2の内部の後方(Y1方向)において、底板4上に設置された圧縮コイルばね13で支持されている。筐体2の内部には、他のばね部材やダンパー部材が設けられ、ダンパー部材とばね部材ならびに前記圧縮コイルばね13による弾性支持部材によって、筐体2の内部で、駆動ベース10が弾性支持されている。
【0033】
図2に示すように、駆動ベース10には、回転駆動部20が搭載されている。回転駆動部20は、ターンテーブル21を有している。駆動ベース10には、スピンドルモータが搭載されており、スピンドルモータの回転軸22にターンテーブル21が固定されている。
図1に示すように、駆動ベース10には、後方(Y1方向)の左右両側(X1−X2側)において、上向きに折り曲げられた一対の支持片14が形成されている。駆動ベース10の駆動板部11の上にはクランプアーム23が配置されており、クランプアーム23の後端部が、前記支持片14において支持軸15で回動自在に支持されている。クランプアーム23の前方には、支持板ばね24が固定され、支持板ばね24にクランパ25が回転自在に支持されている。
【0034】
図示省略しているが、駆動ベース10上には、クランプアーム23を
図1と
図2において時計方向へ回動するように付勢するクランプばねが設けられている。
図1と
図2では、ディスクDの中心穴がターンテーブル21上に設置され、クランプばねからα1方向への付勢力を受けてクランパ25がディスクDに押し付けられ、ターンテーブル21とクランパ25とで、ディスクDの中心部が保持されている。
【0035】
図1と
図2に示すように、駆動ベース10に切換えスライダ30が搭載されている。切換えスライダ30は、駆動ベース10の駆動側板12の内側において、前後方向(Y1−Y2方向)へ直線移動自在に支持されている。切換えスライダ30は、回転駆動部20に保持されるディスクDに対して左右方向(X1−X2方向)に離れた位置で、ディスクDに当たらないように設けられている。駆動ベース10には、切換えモータが搭載されており、切換えモータの駆動力により、切換えスライダ30がY1−Y2方向へ移動させられる。
【0036】
図1と
図2に示すように、切換えスライダ30にはクランプ押圧部31が上向きに突出して形成されている。
図1と
図2に示すように、クランプアーム23には、下向きに折り曲げられたクランプ制御部26が設けられ、その下端に摺動片26aが折り曲げ形成されている。切換えスライダ30が、Y1方向へ移動して
図4に示す位置へ至ると、クランプ押圧部31で摺動片26aが上向きに持ち上げられ、クランプアーム23が反時計方向(α2方向へ)へ回動させられて、クランパ25がディスクDから離れ、ディスクDの保持が解除される。
【0037】
図1と
図2に示すように、切換えスライダ30には、前記クランプ押圧部よりも前方(Y2方向)で上向きに突出する規制部材32が一体に形成されている。筐体2の天井板3の下面(内面)には、下向きに突出する規制突部9が設けられている。規制突部9は、天井板3と一体に形成されている。
【0038】
図2の状態から切換えスライダ30がY1方向へ向けて移動する過程で、
図3に示すように、規制部材32が規制突部9の下面に当接すると、外部振動などが与えられても、駆動ベース10が上向き(Z1方向)へ移動しないように規制される。
【0039】
筐体2の前板5の内側に搬送機構40が設けられている。搬送機構40には、ローラブラケット41が設けられている。
図5と
図6に示すように、ローラブラケット41は左右方向(X1−X2方向)に延びる長さを有している。ローラブラケット41は、左右方向に延びるガイド板部42と、その左右両側部で下向きに折り曲げられた支持側板43とを有している。
図1に示すように、駆動ベース10の駆動側板12の前方部分は回動支持部12aとなっており、この回動支持部12aに支持軸17が固定されている。ローラブラケット41の支持側板43は、回動支持部12aの内側に重ねられて、前記支持軸17で連結されている。よって、ローラブラケット41が、
図2に示すβ1方向と、
図3と
図4に示すβ2方向へ回動自在に支持されている。
【0040】
図1と
図2に示すように、ローラブラケット41の左右両側に折り曲げられた支持側板43には、Y1側にローラ軸44が回転自在に支持されており、ローラ軸44の外周に合成ゴム材料で形成された搬送ローラ45が装着されている。
【0041】
搬送機構40では、筐体2の天井板3の下側に対向部材46が固定されている。対向部材46は摩擦係数の小さい合成樹脂材料で形成されている。対向部材46の下面は摺動面46aであり、摺動面46aには、搬送ローラ45の軸方向に沿って軸凹部46bが形成されている。
【0042】
ローラブラケット41は図示しないローラ付勢ばねによってβ2方向へ付勢されている。ローラブラケット41に外力が作用していないときは、
図4に示すように、ローラ付勢ばねの付勢力で、搬送ローラ45が対向部材46に圧接され、搬送ローラ45と対向部材46とでディスクDを挟持できるようになる。
【0043】
図1に示すように、駆動ベース10の駆動側板12に形成された回動支持部12aの内側に、伝達部材47が配置されている。回動支持部12aには内側へ突出する支持軸48が固定されており、伝達部材47が支持軸48で回動自在に支持されている。伝達部材47のY2側の端部に連結凹部47aが形成されている。ローラブラケット41の支持側板43には連結軸49が固定されており、連結凹部47aと連結軸49とが連結されている。
【0044】
図2に示すように、伝達部材47にはY1側の端部に突出部47bが一体に形成されている。切換えスライダ30のY2側の端部に、持ち上げカム部33が一体に形成されている。
図2に示すように、切換えスライダ30が前方(Y2方向)へ移動していると、持ち上げカム部33で突出部47bが持ち上げられ、伝達部材47がγ1方向へ回動させられ、伝達部材47の伝達力によって、ローラブラケット41がローラ付勢ばねの付勢力に対抗してβ1方向へ回動させられる。
図4に示すように、切換えスライダ30がY1方向へ移動すると、持ち上げカム部33が突出部47bから離れる。伝達部材47とローラブラケット41に拘束力がなくなるため、ローラブラケット41はローラ付勢ばねの付勢力によって、
図4に示すようにβ2方向へ回動させられる。
【0045】
図2に示すように、ローラブラケット41の支持側板43には、上方拘束部51が形成され、上方拘束部51の一部に掛止突起52が突出している。前記支持側板43には、上方拘束部51と対向する位置の下方拘束部53が形成されている。ローラブラケット41は拘束部材として機能している。また、伝達部材47とローラブラケット41とで拘束機構50が構成されている。
【0046】
図2と
図5に示すように、筐体2の前板5と搬送機構40との間に遮蔽機構60が配置されている。遮蔽機構60は、遮蔽部材(シャッタ)61を有している。遮蔽部材61は、前板5の内面に固定された支持軸62によって回動自在に支持されている。
図5に示すように、遮蔽部材61と前板5との間に、遮蔽ばね63が掛けられている。遮蔽ばね63は引張りコイルばねであり、遮蔽ばね63の付勢力によって、遮蔽部材61は常にφ1方向へ付勢されている。
【0047】
遮蔽機構60には、切換え伝達部材64が設けられている。切換え伝達部材
64はトーションばねであり、その巻き部64aが、前板5の内面に設けられたばね支持部5bに支持されている。切換え伝達部材64には付勢腕64bが設けられ、この付勢腕64bが遮蔽部材61に掛止されている。切換え伝達部材64には、操作腕64cが延びている。
図2に示すように、ローラブラケット41には、Y2側の先部に遮蔽切換え部54が形成されており、遮蔽切換え部54で操作腕64cを押圧できるようになっている。
【0048】
次に、前記ディスク装置1の動作を説明する。
(ディスク搬入動作)
図4に示す状態でディスクDが搬入される。
図4では、切換えスライダ30がY1方向へ移動しており、回転駆動部20では、クランプ押圧部31によってクランプアーム23がα2方向へ持ち上げられて、クランパ25がターンテーブル21から上方へ離れている。
【0049】
切換えスライダ30の持ち上げカム部33は、伝達部材47の突出部47bから離れており、ローラブラケット41はローラ付勢ばねの付勢力によってβ2方向へ回動させられている。そして搬送ローラ45が対向部材46の軸凹部46bに圧接されている。
【0050】
ローラブラケット41は拘束機構50を構成する拘束部材として機能しており、ローラ付勢ばねの付勢力を受けて、上方拘束部51が筐体2の天井板3の内面に当接させられるとともに、係止突起52が天井板3に掛止されている。また、下方拘束部53が筐体2の底板4の内面に圧接される。これにより、駆動ベース10は少なくとも前方部分(Y2側の部分)が筐体2の内部で拘束されている。
【0051】
図4と
図6の状態では、ローラブラケット41に形成された遮蔽切換え部54によって、遮蔽機構60に設けられた切換え伝達部材64の操作腕64cが押し下げられている。その結果、トーションばねである切換え伝達部材64の付勢腕64bで遮蔽部材61がφ2方向へ回動させられる。遮蔽部材61は遮蔽ばね63の弾性力に対抗して、
図6に示す開放位置にまで回動し、挿入・排出口8aが解放されている。
【0052】
挿入・排出口8aならびに開口部5aからディスクDが筐体2の内部に挿入され、これが筐体2に設けられた検知部材で検知されると、搬送モータが始動する。搬送モータの回転力は図示しない歯車機構を介してローラ軸44に伝達され、ローラ軸44が搬入方向へ回転駆動される。よって、ディスクDは搬送ローラ45と対向部材46とで挟持され、搬送ローラ45の回転力によって筐体2の内部に送り込まれる。
【0053】
搬入されたディスクDの中心がターンテーブル21の上に移動し、これが搬入検知部材で検知されると、切換えモータが始動して、その動力が切換えスライダ30に伝達され、切換えスライダ30がY2方向へ移動する。その移動過程で、
図3に示すように、切換えスライダ30のクランパ押圧部31がクランプ制御部26の摺動片26aから離れ、クランプアーム23がクランプばねの付勢力でα1方向へ回動させられ、クランパ25でディスクDの中心部がターンテーブル21に押し付けられて、回転駆動部20でディスクDが保持される。
【0054】
切換えスライダ30が
図2の位置まで前進すると、持ち上げカム部33で突出部47bが持ち上げられ、伝達部材47がγ1方向へ回動ささせられる。この回動力によってローラブラケット41がβ1方向へ回動させられて、搬送ローラ45がディスクDから離れる。なお、搬送ローラ45は搬入方向へ回転しながらディスクDから離れ、
図2の状態となったときに搬送モータが停止し、搬送ローラ45が停止する。さらにローラブラケット41の上方拘束部51と下方拘束部53が筐体2の天井板3と底板4から離れ、拘束機構50による拘束が解除されて駆動ベース10が弾性部材で弾性支持された状態となる。
【0055】
図2と
図5に示すように、ローラブラケット41がβ1方向へ回動していると、ローラブラケット41の一部である遮蔽切換え部54が切換え伝達部材64の操作腕64cから離れている。遮蔽部材61は遮蔽ばね63によってφ1方向へ回動させられて遮蔽位置となり、遮蔽部材61で挿入・排出口8aならびに開口部5aが内側から塞がれている。これにより、別のディスクが誤って筐体2の内部に挿入されるのを防止できる。
【0056】
駆動ベース10が弾性支持された状態で、回転駆動部20のスピンドルモータが回転し、ディスクDが回転駆動される。そして、駆動ベース10に支持されたヘッドによって、ディスクDに記録された情報の再生や情報の記録動作が行われる。
【0057】
(ディスク搬出動作)
パネル8に設けられた操作釦の操作やリモートコントロールの操作によって、ディスクDを筐体2から取り出すための指示が入力されると、駆動ベース10上の切換えモータが始動して、切換えスライダ30が、
図1と
図2に示す位置からY1方向へ移動する。これとほぼ同時に搬送モータが始動して、
図1と
図2の状態から、搬送ローラ45が搬出方向(時計方向)へ回転し始める。
【0058】
切換えスライダ30が
図2の位置からY1方向へ移動して
図3の状態になると、切換えスライダ30のY2側の先部の持ち上げカム部33が伝達部材47の突出部47bから離れ始める。よって、伝達部材47がγ2方向へ回動可能になり、ローラブラケット41はローラ付勢ばねの付勢力でβ2方向(時計方向)へ回動し始め、回転している搬送ローラ45がディスクDの下面に接近していく。
【0059】
切換えスライダ30が、
図3に示す位置から
図4に示す位置まで移動する間に、切換えスライダ30に形成されたクランプ押圧部31がクランプ制御部26の摺動片26aの下側に入り込み、クランプアーム23がα2方向(反時計方向)へ回動し始めて、クランパ25がディスクDから上方へ離れ始める。これと併行して、搬出方向へ回転している搬送ローラ45でディスクDが持ち上げられるため、ターンテーブル21でのディスクDの保持が解除される。このとき、ディスクDにY2方向への搬出力が作用し始める。
【0060】
切換えスライダ30が
図3の位置から
図4の位置に至る直前まで、切換えスライダ30に形成された規制部材32が、筐体2の天井板3に設けられた規制突部9の下側に当たって摺動する。これにより、弾性支持されている駆動ベース10が上方(Z1方向)へ持ち上がるのが規制される。ディスクDを搭載した駆動ベース10が弾性支持の中立姿勢にあるときに、規制部材32の上端部と規制突部9の下端部とが同じ高さ位置になるように、規制部材32と規制突部9との相対位置が決められて、駆動ベース10が中立姿勢よりも上方へ動くのが規制される。あるいは、規制部材32の上端部と規制突部9の下端部とが当接したときに、ディスクDを搭載した駆動ベース10が中立姿勢よりもやや下向き(Z1側)へ押し下げられてもよい。
【0061】
保持が解除されたディスクDが搬送ローラ45で持ち上げられるときに、規制部材32と規制突部9との当接により、駆動ベース10が搬送ローラ45での持ち上げ方向であるZ1方向へ動かないように規制される。そのため、ディスクDが挿入・排出口8aに導かれるようになり、ディスクDが挿入・排出口8aの上縁部に当たって、排出ができなくなる、などの問題が生じなくなる。
【0062】
また、ローラブラケット41が、
図3に示す姿勢からさらにβ2方向へ回動するときに、ローラブラケット41の遮蔽切換え部54が切換え伝達部材64の操作腕64cに当たって下向きに押圧する。操作腕64cによって切換え伝達部材64であるトーションばねの巻き部64aに捩じり力が与えられ、その弾性力によって付勢腕64bが上向きに跳ね上げられ、遮蔽部材61がφ2方向へ回動させられて解放位置となる。
【0063】
遮蔽切換え部54が操作腕64cに当たる時点では、
図3に示すように、規制部材32と規制突部9とが当たっており、駆動ベース10がZ1方向へ移動するのが規制され、遮蔽切換え部54が操作腕64cから離れる方向へ移動するのが規制されている。そのため、遮蔽切換え部54によって操作部64cを確実に動作させることができ、操作腕64cを必要以上に長く形成する必要もなくなる。
【0064】
切換えスライダ30が
図4の位置まで移動すると、クランプ押圧部31によってクランプアーム23がα1方向へ大きく回動させられて、クランパ25がターンテーブル21から上方へ大きく離れるようになる。また、搬送ローラ45が対向部材46に圧接し、ディスクDは搬送ローラ45と対向部材46とで挟まれて挿入・排出口8aから外部へ排出せられる。
【0065】
切換えスライダ30が
図4の位置に至ったことが図示しないリミットスイッチで検知されると、切換えモータが停止し、切換えスライダ30が
図4の位置で停止する。このとき切換えスライダ30が伝達部材47から離れるために、拘束部材であるローラブラケット41が、ローラ付勢ばねの付勢力でβ2方向へ回動させられる。そして、上方拘束部51が天井板3に当接し掛止突起52が天井板3に掛止され、下方拘束部53が底板4に当接して、駆動ベース10の前方部分がローラブラケット41によって筐体2の内部で拘束される。
【0066】
このとき、
図4に示すように、切換えスライダ30に形成された規制部材32が、天井板3に設けられた規制突部9から離れる。したがって駆動ベース10に過剰な拘束力が作用するのを防止でき、駆動ベース10を支持する弾性支持部材の疲労などを防止できるようになる。
【0067】
(第2の実施の形態)
図7ないし
図9に示す第2の実施の形態のディスク装置101は、第1の実施の形態と同じ筐体2を有している。ただし、
図7ないし
図9では、筐体2の左右方向の向きが第1の実施の形態と逆であり、搬入方向(Y1方向)が図示右方向へ向けられ、搬出方向(Y2方向)が図示左方向へ向けられている。
【0068】
図7ないし
図9に示すように、筐体2の内部に弾性支持された駆動ベース10が設けられている。第1の実施の形態と同様に、筐体2の内部前方には、拘束部材としても機能するローラブラケット41が支持軸17を支点として回動自在に支持されている。ローラブラケット41にはローラ軸44が支持され、ローラ軸44に搬送ローラ45が装着されている。
図7ないし
図9には省略されているが、筐体2の天井板3の内面には、対向部材46が固定されており、ディスクDは、搬送ローラ45と対向部材46とで挟持されて搬送される。
【0069】
図示省略しているが、筐体2の前板5の内部には遮蔽機構60が設けられており、ローラブラケット41の前方に形成された遮蔽切換え部54で、切換え伝達部材64が押されることで遮蔽部材61が閉鎖位置に設定される。
【0070】
ローラブラケット41の一端には、上方拘束部51と掛止突起52が一体に形成されており、他端には、下方拘束部53が一体に形成されている。
【0071】
第1の実施の形態と同様に、駆動ベース10には、切換えスライダ30と伝達部材47が設けられ、切換えスライダ30の力が伝達部材47を介してローラブラケット41に伝達されて、ローラブラケット41が回動させられる。
【0072】
第1の実施の形態では、規制部材32が切換えスライダ30と一体に形成されていたが、
図7ないし
図9に示す第2の実施の形態では、規制部材132が、駆動ベース10の駆動側板12に回動自在に支持されている。規制部材132に規制当接部136が形成されている。
【0073】
規制部材132は、支持軸131によって、駆動側板12に回動自在に支持されている。規制部材132には規制カム部134が形成されている。規制カム部134はカム長穴であり、ローラブラケット41に固定された制御ピン135が規制カム部134に摺動自在に挿入されている。
【0074】
第2の実施の形態のディスク装置では、回転駆動部20でディスクDが駆動されているときは、
図7に示すように、ローラブラケット41がβ1へ回動し、搬送ローラ45が下方向へ移動してディスクDに当たらないようになっている。
【0075】
ディスクDの排出動作では、切換えスライダ30のY1方向への移動に伴って、
図8から
図9に示すように、ローラブラケット41がβ2方向へ回動していく。このとき、ローラブラケット41の制御ピン135が規制カム部134内を摺動することで規制部材132が先行して反時計方向へ回動させられ、
図8の時点で、規制当接部136が天井板3に当接して、駆動ベース10がそれ以上に上方へは移動しないように規制される。
図9に示すように、ローラブラケット41がさらにβ2方向へ回動すると搬送ローラ45と対向部材46とでディスクDが挟持できるようになり、さらに、ローラブラケット41の上方拘束部51が天井体3に圧接し、下方拘束部53が底板4に圧接して、駆動ベース10が拘束される。
【0076】
図9では、規制部材132が時計方向へ回動させられ、規制当接部136が天井板3から離れ、規制部材132による規制が解除されている。
【0077】
第2の実施の形態では、
図8の時点で規制部材132が天井板3に当接して、駆動ベース10の上向きの移動が規制される。そのタイミングは、第1の実施の形態において規制部材32と規制突部9とが当接するタイミングと同じである。よって、ディスクDを挿入・排出口8aに向けて移動させることができ、またローラブラケット41によって、遮蔽機構60を正確に動作させることができるようになる。