特許第6132816号(P6132816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6132816
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】作業機用のバランスウエイト
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/02 20060101AFI20170515BHJP
   A01B 33/08 20060101ALI20170515BHJP
   B62D 49/08 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   A01B33/02 A
   A01B33/08 Z
   B62D49/08 C
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-134868(P2014-134868)
(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公開番号】特開2016-10386(P2016-10386A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2016年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】大塚 俊平
(72)【発明者】
【氏名】前田 伸治
(72)【発明者】
【氏名】山下 泰直
(72)【発明者】
【氏名】森脇 稔仁
(72)【発明者】
【氏名】増田 繁
(72)【発明者】
【氏名】山中 貞雄
【審査官】 中澤 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−149152(JP,U)
【文献】 特開平11−180684(JP,A)
【文献】 特開2012−71735(JP,A)
【文献】 実公昭47−32242(JP,Y1)
【文献】 実公昭35−22618(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 3/00−49/06
A01C 11/00−11/02
A01C 11/04−14/00
B62D 41/00−67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に積み重ねて機体に取付可能な作業機用のバランスウエイトであって、
上下一方側の面に突設された左右一対のボス部と、
上下他方側の面のうち平面視で前記ボス部と対応する位置に形成された左右一対の凹入部と、
前記凹入部を横外方向きに開放させる左右一対の開放部と、
前記凹入部と前記ボス部とに亘る直線状の左右一対の貫通孔と、を備え、
上下に積み重ねる際に、互いに積み重なるバランスウエイトの左右一対の前記ボス部と左右一対の前記凹入部とが嵌り合って、互いに積み重なるバランスウエイトの左右一対の前記貫通孔同士の平面位置が揃うように構成されている作業機用のバランスウエイト。
【請求項2】
前記凹入部に隣接する状態で、上下他方側の面に前記凹入部の底面よりも浅い左右一対の中段部が形成されている請求項1に記載の作業機用のバランスウエイト。
【請求項3】
上下他方側の面のうち左右一対の前記貫通孔に対して前方又は後方の位置に形成された左右一対の別の凹入部と、
前記別の凹入部から前記貫通孔と平行に延びる左右一対のネジ孔と、を備え、
上下に積み重ねる際に、互いに積み重なるバランスウエイトの左右一対の前記ボス部と左右一対の前記別の凹入部とが嵌り合って、互いに積み重なるバランスウエイトの左右一対の前記貫通孔の平面位置と左右一対の前記ネジ孔の平面位置とが揃うように構成されている請求項1又は2に記載の作業機用のバランスウエイト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に積み重ねて機体に取付可能な作業機用のバランスウエイトに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなバランスウエイトとして、例えば、特許文献1に記載の技術が既に知られている。特許文献1に記載のバランスウエイト(文献では「重錘」)では、バランスウエイトの下面にボス部(文献では「角形突出部」)が突設されている。バランスウエイトの上面のうち平面視でボス部と対応する位置に凹入部(文献では「角型嵌止溝」)が形成されている。凹入部とボス部とに亘って、直線状の貫通孔(文献では「嵌挿孔」)が形成されている。
【0003】
このような構成により、特許文献1に記載のバランスウエイトでは、下側のバランスウエイトの凹入部と上側のバランスウエイトのボス部とを嵌め合うことにより、下側のバランスウエイトの貫通孔の平面位置と上側のバランスウエイトの貫通孔の平面位置とを揃えることができる。そして、上側のバランスウエイトの貫通孔と下側のバランスウエイトの貫通孔とに、締螺杆を上方から差し込むことにより、上側のバランスウエイトと下側のバランスウエイトとを一箇所で固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭34−021108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のバランスウエイトでは、上側のバランスウエイトと下側のバランスウエイトとが、一箇所でしか固定されておらず、バランスウエイトを安定した状態で上下に積み重ねる点で改善の余地がある。また、バランスウエイトを上下に積み重ねた状態では、上側のバランスウエイトと下側のバランスウエイトとの間に手を入れ難く、バランスウエイトを持ち難いことから、バランスウエイトの着脱作業を容易に行う点でも改善の余地がある。
【0006】
上記状況に鑑み、バランスウエイトを安定した状態で上下に積み重ねることができ、かつ、バランスウエイトの着脱作業が容易な作業機用のバランスウエイトが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の特徴は、
上下に積み重ねて機体に取付可能な作業機用のバランスウエイトであって、
上下一方側の面に突設された左右一対のボス部と、
上下他方側の面のうち平面視で前記ボス部と対応する位置に形成された左右一対の凹入部と、
前記凹入部を横外方向きに開放させる左右一対の開放部と、
前記凹入部と前記ボス部とに亘る直線状の左右一対の貫通孔と、を備え、
上下に積み重ねる際に、互いに積み重なるバランスウエイトの左右一対の前記ボス部と左右一対の前記凹入部とが嵌り合って、互いに積み重なるバランスウエイトの左右一対の前記貫通孔同士の平面位置が揃うように構成されていることにある。
【0008】
本特徴構成によれば、一方のバランスウエイトの左右一対の凹入部と他方のバランスウエイトの左右一対のボス部とを嵌め合うことにより、一方のバランスウエイトの左右一対の貫通孔の平面位置と他方のバランスウエイトの左右一対の貫通孔の平面位置とを揃えることができる。そして、一方のバランスウエイトの左右一対の貫通孔と他方のバランスウエイトの左右一対の貫通孔とにボルトを差し込むことにより、一方のバランスウエイトと他方のバランスウエイトとを二箇所で固定することができる。したがって、バランスウエイトを安定した状態で上下に積み重ねることができる。
【0009】
また、バランスウエイトを上下に積み重ねた状態で、一方のバランスウエイトの左右一対の開放部から、一方のバランスウエイトと他方のバランスウエイトとの間に手を入れて上側のバランスウエイトを持つことができる。したがって、バランスウエイトの着脱作業を容易に行うことができる。
【0010】
さらに、本発明において、
前記凹入部に隣接する状態で、上下他方側の面に前記凹入部の底面よりも浅い左右一対の中段部が形成されていると好適である。
【0011】
本特徴構成によれば、上述のように、一方のバランスウエイトの左右一対の凹入部と他方のバランスウエイトの左右一対のボス部とを嵌め合う際に、他方のバランスウエイトのボス部を一方のバランスウエイトの中段部に当接させることにより、凹入部とボス部とを直接的に嵌め合うよりも、凹入部の位置の見当を付け易い。したがって、一方のバランスウエイトの左右一対の凹入部と他方のバランスウエイトの左右一対のボス部とを容易に嵌め合うことができる。
【0012】
つまり、他方のバランスウエイトのボス部を、一方のバランスウエイトの中段部に当接させることにより、一方のバランスウエイトの上下他方側の面における凹入部の位置を、中段部に隣接する範囲に絞り込むことができる。そして、凹入部の位置を中段部に隣接する範囲で絞り込めばよい。このように、凹入部の位置を一方のバランスウエイトの上下他方側の面全体の範囲から順々に絞り込むことにより、凹入部の位置を一方のバランスウエイトの上下他方側の面全体の範囲から一回で特定するよりも、凹入部の位置を容易に特定することができる。
【0013】
さらに、本発明において、
上下他方側の面のうち左右一対の前記貫通孔に対して前方又は後方の位置に形成された左右一対の別の凹入部と、
前記別の凹入部から前記貫通孔と平行に延びる左右一対のネジ孔と、を備え、
上下に積み重ねる際に、互いに積み重なるバランスウエイトの左右一対の前記ボス部と左右一対の前記別の凹入部とが嵌り合って、互いに積み重なるバランスウエイトの左右一対の前記貫通孔の平面位置と左右一対の前記ネジ孔の平面位置とが揃うように構成されていると好適である。
【0014】
本特徴構成によれば、一方のバランスウエイトの左右一対の凹入部又は左右一対の別の凹入部の何れと、他方のバランスウエイトの左右一対のボス部を嵌め合せるかによって、バランスウエイトの積み重ね方を選択することができる。例えば、上側のバランスウエイトの前端位置と下側のバランスウエイトの前端位置とが揃う状態で、バランスウエイトを上下に積み重ねたり、上側のバランスウエイトの前端位置が下側のバランスウエイトの前端位置よりも前方に位置する状態で、バランスウエイトを上下に積み重ねたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】管理機を示す左側面図である。
図2】管理機を示す平面図である。
図3】バランスウエイトの取付け状態を示す斜視図である。
図4】バランスウエイトの取付け状態を示す左側面断面図である。
図5】バランスウエイトを示す平面図である。
図6】バランスウエイトの左側面図である。
図7図5におけるVII−VII断面図である。
図8図5におけるVIII−VIII断面図である。
図9】バランスウエイトの左端部を示す拡大平面図である。
図10】バランスウエイトの積み重ね方を示す左側面図である。
図11】第一の別実施形態に係るバランスウエイトの積み重ね方を示す左側面図である。
図12】第二の別実施形態に係るバランスウエイトの積み重ね方を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。
【0017】
〔管理機の全体構成〕
図1及び図2には、本発明に係る「作業機」の一例として、歩行型の管理機を示している。なお、以下では、図1及び図2に示す矢印Fの方向を「前方」として説明する。
【0018】
この管理機は、左右一対の車輪1Aを支持するミッションケース1を備えている。ミッションケース1の上部には、操縦ハンドル2が上下向きの軸心Y周りで回動可能に設けられている。操縦ハンドル2は、軸心Yから後方に延びる状態(図1に示す状態)と前方に延びる状態とに位置変更可能に構成されている。ミッションケース1の後部には、後ヒッチ3が設けられている。後ヒッチ3には、作業装置として、例えば、ロータリー式の耕耘装置(図示省略)を装着することができる。
【0019】
ミッションケース1の前部には、エンジンフレーム4が前方に延びる片持ち状に連結されている。エンジンフレーム4上には、エンジン5が搭載されている。エンジン5の動力は、ベルト伝動機構6によってミッションケース1に伝達される。
【0020】
エンジンフレーム4の前端部には、前ヒッチ7が設けられている。前ヒッチ7には、前記作業装置の重量に対応する複数のバランスウエイト10を取り付けることができる。本実施形態では、前ヒッチ7に、例えば、三つのバランスウエイト10が上下に積み重ねて取り付けられている。三つのバランスウエイト10は、全て同一の形状である。つまり、三つのバランスウエイト10は、互いに兼用可能に構成されている。
【0021】
〔バランスウエイト〕
図3及び図4に示すように、三つのバランスウエイト10は、最上段のバランスウエイト10の前端位置及び中間段のバランスウエイト10の前端位置が、最下段のバランスウエイト10の前端位置よりも前方で揃う状態で、上下に積み重ねられている。最下段のバランスウエイト10は、前ヒッチ7にピン21で固定されている。バランスウエイト10には、ピン21を差し込み可能なピン孔10aと、最下段のバランスウエイト10に隣接して上下に積み重ねられた際にピン21との干渉を避けるための逃し溝10bと、が形成されている。最下段のバランスウエイト10の後面には、前ヒッチ7を前後方向に貫通す左右一対のボルト22が当接されている。最上段のバランスウエイト10及び中間段のバランスウエイト10は、最下段のバランスウエイト10にボルト23で固定されている。
【0022】
図5から図8に示すように、バランスウエイト10は、左右方向の中心Cに対して左右対称な形状に形成されている。バランスウエイト10には、その左右両端部が後方に延びる左右一対の延出部11・11が形成されている。なお、以下では、バランスウエイト10のうち左右対称な構成については、バランスウエイト10のうち左右一方側の構成を中心に説明し、必要に応じて、バランスウエイト10のうち左右他方側の構成を説明する。
【0023】
バランスウエイト10の下面には、左右一対のボス部12・12が突設されている。バランスウエイト10の上面には、左右一対の第一凹入部13・13(本発明に係る「凹入部」に相当)、左右一対の第二凹入部14・14(本発明に係る「別の凹入部」に相当)、左右一対の第一中段部15・15(本発明に係る「中段部」に相当)、左右一対の第二中段部16・16及び左右一対の開放部17・17が形成されている。
【0024】
〔ボス部〕
左右一対のボス部12・12のうち左側のボス部12は、左右一対の延出部11・11のうち左側の延出部11の下面から下方に突出するように設けられている。左右一対のボス部12・12のうち右側のボス部12は、左右一対の延出部11・11のうち右側の延出部11の下面から下方に突出するように設けられている。ボス部12は、略円筒形状に形成されている。
【0025】
〔第一凹入部〕
左右一対の第一凹入部13・13のうち左側の第一凹入部13は、バランスウエイト10の上面のうち平面視で左側のボス部12と対応する位置に形成されている。左右一対の第一凹入部13・13のうち右側の第一凹入部13は、バランスウエイト10の上面のうち平面視で右側のボス部12と対応する位置に形成されている。第一凹入部13は、バランスウエイト10の天端面10Aに対して下方に凹入するように形成されている。第一凹入部13は、ボス部12の外周部の一部と形状が合う第一円弧部10cを有している。
【0026】
〔貫通孔〕
第一凹入部13とボス部12とに亘る直線状の左右一対の貫通孔18・18が形成されている。左右一対の貫通孔18・18のうち左側の貫通孔18は、左側の第一凹入部13と左側のボス部12とに亘るように形成されている。左右一対の貫通孔18・18のうち右側の貫通孔18は、右側の第一凹入部13と右側のボス部12とに亘るように形成されている。貫通孔18の内周面には、ねじ加工が施されていない。貫通孔18の軸心は、第一円弧部10cの中心とボス部12の軸心と同じ位置P1に配置されている。
【0027】
〔第二凹入部〕
左右一対の第二凹入部14・14のうち左側の第二凹入部14は、バランスウエイト10の上面のうち左側の貫通孔18に対して前方の位置に形成されている。左右一対の第二凹入部14・14のうち右側の第二凹入部14は、バランスウエイト10の上面のうち右側の貫通孔18に対して前方の位置に形成されている。第二凹入部14は、バランスウエイト10の天端面10Aに対して下方に凹入するように形成されている。第二凹入部14は、ボス部12の外周部の一部と形状が合う第二円弧部10dを有している。
【0028】
〔ネジ孔〕
第二凹入部14から貫通孔18と平行に直線状に延びる左右一対のネジ孔19・19が形成されている。左右一対のネジ孔19・19のうち左側のネジ孔19は、左側の貫通孔18に対して前方の位置に形成されている。左右一対のネジ孔19・19のうち右側のネジ孔19は、右側の貫通孔18に対して前方の位置に形成されている。ネジ孔19の内周面には、ねじ加工が施されている。ネジ孔19の軸心は、第二円弧部10dの中心と同じ位置P2に配置されている。ネジ孔19の先端部は、バランスウエイト10の下面まで到達していない。つまり、ネジ孔19は、第二凹入部14とバランスウエイト10の下面とに亘る貫通孔ではない。
【0029】
〔第一中段部及び第二中段部〕
第一中段部15は、第一凹入部13及び第二凹入部14に隣接する状態でバランスウエイト10の上面に形成されている。第二中段部16は、第二凹入部14に隣接する状態でバランスウエイト10の上面に形成されている。第一中段部15及び第二中段部16は、上下方向において、バランスウエイト10の天端面10Aと第一凹入部13及び第二凹入部14との間に位置している。つまり、第一中段部15及び第二中段部16は、バランスウエイト10の天端面10Aを基準にして、第一凹入部13の底面及び第二凹入部14の底面よりも浅い位置に形成されている。また、第一中段部15は、バランスウエイト10の天端面10Aを基準にして、第二中段部16よりも浅い位置に形成されている。
【0030】
〔開放部〕
左右一対の開放部17・17のうち左側の開放部17は、左側の第一凹入部13及び左側の第二凹入部14を左横外方向き及び後外方向きに開放させている。左右一対の開放部17・17のうち右側の開放部17は、右側の第一凹入部13及び右側の第二凹入部14を右横外方向き及び後外方向きに開放させている。開放部17は、第四円弧部10fのうち第一円弧部10cとは反対側の端部と第五円弧部10gのうち直線部10hとは反対側の端部とに亘るように形成されている。
【0031】
〔第一凹入部及び第二凹入部の詳細構成〕
図9に示すように、第一凹入部13と第二凹入部14とは、互いに連続するように形成されている。第一円弧部10cと第二円弧部10dとは、第三円弧部10eを介して接続されている。第一円弧部10cのうち第三円弧部10eとは反対側の端部には、第四円弧部10fが接続されている。第二円弧部10dのうち第三円弧部10eとは反対側の端部には、左右方向に延びる直線部10hが接続されている。直線部10hのうち第二円弧部10dとは反対側の端部には、第五円弧部10gが接続されている。
【0032】
〔バランスウエイトの積み重ね方〕
図10に示すように、最下段のバランスウエイト10の左右一対の第二凹入部14と中間段のバランスウエイト10の左右一対のボス部12とを嵌め合うことにより、最下段のバランスウエイト10の左右一対のネジ孔19の平面位置と中間段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18の平面位置とを揃えることができる。そして、中間段のバランスウエイト10の左右一対の第一凹入部13と最上段のバランスウエイト10の左右一対のボス部12とを嵌め合うことにより、中間段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18の平面位置と最上段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18の平面位置とを揃えることができる。そして、最上段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18と中間段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18と最下段のバランスウエイト10の左右一対のネジ孔19とに、ボルト23を上方から差し込むことにより、最上段のバランスウエイト10と中間段のバランスウエイト10と最下段のバランスウエイト10とを、二箇所で固定することができる。
【0033】
ここで、バランスウエイト10を上下に積み重ねた状態で、下側のバランスウエイト10の左右一対の開放部17から、上側のバランスウエイト10と下側のバランスウエイト10との間に手を入れて上側のバランスウエイト10を持つことができる。バランスウエイト10を上下に積み重ねた状態で、上側のバランスウエイト10のボス部12は、下側のバランスウエイト10の開放部17を介して横外方及び後外方に露出している。
【0034】
また、上述のように、最下段のバランスウエイト10の左右一対の第二凹入部14と中間段のバランスウエイト10の左右一対のボス部12とを嵌め合う際に、中間段のバランスウエイト10のボス部12を、最下段のバランスウエイト10の第一中段部15又は第二中段部16に当接させることにより、第二凹入部14とボス部12とを直接的に嵌め合うよりも、第二凹入部14の位置の見当を付け易い。同様に、中間段のバランスウエイト10の左右一対の第一凹入部13と最上段のバランスウエイト10の左右一対のボス部12とを嵌め合う際に、最上段のバランスウエイト10のボス部12を、中間段のバランスウエイト10の第一中段部15に当接させることにより、第一凹入部13とボス部12とを直接的に嵌め合うよりも、第一凹入部13の位置の見当を付け易い。
【0035】
つまり、中間段のバランスウエイト10のボス部12を、最下段のバランスウエイト10の第一中段部15又は第二中段部16に当接させることにより、最下段のバランスウエイト10の上面における第二凹入部14の位置を、第一中段部15又は第二中段部16に隣接する範囲に絞り込むことができる。そして、第二凹入部14の位置を第一中段部15又は第二中段部16に隣接する範囲で絞り込めばよい。同様に、最上段のバランスウエイト10のボス部12を、中間段のバランスウエイト10の第一中段部15に当接させることにより、中間段のバランスウエイト10の上面における第一凹入部13の位置を、第一中段部15に隣接する範囲に絞り込むことができる。そして、第一凹入部13の位置を第一中段部15に隣接する範囲で絞り込めばよい。このように、第一凹入部13及び第二凹入部14の位置をバランスウエイト10の上面全体の範囲から順々に絞り込む(段階的に絞り込む)ことにより、第一凹入部13及び第二凹入部14の位置をバランスウエイト10の上面全体の範囲から一回で特定するよりも、第一凹入部13及び第二凹入部14の位置を容易に特定することができる。
【0036】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態において、三つのバランスウエイト10は、最上段のバランスウエイト10の前端位置及び中間段のバランスウエイト10の前端位置が、最下段のバランスウエイト10の前端位置よりも前方で揃う状態で、上下に積み重ねられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図11に示すように、三つのバランスウエイト10は、中間段のバランスウエイト10の前端位置が最下段のバランスウエイト10の前端位置よりも前方に位置し、かつ、最上段のバランスウエイト10の前端位置が中間段のバランスウエイト10の前端位置よりも前方に位置する状態で、上下に積み重ねられていてもよい。
【0037】
図11に示すように、最下段のバランスウエイト10の左右一対の第二凹入部14と中間段のバランスウエイト10の左右一対のボス部12とを嵌め合うことにより、最下段のバランスウエイト10の左右一対のネジ孔19の平面位置と中間段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18の平面位置とを揃えることができる。そして、中間段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18と最下段のバランスウエイト10の左右一対のネジ孔19とに、ボルト123を上方から差し込むことにより、中間段のバランスウエイト10と最下段のバランスウエイト10とを、二箇所で固定することができる。
【0038】
また、中間段のバランスウエイト10の左右一対の第二凹入部14と最上段のバランスウエイト10の左右一対のボス部12とを嵌め合うことにより、中間段のバランスウエイト10の左右一対のネジ孔19の平面位置と最上段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18の平面位置とを揃えることができる。そして、最上段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18と中間段のバランスウエイト10の左右一対のネジ孔19とに、ボルト123を上方から差し込むことにより、最上段のバランスウエイト10と中間段のバランスウエイト10とを、二箇所で固定することができる。
【0039】
また、図12に示すように、三つのバランスウエイト10は、最上段のバランスウエイト10の前端位置と中間段のバランスウエイト10の前端位置と最下段のバランスウエイト10の前端位置とが全て揃う状態で、上下に積み重ねられていてもよい。
【0040】
図12に示すように、最下段のバランスウエイト10の左右一対の第一凹入部13と中間段のバランスウエイト10の左右一対のボス部12とを嵌め合うことにより、最下段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18の平面位置と中間段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18の平面位置とを揃えることができる。そして、中間段のバランスウエイト10の左右一対の第一凹入部13と最上段のバランスウエイト10の左右一対のボス部12とを嵌め合うことにより、中間段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18の平面位置と最上段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18の平面位置とを揃えることができる。そして、最上段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18と中間段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18と最下段のバランスウエイト10の左右一対の貫通孔18とに、ボルト223を上方から差し込むことにより、最上段のバランスウエイト10と中間段のバランスウエイト10と最下段のバランスウエイト10とを、二箇所で固定することができる。なお、ボルト223の先端部には、ナット223aを取り付ければよい。
この別実施形態では、バランスウエイト10に、左右一対の第二凹入部14及び左右一対のネジ孔19が形成されていなくてもよい。
【0041】
(2)上記実施形態では、バランスウエイト10の下面に、左右一対のボス部12が突設され、バランスウエイト10の上面に、左右一対の第一凹入部13及び左右一対の第二凹入部14が形成されているが、バランスウエイト10の上面に、左右一対のボス部12が突設され、バランスウエイト10の下面に、左右一対の第一凹入部13及び左右一対の第二凹入部14が形成されていてもよい。
【0042】
(3)上記実施形態において、開放部17は、第一凹入部13を横外方向き及び後外向きに開放させているが、横外方向きにのみ開放させていてもよい。
【0043】
(4)上記実施形態では、貫通孔18に対して前方に左右一対の第二凹入部14及び左右一対のネジ孔19が形成されているが、貫通孔18に対して後方に左右一対の第二凹入部14及び左右一対のネジ孔19が形成されていてもよい。
【0044】
(5)上記実施形態において、第一凹入部13と第二凹入部14とは、連続するように形成されているが、第一凹入部13と第二凹入部14との間に、第一凹入部13と第二凹入部14とを仕切る仕切部が設けられていてもよい。
【0045】
(6)上記実施形態において、ネジ孔19の先端部は、バランスウエイト10の下面まで到達していないが、バランスウエイト10の下面まで到達していてもよい。つまり、ネジ孔19は、第二凹入部14とバランスウエイト10の下面とに亘る貫通孔でもよい。
【0046】
(7)上記実施形態では、三つのバランスウエイト10が備えられているが、前記作業装置の重量に対応していれば、二つ又は四つ以上のバランスウエイト10が備えられていてもよい。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態及び上記別実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、歩行型の管理機の他、自走型の管理機、トラクタその他作業機用のバランスウエイトにも利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
10 バランスウエイト
12 ボス部
13 第一凹入部(凹入部)
14 第二凹入部(別の凹入部)
15 第一中段部(中段部)
17 開放部
18 貫通孔
19 ネジ孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12