特許第6132836号(P6132836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6132836ビュアーフィードバックを介した広告選択
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6132836
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】ビュアーフィードバックを介した広告選択
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20170515BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20170515BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   G06Q30/02 380
   G09F19/00 Z
   G06F13/00 540P
   G06F13/00 540R
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-516042(P2014-516042)
(86)(22)【出願日】2012年6月15日
(65)【公表番号】特表2014-520329(P2014-520329A)
(43)【公表日】2014年8月21日
(86)【国際出願番号】US2012042701
(87)【国際公開番号】WO2012174399
(87)【国際公開日】20121220
【審査請求日】2015年5月19日
(31)【優先権主張番号】13/163,536
(32)【優先日】2011年6月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】バーガー,ダグ
(72)【発明者】
【氏名】ホルムダール,トッド,エリック
(72)【発明者】
【氏名】マシューズ,ジョセフ,エイチ.ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】ボールドウィン,ジェームズ,エー
(72)【発明者】
【氏名】シラー,ジェイ
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−059117(JP,A)
【文献】 特開2003−018584(JP,A)
【文献】 特開2010−044303(JP,A)
【文献】 特表2011−517819(JP,A)
【文献】 特表2010−504044(JP,A)
【文献】 特表2012−525637(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1045547(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G06F 13/00
G09F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスにおいて、ターゲットビュアーに対して表示する広告を選択する方法であって、
複数の広告のうちの各広告について、前記広告の複数の先行ビュアーからの複数の感情的応答プロファイルを集計して、前記広告の集計された感情的応答プロファイルを形成するステップであって、前記複数の感情的応答プロファイルの各々は、先行ビュアーにより見られた時の前記広告に対する前記先行ビュアーの感情的応答の時間的記録を含み、前記複数の広告のうち一以上の広告の各々は少なくとも第1部分と複数の第2部分とを含む、ステップと、
一広告のターゲットビュアーに表示する前記一広告の第1部分を送るステップと、
前記一広告の第1部分に対する前記ターゲットビュアーの感情的応答の入力を受け取るステップと、
前記一広告の第1部分に対するターゲットビュアーの感情的応答の、前記集計された感情的応答プロファイルとの相関に基づいて、前記一広告の複数の第2部分から、前記一広告の第2部分を選択するステップと、
前記ターゲットビュアーに表示するため出力する前記一広告の前記第2部分を送信するステップと
を有する、方法。
【請求項2】
前記ターゲットビュアーが前記複数の広告を見るターゲットビュアー頻度をトラッキングするステップをさらに有し、
前記一広告を選択するステップは、前記一広告のターゲットビュアー頻度が前記一広告の予め選択された見る頻度と一致するように、前記一広告を選択するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ターゲットビュアーが前記複数の広告を見るターゲットビュアーコンテキストをトラッキングするステップをさらに有し、
前記一広告を選択するステップは、前記一広告が提示されるビデオコンテンツのアイテムを特定するビデオコンテンツアイデンティティと、前記ビデオコンテンツ中で前記一広告が表示される広告時間スロットと、前記広告時間スロット中に前記一広告が表示される広告位置とのうち一または複数に基づき、前記一広告を選択するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲットビュアーをキャプチャした画像データによって決定される、前記ターゲットビュアーがディスプレイを見ていない時に前記ターゲットビュアーの感情的応答を検出することにより、前記ターゲットビュアーの現在の感情的状態を決定するステップと、
決定された前記ターゲットビュアーの現在の感情的状態に基づき、前記複数の広告から第2の広告を選択するステップと、
前記ターゲットビュアーに表示するため前記第2の広告を送信するステップとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記一広告に対する前記ターゲットビュアーの感情的応答の入力を受け取るステップと、
前記一広告の集計感情的応答プロファイルを、前記一広告に対する前記ターゲットビュアーの感情的応答で更新するステップとを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記一広告に対する前記ターゲットビュアーの感情的応答に基づき、前記一広告に対する前記ターゲットビュアーの注意力を決定するステップと、
ビデオコンテンツ配信チェーン中のエンティティから前記ビデオコンテンツ配信チェーン中の他のエンティティにはらうべき注意力に基づき支払い額を決定するステップをさらに有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
選択された広告をターゲットビュアーに配信するサーバシステムであって、
ロジックサブシステムと、
前記ロジックサブシステムにより実行可能な命令を保持するデータ保持サブシステムであって、前記命令は前記ロジックサブシステムに、
あるブランドに関する複数の広告の進行を含む広告キャンペーンの複数の広告の各々について、前記広告の複数の先行ビュアーからの複数の感情的応答プロファイルを集計して、前記広告の集計感情的応答プロファイルを形成し、前記複数の感情的応答プロファイルの各々は、先行ビュアーにより見られた時の前記広告に対する前記先行ビュアーの感情的応答の時間的記録を含み、
前記ターゲットビュアーの感情的状態を受け取り、
前記ターゲットビュアーの感情的状態とフィルタされた集計感情的応答プロファイルと、前記広告キャンペーンの所定の進行との相関に基づいて、前記広告キャンペーンの前記複数の広告から、提示する第1の広告を選択し、
前記ターゲットビュアーに、表示するため前記第1の広告を送り、
前記第1の広告に対する前記ターゲットビュアーの感情的応答を受け取り、
前記第1の広告に対する前記ターゲットビュアーの感情的応答と、前記広告キャンペーンの所定の進行とに基づき第2の広告を選択し、
前記ターゲットビュアーに、表示するため前記第2の広告を送らせる
データ保持サブシステムとを有する、
サーバシステム。
【請求項8】
前記ターゲットビュアーが所属するソーシャルネットワークに基づき、前記ターゲットビュアーと潜在的に正の相関を有するビュアーのグループを特定するステップと、
前記潜在的に正の相関を有するビュアーのグループに基づき、前記複数の広告の前記集計された感情的応答プロファイルをフィルタするステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ビデオメディアに含めるために人を引きつける広告を特定することは困難な場合がある。例えば、広告に対する潜在的視聴者のサイズは大きいので、大きな広告キャンペーン中の広告選択は、そのキャンペーンの大きなフォーカスグループの興味に基づくことが多い。結果として、そのキャンペーンの基本コンセプトはビュアーの狭いサブグループの嗜好や興味を反映しないことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
ターゲットビュアーに対して表示するための広告の選択に関する実施形態を提供する。一実施形態では、広告の提供は、複数の広告のうちの各広告について、前記広告の複数の先行ビュアーから受け取った対応する複数の感情的応答プロファイルを集計して、前記広告の集計感情的応答プロファイルを形成するステップであって、前記複数の感情的応答プロファイルのうちの各感情的応答プロファイルは、前記広告に対する前記先行ビュアーの感情的応答の時間的記録を含む、ステップにより行われる。本実施形態は、さらに、前記ターゲットビュアーに対して潜在的に正の相関を有するビュアーのグループを特定するステップと、潜在的に正の相関を有するビュアーのグループに基づき集計感情的応答プロファイルをフィルタするステップと、前記フィルタされた集計感情的応答プロファイルに基づき、前記複数の広告から広告を選択するステップと、前記ターゲットビュアーに、表示するため前記一広告を送るステップとを有する。
【0003】
本欄では、発明の詳細な説明で詳しく説明するコンセプトの一部を選んで、簡単に説明する。本欄は、特許を請求する主題の重要な特徴や本質的な特徴を特定するものではなく、特許を請求する主題の範囲を限定するものでもない。さらに、請求項に係る主題は、本開示の任意の部分に記載された任意のまたはすべての欠点を解消する実施に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の一実施形態によるビデオ視聴環境において広告を見ているビュアーを示す図である。
図2A】本開示の一実施形態による対象ビュアー(targeted viewer)に対して表示する広告の選択方法を示すフロー図である。
図2B】本開示の一実施形態による対象ビュアー(targeted viewer)に対して表示する広告の選択方法を示すフロー図である。
図2C】本開示の一実施形態による対象ビュアー(targeted viewer)に対して表示する広告の選択方法を示すフロー図である。
図3】本開示の一実施形態によるビュアー感情的応答プロファイル、視聴興味プロファイル、及び総ビュアー感情的応答プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ビデオメディアでビュアーに配信するのに有効な広告を選択することは困難なことがある。広告のコンセプト、テーマ、及びスタイルの選択は、顧客のブランドアフィニティ(brand affinity)開発の中心であるが、顧客の嗜好や興味にも依存する。よって、個々の広告キャンペーンは、サンプルマーケットリサーチに基づく具体的なデモグラフィックにより開発される。対象ビュアー(targeted viewer)に配信されるビデオコンテンツアイテムに伴う広告の選択は、サンプルグループの仮定に依存し、ビュアーごとのカスタマイズは実現が難しい。
【0006】
このように、開示の実施形態は、対象ビュアーと潜在的に正の相関を有する興味と消費行動を有するビュアーグループの感情的応答に基づく、及び対象ビュアー自身の現在及び過去の感情的応答に基づく、対象ビュアーの興味を引く広告の選択と提示に関する。対象ビュアーのソーシャルネットワークに含まれる人々により推奨されたブランドは、その対象ビュアーが信頼する傾向がある商品とサービスを含むので、対象ビュアーのソーシャルネットワークに部分的に基づく広告選択は、広告の個人化(ad personalization)の有効性を大幅に改善する。さらに、ソーシャルネットワークのメンバーは、対象ビュアーと興味及び個性を潜在的に共有しているので、対象ビュアーはそのソーシャルネットワークの他のメンバーと正の相関をするように広告に潜在的に応答する。
【0007】
実施形態は、、かかる広告を特定するときに用いるため、ビュアープリファレンス(viewer preferences)の決定の支援をする画像センサ、深さセンサ、音響センサなどの視聴環境センサを利用し、動きセンサ、バイオメトリックセンサなどのその他のセンサを潜在的に利用する。かかるセンサにより、システムは、個人を特定し、人間の感情表現を検出して理解し、ビュアーがビデオを看ている時にリアルタイムのフィードバックを提供する。かかるフィードバックに基づき、エンターテイメントシステムは、ビュアーがその広告を楽しんでいるかの尺度を決定し、知覚されたビュアーの感情的応答へのリアルタイム応答を提供する。このように、人間の感情表現の検出は、ビュアーのプリファレンスの学習と広告コンテンツのパーソナライズに特に有用である。さらに、広告に対するビュアーの感情的応答(emotional responses)は、集計されて広告制作者に送られる。例えば、広告制作者は、ビュアーをブランドに引きつけたキャンペーン及びコンセプトと、強い感情的反応を引き起こした広告と、ビュアーのブランドアフィニティを引き起こした広告の態様とに関する情報を受け取る。
【0008】
図1は、広告がディスプレイデバイス102などのディスプレイ上に表示される広告提供環境100の一実施形態を示す図である。広告の表示はメディアコンピューティングデバイス104などのコンピューティングデバイスにより制御され、またはその他の好適な方法で制御されてもよい。メディアコンピューティングデバイス104は、ゲームコンソール、セットトップボックス、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートパッドコンピュータ、その他の好適なコンピューティングデバイスを含む。
【0009】
広告150、152及び154を視聴しているビュアーは160、162及び164を図1に示した。106で示したようなビデオ視聴環境センサシステムは、各メディアコンピューティングデバイスに接続され、そのメディアコンピューティングデバイスにセンサデータを提供する。メディアコンピューティングデバイスは、ビュアーにより視聴(view)される広告に対する一時的感情的応答を表すビュアー感情的応答プロファイルを生成する。
【0010】
次に、広告に対するビュアーの感情的応答プロファイルはネットワーク110を介してサーバコンピューティングデバイス130に送られる。サーバコンピューティングデバイス130において、各広告に対して、複数のビュアーからの感情的応答プロファイルが総合され、その広告に対する総(aggregated)感情的応答プロファイルになる。後で、その総計感情的応答プロファイルに基づき対象ビュアーに表示するための広告を、その対象ビュアーに社会的及び/またはデモグラフィック的に関係する人のグループによりフィルタされたものとして選択できる。例えば、広告は、その広告に対する、及び/またはその広告の一部(例えば、広告中のオブジェクト、シーンなど)の態様に対する、そのグループの感情的応答の強さや大きさに基づき選択できる。さらに、対象ビュアーの現在の感情的状態に基づき、及び/またはその対象ビュアーの広告興味プロファイル(advertising interests
profile)に基づき選択できる。対象ビュアーに合わせた広告選択により、対象ビュアーはその広告に興味をもち、感情的な刺激を受ける可能性が高くなり、広告の有効性を向上できる。
【0011】
ビデオ視聴環境センサシステム106は、画像センサ、奥行きセンサ、及び/またはマイクロホンその他の音響センサのうち一または複数を含むが、これらに限定されない。かかるセンサからのデータは、コンピューティングデバイス104により、ビュアーの姿勢やジェスチャの検出に用いることができ、これらはメディアコンピューティングデバイス104により、人間の感情表出と相関される。言うまでもなく、「人間の感情表出」との用語は、ここでは、視聴されたコンテンツに対する検出可能な人間の応答を表し、意識的にまたは無意識で行われているかにかかわらず、人間の感情表現及び/または人間の感情的振る舞いの検出可能な表出を含み、例えば顔、ジェスチャ、及び声による表出を含むが、これらに限定はされない。
【0012】
メディアコンピューティングデバイス104は、センサシステム106から受け取ったデータを処理して、ビュアーにより視聴される広告と、その広告への各ビュアーの感情的応答との間の時間的関係を生成する。以下により詳しく説明するように、かかる関係は、広告に対するビュアーの感情的応答プロファイルとして記録され、ビュアーの広告に対する興味をカタログ化する広告興味プロファイルに含まれる。これにより、対象ビュアーの及び/または潜在的に正の相関を有するビュアーのグループ中の人(例えば、共通の興味、ソーシャル関係、またはビュアー間のその他のリンクにより決まる、対象ビュアーと同様に広告に応答する可能性の高い人)の広告興味プロファイルが、読み出され、広告コンテンツの選択に用いられる。
【0013】
より具体的な例として、視聴環境センサシステム106から受け取られる画像データは、ビュアー160がうんざり(cringing)したり自分の顔を覆ったりする画像など、ビュアーの人間的感情的振る舞いの意図的な表出を捉えることができる。それに応じて、その広告に対するビュアーの感情的応答プロファイルは、そのビュアーが広告中のその時に怖がったことを示す。画像データは、人間の感情状態の無意識の表出を含んでいてもよい。かかるシナリオでは、画像データはユーザが広告中のある時間にディスプレイからよそ見をしていたことを示し得る。それに応じて、その広告に対するビュアーの感情的応答プロファイルは、そのビュアーがその時に退屈したり注意をそらされていたことを示す。視線追跡、顔表情特徴抽出その他の好適な方法を用いて、ビュアーの、感情的刺激の程度や広告150との取り組みを測る。
【0014】
ある実施形態では、画像センサは人間の心理的状態に特徴的なスペクトル領域内の光を集める。例えば、赤外光を用いて、体内の血中酸素レベル及び又は心拍レベルを見積もることができ;こうしたレベルを用いて、人の感情的刺激を見積もることができる。
【0015】
さらに、ある実施形態では、視聴環境センサシステム106以外のデバイス内にあるセンサを用いて、メディアコンピューティングデバイス104に入力を提供できる。例えば、ある実施形態では、ビデオ視聴環境100内にいるビュアー160が持っているモバイルコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータなど)に含まれる加速度計が、そのビュアーのジェスチャベースの感情表現を検知できる。
【0016】
図2Aないし図2Cは、ターゲットビュアーに対して表示する広告を選択する方法200の一実施形態を示すフロー図である。言うまでもなく、方法200は、本開示中の図1その他に示すハードウェアの実施形態を含むがそれに限定されない任意の好適なハードウェアにより実行できる。図2Aでは、メディアコンピューティングデバイス104が、ロジックサブシステム116により実行可能な命令を保持し、ここに開示の実施形態を実行するデータ保持サブシステム114を含む。また、コンピューティングデバイス104は、実行可能命令を記憶するリムーバブル及び/または非リムーバブルコンピュータ記憶媒体118を含んでいてもよい。同様に、サーバコンピューティングデバイス130には、データ保持サブシステム134、ロジックサブシステム136、及びリムーバブル及び/または非リムーバブルコンピュータ記憶媒体138が含まれる。
【0017】
上記の通り、ある実施形態では、ビュアーのモバイルデバイスのセンサからのセンサデータがメディアコンピューティングデバイスに供給される。さらに、視聴される広告に関する補足/関連広告コンテンツが、ターゲットとされたビュアー(targeted viewer)のモバイルデバイスに供給される。このように、ある実施形態では、メディアコンピューティングデバイス104及び/またはサーバコンピューティングデバイス130に登録されたモバイルコンピューティングデバイス140が、かかる機能を実行する。図2Bでは、モバイルコンピューティングデバイス140が、データ保持サブシステム144、ロジックサブシステム146、及びリムーバブルコンピュータ記憶媒体148を含む。ここに示すデータ保持サブシステム、ロジックサブシステム、及びリムーバブルコンピュータ記憶媒体の態様は、以下に説明する。
【0018】
図2Aに戻り、方法200は、202において、ビデオ視聴環境センサで、及び潜在的にモバイルコンピューティングデバイス140からセンサデータを収集するステップと、204において、センサデータをメディアコンピューティングデバイスに送信するステップとを含む。メディアコンピューティングデバイスはセンサデータの入力を受け取る。任意の好適なセンサデータを収集でき、画像センサデータ、奥行きセンサデータ、音響センサデータ、バイオメトリックセンサデータなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
方法200は、206に、センサデータの入力からビデオ視聴環境中のビュアーのアイデンティティを決定するステップを含む。ある実施形態では、ビュアーのアイデンティティ(identity)は、センサデータにより収集された画像データの比較により確立される。画像データはビュアーのパーソナルプロファイルに格納されている。例えば、ビデオ視聴(viewing)環境から収集した画像データに含まれる顔と、ビュアーのプロファイルに記憶された画像との間の顔類似性比較を用いて、そのビュアーのアイデンティティを確立する。また、ビュアーのアイデンティティは、音響データその他の任意の好適なデータから決定できる。同様に、ビュアーのアイデンティティはユーザにより(例えば、音声やテキスト入力デバイスなどにより)マニュアル操作で入力できる。
【0020】
ある実施形態では、ビュアーはオプトイン(opting-in)により参加することを選択できる。例えば、ここに説明する様々な情報(感情的応答情報を含む)を提供する替わりに、ビュアーは、様々なオファー、強調された広告(enhanced advertisement)及び/またはエンターテイメントコンテンツを受け取り、及びビュアーのエンターテイメント体験を豊かにする同様のインセンティブを受け取ることができる。
【0021】
方法200は、208において、ビュアーの感情的応答プロファイルを生成するステップを含む。感情的応答プロファイルは、ビデオ視聴環境に表示される広告に対するビュアーの感情的応答の時間的記録を含む。言い換えると、広告に対するビュアーの感情的応答プロファイルは、ビュアーの感情的表現と振る舞い表示を、その広告中の時間位置の関数としてインデックス(index)する。
【0022】
図3は、ビュアーの感情的応答プロファイル304の一実施形態を示す。図3に示したように、ビュアーの感情的応答プロファイル304は、一または複数のビデオ視聴環境センサから受け取ったセンサ情報を用いて、一または複数のメディアコンピューティングデバイス104とサーバコンピューティングデバイス130上で実行されるセマンティックマイニングモジュール302により生成される。センサからの感情的応答データと広告情報303(例えば、その感情的応答データが収集された時に、その感情的応答が発生した広告内の部分で、ビュアーが視聴していた広告を識別するメタデータ)を用いて、セマンティックマイニングモジュール302は、ビュアー感情的応答プロファイル304を生成する。これはビュアーの感情的応答を広告中の時間的位置の関数としてキャプチャするものである。
【0023】
図3に示した例では、セマンティックマイニングモジュール302は、感情識別(emotional identifications)を、ビデオ視聴環境センサにより検出された様々な行為その他の表現データ(例えば、心理データ)に割り当てる。また、セマンティックマイニングモジュール302は、例えば、様々なイベント、シーン及び広告中で発生するアクションの時間により、広告と同期した時間シーケンスによりビュアーの感情的表現をインデックスする。よって、図3に示した例では、広告の時間インデックス1において、セマンティックマイニングモジュール302は、生理的データ(例えば、脈拍レートデータ)や人間感情表示データ(例えば、ボディランゲージスコア)に基づき、ビュア―が退屈し気が散っていることを記録する。後の時間インデックス2において、ビュアー感情応答プロファイル304は、ビュアーは喜んで広告に興味を持ち、一方時間インデックス3において、ビュアーは恐がっているが、その注意は広告に向いていることを示す。
【0024】
ある実施形態では、感情的応答プロファイル302は、広告に対するビュアーの注意力の記録を含み得る。記録されると、ビデオコンテンツ配信チェーンの様々なエンティティ(例えば、ビデオコンテンツクリエータやプロバイダー、広告コンテンツクリエータやプロバイダーなど)は、ビュアーの注意力を個別に、または他の複数のビュアーのの注意力評価と組み合わせて、広告の有効性に対するフィードバックとして参照する。
【0025】
ある実施形態では、ビュアーの注意力を用いて、かかるエンティティのうち2以上のエンティティ間における、広告の支払い値を変更できる。例えば、ある広告に対する第1のビュアーの注意力が、その広告のそのビュアーの感情的応答プロファイル302に記録されているが、同じ広告に対する第2のビュアーの注意力より相対的に高いとき、広告主からビデオコンテンツプロバイダ及び/または広告コンテンツクリエータに対する支払いは、第2の場合に比べて第1の場合が高い。その結果、広告の印象に対する価格は、ビュアーからのフィードバックを求めずに、広告に対するビュアーの感情的応答から求まるフィードバックを用いて決定される。さらに、あるビュアーの広告の印象の価格は、その広告に対する他のビュアーの応答に基づいて決まる価格に関連して決定できるので、広告の印象の価値を、評価から注意力を除外する既存のモデルに対してより効率的に決定できる。
【0026】
ある実施形態では、セマンティックマイニングモジュール302は、広告に対するビュアーの感情的応答と、ビュアーの一般的な気性とを区別するように構成できる。例えば、ある実施形態では、セマンティックマイニングモジュール302は、そのビュアーの注意がディスプレイ装置に集中していない時に検出された人間的感情表示を無視する(または、その間ビュアーは気が散っていることをレポートする)。このように、シナリオ例として、ビュアーがビデオ視聴環境の外部からのうるさい雑音のために明らかにいらいらしている場合、セマンティックマイニングモジュール302は、広告とともに検出されたいらいらをその広告に起因するものとはせず、その広告に対するビュアーの感情的応答プロファイル中のその時間的位置においてそのいらいらを記録しないように構成してもよい。ビデオ視聴環境センサとして画像センサが含まれている実施形態では、(ビデオ視聴環境の奥行きマップと潜在的に組み合わせて)好適な視線追跡及び/または顔位置追跡技術を利用して、ビュアーの注意がディスプレイ装置及び/または広告に集中している程度を決定してもよい。また、図3は、306においてグラフィックス形式の広告の感情的応答プロファイル304を示す。例えば、広告に対するビュアーの反応を理解しようとしている広告主に対して、感情的応答プロファイルを上記の形式で表示してもよい。
【0027】
広告に対するビュアーの感情的応答プロファイル304を分析して、ビュアーに肯定的及び否定的応答を生じさせたシーン/オブジェクト/出来事のタイプを決定できる。例えば、図3に示した例では、広告情報は、シーン記述を含み、センサデータ及びビュアーの感情的応答と相関している。上記の分析の結果は、広告興味プロファイル308に集積される。広告興味プロファイル308は、過去の媒体経験に対するビュアーの感情的応答から判断される広告に対するビュアーの好き嫌いを示す。広告興味プロファイルは、複数の感情的応答プロファイルから生成される。広告に描かれたオブジェクト、セッティング、その他のイメ―ジは、検出された感情的状態にリンクされる。ビュアーがより多くの広告を見るにつれ、そのビュアーの広告興味プロファイルは変化して、最近視聴された広告に対するビュアーの感情的応答に表されたそのビュアーの嗜好や興味の変化を反映する。
【0028】
さらに、ビュアーの広告興味プロファイルは、ビュアーの個人的興味(例えば、ホビー)、視聴上の興味(例えば、ビデオ視聴履歴や行動)、インターネットブラウジング興味、及びそのビュアーのデモグラフィック情報(例えば、年齢、性別、住所、職業など)の変化の程度に関する情報を含み得る。
【0029】
図3の310に示したような、ビュアーにより視聴された(viewed)他の広告の分析を行い、同様な感情的応答を生じる異なるコンテンツアイテムの部分間の類似性を決定することにより、ビュアーの潜在的な好き嫌いを決定し、これを用いて、将来の視聴に対する広告の示唆を行う。例えば、図3は、ビュアーが製品AやCよりも製品Bを好み、ロケーションタイプAよりもロケーションタイプBを好むことを示す。
【0030】
図2Aに戻り、方法200は、212において、複数の広告について、複数のビュアーの各ビュアーから感情的応答プロファイルを受け取るステップを含む。感情的応答は、一旦受け取られると、上記の通り、分析され及び/または後で分析するために記憶される。
【0031】
方法200は、ステップ214に、広告に対する複数の感情的応答プロファイルを集計して、その広告に対する集計感情的応答プロファイルを構成するステップを含む。例えば、図3は、ある広告に対する集計感情的応答プロファイル314の一実施形態を示す。図3のステップ312に示したように、ある広告に対する複数の感情的応答プロファイルは、各プロファイルは異なるビュアーからのものであるが、平均されまたは合成されて、集計感情的応答プロファイル314を生成する。また、ある実施形態では、集計感情的応答プロファイル314は、(例えば、製品タイプ;ブランド;広告テーマ、スタイル、及び長さにより)好適な方法で広告情報に関連付けられ、ある程度及び楽しさレベルまで複数のビュアーに対し感情的経験をトリガーした広告に関する特徴を特定する。
【0032】
さらに、ある実施形態では、集計感情的応答プロファイル314は、広告中の時間的位置の関数として感情的刺激の相対的な程度及び/またはタイプを示すように(例えば、ヒストグラムやヒートマップとして)グラフィカルに提示される。かかるグラフィカルな表示により、広告コンテンツクリエータは、(例えば、感情的応答をソーシャル、デモグラフィック、その他の好適な基準でフィルタリングすることにより)任意の粒度レベルで、ビュアーのグループの広告の感情的に刺激的及び/または興味深い部分を特定できる。このように、広告に対するビュアーの大きなグループの感情的応答をソート及びフィルタして、ビュアーのより小さいサブグループに対する広告の感情的に重要な側面を特定する。
【0033】
ある実施形態では、広告がターゲットとする(例えば、「ターゲットビュアー」)ビュアーの感情的状態に基づき選択できる。このように、図2Aに戻り、方法200は、ステップ216において、ビデオ視聴環境センサからターゲットビュアーの感情的状態のセンサデータを収集するステップと、ステップ218において、メディアコンピューティングデバイスにセンサデータを送るステップとを含む。図2Aに示した例では、センサデータ収集は、ターゲットビュアー(targeted viewer)のビデオ視聴環境で行われ、ターゲットビュアーのメディアコンピューティングデバイスに送られる。しかし、言うまでもなく、この例は限定ではなく、任意の好適なビデオ視聴環境センサがターゲットビュアーの人間的感情表示のデータを収集して、それを任意の好適なコンピューティングデバイス(例えば、メディアコンピューティングデバイス及び/またはサーバコンピューティングデバイス)に送信して処理することができる。
【0034】
方法200は、ステップ220において、ターゲットビュアーのアイデンティティを決定するステップを含む。これにより、ターゲットビュアーの広告興味プロファイルにアクセスして、広告選択を支援できる。言うまでもなく、上記の方法を含むがこれに限定されない任意の好適な方法で、要求しているビュアーのアイデンティティを検出できる。
【0035】
さらに、方法200は、ステップ222において、受け取ったセンサデータからターゲットビュアーの感情的状態を決定するステップを含む。ターゲットビュアーの現在の感情的状態を決定することにより、ターゲットビュアーのムードを補足する広告を選択でき、潜在的にターゲットビュアーに選択された広告と係わり合い応答させることができる。ターゲットビュアーの感情的状態は、上記のセマンティックマイニング方法を含むがこれに限定されない任意の好適な方法で決定できる。ステップ224において、ターゲットビュアーのアイデンティティと、もし決定されていれば、感情的状態が、サーバコンピューティングデバイスに送られ、さらに処理される。
【0036】
図2Bを参照して、方法200は、ステップ226において、ターゲットビュアーに対して潜在的に正の相関を有するビュアーのグループを特定するステップを含む。上記の通り、ターゲットビュアーにソーシャルリンクされた及び/またはデモグラフィック的に類似した人々により推奨されたブランドは、ターゲットビュアーが信頼する傾向があるブランドを含む。したがって、ターゲットビュアーとソーシャルに関連した人々の、様々な広告に対する感情的な応答を分析することは、ターゲットビュアーがどの広告を見ることを楽しむかを示す。
【0037】
ある実施形態では、潜在的に正の相関をしたビュアーは、ターゲットビュアーのソーシャルネットワークに属するビュアーに対応する。よって、ステップ226は、ステップ228において、ターゲットビュアーのソーシャルネットワークを特定するステップを含む。言うまでもなく、ソーシャルネットワークは、ターゲットビュアーの興味がネットワークメンバーの集合的な興味と相関しているように、ターゲットビュアーに対しソーシャルリンクを有する人々の任意の好適な集まりである。かかるネットワークは、ユーザにより確定され、またはユーザ間の共通の特徴により自動的に確定され得る。追加的または代替的に、ある実施形態では、潜在的に正の相関を有するビュアーは、ターゲットビュアーが属するデモグラフィックグループに属するビュアーに対応する。言うまでもなく、デモグラフィックグループは、任意の好適な特徴に基づき確定でき、すべてのユーザ間よりも、グループメンバー間で、興味の相関がより大きくなる。
【0038】
方法200は、ステップ230において、複数の広告の集計感情的応答プロファイルをフィルタして、潜在的に正の相関を有するビュアーのグループから受け取ったものを見つけるステップを含む。ターゲットビュアーのソーシャルネットワークに基づき集計感情的応答プロファイルをフィルタすることにより、ターゲットビュアーの密接なソーシャルコネクション及び/またはその他のデモグラフィックが類似したユーザにより前に興味をもたれた、それゆえターゲットビュアーも興味をもつであろう商品やサービスの広告を選択できる。
【0039】
方法200は、ステップ232において、フィルタされた集計感情的応答プロファイルに基づき複数の広告から提示する広告を選択するステップを含む。例えば、広告選択の決定は、広告のフィルタされた集計感情的応答プロファイルを用いて、潜在的に正の相関を有するビュアーのグループの、その広告に対する感情的応答の強さに全体的に基づき行われ得る。感情的応答の強さが所定閾値を超えた場合、その広告が選択されターゲットビュアーに対して表示される。
【0040】
追加的または代替的に、かかる広告選択の決定は、比較的大きい感情的応答の強さに関連するような広告の側面(例えば、テーマ、製品、ロケーション、コンセプトなど)に基づき、行われる。例えば、ビュアーのグループの集計感情的応答プロファイルが、アウトドアリクレーションを描く広告に対する比較的大きな感情的応答を示す場合、他の製品の同様な広告を選択してターゲットビュアーに将来表示できる。
【0041】
上記の通り、ある実施形態では、広告選択の決定は、ターゲットビュアーの現在の感情的状態に部分的に基づいてもよい。このように、ステップ232には、ステップ234において、ターゲットビュアーの感情的状態と、フィルタされた集計感情的応答プロファイルとの相関に基づき、提示する広告を選択するステップを含む。例えば、ターゲットビュアーの注意が移ろっているとき、ターゲットビュアーの広告に対する興味、ソーシャルネットワーク及び/またはデモグラフィックグループから判断される、ターゲットビュアーが興味をもつだろう製品の広告が選択される。代替的に、すでにターゲットビュアーの注意を引きつけている場合、より微妙及び/またはニュアンス的な広告が選択される。他の例では、センサデータが、ターゲットビュアーが熱望していることを示す場合、ターゲットビュアーの潜在的な望みに届くことを願って、鎮静させる広告を選択してもよい。ターゲットビュアーの感情的状態は、上記のセマンティックマイニング方法を含むがこれに限定されない任意の好適な方法で決定できる。
【0042】
ある実施形態では、ターゲットビュアーの感情的状態とフィルタされた集計感情的応答プロファイルに関する情報を用いて、あるブランドの広告キャンペーンにおいて、一連の広告からある広告を選択する。例えば、ターゲットビュアーが広告キャンペーンの異なるステージからの広告を提示される用意があるかの決定は、ターゲットビュアーと、そのターゲットビュアーとそのキャンペーンを通してソーシャルにつながっているその他のビュアーのグループとの相対的進歩、及びそのキャンペーンに対するターゲットビュアーの感情的応答と、その他のビュアーのグループの応答との間の関係に基づき行われる。その結果、そのキャンペーンは、ターゲットビュアーのインプレッション頻度(impression frequency)と感情的応答レベルとに合わせてパーソナライズでき得る。例えば、インプレッション頻度及び/または広告選択は、ターゲットビュアーの興味が薄れつつあると判断されたとき、修正されてもよい。
【0043】
かかるキャンペーンの管理は、時間的にターゲットビュアーへの広告配信の様々な側面をトラッキングし、広告の選択をトラッキングされた側面に基づいて行うことにより、行われる。例えば、ある実施形態では、ターゲットビュアーに広告を提示する及び/またはターゲットビュアーが広告を視る頻度を時間的にトラッキングしてもよい。ターゲットビュアーが注意を払う、または(例えば、ターゲットビュアーの感情表現やクリックスルー応答などにより)検出できるほど関心を引かれている広告エクスポージャ、及び場合によっては広告インプレッションの一部のトラッキングにより、広告主及びコンテンツプロバイダがほしい情報が得られる。
【0044】
このように、プロセス232は、ステップ236において、各ターゲットビュアーの広告頻度がその広告の予め選択されたビューイング頻度に一致するように広告を選択するステップを含む。予め選択されたビューイング頻度は、その広告が表示される任意の好適な頻度であり得る。言うまでもなく、予め選択されるビューイング頻度は、広告キャンペーンの進行中に変化してもよいし、(例えば、広告キャンペーン中の位置、時刻、ビューイングチャンネル、広告が配信されるビデオコンテンツのタイプ及び/またはアイデンティティなどの)要因に応じて修正されてもよい。
【0045】
追加的または代替的に、ある実施形態では、ターゲットビュアーが広告を見るコンテキストを時間的にトラッキングしてもよい。「ターゲットビュアーコンテキスト」は、広告がターゲットビュアーに表示される状況を記述する。ターゲットビュアーコンテキストの非限定的な例には、広告が提示されるビデオコンテンツアイテムを特定するビデオコンテンツアイデンティティと、ビデオコンテンツ中に広告が表示されるコマーシャル時間スロット(ad break slot)と、コマーシャル時間スロット中に広告が表示される広告位置(ad position)とを含む。このような実施形態の一部では、ステップ232は、ステップ238において、ターゲットビュアーコンテキストに基づき広告を選択するステップを含む。
【0046】
言うまでもなく、ターゲットビュアーにより提供された検索ターム及び/または興味などのビュアー提供フィルタを用いることにより、さらにパーソナライズが可能となる。例えば、ある実施形態では、広告の選択も、ターゲットビュアーの広告興味プロファイル(例えば、図3に示した広告興味プロファイル)に基づいてもよい。さらに、無広告ビデオコンテンツへの感情的応答をトラッキングして、ビュアーの興味を判断してもよい。
【0047】
言うまでもなく、全体的なブランドコンセプトに関する複数の広告を含む広告キャンペーンは、ターゲットビュアーの感情的状態を考慮して、特定の広告を選択することにより管理できるので、個別の広告はターゲットビュアーに同様にカスタマイズできる。例えば、広告の第1の部分がターゲットビュアーに提供され、ターゲットビュアーの感情的応答がモニターされる。それに応じて、その広告の複数の第2の部分の一が選択され、第1の部分に対する感情的応答に基づきターゲットビュアーに提示される。よって、ターゲットビュアーの感情表現が第1部分広告のオープニングシーンに示されるドラマチックな山の眺めに対して好意的であると判断された場合、ダイナミックなオフィス環境を含む第2部分の代わりに、新しいごつごつした山の景色を含む第2部分が選択され得る。このように、ある実施形態では、ステップ232は、ステップ244において、その広告の第1部分を選択し、ターゲットビュアーに送信するステップを含み得る。
【0048】
方法200は、その広告(またはその一部)が選択されると、ステップ246において、(ステップ248に示したように)ディスプレイに(例えば、主ディスプレイやコンパニオンデバイスディスプレイに)出力される広告をターゲットビュアーに送信する。
【0049】
図2Cを参照して、方法200は、ステップ250において、ビデオ視聴環境センサからターゲットビュアーのその広告に対する感情的応答のセンサデータを収集するステップと、ステップ252において、メディアコンピューティングデバイスにセンサデータを送るステップとを含む。言うまでもなく、その広告に対するターゲットビュアーの感情的応答を収集するステップは、上記の収集方法を含むがこれに限定されない任意の好適な方法で実行できる。
【0050】
方法200は、ステップ254において、その広告のターゲットビュアーの感情的応答プロファイルを生成するステップを含む。(例えば、ターゲットビュアーがその広告をすでに見たことがあり、)ターゲットビュアーがその広告の感情的応答プロファイルをすでに有する場合、既存のプロファイルは、(例えば、前のコンテキストデータと異なる新しいコンテキストデータとともに)新しいインスタンスとして上書きまたは保存され得る。言うまでもなく、感情的応答プロファイルの生成は、上記のセマンティックマイニングアプローチを含む、任意の好適な方法で実行できる。方法200は、ステップ256において、さらに処理するため、感情的応答プロファイルをサーバコンピューティングデバイスに送信するステップを含む。
【0051】
その広告に対するターゲットビュアーの感情的応答を用いて、その後の広告選択のための選択基準を調整してもよい。このように、方法200は、ステップ258において、その広告に対するターゲットビュアーの感情的応答で、集計感情的応答プロファイルを更新するステップを含む。その広告に対するターゲットビュアーの感情的応答プロファイルで、その広告に対する集計感情的応答プロファイルを更新するステップにより、広告選択を、ビュアーの現在の興味と合わせる役にたつ。
【0052】
選択基準を調整する他の方法には、潜在的に正の相関を有するビュアーのグループのメンバーシップを変えるステップを含み得る。例えば、広告に対するターゲットビュアーの感情的応答と、(許容可能範囲より大きく)潜在的に正の相関を有するビュアーによりフィルタされた集計感情的応答プロファイルとの間の相違は、潜在的に正の相関を有するビュアーのメンバーシップをリファインすることにより、ターゲットビュアーの広告選択のカスタマイズを比較的に改善することができることを示す。
【0053】
このように、方法200は、ステップ260において、広告に対するターゲットビュアーの感情的応答の、グループの集計感情的応答プロファイル中の感情的応答プロファイルとの相関の程度に基づいて、潜在的に正の相関を有するビュアーのグループの構成を更新するステップを含む。ある実施形態では、異なるが関連する広告に対する興味プロファイルを有する新しいメンバーが追加され、潜在的に正の相関を有するビュアーのグループにバリエーションをもたらしてもよい。追加的にまたは代替的に、ある実施形態では、既存のメンバーは、ターゲットビュアーの広告興味プロファイルがそのメンバーたちからドリフトした場合、そのグループからリタイヤしてもよい。
【0054】
広告に対するターゲットビュアーの感情的応答は、それのみ、または上記の選択基準修正と組み合わせて、用いられ、ターゲットビュアーに追加的広告コンテンツを提供する。
【0055】
一例として、広告の第1部分に対するターゲットビュアーの感情的応答を用いて、その広告の表示中に、その広告の第2部分を選択する実施形態において、方法200は、ステップ262において、その広告の第1部分にに対するターゲットビュアーの感情的応答に基づきその広告の第2部分を選択するステップと、ステップ264において、ターゲットビュアーに表示するために出力する他のコンピューティングデバイスにその広告の第2部分を送るステップとを含み得る。方法200は、かかる実施形態のステップ266において、表示するためにその広告の第2部分を出力するステップを含む。
【0056】
広告に対するターゲットビュアーの感情的応答をどのように用いて追加的広告コンテンツを提供するかという他の例として、ある実施形態では、方法200は、ステップ268において、関連する広告を選択してターゲットビュアーに送るステップと、ステップ270において、関連広告を他のコンピューティングデバイスに送るステップと、ステップ272において、ターゲットビュアーに、表示するため、関連広告を出力するステップを含む。その広告に好適に関連する任意の広告が、関連広告として提供され得る。好適な関係には、広告キャンペーンなどの広告間のコンテキスト関係及び/またはコンセプト関係、ブランド関係、地理的関係、及びモノとサービスの関係が含まれるが、これらに限定されない。
【0057】
ある実施形態では、関連広告は、その広告に対して補足的な内容を含み得る。例えば、関連広告は、主ディスプレイにおけるその広告の表示と同時に表示するため、ターゲットビュアーに属するモバイルコンピューティングデバイスに送信され得る。この例では、関連広告は、そのモバイルコンピューティングデバイスにおける広告関連エンターテイメント及び/または購入経験などを可能にする、ターゲットビュアーによりそうさ可能なインター楽ティ部ユーザインタフェース制御要素を含み得る。
【0058】
かかる経験との関わりは、ブランド及び/または広告キャンペーンとの関わりの程度と高い相関性があるので、方法200は、ステップ274において、サーバコンピューティングデバイスに関連広告に対するクリックスルー応答を送信するステップと、ステップ276において、関連広告に対するクリックスルー応答をトラッキングするするステップを含み得る。次に、ターゲットビュアーのクリックスルー応答を用いて、そのターゲットビュアーに対する、将来の広告選択をカスタマイズするのを手伝うことができる。例えば、ターゲットビュアーの広告興味プロファイル308は、関連広告に対してターゲットビュアーにより与えられるクリックスルー応答に応じて更新され得る。
【0059】
上記の通り、ある実施形態では、本開示で説明する方法とプロセスは、一または複数のコンピュータを含むコンピューティングシステムに結びついていてもよい。具体的に、ここに開示の方法とプロセスは、コンピュータアプリケーション、コンピュータサービス、コンピュータAPI、コンピュータライブラリ、及び/またはその他のコンピュータプログラム製品として実施できる。
【0060】
図2A及び図2Bは、上記の方法とプロセスのうちの一または複数を実行できる非限定的なコンピューティングシステムを簡略化形式で示している。言うまでもなく、この開示の範囲から逸脱することなく、任意のコンピュータアーキテクチャを用いることができる。異なる実施形態では、コンピューティングシステムは、メインフレームコンピュータ、サーバコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ホームエンターテイメントコンピュータ、ネットワークコンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス、モバイル通信デバイス、ゲーミングデバイスなどの形式をとり得る。
【0061】
コンピューティングシステムは、ロジックサブシステム(例えば、図2Aのモバイルコンピューティングデバイス104のロジックサブシステム116、図2Bのモバイルコンピューティングデバイス140のロジックサブシステム146、及び図2Aのサーバコンピューティングデバイス130のロジックサブシステム136)と、データホールディングサブシステム(例えば、図2Aのモバイルコンピューティングデバイス104のデータホールディングサブシステム114、図2Bのモバイルコンピューティングデバイス140のデータホールディングサブシステム144、図2Aのサーバコンピューティングデバイス130のデータホールディングサブシステム134)を含む。コンピューティングシステムは、任意的に、図2A及び図2Bには図示していないディスプレイサブシステム、通信サブシステム、及び/またはその他のコンポーネントを含んでいてもよい。また、コンピューティングシステムは、任意的に、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、カメラ、マイクロホン、及び/またはタッチスクリーンなどのユーザ入力デバイスを含み得る。
【0062】
ロジックサブシステムは、一又は複数の命令を実行するように構成された一又は複数の物理的デバイスを含み得る。例えば、ロジックサブシステムは、アプリケーション、サービス、プログラム、ルーチン、ライブラリ、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、またはその他の論理構成のうちの一または複数のの一部である一または複数の命令を実行するように構成し得る。かかる命令を実施して、タスクを実行し、データタイプを実装し、一または複数のデバイスの状態を変換し、または所望の結果に到達し得る。
【0063】
ロジックサブシステムは、ソフトウェア命令を実行するように構成された一または複数のプロセッサを含み得る。追加的または代替的に、ロジックサブシステムは、ハードウェアまたはファームウェア命令を実行するように構成された一または複数のハードウェアまたはファームウェアロジックマシンを含み得る。ロジックサブシステムのプロセッサはシングルコアまたはマルチコアであり、それらの上で実行されるプログラムは並列処理または分散処理用に構成され得る。ロジックサブシステムは、任意的に、2つ以上のデバイスに分散した個別コンポーネントを含み、それらは離れて配置され、及び/または協調処理をするように構成され得る。ロジックサブシステムの一または複数の態様は、クラウドコンピューティング構成のリモートアクセス可能なネットワークされたコンピューティングデバイスにより仮想化され実行され得る。
【0064】
データ保持サブシステムは、データ、及び/またはここに説明した方法とプロセスを実施するように論理サブシステムにより実行可能な命令を保持するように構成された一または複数の物理的、非一時的装置を含み得る。かかる方法とプロセスが実施されると、データ保持サブシステムの状態は、(例えば異なるデータを保持するように)変換され得る。
【0065】
データ保持サブシステムは、リムーバブル及び/またはビルトイン装置を含み得る。データ保持サブシステムは、なかんずく、光学メモリ装置(例えば、CD、DVD、HD−DVD、ブルーレイディスクなど)、半導体メモリ装置(例えば、RAM、EPROM、EEPROMなど)、及び/または磁気メモリ装置(例えば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、テープドライブ、MRAMなど)を含み得る。データ保持サブシステムは、次の特性のうち一または複数を有する装置を含み得る:揮発性、不揮発正、ダイナミック、スタティック、リード/ライト、リードオンリー、ランダムアクセス、シーケンシャルアクセス、ロケーションアドレサブル、ファイルアドレサブル、及びコンテントアドレサブル。ある実施形態では、論理サブシステムとデータ保持サブシステムは、特定用途集積回路(ASIC)やシステムオンチップなどの一または複数の共通装置に集積し得る。
【0066】
また、図2A及び図2Bは、リムーバブルコンピュータ記憶媒体の形式でデータ保持サブシステムの一態様を示す(例えば、図2Aのモバイルコンピューティングデバイス104のリムーバブルコンピュータ記憶媒体118、図2Bのモバイルコンピューティングデバイス140のリムーバブルコンピュータ記憶媒体148、及び図2Aのサーバコンピューティングデバイス130のリムーバブルコンピュータ記憶媒体138)。これは、データ及び/またはここに説明した方法とプロセスを実施するように実行可能な命令を記憶及び/または転送するために使われる。リムーバブルコンピュータ記憶媒体は、なかんずく、CD、DVD、HD−DVD、ブルーレイディスク、EEPROM、及び/またはフロッピーディスクの形式をとり得る。
【0067】
言うまでもなく、データ保持サブシステムは、一または複数の物理的非一時的装置を含む。対照的に、ある実施形態では、ここに説明した命令の態様は、少なくとも有限の時間のあいだ物理的装置により保持されない純粋な信号(例えば、電磁気信号、光信号など)により一時的に伝搬され得る。さらに、本開示に関するデータ及び/またはその他の形式の情報は、純粋な信号により伝搬し得る。
【0068】
「モジュール」、「プログラム」及び「エンジン」との用語は、一または複数の具体的な機能を実行するように実装されたコンピューティングシステムの一態様を記述するのに使われ得る。ある実施形態では、かかるモジュール、プログラムまたはエンジンは、データ保持サブシステムにより保持された論理サブシステムにより実行可能な命令を介して具体化し得る。言うまでもなく、異なるモジュール、プログラム及び/またはエンジンは、同じアプリケーション、サービス、コードブロック、オブジェクト、ライブラリ、ルーチン、API、関数などから具体化し得る。同様に、同じモジュール、プログラム及び/またはエンジンは、異なるアプリケーション、サービス、コードブロック、オブジェクト、ルーチン、API、関数により具体化し得る。「モジュール」、「プログラム」及び「エンジン」との用語は、個々の実行可能ファイル、データファイル、ライブラリ、ドライバ、スクリプト、データベースレコードなど、またはこれらのグループを含むものとする。
【0069】
言うまでもなく、「サービス」は、ここでは、複数のユーザセッションにわたり実行可能な、一または複数のシステムコンポーネント、プログラム及び/またはその他のサービスに利用可能なアプリケーションプログラムであり得る。ある実装では、サービスは、クライアントからの要求に応じてサーバ上で実行し得る。
【0070】
ディスプレイサブシステムは、含まれていれば、データ保持サブシステムにより保持されたデータのビジュアル表現を提示するために用いられ得る。ここに説明した方法とプロセスは、データ保持サブシステムにより保持されたデータを変更し、よってデータ保持サブシステムの状態を変換するので、ディスプレイサブシステムの状態は、その土台のデータにおける変化をビジュアルに表現するように同様に変換され得る。ディスプレイサブシステムは、事実上任意のタイプの技術を用いた一または複数のディスプレイ装置を含み得る。かかるディスプレイ装置は、共通の筐体中に、論理サブシステム及び/またはデータ保持サブシステムと組み合わせてもよいし、または周辺ディスプレイ装置であってもよい。
【0071】
言うまでもなく、ここに説明した構成及び/またはアプローチは、実際は例示であり、多くのバリエーションが可能であるから、これらの具体的な実施形態または例は限定と考えてはならない。ここに説明した具体的なルーチンや方法は、任意数の処理ストラテジのうちの一または複数を表し得る。とすれば、例示した様々な動作は、例示した順序で、他の順序で、または並列的に実行してもよいし、場合によっては省略してもよい。同様に、上記のプロセスの順序は変更し得る。
【0072】
開示の主題は、ここに開示した様々なプロセス、システム及び構成、もしくはその他のフィーチャ、機能、動作、及び/または特性の新規かつ非自明なすべてのコンビネーション及びサブコンビネーションを含み、これらの任意の及びすべての等価物も含む。
図1
図2A
図2B
図2C
図3