【文献】
Science Translational Medicine,2011年10月,Vol.3, Issue 106,p.1-11
【文献】
Gene Tools, LLC - Morpholino Antisense Oligos From Gene Tools: Superior Technology, Comprehensive Service,The Internet Archive [online],Internet Archive,2011年11月,URL,https://web.archive.org/web/20111105131436/http://www.gene-tools.com/
【文献】
Gregory,S.G. et al.,Homo sapiens chromosome 1, GRCh37.p5 Primary Assembly.,Genbank [online],National Center for Biotechnology Information,2011年 7月,Accession No.NC_000001 REGION: 156082546,URL,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/NC_000001.10?report=gbwithparts&log$=seqview&sat=16&satkey=3691223&from=156082546&to=156140089
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ヒトLMNAプレmRNAの異常なスプライシングをモジュレートするのに使用するための、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、モルホリノサブユニット、および1つのサブユニットのモルホリノ窒素と隣接するサブユニットの5’環外炭素とを接合するリン含有サブユニット間連結から構成され、かつ以下:
(i)実質的に荷電していない、ヌクレアーゼ耐性骨格を有し、
(ii)哺乳動物宿主細胞による取込みが可能であり、
25〜40塩基を含有し、かつ
配列番号4、5、10、11、13、14および16のいずれか1つを含む標的化配列を有し、
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、リンカー部分を介して細胞透過性ペプチドに共有結合的に付着しており、前記リンカー部分は、グリシン、システイン、プロリン、6−アミノヘキサン酸(Ahx)、β−アラニン(B)およびAhx−Bから選択され、前記細胞透過性ペプチドは、配列番号39〜54から選択される、組成物。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明は、本明細書に記載のオリゴヌクレオチド、およびこれを含有する医薬組成物ならびにインビトロ方法に関し、このオリゴヌクレオチドは、例えば、LMNAプレmRNAのスプライシングをモジュレートすることによって、変異体LMNAタンパク質mRNAの発現を阻害する。
【0051】
定義
他に定義しない限り、本明細書において使用する全ての技術および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様または同等である任意の方法および材料を、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を記載する。本発明の目的のために、下記の用語を、下記で定義する。
【0052】
冠詞「a」および「an」は、本明細書において、冠詞の文法的対象の1つまたは複数(すなわち、少なくとも1つ)について言及するために使用される。例として、「1つの要素」は、1つの要素または複数の要素を意味する。
【0053】
「約」とは、参照の分量、レベル、値、数、頻度、百分率、寸法、サイズ、量、重量または長さに対して、30%、25%、20%、25%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%ほど変動する、分量、レベル、値、数、頻度、百分率、寸法、サイズ、量、重量または長さを意味する。
【0054】
「コード配列」とは、遺伝子のポリペプチド産物のためのコードに寄与する任意の核酸配列を意味する。対照的に、「非コード配列」という用語は、遺伝子のポリペプチド産物のためのコードに寄与しない任意の核酸配列を指す。
【0055】
本明細書を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」という語は、記述したステップもしくは要素、またはステップもしくは要素の群を含むことを暗示するが、任意の他のステップもしくは要素、またはステップもしくは要素の群を排除することを暗示しないと理解される。
【0056】
「からなる」とは、「からなる」という語句に続く何らかを含み、これらに限定されることを意味する。したがって、「からなる」という語句は、列挙された要素が必要とされまたは必須であり、他の要素が存在し得ないことを示す。「から本質的になる」とは、この語句の後に列挙した任意の要素を含むことを意味し、列挙された要素について開示において特定された活性もしくは作用を妨害せず、またはこの活性もしくは作用に寄与しない他の要素に限定される。したがって、「から本質的になる」という語句は、列挙された要素が必要とされ、または必須であるが、他の要素は任意選択であり、他の要素が列挙された要素の活性または作用に具体的に影響を与えるかどうかによって、存在しても、または存在しなくてもよいことを示す。
【0057】
「相補的」および「相補性」という用語は、塩基対合則によって関連するポリヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチドの配列)を指す。例えば、配列「A−G−T」は、配列「T−C−A」に対して相補的である。相補性は、「部分的」であり得、ここでは、核酸の塩基のいくつかのみが、塩基対合則によってマッチする。あるいは、核酸の間に「完全な」または「全体的」相補性が存在し得る。核酸鎖の間の相補性の程度は、核酸鎖の間のハイブリダイゼーションの効率および強度に対して有意な効果を有する。完全な相補性が所望であることが多い一方で、いくつかの実施形態は、標的RNAに関して、1つまたは複数ではあるが、好ましくは6つ、5つ、4つ、3つ、2つ、または1つのミスマッチを含むことができる。オリゴマー内の任意の場所におけるバリエーションが含まれる。特定の実施形態において、オリゴマーの末端近くの配列におけるバリエーションは一般に、内部におけるバリエーションより好ましく、存在する場合、典型的には、5’末端および/または3’末端の約6ヌクレオチド、5ヌクレオチド、4ヌクレオチド、3ヌクレオチド、2ヌクレオチドまたは1ヌクレオチド以内である。
【0058】
「細胞透過性ペプチド」または「CPP」という用語は互換的に使用され、輸送ペプチド、担体ペプチド、またはペプチド伝達ドメインとまた称されるカチオン性細胞透過性ペプチドを指す。ペプチドは、本明細書に示されているように、所与の細胞培養集団の、中間の全ての整数を含めて、細胞の30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%において細胞透過を誘発する能力を有し、全身投与によってインビボで複数の組織内での巨大分子のトランスロケーションを可能とする。
【0059】
「アンチセンスオリゴマー」または「アンチセンス化合物」または「アンチセンスオリゴヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」という用語は互換的に使用され、環状サブユニットの配列を指し、これはそれぞれが、サブユニット間連結によって連結される塩基対合部分を担持し、サブユニット間連結は、塩基対合部分がワトソン−クリック塩基対合によって核酸(典型的にはRNA)中の標的配列にハイブリダイズし、標的配列内で核酸:オリゴマーヘテロ二重鎖を形成することを可能とする。環状サブユニットは、リボースもしくは別のペントース糖、または特定の実施形態において、モルホリノ基(下記のモルホリノオリゴマーの記載を参照されたい)をベースとし得る。また意図されるのは、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、および2’−O−メチルオリゴヌクレオチド、および当技術分野において公知の他のアンチセンス薬剤である。
【0060】
このようなアンチセンスオリゴマーは、mRNAの翻訳をブロックもしくは阻害し、または天然のプレmRNAスプライスプロセシングを阻害し、または標的とされたmRNAの分解を誘発するように設計することができ、このようなアンチセンスオリゴマーは、ハイブリダイズする標的配列に「向けられ」または「標的として」いると言われてもよい。特定の実施形態において、標的配列は、mRNAのAUG開始コドン、プロセシングを受ける前のmRNAの3’もしくは5’スプライス部位、または分岐点の周囲の領域、またはこれらを含む領域である。標的配列は、エキソン内またはイントロン内または組合せであり得る。スプライス部位のための標的配列は、プロセシングを受ける前のmRNA中の通常のスプライスアクセプタージャンクションの1〜約25塩基対下流にその5’端を有するmRNA配列を含み得る。スプライスのための好ましい標的配列は、スプライス部位を含むプロセシングを受ける前のmRNAの任意の領域であるか、またはエキソンコード配列内に完全に含有され、またはスプライスアクセプター部位もしくはドナー部位にまたがる。オリゴマーが上記の様式で標的の核酸を標的としているとき、オリゴマーはより一般に、生物学的に関連する標的、例えば、本発明において、ラミンAタンパク質をコードするヒトLMNA遺伝子プレmRNAを「標的として」いると言われる。例示的な標的化配列は、配列番号3〜34を含む。
【0061】
含まれるのは、配列番号3〜34の1つもしくは複数を含む、配列番号3〜34の1つもしくは複数から本質的になる、または配列番号3〜34の1つもしくは複数からなるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。また含まれるのは、配列番号3〜34の任意の1つに対して80%、85%、90%、95%、97%、98%、もしくは99%(中間の全ての整数を含めて)の配列同一性もしくは配列相同性を有する改変体オリゴマー、および/または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10のヌクレオチドだけこれらの配列と異なる改変体、好ましくは、細胞におけるプロジェリン発現をモジュレートする改変体を含めた、これらのアンチセンスオリゴマーの改変体である。また含まれるのは、例えば、2〜5の荷電していない連結毎に約1つまで、例えば、10の荷電していない連結毎に約4〜5つの本明細書に記載の適切な数のカチオン性連結もしくは他の修飾された連結を含み、かつ/またはまた本明細書に記載されているような付着したArgに富んだ細胞透過性輸送ペプチドを含む、配列番号3〜34の任意の1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである。
【0062】
「モルホリノオリゴマー」または「PMO」(ホスホロアミデート(phosphoramidate)モルホリノオリゴマーまたはホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー)という用語は、モルホリノサブユニット構造から構成されるオリゴヌクレオチド類似体を指し、(i)構造は、1〜3個の原子長、好ましくは2個の原子長であり、好ましくは荷電しておらず、またはカチオン性であり、1つのサブユニットのモルホリノ窒素と隣接するサブユニットの5’環外炭素とを接合する、リン含有連結によって一緒に連結されており、(ii)各モルホリノ環は、塩基特異的水素結合によって、ポリヌクレオチド中の塩基に結合するのに有効なプリンまたはピリミジンまたは同等の塩基対合部分を担持する。バリエーションが結合または活性を妨害しない限り、この連結に対してバリエーションを作製することができる。例えば、リンに付着している酸素は、硫黄で置換し得る(チオホスホロジアミデート)。5’酸素は、アミノまたは低級アルキル置換アミノで置換されていてもよい。リンに付着しているペンダント窒素は、置換されていないか、(任意選択で置換された)低級アルキルで一置換、または二置換されていてもよい。下記のカチオン性連結についての考察をまた参照されたい。プリンまたはピリミジン塩基対合部分は典型的には、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、チミンまたはイノシンである。モルホリノオリゴマーの合成、構造、および結合特徴は、これらの全てが参照により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,698,685号、同第5,217,866号、同第5,142,047号、同第5,034,506号、同第5,166,315号、同第5,521,063号、および同第5,506,337号、ならびにPCT公開第PCT/US07/11435号(カチオン性連結)ならびにUS08/012804(改善された合成)において詳述されている。
【0063】
「PMO+」は、従前記載されてきた任意の数の(1−ピペラジノ)ホスフィニリデンオキシ、(1−(4−(ω−グアニジノ−アルカノイル))−ピペラジノ)ホスフィニリデンオキシ連結(A2およびA3)を含むホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーを指す(例えば、参照により本明細書中にその全体が組み込まれているPCT公開WO/2008/036127を参照されたい)。
【0064】
「PMO−X」は、少なくとも1つの(B)連結、または開示されている末端修飾、ならびに参照によりその全体が本明細書中に組み込まれているWO2011/150408およびUS2012/0065169において開示されているようなものの少なくとも1つを含む、本明細書において開示されているホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーを指す。本明細書において有用なさらなるPMO−Xホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーは、参照により本明細書中にその全体が組み込まれている2011年11月18日に出願された米国特許仮出願第61/561,806号において見出し得る。
【0065】
「ホスホロアミデート」基は、3個の付着した酸素原子および1個の付着した窒素原子を有するリンを含み、一方、「ホスホロジアミデート」基は、2個の付着した酸素原子および2個の付着した窒素原子を有するリンを含む。本明細書および同時係属中の米国特許出願第61/349,783号および同第11/801,885号に記載されているオリゴマーの荷電していないまたは修飾されたサブユニット間連結において、1個の窒素は、常に骨格鎖に対してペンダントである。ホスホロジアミデート連結における第2の窒素は典型的には、モルホリノ環構造における環窒素である。
【0066】
「チオホスホロアミデート(Thiophosphoramidate)」または「チオホスホロジアミデート」連結は、それぞれホスホロアミデートまたはホスホロジアミデート連結であり、1個の酸素原子、典型的には骨格に対してペンダントである酸素は、硫黄で置き換えられている。
【0067】
「サブユニット間連結」は、2つのモルホリノサブユニット、例えば、構造(I)を接続している連結を指す。
【0068】
「荷電している」、「荷電していない」、「カチオン性」および「アニオン性」は、本明細書において使用する場合、概ね中性のpH、例えば、約6〜8での化学部分の主な状態を指す。例えば、この用語は、生理学的pH、すなわち、約7.4での化学部分の主な状態を指し得る。
【0069】
「オリゴヌクレオチド類似体」という用語は、(i)修飾された骨格構造、例えば、天然のオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドにおいて見出される標準的なホスホジエステル連結以外の骨格、ならびに(ii)任意選択で、修飾された糖部分、例えば、リボース部分でもデオキシリボース部分でもなくモルホリノ部分を有するオリゴヌクレオチドを指す。オリゴヌクレオチド類似体は、ワトソン−クリック塩基対合によって標準的なポリヌクレオチド塩基に水素結合をすることができる塩基を支持し、類似体骨格は、オリゴヌクレオチド類似体分子と、標準的なポリヌクレオチド(例えば、一本鎖RNAまたは一本鎖DNA)中の塩基との間のこのような水素結合を配列特異的様態で可能にする様式で塩基を提示する。好ましい類似体は、実質的に荷電していない、リン含有骨格を有するものである。
【0070】
オリゴヌクレオチド類似体中の実質的に荷電していないリン含有骨格は、サブユニット連結の大部分、例えば、その連結の50〜100%、典型的には少なくとも60%〜100%、または75%または80%が荷電しておらず、単一のリン原子を含有するものである。アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド類似体は、約8〜40のサブユニット、典型的には約8〜25のサブユニット、好ましくは約12〜25のサブユニット(中間の全ての整数および範囲を含めた)を含有し得る。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、下記で定義するように、標的配列に対して正確な配列相補性または概ねの相補性を有し得る。
【0071】
オリゴヌクレオチドの「サブユニット」は、1つのヌクレオチド(またはヌクレオチド類似体)単位を指す。この用語は、付着したサブユニット間連結を伴う、または伴わないヌクレオチド単位を指し得るが、「荷電しているサブユニット」に言及するとき、電荷は典型的には、サブユニット間連結(例えば、ホスフェートもしくはホスホロチオエート連結またはカチオン性連結)内にある。
【0072】
プリンまたはピリミジン塩基対合部分は典型的には、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル、チミンまたはイノシンである。また含まれるのは、塩基、例えば、ピリジン−4−オン、ピリジン−2−オン、フェニル、プソイドウラシル、2,4,6−トリメ115トキシベンゼン、3−メチルウラシル、ジヒドロウリジン、ナフチル、アミノフェニル、5−アルキルシチジン(例えば、5−メチルシチジン)、5−アルキルウリジン(例えば、リボチミジン)、5−ハロウリジン(例えば、5−ブロモウリジン)または6−アザピリミジンまたは6−アルキルピリミジン(例えば、6−メチルウリジン)、プロピン、クエソシン、2−チオウリジン、4−チオウリジン、ワイブトシン、ワイブトキソシン、4−アセチルチジン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン、5’−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウリジン、β−D−ガラクトシルクエオシン、1−メチルアデノシン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアノシン、3−メチルシチジン、2−メチルアデノシン、2−メチルグアノシン、N6−メチルアデノシン、7−メチルグアノシン、5−メトキシアミノメチル−2−チオウリジン、5−メチルアミノメチルウリジン、5−メチルカルボニルメチルウリジン(methylcarbonyhnethyluridine)、5−メチルオキシウリジン、5−メチル−2−チオウリジン、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデノシン、β−D−マンノシルクエオシン、ウリジン−5−オキシ酢酸、2−チオシチジン、トレオニン誘導体およびその他である(Burginら、1996年、Biochemistry、35巻、14090頁;Uhlman & Peyman、上述)。「修飾塩基」とは、この態様において、上記で例示したような、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)、およびウラシル(U)以外のヌクレオチド塩基を意味する。このような塩基は、アンチセンス分子中の任意の位置において使用することができる。オリゴマーの使用によって、TsおよびUsは互換的であることを当業者は認識する。例えば、他のアンチセンス化学物質、例えば、よりRNA様である2’−O−メチルアンチセンスオリゴヌクレオチドによって、T塩基は、Uと示し得る(例えば、配列表を参照されたい)。
【0073】
「アミノ酸サブユニット」または「アミノ酸残基」は、α−アミノ酸残基(−CO−CHR−NH−)またはβ−アミノ酸残基または他のアミノ酸残基(例えば、−CO−(CH
2)
nCHR−NH−)を指すことができ、Rは、側鎖(水素を含み得る)であり、nは、1〜7、好ましくは1〜4である。
【0074】
「天然アミノ酸」という用語は、天然に見出されるタンパク質中に存在するアミノ酸、例えば、タンパク質生合成の間に利用される20種の(L)−アミノ酸、ならびにその他、例えば、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デスモシン、イソデスモシン、ホモシステイン、シトルリンおよびオルニチンを指す。「非天然アミノ酸」という用語は、天然に見出されるタンパク質において存在しないアミノ酸を指し、例には、β−アラニン(β−Ala)、6−アミノヘキサン酸(Ahx)および6−アミノペンタン酸が含まれる。「非天然アミノ酸」のさらなる例には、これらに限定されないが、当業者には公知の(D)−アミノ酸、ノルロイシン、ノルバリン、p−フルオロフェニルアラニン、エチオニンなどが含まれる。
【0075】
「単離した」とは、その天然の状態において材料に通常伴う構成要素が実質的または本質的にない材料を意味する。例えば、「単離したポリヌクレオチド」または「単離したオリゴヌクレオチド」は、本明細書において使用する場合、天然の状態においてポリヌクレオチドに隣接する配列から精製または取り出されたポリヌクレオチド、例えば、フラグメントに通常隣接する配列から取り出されたDNAフラグメントを指し得る。
【0076】
「有効量」は、インビトロでプロジェリンの発現をモジュレートするのに有効なアンチセンスオリゴマーの量に関する。
【0077】
「増強する」もしくは「増強すること」または「増大する」もしくは「増大すること」または「刺激する」もしくは「刺激すること」とは一般に、非アンチセンス化合物または対照化合物によってもたらされる反応と比較して、細胞においてより大きな生理学的反応(すなわち、下流の効果)を生じさせ、またはもたらす1つまたは複数のアンチセンス化合物または組成物の能力を指す。「増大した」または「増強された」量は典型的には、「統計的に有意な」量であり、非アンチセンス化合物(薬剤が存在しないこと)または対照化合物によってもたらされる量の1.1倍、1.2倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍またはそれを超える倍(例えば、500倍、1000倍)(中間および1超の、全ての整数および小数点を含めた、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8など)である増大を含み得る。
【0078】
「低減する」または「阻害する」という用語は全般的に、診断の技術分野における通例の技術によって測定して、関連する生理学的反応または細胞反応を「減少させる」1種または複数種の本発明のアンチセンス化合物の能力に関し得る。関連する生理学的反応または細胞反応(インビボもしくはインビトロ)は、当業者には明らかであり、例えば、mRNAおよび/またはタンパク質レベルによって測定した、プロジェリンの発現における低減を含み得る。反応における「減少」は、非アンチセンス化合物または対照組成物によって生じる反応と比較して「統計的に有意」であり得、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%の減少(中間の全ての整数を含めた)を含み得る。
【0079】
「標的配列」という用語は、それに対してオリゴヌクレオチドまたはアンチセンス薬剤が向けられる標的RNAの一部、すなわち、オリゴヌクレオチドが、相補的配列のワトソン−クリック塩基対合によってハイブリダイズする配列を指す。特定の実施形態において、標的配列は、イントロンおよびエキソン両方の標的配列を含むプレmRNAの連続的な領域であり得る。特定の他の実施形態において、標的配列は、もっぱらイントロンまたはエキソン配列からなる。
【0080】
「標的化配列」または「アンチセンス標的化配列」という用語は、RNAゲノムにおける標的配列に対して相補的(さらに、実質的に相補的であることを意味する)である、オリゴヌクレオチドまたは他のアンチセンス薬剤における配列を指す。アンチセンス化合物の全配列、または一部のみが、標的配列に対して相補的であり得る。例えば、20〜30の塩基を有するオリゴヌクレオチドにおいて、約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、または29は、標的領域に対して相補的である標的化配列であり得る。典型的には、標的化配列は、連続的な塩基で形成されてもよいが、代わりに、例えば、オリゴヌクレオチドの反対の末端から一緒に置かれたときに、標的配列をまたがる配列を構成する、非連続的な配列で形成されてもよい。
【0081】
標的配列および標的化配列は、ハイブリダイゼーションが逆平行構成で起こるとき、互いに「相補的」であると記載される。標的化配列は、標的配列に対して「概ねの」または「実質的な」相補性を有し得、まだ本発明の目的のために機能し得る。すなわち、標的化配列は、まだ機能的に「相補的」であり得る。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、10ヌクレオチド中、標的配列と最大で1つのミスマッチ、好ましくは20ヌクレオチド中、最大で1つのミスマッチを有し得る。代わりに、オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載されている例示的なアンチセンス標的化配列と、少なくとも90%の配列相同性、好ましくは少なくとも95%の配列相同性を有し得る。
【0082】
オリゴマーが生理学的条件下で標的にハイブリダイズする場合、オリゴヌクレオチドは、実質的に45℃超、好ましくは少なくとも50℃、典型的には60℃〜80℃またはより高いTmを伴い、標的ポリヌクレオチドに「特異的にハイブリダイズ」する。このようなハイブリダイゼーションは好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件に相当する。所与のイオン強度およびpHで、Tmは、標的配列の50%が相補的ポリヌクレオチドにハイブリダイズする温度である。また、このようなハイブリダイゼーションは、標的配列に対するアンチセンスオリゴマーの「概ねの」または「実質的な」相補性によって、ならびに正確な相補性によって起こり得る。
【0083】
「相同性」は、同一であるか、または保存的置換を構成する、アミノ酸の百分率数を指す。相同性は、配列比較プログラム、例えば、GAPを使用して決定し得る(Deverauxら、1984年、Nucleic Acids Research、12巻、387〜395頁)。このように、本明細書において引用したものと同様または実質的に異なる長さの配列は、アラインメント中にギャップを挿入することによって比較することができ、このようなギャップは、例えば、GAPによって使用される比較アルゴリズムによって決定することができる。
【0084】
「配列同一性」または、例えば、「50%同一の配列」を含むという用語は、本明細書において使用する場合、配列が、比較のウィンドウに亘り、ヌクレオチド1つずつのベースでまたはアミノ酸1つずつのベースで同一である程度を指す。したがって、「配列同一性の百分率」は、比較のウィンドウに亘り2つの最適に整列した配列を比較し、同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、I)または同一のアミノ酸残基(例えば、Ala、Pro、Ser、Thr、Gly、Val、Leu、Ile、Phe、Tyr、Trp、Lys、Arg、His、Asp、Glu、Asn、Gln、CysおよびMet)が両方の配列において起こる位置の数を決定して、マッチした位置の数を得て、マッチした位置の数を比較のウィンドウにおける位置の総数(すなわち、ウィンドウサイズ)で割り、結果を100で乗じて、配列同一性の百分率を得ることによって計算し得る。
【0085】
2つ以上のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの間の配列関係を記載するのに使用される用語には、「参照配列」、「比較ウィンドウ」、「配列同一性」、「配列同一性の百分率」および「実質的な同一性」が含まれる。「参照配列」は、長さが、少なくとも8または10であるが、15〜18であることが頻繁であり、少なくとも25のヌクレオチドおよびアミノ酸残基を含めたモノマー単位であることが多い。2つのポリヌクレオチドはそれぞれ、(1)2つのポリヌクレオチドの間で同様の配列(すなわち、完全なポリヌクレオチド配列の一部のみ)、および(2)2つのポリヌクレオチドの間で相違している配列を含み得るため、2つ(またはそれ超)のポリヌクレオチドの間の配列比較は典型的には、2つのポリヌクレオチドの配列を、「比較ウィンドウ」に亘り比較することによって行い、配列類似性の局所領域を同定および比較する。「比較ウィンドウ」は、少なくとも6、通常では約50〜約100、より通常では約100〜約150の連続的な位置の概念的セグメントを指し、その中で、2つの配列を最適に整列させた後に、配列を同じ数の連続的な位置の参照配列と比較する。比較ウィンドウは、参照配列(付加も欠失も含まない)と比較して、2つの配列の最適なアラインメントについて約20%以下の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。
【0086】
比較ウィンドウを整列させるための配列の最適なアラインメントは、選択した様々な方法のいずれかによって生じる、アルゴリズムのコンピュータ化した実行(Wisconsin Geneticsソフトウェアパッケージリリース7.0におけるGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA、Genetics Computer Group、575Science Drive Madison、WI、USA)によって、または点検および最良のアラインメント(すなわち、比較ウィンドウに亘り最も高い相同性百分率をもたらす)によって行い得る。例えば、Altschulら、1997年、Nucl. Acids Res.、25巻:3389頁によって開示されているような、プログラムのBLASTファミリーをまた参照し得る。配列分析の詳細な考察は、Ausubelら、「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley & Sons Inc、1994〜1998年、第15章のユニット19.3において見出すことができる。
【0087】
「ヌクレアーゼ−耐性」オリゴマー分子(オリゴマー)は、ハイブリダイズされていない形態またはハイブリダイズされた形態で、その骨格が、体内の一般の細胞外および細胞内のヌクレアーゼによるヌクレアーゼ切断に対して実質的に耐性であるものを指す。すなわち、オリゴマーは、オリゴマーが曝露される体内の通常のヌクレアーゼ条件下でヌクレアーゼ切断を殆ど示さないか、または全く示さない。
【0088】
薬剤が細胞膜を横切る受動拡散以外の機構によって細胞に入ることができるとき、薬剤は、「哺乳動物細胞によって能動的に取り込まれる」。薬剤は、例えば、ATP−依存性輸送機構による哺乳動物細胞膜を横切る薬剤の輸送をいう「能動輸送」によって、または輸送タンパク質への薬剤の結合を必要とし、次いで、これによって膜を横切る結合した薬剤の通過を促進する輸送機構による細胞膜を越えるアンチセンス薬剤の輸送をいう「促進輸送」によって輸送し得る。能動輸送および促進輸送の両方のために、オリゴヌクレオチド類似体は好ましくは、下記に定義されているような実質的に荷電していない骨格を有する。
【0089】
「ヘテロ二重鎖」は、アンチセンスオリゴヌクレオチドと標的RNAの相補的部分との間の二重鎖を指す。「ヌクレアーゼ−耐性ヘテロ二重鎖」は、ヘテロ二重鎖が、細胞内および細胞外ヌクレアーゼ、例えば、二本鎖RNA/RNAまたはRNA/DNA複合体を切断することができるリボヌクレアーゼHによるインビボの分解に対して実質的に耐性であるように、その相補的標的へのアンチセンスオリゴマーの結合によって形成されるヘテロ二重鎖を指す。
【0090】
本明細書において使用する場合、「体液」という用語は、尿、唾液、血漿、血液、脊髄液、または生物由来の他の試料、例えば、皮膚細胞または皮膚細片を含めた被験体から得た種々の試料タイプを包含し、その中に懸濁した細胞または細胞フラグメント、または液体媒体およびその溶質を指し得る。
【0091】
「相対量」という用語は、比較が試験測定と対照測定との間で行われる場合に使用される。反応における複合体を形成する試薬の相対量は、対照標本と反応する量と比較した、試験標本と反応する量である。対照標本は、同じアッセイにおいて別々に試行し得、またはこれは、同じ試料の部分(例えば、組織切片における悪性領域の周囲の正常組織)であり得る。
【0092】
野生型遺伝子または遺伝子産物は、集団において最も頻繁に観察されるものであり、このように、遺伝子の「通常型」または「野生型」形態が適宜設計される。
【0093】
下記の化学用語は、他に示さない限り、下記の意味を有する。
【0094】
「アミノ」は、−NH
2ラジカルを指す。
【0095】
「シアノ」または「ニトリル」は、−CNラジカルを指す。
【0096】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OHラジカルを指す。
【0098】
「グアニジニル」は、−NHC(=NH)NH
2置換基を指す。
【0099】
「アミジニル」は、−C(=NH)NH
2置換基を指す。
【0100】
「ニトロ」は、−NO
2ラジカルを指す。
【0106】
「デオキシコレート」は、下記の構造:
【0109】
「アルキル」は、飽和または不飽和(すなわち、1つまたは複数の二重結合および/または三重結合を含有)であり、1〜30個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残部に付着している、直鎖状または分岐状の炭化水素鎖ラジカルを指す。1〜30個の任意の数の炭素原子を含むアルキルが含まれる。30個までの炭素原子を含むアルキルは、C
1〜C
30アルキルと称され、同様に、例えば、12個までの炭素原子を含むアルキルは、C
1〜C
12アルキルである。他の数の炭素原子を含むアルキル(および本明細書において定義される他の部分)は、同様に表される。アルキル基には、これらに限定されないが、C
1〜C
30アルキル、C
1〜C
20アルキル、C
1〜C
15アルキル、C
1〜C
10アルキル、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
2アルキル、C
2〜C
8アルキル、C
3〜C
8アルキルおよびC
4〜C
8アルキルが含まれる。代表的なアルキル基には、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、エテニル、プロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニル、エチニル、プロピニル、ブタ−2−イニル、ブタ−3−イニル、ペンチニル、ヘキシニルなどが含まれる。本明細書において他に特に断りのない限り、アルキル基は、下記のように任意選択で置換されていてもよい。
【0110】
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、分子の残部をラジカル基に連結している直鎖状または分岐状の二価炭化水素鎖を指す。アルキレンは、飽和または不飽和(すなわち、1つまたは複数の二重結合および/または三重結合を含有)であり得る。代表的なアルキレンには、これらに限定されないが、C
1〜C
12アルキレン、C
1〜C
8アルキレン、C
1〜C
6アルキレン、C
1〜C
4アルキレン、C
1〜C
3アルキレン、C
1〜C
2アルキレン、C
1アルキレンが含まれる。代表的なアルキレン基には、これらに限定されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレン、プロピニレン、n−ブチニレンなどが含まれる。アルキレン鎖は、単結合または二重結合を介して分子の残部に、および単結合または二重結合を介してラジカル基に付着している。分子の残部への、およびラジカル基へのアルキレン鎖の付着点は、鎖中の1個の炭素または任意の2個の炭素を介してでよい。本明細書において他に特に断りのない限り、アルキレン鎖は、下記のように任意選択で置換されていてもよい。
【0111】
「アルコキシ」は、式−OR
aのラジカルを指し、R
aは、定義されているようなアルキルラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アルコキシ基は、下記のように任意選択で置換されていてもよい。
【0112】
アルコキシアルキル」は、式−R
bOR
aのラジカルを指し、R
aは、定義されているようなアルキルラジカルであり、R
bは、定義されているようなアルキレンラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アルコキシアルキル基は、下記のように任意選択で置換されていてもよい。
【0113】
「アルキルカルボニル」は、式−C(=O)R
aのラジカルを指し、R
aは、上記に定義されているようなアルキルラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アルキルカルボニル基は、下記のように任意選択で置換されていてもよい。
【0114】
「アルキルオキシカルボニル」は、式−C(=O)OR
aのラジカルを指し、R
aは、定義されているようなアルキルラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アルキルオキシカルボニル基は、下記のように任意選択で置換されていてもよい。
【0115】
「アルキルアミノ」は、式−NHR
aまたは−NR
aR
aのラジカルを指し、各R
aは独立に、上記に定義されているようなアルキルラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アルキルアミノ基は、下記のように任意選択で置換されていてもよい。
【0116】
「アミジル」は、式−N(H)C(=O)R
aのラジカルを指し、R
aは、本明細書に定義されているようなアルキルまたはアリールラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アミジル基は、下記のように任意選択で置換されていてもよい。
【0117】
「アミジニルアルキル」は、式−R
b−C(=NH)NH
2のラジカルを指し、R
bは、上記に定義されているようなアルキレンラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アミジニルアルキル基は、下記のように任意選択で置換されていてもよい。
【0118】
「アミジニルアルキルカルボニル」は、式−C(=O)R
b−C(=NH)NH
2のラジカルを指し、R
bは、上記に定義されているようなアルキレンラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アミジニルアルキルカルボニル基は、下記のように任意選択で置換されていてもよい。
【0119】
「アミノアルキル」は、式−R
b−NR
aR
aのラジカルを指し、R
bは、上記に定義されているようなアルキレンラジカルであり、各R
aは独立に、水素またはアルキルラジカルである。
【0120】
「チオアルキル」は、式−SR
aのラジカルを指し、R
aは、上記に定義されているようなアルキルラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、チオアルキル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0121】
「アリール」は、水素、6〜30個の炭素原子および少なくとも1つの芳香族環を含む炭化水素環系に由来するラジカルを指す。アリールラジカルは、単環式、二環式、三環式または四環式環系であり得、これは縮合または架橋環系を含み得る。アリールラジカルには、これらに限定されないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、およびトリフェニレンの炭化水素環系に由来するアリールラジカルが含まれる。本明細書において他に特に断りのない限り、「アリール」または接頭辞「ar−」(例えば、「アラルキル」中)という用語は、任意選択で置換されているアリールラジカルを含むことを意味する。
【0122】
「アラルキル」は、式−R
b−R
cのラジカルを指し、R
bは、上記に定義されているようなアルキレン鎖であり、R
cは、1つまたは複数の上記に定義されているようなアリールラジカル、例えば、ベンジル、ジフェニルメチル、トリチルなどである。本明細書において他に特に断りのない限り、アラルキル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0123】
「アリールカルボニル」は、式−C(=O)R
cのラジカルを指し、R
cは、1つまたは複数の上記に定義されているようなアリールラジカル、例えば、フェニルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アリールカルボニル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0124】
「アリールオキシカルボニル」は、式−C(=O)OR
cのラジカルを指し、R
cは、1つまたは複数の上記に定義されているようなアリールラジカル、例えば、フェニルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アリールオキシカルボニル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0125】
「アラルキルカルボニル」は、式−C(=O)R
b−R
cのラジカルを指し、R
bは、上記に定義されているようなアルキレン鎖であり、R
cは、1つまたは複数の上記に定義されているようなアリールラジカル、例えば、フェニルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アラルキルカルボニル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0126】
「アラルキルオキシカルボニル」は、式−C(=O)OR
b−R
cのラジカルを指し、R
bは、上記に定義されているようなアルキレン鎖であり、R
cは、1つまたは複数の上記に定義されているようなアリールラジカル、例えば、フェニルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アラルキルオキシカルボニル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0127】
「アリールオキシ」は、式−OR
cのラジカルを指し、R
cは、1つまたは複数の上記に定義されているようなアリールラジカル、例えば、フェニルである。本明細書において他に特に断りのない限り、アリールカルボニル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0128】
「シクロアルキル」は、縮合または架橋環系を含み得、飽和または不飽和であり、単結合によって分子の残部に付着している、安定的な非芳香族、単環式または多環式の炭素環式環を指す。代表的なシクロアルキルには、これらに限定されないが、3〜15個の炭素原子および3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル(cycloaklyls)が含まれ、単環式シクロアルキル(cyclcoalkyl)ラジカルには、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれる。多環式ラジカルには、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、および7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが含まれる。本明細書において他に特に断りのない限り、シクロアルキル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0129】
「シクロアルキルアルキル」は、式−R
bR
dのラジカルを指し、R
bは、上記に定義されているようなアルキレン鎖であり、R
dは、上記に定義されているようなシクロアルキルラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、シクロアルキルアルキル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0130】
「シクロアルキルカルボニル」は、式−C(=O)R
dのラジカルを指し、R
dは、上記に定義されているようなシクロアルキルラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、シクロアルキルカルボニル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0131】
シクロアルキルオキシカルボニル」は、式−C(=O)OR
dのラジカルを指し、R
dは、上記に定義されているようなシクロアルキルラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、シクロアルキルオキシカルボニル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0132】
「縮合された」は、現存する環構造に縮合している本明細書に記載されている任意の環構造を指す。縮合環が、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環であるとき、縮合ヘテロシクリル環または縮合ヘテロアリール環の一部となる現存する環構造上の任意の炭素原子は、窒素原子で置き換えられていてもよい。
【0133】
「グアニジニルアルキル」は、式−R
b−NHC(=NH)NH
2のラジカルを指し、R
bは、上記に定義されているようなアルキレンラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、グアニジニルアルキル基は、下記のように任意選択で置換されていてもよい。
【0134】
「グアニジニルアルキルカルボニル」は、式−C(=O)R
b−NHC(=NH)NH
2のラジカルを指し、R
bは、上記に定義されているようなアルキレンラジカルである。本明細書において他に特に断りのない限り、グアニジニルアルキルカルボニル基は、下記のように任意選択で置換されていてもよい。
【0135】
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを指す。
【0136】
「ハロアルキル」は、1つまたは複数の上記に定義されているようなハロラジカルで置換されている上記に定義されているようなアルキルラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピル、1,2−ジブロモエチルなどを指す。本明細書において他に特に断りのない限り、ハロアルキル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0137】
「ペルハロ」または「ペルフルオロ」は、各水素原子がそれぞれ、ハロ原子またはフッ素原子によって置き換えられている部分を指す。
【0138】
「ヘテロシクリル」または「複素環式環」は、2〜23個の炭素原子、ならびに窒素、酸素、リンおよび硫黄からなる群から選択される1〜8個のヘテロ原子を含む安定的な3員〜24員の非芳香族環ラジカルを指す。本明細書において他に特に断りのない限り、ヘテロシクリルラジカルは、単環式、二環式、三環式または四環式環系であり得、これは、縮合または架橋環系を含み得る。ヘテロシクリルラジカル中の窒素、炭素または硫黄原子は、任意選択で酸化し得る。窒素原子は、任意選択で四級化し得る。ヘテロシクリルラジカルは、部分的または完全に飽和し得る。このようなヘテロシクリルラジカルの例には、これらに限定されないが、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、21−クラウン−7、アザ−18−クラウン−6、ジアザ−18−クラウン−6、アザ−21−クラウン−7、およびジアザ−21−クラウン−7が含まれる。本明細書において他に特に断りのない限り、ヘテロシクリル基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0139】
「ヘテロアリール」は、水素原子、1〜13個の炭素原子、窒素、酸素、リンおよび硫黄からなる群から選択される1〜6個のヘテロ原子、ならびに少なくとも1つの芳香族環を含む5員〜14員の環系ラジカルを指す。本発明の目的のために、ヘテロアリールラジカルは、単環式、二環式、三環式または四環式環系であり得、これは、縮合または架橋環系を含み得る。ヘテロアリールラジカルにおける窒素、炭素または硫黄原子は、任意選択で酸化し得、窒素原子は、任意選択で四級化し得る。例には、これらに限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1−オキシドピリジニル、1−オキシドピリミジニル、1−オキシドピラジニル、1−オキシドピリダジニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)が含まれる。本明細書において他に特に断りのない限り、ヘテロアリール基は、任意選択で置換されていてもよい。
【0140】
全ての上記の基は、置換されていても、または置換されていなくてもよい。「置換されている」という用語は、本明細書において使用する場合、上記の基のいずれか(すなわち、アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルキルアミノ、アミジル、アミジニルアルキル、アミジニルアルキルカルボニル、アミノアルキル、アリール、アラルキル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルカルボニル、シクロアルキルアルキルカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、グアニジニルアルキル、グアニジニルアルキルカルボニル、ハロアルキル、ヘテロシクリルおよび/またはヘテロアリール)を意味し、さらに官能化してもよく、少なくとも1個の水素原子は、非水素原子置換基への結合で置き換えられている。本明細書において特に断りのない限り、置換されている基は、オキソ、−CO
2H、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、チオオキシ、アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アリール、アラルキル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルカルボニル、シクロアルキルアルキルカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N−オキシド、イミド、およびエナミン;基、例えば、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、トリアリールシリル基におけるケイ素原子、ペルフルオロアルキルまたはペルフルオロアルコキシ、例えば、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシから選択される1個または複数の置換基を含み得る。「置換されている」はまた、1個または複数個の水素原子が、高次結合(例えば、二重結合または三重結合)によって、ヘテロ原子、例えば、オキソ、カルボニル、カルボキシル、およびエステル基における酸素;ならびに基、例えば、イミン、オキシム、ヒドラゾン、およびニトリルなどの基における窒素に置き換えられている上記の基のいずれかを意味する。例えば、「置換されている」は、1個または複数個の水素原子が、−NR
gC(=O)NR
gR
h、−NR
gC(=O)OR
h、−NR
gSO
2R
h、−OC(=O)NR
gR
h、−OR
g、−SR
g、−SOR
g、−SO
2R
g、−OSO
2R
g、−SO
2OR
g、=NSO
2R
g、および−SO
2NR
gR
hで置き換えられている上記の基のいずれかを含む。「置換されている」はまた、1個または複数個の水素原子が、−C(=O)R
g、−C(=O)OR
g、−CH
2SO
2R
g、−CH
2SO
2NR
gR
h、−SH、−SR
gまたは−SSR
gで置き換えられている上記の基のいずれかを意味する。上記において、R
gおよびR
hは、同じまたは異なり、独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリールおよび/またはヘテロアリールアルキルである。さらに、上記の置換基のそれぞれはまた、上記の置換基の1つまたは複数で任意選択で置換されていてもよい。さらに、上記の基のいずれかは、1個もしくは複数個の内部酸素原子または硫黄原子を含むように置換されていてもよい。例えば、アルキル基は、1個または複数個の内部酸素原子で置換され、エーテルまたはポリエーテル基を形成し得る。同様に、アルキル基は、1個または複数個の内部硫黄原子で置換され、チオエーテル、ジスルフィドなどを形成し得る。アミジル部分は、2個までのハロ原子で置換されていてもよく、一方、上記の他の基は、1個または複数個のハロ原子で置換されていてもよい。アルキル基を例外として、全ての他の基はまた、アミノまたはモノアルキルアミノ(monoalklyamino)で置換されていてもよい。アルキルおよびアルキルカルボニル基を例外として、全ての他の基はまた、グアニジニルまたはアミジニル(amidynyl)で置換されていてもよい。上記の基のいずれかのための任意選択の置換基はまた、アリールホスホリル、例えば、−R
aP(Ar)
3を含み、Raは、アルキレンであり、Arは、アリール部分、例えば、フェニルである。
【0141】
「低級アルキル」は、メチル、エチル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、イソアミル、n−ペンチル、およびイソペンチルによって例示されるような、1〜6個の炭素原子のアルキルラジカルを指す。特定の実施形態において、「低級アルキル」基は、1〜4個の炭素原子を有する。他の実施形態において、「低級アルキル」基は、1〜2個の炭素原子を有し、すなわち、メチルまたはエチルである。類似して、「低級アルケニル」は、アリルおよびブテニルによって例示されるような、2〜6個、好ましくは、3個または4個の炭素原子のアルケニルラジカルを指す。
【0142】
「非妨害」置換基は、その意図した標的に結合する本明細書に記載のアンチセンスオリゴマーの能力に悪影響を与えないものである。このような置換基には、小さなおよび/または相対的に極性のない基、例えば、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、またはフルオロが含まれる。
【0143】
LMNA標的化
例には、下記で考察する、配列番号1および/または2を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。
【0144】
特定のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、野生型配列(配列番号1)および/または配列番号2において示されるような、HGPS患者において見出される配列を含めた、ヒトLMNA遺伝子におけるエキソン11の1つまたは複数の塩基に対して相補的である標的化配列を含み得る。これらの標的配列を、下記の表1において示す。
【0146】
例には、表1における配列番号1および2において下線を引かれたLMNAエキソン11の潜在的スプライス部位
【0148】
に対してまた相補的であるものを含めて、LMNAエキソン11(配列番号1または2)に対して完全に相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。特定のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、最も3’側の塩基が、配列番号1または2における下線を引かれた潜在的スプライス部位の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30塩基下流である、LMNAエキソン11における塩基に対して相補的であり(表1を参照されたい)、または潜在的スプライス部位の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39もしくは40上流である、LMNAエキソン11における塩基に対して相補的である標的化配列を含み得る。このタイプの例示的なオリゴヌクレオチドは、配列番号3〜16として下記で列挙したものの中にある。特定のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、最も3’側の塩基が、LMNAエキソン11配列番号1または2の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14,15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49,50、51、52、53、54、55、56、57、58、59または60塩基上流である、LMNAイントロン10における塩基に対して相補的である標的化配列を含み得る(表1を参照されたい)。特定のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、最も3’側の塩基が、LMNAイントロン10の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14,15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30塩基上流である、LMNAエキソン10における塩基に対して相補的である標的化配列を含み得る。特定の実施形態は、これらのアンチセンス薬剤の組合せの使用に関する。特定の実施形態は、配列番号1および/または2の全てまたは一部(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、もしくは40塩基)を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。
【0149】
アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、プロセシングを受ける前のLMNA mRNA、例えば、エキソン、イントロン、エキソン−イントロンジャンクション、またはスプライスジャンクションにおける種々の領域(複数可)に対して標的化され得るか、または相補的であることができる。例えば、特定のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、LMNAプレmRNAのエキソン10および11のスプライスドナー(SD)部位またはスプライスアクセプター(SA)部位のスプライスジャンクションと重複する領域(標的配列)に対して相補的である標的化配列を含み得、これは、プロセシングを受ける前のmRNAのエキソン領域の一部(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25のヌクレオチド)およびイントロン領域の一部(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25のヌクレオチド)に対して相補的である。上記のタイプの例示的な標的化配列は、配列番号17〜34として下記に列挙する。
【0150】
選択されたアンチセンス標的化配列は、より短く、例えば、約12の塩基、またはより長く、例えば、約40の塩基で作製することができ、配列が、スプライシング、および/または標的とのハイブリダイゼーションの際に他の形態の阻害をもたらすのに十分に相補的であり、かつ標的RNAと45℃以上のTmを有するヘテロ二重鎖を形成する限り、少数のミスマッチを含む。
【0151】
特定の実施形態において、標的配列とアンチセンス標的化配列との間の相補性の程度は、安定的な二重鎖を形成するのに十分である。アンチセンスオリゴマーと標的RNA配列との相補性の領域は、8〜11の塩基ほど短くあり得るが、好ましくはこれらの範囲の中間の全ての整数および範囲を含めて、12〜15の塩基以上、例えば、12〜20の塩基、12〜25の塩基、または15〜25の塩基である。約14〜15の塩基のアンチセンスオリゴマーは一般に、標的mRNAにおいて独特の相補的配列を有するのに十分に長い。特定の実施形態において、下記で考察するように、必要な結合Tmを達成するのに最小の長さの相補的塩基を必要とし得る。
【0152】
特定の実施形態において、40の塩基ほどの長さのオリゴマーが適切であり得、少なくとも最小数の塩基、例えば、10〜12の塩基は、標的配列に対して相補的である。しかし、一般に、細胞における促進された取込みまたは能動的取込みは、約30未満のオリゴマーの長さで最適化される。下記でさらに記載するPMOオリゴマーについて、結合安定性および取込みの最適なバランスは一般に、18〜30の塩基の長さで起こる。含まれるのは、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40の塩基からなるアンチセンスオリゴマー(例えば、PNA、LNA、2’−OMe、MOE、PMO)であり、少なくとも約6、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40の連続的および/または非連続的な塩基は、配列番号1および/もしくは2の標的配列、またはその改変体を含めた本明細書に記載されている標的配列に対して相補的である。
【0153】
特定の実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、LMNAプレmRNA核酸標的配列に対して100%相補的であり得、またはアンチセンスオリゴマーは、オリゴマーと標的配列との間で形成されるヘテロ二重鎖が、インビボで起こり得る、細胞ヌクレアーゼの作用、および他のモードの分解または置き換えに耐えるのに十分に安定的である限り、ミスマッチを含み、例えば、改変体を収容し得る。ヌクレアーゼによる切断により感受性ではないオリゴマー骨格を下記で考察する。存在する場合、ミスマッチは、中央よりもハイブリッド二重鎖の末端領域に向かってより不安定にしにくくなる。許容されるミスマッチの数は、二重鎖の安定性のよく理解された原理によって、オリゴマーの長さ、二重鎖中のG:C塩基対の百分率、および二重鎖中のミスマッチ(複数可)の位置に依存する。このようなアンチセンスオリゴマーは、必ずしも標的配列に対して100%相補的でないが、核酸標的の生物活性、例えば、プロジェリンタンパク質(複数可)の発現がモジュレートされるように、標的配列に安定的および特異的に結合させるのに有効である。
【0154】
オリゴマーと標的配列との間で形成される二重鎖の安定性は、結合Tm、および細胞の酵素切断に対する二重鎖の感受性の関数である。相補的配列RNAに関して、アンチセンス化合物のTmは、従来の方法、例えば、Hamesら、Nucleic Acid Hybridization、IRL Press、1985年、107〜108頁によって記載されたものによって、またはMiyada C.G.およびWallace R.B.、1987年、Oligonucleotide hybridization techniques、Methods Enzymol.、第154巻、94〜107頁において記載されているように測定し得る。特定の実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、相補的配列RNAに関して、体温を超えた、好ましくは50℃超の結合Tmを有し得る。60〜80℃の範囲またはそれを超えるTmが好ましい。周知の原理によると、相補性をベースとするRNAハイブリッドに関して、オリゴマー化合物のTmは、二重鎖中のC:G対の塩基の比を増大させることによって、かつ/またはヘテロ二重鎖の長さ(塩基対での)を増大させることによって上昇させることができる。同時に、細胞の取込みを最適化する目的のために、オリゴマーのサイズを限定することが有利であり得る。この理由のために、25塩基以下の長さで高いTm(50℃以上)を示す化合物は一般に、高いTm値のために25超の塩基を必要とするものより好ましい。
【0155】
特定の実施形態、例えば、PMOオリゴマーにおいて、オリゴマーのアンチセンス活性は、
図1Cにおいて例示するような荷電していない、およびカチオン性のホスホロジアミデート連結の混合物を使用することによって増強し得る。オリゴマー中のカチオン性連結の総数は、1〜10(中間の全ての整数を含めて)で変動し、オリゴマーを通して散在させることができる。好ましくは荷電している連結の数は、少なくとも2つ、および総骨格連結の半分以下、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つの間の正に荷電している連結であり、好ましくはそれぞれの荷電している連結は、骨格に沿って少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの荷電していない連結によって分離されている。本発明の好ましいカチオン性連結は、表3において示すように、apn連結B10を含む。
【0156】
ヒトLMNAプレmRNAを標的とするための例示的なアンチセンス配列を、下記の表
2において示す。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、これらの標的化配列の全てまたは一部を含み得る。
【0158】
アンチセンスオリゴヌクレオチド化合物
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは典型的には、(a)哺乳動物細胞によって能動的に取り込まれる能力を有し、(b)取り込まれると、標的RNAと約45℃超のTmを有する二重鎖を形成する。特定の実施形態において、オリゴマー骨格は、実質的に荷電していなくてもよく、好ましくは、細胞膜を横切る能動輸送または促進輸送のための基質として認識し得る。標的RNAと安定的な二重鎖を形成するオリゴマーの能力はまた、標的に関するアンチセンスオリゴマーの長さおよび相補性の程度、G:C塩基マッチとA:T塩基マッチとの比、ならびに任意のミスマッチの塩基の位置を含めた、オリゴマー骨格の他の特色に関し得る。細胞ヌクレアーゼに抵抗するアンチセンスオリゴマーの能力は、生存、および細胞の細胞質への薬剤の最終的な送達を促進し得る。含まれるのは、本明細書に記載されているPMO、PMO+(PMOプラス)、PMO−X、LNA、PNA、および/または2’O−Meをベースとする化学物質から構成されるアンチセンスオリゴマーである。一般に、PNAおよびLNA化学物質は、PMOおよび2’O−Meオリゴマーと比較してこれらの相対的に高い標的結合強度によって、より短い標的化オリゴマーを利用する。
【0159】
ペプチド核酸(PNA)は、骨格が、ピリミジンまたはプリン塩基が付着しているN−(2−アミノエチル)グリシン単位からなるデオキシリボース骨格と構造的に同形である、DNAの類似体である。天然ピリミジンおよびプリン塩基を含有するPNAは、ワトソン−クリック塩基対合則に従って相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、塩基対認識に関してDNAを模倣する(Egholm、Buchardtら、1993年)。PNAの骨格は、ホスホジエステル結合よりむしろペプチド結合によって形成され、PNAをアンチセンス用途に良好に適しているものとする(下記の構造を参照されたい)。骨格は荷電しておらず、通常の熱安定性を超えるものを示すPNA/DNAまたはPNA/RNA二重鎖がもたらされる。PNAは、ヌクレアーゼまたはプロテアーゼによって認識されない。
【0160】
PNAは、当技術分野において公知の任意の技術を使用して合成的に生成される。PNAは、ポリアミド骨格が下記で示すようなDNAの伝統的なホスフェートリボース環を置き換えたDNA類似体である。
【0162】
天然のRNAまたはDNA構造への過激な構造的変化に関わらず、PNAは、ヘリックス形態で、DNAまたはRNAへの配列特異的結合が可能である。PNAの特徴は、相補的DNAまたはRNAへの高い結合親和性、一塩基ミスマッチによってもたらされる不安定化効果、ヌクレアーゼおよびプロテアーゼへの耐性、塩濃度およびホモプリンDNAとの三重鎖形成と無関係であるDNAまたはRNAとのハイブリダイゼーションを含む。Panagene(商標)は、その専売のBts PNAモノマー(Bts;ベンゾチアゾール−2−スルホニル基)および専売のオリゴマー化工程を開発してきた。Bts PNAモノマーを使用したPNAオリゴマー化は、脱保護、カップリングおよびキャッピングの反復的サイクルから構成される。この技術に対するPanageneの特許には、US6969766、US7211668、US7022851、US7125994、US7145006およびUS7179896が含まれる。PNA化合物の調製を教示する代表的な米国特許には、これらに限定されないが、それぞれが参照により本明細書中に組み込まれている米国特許第5,539,082号;同第5,714,331号;および同第5,719,262号が含まれる。PNA化合物のさらなる教示は、Nielsenら、Science、1991年、254巻、1497頁において見出すことができる。
【0163】
オリゴヌクレオチド化合物はまた、「ロックド核酸」サブユニット(LNA)を含有し得る。LNAの構造は、当技術分野において公知である。例えば、Wengelら、Chemical Communications(1998年)455頁;Tetrahedron(1998年)54巻、3607頁、およびAccounts of Chem. Research(1999年)32巻、301頁);Obikaら、Tetrahedron Letters(1997年)38巻、8735頁;(1998年)39巻、5401頁、およびBioorganic Medicinal Chemistry(2008年)16巻、9230頁。例示的で非限定的LNA構造を、下記で例示する。
【0165】
本発明の化合物は、1つまたは複数のLNAを組み込み得る。場合によっては、化合物は、全体的にLNAから構成され得る。個々のLNAヌクレオシドサブユニットの合成、およびオリゴヌクレオチド中へのこれらの組込みのための方法は、当技術分野において公知である:米国特許第7,572,582号;同第7,569,575号;同第7,084,125号;同第7,060,809号;同第7,053,207号;同第7,034,133号;同第6,794,499号および同第6,670,461号。典型的なサブユニット間リンカーは、ホスホジエステルおよびホスホロチオエート部分を含む。代わりに、リン非含有リンカーを用い得る。好ましい一実施形態は、LNA含有化合物であり、各LNAサブユニットは、DNAサブユニット(すなわち、デオキシリボースヌクレオチド)によって分離している。さらに好ましい化合物は、交互になっているLNAおよびDNAサブユニットから構成され、サブユニット間リンカーは、ホスホロチオエートである。
【0166】
好ましいオリゴマー構造は、上記のような荷電していない連結によって接合されている、塩基対合部分を担持するモルホリノをベースとするサブユニットを用いる。特に好ましいのは、実質的に荷電していないホスホロジアミデート−連結モルホリノオリゴマー(PMO)である。アンチセンスオリゴマーを含めたモルホリノオリゴヌクレオチドは、例えば、これらの全てが参照により組み込まれている、共有の米国特許第5,698,685号、同第5,217,866号、同第5,142,047号、同第5,034,506号、同第5,166,315号、同第5,185、444号、同第5,521,063号、および同第5,506,337号において、ならびにPCT出願第US08/088339号において詳述されている。
【0167】
モルホリノをベースとするサブユニットの特定の特性には、オリゴマー形態で安定的な荷電していない骨格連結によって連結される能力;形成されたポリマーが、高いTmを有する標的RNAを含めた相補的塩基標的核酸と、10〜14の塩基ほど短いオリゴマーさえともハイブリダイズすることができるように、ヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、シトシン、グアニンまたはウラシル)を支持する能力;オリゴマーが哺乳動物細胞中に能動的に輸送される能力;ならびにリボヌクレアーゼ分解に抵抗するオリゴマー:RNAヘテロ二重鎖の能力が含まれる。
【0168】
モルホリノをベースとするサブユニットの特性には、1)オリゴマー形態で安定的な荷電していない、または正に荷電している骨格連結によって連結される能力;2)形成されたポリマーが、相対的に短いオリゴヌクレオチド(例えば、10〜15の塩基)における約45℃超のTm値の標的RNAを含めた相補的塩基標的核酸とハイブリダイズすることができるように、ヌクレオチド塩基(例えば、アデニン、シトシン、グアニン、チミジン、ウラシルおよびヒポキサンチン)を支持する能力;3)オリゴヌクレオチドが哺乳動物細胞中に能動的または受動的に輸送される能力;ならびに4)それぞれ、リボヌクレアーゼおよびリボヌクレアーゼH分解に抵抗するアンチセンスオリゴヌクレオチド:RNAヘテロ二重鎖の能力が含まれる。
【0169】
リン含有骨格連結を有するモルホリノオリゴヌクレオチドの例を、
図1A〜1Cにおいて例示する。本発明の一態様によって、その骨格連結の好ましくは10%〜50%において正に荷電している基を含有するように修飾された、好ましいホスホロジアミデート−連結モルホリノオリゴヌクレオチドを、
図1Cに示す。特許請求した主題のアンチセンスオリゴヌクレオチドについての例示的な骨格構造は、それぞれ荷電していないまたは正に荷電しているリン含有サブユニット連結によって連結している
図1A〜1Cにおいて示すモルホリノサブユニットタイプを含む。
図1Dは、5原子繰返し単位骨格を形成するリン含有連結を示し、モルホリノ環は、1原子ホスホアミド連結によって連結している。
図1Eは、6原子繰返し単位骨格を生じさせる連結を示す。この構造において、5’モルホリノ炭素をリン基と連結する原子Yは、硫黄、窒素、炭素、または好ましくは酸素であり得る。リンからペンダントであるX部分は、フッ素、アルキルもしくは置換アルキル、アルコキシもしくは置換アルコキシ、チオアルコキシもしくは置換チオアルコキシ、または非置換、一置換、もしくは二置換窒素(モルホリンもしくはピペリジンなどの環状構造を含む)であり得る。アルキル、アルコキシおよびチオアルコキシは好ましくは、1〜6個の炭素原子を含む。Z部分は硫黄または酸素であり、好ましくは酸素である。
【0170】
図1Fおよび1Gにおいて示される連結は、7原子単位長さの骨格のために設計される。
図1Fにおいて、X部分は、
図1Eにおける通りであり、Y部分は、メチレン、硫黄、または好ましくは、酸素であり得る。
図1Gにおいて、X部分およびY部分は、
図1Eにおける通りである。特に好ましいモルホリノオリゴヌクレオチドは、
図1Eにおいて示される形態のモルホリノサブユニット構造から構成されるものを含み、X=NH
2、N(CH
3)
2、または1−ピペラジンまたは他の荷電している基であり、Y=Oであり、Z=Oである。
【0171】
上で述べたように、実質的に荷電していないオリゴヌクレオチドを、本発明の一態様によって修飾し、例えば、2〜5の荷電していない連結毎に約1まで、例えば、10の荷電していない連結毎に約4〜5の荷電している連結を含み得る。特定の実施形態において、骨格連結の約25%がカチオン性であるとき、アンチセンス活性における最適な改善を見ることができる。特定の実施形態において、増強は、少数、例えば、10〜20%のカチオン性連結において見ることができ、またはカチオン性連結の数は、50〜80%の範囲内、例えば、約60%である。加えられたカチオン性骨格の電荷によって見られる増強は、場合によっては、アンチセンスオリゴヌクレオチドの「中央領域」骨格連結近くに大量の電荷を分配することによってさらに増強し得、例えば、8つのカチオン性骨格連結を有する20マーのオリゴヌクレオチドにおいて、これらの荷電している連結の少なくとも70%は、10の真ん中の連結において局在化している。
【0172】
特定の実施形態において、混合物または荷電していない骨格連結およびカチオン性骨格連結を有するオリゴヌクレオチドの合成に関して上および下で引用した参照文献において詳述した方法を用いて、アンチセンス化合物は、段階的固相合成によって調製することができる。場合によっては、さらなる化学部分をアンチセンス化合物に加えて、例えば、薬物動態を増強し、または化合物の捕獲または検出を促進することが望ましくあり得る。このような部分は典型的には、標準的な合成法によってオリゴマーの末端に共有結合的に付着させ得る。例えば、ポリエチレングリコール部分または他の親水性ポリマー、例えば、10〜100のモノマーサブユニットを有するものの付加は、溶解度の増強において有用であり得る。1つまたは複数の荷電している基、例えば、アニオン性の荷電している基、例えば、有機酸は、細胞取込みを増強し得る。
【0173】
レポーター部分、例えば、フルオレセインまたは放射標識した基を、検出の目的のために付着し得る。代わりに、オリゴマーに付着したレポーター標識は、標識抗体またはストレプトアビジンを結合することができるリガンド、例えば、抗原またはビオチンであり得る。アンチセンス化合物の付着または修飾のための部分の選択において、一般に当然ながら、生体適合性であり、望ましくない副作用を伴わずに被験体において耐容性を示す可能性が高い基の化合物を選択することが望ましい。
【0174】
上で述べたように、アンチセンス化合物のいくつかは、上記のタイプの荷電していない連結が散在する選択した数のカチオン性連結を含有するように構築することができる。サブユニット間連結(荷電していないおよびカチオン性の両方)は好ましくは、構造:
【0176】
を有するリン含有連結であり、式中、
Wは、SまたはOであり、好ましくはOであり、
X=NR
1R
2またはOR
6であり、
Y=OまたはNR
7であり、
オリゴマー中のそれぞれの前記連結は、
(a)荷電していない連結(a)[R
1、R
2、R
6およびR
7のそれぞれは、水素および低級アルキルから独立に選択される];
(b1)カチオン性連結(b1)[X=NR
1R
2であり、Y=Oであり、NR
1R
2は、R
1R
2=−CHRCHRN(R
3)(R
4)CHRCHR−であるように、任意選択で置換されているピペラジノ基を表し、
各Rは独立に、HまたはCH
3であり、
R
4は、H、CH
3、または電子対であり、
R
3は、H、低級アルキル、例えば、CH
3、C(=NH)NH
2、Z−L−NHC(=NH)NH
2、および[C(O)CHR’NH]
mHから選択され、Zは、C(O)または直接結合であり、Lは、アルキル、アルコキシ、およびアルキルアミノから選択される結合を有する長さが18原子まで、好ましくは12原子まで、より好ましくは長さが8原子までの任意選択のリンカーであり、R’は、天然アミノ酸またはその1もしくは2炭素ホモログの側鎖であり、mは、1〜6、好ましくは1〜4である];
(b2)カチオン性連結(b2)[X=NR
1R
2であり、Y=Oであり、R
1=HまたはCH
3であり、R
2=LNR
3R
4R
5であり、L、R
3、およびR
4は、上記に定義されている通りであり、R
5は、H、低級アルキル、または低級(アルコキシ)アルキルである]、ならびに
(b3)カチオン性連結(b3)[Y=NR
7であり、X=OR
6であり、R
7=LNR
3R
4R
5であり、L、R
3、R
4およびR
5は、上記に定義されている通りであり、R
6は、Hまたは低級アルキルである]
から選択され、
少なくとも1つの前記連結は、カチオン性連結(b1)、(b2)、および(b3)から選択される。
【0177】
特定の実施形態において、オリゴマーは、少なくとも2つのタイプ(a)の連続的な連結(すなわち、荷電していない連結)を含み得る。さらなる実施形態において、オリゴマー中の連結の少なくとも5%は、カチオン性連結(すなわち、タイプ(b1)、(b2)、または(b3))であり、例えば、10%〜60%、好ましくは20〜50%の連結は、カチオン性連結であり得る。
【0178】
一実施形態において、少なくとも1つの連結は、タイプ(b1)のものであり、好ましくは、各Rは、Hであり、R
4は、H、CH
3、または電子対であり、R
3は、H、低級アルキル、例えば、CH
3、C(=NH)NH
2、およびC(O)−L−NHC(=NH)NH
2から選択される。R
3の後者の2つの実施形態は、それぞれ、ピペラジン環に直接付着しているか、またはリンカー基Lに対してペンダントであるグアニジノ部分を提供する。合成の容易さのために、R
3中の変数Zは好ましくは、示すように、C(O)(カルボニル)である。
【0179】
リンカー基Lは、上で述べたように、アルキル(例えば、−CH
2−CH
2−)、アルコキシ(−C−O−)、およびアルキルアミノ(例えば、−CH
2−NH−)から選択されるその骨格において結合を含有するが、ただし、Lにおける末端原子(例えば、カルボニルまたは窒素に隣接するもの)は、炭素原子である。分岐状連結(例えば、−CH
2−CHCH
3−)が可能であるが、リンカーは、好ましくは非分岐状である。一実施形態において、リンカーは、炭化水素リンカーである。このようなリンカーは、構造−(CH
2)
n−を有してもよく、nは、1〜12、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6である。
【0182】
を有してもよく、式中、Piは、塩基対合部分であり、上記で示した連結は、(i)の窒素原子と隣接するサブユニットの5’炭素とを接続する。塩基対合部分Piは、同一でも異なってもよく、一般に標的核酸に結合する配列を提供するように設計される。モルホリノサブユニットを連結する上記の連結タイプ(b1)、(b2)および(b3)の実施形態の使用を、以下、図示によって例示し得る。
【0184】
好ましくは、オリゴマー中の全てのカチオン性連結は、同じタイプのもの、すなわち、全てタイプ(b1)、全てタイプ(b2)、または全てタイプ(b3)である。
【0185】
さらなる実施形態において、カチオン性連結は、下記で示したような連結(b1’)および(b1’’)から選択され、(b1’’)は、本明細書において「Pip」連結と称され、(b1’’)は、本明細書において「GuX」連結と称される。
【0187】
上記構造において、Wは、SまたはOであり、好ましくはOであり、R
1およびR
2のそれぞれは、水素および低級アルキルから独立に選択され、好ましくはメチルであり、Aは、(b1’)および(b1’’)における1個または複数個の炭素原子上の水素または非妨害置換基を表す。好ましくは、ピペラジン環中の環炭素は、置換されていない。しかし、これらは、非妨害置換基、例えば、メチルまたはフッ素を含み得る。好ましくは、最大で1個または2個の炭素原子は、このように置換されている。さらなる実施形態において、連結の少なくとも10%は、タイプ(b1’)または(b1’’)のものであり、例えば、連結の10%〜60%、好ましくは20%〜50%は、タイプ(b1’)または(b1’’)であり得る。
【0188】
特定の実施形態において、オリゴマーは、上記のタイプ(b1’)の連結を含有しない。代わりに、オリゴマーは、タイプ(b1)の連結を含有せず、各Rは、Hであり、R
3は、HまたはCH
3であり、R
4は、H、CH
3、または電子対である。
【0189】
モルホリノサブユニットはまた、下記でさらに記載するように、リンをベースとしないサブユニット間連結によって連結し得、少なくとも1つの連結は、上記のようなペンダントカチオン基で修飾されている。
【0190】
これらの非修飾の状態で荷電していないが、ペンダントアミン置換基をまた担持することができる他のオリゴヌクレオチド類似体連結を使用することができる。例えば、モルホリノ環上の5’窒素原子は、スルファミド連結または尿素連結(リンは、それぞれ、炭素または硫黄で置き換えられている)において用いられ、上記の構造(b3)における5’−窒素原子と類似した様式で修飾することができる。
【0191】
完全なカチオン性連結オリゴマーを含めた任意の数のカチオン性連結を有するオリゴマーを提供する。しかし好ましくは、オリゴマーは、部分的に荷電している(例えば、10%〜80%)。好ましい実施形態において、連結の約10%〜60%、好ましくは20%〜50%は、カチオン性である。
【0192】
一実施形態において、カチオン性連結は、骨格に沿って散在している。部分的に荷電しているオリゴマーは好ましくは、少なくとも2つの連続的な荷電していない連結を含有する。すなわち、オリゴマーは好ましくは、その全体の長さに沿って厳密に交互になっているパターンを有さない。
【0193】
また考慮されるのは、カチオン性連結のブロックおよび荷電していない連結のブロックを有するオリゴマーである。例えば、荷電していない連結の中央ブロックは、カチオン性連結のブロックが隣接してもよく、または逆もまた同じである。一実施形態において、オリゴマーは、ほぼ等しい長さの5’、3’および中央領域を有し、中央領域におけるカチオン性連結の百分率は、約50%超、好ましくは約70%超である。
【0194】
アンチセンス適用において使用するためのオリゴマーは一般に、長さが約10〜約40のサブユニット、より好ましくは約10〜30のサブユニット、および典型的には15〜25の塩基の範囲である。例えば、アンチセンス化合物のために有用な長さである19〜20のサブユニットを有する本発明のオリゴマーは理想的に、2〜10つ、例えば、4〜8つのカチオン性連結、および残りの荷電していない連結を有し得る。14〜15のサブユニットを有するオリゴマーは理想的に、2〜7つ、例えば、3つ、4つ、または5つのカチオン性連結、および残りの荷電していない連結を有し得る。
【0195】
各モルホリノ環構造は、塩基対合部分を支持し、典型的には細胞におけるまたは処置されている被験体における選択したアンチセンス標的にハイブリダイズするように設計される塩基対合部分の配列を形成する。塩基対合部分は、天然DNAまたはRNAにおいて見出されるプリンまたはピリミジン(例えば、A、G、C、TまたはU)、あるいは類似体、例えば、ヒポキサンチン(ヌクレオシドイノシンの塩基構成要素)または5−メチルシトシンであり得る。
【0196】
上で述べたように、特定の実施形態は、PMO−Xオリゴマーおよび修飾された末端基を有するものを含めた、新規なサブユニット間連結を含むオリゴマーを対象とする。いくつかの実施形態において、これらのオリゴマーは、対応する無修飾オリゴマーよりDNAおよびRNAに対してより高い親和性を有し、他のサブユニット間連結を有するオリゴマーと比較して、改善された細胞送達、効力、および/または組織分布特性を示す。一実施形態において、オリゴマーは、本明細書に定義されているようなタイプ(B)の少なくとも1つのサブユニット間連結を含む。オリゴマーはまた、1つまたは複数の本明細書に定義されているようなタイプ(A)のサブユニット間連結を含み得る。様々な連結タイプおよびオリゴマーの構造的特徴および特性は、下記の考察においてより詳細に記載する。これらおよび関連するオリゴマーの合成は、参照によりその全体が組み込まれている共有の米国特許出願第13/118,298号に記載されている。
【0197】
連結(A)
アンチセンス活性の増強、体内分布および/または他の望ましい特性は、様々なサブユニット間連結を有するオリゴマーを調製することによって最適化することができることを出願人等は見出した。例えば、オリゴマーは、1つまたは複数のタイプ(A)のサブユニット間連結を任意選択で含み得、特定の実施形態において、オリゴマーは、少なくとも1つのタイプ(A)の連結を含む。いくつかの他の実施形態において、タイプ(A)の各連結は、同じ構造を有する。タイプ(A)の連結は、参照により本明細書にその全体が組み込まれている共有の米国特許第7,943,762号に開示されている連結を含み得る。連結(A)は、下記の構造(I):
【0199】
またはその塩もしくは異性体を有し、ここで、3’および5’は、モルホリノ環(すなわち、下記で考察する構造(i))のそれぞれ3’端および5’端への付着点を示し、式中、
Wは、それぞれの出現において独立に、SまたはOであり、
Xは、それぞれの出現において独立に、−N(CH
3)
2、−NR
1R
2、−OR
3または、
【0201】
であり、
Yは、それぞれの出現において独立に、Oまたは−NR
2であり、
R
1は、それぞれの出現において独立に、水素またはメチルであり、
R
2は、それぞれの出現において独立に、水素または−LNR
4R
5R
7であり、
R
3は、それぞれの出現において独立に、水素またはC
1〜C
6アルキルであり、
R
4は、それぞれの出現において独立に、水素、C
1〜C
6アルキル、−C(=NH)NH
2、−Z−L−NHC(=NH)NH
2または−[C(=O)CHR’NH]
mHであり、Zは、−C(=O)−または直接結合であり、R’は、天然アミノ酸またはその1もしくは2炭素ホモログの側鎖であり、mは、1〜6であり、
R
5は、それぞれの出現において独立に、水素、メチルまたは電子対であり、
R
6は、それぞれの出現において独立に、水素またはメチルであり、
R
7は、それぞれの出現において独立に、水素、C
1〜C
6アルキルまたはC
1〜C
6アルコキシアルキルであり、
Lは、アルキル、アルコキシまたはアルキルアミノ基、またはこれらの組合せを含む長さが18原子までの任意選択のリンカーである。
【0202】
いくつかの例において、オリゴマーは、少なくとも1つのタイプ(A)の連結を含む。いくつかの他の実施形態において、オリゴマーは、少なくとも2つのタイプ(A)の連続的な連結を含む。さらなる実施形態において、オリゴマー中の連結の少なくとも5%は、タイプ(A)である、例えば、いくつかの実施形態において、連結の5%〜95%、10%〜90%、10%〜50%、または10%〜35%は、連結タイプ(A)であり得る。いくつかの特定の実施形態において、少なくとも1つのタイプ(A)連結は、−N(CH
3)
2である。他の実施形態において、タイプ(A)の各連結は、−N(CH
3)
2である。他の実施形態において、少なくとも1つのタイプ(A)連結は、ピペリジン(piperizin)−1−イル、例えば、非置換ピペラジン−1−イル(例えば、A2またはA3)である。他の実施形態において、タイプ(A)の各連結は、ピペリジン−1−イル、例えば、非置換ピペラジン−1−イルである。
【0203】
いくつかの実施形態において、Wは、それぞれの出現において独立に、SまたはOであり、特定の実施形態において、Wは、Oである。
【0204】
いくつかの実施形態において、Xは、それぞれの出現において独立に、−N(CH
3)
2、−NR
1R
2、−OR
3である。いくつかの実施形態において、Xは、−N(CH
3)
2である。他の態様において、Xは、−NR
1R
2であり。他の例において、Xは、−OR
3である。
【0205】
いくつかの実施形態において、R
1は、それぞれの出現において独立に、水素またはメチルである。いくつかの実施形態において、R
1は、水素である。他の実施形態において、Xは、メチルである。
【0206】
いくつかの実施形態において、R
2は、それぞれの出現において、水素である。他の実施形態において、R
2は、それぞれの出現において、−LNR
4R
5R
7である。いくつかの実施形態において、R
3は、それぞれの出現において独立に、水素またはC
1〜C
6アルキルである。他の実施形態において、R
3は、メチルである。また他の実施形態において、R
3は、エチルである。いくつかの他の実施形態において、R
3は、n−プロピルまたはイソプロピルである。いくつかの他の実施形態において、R
3は、C
4アルキルである。他の実施形態において、R
3は、C
5アルキルである。いくつかの実施形態において、R
3は、C
6アルキルである。
【0207】
特定の実施形態において、R
4は、それぞれの出現において独立に、水素である。他の実施形態において、R
4は、メチルまたはエチルである。また他の実施形態において、R
4は、−C(=NH)NH
2であり、他の実施形態において、R
4は、−Z−L−NHC(=NH)NH
2である。また他の実施形態において、R
4は、−[C(=O)CHR’NH]
mHである。一実施形態において、Zは、−C(=O)−であり、別の実施形態において、Zは、直接結合である。R’は、天然アミノ酸の側鎖である。いくつかの実施形態において、R’は、天然アミノ酸の側鎖の1または2炭素ホモログである。
【0208】
mは、1〜6の整数である。mは、1であり得る。mは、2であり得る。mは、3であり得る。mは、4であり得る。mは、5であり得る。mは、6であり得る。
【0209】
いくつかの実施形態において、R
5は、それぞれの出現において独立に、水素、メチルまたは電子対である。いくつかの実施形態において、R
5は、水素である。他の実施形態において、R
5は、メチルである。また他の実施形態において、R
5は、電子対である。
【0210】
いくつかの実施形態において、R
6は、それぞれの出現において独立に、水素またはメチルである。いくつかの実施形態において、R
6は、水素である。他の実施形態において、R
6は、メチルである。
【0211】
他の実施形態において、R
7は、それぞれの出現において独立に、水素、C
1〜C
6アルキルまたはC
2〜C
6アルコキシアルキルである。いくつかの実施形態において、R7は、水素である。他の実施形態において、R
7は、C
1〜C
6アルキルである。また他の実施形態において、R
7は、C
2〜C
6アルコキシアルキルである。いくつかの実施形態において、R
7は、メチルである。他の実施形態において、R
7は、エチルである。また他の実施形態において、R
7は、n−プロピルまたはイソプロピルである。いくつかの他の実施形態において、R
7は、C
4アルキルである。いくつかの実施形態において、R
7は、C
5アルキルである。いくつかの実施形態において、R
7は、C
6アルキルである。また他の実施形態において、R
7は、C
2アルコキシアルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
7は、C
3アルコキシアルキルである。また他の実施形態において、R
7は、C
4アルコキシアルキルである。いくつかの実施形態において、R
7は、C
5アルコキシアルキルである。他の実施形態において、R
7は、C
6アルコキシアルキルである。
【0212】
リンカー基Lは、上で述べたように、アルキル(例えば、−CH2−CH2−)、アルコキシ(例えば、−C−O−C−)、およびアルキルアミノ(例えば、−CH2−NH−)から選択されるその骨格において結合を含有するが、ただし、Lにおける末端原子(例えば、カルボニルまたは窒素に隣接するもの)は、炭素原子である。分岐状連結(例えば、−CH2−CHCH3−)が可能であるが、リンカーは一般に非分岐状である。一実施形態において、リンカーは、炭化水素リンカーである。このようなリンカーは、構造(CH2)
n−を有してもよく、nは、1〜12であり、好ましくは2〜8であり、より好ましくは2〜6である。
【0213】
任意の数の連結タイプ(A)を有するオリゴマーを提供する。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、タイプ(A)の連結を含有しない。特定の実施形態において、連結の5パーセント、10パーセント、20パーセント、30パーセント、40パーセント、50パーセント、60パーセント、70パーセント、80パーセントまたは90パーセントは、連結(A)である。選択した実施形態において、連結の10〜80パーセント、20〜80パーセント、20〜60パーセント、20〜50パーセント、20〜40パーセント、または20〜35パーセントは、連結(A)である。
【0214】
連結(B)
いくつかの実施形態において、オリゴマーは、少なくとも1つのタイプ(B)の連結を含む。例えば、オリゴマーは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれより多いタイプ(B)の連結を含み得る。タイプ(B)連結は、隣接してもよく、またはオリゴマーを通して散在し得る。連結タイプ(B)は、下記の構造(I):
【0216】
またはその塩もしくは異性体を有し、式中、
Wは、それぞれの出現において独立に、SまたはOであり、
Xは、それぞれの出現において独立に、−NR
8R
9または−OR
3であり、
Yは、それぞれの出現において独立に、Oまたは−NR
10であり、
R
3は、それぞれの出現において独立に、水素またはC
1〜C
6アルキルであり、
R
8は、それぞれの出現において独立に、水素またはC
2〜C
12アルキルであり、
R
9は、それぞれの出現において独立に、水素、C
1〜C
12アルキル、C
1〜C
12アラルキルまたはアリールであり、
R
10は、それぞれの出現において独立に、水素、C
1〜C
12アルキルまたは−LNR
4R
5R
7であり、
R
8およびR
9は接合して、5〜18員の単環式または二環式複素環を形成し得るか、あるいはR
8、R
9またはR
3はR
10と接合して、5〜7員の複素環を形成し得、Xが4−ピ
ペラジノであるとき、Xは、下記の構造(III):
【0218】
を有し、式中、
R
11は、それぞれの出現において独立に、C
2〜C
12アルキル、C
1〜C
12アミノアルキル、C
1〜C
12アルキルカルボニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、
Rは、それぞれの出現において独立に、電子対、水素またはC
1〜C
12アルキルであり、
R
12は、それぞれの出現において独立に、水素、C
1〜C
12アルキル、C
1〜C
12アミノアルキル、−NH
2、−NR
13R
14、−NR
13R
14R
15、C
1〜C
12アルキルカルボニル、オキソ、−CN、トリフルオロメチル、アミジル、アミジニル、アミジニルアルキル、アミジニルアルキルカルボニルグアニジニル、グアニジニルアルキル、グアニジニルアルキルカルボニル、コレート、デオキシコレート、アリール、ヘテロアリール、複素環、−SR
13またはC
1〜C
12アルコキシであり、R
13、R
14およびR
15は、それぞれの出現において独立に、C
1〜C
12アルキルである。
【0219】
いくつかの例において、オリゴマーは、1つのタイプ(B)の連結を含む。いくつかの他の実施形態において、オリゴマーは、2つのタイプ(B)の連結を含む。いくつかの他の実施形態において、オリゴマーは、3つのタイプ(B)の連結を含む。いくつかの他の実施形態において、オリゴマーは、4つのタイプ(B)の連結を含む。また他の実施形態において、タイプ(B)の連結は、連続的である(すなわち、タイプ(B)連結は、互いに隣接している)。さらなる実施形態において、オリゴマー中の連結の少なくとも5%は、タイプ(B)である。例えば、いくつかの実施形態において、連結の5%〜95%、10%〜90%、10%〜50%、または10%〜35%は、連結タイプ(B)であり得る。
【0220】
他の実施形態において、R
3は、それぞれの出現において独立に、水素またはC
1〜C
6アルキルである。また他の実施形態において、R
3は、メチルであり得る。いくつかの実施形態において、R
3は、エチルであり得る。いくつかの他の実施形態において、R
3は、n−プロピルまたはイソプロピルであり得る。また他の実施形態において、R
3は、C
4アルキルであり得る。いくつかの実施形態において、R
3は、C
5アルキルであり得る。いくつかの実施形態において、R
3は、C
6アルキルであり得る。
【0221】
いくつかの実施形態において、R
8は、それぞれの出現において独立に、水素またはC
2〜C
12アルキルである。いくつかの実施形態において、R
8は水素である。また他の実施形態において、R
8はエチルである。いくつかの他の実施形態において、R
8はn−プロピルまたはイソプロピルである。いくつかの実施形態において、R
8はC
4アルキルである。また他の実施形態において、R
8はC
5アルキルである。他の実施形態において、R
8はC
6アルキルである。いくつかの実施形態において、R
8はC
7アルキルである。また他の実施形態において、R
8はC
8アルキルである。他の実施形態において、R
8はC
9アルキルである。また他の実施形態において、R
8はC
10アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
8はC
11アルキルである。また他の実施形態において、R
8はC
12アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
8は、C
2〜C
12アルキルであり、C
2〜C
12アルキルは、1つまたは複数の二重結合(例えば、アルケン)、三重結合(例えば、アルキン)または両方を含む。いくつかの実施形態において、R
8は、非置換C
2〜C
12アルキルである。
【0222】
いくつかの実施形態において、R
9は、それぞれの出現において独立に、水素、C
1〜C
12アルキル、C
1〜C
12アラルキルまたはアリールである。いくつかの実施形態において、R
9は水素である。また他の実施形態において、R
9はC
1〜C
12アルキルである。他の実施形態において、R
9はメチルである。また他の実施形態において、R
9はエチルである。いくつかの他の実施形態において、R
9はn−プロピルまたはイソプロピルである。いくつかの実施形態において、R
9はC
4アルキルである。いくつかの実施形態において、R
9はC
5アルキルである。また他の実施形態において、R
9はC
6アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
9はC
7アルキルである。いくつかの実施形態において、R
9はC
8アルキルである。いくつかの実施形態において、R
9はC
9アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
9はC
10アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
9はC
11アルキルである。また他の実施形態において、R
9はC
12アルキルである。
【0223】
いくつかの他の実施形態において、R
9はC
1〜C
12アラルキルである。例えば、いくつかの実施形態において、R
9は、ベンジルであり、ベンジルは、フェニル環またはベンジルの炭素上で任意選択で置換されていてもよい。置換基は、これに関して、アルキルおよびアルコキシ基、例えば、メチルまたはメトキシを含む。いくつかの実施形態において、ベンジル基は、ベンジルの炭素においてメチルで置換されている。例えば、いくつかの実施形態において、R
9は、下記の構造(XIV):
【0226】
他の実施形態において、R
9は、アリールである。例えば、いくつかの実施形態において、R
9は、フェニルであり、フェニルは、任意選択で置換されていてもよい。置換基は、これに関して、アルキルおよびアルコキシ基、例えば、メチルまたはメトキシを含む。他の実施形態において、R
9は、フェニルであり、フェニルは、クラウンエーテル部分、例えば、12〜18員のクラウンエーテルを含む。一実施形態において、クラウンエーテルは18員であり、さらなるフェニル部分をさらに含み得る。例えば、一実施形態において、R
9は、下記の構造(XV)またはXVI):
【0229】
いくつかの実施形態において、R
10は、それぞれの出現において独立に、水素、C
1〜C
12アルキルまたは−LNR
4R
5R
7であり、R
4、R
5およびR
7は、連結(A)に関して上記に定義されている通りである。他の実施形態において、R
10は水素である。他の実施形態において、R
10はC
1〜C
12アルキルであり、他の実施形態において、R
10は−LNR
4R
5R
7である。いくつかの実施形態において、R
10はメチルである。また他の実施形態において、R
10はエチルである。いくつかの実施形態において、R
10はC
3アルキルである。いくつかの実施形態において、R
10はC
4アルキルである。また他の実施形態において、R
10はC
5アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
10はC
6アルキルである。他の実施形態において、R
10はC
7アルキルである。また他の実施形態において、R
10はC
8アルキルである。いくつかの実施形態において、R
10はC
9アルキルである。他の実施形態において、R
10はC
10アルキルである。また他の実施形態において、R
10はC
11アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
10はC
12アルキルである。
【0230】
いくつかの実施形態において、R
8およびR
9は接合して、5〜18員の単環式または二環式複素環を形成する。いくつかの実施形態において、複素環は、5員または6員の単環式複素環である。例えば、いくつかの実施形態において、連結(B)は、下記の構造(IV):
【0233】
他の実施形態において、複素環は、二環式、例えば、12員二環式複素環である。複素環は、ピペリジニルであり得る。複素環は、モルホリノであり得る。複素環は、ピペリジニル(piperizinyl)であり得る。複素環は、デカヒドロイソキノリンであり得る。代表的な複素環には、以下:
【0236】
いくつかの実施形態において、R
11は、それぞれの出現において独立に、C
2〜C
12アルキル、C
1〜C
12アミノアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルである。
【0237】
いくつかの実施形態において、R
11はC
2〜C
12アルキルである。いくつかの実施形態において、R
11はエチルである。他の実施形態において、R
11はC
3アルキルである。また他の実施形態において、R
11はイソプロピルである。いくつかの他の実施形態において、R
11はC
4アルキルである。他の実施形態において、R
11はC
5アルキルである。いくつかの実施形態において、R
11はC
6アルキルである。他の実施形態において、R
11はC
7アルキルである。いくつかの実施形態において、R
11はC
8アルキルである。他の実施形態において、R
11はC
9アルキルである。また他の実施形態において、R
11はC
10アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
11はC
11アルキルである。いくつかの実施形態において、R
11はC
12アルキルである。
【0238】
他の実施形態において、R
11はC
1〜C
12アミノアルキルである。いくつかの実施形態において、R
11はメチルアミノである。いくつかの実施形態において、R
11はエチルアミノである。他の実施形態において、R
11はC
3アミノアルキルである。また他の実施形態において、R
11はC
4アミノアルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
11はC
5アミノアルキルである。他の実施形態において、R
11はC
6アミノアルキルである。また他の実施形態において、R
11はC
7アミノアルキルである。いくつかの実施形態において、R
11はC
8アミノアルキルである。他の実施形態において、R
11はC
9アミノアルキルである。また他の実施形態において、R
11はC
10アミノアルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
11はC
11アミノアルキルである。他の実施形態において、R
11はC
12アミノアルキルである。
【0239】
他の実施形態において、R
11はC
1〜C
12アルキルカルボニルである。また他の実施形態において、R
11はC
1アルキルカルボニルである。他の実施形態において、R
11はC
2アルキルカルボニルである。いくつかの実施形態において、R
11はC
3アルキルカルボニルである。また他の実施形態において、R
11はC
4アルキルカルボニルである。いくつかの実施形態において、R
11はC
5アルキルカルボニルである。いくつかの他の実施形態において、R
11はC
6アルキルカルボニルである。他の実施形態において、R
11はC
7アルキルカルボニルである。また他の実施形態において、R
11はC
8アルキルカルボニルである。いくつかの実施形態において、R
11はC
9アルキルカルボニルである。また他の実施形態において、R
11はC
10アルキルカルボニルである。いくつかの他の実施形態において、R
11はC
11アルキルカルボニルである。いくつかの実施形態において、R
11はC
12アルキルカルボニルである。また他の実施形態において、R
11は、−C(=O)(CH
2)
nCO
2Hであり、nは1〜6である。例えば、いくつかの実施形態において、nは、1である。他の実施形態において、nは、2である。また他の実施形態において、nは、3である。いくつかの他の実施形態において、nは、4である。また他の実施形態において、nは、5である。他の実施形態において、nは、6である。
【0240】
他の実施形態において、R
11は、アリールである。例えば、いくつかの実施形態において、R
11は、フェニルである。いくつかの実施形態において、フェニルは、例えば、ニトロ基で置換されている。
【0241】
他の実施形態において、R
11は、ヘテロアリールである。例えば、いくつかの実施形態において、R
11は、ピリジニルである。他の実施形態において、R
11は、ピリミジニルである。
【0242】
他の実施形態において、R
11は、ヘテロシクリルである。例えば、いくつかの実施形態において、R
11は、ピペリジニル、例えば、ピペリジン−4−イルである。
【0243】
いくつかの実施形態において、R
11は、エチル、イソプロピル、ピペリジニル、ピリミジニル、コレート、デオキシコレート、または−C(=O)(CH
2)
nCO
2Hであり、nは、1〜6である。
【0244】
いくつかの実施形態において、Rは、電子対である。他の実施形態において、Rは、水素であり、他の実施形態において、Rは、C
1〜C
12アルキルである。いくつかの実施形態において、Rはメチルである。いくつかの実施形態において、Rはエチルである。他の実施形態において、RはC
3アルキルである。また他の実施形態において、Rはイソプロピルである。いくつかの他の実施形態において、RはC
4アルキルである。また他の実施形態において、RはC
5アルキルである。いくつかの実施形態において、RはC
6アルキルである。他の実施形態において、RはC
7アルキルである。また他の実施形態において、RはC
8アルキルである。他の実施形態において、RはC
9アルキルである。いくつかの実施形態において、RはC
10アルキルである。また他の実施形態において、RはC
11アルキルである。いくつかの実施形態において、RはC
12アルキルである。
【0245】
いくつかの実施形態において、R
12は、それぞれの出現において独立に、水素、C
1〜C
12アルキル、C
1〜C
12アミノアルキル、−NH
2、−NR
13R
14、−NR
13R
14R
15、オキソ、−CN、トリフルオロメチル、アミジル、アミジニル、アミジニルアルキル、アミジニルアルキルカルボニルグアニジニル、グアニジニルアルキル、グアニジニルアルキルカルボニル、コレート、デオキシコレート、アリール、ヘテロアリール、複素環、−SR
13またはC
1〜C
12アルコキシであり、R
13、R
14およびR
15は、それぞれの出現において独立に、C
1〜C
12アルキルである。
【0246】
いくつかの実施形態において、R
12は水素である。いくつかの実施形態において、R
12はC
1〜C
12アルキルである。いくつかの実施形態において、R
12はC
1〜C
12アミノアルキルである。いくつかの実施形態において、R
12は−NH
2である。いくつかの実施形態において、R
12は−NR
13R
14である。いくつかの実施形態において、R
12は−NR
13R
14R
15である。いくつかの実施形態において、R
12はC
1〜C
12アルキルカルボニルである。いくつかの実施形態において、R
12はオキソである。いくつかの実施形態において、R
12は−CNである。いくつかの実施形態において、R
12はトリフルオロメチルである。いくつかの実施形態において、R
12はアミジルである。いくつかの実施形態において、R
12はアミジニルである。いくつかの実施形態において、R
12はアミジニルアルキルである。いくつかの実施形態において、R
12はアミジニルアルキルカルボニルである。いくつかの実施形態において、R
12は、グアニジニル、例えば、モノメチルグアニジニル(methylguanidynyl)またはジメチルグアニジニルである。いくつかの実施形態において、R
12はグアニジニルアルキルである。いくつかの実施形態において、R
12はアミジニルアルキルカルボニルである。いくつかの実施形態において、R
12はコレートである。いくつかの実施形態において、R
12はデオキシコレートである。いくつかの実施形態において、R
12はアリールである。いくつかの実施形態において、R
12はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、R
12は複素環である。いくつかの実施形態において、R
12は−SR
13である。いくつかの実施形態において、R
12はC
1〜C
12アルコキシである。いくつかの実施形態において、R
12はジメチルアミンである。
【0247】
他の実施形態において、R
12はメチルである。また他の実施形態において、R
12はエチルである。いくつかの実施形態において、R
12はC
3アルキルである。いくつかの実施形態において、R
12はイソプロピルである。いくつかの実施形態において、R
12はC
4アルキルである。他の実施形態において、R
12はC
5アルキルである。また他の実施形態において、R
12はC
6アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
12はC
7アルキルである。いくつかの実施形態において、R
12はC
8アルキルである。また他の実施形態において、R
12はC
9アルキルである。いくつかの実施形態において、R
12はC
10アルキルである。また他の実施形態において、R
12はC
11アルキルである。他の実施形態において、R
12はC
12アルキルである。また他の実施形態において、アルキル部分は、1個または複数個の酸素原子で置換され、エーテル部分、例えば、メトキシメチル部分を形成する。
【0248】
いくつかの実施形態において、R
12はメチルアミノである。他の実施形態において、R
12はエチルアミノである。また他の実施形態において、R
12はC
3アミノアルキルである。いくつかの実施形態において、R
12はC
4アミノアルキルである。また他の実施形態において、R
12はC
5アミノアルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
12はC
6アミノアルキルである。いくつかの実施形態において、R
12はC
7アミノアルキルである。いくつかの実施形態において、R
12はC
8アミノアルキルである。また他の実施形態において、R
12はC
9アミノアルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
12はC
10アミノアルキルである。また他の実施形態において、R
12はC
11アミノアルキルである。他の実施形態において、R
12はC
12アミノアルキルである。いくつかの実施形態において、アミノアルキルは、ジメチルアミノアルキルである。
【0249】
また他の実施形態において、R
12はアセチルである。いくつかの他の実施形態において、R
12はC
2アルキルカルボニルである。いくつかの実施形態において、R
12はC
3アルキルカルボニルである。また他の実施形態において、R
12はC
4アルキルカルボニルである。いくつかの実施形態において、R
12はC
5アルキルカルボニルである。また他の実施形態において、R
12はC
6アルキルカルボニルである。いくつかの他の実施形態において、R
12はC
7アルキルカルボニルである。いくつかの実施形態において、R
12はC
8アルキルカルボニルである。また他の実施形態において、R
12はC
9アルキルカルボニルである。いくつかの他の実施形態において、R
12はC
10アルキルカルボニルである。いくつかの実施形態において、R
12はC
11アルキルカルボニルである。他の実施形態において、R
12はC
12アルキルカルボニルである。アルキルカルボニルは、カルボキシ部分で置換されており、例えば、アルキルカルボニルは、置換されて、コハク酸部分(すなわち、3−カルボキシアルキルカルボニル)を形成する。他の実施形態において、アルキルカルボニルは、末端−SH基で置換されている。
【0250】
いくつかの実施形態において、R
12は、アミジルである。いくつかの実施形態において、アミジルは、例えば、−SH、カルバメート、またはこれらの組合せでさらに置換されているアルキル部分を含む。他の実施形態において、アミジルは、アリール部分、例えば、フェニルで置換されている。特定の実施形態において、R
12は、下記の構造(IX):
【0252】
を有してもよく、式中、R
16は、それぞれの出現において独立に、水素、C
1〜C
12アルキル、C
1〜C
12アルコキシ、−CN、アリールまたはヘテロアリールである。
【0253】
いくつかの実施形態において、R
12はメトキシである。他の実施形態において、R
12はエトキシである。また他の実施形態において、R
12はC
3アルコキシである。いくつかの実施形態において、R
12はC
4アルコキシである。いくつかの実施形態において、R
12はC
5アルコキシである。いくつかの他の実施形態において、R
12はC
6アルコキシである。他の実施形態において、R
12はC
7アルコキシである。いくつかの他の実施形態において、R
12はC
8アルコキシである。いくつかの実施形態において、R
12はC
9アルコキシである。他の実施形態において、R
12はC
10アルコキシである。いくつかの実施形態において、R
12はC
11アルコキシである。また他の実施形態において、R
12はC
12アルコキシである。
【0254】
特定の実施形態において、R
12は、ピロリジニル、例えば、ピロリジン−1−イルである。他の実施形態において、R
12は、ピペリジニル、例えば、ピペリジン−1−イルまたはピペリジン−4−イルである。他の実施形態において、R
12は、モルホリノ、例えば、モルホリン−4−イルである。他の実施形態において、R
12は、フェニルであり、さらにさらなる実施形態において、フェニルは、例えば、ニトロ基で置換されている。また他の実施形態において、R
12は、ピリミジニル、例えば、ピリミジン−2−イルである。
【0255】
他の実施形態において、R
13、R
14およびR
15は、それぞれの出現において独立に、C
1〜C
12アルキルである。いくつかの実施形態において、R
13、R
14またはR
15は、メチルである。また他の実施形態において、R
13、R
14またはR
15はエチルである。他の実施形態において、R
13、R
14またはR
15はC
3アルキルである。また他の実施形態において、R
13、R
14またはR
15はイソプロピルである。他の実施形態において、R
13、R
14またはR
15はC
4アルキルである。いくつかの実施形態において、R
13、R
14またはR
15はC
5アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
13、R
14またはR
15はC
6アルキルである。他の実施形態において、R
13、R
14またはR
15はC
7アルキルである。また他の実施形態において、R
13、R
14またはR
15はC
8アルキルである。他の実施形態において、R
13、R
14またはR
15はC
9アルキルである。いくつかの実施形態において、R
13、R
14またはR
15はC
10アルキルである。いくつかの実施形態において、R
13、R
14またはR
15はC
11アルキルである。また他の実施形態において、R
13、R
14またはR
15はC
12アルキルである。
【0256】
上で述べたように、いくつかの実施形態において、R
12は、アリール部分で置換されているアミジルである。これに関しては、R
16のそれぞれの出現は、同一でも異なってもよい。これらの実施形態のいくつかにおいて、R
16は、水素である。他の実施形態において、R
16は、−CNである。他の実施形態において、R
16は、ヘテロアリール、例えば、テトラゾリル(tretrazolyl)である。特定の他の実施形態において、R
16は、メトキシである。他の実施形態において、R
16は、アリールであり、アリールは、任意選択で置換されている。任意選択の置換基には、これに関して、C
1〜C
12アルキル、C
1〜C
12アルコキシ、例えば、メトキシ;トリフルオロメトキシ;ハロ、例えば、クロロ;およびトリフルオロメチルが含まれる。
【0257】
他の実施形態において、R
16はメチルである。また他の実施形態において、R
16はエチルである。いくつかの実施形態において、R
16はC
3アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
16はイソプロピルである。また他の実施形態において、R
16はC
4アルキルである。他の実施形態において、R
16はC
5アルキルである。また他の実施形態において、R
16はC
6アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
16はC
7アルキルである。いくつかの実施形態において、R
16はC
8アルキルである。また他の実施形態において、R
16はC
9アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
16はC
10アルキルである。他の実施形態において、R
16はC
11アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
16はC
12アルキルである。
【0258】
いくつかの実施形態において、R
16はメトキシである。いくつかの実施形態において、R
16はエトキシである。また他の実施形態において、R
16はC
3アルコキシである。いくつかの他の実施形態において、R
16はC
4アルコキシである。他の実施形態において、R
16はC
5アルコキシである。いくつかの他の実施形態において、R
16はC
6アルコキシである。また他の実施形態において、R
16はC
7アルコキシである。いくつかの他の実施形態において、R
16はC
8アルコキシである。また他の実施形態において、R
16はC
9アルコキシである。いくつかの他の実施形態において、R
16はC
10アルコキシである。いくつかの実施形態において、R
16はC
11アルコキシである。いくつかの他の実施形態において、R
16はC
12アルコキシである。
【0259】
いくつかの他の実施形態において、R
8およびR
9は接合して、12〜18員のクラウンエーテルを形成する。例えば、いくつかの実施形態において、クラウンエーテルは、18員であり、他の実施形態において、クラウンエーテルは、15員である。特定の実施形態において、R
8およびR
9は接合して、下記の構造(X)または(XI):
【0262】
いくつかの実施形態において、R
8、R
9またはR
3は、R
10と接合して、5〜7員の複素環を形成する。例えば、いくつかの実施形態において、R
3はR
10と接合して、5〜7員の複素環を形成する。いくつかの実施形態において、複素環は、5員である。他の実施形態において、複素環は、6員である。他の実施形態において、複素環は、7員である。いくつかの実施形態において、複素環は、下記の構造(XII):
【0264】
によって表され、式中、Z’は、5〜7員の複素環を表す。構造(XI)の特定の実施形態において、R
12は、それぞれの出現において水素である。例えば、連結(B)は、下記の構造(B1)、(B2)または(B3):
【0267】
特定の他の実施形態において、R
12は、アリールホスホリル部分、例えば、トリフェニルホスホリル(phosporyl)部分でさらに置換されている、C
1〜C
12アルキルカルボニルまたはアミジルである。この構造を有する連結の例には、B56およびB55が含まれる。
【0268】
特定の実施形態において、連結(B)は、構造A1〜A5のいずれかを有さない。表3は、タイプ(A)および(B)の代表的な連結を示す。
【0281】
下記の配列および考察において、連結についての上記の名称が使用されることが多い。例えば、PMO
apn連結を含む塩基は、
apnBとして例示され、Bは、塩基である。他の連結は、同様に呼称する。さらに、省略された呼称を使用してもよく、例えば、上記の括弧内の省略された呼称を使用し得る(例えば、
aBは、
apnBを指す)。他の容易に同定可能な略語をまた使用し得る。
【0282】
上で述べたように、本開示はまた、修飾された末端基を含むオリゴマーを提供する。様々な化学部分によるオリゴマーの3’端および/または5’端の修飾は、オリゴマーに対して有益な治療特性(例えば、増強された細胞送達、効力、および/または組織分布など)を提供することを出願人等は見出した。様々な実施形態において、修飾された末端基は、疎水性部分を含み、一方、他の実施形態において、修飾された末端基は、親水性部分を含む。修飾された末端基は、上記の連結を伴って、または伴わずに存在し得る。例えば、いくつかの実施形態において、オリゴマーは、1つまたは複数の修飾された末端基およびタイプ(A)の連結、例えば、Xが−N(CH
3)
2である連結を含む。他の実施形態において、オリゴマーは、1つまたは複数の修飾された末端基およびタイプ(B)の連結、例えば、Xが4−アミノピペリジン−1−イル(すなわち、APN)である連結を含む。また他の実施形態において、オリゴマーは、1つまたは複数の修飾された末端基、ならびに連結(A)および(B)の混合物を含む。例えば、オリゴマーは、1つまたは複数の修飾された末端基(例えば、トリチルまたはトリフェニルアセチル)、ならびにXが−N(CH
3)
2である連結およびXが4−アミノピペリジン−1−イルである連結を含み得る。修飾された末端基および修飾された連結の他の組合せはまた、オリゴマーに対して都合よい治療特性を提供する。
【0283】
一実施形態において、末端修飾を含むオリゴマーは、下記の構造(XVII):
【0285】
またはその塩もしくは異性体を有し、式中、連結(A)および(B)のいずれかについて、X、WおよびYは、上記に定義されている通りであり、
R
17は、それぞれの出現において独立に、非存在、水素またはC
1〜C
6アルキルであり、
R
18およびR
19は、それぞれの出現において独立に、非存在、水素、細胞透過性ペプチド、天然もしくは非天然のアミノ酸、C
2〜C
30アルキルカルボニル、−C(=O)OR
21またはR
20であり、
R
20は、それぞれの出現において独立に、グアニジニル、ヘテロシクリル、C
1〜C
30アルキル、C
3〜C
8シクロアルキル;C
6〜C
30アリール、C
7〜C
30アラルキル、C
3〜C
30アルキルカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルアルキルカルボニル、C
7〜C
30アリールカルボニル、C
7〜C
30アラルキルカルボニル、C
2〜C
30アルキルオキシカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルオキシカルボニル、C
7〜C
30アリールオキシカルボニル、C
8〜C
30アラルキルオキシカルボニル、または−P(=O)(R
22)
2であり、
Bは、塩基対合部分であり、
L
1は、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルアミノ、アミド、エステル、カルボニル、カルバメート、ホスホロジアミデート、ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ピペラジンおよびホスホジエステルから選択される、結合を含む長さが18原子までの任意選択のリンカーであり、
xは、0以上の整数であり、R
18またはR
19の少なくとも1つは、R
20であり、
R
18またはR
19の少なくとも1つは、R
20であり、ただし、R
17およびR
18の両方が非存在ではない。
【0286】
修飾された末端基を有するオリゴマーは、任意の数のタイプ(A)および(B)の連結を含み得る。例えば、オリゴマーは、連結タイプ(A)のみを含み得る。例えば、各連結中のXは、−N(CH
3)
2であり得る。代わりに、オリゴマーは、連結(B)のみを含み得る。特定の実施形態において、オリゴマーは、連結(A)および(B)の混合物を含み、例えば、1〜4つのタイプ(B)の連結および連結の残りはタイプ(A)である。これに関しては、連結には、これらに限定されないが、Xがタイプ(B)についてアミノピペリジニルであり、タイプ(A)についてジメチルアミノである連結が含まれる。
【0287】
いくつかの実施形態において、R
17は、非存在である。いくつかの実施形態において、R
17は、水素である。いくつかの実施形態において、R
17は、C
1〜C
6アルキルである。いくつかの実施形態において、R
17は、メチルである。また他の実施形態において、R
17は、エチルである。いくつかの実施形態において、R
17は、C
3アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
17は、イソプロピルである。他の実施形態において、R
17は、C
4アルキルである。また他の実施形態において、R
17は、C
5アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
17は、C
6アルキルである。
【0288】
他の実施形態において、R
18は、非存在である。いくつかの実施形態において、R
18は、水素である。いくつかの実施形態において、R
18は、下記でより詳細に記載するような細胞透過性ペプチドである。いくつかの実施形態において、R
18は、天然または非天然のアミノ酸、例えば、トリメチルグリシンである。いくつかの実施形態において、R
18は、R
20である。
【0289】
他の実施形態において、R
19は、非存在である。いくつかの実施形態において、R
19は、水素である。いくつかの実施形態において、R
19は、下記でより詳細に記載するような細胞透過性ペプチドである。いくつかの実施形態において、R
19は、天然または非天然のアミノ酸、例えば、トリメチルグリシンである。いくつかの実施形態において、R
19は、−C(=O)OR
17であり、例えば、R
19は、下記の構造:
【0292】
他の実施形態において、R
18またはR
19は、C
2〜C
30アルキルカルボニル、例えば、−C(=O)(CH
2)
nCO
2Hであり、nは、1〜6、例えば、2である。他の例において、R
18またはR
19は、アセチルである。
【0293】
いくつかの実施形態において、R
20は、それぞれの出現において独立に、グアニジニル、ヘテロシクリル、C
1〜C
30アルキル、C
3〜C
8シクロアルキル;C
6〜C
30アリール、C
7〜C
30アラルキル、C
3〜C
30アルキルカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルアルキルカルボニル、C
6〜C
30アリールカルボニル、C
7〜C
30アラルキルカルボニル、C
2〜C
30アルキルオキシカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルオキシカルボニル、C
7〜C
30アリールオキシカルボニル、C
8〜C
30アラルキルオキシカルボニル、−C(=O)OR
21、または−P(=O)(R
22)
2であり、R
21は、1個もしくは複数の酸素またはヒドロキシル部分またはこれらの組合せを含むC
1〜C
30アルキルであり、各R
22は、C
6〜C
12アリールオキシである。
【0294】
特定の他の実施形態において、R
19は、−C(=O)OR
21であり、R
18は、水素、グアニジニル、ヘテロシクリル、C
1〜C
30アルキル、C
3〜C
8シクロアルキル;C
6〜C
30アリール、C
3〜C
30アルキルカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルアルキルカルボニル、C
7〜C
30アリールカルボニル、C
7〜C
30アラルキルカルボニル、C
2〜C
30アルキルオキシカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルオキシカルボニル、C
7〜C
30アリールオキシカルボニル、C
8〜C
30アラルキルオキシカルボニル、または−P(=O)(R
22)
2であり、各R
22は、C
6〜C
12アリールオキシである。
【0295】
他の実施形態において、R
20は、それぞれの出現において独立に、グアニジニル、ヘテロシクリル、C
1〜C
30アルキル、C
3〜C
8シクロアルキル;C
6〜C
30アリール、C
3〜C
30アルキルカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルアルキルカルボニル、C
7〜C
30アリールカルボニル、C
7〜C
30アラルキルカルボニル、C
2〜C
30アルキルオキシカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルオキシカルボニル、C
7〜C
30アリールオキシカルボニル、C
8〜C
30アラルキルオキシカルボニル、または−P(=O)(R
22)
2である。一方、他の例において、R
20は、それぞれの出現において独立に、グアニジニル、ヘテロシクリル、C
1〜C
30アルキル、C
3〜C
8シクロアルキル;C
6〜C
30アリール、C
7〜C
30アラルキル、C
3〜C
8シクロアルキルカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルアルキルカルボニル、C
7〜C
30アリールカルボニル、C
7〜C
30アラルキルカルボニル、C
2〜C
30アルキルオキシカルボニル、C
3〜C
8シクロアルキルオキシカルボニル、C
7〜C
30アリールオキシカルボニル、C
8〜C
30アラルキルオキシカルボニル、または−P(=O)(R
22)
2である。
【0296】
いくつかの実施形態において、R
20は、グアニジニル、例えば、モノメチルグアニジニルまたはジメチルグアニジニルである。他の実施形態において、R
20は、ヘテロシクリルである。例えば、いくつかの実施形態において、R
20は、ピペリジン−4−イルである。いくつかの実施形態において、ピペリジン−4−イルは、トリチルまたはBoc基で置換されている。他の実施形態において、R
20は、C
3〜C
8シクロアルキルである。他の実施形態において、R
20は、C
6〜C
30アリールである。
【0297】
いくつかの実施形態において、R
20は、C
7〜C
30アリールカルボニルである。例えば、いくつかの実施形態において、R
20は、下記の構造(XVIII):
【0299】
を有し、式中、R
23は、それぞれの出現において独立に、水素、ハロ、C
1〜C
30アルキル、C
1〜C
30アルコキシ、C
1〜C
30アルキルオキシカルボニル、C
7〜C
30アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはヘテロシクロアルキル(heterocyclalkyl)であり、1つのR
23は、別のR
23と接合して、ヘテロシクリル環を形成し得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのR
23は、水素であり、例えば、いくつかの実施形態において、各R
23は、水素である。他の実施形態において、少なくとも1つのR
23は、C
1〜C
30アルコキシであり、例えば、いくつかの実施形態において、各R
23は、メトキシである。他の実施形態において、少なくとも1つのR
23は、ヘテロアリールであり、例えば、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのR
23は、下記の構造(XVIIIa)または(XVIIIb):
【0302】
また他の実施形態において、1つのR
23は別のR
23と接合して、ヘテロシクリル環を形成する。例えば、一実施形態において、R
20は、5−カルボキシフルオレセインである。
【0303】
他の実施形態において、R
20は、C
7〜C
30アラルキルカルボニルである。例えば、様々な実施形態において、R
20は、下記の構造(XIX)、(XX)または(XXI):
【0305】
の1つを有し、式中、R
23は、それぞれの出現において独立に、水素、ハロ、C
1〜C
30アルキル、C
1〜C
30アルコキシ、C
1〜C
30アルキルオキシカルボニル、C
7〜C
30アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはヘテロシクロアルキルであり、1つのR
23は、別のR
23と接合して、ヘテロシクリル環を形成し得、Xは、−OHまたはハロであり、mは、0〜6の整数である。いくつかの特定の実施形態において、mは、0である。他の実施形態において、mは、1であり、一方、他の実施形態において、mは、2である。他の実施形態において、少なくとも1つのR
23は、水素であり、例えば、いくつかの実施形態において、各R
23は、水素である。いくつかの実施形態において、Xは、水素である。他の実施形態において、Xは、−OHである。他の実施形態において、Xは、Clである。他の実施形態において、少なくとも1つのR
23は、C
1〜C
30アルコキシ、例えば、メトキシである。
【0306】
また他の実施形態において、R
20は、C
7〜C
30アラルキル、例えば、トリチルである。他の実施形態において、R
20は、メトキシトリチルである。いくつかの実施形態において、R
20は、下記の構造(XXII):
【0308】
を有し、式中、R
23は、それぞれの出現において独立に、水素、ハロ、C
1〜C
30アルキル、C
1〜C
30アルコキシ、C
1〜C
30アルキルオキシカルボニル、C
7〜C
30アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはヘテロシクロアルキルであり、1つのR
23は、別のR
23と接合して、ヘテロシクリル環を形成し得る。例えば、いくつかの実施形態において、各R
23は、水素である。他の実施形態において、少なくとも1つのR
23は、C
1〜C
30アルコキシ、例えば、メトキシである。
【0309】
また他の実施形態において、R
20は、C
7〜C
30アラルキルであり、R
20は、下記の構造(XXIII):
【0312】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのR
23は、ハロ、例えば、クロロである。いくつかの他の実施形態において、1つのR
23は、パラ位におけるクロロである。
【0313】
他の実施形態において、R
20は、C
1〜C
30アルキルである。例えば、いくつかの実施形態において、R
20は、C
4〜C
20アルキルであり、1つまたは複数の二重結合を任意選択で含む。例えば、いくつかの実施形態において、R
20は、三重結合、例えば、末端三重結合を含むC
4〜10アルキルである。いくつかの実施形態において、R
20は、ヘキシン−6−イルである。いくつかの実施形態において、R
20は、下記の構造(XXIV)、(XXV)、(XXVI)または(XXVII):
【0316】
また他の実施形態において、R
20は、C
3〜C
30アルキルカルボニル、例えば、C
3〜C
10アルキルカルボニルである。いくつかの実施形態において、R
20は、−C(=O)(CH
2)
pSHまたは−C(=O)(CH
2)
pSSHetであり、pは、1〜6の整数であり、Hetは、ヘテロアリールである。例えば、pは、1であり得、またはpは、2であり得る。他の例において、Hetは、ピリジニル、例えば、ピリジン−2−イルである。他の実施形態において、C
3〜C
30アルキルカルボニルは、さらなるオリゴマーで置換されており、例えば、いくつかの実施形態において、オリゴマーは、オリゴマーを別のオリゴマーの3’位に連結する、3’位におけるC
3〜C
30アルキルカルボニルを含む。このような末端修飾は、本開示の範囲内に含まれる。
【0317】
他の実施形態において、R
20は、アリールホスホリル部分、例えば、トリフェニルホスホリルでさらに置換されているC
3〜C
30アルキルカルボニルである。このようなR
20基の例には、表2における構造33が含まれる。
【0318】
他の例において、R
20は、C
3〜C
8シクロアルキルカルボニル、例えば、C
5〜C
7アルキルカルボニルである。これらの実施形態において、R
20は、下記の構造(XXVIII):
【0320】
を有し、式中、R
23は、それぞれの出現において独立に、水素、ハロ、C
1〜C
30アルキル、C
1〜C
30アルコキシ、C
1〜C
30アルキルオキシカルボニル、C
7〜C
30アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはヘテロシクロアルキルであり、1つのR
23は別のR
23と接合して、ヘテロシクリル環を形成し得る。いくつかの実施形態において、R
23は、ヘテロシクリルアルキルであり、例えば、いくつかの実施形態において、R
23は、下記の構造:
【0323】
いくつかの他の実施形態において、R
20は、C
3〜C
8シクロアルキルアルキルカルボニルである。他の実施形態において、R
20は、C
2〜C
30アルキルオキシカルボニルである。他の実施形態において、R
20は、C
3〜C
8シクロアルキルオキシカルボニルである。他の実施形態において、R
20は、C
7〜C
30アリールオキシカルボニルである。他の実施形態において、R
20は、C
8〜C
30アラルキルオキシカルボニルである。他の実施形態において、R
20は、−P(=O)(R
22)
2であり、各R
22は、C
6〜C
12アリールオキシであり、例えば、いくつかの実施形態において、R
20は、下記の構造(C24):
【0326】
他の実施形態において、R
20は、1個または複数個のハロ原子を含む。例えば、いくつかの実施形態において、R
20は、上記のR
20部分のいずれかのペルフルオロ類似体を含む。他の実施形態において、R
20は、p−トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメチルトリチル、ペルフルオロペンチルまたはペンタフルオロフェニルである。
【0327】
いくつかの実施形態において、3’末端は、修飾を含み、他の実施形態において、5’末端は、修飾を含む。他の実施形態において、3’末端および5’末端の両方は、修飾を含む。したがって、いくつかの実施形態において、R
18は、非存在であり、R
19は、R
20である。他の実施形態において、R
19は、非存在であり、R
18は、R
20である。また他の実施形態において、R
18およびR
19は、各R
20である。
【0328】
いくつかの実施形態において、オリゴマーは、3’修飾または5’修飾に加えて細胞透過性ペプチドを含む。したがって、いくつかの実施形態において、R
19は、細胞透過性ペプチドであり、R
18は、R
20である。他の実施形態において、R
18は、細胞透過性ペプチドであり、R
19は、R
20である。上記のさらなる実施形態において、細胞透過性ペプチドは、アルギニンに富んだペプチドである。
【0329】
いくつかの実施形態において、5’末端基(すなわち、R
19)をオリゴマーに連結するリンカーL
1は、存在または非存在であり得る。リンカーは、任意の数の官能基および長さを含み、ただし、リンカーは、5’末端基をオリゴマーに連結するその能力を保持し、かつリンカーは、配列特異的様式で標的配列に結合するオリゴマーの能力を妨害しない。一実施形態において、Lは、ホスホロジアミデートおよびピペラジン結合を含む。例えば、いくつかの実施形態において、Lは、下記の構造(XXIX):
【0331】
を有し、式中、R
24は、非存在、水素またはC
1〜C
6アルキルである。いくつかの実施形態において、R
24は、非存在である。いくつかの実施形態において、R
24は、水素である。いくつかの実施形態において、R
24は、C
1〜C
6アルキルである。いくつかの実施形態において、R
24は、メチルである。他の実施形態において、R
24は、エチルである。また他の実施形態において、R
24は、C
3アルキルである。いくつかの他の実施形態において、R
24は、イソプロピルである。また他の実施形態において、R
24は、C
4アルキルである。いくつかの実施形態において、R
24は、C
5アルキルである。また他の実施形態において、R
24は、C
6アルキルである。
【0332】
また他の実施形態において、R
20は、C
3〜C
30アルキルカルボニルであり、R
20は、下記の構造(XXX):
【0334】
を有し、式中、R
25は、水素または−SR
26であり、R
26は、水素、C
1〜C
30アルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり、qは、0〜6の整数である。
【0335】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、R
23は、それぞれの出現において独立に、水素、ハロ、C
1〜C
30アルキル、C
1〜C
30アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはヘテロシクロアルキルである。
【0336】
いくつかの他の実施形態において、オリゴマーの3’末端のみが、上で述べた基の1つに結合体化している。いくつかの他の実施形態において、オリゴマーの5’末端のみが、上で述べた基の1つに結合体化している。他の実施形態において、3’末端および5’末端の両方は、上で述べた基の1つを含む。末端基は、上で述べた基の任意の1つ、または表4において例示した特定の基のいずれかから選択し得る。
【0342】
ペプチド輸送体
いくつかの実施形態において、対象オリゴマーは、ペプチド輸送体部分、例えば、細胞中へのオリゴマーの輸送を増強するのに有効な細胞透過性ペプチド輸送部分に結合体化している。例えば、いくつかの実施形態において、ペプチド輸送体部分は、アルギニンに富んだペプチドである。さらなる実施形態において、輸送部分は、オリゴマーの5’末端または3’末端に付着している。このようなペプチドがいずれかの末端に結合体化しているとき、反対の末端は本明細書に記載の修飾された末端基へのさらなる結合体化のために利用可能である。
【0343】
上記のいくつかの実施形態において、ペプチド輸送部分は、X’サブユニット、Y’サブユニット、およびZ’サブユニットから選択される6〜16のサブユニットを含み、
(a)各X’サブユニットは、独立に、リシン、アルギニンまたはアルギニン類似体を表し、前記類似体は、構造R
33N=C(NH
2)R
34の側鎖を含むカチオン性α−アミノ酸であり、R
33は、HまたはRであり、R
34は、R
35、NH
2、NHR、またはNR
34であり、R
35は、低級アルキルまたは低級アルケニルであり、酸素または窒素をさらに含み得、R
33およびR
34は、一緒に環を形成し得、側鎖は、R
33またはR
34を介して前記アミノ酸に連結しており、
(b)各Y’サブユニットは、独立に、中性アミノ酸−C(O)−(CHR)
n−NH−を表し、nは、2〜7であり、各Rは独立に、Hまたはメチルであり、
(c)各Z’サブユニットは、独立に、中性アラルキル側鎖を有するα−アミノ酸を表し、
ペプチドは、(X’Y’X’)
p、(X’Y’)
m、および(X’Z’Z’)
pの1つによって表される配列を含み、pは、2〜5であり、mは、2〜8である。
【0344】
選択した実施形態において、各X’について、側鎖部分は、アミノ酸サブユニットアルギニン(Arg)におけるように、グアニジルである。さらなる実施形態において、各Y’は、−CO−(CH
2)
n−CHR−NH−であり、nは、2〜7であり、Rは、Hである。例えば、nが5であり、RがHであるとき、Y’は、本明細書においてAhxとして略される6−アミノヘキサン酸サブユニットであり、nが2であり、RがHであるとき、Y’は、β−アラニンサブユニットである。
【0345】
特定の実施形態において、このタイプのペプチドには、単一のY’サブユニットと交互になっているアルギニン二量体を含むものが含まれ、Y’は、Ahxである。例には、式(RY’R)
pまたは式(RRY’)
pを有するペプチドが含まれ、Y’は、Ahxである。一実施形態において、Y’は、6−アミノヘキサン酸サブユニットであり、Rは、アルギニンであり、pは、4である。
【0346】
さらなる実施形態において、各Z’は、フェニルアラニンであり、mは、3または4である。
【0347】
いくつかの実施形態において、結合体化されたペプチドは、リンカーAhx−Bを介してオリゴマーの末端に連結しており、Ahxは、6−アミノヘキサン酸サブユニットであり、Bは、β−アラニンサブユニットである。
【0348】
選択した実施形態において、各X’について、側鎖部分は、グアニジル(HN=C(NH
2)NH−)、アミジニル(HN=C(NH
2)C−)、2−アミノジヒドロピリミジル、2−アミノテトラヒドロピリミジル、2−アミノピリジニル、および2−アミノピリミドニル(aminopyrimidonyl)からなる群から独立に選択され、グアニジルおよびアミジニルから好ましくは選択される。一実施形態において、側鎖部分は、アミノ酸サブユニットアルギニン(Arg)におけるように、グアニジルである。
【0349】
いくつかの実施形態において、X’サブユニットが、Y’サブユニットの間を介在せず、またはX’サブユニットの間に単一で散在していないという点で、Y’サブユニットは、いずれにしても連続的である。しかし、いくつかの実施形態において、連結サブユニットは、Y’サブユニットの間に存在し得る。一実施形態において、Y’サブユニットは、ペプチド輸送体の末端において存在する。他の実施形態において、Y’サブユニットは、X’サブユニットに隣接している。さらなる実施形態において、各Y’は、−CO−(CH
2)
n−CHR−NH−であり、nは、2〜7であり、Rは、Hである。例えば、nが5であり、RがHであるとき、Y’は、本明細書においてAhxとして略される6−アミノヘキサン酸サブユニットである。この基の選択された実施形態において、各X’は、アルギニンサブユニットにおけるように、グアニジル側鎖部分を含む。このタイプの例示的なペプチドは、単一のY’サブユニットと交互になっているアルギニン二量体を含むものを含み、Y’は好ましくは、Ahxである。例には、式(RY’R)
4または式(RRY’)
4を有するペプチドが含まれ、Y’は好ましくは、Ahxである。いくつかの実施形態において、核酸類似体は、好ましくはC末端において、末端Y’サブユニットに連結している。他の実施形態において、リンカーは、構造AhxBのものであり、Ahxは、6−アミノヘキサン酸サブユニットであり、Bは、β−アラニンサブユニットである。
【0350】
上記のようなペプチド輸送部分は、付着した輸送部分の非存在下でのオリゴマーの取込みと比べて、および疎水性サブユニットY’を欠いている付着した輸送部分による取込みと比べて、付着したオリゴマーの細胞侵入を大いに増強することが示されてきた。このような増強された取込みは、疎水性サブユニットY’を欠いている付着した輸送部分による薬剤の取込みと比べて、哺乳動物細胞中への化合物の取込みにおける少なくとも2倍の増大、または他の実施形態において、4倍の増大によって証明され得る。いくつかの実施形態において、取込みは、結合体化されていない化合物と比べて、少なくとも20倍または少なくとも40倍増強される。
【0351】
ペプチド輸送部分のさらなる利益は、アンチセンスオリゴマーとその標的核酸配列との間の二重鎖を安定化させるその予想される能力である。理論に束縛されるものではないが、二重鎖を安定化させるこの能力は、正に荷電している輸送部分と負に荷電している核酸との間の静電相互作用に起因し得る。いくつかの実施形態において、多すぎる数の荷電しているサブユニットは配列特異性の低減をもたらし得るため、輸送体中の荷電しているサブユニットの数は、上で述べたように14未満であるか、または他の実施形態において、8〜11である。
【0352】
本開示はまた、ペプチド輸送部分および核酸類似体の結合体を組み込む。上で述べたように、ペプチド輸送部分は一般に、核酸類似体の細胞透過を増強するのに有効である。核酸類似体とペプチド輸送部分の残りとの間にグリシン(G)またはプロリン(P)アミノ酸サブユニットを含むこと(例えば、担体ペプチドのカルボキシまたはアミノ末端において)は、結合体の毒性を低減させ、一方、有効性は、ペプチド輸送部分と核酸類似体との間に異なる連結を有する結合体と比べて、同じままであるか、または改善されることを出願人等はまた発見した。このように、現在開示されている結合体はより良好な治療ウィンドウを有し、他のペプチド−オリゴマー結合体より有望な薬物候補である。
【0353】
毒性を低減させることに加えて、核酸類似体と担体ペプチドとの間のグリシンまたはプロリンアミノ酸サブユニットの存在は、さらなる利点を提供すると考えられる。例えば、グリシンは安価であり、ラセミ化の可能性を伴わずに核酸類似体(または、任意選択のリンカー)に容易にカップリングする。同様に、プロリンは、ラセミ化を伴わずに容易にカップリングし、またヘリックス形成剤ではない担体ペプチドを提供する。プロリンの疎水性はまた、細胞の脂質二重層との担体ペプチドの相互作用に関して特定の利点を与え得、複数のプロリンを含む担体ペプチド(例えば、特定の実施形態において)は、G−四重体形成に抵抗し得る。最終的に、特定の実施形態において、プロリン部分がアルギニンアミノ酸サブユニットに隣接しているとき、アルギニン(argine)−プロリンアミド結合が一般のエンドペプチダーゼによって切断可能でないため、プロリン部分は、結合体に対して代謝安定性を与える。
【0354】
いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドへのペプチドの結合体化は、参照によりその全体が組み込まれているPCT公開WO2012/1150960に記載の通りである。特定の実施形態において、例えば、ペプチドが結合体化したオリゴヌクレオチドは、CPPとアンチセンスオリゴヌクレオチドとの間のリンカーとしてグリシンを利用する。例えば、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、アルギニンに富んだペプチド、例えば、(Arg)6Gly(オリゴヌクレオチドに連結している6つのアルギニンおよび1つのグリシン)にカップリングすることができる。一例として、このペプチドはPMOに結合体化することができ、「R6−G−PMO」として公知である。
【0355】
様々なリンカー(C、G、P、Ahx、B)を含むさらなる例示的なアルギニンに富んだ細胞透過性ペプチド輸送体を、下記の表5において示す。上記の表2において開示するように、好ましい細胞透過性ペプチド輸送体は、グリシンリンカー(R
6G)を介して3’末端においてPMOに結合体化している配列番号45である。5’末端へのR
6Gの連結はまた、好ましい一実施形態である。
【0357】
インビトロでの使用方法
別の局面において、本発明は、インビトロで細胞または組織を処理して、有益な様式で1種またはそれより多いmRNAアイソフォームおよび/または変異体タンパク質の発現を低減するために、本明細書に記載のLMNAおよび/またはHGPSを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用する方法に関する。本発明によってモジュレートされ得る細胞または組織は、好ましくは哺乳動物細胞であるか、またはより好ましくはヒト細胞である。このような細胞は、健常な状態のものであっても、病的な状態であってもよい(例えば、プロジェリンを発現する細胞)。特定の局面において、この細胞は、早老性ラミノパシー(progeroid laminopathy)をもたらすプロジェリンを発現する細胞である。
【0358】
したがって、特定の実施形態は、概して異常にスプライシングされたLMNA mRNAの発現をインビトロで低減するための方法に関し、この方法は、細胞と本明細書に記載の1つまたは複数のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはそれを含む組成物とを接触させ、それによってプロジェリンの発現を低減させるステップを含む。これらおよび関連する方法は、本明細書に記載されかつ当該分野で公知の変異体LMNA mRNAアイソフォームの任意の1つまたは複数の発現を低減するために使用され得る。
【0359】
上記インビトロ方法は、薬学的に許容される担体と組み合わせてオリゴヌクレオチドを含む組成物を使用し得る。「薬学的に許容される」という語句は、本明細書において、合理的な利益/リスク比と釣り合った、過剰な毒性も刺激もアレルギー反応も他の問題も合併症も伴わない、妥当な医学的判断の範囲内で、細胞および/または組織と接触させる使用に適した化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために用いられる。
【0360】
「薬学的に許容される担体」という語句は、薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクル、例えば、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、製造助剤(例えば、滑沢剤、タルクマグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸亜鉛、もしくはステアリン酸(steric acid))、または溶媒封入材料を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性であり、接触させる細胞または組織に対して傷害性でないという意味で「許容され」なくてはならない。
【0361】
薬学的に許容される担体としての役割を果たすことができる材料のいくつかの例には、これらに限定されないが、(1)糖、例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えば、トウモロコシデンプンおよびバレイショデンプン;(3)セルロース、およびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;(4)トラガカント粉末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えば、カカオバターおよび坐剤ろう;(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油;(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール;(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;(12)エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝化溶液;(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ無水物;ならびに(22)医薬製剤中で用いられる他の無毒性の適合性物質が含まれる。
【0362】
本明細書において引用される全ての刊行物および特許出願は、それぞれの個々の刊行物または特許出願が特におよび個々に参照により組み込まれていることが示されるかのように参照により本明細書に組み込まれている。
【0363】
理解を明確にするために上記の発明を例示および例として少し詳しく記載してきたが、添付の特許請求の範囲の精神または範囲を逸脱することなく、特定の変更および修正をそれに行い得ることは、本発明の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。下記の実施例は、限定のためではなく例示としてのみ提供する。当業者は、本質的に同様の結果を得るために変更または修正することができる種々の重大でないパラメーターを容易に認識する。
【実施例】
【0366】
(実施例1)
LMNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用したHGPS細胞の処理
2種の初代線維芽細胞系統であるHGPS線維芽細胞(HGADFN167)および対照線維芽細胞(HGFDFN168)を使用した。HGPSおよび対照細胞を、約10,000個の細胞/ウェルの密度で24ウェルディッシュ中に播種した。ラミン−AプレmRNAのエキソン11および/または10を標的としたモルホリノオリゴヌクレオチドを、遊離取込みによって、またはnucleofection(例えば、Amaxa)によって、培養したHGPS細胞中に個々に導入した。遊離取込みのために、細胞を、25μMまたは50μMまたは80uMのPMOオリゴヌクレオチドを含有する培地中で1〜2週間培養した。次いで、これらの細胞を、抗プロジェリン抗体または抗ラミンA/C抗体を伴う免疫蛍光によってスクリーニングした。プロジェリン染色の蛍光強度を、Zeiss蛍光顕微鏡およびSPOTプログラムを使用して定量化した。実験は三連で行い、プロジェリンの下方調節において効果を示したPMOを、さらなる分析のために選択した。分析は、プロジェリン特異的プライマーによる定量的RT−PCR、および抗プロジェリン抗体によるウエスタンブロッティング分析を含んだ。
【0367】
(実施例2)
LMNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理の後のHGPS細胞の蛍光免疫染色
蛍光免疫染色:免疫蛍光のために、細胞を4ウェルチャンバースライド上に播種した。4%パラホルムアルデヒド/PBS中で室温にて15分間固定化した後、細胞を0.5%Triton X−100/PBSで室温にて5分間透過処理し、それに続いてブロック溶液中で4℃にて一晩インキュベートした(ブロック溶液:4%BSA/TBS)。細胞を、マウスモノクローナル抗ラミンA/C(MAB3211、Chemicon)およびウサギポリクローナル抗プロジェリン(カスタムペプチド抗体、Yenzm)で、翌日3時間室温にて染色した。一次抗体を、Alexa Fluor−標識二次抗体(Invitrogen)で検出した。DAPIを含有するVectashield封入剤を乗せたスライドを、Zeiss蛍光顕微鏡で観察した。曝露時間および取得の設定を、実験の各セットの初めに確立し、全ての処理について一定に維持した。実験の結果を、
図2において記載する。オリゴヌクレオチドのいくつかは、プロジェリンを有意に下方調節した。
【0368】
(実施例3)
LMNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理の後のHGPS細胞のSDS−PAGEおよびウエスタンブロッティング分析
SDS−PAGEおよびウエスタンブロッティング分析:処理された細胞を集め、PBS中で2回すすぎ、次いでLaemmli SDS−PAGEローディングバッファー中で溶解した。試料を95℃にて15分間加熱し、次いで10%SDS−PAGEゲル上にロードした。ウエスタンブロット分析に関して、タンパク質を、ニトロセルロース膜上に移した。膜を5%ミルク/TBSTで4℃にて一晩ブロックし、4%BSA/TBSTに希釈した一次抗体と共に室温にて1〜3時間インキュベートした。TBSTで洗浄した後、膜を1%ミルク/TBSTに1:5000で希釈した二次抗体中で室温にて1時間インキュベートした。化学発光は、ECLウエスタンブロッティング検出キット(Pierce)で検出した。使用した一次抗体は、マウスモノクローナル抗ラミンA/C(MAB3211、Chemicon)、ウサギポリクローナル抗プロジェリン(カスタムペプチド抗体、Yenzm)およびウサギポリクローナル抗アクチン(汎アクチン、Cell Signaling)を含む。実験の結果を、
図3において記載する。699(配列番号4)に相当するオリゴヌクレオチドは、LMNAのエキソン11潜在的スプライス部位から取り出されており、LMNAのエキソン11潜在的スプライス部位と重複しないにも関わらず、実験においてプロジェリンの有意な下方調節を示した。
【0369】
(実施例4)
LMNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理の後のHGPS細胞の定量的RT−PCR分析
定量的RT−PCR:定量的RT−PCR(qRT−PCR)実験を行い、オリゴヌクレオチド699(配列番号4)および706(配列番号11)による処理に続いて、164線維芽細胞(p13、古典的HGPS)におけるプロジェリン、ラミンAおよびβ−アクチンの発現レベルを測定した。全ての反応は、製造業者の指示によって、SYBR Greenミックス(Qiagen)を使用してApplied Biosystems7900HT FastリアルタイムPCRシステムにて三連で行った。反応条件は、以下の通りであった。50℃にて2分を1サイクル;95℃にて15分を1サイクル;ならびに95℃にて15秒、57℃にて1分、および72℃にて45秒を40サイクル。β−アクチンフォワードプライマーについての配列は、TCTTTGCAGCCACATTCCCGであり、リバースプライマーは、GGCTTGCGGGTGTTAAAAGCである。プロジェリン/ラミンAを増幅するためのフォワードプライマーの配列は、GCAACAAGTCCAATGAGGACCAである。プロジェリン特異的リバースプライマーおよびラミンA特異的リバースプライマーについて、末位から2番目の塩基において変異を導入して、特異性を増大させることによって、増幅困難な変異系戦略により設計した。プロジェリン特異的プライマー配列は、CATGATGCTGCAGTTCTGGGGGCTCTGGACであり、ラミンAについての特異的プライマー配列は、CATGATGCTGCAGTTCTGGGGGCTCTGGATである。実験の結果を、
図4において記載する。
【0370】
(実施例5)
LMNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドによる処理の後のHGPS細胞のSDS−PAGEおよびウエスタンブロッティング分析
SDS−PAGEおよびウエスタンブロッティング分析:処理された細胞を集め、PBS中で2回すすぎ、次いでLaemmli SDS−PAGEローディングバッファー中で溶解した。試料を95℃にて15分間加熱し、次いで10%SDS−PAGEゲル上にロードした。ウエスタンブロット分析に関して、タンパク質を、ニトロセルロース膜上に移した。膜を5%ミルク/TBSTで4℃にて一晩ブロックし、4%BSA/TBSTに希釈した一次抗体と共に室温にて1〜3時間インキュベートした。TBSTで洗浄した後、膜を1%ミルク/TBSTに1:5000で希釈した二次抗体中で室温にて1時間インキュベートした。化学発光は、ECLウエスタンブロッティング検出キット(Pierce)で検出した。使用した一次抗体は、マウスモノクローナル抗ラミンA/C(MAB3211、Chemicon)、ウサギポリクローナル抗プロジェリン(カスタムペプチド抗体、Yenzm)および西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合体化抗アクチン(Sigma)を含む。実験の結果を、
図5において記載する。オリゴヌクレオチド699(配列番号4)は、これがLMNAのエキソン11潜在的スプライス部位から取り出され、LMNAのエキソン11潜在的スプライス部位と重複しないにも関わらず、プロジェリンの下方調節およびラミンAの上方調節を起こした。
【0371】
【化42】