【文献】
JUAN PENG,Development of Nanodomain and Fractal Morphologies in Solvent Annealed Block Copolymer Thin Films,MACROMOLECULAR: RAPID COMMUNICATIONS,ドイツ,WILEY VCH VERLAG,2007年 7月 2日,V28 N13,P1422-1428
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の要旨
一実施形態では、本発明は、a)ブロックコポリマー膜を基材上にコーティングするステップ、b)気相中で蒸着させることによって、トップコートをブロックコポリマーの上端に塗布するステップ、c)アニーリングステップにより、ブロックコポリマーのドメイン配向性を達成するための方法に関する。一実施形態では、前記アニーリングは、溶媒蒸気への曝露による。一実施形態では、前記アニーリングは加熱による。一実施形態では、前記基材はケイ素を含む。一実施形態では、前記基材はシリコンウェハーである。一実施形態では、前記基材はクオーツである。一実施形態では、前記基材はガラスである。一実施形態では、前記基材はプラスチックである。一実施形態では、前記基材は透明な基材である。一実施形態では、前記基材はロールツーロール基材である。一実施形態では、前記基材を2つのブロックのエネルギーの間の表面エネルギーを有する、基材表面エネルギー中和層でコーティングする。一実施形態では、前記基材表面エネルギー中和層は、以下からなる群から選択される:(a)高Tgポリマー、(b)架橋ポリマー、(c)蒸着した(vapor deposited)ポリマー、例えば、パリレンなど、(d)シリル化剤の小分子誘導体、および(e)ポリマーを基材に末端付加させることによるポリマーブラシ。一実施形態では、前記ブロックコポリマーは、少なくとも10重量%のケイ素を有するブロックを含有する。一実施形態では、前記トップコートは有機物である。一実施形態では、前記トップコートは無機酸化物である。一実施形態では、前記トップコートはパリレンである。一実施形態では、前記トップコートはパリレン誘導体である。一実施形態では、前記パリレンは以下からなる群から選択される:パリレンN、パリレンD、パリレンC、パリレンHT(登録商標)、およびパリレンX。一実施形態では、本方法は以下のステップをさらに含む:d)ナノ構造が形成するような条件下で前記層状構造を処理するステップ。一実施形態では、前記処理はアニーリングを含む。一実施形態では、前記アニーリングは加熱を含む。一実施形態では、本方法は以下のステップをさらに含む:e)トップコートおよびブロックコポリマーの一部が除去され、前記ナノ構造が露出するような条件下で前記層状構造をエッチングするステップ。一実施形態では、前記ブロックコポリマーは、リソグラフィックパターニングプロセスにおいてエッチングマスクとして使用することができるナノ構造材料を形成する。一実施形態では、第3のモノマーが準備され、前記ブロックコポリマーはトリブロックコポリマーである。一実施形態では、本発明は、上記に記載されているプロセスに従い作製された、エッチングされたナノ構造に関する。一実施形態では、前記エッチングは酸素エッチングを含む。一実施形態では、前記ナノ構造は、以下からなる群から選択される:ラメラ、シリンダー、垂直に整列しているシリンダー、水平に整列しているシリンダー、球、ジャイロイド、ネットワーク構造、および階層ナノ構造。一実施形態では、前記ナノ構造はシリンダー状構造を含み、前記シリンダー状構造は表面の面に対して実質的に垂直に整列している。一実施形態では、構成成分の比率は、層の表面エネルギーが変化するように変化させることができる。一実施形態では、処理組成物に熱的アニーリングを行うと表面エネルギーが切り替わる。一実施形態では、表面エネルギー中和層を塗布することは以下のステップを含む:i)前記表面エネルギー中和層ポリマーを溶媒中に溶解するステップ;ii)表面エネルギー中和層ポリマーを表面上にスピンコーティングするステップ;iii)250℃に5分間曝露することによって架橋するステップ;およびiv)続いて溶媒で洗浄するステップ。一実施形態では、前記溶媒はトルエンである。
【0004】
一実施形態では、本発明は、表面上に第1、第2および第3の層を含む層状構造であって、前記第1の層が表面エネルギー中和層を含み、前記第2の層がブロックコポリマー膜を含み、前記第3の層がパリレンを含む、層状構造に関する。一実施形態では、前記表面はケイ素を含む。
【0005】
一実施形態では、本発明は、トップコートをブロックコポリマー膜に塗布することによって、層状構造を作る方法であって、以下のステップを含む方法に関する:a)表面と、表面エネルギー中和層と、ブロックコポリマーと、パリレンを含む組成物とを準備するステップ;b)前記表面上に第1の層が作られるような条件下で前記表面を処理するステップであって、前記層が架橋ポリマーを含むステップ;c)ブロックコポリマー膜を含む第2の層が前記表面上に作られるような条件下で前記第1の層をブロックコポリマーでコーティングするステップ;ならびにd)前記組成物を真空蒸着により前記第2の層上に蒸着させることによって、前記表面上に第3の層を作るステップであって、前記第3の層が前記ブロックコポリマー膜表面上にトップコートを含み、前記第1、第2および第3の層が層状構造を構成するステップ。一実施形態では、本発明は以下のステップをさらに含む:e)ナノ構造が形成するような条件下で前記層状構造を処理するステップ。一実施形態では、前記処理はアニーリングを含む。一実施形態では、前記アニーリングは加熱を含む。一実施形態では、本発明は以下のステップをさらに含む:f)トップコートおよびブロックコポリマーの一部が除去され、前記ナノ構造が露出するような条件下で前記層状構造をエッチングするステップ。一実施形態では、前記エッチングは酸素エッチングを含む。一実施形態では、前記ナノ構造はシリンダー状構造を含み、前記シリンダー状構造は表面の面に対して実質的に垂直に整列している。一実施形態では、前記ブロックコポリマーは、少なくとも2種のモノマー由来のポリマーから作製される。一実施形態では、前記ナノ構造はシリンダー状構造を含み、前記シリンダー状構造は表面の面に対して実質的に垂直に整列している。一実施形態では、前記表面はシリコンウェハー上にある。一実施形態では、前記表面エネルギー中和層ポリマーは、前記シリコンウェハーの表面上にスピンコーティング処理することによって蒸着されている。一実施形態では、前記ブロックコポリマーは、リソグラフィックパターニングプロセスのエッチングマスクとして使用することができるナノ構造化材料を形成する。一実施形態では、第3のモノマーが準備され、前記ブロックコポリマーはトリブロックコポリマーである。一実施形態では、本発明は、上記に記載されているプロセスに従い作製された、エッチングされたナノ構造に関する。
【0006】
一実施形態では、本発明は、ブロックコポリマー膜にトップコートを塗布することによって、層状構造を作る方法であって、以下のステップを含む方法を開示する:a)表面、ブロックコポリマー、およびパリレンを準備するステップ;b)前記表面上に第1の層が作られるような条件下で前記表面を処理するステップであって、前記層が架橋ポリマーを含むステップ;c)ブロックコポリマー膜を含む第2の層が前記表面上に作られるような条件下で前記第1の層をブロックコポリマーでコーティングするステップ;ならびにd)前記パリレンを真空蒸着により前記第2の層上に蒸着させることによって、前記表面上に第3の層を作るステップであって、前記第3の層が前記ブロックコポリマー膜表面上にトップコートを含み、前記第1、第2および第3の層が層状構造を構成するステップ。一実施形態では、以下のステップをさらに含む:e)ナノ構造が形成するような条件下で前記層状構造を処理するステップ。一実施形態では、前記処理はアニーリングを含む。一実施形態では、前記アニーリングは加熱を含む。一実施形態では、本方法は以下のステップをさらに含む:f)トップコートおよびブロックコポリマーの一部が除去され、前記ナノ構造が露出するような条件下で前記層状構造をエッチングするステップ。一実施形態では、前記エッチングは酸素エッチングを含む。一実施形態では、前記ナノ構造はシリンダー状構造を含み、前記シリンダー状構造は表面の面に対して実質的に垂直に整列している。一実施形態では、前記パリレンは以下を含む群から選択される:パリレンN、パリレンD、パリレンC、パリレンHT(登録商標)、およびパリレンX。一実施形態では、前記表面はシリコンウェハー上にある。一実施形態では、前記表面エネルギー中和層ポリマーはパリレンを含む。一実施形態では、前記表面エネルギー中和層ポリマーは、このうちの1種がパリレンである様々なポリマー構成成分を構成する。一実施形態では、前記表面エネルギー中和層ポリマー構成成分は、蒸着が可能でなければならない。一実施形態では、パリレン構成成分の比率は、表面エネルギー中和層ポリマー層の表面エネルギーが変化するように変化させることができる。一実施形態では、表面エネルギー中和層ポリマーに熱的アニーリングを行うと表面エネルギーが切り替わる。一実施形態では、本発明は、上記に記載されているプロセスに従い作製されたナノ構造に関する。一実施形態では、前記表面エネルギー中和層ポリマーが前記表面に架橋されるような条件下で、前記表面は以下のステップを含む:i)前記表面エネルギー中和層ポリマーを溶媒中に溶解するステップ;ii)表面エネルギー中和層ポリマーを表面上にスピンコーティングするステップ;iii)250℃に5分間曝露することによって架橋するステップ;およびiv)続いて、溶媒で洗浄するステップ。一実施形態では、前記溶媒はトルエンである。一実施形態では、前記表面エネルギー中和層ポリマーは:
【0007】
【化1】
を含む群から選択される。一実施形態では、前記ブロックコポリマーは:
【0008】
【化2】
TMSS−Sty、MTMSMA−Styを含む群から選択される。一実施形態では、ブロックコポリマー膜を作るための前記条件は以下のステップを含む:i)前記ブロックコポリマーを溶媒中に溶解するステップ;ii)以下の表面処理のうちの1つでブロックコポリマーを表面上にスピンコーティングするステップ1)表面エネルギー中和層ポリマーとの架橋2)高Tgポリマー、3)蒸着したポリマー、4)従来の官能化シラン処理、および5)ポリマー末端を表面に共有結合で付加させたポリマーブラシ;ならびにiii)続いて110℃で1分間のベーキング。一実施形態では、前記溶媒はトルエンである。一実施形態では、本方法は以下のステップをさらに含むe)薄膜を170℃で18時間加熱するステップ。一実施形態では、本発明は、上記に記載されているプロセスに従い作製された、エッチングされたナノ構造を含む。一実施形態では、本発明は、表面上に第1、第2および第3の層を含む層状構造であって、前記第1の層が、以下からなる群から選択される表面処理を含み:1)表面エネルギー中和層ポリマーとの架橋2)高Tgポリマー、3)蒸着したポリマー、4)従来の官能化シラン処理、および5)ポリマー末端を表面に共有結合で付加させたポリマーブラシ;前記第2の層がブロックコポリマー膜を含み、前記第3の層がパリレンを含む、層状構造を含む。一実施形態では、前記表面はケイ素、ガラス、またはクオーツを含む。一実施形態では、補助トップコート組成物は、そのうちの1種がパリレンである、様々なポリマー構成成分で構成される。一実施形態では、前記トップコート構成成分は、蒸着が可能でなければならない。一実施形態では、構成成分の比率は、トップコート層の表面エネルギーが変化するように変化させることができる。トップコートがベーキングされると表面エネルギーが切り替わる。一実施形態では、以下のステップをさらに含むf)ドメイン配向性制御されたブロックコポリマー膜をエッチングすることによって、以下の条件で酸素プラズマエッチングしたブロックコポリマーを生成する:圧力=90mTorr、RF電力=80W、ICP電力=100W、O
2流速=5立方センチメートル毎分(SCCM)、温度=15℃、時間=35秒。一実施形態では、本発明は上記に記載されているプロセスに従い作製された、エッチングされたナノ構造に関する。一実施形態では、本発明は、最上層がパリレンであるものを含む層状構造に関する。
【0009】
一実施形態では、本発明は、トップコートをブロックコポリマー膜に塗布することにより層状構造を作る方法であって、以下のプロセスを含む方法に関する:a)表面、ブロックコポリマー、および構造
【0010】
【化3】
を有するパリレンを準備するステップ;b)前記表面上に第1の層が作られるような条件下で前記表面を処理するステップであって、前記層が架橋ポリマーを含むステップ;c)ブロックコポリマー膜を含む第2の層が前記表面上に作られるような条件下で前記第1の層をブロックコポリマーでコーティングするステップ;ならびにd)前記パリレンを真空蒸着により前記第2の層上に蒸着させることによって、前記表面上に第3の層を作るステップであって、前記第3の層が前記ブロックコポリマー膜表面上にトップコートを含み、前記第1、第2および第3の層が層状構造を構成するステップ。一実施形態では、本方法は、以下のステップをさらに含むe)ナノ構造が形成するような条件下で前記層状構造を処理するステップ。一実施形態では、前記処理はアニーリングを含む。一実施形態では、前記アニーリングは加熱を含む。一実施形態では、本方法は、以下のステップをさらに含むf)トップコートおよびブロックコポリマーの一部が除去され、前記ナノ構造が露出するような条件下で前記層状構造をエッチングするステップ。一実施形態では、前記エッチングは酸素エッチングを含む。一実施形態では、前記ナノ構造はシリンダー状構造を含み、前記シリンダー状構造は表面の面に対して実質的に垂直に整列している。一実施形態では、ブロックコポリマーは、構造:
【0011】
【化4】
を有する。一実施形態では、前記ブロックコポリマーは少なくとも2種のモノマーから作製される。一実施形態では、前記第1のモノマーは、重合することができるケイ素原子を含む。一実施形態では、前記第2のモノマーは、重合することができるケイ素を欠いたモノマーを含む。一実施形態では、前記ナノ構造はシリンダー状構造を含み、前記シリンダー状構造は表面の面に対して実質的に垂直に整列している。一実施形態では、前記処理は、前記コーティングされたブロックコポリマー膜表面へのポリマーの真空蒸着を含む。一実施形態では、前記表面はシリコンウェハー上にある。一実施形態では、前記シリコンウェハーは表面エネルギー中和層ポリマーを有する。一実施形態では、前記表面エネルギー中和層ポリマーは、前記シリコンウェハーの表面上にスピンコーティング処理することによって蒸着されている。一実施形態では、ブロックコポリマーは、リソグラフィックパターニングプロセスにおいてエッチングマスクとして使用することができるナノ構造材料を形成する。一実施形態では、ブロックの1つはポリトリメチルシリルスチレンである。一実施形態では、前記第1のモノマーはトリメチル−(2−メチレン−ブタ−3−エニル)シランである。一実施形態では、前記第1のモノマーはケイ素含有メタクリレートである。一実施形態では、前記第1のモノマーはメタクリルオキシメチルトリメチルシラン(MTMSMA)である。一実施形態では、第3のモノマーが準備され、前記ブロックコポリマーはトリブロックコポリマーである。一実施形態では、本発明は、上記に記載されているプロセスに従い作製された、エッチングされたナノ構造に関する。
【0012】
一実施形態では、本発明は、トップコートをブロックコポリマー膜に塗布することによって、層状構造を作る方法であって、以下のステップを含む方法に関する:a)表面、ブロックコポリマー、およびパリレンを準備するステップ;b)前記表面上に第1の層が作られるような条件下で前記表面を処理するステップであって、前記層が架橋ポリマーを含むステップ;c)ブロックコポリマー膜を含む第2の層が前記表面上に作られるような条件下で、前記第1の層をブロックコポリマーでコーティングするステップ;ならびにd)前記パリレンを真空蒸着により前記第2の層上に蒸着させることによって、前記表面上に第3の層を作るステップであって、前記第3の層が前記ブロックコポリマー膜表面上にトップコートを含み、前記第1、第2および第3の層が層状構造を構成するステップ。一実施形態では、以下のステップをさらに含む:e)ナノ構造が形成するような条件下で前記層状構造を処理するステップ。一実施形態では、前記処理はアニーリングを含む。一実施形態では、前記アニーリングは加熱を含む。一実施形態では、以下のステップをさらに含む:f)トップコートおよびブロックコポリマーの一部が除去され、前記ナノ構造が露出するような条件下で前記層状構造をエッチングするステップ。一実施形態では、前記エッチングは酸素エッチングを含む。一実施形態では、前記ナノ構造はシリンダー状構造を含み、前記シリンダー状構造は表面の面に対して実質的に垂直に整列している。一実施形態では、前記ブロックコポリマーは、少なくとも2種のモノマーから誘導される少なくとも2種のポリマーから作製される。一実施形態では、第1のモノマーは重合することができるケイ素原子を含む。一実施形態では、前記第2のモノマーは、重合することができるケイ素を欠いたモノマーを含む。一実施形態では、前記ナノ構造はシリンダー状構造を含み、前記シリンダー状構造は表面の面に対して実質的に垂直に整列している。一実施形態では、前記処理は、前記コーティングされたブロックコポリマー膜表面へのポリマーの真空蒸着を含む。一実施形態では、前記ポリマーはパリレンである。一実施形態では、前記パリレンは以下を含む群から選択される:パリレンN、パリレンD、パリレンC、パリレンHT(登録商標)、およびパリレンX。一実施形態では、前記表面はシリコンウェハー上にある。一実施形態では、前記シリコンウェハーは表面エネルギー中和層ポリマーを有する。一実施形態では、前記表面エネルギー中和層ポリマーは、前記シリコンウェハーの表面上にスピンコーティング処理することによって蒸着されている。一実施形態では、ブロックコポリマーは、リソグラフィックパターニングプロセスにおいてエッチングマスクとして使用することができるナノ構造材料を形成する。一実施形態では、前記第1のモノマーはトリメチル−(2−メチレン−ブタ−3−エニル)シランである。一実施形態では、前記第1のモノマーはトリメチルシリルスチレンである。一実施形態では、前記第1のモノマーはケイ素含有メタクリレートである。一実施形態では、前記第1のモノマーはメタクリルオキシメチルトリメチルシラン(MTMSMA)である。一実施形態では、第3のモノマーが準備され、前記ブロックコポリマーはトリブロックコポリマーである。一実施形態では、本発明は、上記に記載されているプロセスに従い作製された、エッチングされたナノ構造に関する。一実施形態では、本発明は、最上部の第3の層がパリレンであるものを含む、層状構造に関する。
【0013】
一実施形態では、本発明は、ドメイン配向性制御されたブロックコポリマー膜を生成する方法であって、以下のステップを含む方法を開示する:a)第1および第2のモノマーを準備するステップ;b)前記第2のモノマーの反応性ポリマーが形成されるような条件下で前記第2のモノマーを処理するステップ;c)前記ケイ素含有ブロックコポリマーが合成されるような条件下で、前記第1のモノマーを、前記第2のモノマーの前記反応性ポリマーと反応させるステップ;d)表面を前記ブロックコポリマーでコーティングすることによって、ブロックコポリマー膜を作るステップ;ならびにe)ナノ構造が形成するような条件下で、前記膜を処理するステップ。一実施形態では、前記第1のモノマーは重合することができるケイ素原子を含む。一実施形態では、前記第2のモノマーは重合することができるケイ素を欠いたモノマーを含む。一実施形態では、前記ナノ構造はシリンダー状構造を含み、前記シリンダー状構造は表面の面に対して実質的に垂直に整列している。一実施形態では、前記処理は、前記コーティングされたブロックコポリマー膜表面へのポリマーの真空蒸着を含む。一実施形態では、前記ポリマーはポリ(p−キシリレン)である。一実施形態では、前記ポリ(p−キシリレン)は、以下を含む群から選択される:パリレンN、パリレンD、パリレンC、パリレンHT(登録商標)、およびパリレンX。一実施形態では、前記表面はシリコンウェハー上にある。一実施形態では、前記シリコンウェハーは表面エネルギー中和層を有する。一実施形態では、前記表面エネルギー中和層ポリマーは、前記シリコンウェハーの表面上にスピンコーティング処理することによって蒸着されている。一実施形態では、ブロックコポリマーは、リソグラフィックパターニングプロセスにおいてエッチングマスクとして使用することができるナノ構造化材料を形成する。一実施形態では、ブロックのうちの1つはポリトリメチルシリルスチレンである。一実施形態では、前記第1のモノマーはトリメチル−(2−メチルエン−ブタ−3−エニル)シランである。一実施形態では、前記第1のモノマーはケイ素含有メタクリレートである。一実施形態では、前記第1のモノマーはメタクリルオキシメチルトリメチルシラン(MTMSMA)である。一実施形態では、第3のモノマーが準備され、前記ブロックコポリマーはトリブロックコポリマーである。一実施形態では、本発明は、上記に記載されているプロセスに従い作製された膜に関する。
【0014】
従来のリソグラフィにおいてフィーチャーサイズの制限を克服する必要性が、ブロックコポリマーテンプレートを使用した新規パターニング技術の開発をもたらした。これらの用途に対する理想的ブロックコポリマーシステムは、ブロック間に高いエッチングコントラストを有することによって、小さなフィーチャーを達成するための良好なフィーチャー解像度および高いchi−パラメーターを促進する。追加の望ましい特質は、高いケイ素含有量を有するポリマーであり、これによって、これらのポリマーは、酸素による反応性イオンエッチング中に強力なオキシドマスクを形成する。エッチングコントラストを達成するために;これらのケイ素含有ポリマーは、隣接するブロックが有機物であり、エッチングが容易に行えるブロックコポリマーに組み込むことができる。ある場合には、ブロックのうちの1つにケイ素を組み込むことで同様のケイ素が欠けたブロックコポリマーと比較して、chiが増加することも観察された。本発明は特定のケイ素含有コポリマーに限られることを意図してはいない。一実施形態では、本発明は、自己集合して、高いエッチングコントラストを有するナノスケールパターンになるブロックコポリマーシステムを含む。
【0015】
ナノスケールリソグラフィックパターニングで使用するブロックコポリマーは通常、自己集合することによって、10〜100nmの特徴的サイズを有する構造を生成する。一実施形態では、本発明は、ブロックの1つが極めて小さな構造の生成を可能にする、プロパルギル官能化した、化学的に改質された天然由来の材料であるブロックコポリマーを含む。一実施形態では、本発明は、ケイ素含有合成ブロックと一緒にこのブロックを含み、この組合せは極めて高いエッチング選択性を提供する。一実施形態では、本発明は、従来のリソグラフィ技術のフィーチャーサイズの制限を克服するための有望な解決策であり、自己集合したブロックコポリマーを使用することによってナノスケールフィーチャーをパターン化することを含む。ブロックコポリマーリソグラフィは、従来のリソグラフィ技術に存在する物理的制限およびコスト制限を回避する。高い分離強度を有するポリマーは、フォトリソグラフィーで達成可能であるものよりずっと小さなフィーチャーを形成することができ、電子ビームリソグラフィよりも、時間集約的でないプロセスを使用してこれを行うことができる。本プロセスはブロックコポリマーのドメインの1つがドライエッチングに対して高い耐性を有する場合にのみ有用となる。これは、ブロックの1つに10重量%超の元素ケイ素を取み込むことによって、かなり簡単に達成される。一実施形態ではこのようなケイ素含有ブロックコポリマーは、本明細書中に参照により組み込まれている、「Silicon−Containing Block Co−Polymers, Methods for Synthesis and Use」という表題の特許出願PCT/US11/28867において記載されている[10]。不応性オキシドを形成する他の元素は、同様の方式で機能することができる。本発明が、特定のケイ素含有モノマーまたはコポリマーに制限されることは意図されていない。例示的モノマーは
図1に示されている。
【0016】
一実施形態では、ケイ素含有ブロックコポリマーは、例えば、スピンコーティングで、好ましくは、物理的フィーチャー、例えば、サイズが100nm未満(および好ましくはサイズが50nm以下)のナノ構造などが、表面上に自然に形成されるような条件下で表面に塗布される。一実施形態では、フィーチャーは、他のブロックを実質的にエッチングすることなく、1つのブロックをエッチングすることができるように、極めて異なるエッチング速度を有する。好ましい実施形態では、このようなナノ構造は、ドメインスペーシングがほぼ50nm以下である、シリンダー状の形態を有する。一実施形態では、ナノ構造は六方充填されている。ナノ構造を形成するためのこのような条件は、加熱または溶媒を用いたアニーリングを含むことができる。代わりに、表面エネルギー中和層の性質がナノ構造の発生を制御または可能にするように、表面を所望の表面エネルギーを付与する物質で最初に処理することができる。代わりに、条件は、塗布されたケイ素含有コポリマーの厚さを変化させることを含むことができる。しかし、一実施形態では、ナノ構造が作製され、本方法は前記ナノ構造をエッチングするステップをさらに含む。
【0017】
本発明が特定のケイ素含有モノマーまたはコポリマーに制限されることは意図されていない。例示的モノマーは
図1に示されている。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
a)ブロックコポリマー膜を基材上にコーティングするステップ、
b)気相中で蒸着させることによって、トップコートを前記ブロックコポリマーの上端に塗布するステップ、および
c)アニーリングステップ
により、ブロックコポリマーのドメイン配向を達成するための方法。
(項目2)
前記アニーリングが溶媒蒸気への曝露による、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記アニーリングが加熱による、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記基材がケイ素を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記基材がシリコンウェハーである、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記基材がクオーツである、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記基材がガラスである、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記基材がプラスチックである、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記基材が透明な基材である、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記基材がロールツーロール基材である、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記基材が、2つのブロックの表面エネルギーの間の表面エネルギーを有する基材表面エネルギー中和層でコーティングされる、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記基材表面エネルギー中和層が、
(a)高Tgポリマー、(b)架橋ポリマー、(c)蒸着したポリマー、例えば、パリレン、(d)シリル化剤の小分子誘導体、および(e)ポリマーを基材に末端付加させることによるポリマーブラシ
からなる群から選択される、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記ブロックコポリマーが少なくとも10重量%のケイ素を有するブロックを含有する、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記トップコートが有機物である、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記トップコートが無機酸化物である、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記トップコートがパリレンである、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記トップコートがパリレン誘導体である、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記パリレンが、パリレンN、パリレンD、パリレンC、パリレンHT(登録商標)、およびパリレンXからなる群から選択される、項目16に記載の方法。
(項目19)
d.ナノ構造が形成するような条件下で前記層状構造を処理するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記処理がアニーリングを含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記アニーリングが加熱を含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
e.前記トップコートおよび前記ブロックコポリマーの一部が除去され、前記ナノ構造が露出するような条件下で前記層状構造をエッチングするステップ
をさらに含む、項目19に記載の方法。
(項目23)
前記ブロックコポリマーが、リソグラフィックパターニングプロセスにおいてエッチングマスクとして使用することができるナノ構造材料を形成する、項目1に記載の製品。
(項目24)
第3のモノマーが準備され、前記ブロックコポリマーがトリブロックコポリマーである、項目1に記載の方法。
(項目25)
項目22に記載のプロセスに従い作製された、エッチングされたナノ構造。
(項目26)
前記エッチングが酸素エッチングを含む、項目22に記載の方法。
(項目27)
前記ナノ構造が、ラメラ、シリンダー、垂直に整列しているシリンダー、水平に整列しているシリンダー、球、ジャイロイド、ネットワーク構造、および階層ナノ構造からなる群から選択される、項目22に記載の方法。
(項目28)
前記ナノ構造が、シリンダー状構造を含み、前記シリンダー状構造が前記表面の面に対して実質的に垂直に整列している、項目22に記載の方法。
(項目29)
前記層の表面エネルギーが変化するように、構成成分の比率を変化させることができる、項目1に記載の方法。
(項目30)
前記処理組成物に熱的アニーリングを行うと前記表面エネルギーが切り替わる、項目1に記載の方法。
(項目31)
前記表面エネルギー中和層を塗布することが、
i)前記表面エネルギー中和層ポリマーを溶媒中に溶解するステップ;
ii)前記表面エネルギー中和層ポリマーを前記表面上にスピンコーティングするステップ;
iii)250℃に5分間曝露することによって架橋するステップ;および
iv)続いて溶媒で洗浄するステップ
を含む、項目11に記載の方法。
(項目32)
前記溶媒がトルエンである、項目31に記載の方法。
(項目33)
表面の上に第1の層、第2の層および第3の層を含む層状構造であって、前記第1の層が表面エネルギー中和層を含み、前記第2の層がブロックコポリマー膜を含み、前記第3の層がパリレンを含む、層状構造。
(項目34)
前記表面がケイ素を含む、層状構造。
(項目35)
トップコートをブロックコポリマー膜に塗布することによって、層状構造を作る方法であって、
a.表面と、表面エネルギー中和層と、ブロックコポリマーと、パリレンを含む組成物とを準備するステップ;
b.前記表面上に第1の層が作られるような条件下で、前記表面を処理するステップであって、前記層が架橋ポリマーを含むステップ;
c.ブロックコポリマー膜を含む第2の層が前記表面上に作られるような条件下で、前記第1の層をブロックコポリマーでコーティングするステップ;ならびに
d.前記組成物を真空蒸着により前記第2の層上に蒸着させて、前記表面上に第3の層を作るステップであって、前記第3の層が前記ブロックコポリマー膜表面上にトップコートを含み、前記第1の層、第2の層および第3の層の層が層状構造を構成するステップ
を含む方法。
(項目36)
e.ナノ構造が形成するような条件下で前記層状構造を処理するステップをさらに含む、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記処理がアニーリングを含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記アニーリングが加熱を含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
f.前記トップコートおよび前記ブロックコポリマーの一部が除去され、前記ナノ構造が露出するような条件下で前記層状構造をエッチングするステップ
をさらに含む、項目36に記載の方法。
(項目40)
前記エッチングが酸素エッチングを含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記ナノ構造がシリンダー状構造を含み、前記シリンダー状構造が前記表面の面に対して実質的に垂直に整列している、項目36に記載の方法。
(項目42)
前記ブロックコポリマーが、少なくとも2種のモノマー由来のポリマーから作製される、項目35に記載の方法。
(項目43)
前記ナノ構造がシリンダー状構造を含み、前記シリンダー状構造が前記表面の面に対して実質的に垂直に整列している、項目36に記載の方法。
(項目44)
前記表面がシリコンウェハー上にある、項目35に記載の方法。
(項目45)
表面エネルギー中和層ポリマーが、前記シリコンウェハーの表面上にスピンコーティング処理により蒸着される、項目35に記載の方法。
(項目46)
前記ブロックコポリマーが、リソグラフィックパターニングプロセスにおいてエッチングマスクとして使用することができるナノ構造材料を形成する、項目35に記載の製品。
(項目47)
第3のモノマーが準備され、前記ブロックコポリマーがトリブロックコポリマーである、項目35に記載の方法。
(項目48)
項目39に記載のプロセスに従い作製された、エッチングされたナノ構造。
【0018】
本発明のフィーチャーおよび利点をさらに完全に理解するため、付随する図と共に発明の詳細な説明についてここで言及する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、例示的ケイ素含有モノマーの非限定的な構造を示す。
【
図2】
図2は、パリレン(paralene)重合の例、この例ではパリレンNの重合を示す。
【
図3】
図3は、様々なパリレンポリマーの例:パリレンN、パリレンD、パリレンC、パリレンHT(登録商標)、およびパリレンXを示す。
【
図4】
図4は、ブロックコポリマーラメラがどのようにシリコンウェハー上に異なる界面エネルギーを提供するかを図解した図を示す。
【
図5】
図5は、酸/塩基可溶性ポリマーのスピンコーティングと、ポリマーの真空蒸着とを対比した、塗布技術の差を示す。
【
図6】
図6は、シリコンウェハー上での多層化されたブロックコポリマーの構築のための構造図を示す。水平なスピンコーティングブロックコポリマーを空気より好ましい表面エネルギーを用いて塗布し、次いで上部処理層を蒸着およびアニーリングし、湿潤層を防止し、垂直の整列を誘発し、最後にコーティングされた水をドライO
2プラズマエッチングすることによって製品を生成する。
【
図7】
図7は、[2.2]パラシクロファン出発材料ベースのポリマーをシリコンウェハー製品上に真空蒸着するプロセスを示す。
【
図8】
図8は、ブロックコポリマー上に真空蒸着した表面を生成するために使用することができる様々な例のパリレンモノマー単位(パリレンN、パリレンD、パリレンC、パリレンHT(登録商標)、およびパリレンX)を示す。様々な反応性基が真空蒸着した上部処理層の物理的特性(表面エネルギーを含む)に影響を及ぼす。
【
図9】
図9は、3つのランダムコポリマーの表面エネルギー中和層を示す。
【
図10】
図10は、異なるタイプのコポリマー、例えば、TMSS−StyおよびMTMSMA−Styなどを記載しており、これらは、いくつかの厚さのラメラおよびシリンダーを配置するために作製することができる。
【
図11】
図11は、蒸着におけるパリレン膜厚さと、温度℃とを対比したグラフを示す。
【
図12】
図12は、様々なモノマーおよびこれらの対応する縮合温度(℃)(本明細書中に参照により組み込まれている、Gorham、W. F.(1966年)[11]より引用)の表を示す。
【
図13】
図13は、ナノ構造形成の画像例を示す。パリレンの塗布およびそれに続くエッチングからの制御されたミクロドメイン配向性を有する三次元多層化ナノ構造は、トップコートがエッチングされて示されており、ナノ構造は一段階エッチング後に露出する。
【
図14】
図14は、コポリマー膜の薄膜の加工を示しており、この膜のブロックコポリマー制御ドメイン配向性は、酸素エッチング前に、蒸着した膜およびアニーリングにより決定される。
【
図15】
図15は、層(配向性のために続いて加工されることになる)の作成のための構築プロセスの図を示す。
【
図16】
図16は、所望のブロックコポリマー配向性を生成するための薄膜のアニーリングおよび記載された条件下(圧力=90mTorr、RF電力=80W、ICP電力=100W、O
2流速=5立方センチメートル毎分(SCCM)、温度=15℃、時間=35秒)でのそれに続くブロックコポリマーの酸素プラズマエッチングの図を示す。
【
図17】
図17は、所望の配向性を有するエッチングされた薄膜の透過電子顕微鏡画像を示す。エッチングの深さは9.7ナノメートルであった。
【
図18】
図18は、層(配向性のために続いて加工されることになる)の作成のための交互の構築プロセスの図を示す。ここでは、蒸着したパリレン表面エネルギー中和層でコーティングしたシリコンウェハーが、
図15などにおいて以前に記載された表面エネルギー中和層の代わりに使用されている。
【
図19】
図19は、所望のブロックコポリマー配向性を生成するための薄膜のアニーリングおよび記載されている条件下(圧力=90mTorr、RF電力=80W、ICP電力=100W、O
2流速=5立方センチメートル毎分(SCCM)、温度=15℃、時間=35秒)でのそれに続くブロックコポリマーの酸素プラズマエッチングの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
定義
本発明の理解を促進するため、いくつかの用語を以下で定義する。本明細書中で定義される用語は、本発明に関連する領域の当業者により一般的に理解されている意味を有する。「a」、「an」および「the」などの用語は、単数の実体のみを指すものではなく、そのクラスの具体例を例示のために使用することができる一般的なクラスを含むことを意図する。本明細書中の専門用語は、本発明の特定の実施形態を記載するために使用されるが、これらの使用は、特許請求の範囲において概要を示す以外は本発明の範囲を定めるものではない。
【0021】
加えて、本発明の化合物を構成している原子は、このような原子のすべての同位体の形態を含むことを意図する。同位体は、本明細書で使用される場合、同じ原子番号を有するが、質量数が異なるような原子を含む。一般的な例として、制限なしで、水素の同位体は、トリチウムおよび重水素を含み、炭素の同位体は
13Cおよび
14Cを含む。同様に、本発明の化合物の1つまたは複数の炭素原子がケイ素原子(複数可)により置き換えられてもよいことが想定される。さらに、本発明の化合物の1つまたは複数の酸素原子が、硫黄またはセレン原子(複数可)により置き換えられてもよいことが想定される。
【0022】
ブロックコポリマーまたはそのブレンドは、任意の便利な方法で架橋することができる。一実施形態では、ブロックコポリマーまたはそのブレンドは膜またはコーティングとして蒸着し、次いで紫外光または電離放射線を使用して架橋される。必要に応じて、遊離ラジカル開始剤またはproradをブロックコポリマーまたはそのブレンドに加えることによって、架橋反応を助けることができる。しかし、特にブロックコポリマーまたはそのブレンドが膜形成組成物またはコーティング組成物に使用される場合には、ブロックコポリマーまたはそのブレンドは架橋剤を含むことが好ましい。架橋反応の速度定数が比較的低く、これによって、膜形成組成物またはコーティング組成物が比較的長いポットライフを得られるよう、架橋剤および架橋剤の濃度を選ぶことが好ましい。膜形成組成物またはコーティング組成物が印刷用インクとして使用される場合、またはインクジェット式印刷技術を使用して蒸着される場合、これは特に重要である。架橋の速度が、ブロックコポリマーまたはそのブレンドの自己集合の速度よりも遅くなるような架橋反応の速度定数が好ましい。
【0023】
本明細書で使用される場合、ガラス転移温度は、略語T
gで表される。Gillham、J. K.(1986年)[12]において記載されている硬化の等温度にガラス転移温度、T
gが上昇した場合、ガラス化が生じる。
【0024】
本明細書で使用される場合、シリル化剤(またシランまたは自己集合した単分子膜としても公知)は、メトキシ、エトキシ、またはハロゲン化物官能基を有するオルガノシリコン化合物を指す。一部の非限定的例として、メチルジクロロシラン、メチルジエトキシシラン、アリル(クロロ)ジメチルシラン、および(3−アミノプロピル)(3−amniopropyl)トリエトキシシランが挙げられる。
【0025】
本明細書で使用される場合、ブラシポリマーは、固体表面に接着するポリマーのクラスである[13]。固体基材に接着するポリマーは、ポリマー間での込み合いを起こし、これによって、重複を回避するためにポリマーを表面から引き伸ばさせるよう、十分に高密度でなければならない。[14]
電子デバイスの分野では、ウェブ法、リールツーリール法またはR2Rとしても公知のロールツーロール法は、柔軟性のあるプラスチックまたは金属ホイルのロール上に電子デバイスを作るプロセスである。この使用よりも前に他の分野では、このロールツーロール法は、コーティングを塗布すること、印刷すること、または柔軟性のある材料のロールを用いて開始し、このプロセス後、再び巻き取ることによって出力ロールを作る他のプロセスを実施するといった、いかなるプロセスも指すことができる。薄膜太陽電池(TFPV)とも呼ばれる、薄膜の太陽電池(TFSC)は、光電性材料の1つまたは複数の薄層(薄膜)を基材または表面上に蒸着させることによって作製される太陽電池である。可能なロールツーロール基材として、これらに限定されないが金属化ポリエチレンテレフタレート(terphthalate)、金属膜(スチール)、ガラス膜(例えばCorning Gorilla Glass)、グラフェンコーティング膜、ポリエチレンナフタレート(Dupont Teonex)、およびKapton膜、ポリマー膜、金属化ポリマー膜、金属化ガラスもしくは金属化ケイ素、炭素化ポリマー膜、炭素化ガラスもしくは炭素化ケイ素が挙げられる。可能なポリマー膜として、ポリエチレンテレフタレート、kapton、マイラーなどが挙げられる。
【0026】
本明細書で使用される場合、ブロックコポリマーは、2つ以上のポリマー鎖(ブロック)からなり、これらは、化学的に異なり、互いに共有結合で付加している。ブロックコポリマーは、主にナノメートルスケールパターンを形成するこれらの能力に基づき多くの用途に対して提案されてきた。これらの自己集合したパターンは、ナノリソグラフィックマスクおよび無機物構造または有機物構造のさらなる合成のためのテンプレートとして考えられている。このような用途は、異なるエッチング速度をもたらし、または新規材料への可能性につながる化学的特性または物理的特性におけるコントラストを利用して可能となる。例えば、燃料電池、電池、データ保管およびオプトエレクトロニクスデバイスなどにおける新規用途は、ブロックの特有の特性に一般的に依存する。これらの使用のすべては、巨視的な距離にわたるブロックコポリマーの規則的な自己集合に依存する。
【0027】
トリメチル−(2−メチレン−ブタ−3−エニル)シランは、以下の構造:
【0028】
【化5】
で表され、(TMSI)と略され、そのポリマーバージョンは、
【0029】
【化6】
であり、P(TMSI)と略される。
【0030】
トリメチル(4−ビニルフェニル)シランは、スチレン誘導体の別の例であり、以下の構造:
【0031】
【化7】
で表され、TMS−Stと略され、そのポリマーバージョンは、
【0032】
【化8】
であり、P(TMS−St)と略される。
【0033】
tert−ブチルジメチル(4−ビニルフェノキシ)シランはスチレン誘導体の別の例であり、以下の構造:
【0034】
【化9】
で表され、TBDMSO−Stと略され、
そのポリマーバージョンは、
【0035】
【化10】
であり、P(TBDMSO−St)と略される。
【0036】
tert−ブチルジメチル(オキシラン−2−イルメトキシ)シランは、ケイ素含有化合物の例であり、以下の構造:
【0037】
【化11】
で表され、TBDMSO−EOと略され、そのポリマーバージョンは、
【0038】
【化12】
であり、P(TBDMSO−EO)と略される。
【0039】
メタクリルオキシメチルトリメチルシランは、以下の構造:
【0040】
【化13】
で表され、(MTMSMA)と略され、そのポリマーバージョンは、
【0041】
【化14】
であり、P(MTMSMA)と略される。
【0042】
一実施形態では、TMSS−Styは、以下の構造:
【0044】
一実施形態では、ポリマーMTMSMA−Styは、以下の構造:
【0046】
一実施形態では、ランダムコポリマーの表面エネルギー中和層ポリマーは、以下の構造:
【0049】
【化18】
は、3つのランダムコポリマーの表面エネルギー中和層ポリマーの例である。
【0050】
本発明はまた、例えば、置換基を環に加えることによって、塩基性のスチレン構造が改質されているスチレン「誘導体」も想定している。
図1に示されている化合物のうちのいずれかの誘導体もまた使用することができる。誘導体は、例えば、ヒドロキシ誘導体またはハロ誘導体であってよい。本明細書で使用される場合、「水素」は、−Hを意味し;「ヒドロキシ」は−OHを意味し;「オキソ」は=Oを意味し;「ハロ」は、独立して−F、−CI、−Brまたは−Iを意味する。
【0051】
パリレンは、様々な化学的蒸着したポリ(p−キシリレン)ポリマーに対する名称である。パリレンポリマーの一つの非限定的例が以下の一般的な構造:
【0052】
【化19】
(式中、R
1〜R
8は、いくつかの官能基のうちのいずれかであってもよい)で示される。最も単純な例は、
【0054】
一実施形態では、パリレンNは以下の構造:
【0056】
一実施形態では、パリレンDは以下の構造:
【0058】
一実施形態では、パリレンCは以下の構造:
【0060】
一実施形態では、パリレンHT(登録商標)は以下の構造:
【0062】
一実施形態では、パリレンXは以下の構造:
【0064】
パリレンはグリーンポリマーケミストリーである。パリレンは自己開始し(開始剤は必要ない)、無停止で(末端基は必要ない)、溶媒または触媒を必要としない。一般的に使用される前駆体、[2.2]パラシクロファンは、真空中、550℃超で100%ポリマーを生成し[15]、および開始剤、いずれの副生成物も生成しない。シクロファン前駆体とは対照的に、脱離基を保有するパリレンポリマーに到達するために代替の前駆体が存在すると言われている。
【0065】
[2.2]パラシクロファンは、化学構造:
【0066】
【化26】
で表される。総称的にパリレン前駆体は、化学構造:
【0067】
【化27】
(式中R
1〜R
8は、いくつかの官能基のうちのいずれかであってよい)で表すことができる。[2.2]パラシクロファンは、このようなパリレン前駆体分子の最も単純な例を表す。
【0068】
パリレン蒸着プロセスは、負圧下、密閉したシステム内で一般的に行われる。パリレンポリマーは、真空金属化に似ているプロセスで気相から蒸着されるが、ただし、パリレンは0.1Torr付近で形成される。第1のステップは、蒸発チャンバー内でほぼ150℃における固体パリレンダイマーの蒸発である。第2のステップは、安定したモノマージラジカル、パラ−キシリレンを生成するための、熱分解チャンバー内で約680℃での2つのメチレン−メチレン結合の位置でのダイマーの定量的な切断(熱分解)である。最後に、気体形態のモノマーは、室温の蒸着チャンバーに入り、そこで、コーティング対象物を同時に吸収および重合する。密閉したシステムは一般的にパリレンの蒸発、熱分解および蒸着に対して別個のチャンバーを有し、チャンバーは、適当な配管または管接続で接続されている。
【0069】
対象物上へのパリレンの化学蒸着のための装置は、当技術分野で公知である。例えば、これらすべてが本明細書中に参照により組み込まれている米国特許第4,945,856号[16]、第5,078,091号[17]、第5,268,033号[18]、第5,488,833号[19]、第5,534,068号[20]、第5,536,319号[21]、第5,536,321号[22]、第5,536,322号[23]、第5,538,758号[24]、第5,556,473号[25]、第5,641,358号[26]、第5,709,753号[27]、第6,406,544号[28],第6,737,224号[29]を参照されたい。
【0070】
科学的計算については、室温(rt)は、摂氏21〜25度、または293〜298ケルビン(K)、または華氏65〜72度であるものとする。
【0071】
発明の詳細な説明
本発明は、真空蒸着した薄膜の材料を使用して、下位にあるブロックコポリマー膜の異なるドメインと非優先的に相互作用する界面を作る。非優先的界面は、湿潤層の形成を防止し、ブロックコポリマーのドメインの配向性に影響を与える。蒸着したポリマーの目的は、リソグラフィックパターンとして機能することができるブロックコポリマー膜の中にナノ構造化したフィーチャーを生成することである。
【0072】
一実施形態では、本発明は、有機材料の正角の薄膜を生成することによって、下位にあるブロックコポリマー膜の異なるブロックと非優先的に相互作用する表面を作る、周知の真空蒸着プロセスを使用する。一実施形態では、非優先的な界面相互作用は、ブロックコポリマー膜のドメイン配向性に影響を与え、低い表面エネルギーの湿潤層の形成を防止する。一実施形態では、蒸着したポリマーの目的は、リソグラフィックパターンを生成するために利用できるブロックコポリマー膜の中にナノ構造化したフィーチャーを生成することである。一実施形態では、ポリ(p−キシリレン)に類似した、化学的蒸着したポリマーを使用することによって、ブロックコポリマー膜のドメイン配向性に影響を与える非優先的界面を作ることができる。
【0073】
ポリ(p−キシリレン)ポリマーは周知であり、表面の密閉およびパッシベーションに使用される。これらは、前駆体材料、一般的に[2.2]パラシクロファンを、真空中で高温に加熱することにより形成される。生成した反応性の構成成分を室温で蒸着させ、正角の、高密度の、および均質の薄膜を、溶媒を使用せずに形成する。一実施形態では、ポリ(p−キシリレン)ポリマーの界面エネルギーおよびこれらのガラス転移温度および機械的特性を、前駆体材料に様々な化学的置換基を導入することによって変化させることができる。
【0074】
典型的なポリマー薄膜は、ポリマー材料の溶液をスピンコーティングすることによって作る。理想的トップコートは、ブロックコポリマードメインと極めて似た物理的特性を有しているので、ブロックコポリマーのドメインの少なくとも1つと相互作用しないスピンコーティングに使用することができる溶媒を見つけるのは困難である。これは、ポリ(p−キシリレン)(p−xylelene)などの蒸着した材料では問題とならない。
【0075】
秩序化したドメインを自然に形成するこれらの能力を利用するブロックコポリマーに対して多くの用途が存在する。極めて小さなドメインを達成するためには、ブロックコポリマーの構成要素は極めて異なる相互作用パラメーターを有していなければならないことは十分に理解されている。ブロックの「chi」値は大きくなければならない。chi値が大きいと、シリンダーおよびラメラを配向させることが困難になり、ブロックコポリマー膜は、空気とのその相互作用を最大にするために最も低い表面エネルギーブロックを可能にする基材に平行して「湿潤層」を形成する傾向にある。ブロックコポリマーを次世代リソグラフィに塗布するためには、ブロックコポリマードメインの垂直の配向性が必要とされる。垂直の配向性は、ブロックコポリマー薄膜の最上部および底部の界面において界面相互作用を一致させることにより達成することができる。界面相互作用は、化学的蒸着した材料、例えば、ポリ(p−キシリレン)ポリマーなどを使用して、ブロックコポリマー界面の表面エネルギーを修正することによって制御できる。
【0076】
本発明は現在の技術を超えた利点を保有する。界面相互作用は、自己集合ブロックコポリマーと同様のモノマー単位からなるランダムコポリマーの薄膜を使用することによって、バランスがとれる、または除去されることが示されている。しかし、ランダムコポリマーは、下位にある膜の溶媒が分解することから、従来のスピン−コーティング手順で上面に蒸着することができない。真空蒸着は、反応性の構成成分を物理的に蒸着させることによって、有害な溶媒の使用を回避する。ポリ(p−キシリレン)ポリマーは化学蒸着法で蒸着させることができ、ポリマー前駆体の化学的置換基を変えることによって、非優先的な表面を作ることができる。さらに、ポリ(p−キシリレン)ポリマー膜は、ドライエッチングを使用して除去することができ、潜在的に有害な溶媒に対する必要性を除去する。
【0077】
典型的なポリ(p−キシリレン)ポリマーは、低いガラス転移温度を有し、これが、ポリマー層の間の相互拡散をもたらす可能性がある。これは、ポリマー構造内に架橋官能基を組み込むことにより克服することができる。このプロセスは、ブロックコポリマーのドメインの1つがドライエッチングに対して高い耐性を有する場合にのみ有用となる。これは、10重量%超の元素ケイ素をブロックの1つに取り込むことによってかなり簡単に達成される。
【0078】
したがって、一実施形態では、本発明は、ケイ素含有組成物、合成の方法、生成、および使用の方法と共に、本明細書中に記載されている蒸着手法を利用することを想定している。さらに具体的に、本発明は、一実施形態では、2つ(またはそれ以上)のモノマー種(このうち少なくとも1種はケイ素を含む)から誘導されたブロックコポリマーにパリレンタイプポリマーを蒸着させること、および表面の面に対して実質的に垂直に整列しているシリンダー状構造を含むナノ構造が形成されるようブロックコポリマーを処理する方法を想定している。このような組成物は、ナノインプリントリソグラフィのためのテンプレートを作製することを含めた半導体工業における複数の用途、および生物医学的用途における用途を含めた多くの使用を有する。一実施形態ではこのようなケイ素含有ブロックコポリマーは、本明細書中に参照により組み込まれている、「Silicon−Containing Block Co−Polymers, Methods for Synthesis and Use」という表題の特許出願PCT/US11/28867に記載されている[10]。不応性オキシドを形成する他の元素は、同様の方式で機能することができる。
【0079】
本発明は、ブロックコポリマー薄膜上に蒸着させることができ、トップコート−ブロックコポリマー界面の界面エネルギーを制御するために使用することができる(
図15および
図16に示されている)コポリマートップコートの使用を含み、または
図18および
図19に示されている蒸着した底面および上面の処理を使用することによって、ブロックコポリマー基材の界面エネルギーを制御することができる。パリレン由来のトップコートおよび表面エネルギー中和層は、これらを一度ブロックコポリマー薄膜上に蒸着してしまえば、表面エネルギーを変更することができる。高度なリソグラフィックパターンを生成するための自己集合したブロックコポリマーの使用は、薄膜中のこれらの配向性の制御に依存する。トップコートは、他の方法ではかなり困難であるブロックコポリマーの容易な配向性の制御を潜在的に可能にする。
【0080】
薄膜状態において、ブロックコポリマーのナノドメインの形成は、膜の表面に関連して起きる。ナノドメインは基材表面に対してある特定の配向性をもって形成される傾向にある。長軸の形状の場合(例えばシリンダーおよびラメラ)、表面に対する長軸の配向性は、膜の主要な特徴である。表面と平行して並ぶシリンダーおよび垂直に立った状態のラメラはそれぞれ、ナノワイヤのパターニングの対象となり得る。直立のシリンダー、ラメラおよび球は、例えば、データ保管における使用のためのアレイのパターニングの対象となり得る。本来、ジャイロイド構造は、特定のブロックコポリマー内で発見された。ポリマー相の図の中で、ジャイロイド相は、ラメラ状およびシリンダー状の相の間にある。
【0081】
ナノ製造用途、例えば、基材表面に垂直に整列しているシリンダー状またはラメラ状ドメインを有するマイクロエレクトロニクス、太陽電池、および膜、薄膜が最も興味深い[30、31]。BC薄膜挙動は、多くの研究者らにより試験されてきたが[32〜34]、最近の再調査[30]は、BC配向性の決定における膜厚さおよび界面相互作用の重要性を強調している。基材に垂直に配向するようにシリンダー状またはラメラ状ドメインを誘導する1つの方法は、各ブロックのエネルギーの間に表面が界面エネルギーを有するように、基材を表面改質剤で処理することによる。このタイプの基材表面は、基材との接触を確立するための各ブロックに対するエンサルピックペナルティーがほぼ等しいので「中性」と呼ばれている[32]。この条件が適当に満たされない場合、シリンダーまたはラメラは普通、基材を湿潤させる表面を最も好むブロックを有する基材と平行に並ぶことになる[35]。一実施形態では、界面エネルギーの制御の使用を必要とするいかなる用途も、ブロックコポリマーと相互作用するトップコートまたは他の層(これより以下では表面エネルギー中和層と呼ぶ)の塗布後、表面エネルギーを変更するトップコートの使用から潜在的に恩恵を受けることができる。一実施形態では、コポリマートップコートは、表面改質剤として機能し、しかも空気ポリマー界面を最小限に抑える保護コーティングを提供する。
【0082】
ブロックコポリマーを使用して表面上に「ナノ構造」または制御された配向性を有する「物理的フィーチャー」を作ること、およびトップコートが下位にある膜を妨害しないことが望まれる。これらの物理的なフィーチャーは形状および厚さを有する。本発明は、利用するブロックコポリマーのタイプにより制限されるべきではない。例えば、ブロックコポリマーの構成成分により様々な構造を形成することができ、このような非限定的例として、垂直のラメラ、面内シリンダー、ネットワーク構造、球、ジャイロイド構造、および垂直シリンダーなどがあり、これらは膜厚、表面エネルギー中和層ポリマー、およびブロックの化学的特性に依存し得る。好ましい実施形態では、前記シリンダー状構造は、第1の膜の面に対して実質的に垂直に整列している。ナノメートルレベルでの領域またはドメイン(すなわち「マイクロドメイン」または「ナノドメイン」)の中の構造の配向性はほぼ均一に制御することができ、これらの構造の空間的な配置も制御することができる。例えば、一実施形態では、ナノ構造のドメインスペーシングはほぼ50nm以下である。好ましい実施形態では、前記シリンダー状構造は、ポリマートップコートの蒸着により制御され、アニーリングプロセスで整列する。本明細書中に記載されている方法は、所望のサイズ、形状、配向性、および周期性を有する構造を生成することができる。その後、一実施形態では、これらの構造は、エッチングしてもよいし、さもなければさらに処置してもよい。
【0083】
本発明は現在の技術を超えた利点を提供する。薄膜の中のブロックコポリマードメインの所望の垂直の配向性を生成するためには、底部および最上部の界面は一般的に、2つのブロックコポリマードメインの表面エネルギーに対して界面エネルギー中間体を有していなければならない。現在の技術は、水溶性ポリマーはブロックコポリマー薄膜を粉砕することなしに疎水性ブロックコポリマー上へスピンコーティングすることができることから、トップコートとして水溶性ポリマーの使用を議論し始めた。しかし、水溶性ポリマーに関わる主な問題は、水溶性ポリマーが極性であることで、これは、水溶性ポリマーが高い表面エネルギーを有し、したがって、表面エネルギーが高すぎて、垂直のブロックコポリマーフィーチャーを生成するのに必要とされる範囲に入らない可能性が高いことを本質的に意味する。本発明は、トップコートとして蒸着したポリマーを有することでこれらの問題を克服する。
【0084】
この領域における以前の開発が、本明細書中に参照により組み込まれている「ブロックコポリマーの自己形成を促進する方法および自己形成を促進するための方法を使用してブロックコポリマーの自己形成パターンを形成するための方法」という表題の日本の特許出願JP2010−115832A[36]、および本明細書中に参照により組み込まれている、2011年4月13日に出願した、米国出願、Endou、M.およびSasago、M. 「Method of Accelerating Self−Assembly of Block Copolymer and Method of Forming Self−Assembled Pattern of Block Copolymer Using the Accelerating Method」米国特許出願第20110186544号、出願13/085954。(2011年8月4日公開)[37]に記載されている。
【0085】
ブロックコポリマーを使用することによって、表面上に「ナノ構造」、または制御された配向性を有する「物理的フィーチャー」を作ることが望まれている。これらの物理的なフィーチャーは形状および厚さを有する。様々な構造は、例えば、ブロックコポリマーの構成成分、例えば、垂直のラメラ、面内シリンダー、および垂直のシリンダーなどにより形成することができ、ブロックの膜厚、表面エネルギー中和層、および化学的特性に依存し得る。好ましい実施形態では、前記シリンダー状構造は、第1の膜の面に対して実質的に垂直に整列している。ナノメートルレベルでの領域またはドメイン(すなわち「マイクロドメイン」または「ナノドメイン」)の中の構造の配向性はほぼ均一に制御することができ、これらの構造の空間的な配置も制御することができる。例えば、一実施形態では、ナノ構造のドメインスペーシングはほぼ50nm以下である。好ましい実施形態では、前記シリンダー状構造は、ポリマートップコートの蒸着により制御され、アニーリングプロセスにより整列する。本明細書中に記載されている方法は、所望のサイズ、形状、配向性、および周期性を有する構造を生成することができる。その後、一実施形態では、これらの構造は、エッチングしてもよいし、さもなければさらに処置してもよい。
【0086】
一実施形態では、界面エネルギーの制御の使用を必要とするいかなる用途も、トップコートの塗布後、表面エネルギーを変更するトップコートの使用から潜在的に恩恵を受けることができる。
【0087】
ナノスケールリソグラフィックパターニングで使用されるブロックコポリマーは、通常自己集合することによって、10〜l00nmの特徴的サイズを有する構造を生成する。一実施形態では、本発明は、ケイ素含有合成ブロックと一緒にブロックを含み、この組合せは、極めて高いエッチング選択性を提供する。一実施形態では、本発明は、従来のリソグラフィ技術のフィーチャーサイズの制限を克服するための有望な解決策であり、自己集合したブロックコポリマーを使用することによって、ナノスケールフィーチャーをパターン化することを含む。ブロックコポリマーリソグラフィは、従来のリソグラフィ技術に存在する物理的制限およびコスト制限を回避する。高い分離強度を有するポリマーは、フォトリソグラフィーで達成可能であるものよりずっと小さなフィーチャーを形成することができ、電子ビームリソグラフィよりも時間集約的でないプロセスを使用してこれを行うことができる。
【0088】
こうして、ブロックコポリマー薄膜におけるドメイン配向性を制御するための化学的蒸着した膜の使用の、特定の組成物および方法が開示されている。しかし、当業者には、本明細書中の本発明の概念から逸脱することなく、すでに記載されているものに加えて、さらに多くの変化形が可能であることが明らかなはずである。したがって、開示の趣旨によるものを除いて、本発明の主題は制限されないものとする。さらに、開示の解釈において、すべての用語は、状況に従い、可能な限り幅広い方式で解釈されるべきである。特に、「含む」および「含んでいる」という用語は、非排他的な方式で要素、構成成分、またはステップを言及しているとして解釈されるべきであり、参照された要素、構成成分、またはステップは、明示的に参照されていない他の要素、構成成分、またはステップと共に存在してもよく、利用されてもよく、または組み合わされてもよいことを示唆している。
【0089】
本明細書中に記述されているすべての公報は、本明細書に参照により組み込まれることによって、これらに関連して公報が引用されている方法および/または材料を開示および記載している。本明細書中で考察された公報は、本出願の出願期日前に、これらの開示のためだけに提供されている。本明細書中のいかなるものも、本発明が、以前の発明によってこのような公報に先行する権利を有さないという承認として解釈されるものではない。さらに、提供された公開日は、実際の公開日と異なることもあり、これは、独立して確認する必要があり得る。
【実施例】
【0090】
(実施例1)
ブロックコポリマー薄膜におけるドメイン配向性を制御するための化学的蒸着した膜の使用
ブロックコポリマー薄膜におけるドメイン配向性を制御するために化学的蒸着した膜を使用する方法の一例:1)表面エネルギー中和層ポリマーをトルエン中に溶解し、スピンコーティングする、2)250℃で5分間架橋する、3)トルエンで2回洗浄する、4)ブロックコポリマーをトルエン中に溶解し、スピンコーティングする、5)塗布後のベーキングを110℃で1分間行う、6)パリレン含有処理組成物をほぼ150nmの厚さでブロックコポリマー上に真空蒸着させ、トップコートを形成する、7)薄膜を170℃で18時間アニーリングする、8)ブロックコポリマーを以下の条件で酸素プラズマエッチングする:圧力=90mTorr、RF電力=80W、ICP電力=100W、O
2流速=5立方センチメートル毎分(SCCM)、温度=15℃、時間=35秒。
【0091】
図15および
図16を参照されたい。
【0092】
(実施例2)
ブロックコポリマー薄膜におけるドメイン配向性を制御するための2つの化学的蒸着した層を使用する交互の手順
ブロックコポリマー薄膜におけるドメイン配向性を制御するための化学的蒸着した膜を使用する方法の一例:1)パリレン含有表面エネルギー中和層をウエハー上に真空蒸着する、2)ブロックコポリマーをトルエン中に溶解し、スピンコーティングする、3)塗布後のベーキングを110℃で1分間行う、4)パリレン含有処理組成物をほぼ150nmの厚さでブロックコポリマー上に真空蒸着させ、トップコートを形成する、5)薄膜を170℃で18時間アニーリングする、6)ブロックコポリマーを以下の条件で酸素プラズマエッチングする:圧力=90mTorr、RF電力=80W、ICP電力=100W、O
2流速=5立方センチメートル毎分(SCCM)、温度=15℃、時間=35秒。
【0093】
図18および
図19を参照されたい。
【0094】
(参考文献)
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