(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記MOSトランジスタのソース、ドレイン、ゲート、ウェルタップ及び基板タップを含む複数のトランジスタ端子のうちの少なくとも1つを負荷回路に接続するスイッチ回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載のトランジスタテスト回路。
上記スイッチ回路は、上記負荷回路に接続されていない複数のトランジスタ端子の少なくとも1つに所定の印加電圧を印加することを特徴とする請求項4記載のトランジスタテスト回路。
上記負荷回路は、負荷抵抗、ダイオード接続されたディプレッション型トランジスタ、所定のゲート電圧が印加されたエンハンスメント型トランジスタ、又はディプレッション型トランジスタであることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載のトランジスタテスト回路。
上記MOSトランジスタと上記負荷回路との間に挿入された、該負荷回路に高電圧を通さないための高電圧保護回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載のトランジスタテスト回路。
上記高電圧保護回路は、高電圧の耐圧電圧を有するディプレッション型トランジスタと、所定のゲート電圧SWが印加されたエンハンスメント型トランジスタとを備えたことを特徴とする請求項8記載のトランジスタテスト回路。
所定のテスト信号に応答して所定の高電圧を上記テスト電圧として出力し又は出力しないように動作するレベルシフタをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載のトランジスタテスト回路。
半導体チップの、所定のテスト対象回路の電流検出ノードと接地ノードとの間に設けられ、当該テスト対象回路のブレークダウン電圧を測定するトランジスタテスト回路であって、
上記テスト対象回路に所定のテスト電圧を印加する電圧印加手段と、
上記テスト電圧が印加されたときに、上記テスト対象回路から負荷回路に流れる検出電流を検出する電流検出手段と、
上記検出された検出電流に対応するミラー電流を発生し、当該ミラー電流に対応する電圧を発生して出力するカレントミラー電圧出力回路と、
上記ミラー電流に対応する電圧を、所定の基準電流に対応する電圧と比較して比較結果信号を出力する比較手段とを備えたことを特徴とするトランジスタテスト回路。
上記電流検出ノードを上記負荷回路に接続するか否かを選択的に切り替えるスイッチ手段をさらに備えたことを特徴とする請求項11又は12記載のトランジスタテスト回路。
上記電流検出ノードは、上記ロウデコーダの接地側電源ラインと、上記ロウデコーダの基板タップ又はウェルタップのうち少なくとも1つに接続されたことを特徴とする請求項14記載のトランジスタテスト回路。
上記電流検出ノードは、上記テスト対象回路のMOSトランジスタのソース、基板タップ、及びウェルタップのうちの少なくとも1つに接続されたことを特徴とする請求項16記載のトランジスタテスト回路。
上記負荷回路は、負荷抵抗、ダイオード接続されたディプレッション型トランジスタ、所定のゲート電圧が印加されたエンハンスメント型トランジスタ、又はディプレッション型トランジスタであることを特徴とする請求項11〜17のうちのいずれか1つに記載のトランジスタテスト回路。
上記電流検出ノードと上記負荷回路との間に挿入された、該負荷回路に高電圧を通さないための高電圧保護回路をさらに備えたことを特徴とする請求項11〜18のうちのいずれか1つに記載のトランジスタテスト回路。
上記高電圧保護回路は、高電圧の耐圧電圧を有するディプレッション型トランジスタと、所定のゲート電圧SWが印加されたエンハンスメント型トランジスタとを備えたことを特徴とする請求項19記載のトランジスタテスト回路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記高電圧の最大電圧は、高電圧トランジスタのブレークダウン電圧(V_BD)に対して、2Vないし3V程度低いものであり十分に大きなマージンを有していない。従って、プロセス変動によりプログラム又は消去の開始電圧が高くなり又はブレークダウン電圧が低下することで歩留まりが低下する可能性があり、もしくは、プログラム及び消去の繰り返しによりブレークダウンを繰り返してトランジスタ特性が劣化することによるプログラム及び消去の市場不良を引き起こす。
【0006】
一般に、高電圧トランジスタの性能はスクライブライン上に形成された特性チェック用トランジスタにおいてチェックされているが、すべてのロット及びすべてのウエハに対してチェックを行っているわけではなく、ウエハテストをパスした半導体チップにおいて用いられる高電圧の最大値がブレークダウン電圧を超える可能性がある。すなわち、ウエハテストは欠陥を有して所定の性能を満たさない半導体チップを除去するための関門であるが、半導体チップにおいて用いられる高電圧の最大値は個々の半導体チップ内のトランジスタのブレークダウン電圧には基づいて設定されていないという問題点があった。
【0007】
なお、特許文献1及び3においては、検査領域(Test Element Group)のみが半導体チップ上に実装されているのみであり、個々の半導体チップに対応するトランジスタの性能はチェックし得るが、電流電圧測定手段を備える外部装置に接続する必要があり、測定に長時間を要する。また、当該半導体チップ内の数千〜数十万というトランジスタの性能を測定できるわけでもない。
【0008】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、半導体装置に設けられたトランジスタをテストするトランジスタテスト回路において、半導体装置に含まれるトランジスタのブレークダウン電圧を高精度で測定して評価することができるトランジスタテスト回路及び方法、半導体記憶装置、並びに半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係るトランジスタテスト回路は、半導体チップに設けられ、MOSトランジスタのブレークダウン電圧を測定するトランジスタテスト回路であって、
上記MOSトランジスタのドレイン、ソース及びゲートのうちの少なくとも1つに所定のテスト電圧を印加する電圧印加手段と、
上記テスト電圧が印加されたときに、上記MOSトランジスタから負荷回路に流れる検出電流を検出する電流検出手段と、
上記検出された検出電流に対応するミラー電流を発生して出力する電流発生手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
上記トランジスタテスト回路において、上記ミラー電流を所定の基準電流と比較して比較結果信号を出力する比較手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
また、上記トランジスタテスト回路において、上記ミラー電流を外部回路に出力するテストパッドをさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
さらに、上記トランジスタテスト回路において、上記電流発生手段は、上記検出された検出電流を1:N(Nは1以上である)で対応するミラー電流を発生して出力することを特徴とする。
【0013】
またさらに、上記トランジスタテスト回路において、上記MOSトランジスタのソース、ドレイン、ゲート、ウェルタップ及び基板タップを含む複数のトランジスタ端子のうちの少なくとも1つを負荷回路に接続するスイッチ回路をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、上記スイッチ回路は、上記負荷回路に接続されていない複数のトランジスタ端子の少なくとも1つに所定の印加電圧を印加することを特徴とする。
【0015】
また、上記印加電圧は、所定値又は接地電圧であることを特徴とする。
【0016】
上記トランジスタテスト回路において、上記負荷回路は、負荷抵抗、ダイオード接続されたディプレッション型トランジスタ、所定のゲート電圧が印加されたエンハンスメント型トランジスタ、又はディプレッション型トランジスタであることを特徴とする。
【0017】
また、上記トランジスタテスト回路において、上記MOSトランジスタと上記負荷回路との間に挿入された高電圧保護回路をさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
ここで、上記トランジスタテスト回路において、上記高電圧保護回路は、高電圧の耐圧電圧を有するディプレッション型トランジスタと、所定のゲート電圧SWが印加されたエンハンスメント型トランジスタとを備えたことを特徴とする。
【0019】
さらに、上記トランジスタテスト回路において、所定のテスト信号に応答して所定の高電圧を上記テスト電圧として出力し又は出力しないように動作するレベルシフタをさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
第2の発明に係るトランジスタテスト回路は、半導体チップの、所定のテスト対象回路の電流検出ノードと接地ノードとの間に設けられ、当該テスト対象回路のブレークダウン電圧を測定するトランジスタテスト回路であって、
上記テスト対象回路に所定のテスト電圧を印加する電圧印加手段と、
上記テスト電圧が印加されたときに、上記テスト対象回路から負荷回路に流れる検出電流を検出する電流検出手段と、
上記検出された検出電流に対応するミラー電流を発生して出力する電流発生手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
上記トランジスタテスト回路において、上記ミラー電流を所定の基準電流と比較して比較結果信号を出力する比較手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0022】
また、上記トランジスタテスト回路において、上記ミラー電流を外部回路に出力するテストパッドをさらに備えたことを特徴とする。
【0023】
さらに、上記トランジスタテスト回路において、上記電流検出ノードを上記負荷回路に接続するか否かを選択的に切り替えるスイッチ手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0024】
またさらに、上記トランジスタテスト回路において、上記テスト対象回路は、ロウデコーダであることを特徴とする。
【0025】
ここで、上記電流検出ノードは、上記ロウデコーダの接地側電源ラインと、上記ロウデコーダの基板タップ又はウェルタップのうち少なくとも一つに接続されたことを特徴とする。
【0026】
またさらに、上記トランジスタテスト回路において、上記テスト対象回路は、ワードラインドライバであることを特徴とする。
【0027】
ここで、上記電流検出ノードは、上記テスト対象回路のMOSトランジスタのソース、基板タップ、及びウェルタップのうち少なくとも一つに接続されたことを特徴とする。
【0028】
上記トランジスタテスト回路において、上記負荷回路は、負荷抵抗、ダイオード接続されたディプレッション型トランジスタ、所定のゲート電圧が印加されたエンハンスメント型トランジスタ、又はディプレッション型トランジスタであることを特徴とする。
【0029】
また、上記トランジスタテスト回路において、上記電流検出ノードと上記負荷回路との間に挿入された高電圧保護回路をさらに備えたことを特徴とする。
【0030】
ここで、上記高電圧保護回路は、高電圧の耐圧電圧を有するディプレッション型トランジスタと、所定のゲート電圧SWが印加されたエンハンスメント型トランジスタとを備えたことを特徴とする。
【0031】
第3の発明に係る半導体記憶装置は、上記トランジスタテスト回路を備えたことを特徴とする。
【0032】
第4の発明に係る半導体装置は、上記トランジスタテスト回路を備えたことを特徴とする。
【0033】
第5の発明に係るトランジスタテスト方法は、半導体チップに設けられ、MOSトランジスタのブレークダウン電圧を測定するトランジスタテスト回路によって実行されるトランジスタテスト方法であって、
上記MOSトランジスタのドレイン及びゲートの少なくとも1つに所定のテスト電圧を印加するステップと、
上記テスト電圧が印加されたときに、上記MOSトランジスタから負荷回路に流れる検出電流を検出するステップと、
上記検出された検出電流に対応するミラー電流を発生して出力するステップとを含むことを特徴とする。
【0034】
上記トランジスタテスト方法において、上記ミラー電流を所定の基準電流と比較して比較結果信号を出力するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0035】
また、上記トランジスタテスト方法において、上記ミラー電流をテストタップを介して外部回路に出力するステップをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
従って、本発明に係るトランジスタテスト回路等によれば、半導体装置に設けられたトランジスタをテストするトランジスタテスト回路において、半導体装置に含まれるトランジスタのブレークダウン電圧を高精度で測定して評価することができるトランジスタテスト回路及び方法、半導体記憶装置、並びに半導体装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0039】
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係る不揮発性記憶装置の構成を示すブロック図である。実施形態1に係る不揮発性記憶装置は例えばNAND型フラッシュメモリであって、ロウデコーダ22の周辺回路として、
図3に示すように、高電圧トランジスタQ10のブレークダウン電圧を測定するトランジスタテスト回路をメモリチップ上に実装したことを特徴としている。
【0040】
図1において、不揮発性記憶装置は、
(1)データを記憶する例えばフラッシュメモリアレイであるメモリセルアレイ20と、
(2)入出力バッファ31からのデータをメモリセルアレイ20に対してページ単位で書き込み、もしくはメモリセルアレイからのデータをページ単位で読み出して入出力バッファ31に出力するときに用いるページバッファ21と、
(3)指定アドレスに応答してメモリセルアレイ20のブロック及びワード線を指定するためのロウデコーダ22と、
(4)コントロールロジック35からの信号に基づいて当該不揮発性記憶装置のステータスを一時的に記憶して入出力バッファ31に出力し、レディ/ビジー信号(R/B信号)を発生してR/B信号端子42に出力するステータスレジスタ23と、
(5)入出力端子41を介して入出力されるデータを一時的に記憶する入出力バッファ31と、
(6)入出力バッファ31からのコマンドを復号化して符号化されたコマンドデータをコントロールロジック35に出力するコマンドデコーダ32と、
(7)入出力バッファ31からの指定アドレスを一時的に記憶するアドレスバッファ33と、
(8)外部電源電圧VCCに基づいて、電源オン時に当該半導体チップの動作をリセットするためのリセット信号を出力するパワーオンリセット回路36と、
(9)外部電源電圧端子44を介して印加される外部電源電圧VCCに基づいて所定の内部電源電圧用基準電圧VDDREFと所定の基準電圧VREFを発生する基準電圧発生回路10と、
(10)上記基準電圧VDDREFに基づいて内部電源電圧VDDを発生して各回路に供給する内部電源電圧発生回路11と、
(11)上記基準電圧VREFに基づいてデータの書き込み(プログラム)及び消去に必要な高電圧(HV)及び中間電圧(MV)を発生して出力する高電圧及び中間電圧発生及び制御回路12と、
(12)コマンドデコーダ32からのコマンドデータ、制御信号端子43を介して入力される制御信号、もしくはパワーオンリセット回路36からのリセット信号に基づいて、当該不揮発性記憶装置内の各回路(基準電圧発生回路10、内部電源電圧発生回路11、及び高電圧及び中間電圧発生及び制御回路12、ページバッファ21、ステータスレジスタ23を含む)に対して所定の制御を行うコントロールロジック35と、
を備えて構成される。
【0041】
図3は実施形態1に係るトランジスタテスト回路の構成を示す回路図である。
図3において、トランジスタテスト回路は、被測定トランジスタ回路51と、高電圧保護回路52と、電流検出回路53と、カレントミラー電圧出力回路54と、コンパレータ回路55と、基準バイアス電流発生回路56とを備えて構成される。
【0042】
被測定トランジスタ回路51は、当該不揮発性記憶装置の半導体チップに実装され、高電圧動作のMOSトランジスタ(HVMOS)と同じプロセスで作成されて当該半導体チップに実装された被測定対象レプリカのMOSトランジスタQ10を備える。ここで
図1の高電圧及び中電圧発生及び制御回路12からの所定のテスト用高電圧HVが当該MOSトランジスタQ10のドレインに印加され、ゲートには例えば接地電圧の電圧VSSが印加され、当該MOSトランジスタQ10はウエハテストにおいてテストされ、テスト結果に基づいて詳細後述するように最適な高電圧の最大値が決定されて設定される。高電圧保護回路52は2つのMOSトランジスタQ11,Q12が直列に接続されて構成され、高電圧から当該トランジスタテスト回路を保護するために設けられる。ここで、MOSトランジスタQ11は例えば高電圧の耐圧電圧を有するディプレッション型トランジスタであり、MOSトランジスタQ12は所定のゲート電圧SWが印加されたエンハンスメント型トランジスタである。
【0043】
電流検出回路53はダイオード接続された負荷回路であるMOSトランジスタQ13を備え、被測定トランジスタ回路51から高電圧保護回路52を介して流れる電流Ibdを検出する。カレントミラー電圧出力回路54は例えばオペアンプにてなる差動増幅器57と、MOSトランジスタP1,Q14とを備えて構成され、差動増幅器57はボルテージフォロワ回路を構成し、電流検出回路53に流れる電流Ibdにより発生される電圧Vsenseを検出して、上記MOSトランジスタP1のドレイン電圧がVsenseと等しくなるように上記MOSトランジスタP1のゲートに印加する制御電圧Vsense1を発生して電流Ibdに対応するミラー電流Imirrorを流し、制御電圧Vsense1を差動増幅器57の出力端子からコンパレータ回路55のMOSトランジスタP2のゲートに出力する。ここで、ディプレッション型MOSトランジスタQ13,Q14はカレントミラー回路58を構成しており、MOSトランジスタQ13,Q14のサイズ比が1:1であれば、Imirror=Ibdとなり、MOSトランジスタQ13,Q14のサイズ比が1:Nであれば、Imirror=N×Ibdとなるミラー電流Imirrorが流れる。これにより、例えば数十nAのIbdを数百nA〜数μAのImirrorとすることができる。
【0044】
基準バイアス電流発生回路56は、基準電流Irefを流す基準電流源56aと、ダイオード接続されたMOSトランジスタN1とを備え、基準電流Irefを発生し、当該基準電流Irefに対応する基準電圧V_refを発生する。コンパレータ回路55は、MOSトランジスタP2,N2とインバータ59とを備えて構成され、制御電圧Vsense1によって上記MOSトランジスタP2にミラーされた電流Ibdに対応する電流を、基準電圧V_refによって上記MOSトランジスタN2にミラーされた基準電流Irefに対応する電流と比較して比較結果の二値デジタル信号をインバータ59により反転して比較結果信号Vjudgeとして出力する。なお、基準電流Irefはブレークダウン電圧V_BDに対応するように設定される。
【0045】
図4は
図3のトランジスタテスト回路の動作を示すグラフである。
図4に示すように、検出電圧Vsense及びミラー電流Imirrorは被測定トランジスタ回路51のMOSトランジスタQ10に流れる電流Ibdに比例して大きくなり、コンパレータ回路55は電流Ibdの値が基準電流Irefを超えると、比較結果信号Vjudgeを所定のハイレベルから所定のローレベルに切り替えて出力する。もちろん、コンパレータの出力値が切り替わるときの電流Ibdの値は、回路内の各カレントミラーのミラー比に応じて基準電流IrefのN倍、又は1/N倍(N≧1)となるように設定することもできる。
【0046】
以上説明したように、所定の高電圧HVを被測定トランジスタ回路51のMOSトランジスタQ10のドレインに印加してそのソース電流Ibdを電流検出回路53及びカレントミラー電圧出力回路54を用いて測定してコンパレータ回路55を用いて制御電圧Vsense1によってミラーされる電流Ibdに対応する電流を基準電圧V_refによってミラーされる基準電流Irefに対応する電流と比較することにより、検出されたソース電流Ibdを基準電流Irefと比較することでブレークダウン電圧V_BDを測定して評価するための比較結果信号Vjudgeを得ることができる。
【0047】
なお、検出電圧Vsenseを0V付近に保持するためにカレントミラー回路58をディプレッションMOSトランジスタQ13,Q14を用いて構成している。
【0048】
実施形態2.
図5Aは実施形態2に係るトランジスタテスト回路の被測定トランジスタ回路51の構成例であって、
図5A(a)は実施例1に係る被測定トランジスタ回路51aの構成例を示す回路図であり、
図5A(b)は実施例2に係る被測定トランジスタ回路51bの構成例を示す回路図であり、
図5A(c)は実施例3に係る被測定トランジスタ回路51cの構成例を示す回路図である。また、
図5A(d)は実施例4に係る被測定トランジスタ回路51dの構成例を示す回路図であり、
図5A(e)は実施例5に係る被測定トランジスタ回路51eの構成例を示す回路図である。さらに、
図5Bは
図5A(c)の被測定トランジスタ回路51cのMOSトランジスタの構成を示す縦断面図である。
図5Cは
図5A(c)の被測定トランジスタ回路51cのMOSトランジスタの構成を示す平面図であり、
図5Dは
図5CのA−A’線についての縦断面図である。
【0049】
実施形態2では、被測定トランジスタ回路51のMOSトランジスタQ10の種々のブレークダウン電圧V_BDを個別に測定する回路を以下に示す。
(測定A)実施形態1と同様の被測定トランジスタ回路51の構成を有する
図5A(a)において、ゲート電圧Vg=0Vのときにパンチスルー電流又は基板電流効果によるドレイン・ソース電流Ibdを実施形態1のトランジスタテスト回路で測定する。
(測定B)
図5A(b)において、ドレイン・ゲート電流を実施形態1のトランジスタテスト回路で測定する。
(測定C)
図5B、
図5C及び
図5Dの構造を有するMOSトランジスタを示す
図5A(c)において、接合リーク電流(GIDL(Gate-induced-drain Leakage):ソースからゲートに逆方向のバイアス電圧が印加されているときにゲート電圧Vgを印加しなくてもドレイン電流が流れてしまう現象をいう。)、バンド間トンネリング、衝撃イオン化などにより流れるドレイン・基板電流を実施形態1のトランジスタテスト回路で測定する。ここで、基板端子としては、以下の2つの場合がある。
(測定C−1)
図5Bのトリプルウェル構造におけるPウェルタップ103を基板端子とする。
図5Bにおいて、P型シリコン基板100において例えばリンなどのN型不純物を注入することでNウェル101を形成する。また、Nウェル101の上側に例えばボロンなどのP型不純物を注入することでPウェル102を形成し、そのPウェルタップ103をさらに形成する。すなわち、
図5Bにおいて、被測定対象MOSトランジスタは、ソース、ドレイン、ゲート、ウェルタップ(Pウェルタップ103など)及び基板タップ104を含む複数のトランジスタ端子を備える。
(測定C−2)例えば
図5DのMOSトランジスタのP型シリコン基板100の基板タップ104を基板端子としてもよい。
図5Dにおいて基板タップは測定対象となるトランジスタを囲むように配置されており、測定対象となるトランジスタで発生したブレークダウンにより基板へ流れ込む電流は、その大半を当該基板タップを通して電流検出回路で検出することができる。
(測定D)
図5A(d)において、高電圧HVが印加されたゲート、ソース及び基板を有するPMOSトランジスタQ10pのドレイン電流を実施形態1のトランジスタテスト回路で測定する。
(測定E)
図5A(e)において、高電圧HVが印加されたソース及び基板を有するPMOSトランジスタQ10pのゲートの電流を実施形態1のトランジスタテスト回路で測定する。
【0050】
図6は実施形態2に係るトランジスタテスト回路の合体切り替え型被測定トランジスタ回路51Aの構成例を示す回路図である。
【0051】
図6の被測定トランジスタ回路51Aにおいて、
(1)被測定MOSトランジスタQ10のゲートは、切り替え制御信号SWGAにより制御されるスイッチ用MOSトランジスタQ21を介して高電圧保護回路52に接続されるとともに、切り替え制御信号SWGBにより制御されるスイッチ用MOSトランジスタQ22を介して接地される。
(2)被測定MOSトランジスタQ10のソースは、切り替え制御信号SWSAにより制御されるスイッチ用MOSトランジスタQ23を介して高電圧保護回路52に接続されるとともに、切り替え制御信号SWSBにより制御されるスイッチ用MOSトランジスタQ24を介して接地される。
(3)被測定MOSトランジスタQ10の基板タップは、切り替え制御信号SWBAにより制御されるスイッチ用MOSトランジスタQ25を介して高電圧保護回路52に接続されるとともに、切り替え制御信号SWBBにより制御されるスイッチ用MOSトランジスタQ26を介して接地される。
【0052】
ここで、切り替え制御信号SWGA,SWGB,SWSA,SWSB,SWBA,SWBBは例えば半導体チップに実装されたテストコントローラ50又は外部テスト装置から入力される。上記測定Aのときは、MOSトランジスタQ22,Q23,Q26をオンにして、その他のMOSトランジスタQ21,Q24,Q25をオフにして、被測定MOSトランジスタQ10のソース・ドレイン電流を測定することができる。また、上記測定Bのときは、MOSトランジスタQ21,Q26をオンにして、その他のMOSトランジスタQ22,Q23,Q24,Q25をオフにして、被測定MOSトランジスタQ10のドレイン・ゲート電流を測定することができる。さらに、上記測定Cのときは、MOSトランジスタQ22,Q24,Q25をオンにして、その他のMOSトランジスタQ21,Q23,Q26をオフにして、被測定MOSトランジスタQ10のドレイン・基板電流を測定することができる。なお、電流値の測定、及びブレークダウン電圧V_BDの測定は実施形態1と同様である。
【0053】
以上説明したように、実施形態2によれば、被測定MOSトランジスタQ10について3類の電流に基づくブレークダウン電圧V_BDを測定することができる。
【0054】
実施形態3.
図7Aは実施形態3に係る高電圧レベルシフタ61を備えた被測定トランジスタ回路51の構成例を示す回路図である。
【0055】
被測定トランジスタ回路51の被測定MOSトランジスタQ10についてのブレークダウン電圧V_BDの測定においては、被測定MOSトランジスタQ10が破壊される可能性がある。もし破壊されれば、テストモード以外のユーザーモード等においてもドレイン電圧、ゲート電圧が印加されることにより意図しない電流が流れることになり、これを回避する必要がある。本実施形態では、高電圧電圧HVをテスト信号T_BDにより制御される高電圧レベルシフタ61を介して印加することで上記の現象を回避する。
図7Aにおいて、高電圧レベルシフタ61は、テスト信号T_BDに応答してオフ又はオフとなり、所定の高電圧HVをMOSトランジスタQ10のドレインに印加し、もしくは印加しないように制御する。
【0056】
図7Bは実施形態3の変形例に係る高電圧レベルシフタ61を備えた被測定トランジスタ回路51の構成例を示す回路図である。
図7Bの構成例では、
図7Aの構成例に比較して高電圧レベルシフタ62をさらに備えたことを特徴とする。
図7Bにおいて、高電圧レベルシフタ61は、テスト信号T_BDに応答してオフ又はオフとなり、所定の高電圧HVをMOSトランジスタQ10のドレインに印加し、もしくは印加しないように制御する。また、高電圧レベルシフタ62は、テスト信号T_BGに応答してオフ又はオフとなり、所定の高電圧HVをMOSトランジスタQ10のゲートに印加し、もしくは印加しないように制御する。これにより、ゲートに高電圧を印加してソース電流や基板電流を測定することにより、ゲート絶縁膜の欠陥等によるブレークダウン電圧を検知することができる。
【0057】
図8は
図7A及び
図7Bの高電圧レベルシフタ61、62の構成例を示す回路図である。
図8において、高電圧レベルシフタ61,62は、レベルシフタを構成するMOSトランジスタQ31,Q32と、高電圧保護回路を構成するMOSトランジスタQ33,Q34と、イネーブルスイッチ用インバータを構成するMOSトランジスタQ35,Q36とを備えて構成される。ここで、WPは所定の電源電圧であり、ENはイネーブル信号である。
【0058】
図9は
図7A及び
図7Bの被測定トランジスタ回路51の動作を示す電圧テーブルである。
図9において、
図7A及び
図7Bのテスト信号T_BD,T_BGが電源電圧Vddのとき、出力電圧Vd,Vgは接地電圧(0V)となる一方、テスト信号T_BD,T_BGが接地電圧(0V)のとき、出力電圧Vd,Vgは所定の高電圧HVとなる。
【0059】
以上説明したように、実施形態3によれば、高電圧レベルシフタ61,62は、テスト信号T_BD,T_BGに応答してオフ又はオフとなり、所定の高電圧HVをMOSトランジスタQ10のドレイン、ゲートに印加し、もしくは印加しないように制御する。これにより、被測定トランジスタ回路51の被測定MOSトランジスタQ10についてのブレークダウン電圧V_BDの測定以外の場合において、被測定MOSトランジスタQ10に意図しない電流が流れることを回避できる。
【0060】
実施形態4.
図10は実施形態4に係るトランジスタテスト回路の構成例を示す回路図である。ここで、テスト対象回路は、ロウデコーダ22及びワードラインドライバのトランジスタWD0〜WD31である。
【0061】
図10において、ロウデコーダ22のソース側電源ノードVss又はソース側電源ラインVss(電流検出ノード)に流れる電流Ibdを実施形態1のトランジスタテスト回路により測定する。ウエハテストにおいては、上記電流Ibdはロウデコーダ22のすべてのブロックを選択したモード、もしくはすべてのブロックを選択しないモードで測定することができる。ソース側電源ノードVss又はソース側電源ラインVssは、切り替え制御信号SW1により制御されるMOSトランジスタQ41を介して実施形態1の高電圧保護回路52及び電流検出回路53を介して接地ノードに接続されるとともに、切り替え制御信号SW1Bにより制御されるMOSトランジスタQ42を介して接地される。例えばロウデコーダ22の基板タップ22Sを例えば接地ノードVssに接続して電流Ibdを測定してもよい。なお、
図10においては、複数のブロックのソース側電源ノードVss又はソース側電源ラインVssと基板タップ22Sとを接続して、接続端を電流検出ノードとして電流を検出している。また、ソース側電源ノードVss又はソース側電源ラインVssは接地側電源ノードVss又は接地側電源ラインVssであってもよい。なお、切り替え制御信号SW1,SW1Bは実施形態3と同様にテストコントローラ50又は外部テスタ装置から入力され、切り替え制御信号SW1Bは切り替え制御信号SW1の反転信号である。なお、
図10では実施形態1の高電圧保護回路52を介さずに電流検出回路53に接続しているが、これはこのソース側電源ノードVss又はソース側電源ラインVssまで高電圧が下りてくる可能性は回路上そして測定範囲上小さいのでこのようにしているが、もちろん高電圧保護回路52を介しても良い。
【0062】
また、ロウデコーダ22の複数のブロックはブロック選択信号発生回路25からのブロック選択信号SELB(ローアクティブ)によって選択され、ロウデコーダ22から発生されるブロック選択信号SELHV(高電圧HV)は選択されたメモリセルブロック20bのワードラインドライバトランジスタWD0〜WD31の各ゲートに接続される。ここで、ワードラインドライバトランジスタWD0〜WD31が形成されたシリコン基板の基板タップ26Sに流れる基板電流Isubを測定するため、当該基板タップ26Sは、切り替え制御信号SW2により制御されるMOSトランジスタQ43を介して実施形態1の電流検出回路53に接続されるとともに、切り替え制御信号SW2の反転信号である切り替え制御信号SW2Bにより制御されるMOSトランジスタQ44を介して接地される。なお、切り替え制御信号SW2,SW2Bは実施形態3と同様にテストコントローラ50又は外部テスタ装置から入力される。
【0063】
なお、
図10においては、ワードラインドライバWD0〜WD31の基板タップ26Sの電流を測定しているが、ワードラインドライバ回路の構成によってはPウェルタップ又はMOSトランジスタのソースの電流を測定してもよい。なお、ワードラインドライバトランジスタWD0〜WD31のトランジスタが
図5Bの構造であれば、Pウェルタップの電流の測定になるが、高電圧が下りてくる可能性があるので、高電圧保護回路52を介して電流検出回路53に接続するのが好ましい。
【0064】
図11は
図10のトランジスタテスト回路のブレークダウン電圧の測定方法を示すグラフである。
図11において、被測定MOSトランジスタQ10に印加されるドレイン電圧Vd又はゲート電圧Vgがブレークダウン電圧V_BDに近づくにつれて、例えば
図10の基板タップ26Sに流れる基板電流Isubは指数関数的に増大する。従って、基板電流Isubを測定することで、被測定MOSトランジスタであるワードラインドライバトランジスタWD0〜WD31のブレークダウン電圧を測定することができ、それに基づいて最大の高電圧Hvmax(ブレークダウン電圧V_BDよりも所定のマージンだけ低下した許容最大値をいう。)を決定することができる。
【0065】
以上のように構成されたトランジスタテスト回路において、MOSトランジスタQ41をオンにしてロウデコーダ22のソース側電源ノードVss又はソース側電源ラインVssに流れる電流Ibdを検出することでロウデコーダ22の被測定トランジスタ回路のブレークダウン電圧V_BDを測定することができる。また、ワードラインドライバトランジスタWD0〜WD31の例えばPウェルタップにおいて基板電流Isubを測定することで、被測定MOSトランジスタであるワードラインドライバトランジスタWD0〜WD31の最大の高電圧Hvmax(ブレークダウン電圧V_BDよりも所定のマージンだけ低下した許容最大値をいう。)を決定することができる。
【0066】
実施形態5.
図12は実施形態5に係るNOR型フラッシュメモリのワードラインドライバの構成例を示すブロック図である。ここで、ワードラインドライバはテスト対象回路である。
【0067】
NOR型フラッシュメモリでは、プログラム(データ書き込み)及びデータ消去のために正電圧及び負電圧を使用し、より高い読み出し性能のために、当該電圧値を減少させるとともに、ゲート酸化膜を薄くしている。
図12において、NOR型フラッシュメモリのワードラインドライバは、ロウデコーダ22と、電源電圧Vp,Vmが供給されるレベルシフタ24とを備えて構成される。なお、ロウデコーダ22に入力される信号は以下の通りである。
(1)Block Add:ブロックアドレス指定及び付加信号。
(2)WL Add:ワードラインアドレス指定及び付加信号。
(3)Read:データ読み出し信号。
(4)PGM:データプログラム信号。
(5)ERS:データ消去信号。
【0068】
図13は
図12のワードラインドライバの動作を示す電源電圧テーブルである。
図13に示すように、データ読み出し(Read)、データプログラム(PGM)、データ消去(ERS)に応じて電源電圧Vp.Vmが
図13のように設定される。
【0069】
図14は
図12のワードラインドライバのトランジスタテスト回路の構成例を示す回路図である。
図14において、レベルシフタ24はMOSトランジスタQ51〜Q54で構成される。ロウデコーダ22からのワードライン選択信号がインバータINV1により反転され、その反転信号がレベルシフタ24に入力されて、当該レベルシフタ24の動作が制御される。ここで、MOSトランジスタQ53は高電圧阻止バストランジスタであり、MOSトランジスタQ54は高電圧Vpを用いて、MOSトランジスタQ51,Q52へのゲート電圧をプルアップするために設けられる。電源電圧端子Vmは、切り替え制御信号SWPにより制御されるスイッチ用MOSトランジスタQ61を介して−10Vに接続され、切り替え制御信号SWQにより制御されるスイッチ用MOSトランジスタQ62を介して接地され、切り替え制御信号SWRにより制御されるスイッチ用MOSトランジスタQ63を介して高電圧保護回路52を介して実施形態1のトランジスタテスト回路に接続される。
【0070】
プログラムモードにおいて、レベルシフタ24において、すべてのワードラインが選択されないとき、MOSトランジスタQ51がオフとされかつMOSトランジスタQ52がオンとされてワードライン電圧VWLは0Vとなり、PMOSトランジスタQ51のソース―ドレイン間に10Vの電圧がかかる。一方、すべてのワードラインが選択されるとき、MOSトランジスタQ51がオンとされかつMOSトランジスタQ52がオフとされてワードライン電圧VWLは10Vとなり、NMOSトランジスタQ52のソース―ドレイン間に10Vの電圧がかかる。すなわち、ワードラインドライバの漏れ電流は電源電圧Vmのラインに流れる。従って、実施形態1の電流検出回路53を電源電圧Vmラインに接続することで、NAND型フラッシュメモリと同様に、プログラムモードにおけるワードラインドライバのPMOSトランジスタ又はNMOSトランジスタのブレークダウン電圧を測定することができ、それを基に高電圧の最大値HVmaxを決定することができる。
【0071】
以上のように構成されたトランジスタテスト回路において、データ消去のときは、電源電圧Vp=0Vとしかつ3つのMOSトランジスタQ61〜Q63のうちMOSトランジスタQ61のみをオンすることでワードラインドライバをデータ消去モードに設定できる。また、データ読み出し又はデータプログラムのときはそれぞれ、Vp=3V又は10Vとしかつ3つのMOSトランジスタQ61〜Q63のうちMOSトランジスタQ62のみをオンすることでワードラインドライバをそれぞれのモードに設定できる。さらに、トランジスタテストのときは、3つのMOSトランジスタQ61〜Q63のうちMOSトランジスタQ63のみをオンすることで実施形態1のトランジスタテスト回路に接続することで所定の電流検出を行ってブレークダウン電圧V_BDなどの測定を行うことができる。
【0072】
図14においては、レベルシフタ24のソース側ラインの電源電圧Vmの端子からの電流を測定しているが、本発明はこれに限らず、レベルシフタ24の基板タップ24SをMOSトランジスタQ63のドレインに接続してトランジスタテストを行うようにしてもよい。
【0073】
実施形態6.
図15は実施形態6に係るウエハテストにおけるモニタ及びテスト処理を示すフローチャートである。
図15において、モニタ及びテスト処理は、
(1)高電圧トランジスタのブレークダウン電圧検出処理(S1)と、
(2)ロウデコーダのブレークダウン電圧検出処理(S2)と、
(3)ワードラインドライバのブレークダウン電圧検出処理(S3)とを備えて構成される。なお、各処理S1〜S3は個別に実行してもよい。
【0074】
図15のフローでは、ウエハテストにおけるブレークダウン電圧V_BDを測定する。そして、測定されたブレークダウン電圧V_BDから、実際に使用する書き込み電圧Vww及び電源電圧Vppを決定する。
【0075】
高電圧トランジスタのブレークダウン電圧検出処理(S1)において、ステップS11で被測定トランジスタQ10のドレイン電圧Vdの設定値に初期値Vstartを設定して、
図3のトランジスタテスト回路により検出電流Ibd>基準電流Irefか否かが判断される。YESのときはステップS14に進む一方、NOのときはステップS13に進み、ドレイン電圧Vdの設定値を所定のステップ値Vstepだけ増大させて設定して
図3のトランジスタテスト回路による検出電流Ibd>基準電流Irefの判断を繰り返す。ステップS14では、現在設定されているドレイン電圧Vdの設定値を当該高電圧HVnのときのブレークダウン電圧Vbd(HVn)に設定して次の処理(S2)に進む。
【0076】
以上の処理(S1)では、例えばMOSトランジスタQ10などの高電圧トランジスタ(HVn)のブレークダウン電圧Vbdが測定される。なお、ウエハテストにおいては、ゲート電極Vg=0Vとの組み合わせ条件でソース電流及び基板電流が測定される。
【0077】
ロウデコーダのブレークダウン電圧検出処理(S2)において、例えばすべてのブロックが選択されていないときにはトランジスタQ1のゲート電圧は0Vでドレインには高電圧Vppが印加されているのでロウデコーダ22すべてのトランジスタQ1のブレークダウン電圧を測定できる(一番弱いトランジスタで決まる)。書き込み電圧Vwwは例えばVww=Vbd(HVn)−3Vに設定される。ステップS21で被測定トランジスタQ1の電源電圧Vppの設定値に初期値VPstartを設定して、
図3のトランジスタテスト回路により検出電流Ibd>基準電流Irefか否かが判断される。YESのときはステップS24に進む一方、NOのときはステップS23に進み、電源電圧Vppの設定値を所定のステップ値Vstepだけ増大させて設定して
図3のトランジスタテスト回路による検出電流Ibd>基準電流Irefの判断を繰り返す。ステップS24では、現在設定されている電源電圧Vppの設定値を当該ロウデコーダのときのブレークダウン電圧Vbd(Row)に設定して次の処理(S3)に進む。
【0078】
以上の処理(S2)では、ロウデコーダのブレークダウン電圧Vbdが測定される。この測定対象は、例えばロウデコーダの高電圧ディプレッション型NMOSトランジスタである。ブロックが選択されていない条件では、接地電流が測定される。当該電流は、実施形態4、5などのように、ソース電流及び基板電流と組み合わせてもよい。
【0079】
ワードラインドライバのブレークダウン電圧検出処理(S3)において、すべてのワードラインが選択されていないときはすべてのワードラインドライバトランジスタのゲートは0Vでドレインは書き込み電圧Vwwが印加されるのでロウデコーダ22すべてのワードラインドライバトランジスタのブレークダウン電圧を測定できる(一番弱いトランジスタで決まる)。電源電圧Vppは例えばVpp=Vbd(Row)−1Vに設定される。ステップS31でワードラインドライバの書き込み電圧Vwwの設定値にVbd(HVn)−2Vを設定して、
図3のトランジスタテスト回路により検出電流Ibd>基準電流Irefか否かが判断される。YESのときはステップS34に進む一方、NOのときはステップS33に進み、書き込み電圧Vwwの設定値を所定のステップ値Vstepだけ増大させて設定して
図3のトランジスタテスト回路による検出電流Ibd>基準電流Irefの判断を繰り返す。ステップS34では、現在設定されている書き込み電圧Vwwの設定値を当該ワードラインドライバのときのブレークダウン電圧Vbd(WLDV)に設定して当該モニタ及びテスト処理を終了する。
【0080】
以上の処理(S3)では、ワードラインドライバのブレークダウン電圧Vbdが測定される。ゲート電極Vg=0V及びドレイン電圧Vd=Vwwの条件のもとで、実施形態4、5などのように、基板電流が測定される。
【0081】
以上のロウデコーダやワードラインドライバの回路のブレークダウン電圧検出処理(S2,S3)であるが、評価としては、実際にブレークダウンを起こすようなレベルの電流でのブレークダウン電圧を検出する事は問題ないが、製品の出荷検査テストとしてのウエハテストでは問題がある。実際に破壊してしまう恐れがある。したがって、判定基準となる電流ibdおよびそれに対応する基準電流Irefには、評価用としての基準値と検査用としての基準値の少なくとも2種類の値が適用される。
【0082】
実施形態7.
図16は実施形態7に係るトランジスタテスト回路の構成例を示す回路図である。実施形態7のトランジスタテスト回路は、
図3のトランジスタテスト回路に比較して以下の点が異なる。
(1)基準バイアス電流発生回路56及びコンパレータ回路55に代えて、電流出力回路70を備えたこと。電流出力回路7は、制御電圧Vsense1がゲートに印加されるMOSトランジスタP2と、テストパッド60とを備え、制御電圧Vsense1によってミラーされ電流Ibdに対応する測定電流Impをテストパッド60に流す。測定電流Impはテストモードにおいてセレクタ回路(図示せず)を介して外部テスト装置に出力されて測定される。
(2)カレントミラー回路58のMOSトランジスタQ13,Q14のサイズ比を1:N(N≧1)に設定したこと。上記値Nを、1を超える値に設定することでサイズ比が1:1のときに比較して大きな測定電流Impを得ることができる。
【0083】
実施形態8.
図17は実施形態8に係るトランジスタテスト回路の構成例を示す回路図である。実施形態8に係るトランジスタテスト回路は、
図3のトランジスタテスト回路に比較して以下の点が異なる。
(1)電流検出回路53に代えて電流検出回路53Aを備え、MOSトランジスタQ13に代えて負荷抵抗R1を設けた。
(2)カレントミラー電圧出力回路54に代えてカレントミラー電圧出力回路54Aを備える。ここで、MOSトランジスタQ14に代えて可変抵抗R2及び負荷抵抗R3を設けた。MOSトランジスタP1のドレイン電圧VPSが抵抗R2,R3により分圧され、当該分圧された電圧は差動増幅器57の非反転入力端子に帰還される。ここで、可変抵抗R2の抵抗値を変化させることで上記電圧VPSを電流Ibdを正確にミラーするために最適な値に設定することができる。またR1、R3の抵抗値の値を適切に設定することによって次式のごとくミラー電流Imirrorを適宜変化させることができる。
【0085】
以上の実施形態では、負荷抵抗R1を用いているが、本発明はこれに限らず、公知の通り、ダイオード接続されたディプレッション型トランジスタ、もしくは電流Ibdが流れた時にドレイン電圧である検出電圧Vsenseが0V付近となるような所定のゲート電圧が印加されたエンハンスメント型MOSトランジスタ又はディプレッション型MOSトランジスタを用いてもよい。これらの変形例については、
図20A〜
図20Dを参照して後述する。
【0086】
実施形態9.
図18は実施形態9に係るトランジスタテスト回路の構成例を示す回路図である。実施形態9に係るトランジスタテスト回路は、
図3のトランジスタテスト回路に比較して以下の点が異なる。
カレントミラー電圧出力回路54に代えて、カレントミラー電圧出力回路54Bを備えた。ここで、カレントミラー電圧出力回路54Bは、差動増幅器57を備えず、以下の4つのミラー電流発生回路を備えたことを特徴としている。
(1)それぞれダイオード接続されたMOSトランジスタN14,N15と、P13の直列回路を備え、上記基準電流Irefのミラー電流であるImirror2対応したミラー電流Imirror1を流す第1のミラー電流発生回路。
(2)MOSトランジスタP15,N16の直列回路を備え、上記基準電流Iref対応するミラー電流Imirror2を流す第2のミラー電流発生回路。
(3)MOSトランジスタN12,P12,N13の直列回路を備え、上記基準電流Irefに対応するミラー電流Imirror3を流す第3のミラー電流発生回路。
(4)MOSトランジスタP11,N11,Q14の直列回路を備え、上記検出電流Ibdに対応するミラー電流Imirror4を流す第4のミラー電流発生回路。
なお、基準バイアス電流発生回路56からは基準電圧V_refがMOSトランジスタN13,N16及びN2の各ゲートに印加される。
【0087】
以上のように構成されたトランジスタテスト回路において、上記MOSトランジスタP13のソース電圧はVsense+Vtp(VtpはPチャンネルトランジスタの閾値)となり、上記MOSトランジスタN15のドレイン電圧はそれにVtn(VtnはNチャンネルトランジスタの閾値)を加えて、Vsense+Vtp+Vtnとなる。また、上記MOSトランジスタN12のゲート電圧は上記MOSトランジスタN14のゲート電圧と共通なので、N12のソース電圧はN14のソース電圧と同様にVsense+Vtp+Vtnとなり、上記MOSトランジスタP12のドレイン電圧はそれからVtpを減じたVsense+Vtnとなる。そして上記MOSトランジスタN11のソース電圧はさらにVtnを減じたVsenseとなるので、検出電流Ibdに対応してミラー電流Imirror4が流れ、当該ミラー電流Imirror4に対応してMOSトランジスタP11のドレインにおいてミラー電圧Vsense2が発生する。すなわち、検出電流Ibdに対応するミラー電圧Vsense2がMOSトランジスタP2のゲートに印加される。従って、コンパレータ回路55は実施形態1と同様に、検出電流Ibdを基準電流Irefと比較して反転された比較結果信号Vjudgeを出力する。
【0088】
実施形態10.
図19は実施形態10に係るトランジスタテスト回路の構成例を示す回路図である。実施形態10に係るトランジスタテスト回路は、
図3のトランジスタテスト回路に比較して、以下の点が異なる。
(1)カレントミラー電圧出力回路54に代えて、カレントミラー電圧出力回路54Cを備えた。具体的には、PMOSトランジスタP1のドレインは、ミラー電流Imirrorを調整する可変抵抗R2を介してMOSトランジスタQ14のドレイン及び差動増幅器57の非反転入力端子に接続される。
【0089】
以上のように構成された実施形態10によれば、実施形態1に係るトランジスタテスト回路の作用効果に加えて、可変抵抗R2により検出電流Ibdに対応するミラー電流Imirrorを調整することができる。
【0090】
変形例.
図20Aは
図3、
図16及び
図19のカレントミラー回路58の構成例を示す回路図である。
図20Bは変形例1に係るカレントミラー回路58Aの構成例を示す回路図である。変形例1に係るカレントミラー回路58Aは、
図20Aに比較して、MOSトランジスタQ13,Q14に代えてそれぞれ、負荷抵抗R11,R12を備えたことを特徴とし、負荷抵抗R11,R12の抵抗値を調整することで、検出電流Ibdとミラー電流Imirrorとの関係を調整することができる。
【0091】
図20Cは変形例2に係るカレントミラー回路58Bの構成例を示す回路図である。変形例2に係るカレントミラー回路58Bは、
図20Aのカレントミラー回路58に比較して、MOSトランジスタQ13,Q14の各ゲートに対して、検出電流Ibd及びミラー電流Imirrorがそれぞれ所定電流値となるように、所定のゲート電圧Vg1を印加したことを特徴とする。
【0092】
図20Dは変形例3に係るカレントミラー回路58Cの構成例を示す回路図である。変形例3に係るカレントミラー回路58Cは、
図20Cのカレントミラー回路58Bに比較して、ディプレッション型MOSトランジスタQ13,Q14に代えて、エンハンスメント型MOSトランジスタQ13E,Q14Eを備えたことを特徴とする。ここで、MOSトランジスタQ13E,Q14Eの各ゲートに対して、検出電流Ibd及びミラー電流Imirrorがそれぞれ所定電流値となるように、所定のゲート電圧Vg2を印加する。
【0093】
以上の実施形態においては、フラッシュメモリなどの半導体不揮発性記憶装置のための内部電源電圧発生回路について説明しているが、本発明はこれに限らず、DRAM、SDRAMなどの半導体揮発性記憶装置などの種々の半導体記憶装置、及びプロセッサなどを備えた半導体集積回路などの半導体装置に適用することができる。また、フラッシュメモリはNAND型に限らず、NOR型フラッシュメモリにも適用できる。さらに、実施形態6〜9は実施形態1〜5にも適用することができる。