(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一対のクランプ部材の少なくとも一つのクランプ部材は、前記携帯電話が前記ドックに固定された状態で、プラグを前記携帯電話のポートにアクセス可能とするためのノッチを持つ、請求項2または3に記載の患者コントロールユニット。
前記コードラップが、第一および第二の滑り止めアームを持つ滑り止めを備え、さらに前記第一と第二の滑り止めアームの間に位置するプラグポートを備え、前記プラグポートが、前記携帯電話のコードのプラグを受け入れるように構成されている、請求項5に記載の患者コントロールユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スマートフォンの別名でも知られる携帯個人用電話は、大部分の人々によって所有されている。これらの電話の多くの所有者は、それがなくては十分に機能できないと考えることがよくある。医療施設にいる患者は、医療施設に入院している間、自分の電話にアクセスできることを望む。しかし、今日市場に出回っている現在の患者保持装置は、患者保持装置に拘束されている間、スマートフォンを簡単に使用するための患者の希望には適切に対処していない。一部の患者および介護者は、患者の電話を介して互いにやりとりしたいと望む場合がある。患者が自分の電話にアクセスできる場合、医療施設にいる間の患者のケアのその他の側面が強化されうる。病院用ベッドに拘束されている間、患者が個人用電話を人間工学的により良く使用できるようになると、例えば、病院またはその他の医療施設にいる間の患者の経験を改善しうる。
【0004】
ベッドのマットレス保持デッキの頭部セクションが閾値角度を超えて上昇した状態で、患者が病院用ベッドなどの患者保持装置中に保持されることが時には望ましい。医療施設認定合同審査会(JCAHO)は、一部の条件下では、人工呼吸器関連肺炎(VAP)発生のリスクを減少させるため、仰臥位ではなく、患者を半臥位で病院用ベッド上に保持することを推奨している。JCAHOは、肺炎を防止するために、人工呼吸器を装着している患者のベッド頭部角度(HOBA)を少なくとも45度とすることを推奨している。皮膚損傷のリスクが高い患者では、肺炎および褥瘡の発症を防止するために、少なくとも30度のHOBAが推奨される。これに関しては米国特許第7,487,562号を参照のこと。
【0005】
一部の既存の病院用ベッドは、HOBA監視システムが作動または有効化されている時に、ベッドの頭部セクションが閾値角度より低くなった場合に、音が鳴るおよび/または、警報信号がナースコールコンピュータなどの遠隔コンピュータ装置に送られる警報を有する。このタイプの従来技術のベッドは、上述の'562特許に記述されている。ベッドの頭部角度警報を含め、介護者が応答しなければならない医療施設内の警報数を最小化することは、介護者の生産性を上げうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
装置、システム、または方法は、添付した請求項に詳説した機能および/または単独または任意の組み合わせにより特許性のある主題を構成しうる下記の機能のうち、一つ以上を備えうる。
【0007】
病院用ベッドの機能を制御する患者コントロールユニットが提供されうる。患者コントロールユニットは、病院用ベッドの機能を制御するための複数のユーザー入力を含みうる第一の側面を持つハウジングを含みうる。ハウジングは、携帯電話をハウジング上の定位置に固定するためのドックを含みうる第二の側面を持ちうる。
【0008】
ドックは、例えば、一対のクランプ部材を持ちうるクランプなどのクランプを備えうる。一対のクランプ部材の少なくとも一つのクランプ部材は、バネ式である場合があり、異なるサイズの携帯電話にドックが対応できるように移動可能でありうる。一対のクランプ部材の少なくとも一つのクランプ部材は、携帯電話がドックに固定された時、それを通してプラグが携帯電話のポートにアクセスできるノッチを持ちうる。
【0009】
一部の実施形態では、ハウジングは、第一の側面と第二の側面の間に延長する第一の側縁を持ちうる。第一の側縁は、携帯電話のコードの緩みをその周りに巻くことができるコードラップを含むように形成されうる。コードラップは、第一および第二の滑り止めアームを持ちうる滑り止めを備えうる。プラグポートは、第一と第二の滑り止めアームの間に位置付けうる。プラグポートは、携帯電話のコードのプラグを受け入れるように構成されうる。
【0010】
本開示によると、ハウジングは、病院用ベッドの患者位置監視システムが有効化された時に点灯する第一の「ベッドに留まる(stay-in-bed)」印を持ちうる。第一の「ベッドに留まる(stay-in-bed)」印は、携帯電話がドックに固定され、ハウジングの第二の側面がほぼ垂直に配向する時、携帯電話のほぼ上方に位置しうる。ハウジングは、病院用ベッドの患者位置監視システムが有効化された時に点灯する第二の「ベッドに留まる(stay-in-bed)」印を持ちうる。第二の「定位置に留まる(stay-in-place)」印は、ハウジングの第一の側面がほぼ垂直に配向された時、ユーザー入力の上方に位置しうる。
【0011】
さらに本開示によると、ハウジングの第一の側面上の複数のユーザー入力には、ナースコールボタンを含みうる。患者コントロールユニットは、ハウジングの第二の側面上に第二のナースコールボタンをさらに含みうる。第一および第二のナースコールボタンのそれぞれは、病院用ベッドからナースコールシステムにナースコール信号を送るために使用可能でありうる。第二のナースコールボタンは、携帯電話がドックに固定され、ハウジングの第二の側面がほぼ垂直に配向する時、携帯電話のほぼ下方に位置しうる。
【0012】
本開示によると、患者コントロールユニットは、ハウジングに連結された第一の端部を持ち、病院用ベッドに連結された第二の端部を持ちうるアーム組立品を含みうる。例えば、アーム組立品の第二の端部は、病院用ベッドの旋回可能な頭部セクションに連結されうる。アーム組立品は、病院用べッド上に保持された患者の胴体の上にハウジングを吊り下げるように構成されうるアームを含みうる。一部の実施形態では、ハウジングは、ハウジングの第一の側面が患者に提示されうる第一の位置と、ハウジングの第二の側面が患者に提示されうる第二の位置の間で、アームに対して旋回可能でありうる。ハウジングは、第一と第二の側面の間に延長する上縁を持つことができ、ハウジングの第一の端部はハウジングの上縁に連結されうる。
【0013】
ハウジングの第一および第二の側面は、互いにほぼ平行で、反対の方向を向いている。ハウジングは、ユーザー入力がハウジングの第一の側面上のグリップハンドルの上方に位置付けられ、ドックがハウジングの第二の側面上のグリップハンドルの上方に位置付けられうるように、ハウジングの底にグリップハンドルを画定しうる開口部を含むように形成されうる。一部の実施形態では、ハウジングは、第一の側面に向かって見た時、および第二の側面に向かって見た時、ほぼ台形の形でありうる。
【0014】
本開示の別の態様によると、患者保持装置はフレームおよび頭部セクションを備えうる。頭部セクションは、フレームに連結することができ、またフレームに対して上昇角度位置と下降角度位置の間を移動可能でありうる。例えば、頭部セクションは、患者の胴体の少なくとも一部を保持するように構成されうる。患者保持装置は、頭部セクションの角度位置を示すセンサー信号を提供する働きをしうるセンサーをさらに持ちうる。アクチュエータは、頭部セクションを、上昇角度位置と下降角度位置との間で移動させる働きをしうる。コントローラは、センサーおよびアクチュエータに連結されうる。コントローラは、頭部セクションを動かすためにアクチュエータに信号を送るように構成されうる。
【0015】
患者保持装置は、コントローラに連結されうる、ベッドの頭部角度(HOBA)ロックアウトセレクタを持ちうる。HOBAロックアウトセレクタは、オン状態とオフ状態を持ちうる。コントローラは、HOBAセレクタがオン状態の時、上昇角度位置と下降角度位置との間で画定されうる閾値HOBAよりも下に頭部セクションを動かすようにアクチュエータに信号を送ることができない場合がある。コントローラは、HOBAセレクタがオフ状態の時、上昇角度位置と下降角度位置との間の全可動域全体を通して頭部セクションを動かすようにアクチュエータに信号を送ることができる場合がある。
【0016】
センサーは、次のうち少なくとも一つを含みうる:電位差計、傾斜計、リミットスイッチ、または加速度計。一部の実施形態では、センサーはアクチュエータの構成要素として含まれうる。アクチュエータは、例えば電気線形アクチュエータを備えうる。
【0017】
HOBAロックアウトセレクタは、一部の実施形態では、ボタンまたはメンブレンスイッチを含みうる。別の方法としてまたは追加的に、HOBAロックアウトセレクタは、タッチスクリーンディスプレイ上に表示されうる。一部の実施形態では、HOBAロックアウトセレクタは、頭部セクション上に保持された患者から外側を向きうる表面など、患者保持装置のバリアの表面上に位置しうる。
【0018】
本開示によると、コントローラは、遠隔コンピュータから信号を受信して、オン状態とオフ状態の間でHOBAロックアウトセレクタを変えるように構成されうる。閾値HOBAは、コントローラに関連したメモリに保存されうる固定値でありうる。閾値HOBAは、第一の閾値角度と第二の閾値角度の間で選択可能でありうる。例えば、閾値HOBAは、患者保持装置の介護者グラフィカルインターフェースを使用して選択可能としうる。
【0019】
一部の実施形態では、HOBAロックアウトセレクタは、HOBAロックアウトセレクタがオン状態かオフ状態かを示すための視覚的インジケータを含みうる。視覚的インジケータは、例えば、発光ダイオードなどのライトを含みうる。HOBAロックアウトセレクタがオン状態の時にライトが点灯し、HOBAロックアウトセレクタがオフ状態の時にライトがオフになりうる。
【0020】
追加的な特徴は、上記に列挙したものおよび/または請求項に列挙したものを含めて、単独または他の任意の特徴と組み合わせて、特許性のある主題を構成すると考えられ、当業者にとっては、現時点で理解されている実施形態を遂行する最良の方法の例証となるさまざまな実施形態の下記の詳細な説明を考察することにより明らかとなる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に示されるように、説明のための病院用ベッド10などの患者保持装置は、フレーム12を含み、これは次にベースフレーム14、上部フレーム16、および患者保持デッキ18を含む。デッキ18は、頭部セクション20、シートセクション22、大腿セクション24ならびに足部セクション26を含む。ベッド10は、セクション20、22、24、26の上に保持された、当技術分野では患者保持面と呼ばれるマットレス28を持つ。セクション20、22、24、26の一つ以上は、患者をさまざまな位置に保持するために、上部フレーム16に対して選択的に移動可能である。ベッド10は、移動可能セクション20、22、24、26を動かし、当技術でよく知られているように、ベースフレーム14に対して上部フレーム16を上昇、下降、および傾けるさまざまなアクチュエータ(非表示)を含む。このようなアクチュエータを持つベッドの例は、米国特許第7,296,312号および第5,715,548号に表示および記述されており、そのそれぞれを、参照により、本開示と矛盾しない範囲で本明細書に明示的に組み込み、何らかの食い違いがある場合は本開示が優先するものとする。
【0023】
ベッド10は、4つのキャスター30(
図1ではそのうち2つのみが表示)および一対のバタフライブレーキペダル32(
図1ではそのうち1つのみが表示)を持ち、これらは当技術分野で知られているように、ブレーキリンクまたはその他の類似の機構を介してキャスター30にブレーキをかけ、またブレーキを解除するために使用される。これも良く知られた方法で、互いに対してベッドの一つの部分を上昇・下降させるために、別の足ペダル組立品34が例示的ベッド10のベースフレーム14上に提供されている。一対の押しハンドル36がベッド10の頭部端38に提供されており、キャスター30にブレーキがかかっていない、またはブレーキが解除されている時に、一つの場所から別の場所までベッド10を押すために介護者によって使用される。
【0024】
ベッド10は、ベッド10の足側端42で足部デッキセクション18に連結されたフットボード40を持つ。説明のための例では、介護者コントロールポッド44は、フットボード40のトップバー46の中央領域から上方に延長する。介護者コントロールが、ボタン、スイッチ、タッチスクリーンディスプレイ、および同類の物のうち一つ以上などのユーザー入力の形態で、マットレス28とは反対を向くポッド44の表面上に提供される。従って、介護者コントロールは、一般的にはマットレス28上に横になっている患者からはアクセスできない。一部の実施形態では、ポッド44上の介護者コントロールは、
図2、4、および5に関連して下記で考察されるユーザー入力の一つ以上に類似している。介護者コントロールの追加例は、米国特許出願公開番号第2012/0089419(A1)、第2012/0073054(A1)および第2008/0235872号に記載されており、そのそれぞれを参照により、本開示と矛盾しない範囲で本明細書に明示的に組み込み、何らかの食い違いがある場合は本開示が優先するものとする。
【0025】
ベッド10は、
図1に示されるように、一式のサイドレール48a、48b、48c、48dも含む。説明のための例では、サイドレール48a、48bは、頭部端サイドレール(「頭部レール」とも呼ばれる)であり、サイドレール48c、48dは足側端サイドレール(「足部レール」とも呼ばれる)である。サイドレール48a、48b、48c、48dのそれぞれは、それぞれのサイドレール48a、48b、48c、48dがそれぞれの上昇角度位置(
図1に表示)からそれぞれの下降位置(非表示)まで移動できるように、ロック機構を解除するためにそれを通して解除ハンドル(非表示)にアクセスできる手受け入れ用窪み50を持つ。サイドレール48aは、その中に形成された電話受け入れ用窪み52を含む。サイドレール48cは、そのトップレール55に形成された第一のタブレット受け入れ用窪み53、およびその本体56に形成された第二のタブレット受け入れ用窪み54を持つ。
【0026】
窪み52は、そこに患者の個人用携帯電話60(例えば、スマートフォン)を受け入れるように、サイズ調整および構成されている。
図1に示されるように、保持バー57がサイドレール48a上に提供されており、そこに電話60を保持するのを助けるために窪み52に渡って横切っている。窪み53、54は、患者の個人用タブレットコンピュータ62を受け入れるようにサイズ調整および構成されている。保持バー58がサイドレール48cのレール55上に提供されており、そこにタブレットコンピュータ62の上部を保持するのを助けるために窪み53を渡って横切っており、保持リブ59は、そこにタブレットコンピュータ62の下部を保持するのを助けるために、窪み54に隣接するサイドレール48cの本体56から上方へ延長している。窪み52、53、54は、マットレス28およびそこに保持される患者の方に向いたサイドレール48a、48cの表面上に提供されている。一部の実施形態では、サイドレール48b、48dの類似の表面も類似の窪みおよび付随する保持バーと保持リブを含むが、ほとんどの患者は一般的に一つの個人用電話および/または一つの個人用タブレットコンピュータのみを持つため、必ずしも必要ではない。しかし、例示的窪み52、53、54を持つサイドレール48a、48b、48c、48dすべてを提供することにより、一つの腕しか使えない患者が、それぞれのデバイスの保管のためにベッド10の適切な側面を選択できる。
【0027】
ベッド10は、
図1に示されるように、ほぼ台形の形状のハウジング72およびアーム組立品74を含む患者コントロールユニット70も含む。
図2に示されるように、ハウジング72は、ほぼ平面の第一の側面76(
図2で最も良く示されている)、ほぼ平面の第二の側面78(
図3(a)で最も良く示されている)、および上縁80、第一の側縁82、第二の側縁84、および下縁86を含む周辺縁を持つ。縁80、82、84、86は第一および第二の側面76、78を相互接続して、ハウジング72の全体的形状を形成する。アーム組立品74は、ハウジング72の上縁80に連結された第一の端部88、およびベッド10のフレーム12の頭部セクション20に連結された第二の端部90を持つ。アーム組立品74は、患者の胴体領域のほぼ上方の患者が手でハウジング72を簡単に掴めるような位置にハウジング72を吊るすように、サイズ調整および構成されている。
【0028】
次に
図2を参照すると、患者コントロールユニットのハウジング72の第一の側面76は、ユーザー入力および以下を含むさまざまな印を持つ:
マットレスを固くするボタン92 − ベッド10の空気圧システムに信号を送って、マットレス28の一つ以上の空気袋の圧力を増加させるために押す、
マットレスを柔らかくするボタン94 − ベッド10の空気圧システムに信号を送って、マットレス28の一つ以上の空気袋の圧力を減少させるために押す、
患者離床ボタン96 − マットレス28の一つ以上のシートゾーン袋の圧力を増加させるために、患者がマットレス28の側面から離床する時に押す、
室内灯ボタン98 − 室内灯を点けたり消したりするために押す、
ナースコールボタン100 − ナースコールシステムの一つ以上のコンピュータ装置(遠隔コンピュータ装置を含む)に信号を送るために押す、
読書灯ボタン102 − 読書灯を点けたり消したりするために押す、
頭部上昇ボタン104 − 頭部セクション20を上昇させるようにベッド10の制御システムに信号を送るために押す、
頭部下降ボタン106 − 頭部セクション20を下降させるようにベッド10の制御システムに信号を送るために押す、
大腿部上昇ボタン108 − 大腿部セクション24を上昇させるようにベッド10の制御システムに信号を送るために押す、
大腿部下降ボタン110 − 大腿部セクション24を下降させるようにベッド10の制御システムに信号を送るために押す、
足部上昇ボタン112 − 足部セクション26を上昇させるようにベッド10の制御システムに信号を送るために押す、
足部下降ボタン − 足部セクションを下降させるようにベッド10の制御システムに信号を送るために押す、
足部セクションロックアウト印116 − 足部セクション26が動かないようにロックアウトされた時に点灯する、
足部セクションロックアウト印118 − 大腿部セクション24が動かないようにロックアウトされた時に点灯する、
頭部セクションロックアウト印120 − 頭部セクション20が動かないようにロックアウトされた時に点灯する、
電話キーパッド122 − 患者が電話をかける時に使用するための、従来の電話キーパッドのように配置された数字0〜9のボタンを含む、
ラジオボタン124 − ラジオを点けたり消したりするために押す、
テレビボタン126 − テレビを点けたり消したりするために押す、
チャンネルアップボタン128 − 場合によって、ラジオチャンネルまたはテレビチャンネルを上げるために押す、
チャンネルダウンボタン130 − 場合によって、ラジオチャンネルまたはテレビチャンネルを下げるために押す、
音量アップボタン132 − 場合によって、ラジオ音量またはテレビ音量を上げるために押す、
音量ダウンボタン134 − 場合によって、ラジオ音量またはテレビ音量を下げるために押す、
【0029】
図2に示されるように、スピーカー(非表示)は、第一の側面76の上隅部分にあるスピーカーグリル136の後ろに位置する。ハウジング72の大きな開口部138は、ハウジング72を再位置付けするために患者が掴むハンドグリップ140を画定する。ハウジング72の上縁80の中央部には隆起したボス142が提供されており、アーム組立品74の第一の端部88がボス142内に受け入れられる。ハウジング72は、少なくとも180度から一部の実施形態では約360度まで、アーム組立品74の第一の端部88に対して回転可能である。従って、ハウジングの第一の側面76がベッド10上の患者に提示される第一の位置と、ハウジング74の第二の側面78がベッド10上の患者に提示される第二の位置の間で、ハウジング72はアーム組立品74に対して旋回可能である。「ベッドに留まる」印は、ボス142上に提供され、ベッド10の患者位置監視(PPM)システムが有効化された時に点灯する。従って、点灯した印144は、PPMシステムが有効化されている時、ベッドから出ないように患者に知らせる。
【0030】
次に
図3(a)を参照すると、ハウジング72の第二の側面78は、携帯電話148をハウジング72上の定位置に固定するためのドック146を含む。説明のための例では、ドック146は、一対のクランプ部材150、152を含むクランプとして構成されている。クランプ部材152は、バネ式であり、ドック146が異なるサイズの携帯電話に対応できるように、クランプ部材150に向かったり遠ざかったりするように移動可能である。バネ154は
図3(a)では図式的に(点線で)示されている。バネ154は、クランプ部材152にバネバイアスをかける。従ってクランプ部材150は、説明のための例では固定クランプ部材である。その他の実施形態では、ボスクランプ部材150、152は、移動可能でバネバイアスである。クランプ部材150、152はそれぞれ、携帯電話148がドックに固定された時、それを通してプラグ158が携帯電話148のポート160にアクセスできるノッチ156を持つ。部材150、152のノッチ156は、電話148をハウジング72のどちらの方向でも固定できるようにし、それでも一つのノッチ156またはもう一方を通してポート160にアクセスできる。
【0031】
依然として
図3(a)を参照すると、第一の側縁82および第二の側縁84はそれぞれ、必要な場合は携帯電話148のコード164の緩みをその周りに巻くコードラップ162を含むように形成される。説明のための例では、コードラップ162のそれぞれは、第一および第二の滑り止めアーム162a、162bを持つ滑り止めの形態である。プラグポート166は、コードラップ162の一つまたは両方の第一と第二の滑り止めアーム162a、162bの間に位置する。プラグポート166は、携帯電話148のコード164のプラグ168を受け入れるように構成される。説明のための例では、プラグポート166は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポートである。
【0032】
ハウジング72の説明のための例では、別の「ベッドに留まる」印144'が、ハウジング72の第二の側面78上のボス142に提供されている。印144'は、携帯電話148がドック146に固定された時、携帯電話148のほぼ上方に位置し、ハウジング72の第二の側面78は、
図3(a)に示されるようにほぼ垂直に配向されている。印144'は、上述の印144と同じ時、および同じ目的で点灯する。ナースコールボタン100'は、ハウジング72の第二の側面78上に提供されており、携帯電話148がドック146に固定され、ハウジング72の第二の側面78がほぼ垂直に配向する時、携帯電話148のほぼ下方に位置する。
【0033】
次に
図3(b)〜(e)を参照すると、電話148が患者コントロールユニット70にドッキングされている間に使用される場合の電話148のさまざまな用途が説明されている。
図3(b)では、電話148は医師のビデオ会議に使用されている。
図3(c)では、電話148は家族のビデオ会議に使用されている。
図3(d)では、携帯電話148は、医療施設からダウンロードしたソフトウェアを動作させるために使用されている。このようなソフトウェアには、例えば、特定のメッセージを割り当てられた介護者の無線ポータブル通信装置(別の携帯電話など)に送る結果をもたらすアイコンを患者が選択できるようにする。
図3(e)では、電話148はゲームをするために使用されている。
図3(f)に示されるように、電話148およびハウジング72は、頭部セクション20が上昇し、患者がベッドに座っている時、患者が見ることもできる。
【0034】
図4に図式的に示されるように、ベッドの頭部角度ロックアウトシステム170は、頭部セクション20の角度位置を決定する働きをするベッドの頭部角度(HOBA)センサー172、HOBAロックアウトセレクタ174およびコントローラ176を含む。コントローラ176は、そこから信号を受信するために、角度センサー172およびHOBAロックアウトセレクタ156に連結されている。その場合、頭部セクション20が閾値角度(いくつかの例を挙げると、30度または45度など)より下には移動できない、HOBAロックアウトシステム170が有効化されていない限り、コントローラ176は、アクチュエータ178を有効化して頭部セクション20を動かす。
【0035】
頭部セクション20は、上部フレーム16に対して単純旋回軸の周りを旋回することが、
図20に図式的に示されている。しかし、一部の実施形態では、頭部セクション20は、移動軸または複合軸または同種のものの周りを旋回する。その結果、ベッドの一つのデッキセクションを別のものに連結するためのすべてのタイプの接続が本開示の範囲内であり、いくつかの例を挙げると、単純旋回軸、複合旋回軸、せん断低下旋回軸、および弓形のトラックまたはスロットを持つ旋回軸が含まれる。
【0036】
依然として
図4を参照すると、コントローラ176は、ユーザー入力180、警報182、および随意にナースコールシステム、電子的医療記録(EMR)システム、入院/退院/移動(ADT)システムまたは同種のもののコンピュータなどの遠隔コンピュータ装置184にも連結されている。ユーザー180は、
図2に関連して上述したユーザー入力、および例えば、
図1の介護者コントロールポッド44上のユーザー入力を含む。警報182は、コントローラ176によって感知された警報状態を示すために、聴覚的、視覚的、および/または触覚的に有効化される。従って、
図4のコントローラ176ブロックは、
図4に別に示されたもの以外のベッド10の電気的構成要素のすべてを図式的に示すことを目的としている。一部の実施形態では、コントローラ176は、コントローラエリアネットワーク(CAN)などの、ネットワーク設定に相互接続するさまざまな回路モジュールを備える。この種類のベッドネットワーク設定の詳細は、米国特許番号第6,658,680号、第6,691,346号、第6,957,461号、および第7,296,312号に表示・記述されており、そのそれぞれを参照により、本開示と矛盾しない範囲で本明細書に組み込み、何らかの食い違いがある場合は本開示が優先するものとする。
【0037】
頭部セクション20のベッドの頭部角度は、例えば上部フレーム16、シートセクション22、またはベースフレーム14などのベッド10のその他の任意の部分に対して、または水平または垂直に対して測定または計算されうることが、本開示で意図されている。従って、いくつかの例を挙げると、電位差計、リミットスイッチ、ボールスイッチ、加速度計、傾斜計、線形可変差動変圧器(LVDT)、またはホール効果センサーなどの一つ以上の角度センサー172をベッド10上に提供して、ベッド構成要素の角度を測定または計算するために使用される信号を提供して、頭部セクション20のベッドの頭部角度を導き出すことが意図されている。一部の実施形態では、角度センサー172はアクチュエータ178の構成要素として含まれる。このような実施形態では、アクチュエータ178は、例えば電気線形アクチュエータを備えうる。
【0038】
使用されるセンサーのタイプに関わらず、角度センサー172は、ベッド10の頭部セクション20の角度位置を示すセンサー信号をコントローラ176に提供する。HOBAロックアウトシステム170が無効化または解除(これらの用語は互換的に使用されるよう意図されている)された時、アクチュエータ178は、コントローラ176の命令下、頭部セクション20を上昇角度位置と下降位置の間で動かす働きをする。
図1は、例えば頭部セクション20が下降位置にあることを示し、
図4の最も上の点線は、頭部セクション20の上昇角度位置を示す。
図5では、頭部セクション20自体が、上昇位置と下降位置の間の中間位置にあることが示されている。
【0039】
HOBAロックアウトセレクタ174は、オン状態とオフ状態を持つ。コントローラ176は、HOBAセレクタがオン状態の時、上昇角度位置と下降角度位置との間で画定された閾値HOBAより下に頭部セクション20を動かすようにアクチュエータ178に信号を送ることはできない。コントローラ176は、HOBAロックアウトセレクタがオフ状態の時、上昇角度位置と下降角度位置の間の全可動域全体を通して頭部セクション20を動かすようにアクチュエータ178に信号を送ることができる。HOBAロックアウトセレクタがオン状態の時に閾値角度より下に頭部セクション20を下降させようとすることは、一部の実施形態では警報状態と見なされ、コントローラ176が警報182を有効化および/または警報信号を遠隔コンピュータ装置184に送るという結果になる。
【0040】
HOBAロックアウトセレクタ174は、一部の実施形態ではボタンまたはメンブレンスイッチを含む。別の方法としてまたは追加的に、HOBAロックアウトセレクタ174は、ベッド10のタッチスクリーンディスプレイ上に表示される。一部の実施形態では、HOBAロックアウトセレクタ174は、例えばフットボード40またはサイドレール48a、48b、48c、48dなどの、境界の表面上に位置する。典型的には、セレクタ174がその上に位置する表面は、ベッド10上に保持された患者から反対側を向いている。
【0041】
追加的または別の方法として、一部の実施形態では、コントローラ176は、遠隔コンピュータ装置184からの信号を受信して、HOBAロックアウトセレクタ174をオン状態とオフ状態の間で変えるように構成されている。閾値HOBAは、一部の実施形態では、コントローラ176に関連したメモリに保存されうる固定値である。別の方法としてまたは追加的に、閾値HOBAは、第一と第二の閾値角度の間で、または実際に望ましい閾値角度の任意の数字に選択可能である。例えば、閾値HOBAは、患者保持装置10の介護者グラフィカルインターフェースを使用して選択可能としうる。
【0042】
次に
図5を参照すると、一つのロックアウトセレクター174例は、オン状態とオフ状態を切り替えるために連続的に押すボタンを備える。例えば、ボタンはメンブレンスイッチの一部として含まれる。説明のための例では、HOBAロックアウトセレクタ174は、HOBAロックアウトセレクタ174がオン状態かオフ状態かを示すための視覚的インジケータ186を含みうる。視覚的インジケータ186は、例えば、発光ダイオードなどのライトを含みうる。HOBAロックアウトセレクタ174がオン状態の時にライトが点灯し、HOBAロックアウトセレクタがオフ状態の時にライトがオフになりうる。
図5の説明のための例では、印188は閾値HOBAが30度であることを示す。複数の閾値HOBAを持つベッド10の実施形態では、例示的ボタン174に類似のその他のボタンが、関連するHOBA閾値を示すそれぞれの印と共に提供されている。従って、印188に45度、60度などの表示を持つボタンが、本開示で意図されている。このようなボタンは、コントロールパネル上に互いに隣接して位置することがあり、介護者は閾値HOBAに対して望ましいロックアウト角度を選択する。次に、どのボタンが選択されるかに応じて、コントローラ176は頭部セクション20が示される選択閾値HOBAよりも下に降下されるのを防ぐ。
【0043】
一定の例証的な実施形態について上記に詳細に説明してきたが、下記の請求項で説明および定義されるこの開示内容の範囲および精神内で、変形や変更が存在する。
【0044】
患者保持装置であって、フレームと、前記フレームに連結され、上昇角度位置と下降角度位置の間を前記フレームに対して移動可能である頭部セクションであって、前記頭部セクションが、患者の胴体の少なくとも一部を保持するように構成されている頭部セクションと、前記頭部セクションの角度位置を示すセンサー信号を提供する働きをするセンサーと、前記頭部セクションを、前記上昇角度位置と下降角度位置との間で移動させる働きをするアクチュエータと、前記センサーおよび前記アクチュエータに連結されたコントローラであって、前記コントローラが、前記頭部セクションを動かすために前記アクチュエータに信号を送るように構成されているコントローラと、前記コントローラに連結されたベッドの頭部角度(HOBA)ロックアウトセレクタであって、前記HOBAロックアウトセレクタがオン状態およびオフ状態を持ち、前記HOBAセレクタが前記オン状態の時に、前記コントローラが、前記上昇角度位置と下降角度位置の間に画定された閾値HOBAより下に頭部セクションを動かすようにアクチュエータに信号を送ることができず、前記HOBAセレクタが前記オフ状態の時に、前記コントローラが、前記上昇角度位置と下降角度位置との間の全可動域全体を通して前記頭部セクションを動かすように前記アクチュエータに信号を送ることができるベッドの頭部角度(HOBA)ロックアウトセレクタとを備える、患者保持装置。
【0045】
前記センサーが、電位差計、傾斜計、リミットスイッチ、または加速度計のうち少なくとも一つを含む、段落[0044]に記載の患者保持装置。
【0046】
前記センサーが前記アクチュエータの構成要素として含まれる、段落[0044]に記載の患者保持装置。
【0047】
前記アクチュエータが電気線形アクチュエータを備える、段落[0046]に記載の患者保持装置。
【0048】
前記HOBAロックアウトセレクタが、ボタンまたはメンブレンスイッチを備える、段落[0044]に記載の患者保持装置。
【0049】
前記HOBAロックアウトセレクタが、タッチスクリーンディスプレイ上に表示される、段落[0044]に記載の患者保持装置。
【0050】
前記HOBAロックアウトセレクタクタが前記患者保持装置の境界の表面上に位置し、前記表面が、前記頭部セクション上に保持されている患者とは反対を向いている、段落[0044]に記載の患者保持装置。
【0051】
前記コントローラが、遠隔コンピュータから信号を受信して、前記オン状態と前記オフ状態の間で前記HOBAロックアウトセレクタを変えるように構成されている、段落[0044]に記載の患者保持装置。
【0052】
前記閾値HOBAが、前記コントローラと関連したメモリに保存された固定値である、段落[0044]に記載の患者保持装置。
【0053】
前記閾値HOBAが、第一と第二の閾値角度の間で選択可能な、段落[0044]に記載の患者保持装置。
【0054】
前記閾値HOBAが、前記患者保持装置の介護者グラフィカルインターフェースを使用して選択可能な、段落[0053]に記載の患者保持装置。
【0055】
前記HOBAロックアウトセレクタが、前記HOBAロックアウトセレクタが前記オン状態か前記オフ状態かを示すための視覚的インジケータを含む、段落[0044]に記載の患者保持装置。
【0056】
前記視覚的インジケータがライトを備える、段落[0055]に記載の患者保持装置。
【0057】
前記ライトが発光ダイオードを備える、段落[0056]に記載の患者保持装置。
【0058】
前記HOBAロックアウトセレクタが前記オン状態の時に前記ライトが点灯し、前記HOBAロックアウトセレクタが前記オフ状態の時に前記ライトがオフになる、段落[0055]に記載の患者保持装置。