【文献】
ワンチップモノリシック回転角度センサIC(型番EM3242)仕様書,日本,旭化成エレクトロニクス株式会社,2009年11月,p.1、6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
<電動リールの全体構成>
図1、
図2、
図3、
図4及び
図5において、本発明の一実施形態を採用した電動リール100は、外部電源から供給された電力により駆動されるとともに、手巻きの両軸受リールとして使用するときの電源を内部に有する小型の電動リールである。また、電動リール100は糸繰り出し長さ又は糸巻取長さに応じて仕掛けの水深を表示する水深表示機能を有するリールである。
【0019】
電動リールは、釣り竿に装着可能であり水深表示部4を有するリール本体1と、ハンドル2と、スプール10と、クラッチ操作部材11と、モータ12と、スプール駆動機構13(
図5参照)と、クラッチ機構16(
図4参照)と、を備える。また、電動リール100は、調整部材5と、検出子34(
図4参照)と、位相検出部35(
図4参照)と、リール制御部70(
図10参照)と、をさらに備える。ハンドル2は、リール本体1に回転可能に設けられる。スプール10は、リール本体1に回転可能に設けられる。クラッチ操作部材11は、クラッチ機構16をオンオフ操作するためのものであり、リール本体1の後部に移動可能に設けられる。モータ12は、リール本体1に設けられ、スプール10を回転駆動する。クラッチ機構16は、ハンドル2の回転をスプール10に伝達可能なクラッチオン状態と、ハンドル2の回転をスプール10に伝達不能なクラッチオフ状態と、にクラッチ操作部材11の操作によって切換可能である。調整部材5は、リール本体1に回動可能に設けられる。調整部材5は、回動位置に応じてモータ12の出力を調整するための部材である。検出子34は、調整部材5に設けられ、調整部材5の回動位置を検出するために設けられる。位相検出部35は、検出子34の位相検出部35に対する相対的な回転位相を検出可能である。スプール駆動機構13は、ハンドル2及びモータ12の駆動力に応じてスプール10を駆動する。リール制御部70は、モータ12の出力を調整部材5の回動位置に応じて複数段階に調整するモータ制御部の機能を有する。例えば、スプール10の回転速度が複数段階に調整される。また、例えば、釣り糸に作用する張力が複数の段階に調整される。リール制御部70は、水深表示部4を表示制御する表示制御機能も有する。
【0020】
<リール本体>
リール本体1は、フレーム7と、第1側カバー8aと、第2側カバー8bと、前カバー9と、前述した水深表示部4と、を備える。フレーム7は、例えば合成樹脂又は金属製の一体形成された部材である。フレーム7は、第1側板7aと、第2側板7bと、第1側板7aと第2側板7bとを連結する第1連結部材7c、第2連結部材7d及び第3連結部材7eと、を有する。第2側板7bは、第1側板7aと左右方向(
図4左右方向)に間隔を隔てて配置される。第1側カバー8aは、フレーム7のハンドル2装着側を覆う。第2側カバー8bは、フレーム7のハンドル2装着側と逆側を覆う。前カバー9は、フレーム7の前部を覆う。
【0021】
第1側板7aは、側板本体19aと、側板本体19aと間隔を隔てて配置され、各種の機構を装着するための機構装着板19bを有する。側板本体19aは、
図5に示すように、ボス部19cを有する。ボス部19cには、ブッシュ65が回転不能に装着されている。機構装着板19bは、以下に示す各種の機構を装着するために設けられる。機構装着板19bは、側板本体19aの外側面にネジ止め固定されている。
図4及び
図5に示すように、側板本体19aと第1側カバー8aとの間に、スプール駆動機構13と、クラッチ機構16を制御するクラッチ制御機構20と、スプール10の糸繰り出し方向の回転を制動するドラグ機構23(
図5参照)と、が設けられている。第1側カバー8aには、スプール10を制動するキャスティングコントロール機構21が設けられている。キャスティングコントロール機構21は、後述するスプール軸14の両端を押圧してスプール10を制動する機構である。
【0022】
第1側板7aと第2側板7bとの間には、スプール10と、クラッチ機構16と、スプール10に釣り糸を均一に巻き付けるためのレベルワインド機構22と、が設けられている。レベルワインド機構22は、
図10に示すように、交差する螺旋状溝が形成されたトラバースカム軸63と、トラバースカム軸63の回転によってスプール10の前方でスプール軸14と平行な軸方向に往復移動する釣り糸ガイド64と、を有する。トラバースカム軸63のハンドル2側の端部は、
図5に示すように、ブッシュ65を介してボス部19cに回転自在に支持される。
【0023】
第2側板7bには、
図4に示すように、スプール10が通過可能な円形開口7fが形成されている。円形開口7fには、スプール10のスプール軸14の第1端(
図4左端)を回転自在に支持するスプール支持部17が芯出しされて装着されている。スプール支持部17は、第1側板7aの外側面にネジ止め固定されている。スプール支持部17には、スプール軸14の第1端を支持する第1軸受18aが収納される。
【0024】
第1連結部材7cは、第1側板7a及び第2側板7bの下部を連結する。第2連結部材7dはスプール10の前部を連結する。第1連結部材7cは、板状の部分であり、その左右方向の略中央部分に釣り竿に取り付けるための釣り竿装着部7gが一体形成されている。なお、釣り竿装着部7gは、フレーム7と別体であってもよい。第2連結部材7dは、概ね円筒状の部分であり、その内部にモータ12(
図2及び
図10参照)が収容されている。第3連結部材7eは、リール本体1の後部を連結する円弧状に湾曲した概ね板状の部分である。
【0025】
第1側カバー8aには、駆動軸30を回転自在に支持するための第1ボス部8cが外方に突出して形成されている。第1ボス部8cの後方には、スプール軸14の第2端を支持する第2ボス部8dが外方に突出して形成されている。
【0026】
第2側カバー8bは、第2側板7bの外縁部に例えばネジ止めされている。第2側カバー8bの前部下面には、
図3に示すように、電源ケーブル接続用のコネクタ15が下向きに装着されている。
【0027】
ハンドル2は、第1側カバー8a側に設けられている。ハンドル2は、
図1及び
図2に示すように、ハンドルアーム2aと、ハンドルアーム2aの先端に装着されたハンドル把手2bと、を有している。ハンドル2は、第1側板7a側に装着される。ハンドル2は、リール本体1に回転自在に支持された駆動軸30に一体回転可能に連結される。
【0028】
前カバー9は、第1側板7a及び第2側板7bの前部外側面の上下2箇所で、例えばネジ止め固定されている。前カバー9には、釣り糸通過用の横長の開口(図示せず)が形成されている。前カバー9は、水深表示部4の後述するケース部材36の前下面を覆う。
【0029】
水深表示部4は、釣り糸の先端に装着可能な仕掛けの水深を表示可能である。水深表示部4は、
図1及び
図10に示すように、第1側板7a及び第2側板7bの上部に載置されるケース部材36を有する。ケース部材36は、第1側板7a及び第2側板7bの外側面にネジ止め固定される。水深表示部4は、表示操作を行うための複数(例えば3つ)の操作ボタンを有するスイッチ操作部6を有する。
【0030】
ケース部材36の内部には、
図10に示すように、リール制御部70と、水深表示用の液晶ディスプレイからなる表示器72と、主回路基板74aと、副回路基板74bと、モータ駆動回路76と、が収納されている。リール制御部70は、例えば、マイクロコンピュータによって構成される。主回路基板74aには、表示器72と、リール制御部70と、モータ駆動回路76と、が搭載される。副回路基板74bには、位相検出部35が搭載される。副回路基板74bは、主回路基板74aと電気的に接続される。副回路基板74bは、主回路基板74aに対して直交してケース部材36の後部に配置される。
【0031】
ケース部材36は、両側がそれぞれ第1側板7a及び第2側板7bに沿って後方に延びている。
図4に示すように、ケース部材36の第1側板7a側の後部には、下部が開口する基板収容空間36hが形成される。この基板収容空間36hに副回路基板74bが収容される。ケース部材36の第2側板7b側の後部は、第2側板7bの上部及び第2側カバー8bの上部を覆っている。
【0032】
<スプール>
スプール10は、スプール軸14に一体回転可能に装着されている。スプール10は、
図4に示すように、筒状の糸巻胴部10aと、糸巻胴部10aの両側に一体形成された大径の第1フランジ部10b及び第2フランジ部10cと、を有している。第1フランジ部10bは、第1側板7a側に設けられ、第2フランジ部10cは第2側板7b側に設けられる。スプール軸14は、糸巻胴部10aの内周部に圧入等の適宜の固定手段により固定されている。
【0033】
スプール軸14の第1端は、前述したようにスプール支持部17において第1軸受18aにより支持されている。スプール軸14の第2端(
図4右端)は、第1側カバー8aの第2ボス部8dに第2軸受18bにより支持されている。
【0034】
スプール軸14のスプール固定部分より第2軸受18b側には、クラッチ機構16を構成するクラッチピン16aが径方向を貫通して装着されている。
【0035】
<クラッチ機構>
クラッチ機構16は、
図4に示すように、クラッチピン16aと、ピニオンギア32の
図3左側端面に径方向に沿って十字に凹んで形成されたクラッチ凹部16bと、を有している。ピニオンギア32は、クラッチ機構16を構成するとともに、スプール駆動機構13の後述する第1回転伝達機構24を構成している。ピニオンギア32は、スプール軸14方向に沿って、
図4に示すクラッチオン位置とクラッチオン位置より
図4右側のクラッチオフ位置との間で移動する。クラッチオン位置では、クラッチピン16aがクラッチ凹部16bに係合してピニオンギア32の回転がスプール軸14に伝達され、クラッチ機構16は、クラッチオン状態になる。このクラッチオン状態では、ピニオンギア32とスプール軸14とが一体回転可能になる。また、クラッチオフ位置では、クラッチ凹部16bがクラッチピン16aから離反してピニオンギア32の回転がスプール軸14に伝達されない。このため、クラッチ機構16は、クラッチオフ状態になり、スプール10は自由回転可能になる。
【0036】
<クラッチ制御機構>
クラッチ制御機構20は、クラッチ操作部材11の
図10に実線で示すクラッチオン位置と
図10に二点鎖線で示すクラッチオフ位置との間の揺動によりクラッチ機構16をクラッチオン状態とクラッチオフ状態とに切り換えるために設けられる。クラッチ制御機構20は、
図5に示すように、スプール軸14回りに第1位置と第2位置とに回動するクラッチカム40と、クラッチカム40に係合するクラッチヨーク41と、クラッチカム40とクラッチ操作部材11とを連結するクラッチプレート42と、を有する。クラッチプレート42は、クラッチカム40と一体的に回動する。クラッチカム40は、機構装着板19bに回動自在に支持される。クラッチカム40は、回動によってクラッチヨーク41を移動させるための一対のカム部40aを有する。
【0037】
クラッチヨーク41は、ピニオンギア32をスプール軸方向にクラッチオフ位置とクラッチオン位置に移動させるために設けられる。クラッチヨーク41は、クラッチカム40のカム部40aに係合するカム受け部(図示せず)と、ピニオンギア32に係合する円弧部41aを有し、クラッチカム40が第1位置から第2位置に回動すると、クラッチオン位置からスプール軸方向外方(
図5右側)のクラッチオフ位置に移動する。これにより、ピニオンギア32が軸方向外方(
図5右側)に移動し、ピニオンギア32とクラッチピン16aとの係合が解除され、クラッチ機構16がクラッチオフ状態になる。クラッチヨーク41は、機構装着板19bに装着された一対のガイド軸49によって軸方向に案内される。クラッチヨーク41は、ガイド軸49に装着された一対のコイルバネ44によってクラッチオン位置に向けて付勢される。したがって、クラッチカム40が第2位置から第1位置に回動すると、クラッチヨーク41は、クラッチオフ位置からクラッチオン位置に戻り、ピニオンギア32がクラッチオン位置に戻る。なお、クラッチカム40の第2位置から第1位置への復帰動作は、図示しないクラッチ戻し機構によって、クラッチオフ状態でのハンドル2の糸巻取方向に回転によっても実現される。
【0038】
クラッチプレート42は、クラッチ操作部材11の揺動によってクラッチカム40を回動させるために設けられる。クラッチプレート42は、例えば金属板を折り曲げて形成される。クラッチプレート42は、クラッチカム40に係合する係合部42aと、係合部42aから径方向に延びた後にクラッチ操作部材11に向けて折れ曲がる装着部42bと、を有する。係合部42aは、クラッチカム40の回動に連動して回動する。装着部42bは、クラッチ操作部材11に固定される。
【0039】
<クラッチ操作部材>
クラッチ操作部材11は、クラッチ機構16をクラッチオン状態とクラッチオフ状態とに切り換え操作するためのものである。クラッチ操作部材11は、
図3に示すように、第1側板7aと第2側板7bとの間でリール本体1の後部に釣り竿装着部7gに対して接近及び離反する方向に移動可能に設けられる。この実施形態では、クラッチ操作部材11は、スプール10の軸回りに揺動可能に設けられる。クラッチ操作部材11は、
図10に実線で示すクラッチオン位置と、二点鎖線で示すクラッチオフ位置と、の間で揺動する。第1側板7aの後部及び第2側板7bの後部の内側面には、
図5に示すように、第1接触板43a及び第2接触板43bが各別に装着される。第1接触板43a及び第2接触板43bは、クラッチプレート42の装着部42bが貫通かつ揺動可能な円弧状の通過孔43cをそれぞれ有する。第1接触板43a及び第2接触板43bは、ポリアセタール等の摺動性が高い合成樹脂製の部材である。第1接触板43a及び第2接触板43bは、第1側板7a及び第2側板7bに各別に着脱可能に嵌め込まれている。クラッチ操作部材11は、両端部が第1接触板43a及び第2接触板43bに接触可能な長さを有する。
【0040】
クラッチ操作部材11は、
図7に示すように、第1側板7a側に設けられる第1操作部11aと、第2側板7b側に設けられる第2操作部11bと、第1操作部11aよりも釣り竿装着部7g側に設けられる第3操作部11cと、を有する。第1操作部11aは、第2操作部11bよりも釣り竿装着部7gから離れて設けられる。第1操作部11aは、
図3に示すように、第1側板7aに向かって徐々に釣り竿装着部7gから離れる方向に傾斜して形成される。
図10に示すように、第1操作部11aは、釣り竿装着部7gからの高さH1がスプール10の第1フランジ部10bに合うように少なくとも一部が配置される。第1操作部11aは、第1側板7aに向かって徐々に釣り竿装着部7gから離れる方向に傾斜して形成される。
【0041】
第2操作部11bは、釣り竿装着部7gからの高さH2が糸巻胴部10aに合うように少なくとも一部が配置される。具体的には、第2操作部11bは、釣り竿装着部7gからの高さH2が釣り竿装着部7gからの糸巻胴部10aの高さと少なくとも一部で等しくなるように形成される。第3操作部11cは、クラッチ機構16をクラッチオフ状態からクラッチオン状態に戻すときに用いられる。第3操作部11cは、
図9に示すように、第1操作部11aよりもスプール10に向かって凹んで形成される。また、
図8に示すように、第3操作部11cは、第1側板7aに接する部分には設けられていない。したがって、クラッチ操作部材11の第1側板7aに近い近接部11fは凹んでおらず滑らかに凸に湾曲している。これにより、第3操作部11cによって、指の引っ掛かりを確保してクラッチオン操作を行いやすくするとともに、クラッチ操作部材11の第1側板7aに近い近接部11fによって、凹んだ第3操作部11cをクラッチ操作部材11に設けても釣り糸がクラッチ操作部材11に引っ掛かりにくくなる。
【0042】
第1操作部11aと第3操作部11cとの境界部分11eは、第1側板7aよりも後方に突出している。これにより、ハンドル2を操作する手の指によってクラッチオン操作を行うこともできる。
【0043】
また、クラッチ操作部材11は、クラッチプレート42の装着部42bに固定される矩形断面の貫通孔11dを有する。貫通孔11dは、左右方向にクラッチ操作部材11を貫通して形成される。貫通孔11dは、クラッチプレート42の装着部42bの厚み及び幅と実質的に等しい矩形形状に形成される。装着部42bは、第1接触板43a、貫通孔11d及び第2接触板43bを貫通して配置される。これより、クラッチ操作部材11が装着部42bに固定される。
【0044】
<スプール駆動機構>
スプール駆動機構13は、スプール10を糸巻取方向に駆動する。また、巻取時にスプール10にドラグ力を発生させて釣り糸の切断を防止する。スプール駆動機構13は、
図11に示すように、図示しないローラクラッチの形態の逆転防止部によって糸巻取方向の回転が禁止されたモータ12と、第1回転伝達機構24と、第2回転伝達機構25と、を備えている。第1回転伝達機構24は、モータ12の回転を減速してスプール10に伝達する。第2回転伝達機構25は、ハンドル2の回転を、第1回転伝達機構24を介して増速してスプール10に伝達する。
【0045】
第1回転伝達機構24は、
図11に示すように、モータ12の出力軸に連結された図示しない遊星減速機構を有する。遊星減速機構のケース26の内側面には、図示しない内歯ギアが形成され、内歯ギアの出力がケース26の外周面に形成された第1ギア部材60によってスプール10に伝達される。具体的には、第1回転伝達機構24は、第1ギア部材60と、第1ギア部材60に噛み合う第2ギア部材61と、第2ギア部材61に噛み合うピニオンギア32と、をさらに有する。第2ギア部材61及びピニオンギア32は、
図5に示すように、機構装着板19bと側板本体19aとの外側面との間に配置されている。第2ギア部材61は、第1ギア部材60の回転をピニオンギア32に回転方向を整合させて伝達するための中間ギアである。第2ギア部材61は、側板本体19aのボス部19c及び機構装着板19bに転がり軸受を介して回転自在に支持されている。
図5及び
図11に示すように、第2ギア部材61には、トラバースカム軸63が一体回転可能に連結されている。トラバースカム軸63の第1側板7a側の端部には、非円形部63aが形成され、第2ギア部材61は、非円形部63aに係合してトラバースカム軸63を回転させる。
【0046】
ピニオンギア32は、側板本体19aに装着された第3軸受18cにより第2側板7bにスプール軸14回りに回転自在かつ軸方向移動自在に装着されている。ピニオンギア32は、クラッチ制御機構20により制御されて軸方向にクラッチオン位置とクラッチオフ位置との間でスプール軸14の外周側を移動する。ピニオンギア32は、クラッチヨーク41に係合してスプール軸14方向に移動する。
【0047】
第2回転伝達機構25は、
図5及び
図11に示すように、ハンドル2が一体回転可能に連結された駆動軸30と、駆動ギア31と、第3ギア部材62と、ドラグ機構23と、を有している。
【0048】
駆動軸30は、
図5に示すように、機構装着板19b及び第1側カバー8aの第1ボス部8cに回転自在に支持されている。駆動軸30は、ローラ型のワンウェイクラッチ37により第1側カバー8aの第1ボス部8cに支持されている。駆動軸30は、ワンウェイクラッチ37により糸繰り出し方向の回転が禁止されている。駆動ギア31は、駆動軸30に回転自在に装着されている。駆動ギア31は、ドラグ機構23により糸繰り出し方向の回転が制動される。これにより、スプール10の糸繰り出し方向の回転が制動される。
【0049】
第3ギア部材62は、ハンドル2の回転をスプール10に伝達するために設けられている。第3ギア部材62は、遊星減速機構のキャリアに一体回転可能に連結されている。第3ギア部材62は、駆動ギア31に噛み合い、ハンドル2の回転を遊星減速機構のキャリアに伝達する。キャリアに伝達された回転は、第1ギア部材60及び第2ギア部材61を介してピニオンギア32に伝達される。第3ギア部材62から第2ギア部材61までの減速比は概ね「1」である。
【0050】
ドラグ機構23は、
図5に示すように、ワンウェイクラッチ37の内輪37aに一体回転可能に連結されかつ内輪37aによって押圧されるドラグ板38を有する。ドラグ板38は、駆動軸30に一体回転可能に連結される。ドラグ板38は、ドラグ座金39を介して駆動ギア31を押圧する。ドラグ機構23の制動力(ドラグ板38を押圧する押圧力)は、駆動軸30に螺合するスタードラグ3によって調整される。
【0051】
<調整部材>
調整部材5は、モータ12の出力を複数段階(例えば、10段階以上であり、この実施形態では、31段階)に調整するためにリール本体1に設けられる。調整部材5は、
図2に示すように、第1側板7aの側板本体19aと第1側カバー8aとの間に設けられる。この実施形態では、
図4及び
図6に示すように、調整部材5は、水深表示部4のケース部材36の後部の外側面に立設された支持軸36aに回動自在に装着される。調整部材5は、支持軸36aに装着された状態で第1側板7aと第1側カバー8aの間に配置される。
【0052】
支持軸36aは、基端側のテーパ面36bと、テーパ面36bに連なる支持面36cと、支持面36cよりも小径の部材装着部36dと、を有する。また、支持軸36aは、先端面に雌ネジ穴36eを有する。支持軸36aの周囲において、ケース部材36の外側面には、一対の円弧凹部36fと、一対の係合凹部36gと、が180°間隔を隔てて形成されている。係合凹部36gは、球状に凹んで形成され、円弧凹部36fと隣接して配置される。係合凹部36gは、調整部材5によってモータ12を停止させる操作開始位置に対応して設けられる。円弧凹部36fは、調整部材5の回動中心と同芯の円弧で形成され、調整部材5の回動角度に対応して設けられる。調整部材5の回動角度は、この実施形態では、例えば、80°から120°の範囲である。この実施形態では、回動角度は100°である。ただし、調整部材5の回動角度は、これに限定されない。
【0053】
調整部材5の回動角度が大きい方がモータ12の出力調整の1段階ごとに割り振ることができる角度が大きくなるため、出力の調整操作を各段階で安定して行える。しかし、調整部材5の回動角度を大きくし過ぎると、複数段階にわたる操作を迅速に行いにくい。また、リール本体の形状によっては回動角度を大きくできない場合がある。これらの制約の中で最大限の角度に調整部材5の回動角度を設定するのが好ましい。
【0054】
調整部材5は、例えば合成樹脂製の概ね環状の部材である。調整部材5は、
図6に示すように、外周面に径方向に突出する操作突起5aを有する。操作突起5aを除く調整部材5の外周面には、滑り止めのための軸方向に沿った多数の溝5bが周方向に間隔を隔てて形成される。調整部材5の外側面には、調整部材5の回動範囲を規制するための規制突起5cが軸方向に突出して形成される。第1側カバー8aは、調整部材5を第1側カバー8aよりも突出させるための平面視矩形形状の開口8eを有している。規制突起5cは、開口8eの内側面に接触して調整部材5の回動範囲を規制する。
【0055】
図12に示すように、調整部材5のケース部材36と対向する内側面には、検出子34を収容する一対の検出子収容部5dと、調整部材5を操作開始位置に位置決めするための一対の位置決め部45を収容する一対の位置決め収容部5eと、が周方向に間隔を隔てて形成される。一対の検出子収容部5dと、一対の位置決め収容部5eは、それぞれ180°間隔で円形に凹んで形成される。
【0056】
位置決め部45は、
図6に示すように、一対の位置決め収容部5eに進退自在に装着される一対の位置決めピン45aと、一対の位置決めピン45aをケース部材36に向けて付勢する一対のコイルバネ45bと、を有している。コイルバネ45bは、位置決め収容部5eに収容される。位置決めピン45aは半球形状の頭部45cを有し、頭部45cが係合凹部36g及び円弧凹部36fに係合する。この位置決め部45を設けることにより、調整部材5が操作開始位置に確実に位置決めできる。
【0057】
調整部材5の中心部には、
図4に示すように、支持軸36aに回動自在に支持される被支持孔5fと、被支持孔5fよりも大径の装着孔5gと、装着孔5gよりも大径の座繰り孔5hとが内側面から外側面に向かって形成される。被支持孔5fは、内側面側が支持軸36aのテーパ面36bに沿ったテーパ形状である。装着孔5gと支持軸36aの部材装着部36dとの間には両者に接触する回動規制部材46が装着されている。回動規制部材46は、例えばOリング等の環状弾性部材によって構成される。この回動規制部材46によって調整部材5の回動を規制する。これにより、釣り人が調整部材5を操作した位置に調整部材5を保持できる。回動規制部材46及び調整部材5は、座繰り孔5hに配置された座金部材47によって抜け止めされる。座金部材47は、支持軸36aの雌ネジ穴36eに螺合する固定ボルト48によって抜け止めされる。これにより、調整部材5がケース部材36に回動自在に装着される。なお、座繰り孔5hは、第1側カバー8aによって覆われる。したがって、調整部材5の外周部分だけが第1側カバー8aの開口8eから突出し、調整部材5のその他の部分は、第1側カバー8a及びケース部材36によってカバーされる。
【0058】
<検出子>
検出子34は、
図4、
図6及び
図12に示すように、調整部材5に装着される。具体的には、前述したように調整部材5の一対の検出子収容部5dに接着等の適宜の固定手段によって固定される。検出子34は、一対の検出子収容部5dに各別に固定される第1磁石34aと第2磁石34bとを有する。第1磁石34a及び第2磁石34bは、それぞれ調整部材5の軸方向に沿って着磁される。第2磁石34bは、第1磁石34aと逆方向に着磁される。この実施形態では、第1磁石34aは、ケース部材36に対向する側がN極に着磁され、検出子収容部5dの底面側がS極に着磁される。反対に第2磁石は、ケース部材36に対向する側がS極に着磁され、検出子収容部5dの底面側がN極に着磁される。このように軸方向着磁の第1磁石34aと第2磁石34bを磁束方向が逆になるように配置することによって、径方向着磁の磁石と同じに反応する検出子34を、軸方向着磁の簡素な第1磁石34a及び第2磁石34bによって得ることができる。
【0059】
<位相検出部>
位相検出部35は、前述したように水深表示部4のケース部材36の内部に配置された副回路基板74bに搭載されるホール素子35aである。ホール素子35aは、
図10に示すように、調整部材5の回転中心Cに合わせて配置される。このようにホール素子35aを配置することによって、第1磁石34aと第2磁石34bとによって生じる磁束方向の変化をホール素子35aが検出可能になる。この結果、ホール素子35aを用いて、調整部材5の回動によって変化する磁束方向を検出して調整部材5の回転位相を検出できる。ホール素子35aは、
図13に示すように、径方向着磁の検出子34のN極がホール素子35aに例えば半円形で表示されたマーク35b側にあるときを0°とすると、検出子34が0°の位置において、
図14に示すように出力電圧が最小になる。検出子34が0°から反時計回りにホール素子35aに対して相対回転すると、出力電圧が徐々に上昇し、360°に近づくと出力電圧が最大になり、0°に戻るとまた最小にもどる。これにより、0°から360°までの範囲で調整部材5の回転位相をホール素子35aによって検出できる。ただし、この実施形態では、例えば、50°から150°程度の範囲でホール素子35aの出力電圧を用いている。ただし、ホール素子35aの出力電圧の角度範囲は、これに限定されない。例えば、230°から330°の範囲等、ホール素子の出力特性に応じて適宜選択可能である。
【0060】
<制御系>
電動リール100は、
図15に示すように、モータ12及び表示器72を制御するリール制御部70を有する。リール制御部70は、CPU(中央演算ユニット)を含むマイクロコンピュータによって構成される。リール制御部70には、位相検出部35としてのホール素子35aと、スイッチ操作部6の各スイッチと、スプールセンサ78とが接続されている。また、リール制御部70には制御対象としての表示器72と、モータ駆動回路76と、ブザー80と、他の入出力部82と、が接続されている。スプールセンサ78は、スプール10に装着された図示しない磁石を検出する一対のリードスイッチを有する。一対のリードスイッチはスプール10の回転方向に並べて配置されている。この実施形態では、一対のリードスイッチは、リール本体1のスプール支持部17に設けられる。スプールセンサ78によって、スプール10の回転数(回転位置)及び回転方向を検出できる。モータ駆動回路76は、モータ12をPWM(パルス幅変調)駆動する。すなわち、デューティ比を変化させてモータ12を駆動する。ブザー80は、ケース部材36の内部に収納される。ブザー80は仕掛けが棚位置に到達したり、海底に到達したりすると鳴動する。他の入出力部82は、例えば無線通信部などから構成される。無線通信部は、外部の表示装置と水深データ等の各種のデータを双方向に通信可能である。
【0061】
<電動リールの操作>
このように構成された電動リール100では、釣りを行うときは、釣り人は釣り竿を持つ手の親指によってクラッチ操作部材11の例えば第2操作部11bを押し下げ操作する。これにより、クラッチ機構16がクラッチオン状態からクラッチオフ状態に切り換わり、スプール10が自由回転状態になる。そして、仕掛けの自重によって釣り糸を繰り出し、仕掛けを魚が群れる棚位置まで下ろす。このとき、スプール10の第1フランジ部10bをクラッチ操作した親指の先でサミング操作する場合、第2操作部11bから第1操作部11aに向けて親指を伸ばす。すると、第1操作部11aに釣り竿装着部7gからの高さが徐々に高くなる傾斜面があり、かつ第1操作部11aの高さH1が第1フランジ部10bの高さに応じて設定されているため、親指の先が容易に第1フランジ部10bに到達する。このように、クラッチ操作部材11が第1フランジ部10bに対応する高さH1に配置された第1操作部11aを有するため、サミング操作を行いやすくなる。
【0062】
仕掛けに魚が掛かって釣り糸を巻きとるときには、釣り竿を持つ手の親指の先でクラッチ操作部材11の第3操作部11cを押し上げ操作する。このとき、第3操作部11cが凹んで形成されているので、指先が第3操作部11cに引っ掛かりやすくなり、クラッチ操作部材11の押し上げ操作を行いやすい。クラッチ操作部材11を押し上げ操作すると、クラッチ機構16がクラッチオン状態に切り換わり、ハンドル2及びモータ12によってスプール10を糸巻取方向に回転させることができる。
【0063】
モータ12により釣り糸を巻きとるときには、釣り竿を持つ手またはハンドル2を操作する手で調整部材5を操作する。このとき、調整部材が第1側板7aと第1側カバー8aの間に配置されているため、リール本体1の後部に配置されたクラッチ操作部材11と調整部材5とが近くに配置される。このため、サミング操作して手の指先で調整部材5を操作できる。このため、調整部材5とクラッチ操作部材11とを連携して操作しやすくなる。また、キャスティングが進行して釣り糸の巻き付け量が少なくなると、第2操作部11bを介してサミング操作を行えるので、キャスティング中のサミング操作を釣り糸の巻き付け量にかかわらず安定して行える。
【0064】
調整部材5を回動操作すると、検出子34が調整部材5とともに回動し、位相検出部35としてのホール素子35aの出力電圧が変化する。この出力電圧の変化によってリール制御部70は、モータ駆動回路76を制御して、モータ12の出力を調整部材5の回動位置に応じて調整する。このとき、調整部材5の回転位相をロータリエンコーダ又はポテンショメータ等の回転検出器を用いずに検出しているので、調整部材5が調整する10段階以上に多くなっても、調整部材5の取付部分の体積の増加を低コストで抑えることができるようになる。
【0065】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0066】
(a)前記実施形態では、調整部材を第1側板と第1側カバーの間に配置したが、本発明はこれに限定されない。調整部材を第2側板と第2側カバーの間に配置してもよい。
【0067】
(b)前記実施形態では、磁石の磁束の方向の変化を検出する位相検出部としてホール素子を用いたが、本発明はこれに限定されない。磁石の磁束方向の変化を検出できるものであればどのようなものでもよい。
【0068】
(c)前記実施形態では、調整部材5を第1側板7aと第1側カバー8aの間でリール本体1の後部に配置したが、本発明はこれに限定されない。調整部材は、第1側カバーの外側面に配置してもよい。また、リール本体の前部に配置してもよい。さらに、第2側カバー側に配置してもよい。
【0069】
(d)前記実施形態では、調整部材として回動するものを例示したが、本発明はこれに限定されない。調整部材は、揺動するレバータイプのものであってもよい。
【0070】
(e)前記実施形態では、検出子34として第1磁石34aと第2磁石3bとの2つの磁石を用いたが、検出子としての磁石は少なくとも1つあればよい。
【0071】
(f)前記実施形態では、第1磁石34a及び第2磁石34bを調整部材5に設け、位相検出部35をリール本体1のケース部材36内に設けたが、本発明はこれに限定されない。磁石をリール本体に設け、位相検出部を調整部材に設けてもよい。
【0072】
<特徴>
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
【0073】
(A)電動リール100は、釣り糸を前方に繰り出すものである。電動リール100は、リール本体1と、スプール10と、モータ12と、調整部材5と、第1磁石34a及び第2磁石34b(少なくとも1つの磁石の一例)と、位相検出部35と、を備える。スプール10は、リール本体1に回転可能に設けられる。モータ12は、リール本体1に設けられ、スプール10を回転駆動する。調整部材5は、リール本体1に回動可能に設けられ、回動位置に応じてモータ12の出力を調整するための部材である。第1磁石34a及び第2磁石34bは、リール本体1及び調整部材5の一方に設けられる。位相検出部35は、リール本体1及び調整部材5の他方に設けられ、第1磁石34a及び第2磁石34bとの相対的な回転位相を検出可能である。
【0074】
この電動リール100では、調整部材5が回動すると、第1磁石34a及び第2磁石34bと位相検出部35との相対的な回転位相を位相検出部35が検出する。検出された回転位相によってモータ12の出力が複数の段階に調整される。例えばスプール10の速度が複数段階に調整される、又は釣り糸に作用する張力が複数の段階に調整される。ここでは、第1磁石34a及び第2磁石34bと一つの位相検出部35とによって、調整部材5の回転位相を検出しているので、回転検出器に比べて小さい体積で調整部材5の回転位相を検出できる。また、複数の磁気感知手段を用いる必要がないため、磁石の検出コストが安価になる。このため、調整部材5の取付部分の体積の増加を低コストで抑えることができる。
【0075】
(B)電動リール100において、第1磁石34a及び第2磁石34bとは、調整部材5に設けられ、位相検出部35は、リール本体1に設けられる。この場合には、電気的に動作する位相検出部がリール本体1に設けられるので、位相検出部35を回路基板(例えば、副回路基板74b)に配置でき、調整部材5の取付部分の体積の増加をさらに抑えることができる。
【0076】
(C)電動リール100において、位相検出部35は、第1磁石34a及び第2磁石34bの回転位相を検出可能なホール素子35aである。この場合には、回路基板に実装可能なホール素子35aによって磁石の回転位相を検出するので、調整部材5の取付部分の体積の増加をさらに抑えることができる。第1磁石34a及び第2磁石34bは、回動する調整部材5の回転中心を挟んで異なる磁極が配置されるようにリール本体1及び調整部材5の一方に設けられる、
【0077】
(D)電動リール100において、磁石は、調整部材5の軸方向に沿って着磁された第1磁石34aと、調整部材5の軸方向に沿って第1磁石34aと逆方向に着磁された第2磁石34bと、を有する。この場合には、第1磁石34aと第2磁石34bとで位相検出部に対向する磁石の極性が異なるようになるので、径方向着磁の磁石では確保しにくい調整部材5の回転軸を容易に確保できる。
(E)電動リール100において、リール本体1は、フレーム7と、第1側カバー8aと、水深表示部4と、を含む。フレーム7は、第1側板7aと第1側板7aと左右方向に間隔を隔てて配置される第2側板7bを有する。第1側カバー8aは、スプール10を回転操作するためのハンドル2が装着され、第1側板7aの外側を覆う。水深表示部4は、フレーム7に載置可能なケース部材36を有し、釣り糸の先端に装着可能な仕掛けの水深を表示可能である。調整部材5は、ケース部材36に回動自在に支持される。この場合には、調整部材5が水深表示部4のケース部材36に支持されるので、調整部材5に装着された磁石の磁力をケース部材36内で検出可能になり、調整部材5の取付部分の体積の増加をさらに抑えることができる。
【0078】
(F)電動リール100において、位相検出部35は、ケース部材36内に配置される。この場合には、位相検出部35が水深表示部4のケース部材36内に配置されるので、調整部材5の取付部分の体積の増加をさらに抑えることができる。
【0079】
(G)電動リール100において、ケース部材36内に、モータ12及び水深表示部4を制御するリール制御部が搭載された回路基板(例えば、主回路基板74a)が設けられる。位相検出部35が回路基板(例えば、副回路基板74b)に搭載される。この場合には、位相検出部35が回路基板に搭載されるので、位相検出部35をケース部材36内で別に設ける場合に比べて位相検出部35を容易に配置できる。これにより、さらなる検出コストの低減を図ることができる。また、回路基板は、ケース内に配置されるため、防水処理及び防水確認処理等の作業を行いやすくなる。
【0080】
(H)電動リール100において、調整部材5は、第1側カバー8aと第1側板7aとの間に設けられる。この場合には、ハンドル2装着側に調整部材5が設けられるので、ハンドル2を操作する手で調整部材5を操作できる。したがって、釣り竿を握る手でリールをパーミングしつつハンドル2を操作する手で調整部材5を操作できる。