特許第6132899号(P6132899)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6132899情報処理装置の制御方法、情報処理装置及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6132899
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】情報処理装置の制御方法、情報処理装置及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20170515BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20170515BHJP
   H04M 11/08 20060101ALI20170515BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170515BHJP
   H04W 4/00 20090101ALI20170515BHJP
   H04W 4/02 20090101ALI20170515BHJP
【FI】
   G06F13/00 540P
   G06Q30/02 380
   H04M11/08
   H04M1/00 R
   H04W4/00 110
   H04W4/02 110
【請求項の数】9
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-250846(P2015-250846)
(22)【出願日】2015年12月24日
【審査請求日】2015年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】501333021
【氏名又は名称】LINE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 玲子
(74)【代理人】
【識別番号】100151677
【弁理士】
【氏名又は名称】播磨 里江子
(72)【発明者】
【氏名】垣内 秀之
(72)【発明者】
【氏名】杉本 謙一
【審査官】 北川 純次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−060541(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0248702(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0312762(US,A1)
【文献】 特開2007−163621(JP,A)
【文献】 石野 純也,集客力を高めるO2Oのための最新テクノロジーを追う iBeacon最前線,Mac People Vol.20 No.10,日本,株式会社KADOKAWA,2014年 8月29日,第20巻,第70頁〜71頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06Q 30/02
H04M 1/00
H04M 11/08
H04W 4/00
H04W 4/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したことを契機として、前記ユーザ端末に予めインストールされた所定のアプリケーションにより、前記ユーザ端末と電気通信回線を通じて接続する情報処理装置の制御方法であって、
前記所定のアプリケーションをインストールしていることに加えて、前記情報発信端末から発信した信号に対応する広告情報を受信する準備がある前記ユーザ端末であることを確認するための所定の端末情報であって、前記情報発信端末から発信した信号を前記ユーザ端末で受信したときの時刻情報並びに信号受信強度情報を含む所定の端末情報を取得する端末情報取得ステップと、
複数の前記ユーザ端末から前記端末情報を取得し、かつ、前記時刻情報が所定時間内にある場合、前記時刻情報が所定時間内にある全ての前記ユーザ端末のうち前記受信強度情報の受信強度レベルが最も高い前記ユーザ端末に対して前記広告情報を送信する広告情報送信ステップと、を含む情報処理装置の制御方法。
【請求項2】
前記端末情報は、
前記情報発信端末から発信した信号を前記ユーザ端末で受信したときの前記ユーザ端末の状態が、前記広告情報を受信する準備に対するユーザの行為に起因して所定の受信許容状態にあるか否かを確認するための端末状態情報を含み、
前記広告情報送信ステップは、
前記ユーザ端末から前記端末情報を取得し、かつ、前記端末状態情報が所定の受信許容状態にある場合、前記端末状態情報が所定の受信許容状態にある前記ユーザ端末に対して前記広告情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項3】
前記端末情報は、
前記情報発信端末から発信した信号を前記ユーザ端末で受信したときの時刻情報並びに信号受信強度情報と、
前記情報発信端末から発信した信号を前記ユーザ端末で受信したときの前記ユーザ端末の状態が、前記広告情報を受信する準備に対するユーザの行為に起因して所定の受信許容状態にあるか否かを特定するための端末状態情報を含み、
前記広告情報送信ステップは、
複数の前記ユーザ端末から前記端末情報を取得し、かつ、前記時刻情報が所定時間内にある場合、前記所定時間内にある全ての前記ユーザ端末のうち、前記端末状態情報が所定の受信許容状態にある前記ユーザ端末に対して、前記広告情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項4】
前記端末情報は、
前記ユーザ端末にインストールした前記所定のアプリケーションにメッセージ表示機能を含んでいることを示す機能情報と前記情報発信端末から発信した信号に関連付けて前記メッセージ表示機能を起動するための関係情報を含み、
前記広告情報送信ステップは、
前記ユーザ端末から前記端末情報を取得し、かつ、前記関係情報が含まれている場合、前記メッセージ表示機能を起動させるように前記ユーザ端末に対して前記広告情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項5】
前記ユーザ端末に、メッセージ表示機能を含む前記所定のアプリケーションがインストールされ、
前記端末情報は、
前記情報発信端末から発信した信号を前記ユーザ端末で受信したときの時刻情報並びに信号受信強度情報と、
前記情報発信端末から発信した信号に関連付けて前記メッセージ表示機能を起動するための関係情報と、
を含み、
前記広告情報送信ステップは、
複数の前記ユーザ端末から前記端末情報を取得し、かつ、前記時刻情報が所定時間内にある場合、前記関係情報を含む前記ユーザ端末に対して、前記メッセージ表示機能を起動させるように前記広告情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
前記ユーザ端末に、メッセージ表示機能を含む前記所定のアプリケーションがインストールされ、
前記端末情報は、
前記情報発信端末から発信した信号を前記ユーザ端末で受信したときの前記ユーザ端末の状態が、前記広告情報を受信する準備に対するユーザの行為に起因して所定の受信許容状態にあるか否かを特定するための端末状態情報を含み、
前記情報発信端末から発信した信号を前記ユーザ端末で受信したときの時刻情報並びに信号受信強度情報と、
前記情報発信端末から発信した信号に関連付けて前記メッセージ表示機能を起動するための関係情報と、
を含み、
前記広告情報送信ステップは、
前記ユーザ端末から前記端末情報を取得し、かつ、前記端末状態情報が所定の受信許容状態にある前記ユーザ端末が複数ある場合、当該複数のユーザ端末から取得した前記時刻情報が所定時間内にある全ての前記ユーザ端末のうち、前記関係情報を含む前記ユーザ端末に対して、前記メッセージ表示機能を起動させるように前記広告情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項7】
前記端末情報は、
前記情報発信端末から発信した信号を前記ユーザ端末で受信したときの時刻情報を含み、
前記広告情報送信ステップは、
複数の前記端末情報を取得し、かつ、前記時刻情報に基づいて所定時間内に複数回同一の前記端末情報を取得した場合、所定時間内に複数回の同一の前記端末情報を送信した前記ユーザ端末に対して前記広告情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したことを契機として、前記ユーザ端末に予めインストールした所定のアプリケーションが起動することにより、前記ユーザ端末と電気通信回線を通じて接続する情報処理装置であって、
前記所定のアプリケーションをインストールしていることに加えて、前記情報発信端末から発信した信号に対応する広告情報を受信する準備がある前記ユーザ端末であることを確認するための所定の端末情報であって、前記情報発信端末から発信した信号を前記ユーザ端末で受信したときの時刻情報並びに信号受信強度情報を含む所定の端末情報を取得する端末情報取得部と、
複数の前記ユーザ端末から前記端末情報を取得し、かつ、前記時刻情報が所定時間内にある場合、前記時刻情報が所定時間内にある全ての前記ユーザ端末のうち前記受信強度情報の受信強度レベルが最も高い前記ユーザ端末に対して前記広告情報を送信する広告情報送信部と、を含む情報処理装置。
【請求項9】
情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したことを契機として、前記ユーザ端末に予めインストールした所定のアプリケーションが起動することにより、前記ユーザ端末と電気通信回線を通じて接続するコンピュータに、
前記所定のアプリケーションをインストールしていることに加えて、前記情報発信端末から発信した信号に対応する広告情報を受信する準備がある前記ユーザ端末であることを確認するための所定の端末情報であって、前記情報発信端末から発信した信号を前記ユーザ端末で受信したときの時刻情報並びに信号受信強度情報を含む所定の端末情報を取得する端末情報取得機能と、
複数の前記ユーザ端末から前記端末情報を取得し、かつ、前記時刻情報が所定時間内にある場合、前記時刻情報が所定時間内にある全ての前記ユーザ端末のうち前記受信強度情報の受信強度レベルが最も高い前記ユーザ端末に対して前記広告情報を送信する広告情報送信機能と、を実現させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置の制御方法、情報処理装置及び制御プログラムに関し、特に、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したことを契機として、ユーザ端末に予めインストールした所定のアプリケーションが起動することにより、ユーザ端末と電気通信回線を通じて接続する情報処理装置の制御方法、情報処理装置及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の携帯端末(以下、「ユーザ端末」と称する)のアプリケーションの多様化に伴い、様々なサービスが普及している。例えば、ユーザ端末は、店舗等に設置したビーコン等の情報発信端末から発信した信号をバックグラウンドで待機し、所定の距離に接近して信号を受信したことを契機としてアプリケーションを起動させる。
【0003】
これにより、ユーザ端末は、受信した信号に係る店舗情報や商品情報等の広告情報を表示画面に表示する。ユーザは、その広告情報を確認し、店舗に入ることでサービス提供等を受けることができる。
【0004】
このように、ビーコン等の近距離無線通信方式を利用すれば、ユーザ端末にアプリケーションをインストールした所有者(ユーザ)が店舗等に接近している際に信号を受信することから、店舗内へと顧客を引き入れ易くすることができる。
【0005】
一方、ユーザ端末で受信した信号が所定の閾値以上の強度であれば、フレンド登録を行う、或は、ユーザ端末の輝度を変更するといった、広告表示以外の何らかの動作をユーザ端末に起こさせる技術も各種提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−178747号公報
【特許文献2】特開2010−109947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ビーコン等の近距離無線方式の情報発信端末は、一方的に信号を発信するものであるため、受信可能エリアにアプリケーションをインストールしたユーザ端末が接近した際には、否応なくユーザ端末が何らかの動作を実行してしまう。
【0008】
このように、上述したサービスにあっては、アプリケーションをインストールしていることのみで信号の受信を望んでいるものと仮定しているため、ユーザは、ビーコンの近くを通過しただけでユーザ登録をしてもいない店舗等の広告情報を受け取ってしまう。
【0009】
その結果、ユーザには、まるで行動を監視されているかのような不快感を与えてしまうばかりでなく、例えば、商品購入ターゲットに当てはまらないにも拘らず広告情報を表示させてしまい、呼び寄せるどころか逆に嫌悪感を与えてしまう可能性があった。
【0010】
このように、顧客の獲得や呼び込みの利便性を向上することができる一方、不快感や嫌悪感を与えてしまい易いという逆効果も発生してしまうことから、必ずしも利便性の高いサービスといえるものではなかった。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、アプリケーションをインストールしていることに加えて、広告情報の表示を望んでいるユーザであるか望んでいないユーザであるかを所定の条件に基づいて判別することによって、不快感や嫌悪感を与えてしまう可能性を抑制しつつ、サービスの利便性を向上することができる情報処理装置の制御方法、情報処理装置及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る情報処理装置の制御方法は、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したことを契機として、ユーザ端末に予めインストールした所定のアプリケーションが起動することにより、ユーザ端末と電気通信回線を通じて接続する情報処理装置の制御方法であって、所定のアプリケーションをインストールしていることに加えて、情報発信端末から発信した信号に対応する広告情報を受信する準備があるユーザ端末であるか否かを判定するための所定の端末情報を取得する端末情報取得ステップと、広告情報を受信する準備がある端末情報であるか否かを判定する判定ステップと、広告情報を受信する準備があると判定した端末情報を送信したユーザ端末に対して広告情報を送信する広告情報送信ステップと、を含む。
【0013】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、端末情報は、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したときの時刻情報並びに信号受信強度情報を含み、判定ステップは、複数のユーザ端末から端末情報を取得したときに、時刻情報が所定時間内にあるかを判定する端末受信時刻判定ステップと、端末受信時刻判定ステップにより所定時間内にあると判定した全てのユーザ端末のうち受信強度情報の受信強度レベルが最も高いユーザ端末を特定する端末特定ステップと、をさらに含み、広告情報送信ステップは、端末特定ステップで特定したユーザ端末に対して広告情報を送信する、ものであってもよい。
【0014】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、端末情報は、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したときのユーザ端末の状態が、広告情報を受信する準備に対するユーザの行為に起因して所定の受信許容状態にあるか否かを特定するための端末状態情報を含み、判定ステップは、ユーザ端末から端末情報を取得したときに、端末状態情報が所定の受信許容状態にあるか否かを判定する端末状態特定ステップと、をさらに含み、広告情報送信ステップは、端末状態特定ステップで端末状態情報が所定の受信許容状態にあることを特定したユーザ端末に対して広告情報を送信する、ものであってもよい。
【0015】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、端末情報は、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したときの時刻情報並びに信号受信強度情報と、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したときのユーザ端末の状態が、広告情報を受信する準備に対するユーザの行為に起因して所定の受信許容状態にあるか否かを特定するための端末状態情報を含み、判定ステップは、複数のユーザ端末から端末情報を取得したときに、時刻情報が所定時間内にあるかを判定する端末受信時刻判定ステップと、端末受信時刻判定ステップにより所定時間内にあると判定した全てのユーザ端末のうち受信強度情報の受信強度レベルが高い順にユーザ端末を特定する端末特定ステップと、端末特定ステップで特定した受信強度情報の受信強度レベルが高い順に、端末状態情報が所定の受信許容状態にあるか否かを判定する端末状態特定ステップと、をさらに含み、広告情報送信ステップは、端末状態特定ステップで端末状態情報が所定の受信許容状態にあることを特定したユーザ端末に対して広告情報を送信する、ものであってもよい。
【0016】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、端末情報は、ユーザ端末にインストールした所定のアプリケーションにメッセージ表示機能を含んでいることを示す機能情報と、情報発信端末から発信した信号に関連付けてメッセージ表示機能を起動するための関係情報と、を含み、判定ステップは、ユーザ端末から端末情報を取得したときに、関係情報が含まれているか否かを判定する相互友好判定ステップを含み、広告情報送信ステップは、相互友好判定ステップで端末情報に関係情報が含まれていると判定したことを条件として、メッセージ表示機能を起動させるようにユーザ端末に対して広告情報を送信する、ものであってもよい。
【0017】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、ユーザ端末に、メッセージ表示機能を含む所定のアプリケーションがインストールされ、端末情報は、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したときの時刻情報並びに信号受信強度情報と、情報発信端末から発信した信号に関連付けてメッセージ表示機能を起動するための関係情報と、を含み、判定ステップは、複数のユーザ端末から端末情報を取得したときに、時刻情報が所定時間内にあるかを判定する端末受信時刻判定ステップと、端末受信時刻判定ステップにより所定時間内にあると判定した全てのユーザ端末のうち受信強度情報の受信強度レベルが高い順にユーザ端末を特定する端末特定ステップと、端末特定ステップで特定した受信強度情報の受信強度レベルが高い順に、関係情報が含まれているか否かを判定する相互友好判定ステップと、をさらに含み、広告情報送信ステップは、相互友好判定ステップで端末情報に関係情報が含まれていると判定したことを条件として、メッセージ表示機能を起動させるようにユーザ端末に対して広告情報を送信する、ものであってもよい。
【0018】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、ユーザ端末に、メッセージ表示機能を含む所定のアプリケーションの起動に関連付けて起動するメッセージングアプリケーションがインストールされ、端末情報は、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したときのユーザ端末の状態が、広告情報を受信する準備に対するユーザの行為に起因して所定の受信許容状態にあるか否かを特定するための端末状態情報を含み、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したときの時刻情報並びに信号受信強度情報と、情報発信端末から発信した信号に関連付けてメッセージ表示機能を起動するための関係情報と、を含み、判定ステップは、ユーザ端末から端末情報を取得したときに、端末状態情報が所定の受信許容状態にあるか否かを判定する端末状態特定ステップと、端末状態特定ステップで端末状態情報が所定の受信許容状態にあることを特定したユーザ端末が複数ある場合に、当該複数のユーザ端末から取得した時刻情報が所定時間内にあるかを判定する端末受信時刻判定ステップと、端末受信時刻判定ステップにより所定時間内にあると判定した全てのユーザ端末のうち受信強度情報の受信強度レベルが高い順にユーザ端末を特定する端末特定ステップと、端末特定ステップで特定した受信強度情報の受信強度レベルが高い順に、関係情報が含まれているか否かを判定する相互友好判定ステップと、をさらに含み、広告情報送信ステップは、相互友好判定ステップで端末情報に関係情報が含まれていると判定したことを条件として、メッセージ表示機能を起動させるようにユーザ端末に対して広告情報を送信する、ものであってもよい。
【0019】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、端末情報は、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したときの時刻情報を含み、判定ステップは、複数の端末情報を取得したときに、時刻情報に基づいて所定時間内に複数回同一の端末情報を取得したか否かを判定する同一端末判定ステップと、をさらに含み、広告情報送信ステップは、同一端末判定ステップにより所定時間内に複数回の同一の端末情報を取得したと判定したユーザ端末に対して広告情報を送信する、ものであってもよい。
【0020】
本発明に係る情報処理装置は、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したことを契機として、ユーザ端末に予めインストールした所定のアプリケーションが起動することにより、ユーザ端末と電気通信回線を通じて接続する情報処理装置であって、所定のアプリケーションをインストールしていることに加えて、情報発信端末から発信した信号に対応する広告情報を受信する準備があるユーザ端末であるか否かを判定するための所定の端末情報を取得する端末情報取得部と、広告情報を受信する準備がある端末情報であるか否かを判定する判定部と、判定部で広告情報を受信する準備があると判定した端末情報を送信したユーザ端末に対して広告情報を送信する広告情報送信部と、を有する。
【0021】
本発明に係る情報処理プログラムは、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したことを契機として、ユーザ端末に予めインストールした所定のアプリケーションが起動することにより、ユーザ端末と電気通信回線を通じて接続するコンピュータに、所定のアプリケーションをインストールしていることに加えて、情報発信端末から発信した信号に対応する広告情報を受信する準備があるユーザ端末であるか否かを判定するための所定の端末情報を取得する端末情報取得機能と、広告情報を受信する準備がある端末情報であるか否かを判定する判定機能と、判定機能で広告情報を受信する準備があると判定した端末情報を送信したユーザ端末に対して広告情報を送信する広告情報送信機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、アプリケーションをインストールしていることに加えて、広告情報の表示を望んでいるユーザであるか望んでいないユーザであるかを所定の条件に基づいて判別することによって、不快感や嫌悪感を与えてしまう可能性を抑制しつつ、サービスの利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置の適用可能な情報発信端末設置例を示すシステム説明図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置を用いたサービスシステム構成の一例を示すシステム説明図である。
図3】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置による処理手順を示すシーケンス図である。
図4】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置によるユーザ端末の広告情報表示例を示し、(A)は情報発信端末から発信した信号に対応した広告情報の表示例の説明図、(B)は他の広告情報を含む遷移画面表示例の説明図である。
図5】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置によるメインルーチンを示すフローチャート図である。
図6】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置による決済ルーチンを示すフローチャート図である。
図7】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置による配送ルーチンを示すフローチャート図である。
図8】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置による処理手順を示し、閾値判定をユーザ端末側で行う場合のシーケンス図である。
図9】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置による処理手順を示し、通過収納判定をユーザ端末側で行う場合のシーケンス図である。
図10】本発明の一実施の形態に係る情報処理装置による処理手順を示し、端末状態判定をユーザ端末側で行う場合のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る情報処理装置の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1に示すように、屋外において歩道等を歩いている女性F1及び男性Mに加え、店舗のウィンドウW1に飾った商品(例えば、チュニック)C1を立ち止まって眺めている女性F2がいるものとする。
【0026】
この際、女性F1及び女性F2はスマートフォン等のユーザ端末10A,10Bを手に持っており、男性Mはスマートフォン等のユーザ端末10Cを着衣のポケット内に収納しているものとする。なお、以下の説明においてユーザ端末10A,10B,10Cは、機種等は不問であって、少なくとも本実施の形態に係る所定のアプリケーションを予めインストールしているものとする。したがって、特に区別の必要がない場合には、周知の各種通信機能等を有するユーザ端末10として説明する。
【0027】
一方、店舗には、例えば、店舗情報(以下、「@ID」と称する)に加え、出入口用のドアDの両側のウィンドウW1,W2に飾った商品C1,C2に関する商品情報に対応したID(以下、「商品ID」と称する)を含む情報を信号として発信する情報発信端末20A,20Bを設置している。なお、以下の説明において、店舗情報及び商品情報を等含めて広告情報とも称する。また、情報発信端末20A,20Bは、特に区別の必要がない場合には、情報発信端末20として説明する。本実施の形態において、情報発信端末20には、近距離無線通信方式である周知のビーコンを用いているが、例えば、RFID(radio frequency identifier)タグ等でもよい。
【0028】
ユーザ端末10の具体的な機器は、図示のような、スマートフォンに限定されず、例えば、タブレット端末やノート型のパーソナルコンピュータ、その他の通信端末であってもよい。
【0029】
この際、ユーザ端末10にインストールした所定のアプリケーションは、本発明の一実施の形態に係るビーコン等の近距離無線方式の情報発信端末20から発信した情報を受信するための所定のアプリケーションに加え、チャット方式等によるメッセージ表示機能、を実現する。なお、情報発信端末20から発信した情報を受信するための機能を実現するアプリケーションと、チャット方式に関するメッセージ表示機能を実現するアプリケーションとは別々でもよい。
【0030】
図2に示すように、ユーザ端末10は、操作部(入力部)を兼用したタッチパネル方式の表示画面11と、上述した所定のアプリケーションに加え通話及び通信のためのアプリケーションをインストールするためのメモリ回路12と、メモリ回路12にインストールしたアプリケーションにしたがって各種機能を実行する制御回路13と、を備える。表示画面11には、インストールしたアプリケーションを起動させるための複数のアイコン14を表示する。
【0031】
ユーザ端末10は、情報発信端末20から発信した信号を受信することができるとともに、インターネット回線等の電気通信回線NTを通じて、情報処理装置30と接続が可能となっている。この際、情報処理装置30は、情報発信端末20から発信した信号をユーザ端末10で受信したことを契機として、ユーザ端末10に予めインストールした所定のアプリケーションが起動することにより、ユーザ端末10と電気通信回線を通じて接続するようになっている。
【0032】
情報処理装置30は、機能的に複数台を用いてもよい。情報処理装置30は、例えば、サーバとして汎用のパーソナルコンピュータ等を用いることができる。情報処理装置30は、制御回路31と、電気通信回線NTを介してユーザ端末10と情報の送受信を可能とする送受信回路32と、制御回路31を動作させるオペレーティングシステム(OS)を含むアプリケーションをインストールするためのハードディスクドライブ装置(HDD)等の記憶回路33と、を備える。
【0033】
制御回路31は、記憶回路33にインストールしたアプリケーションを処理するものである。制御回路31は、コンピュータである情報処理装置30において中心的な処理装置として働く電子回路(CPU)である。したがって、制御回路31は、記憶回路33とでコンピュータを構成し、各種デジタル処理、すなわち、アプリケーションによる機能的処理を実行する。
【0034】
送受信回路32は、インターフェース回路を含み、電気通信回線NTを介して、ユーザ端末10との通信(各種データ、メッセージの送受信等)を実行する機能を有する。この際、通信は、有線又は無線のいずれでもよく、ユーザ端末10と互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。ここで、メッセージとは、テキストメッセージに限らず、画像、音声、動画、スタンプ(デジタルステッカー)等を含む。送受信回路32は、ユーザ端末10が所定のアプリケーションをインストールしていることに加えて、情報発信端末20から発信した信号に対応する広告情報を受信する準備があるユーザ端末10であるか否かを判定するための所定の端末情報を取得する。したがって、送受信回路32は、特許請求の範囲における端末情報取得部として機能する。また、送受信回路32は、ユーザ端末10に対して記憶回路33に格納した広告情報を送信する。したがって、送受信回路32は、特許請求の範囲における広告情報送信部として機能する。
【0035】
記憶回路33は、本実施の形態に係る各種アプリケーションを格納しているほか、各商品の商品ID、店舗の名称や位置情報等を含む@ID、及びユーザ端末10を特定するための識別情報(以下、単に「MID」と称する。)を含む顧客情報等をデータベース化して格納している。記憶回路33は、広義の意味において記憶素子、すなわち、電子計算機(コンピュータ)の記憶装置の中で情報を直接保持する部品であって、回路の状態を利用したフィリップフロップや静的揮発性メモリー(RAM)等の記憶回路であってもよい。記憶回路33は、上述したHDD等の他、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD)を含むフラッシュメモリ等の機能や容量の異なる各種の記録媒体(記憶回路)を複数用いることができる。
【0036】
一方、本実施の形態に係る情報処理装置30の制御回路31は、広告情報を受信する準備がある端末情報であるか否かを判定し、送受信回路32から広告情報を送信させる。このため、制御回路31は、端末特定回路34、関係特定回路35、商品特定回路36、及び応答先特定回路37、を制御する。
【0037】
端末特定回路34は、ユーザ端末10から端末情報を取得したときに、端末状態情報が所定の受信許容状態にあるか否かを判定する。したがって、端末特定回路34は、特許請求の範囲の端末状態特定ステップを実行する。また、端末特定回路34は、端末状態情報が所定の受信許容状態にあることを特定したユーザ端末10が複数ある場合に、その複数のユーザ端末10から取得した時刻情報が所定時間内にあるかを判定する。したがって、端末特定回路34は、特許請求の範囲の端末受信時刻判定ステップを実行する。さらに、端末特定回路34は、複数のユーザ端末10のうち、所定の時間内にあると判定した全てのユーザ端末10のうち、受信強度情報の受信強度レベルが高い順にユーザ端末10を特定する。したがって、端末特定回路34は、特許請求の範囲における端末特定ステップを実行する。
【0038】
関係特定回路35は、特定した受信強度情報の受信強度レベルが高い順に、関係情報が含まれているか否かを判定する。したがって、関係特定回路35は、特許請求の範囲における関係判定ステップを実行する。
【0039】
商品特定回路36は、端末特定回路34及び関係特定回路35で特定したユーザ端末10から取得した端末情報に含まれる商品IDと@IDとから、記憶回路33に格納したデータベースを参照して、商品の写真や店舗用販売等を含む広告情報を生成し、特定したユーザ端末10のMIDと広告情報とを応答先特定回路37に送信する。
【0040】
応答先特定回路37は、商品特定回路36から受信したMIDと広告情報との関係を判定し、チャット方式等によるメッセージ表示機能を起動させるように、対応するMID(ユーザ端末10)に対して広告情報を送信する。したがって、応答先特定回路37は、特許請求の範囲における広告情報送信ステップを実行する。
【0041】
なお、端末特定回路34、関係特定回路35、商品特定回路36、及び応答先特定回路37は、一つの情報処理装置30によって、ユーザ端末10から受信した端末情報が広告情報を受信する準備があるか否かを判定する判定回路38として機能する。したがって、判定回路38は、特許請求の範囲における判定部として機能する。
【0042】
この際、端末特定回路34、関係特定回路35、商品特定回路36、及び応答先特定回路37は、一つの情報処理装置30によって構成したものでもよいし、それぞれ独立又は組み合わせてネットワーク接続した複数の情報処理装置30によって構成してもよい。
【0043】
以下の説明において、ユーザ端末10から電気通信回線NTを介して情報処理装置30に送信する端末情報には、ユーザ端末10を特定するための識別情報(以下、単に「MID」と称する。)に加え、情報発信端末20の商品IDと@IDとを含む。また、端末情報には、情報発信端末20から発信した信号をユーザ端末10で受信したときのユーザ端末10の状態が、広告情報を受信する準備に対するユーザの行為に起因して所定の受信許容状態にあるか否かを特定するための端末状態情報を含む。また、端末情報には、情報発信端末20から発信した信号をユーザ端末10で受信したときの時刻情報(以下、「タイムスタンプ」と称する)並びに信号受信強度情報を含む。さらに、端末情報には、情報発信端末20から発信した信号に関連付けてチャット方式等によるメッセージ表示機能を起動するための関係情報を含む。
【0044】
端末状態情報には、例えば、ユーザ端末10が予め備える機能を利用して、ユーザが積極的に受信許容状態とはしていないユーザ端末10であることを示す場合を含む。具体的には、店舗前を単に通過しようとしているユーザのユーザ端末10である。このようなユーザ端末10であるか否かを情報処理装置30で特定するため、端末状態情報には、ユーザ端末10が予め備える機能として、現在位置情報を取得するために利用する加速度センサの検出信号を利用することができる。加速度センサが歩行中(ユーザ端末10が移動中)であることを検出すれば、その歩行検出信号によりユーザが積極的に受信許容状態とはしていないと想定することができる。これとは逆に、加速度センサが停止中であることを検出すれば、その停止検出信号によりユーザが積極的に受信許容状態としていると想定することができる。したがって、このユーザが歩行中であるか停止中であるかが特許請求の範囲における「広告情報を受信する準備に対するユーザの行為」に相当する。すなわち、特許請求の範囲における「ユーザの行為」とは、所定のアプリケーションを単にインストールした(或は起動させた)というユーザの行為ではなく、広告情報の受信(表示)を望んでいる或は望んでいないというユーザの意識又は意志(準備)がある旨を、歩行中であるか否かという「ユーザの行為」で特定するものである。
【0045】
同様に、店舗前を単に通過しようとしているユーザであるか否かを特定するため、端末状態情報には、ユーザ端末10が備える機能を利用して、自動的にユーザ端末10を待機モードや省エネモードといった待機中であることを検出するための明暗センサの検出信号を利用することができる。明暗センサが待機中であることを検出すれば、その待機中検出信号によりユーザが積極的に受信許容状態とはしていないと想定することができる。これとは逆に、通話中などの他の機能の使用中でないことを踏まえ、明暗センサが使用中であることを検出すれば、その使用中検出信号によりユーザが積極的に受信許容状態としていると想定することができる。したがって、このユーザがユーザ端末10を待機中としているか使用中としているかが特許請求の範囲における「広告情報を受信する準備に対するユーザの行為」に相当する。すなわち、特許請求の範囲における「ユーザの行為」とは、所定のアプリケーションを単にインストールした(或は起動させた)というユーザの行為ではなく、広告情報の受信(表示)を望んでいる或は望んでいないというユーザの意識又は意志(準備)がある旨を、ユーザ端末10を収納しているか手に持っているかという「ユーザの行為」で特定するものである。
【0046】
また、端末状態情報に、情報発信端末20から発信した信号をユーザ端末10で受信したときの信号受信強度情報を含ませてもよい。例えば、信号発信端末20に接近するほどユーザ端末10で受信したが信号受信強度は強くなる。これにより、受信した信号受信強度が強いほど、ユーザが積極的に受信許容状態としていると想定することができる。したがって、この信号受信強度情報が所定の閾値以上であるか否か等を特許請求の範囲における「広告情報を受信する準備に対するユーザの行為」に相当させることができる。すなわち、特許請求の範囲における「ユーザの行為」とは、所定のアプリケーションを単にインストールした(或は起動させた)というユーザの行為ではなく、広告情報の受信(表示)を望んでいる或は望んでいないというユーザの意識又は意志(準備)がある旨を、情報発信端末20に積極的に近づいているか否かという「ユーザの行為」で特定するものである。
【0047】
さらに、端末状態測定には、チャット方式等によるメッセージ表示機能が使用中(=起動中)であるか否かのアプリ使用中情報を含ませることができる。なお、このアプリ使用中情報には、例えば、電話機能やE−Mail機能(インターネット機能を含む)といった電気通信回線の使用中(通話中。送受信中、文字入力中等)を含む。したがって、これらメッセージ表示機能、通話機能、E−Mail機能、インターネット機能を使用している際には、ユーザが積極的に受信許容状態としていないと想定することができる。ただし、これらの機能に割り込み許可設定がなされている場合は、ユーザが積極的に受信許容状態としていると想定することができる。したがって、これらの機能を使用しているか否かが特許請求の範囲における「広告情報を受信する準備に対するユーザの行為」に相当する。すなわち、特許請求の範囲における「ユーザの行為」とは、所定のアプリケーションを単にインストールした(或は起動させた)というユーザの行為ではなく、広告情報の受信(表示)を望んでいる或は望んでいないというユーザの意識又は意志(準備)がある旨を、通信機能を使用しているか否かという「ユーザの行為」で特定するものである。なお、メッセージ機能を使用している場合には、逆に、積極的に公告情報を受信しようとしているとしてもよい。
【0048】
関係情報とは、チャット方式等によるメッセージ表示機能に対して少なくともユーザ端末側で「トモダチ」登録をしているか否かの情報等を意味する。なお、「トモダチ」登録の方式は特に限定されるものではないが、例えば、ユーザが@IDをフォローすることによって情報処理端末30で判定することができる。
【0049】
次に、判定回路38における動作及び判定回路38とユーザ端末10のメッセージ等のやり取りの流れを説明する。なお、以下の説明においては、端末特定回路34、関係特定回路35、商品特定回路36、及び応答先特定回路37を、ネットワーク接続した異なる3台の情報処理装置30によって処理する場合で説明する。
【0050】
具体的には、図3に示す情報処理装置30Aは、例えば、ビーコン応答サーバ機能として、端末特定回路34及び関係特定回路35を備えているものとする。
【0051】
また、情報処理装置30Bは、例えば、商品管理サーバ機能として、商品特定回路36を備えているものとする。
【0052】
さらに、情報処理装置30Cは、例えば、トークサーバ機能として、応答先特定回路37を備えているものとする。なお、応答先特定回路37のトークサーバ機能とは、どのユーザ端末10に広告情報を表示させるかの判定をしたうえで、対象のユーザ端末10の表示画面11にメッセージ表示機能によるチャット画面を表示させるとともに、そのチャット画面の表示形態に対応した広告情報等を表示させる。したがって、送受信回路32は、広告情報に関するデータをメッセージ表示機能によるチャットデータに重畳して対象のユーザ端末10に送信する。
【0053】
図3に示すように、情報発信端末20は、常時若しくは所定間隔を開けて所定時間、商品ID及び@IDを含む情報に関する信号を発信する。これにより、ユーザ端末10、例えば、女性F1が保持しているユーザ端末10A(図3では「ユーザ端末10A」)が、信号をバックグラウンドで待機していることから、所定のアプリケーションが起動するとともに、受信した信号の受信強度に関する強度レベル情報、受信した時刻を示すタイムスタンプの付与、端末状態の測定を行う。
【0054】
ここで、端末状態の測定とは、例えば、歩行中であるか停止中であるか、或は、待機中であるか使用中であるか、等を含む。
【0055】
この測定により、図1に示した女性F1や男性Mは、歩行中及び待機中の少なくとも一方であって広告情報の表示を望んでいない端末利用者であると判定する条件の一例である。一方、図1に示した女性F2のように、立ち止まってウィンドウW1に展示した商品C1を眺めているなど、ユーザ端末10が停止中である場合には、広告情報の表示を許容している端末利用者であると判定する条件の一例である。
【0056】
ここで、店舗前を歩行中の女性F1が手に持っているユーザ端末10Aは、商品ID及び@ID、並びにアプリケーションの起動、信号強度測定結果、タイムスタンプの付与、端末状態測定、MID、に関する各情報を含む端末情報を情報処理装置30Aに向けて送信する。なお、男性Mがポケットに収容しているユーザ端末10Cは、上述した待機中であるとともに、移動中(歩行中)でもあるため、結果的に女性F1と同様に広告情報の表示を積極的に許容していないものとなり得るため、ここでは女性F1の説明で兼用するものとする。
【0057】
同様に、略同じタイミングで女性F2が店舗前を通り掛かり、ウィンドウW1の前で立ち止まったとする。女性F2は、ユーザ端末10B(図3では「ユーザ端末10B」)を手に持っている状態(使用中)であるため、信号受信をバックグラウンドで待機している。これにより、所定のアプリケーションが起動するとともに、受信した信号の受信強度に関する強度レベル情報、受信した時刻を示すタイムスタンプの付与、端末状態の測定を行う。
【0058】
したがって、このユーザ端末10Bに関しても、ユーザ端末10Aとタイミングをずらして、商品ID及び@ID、並びにアプリケーションの起動、信号強度測定結果、タイムスタンプの付与、端末状態測定、MID、に関する各情報を含む端末情報を情報処理装置30Aに向けて送信する。
【0059】
情報処理装置30Aは、複数のユーザ端末10A,10Bから端末情報を取得した場合、端末情報から、ユーザ端末10A,10Bを特定するとともに、端末状態情報を含めて広告情報の表示を許容している状態であるか否かを判定する。ここで、情報処理装置30Aは、女性F1が所有するユーザ端末10Aは広告表示を許容していない状態であると判定し、女性F2が所有するユーザ端末10Bは広告表示を許容している状態であると判定する。そして、情報処理装置30Aは、少なくとも、商品IDと@IDとユーザ端末10BのMIDとを対応付けて情報処理装置30Bに送信する。
【0060】
情報処理装置30Bは、情報処理装置Aから受信した商品IDと@IDとユーザ端末10BのMIDとを対応付けた情報から、店舗の該当商品の在庫等に関しデータベースを参照し、参照結果である広告情報とMIDとを情報処理装置30Cに向けて送信する。これにより、情報処理装置30Bは、例えば、チェーンの他店や倉庫等に在庫等があるか等を含めてデータベースを参照するとともに、情報発信端末20を設置した店舗用の小売価格等に変換した広告情報等を情報処理装置30Cに送信することができる。
【0061】
情報処理装置30Cは、情報処理装置30Bから受信した広告情報とMIDとを関連付けして、ユーザ端末10Bを特定するとともに、チャット形式の広告情報に展開(データ変換等)したうえで、ユーザ端末10Bに広告情報を送信する。
【0062】
これにより、女性F2が所有するユーザ端末10Bの表示画面11には、図4(A)に示すように、広告情報が表示される。なお、女性F2は、例えば、商品を購入する場合には、表示画面の商品画像をタップすれば決済画面等に遷移し、他の商品と比較したい場合には画面の「See more」をタップすれば、例えば、図4(B)に示すように、他の商品情報の表示状態に遷移することができる。なお、これらのユーザ端末10Bの走査に伴う情報は情報処理装置30Cに直接送信され、情報処理装置30Cが情報処理装置30Bに情報の取得要求をするようにしてもよいし、上記と同じ通信経路としてもよい。
【0063】
この際、例えば、情報処理装置30Cは、商品そのものの情報を広告情報とするだけでなく、その他の関連情報、例えば、アイテムやユーザからのコメント等を、情報処理装置30Bから取得して広告情報の一部として同時に表示画面11に表示させてもよい。
【0064】
また、情報処理装置30bは、在庫情報を表示する際、グループチェーン等の近隣店舗にあるかどうかの在庫情報に加え、他の色やサイズもユーザが確認できるようにすることができる。この場合、ユーザ端末10で他の店舗の位置情報を取得するとともに、現在位置(@IDで推定可能)から、その近隣の店舗順に在庫表示をソートするのが望ましい。
【0065】
なお、情報処理装置30Aは、ユーザ端末10Aが歩行中ではなく、関係情報で「トモダチ」登録をしていないことに起因して広告表示を許容していないと判定した場合、ユーザ端末10AのMIDのみを、ユーザ端末10Bとは別に別途情報処理装置30Bに送信してもよい。これにより、情報処理装置30Cは、ユーザ端末10Aに対して、「トモダチ」登録をする推奨画面(勧誘画面)を表示させるようにすることができる。この際、情報処理装置30Aの判定により、「トモダチ」登録をしていない判定がなされているため、情報処理装置30Aにより、ユーザ端末10Aに対して、「トモダチ」登録をする推奨画面(勧誘画面)を表示させるようにしてもよい。
【0066】
次に、本発明に係る判定回路38のメインルーチンを図5を参照しつつ説明する。
【0067】
(ステップS1)
ステップS1において、判定回路38は、情報発信端末20が発信した信号をユーザ端末10が受信したことにより、そのユーザ端末10から端末情報を受信し、ステップS2に移行する。なお、判定回路38は、実質的にはステップS1において、端末情報を受信したか否かの判定を行い、受信したときにこのルーチンを実行し、受信するまでは待機状態となる。
【0068】
この際、判定回路38は、例えば、店舗の営業時間に合わせて稼働してもよいし、店舗の営業時間に拘らず稼働してもよい。この際、例えば、営業時間内は店舗内の来店者を含む端末情報を受信するが、営業時間外はウィンドウW1,W2に飾った商品を立ち止まって眺めた通行者の数を取得することができる。
【0069】
これにより、店舗側は、ウィンドウW1,W2に飾った商品の人気度(関心度)を、過去にウィンドウW1,W2に飾った商品とで比較することができ、商品の展示を他の商品と変えたり、飾り方に工夫を凝らす、営業時間中に改めて購入しに来るなどの予測を立てることも可能となる。
【0070】
(ステップS2)
ステップS2において、判定回路38は、受信した端末情報を発信したユーザ端末10
が広告情報の表示を許容しているユーザ端末であるか否かを判定する。判定回路38は、広告情報の表示を許容しているユーザ端末10であると判定した場合(Yes)には、ステップS3へと移行する。判定回路38は、広告情報の表示を許容しているユーザ端末10であると判定しなかった場合(No)には、ステップS1へとループして上記のルーチンを繰り返す。
【0071】
(ステップS3)
ステップS3において、判定回路38は、ステップS1及びステップS2を経由した端末情報のタイムスタンプから、所定時間内(例えば、3秒)の間に複数の端末情報を受信した端末情報をグループ単位としてステップS4へと移行する。
【0072】
なお、判定回路38は、端末情報を順次受信することがあるため、その都度、最初に受信した端末情報の受信時刻(タイムスタンプ基準でもよい)から所定時間内に含まれる端末情報をグループにまとめ、それ以降は次のグループとして扱えばよい。したがって、判定回路38は、最初に受信した端末情報から所定時間経過するまでに1つの端末情報しか受信していないときには、その1つを取り扱うこととなる。
【0073】
(ステップS4)
ステップS4において、判定回路38は、受信した一つ以上の端末情報から、MIDを特定し、ステップS5へと移行する。
【0074】
この際、ステップS3においてグループとされた複数の端末情報が存在していた場合、タイムスタンプの時刻順、受信強度の強度レベルの高い順、その他、所定の順序で優先度を付け、優先度の高い順にステップS5以降の処理を行うようにすることができる。
【0075】
また、グループとされた複数の端末情報に、同一のユーザ端末10のMIDが含まれている場合、例えば、商品IDも同じであることを条件として、タイムスタンプの遅い方の処理は行わないようにすることも可能である。
【0076】
(ステップS5)
ステップS5において、判定回路38は、ユーザ端末10が特定関係にあるか否かを判定する。すなわち、判定回路38は、端末情報に含まれる関係情報に「トモダチ」登録されている情報があるか否かを判定する。判定回路38は、端末情報に「トモダチ」登録されている情報があると判定した場合(Yes)には、ステップS6へと移行する。判定回路38は、端末情報に「トモダチ」登録されている情報があると判定しなかった場合(No)には、ステップS7へと移行する。
【0077】
(ステップS6)
ステップS6において、判定回路38は、商品IDと@IDとからデータベースを参照して商品情報を取得し、ステップS8へと移行する。
【0078】
(ステップS7)
ステップS7において、判定回路38は、端末情報に「トモダチ」登録されている情報があると判定しなかったため、そのMIDに対して「トモダチ」登録を推奨する情報を送信させてこのルーチンを終了する。
【0079】
(ステップS8)
ステップS8において、判定回路38は、端末情報に「トモダチ」登録されている情報があると判定したユーザ端末10に対して、広告情報を送信させてこのルーチンを終了する。
【0080】
なお、このステップS7及びステップS8のルーチンは、グループに含まれる一つ端末情報に対してのみ行うようにしてもよいし、順序立てた端末情報に対して優先順に順次行ってもよい。また、時系列で異なるグループがある場合、その以降のグループに対して、上記と同様のルーチンを繰り返すものとする。
【0081】
次に、ユーザがユーザ端末10の表示画面11に表示した広告情報に基づいて商品の購入操作を行った場合の判定回路38の決済処理ルーチンを、図6に基づいて説明する。なお、この商品購入操作は、上記メインルーチンに対する割り込みルーチン(同時並行ルーチンでもよい)である。
【0082】
(ステップS11)
ステップS11において、判定回路38は、ユーザ端末10から決済要求があったか否かが判定される。判定回路38は、ユーザ端末から決済要求があったと判定した場合(Yes)には、ステップS12へと移行する。判定回路38は、ユーザ端末10から決済要求があったと判定しなかった場合(No)には、このルーチンを終了する。
【0083】
なお、判定回路38は、例えば、広告画面(図4に示したチャット画面)の画面表示を中止したり、店舗内で商品を購入する場合等を考慮して、ユーザ端末10が決済要求をしなかった場合を想定してこのルーチンを監視するとはせず、割り込み処理とする。
【0084】
(ステップS12)
ステップS12において、判定回路38は、決済要求した商品が複数である場合を含め、購入した商品の合計金額を算出し、ステップS13へと移行する。
【0085】
このため、判定回路38は、一つの商品の画面表示をタップしたからといって、直後に合計金額を算出するのではなく、公知のネット購入サービスと同様に、他の商品を購入するかや、合計を出すなどのユーザの所定の操作に応じて合計金額を算出するものとする。
【0086】
(ステップS13)
ステップS13において、判定回路38は、仮決済処理を実行し、ステップS14へと移行する。なお、この仮決済とは、例えば、消費税額の算出等を含め、購入者に合計金額を提示するためのものである。これにより、いままで購入するとした商品の全てに対してテーブルを更新する。このテーブルの更新とは、決済に関するテーブルの更新の他、例えば、在庫情報等のデータベースのテーブルの更新を含むものとする。
【0087】
(ステップS14)
ステップS14において、判定回路38は、仮決済の完了に関する情報をユーザ端末10の表示画面に表示(提示)させ、ステップS15へと移行する。
【0088】
(ステップS15)
ステップS15において、判定回路38は、ユーザがユーザ端末10を用いた仮決済の了解を受信してステップS16へと移行する。なお、判定回路38は、例えば、仮決済の結果を見たユーザが購入中止や変更を操作する場合を考慮して、ここではタイマー等の起動により所定時間のカウントダウンを行うなどの処理は行わない。また、ユーザの何らかの操作、例えば、購入中止、変更、チャット画面の表示の中止、等の操作があった場合には、例えば、記憶回路33に購入履歴(途中)等は残してもよいし、残さなくてもよい。
【0089】
(ステップS16)
ステップS16において、判定回路38は、ユーザが仮決済を了解したことにより、決済処理を実行するとともに仮決済の状態のテーブルを更新し、ステップS17へと移行する。
【0090】
(ステップS17)
ステップS17において、判定回路38は、ユーザ端末10に対して、決済が完了した旨や、商品購入に対する御礼等を含む広告情報を送信し、表示画面11に表示させてこのルーチンを終了する。なお、店舗購入ではなく、所謂オンラインストア購入の場合には、商品到着(配送又は店舗受け取り等)までの日数等も表示する。
【0091】
また、オフライン決済を行う場合は、商品ごとにバーコード又は二次元コードを表示して決済するようにしてもよいし、カート内の情報を統合してバーコード又は二次元コードを表示するようにすることも可能である。この際、店舗端末にも購入・決済情報を送信して、対象の商品が確認できるようにするのが望ましい。
【0092】
そして、判定回路38は、決済が完了すると、オンライン決済を同一のユーザ(ユーザ端末10)からは利用できないようにする。なお、ここでの利用できないとは、決済完了に対する商品に対する追加・変更等のためのオンライン決済のことであり、新たな商品の購入等をする場合には、所定の条件(例えば、所定時間経過後)のもとに最初から行うことは可能とする。
【0093】
また、商品を購入した場合、又は、広告情報を表示画面11に表示した際には、拡散のため、MIDを利用して「トモダチ」登録の追加をユーザに推奨するなどの追加は任意である。
【0094】
次に、ユーザがユーザ端末10の表示画面11に表示した広告情報に基づいて商品の購入操作を行った場合の判定回路38の配送処理ルーチンを、図7に基づいて説明する。なお、この商品配送操作は、上記商品購入ルーチンに対する割り込みルーチンである。
【0095】
(ステップS21)
ステップS21において、判定回路38は、ユーザ端末10から配送要求があったか否かが判定される。判定回路38は、ユーザ端末から配送要求があったと判定した場合(Yes)には、ステップS22へと移行する。判定回路38は、ユーザ端末10から配送要求があったと判定しなかった場合(No)には、このルーチンを終了する。
【0096】
(ステップS22)
ステップS22において、判定回路38は、搬送要求した商品の在庫数を確認し、ステップS23へと移行する。すなわち、ここでは、ユーザが希望する商品がサイズや色違いを含めて一つとは限らない場合がある。また、チェーン等の場合、複数の商品が異なる店舗等に散らばっている場合もある。そこで、判定回路38は、商品データベースを参照して、購入予定の商品の在庫状況をリアルタイムで確認する。
【0097】
(ステップS23)
ステップ23において、判定回路38は、引き続き決済及び配送するかの確認を含め、在庫確認した結果を購入希望のユーザ端末10に対して送信し、ステップS24へと移行する。
【0098】
(ステップS24)
ステップS24において、判定回路38は、商品の配送先が指定されているか否かを判定する。すなわち、「トモダチ」登録をした際、ユーザ情報として住所等がデータベース化されているが、商品の配送に関してはプレゼント等、登録した住所に送信するとは限らない。また、住所が変更されていたり、ユーザ登録時に住所が登録されていなかったりする場合もある。そこで、ステップS24では、これらの状況を考慮して、住所登録がある場合には、登録済みの住所への配送か否かを判定する。判定回路38は、登録済みの住所への商品配送であることから、配送先の指定がある(指定した住所がデータベースにある)と判定した場合(Yes)にはステップS26へと移行する。判定回路38は、配送先の指定があると判定しなかった場合(No)にはステップS25へと移行する。
【0099】
(ステップS25)
ステップS25において、判定回路38は、配送先の住所の入力要求をユーザ端末10に対して行い、住所の適正な入力があったことを条件として、ステップS26へと移行する。
【0100】
(ステップS26)
ステップS26において、判定回路38は、ユーザ端末10に配送先の確認をするための承認要求を送信してステップS27へと移行する。
【0101】
(ステップS27)において、判定回路38は、配送先の承認要求を受領し、ステップS28へと移行する。なお、配送先の変更等がなされた場合には、ステップS24へとループすることも可能である。
【0102】
(ステップS28)
ステップS28において、判定回路38は、商品の配送に関して受付が終了した完了通知をユーザ端末10に送信し、このルーチンを終了する。
【0103】
このように、本実施の形態に係る判定回路38は、情報発信端末20から発信した信号をユーザ端末10で受信したことを契機として、ユーザ端末10に予めインストールした所定のアプリケーションが起動することにより、ユーザ端末10と電気通信回線NTを通じて接続する情報処理装置30を制御する。
【0104】
この際、判定回路38は、ユーザ端末10に所定のアプリケーションがインストールされていることにより広告情報をユーザ端末10に送信すれば、そのユーザ端末10の表示画面11に表示させることができる。すなわち、所定のアプリケーションとは、近距離無線通信による情報発信端末20から発信した信号を受信し、その受信結果に基づいて広告情報等をユーザ端末10の表示画面11に表示させる機能を実行するものである。
【0105】
すなわち、所定のアプリケーションは、店舗や店舗種類を選ぶことなく、広告情報を送信して表示画面11に表示させてしまうたれ流し状態のため、商品の購入ターゲット等を選ぶことなく送信してしまい、逆にユーザに不快感等を与えてしまう。
【0106】
このため、本実施の形態に係る判定回路38は、情報発信端末20から発信した信号に対応する広告情報を受信する準備があるユーザ端末10であるか否かを判定するための所定の端末情報を取得し、広告情報を受信する準備がある端末情報であるか否かを判定し、広告情報を受信する準備があると判定したユーザ端末10に対して広告情報を送信する。
【0107】
これにより、単に所定のアプリケーションをインストールしていることのみでユーザ端末10の全てに広告情報を送信してしまうことを抑制している。このように、ある程度のユーザを絞り込むことによって、より充実した広告情報の表示を含め、効果的な広告情報の配信サービスを提供することが可能となる。
【0108】
なお、図3に示すシーケンス図、及び図5図6図7等に示すフローチャート図は、本発明の手順を限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等を可能である。
【0109】
例えば、上記実施の形態では、図3に示すように、ユーザ端末10A,10Bから送信した端末状態情報を含む端末情報を取得した情報処理装置30Aが、広告情報の表示を許容している状態であるか否かを判定した場合で示したが、端末状態情報は、少なくともその一部をユーザ端末10で判定してもよい。
【0110】
図8は、端末状態情報のうちの受信電波強度が所定の閾値以上であるか否かをユーザ端末10A,10BのCPUで判定し、その判定結果に基づいて端末情報の発信を制御する場合を示す。
【0111】
例えば、ユーザ端末10Aは、信号強度測定結果が予め設定した所定の閾値以上であるか否かの閾値判定を実行する。ユーザ端末10Aは、信号強度測定結果が所定の閾値以上であると判定した場合に、商品ID及び@ID、並びにアプリケーションの起動、信号強度測定結果(信号強度レベル)、タイムスタンプの付与、端末状態測定、MID、に関する各情報を含む端末情報を情報処理装置30Aに向けて送信する。
【0112】
同様に、ユーザ端末10Bは、信号強度測定結果が予め設定した所定の閾値以上であるか否かの閾値判定を実行する。ユーザ端末10Bは、信号強度測定結果が所定の閾値以上である場合に、商品ID及び@ID、並びにアプリケーションの起動、信号強度測定結果(信号強度レベル)、タイムスタンプの付与、端末状態測定、MID、に関する各情報を含む端末情報を情報処理装置30Aに向けて送信する。
【0113】
この際、例えば、ユーザ端末10Aは、信号強度測定結果が所定の閾値未満である場合には、端末情報を情報処理装置30Aに向けて送信しない。
【0114】
したがって、情報処理装置30Aは、ユーザ端末10Bを特定するとともに、信号強度以外の他の端末状態情報を含めて広告情報の表示を許容している状態であるか否かを判定する。そして、情報処理装置30Aは、少なくとも、商品IDと@IDとユーザ端末10BのMIDとを対応付けて情報処理装置30Bに送信する。
【0115】
これにより、上記と同様に、女性F2が所有するユーザ端末10Bの表示画面11に広告情報が表示される。
【0116】
図9は、端末状態情報のうち、ユーザ端末10が移動中(通過中)又は収納中であるか否かをユーザ端末10のCPUで判定し、その判定結果に基づいて端末情報の発信を制御する場合を示す。
【0117】
例えば、ユーザ端末10Aは、ユーザ(女性F1)が店舗前を通過していることに起因する移動中であるか否かの通過収納判定を実行する。ユーザ端末10Aは、移動中であると判定しなかった場合に、商品ID及び@ID、並びにアプリケーションの起動、信号強度測定結果(信号強度レベル)、タイムスタンプの付与、端末状態測定、MID、に関する各情報を含む端末情報を情報処理装置30Aに向けて送信する。
【0118】
同様に、ユーザ端末10Bは、ユーザ(女性F2)が店舗前を通過していることに起因する移動中であるか否かの通過収納判定を実行する。ユーザ端末10Bは、移動中であると判定しなかった場合に、商品ID及び@ID、並びにアプリケーションの起動、信号強度測定結果、タイムスタンプの付与、端末状態測定、MID、に関する各情報を含む端末情報を情報処理装置30Aに向けて送信する。
【0119】
この際、例えば、ユーザ端末10Aは、移動中であると判定した場合には、端末情報を情報処理装置30Aに向けて送信しない。
【0120】
したがって、情報処理装置30Aは、ユーザ端末10Bを特定するとともに、歩行中(又は収納中)以外の他の端末状態情報を含めて広告情報の表示を許容している状態であるか否かを判定する。そして、情報処理装置30Aは、少なくとも、商品IDと@IDとユーザ端末10BのMIDとを対応付けて情報処理装置30Bに送信する。
【0121】
これにより、上記と同様に、女性F2が所有するユーザ端末10Bの表示画面11に広告情報が表示される。
【0122】
図10は、端末状態情報の全てをユーザ端末10のCPUで判定し、その判定結果が1つでも否定であった場合には、端末情報を情報処理装置30Aに向けて送信しないように制御するものである。
【0123】
例えば、ユーザ端末10Aは、信号強度測定結果が予め設定した所定の閾値以上であるか否かの閾値判定、ユーザ(女性F1)が店舗前を通過していることに起因する移動中であるか否かの通過収納判定、メッセージ表示機能等の通信機能が使用中であるか否かの通信状態判定、を実行する。ユーザ端末10Aは、そのうちの全てが肯定である場合に、商品ID及び@ID、並びにアプリケーションの起動、信号強度測定結果(信号強度レベル)、タイムスタンプの付与、端末状態測定、MID、に関する各情報を含む端末情報を情報処理装置30Aに向けて送信する。
【0124】
同様に、ユーザ端末10Bは、信号強度測定結果が予め設定した所定の閾値以上であるか否かの閾値判定、ユーザ(女性F2)が店舗前を通過していることに起因する移動中であるか否かの通過収納判定、メッセージ表示機能等の通信機能が使用中であるか否かの通信状態判定、を実行する。ユーザ端末10Bは、そのうちの全てが肯定である場合に、商品ID及び@ID、並びにアプリケーションの起動、信号強度測定結果(信号強度レベル)、タイムスタンプの付与、端末状態測定、MID、に関する各情報を含む端末情報を情報処理装置30Aに向けて送信する。
【0125】
この際、例えば、ユーザ端末10Aは、そのうちの1つが否定判定である場合には、端末情報を情報処理装置30Aに向けて送信しない。
【0126】
これにより、上記と同様に、女性F2が所有するユーザ端末10Bの表示画面11に広告情報が表示される。
【0127】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施の形態による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0128】
例えば、上記実施の形態では、本発明の情報発信端末20の信号を歩道に向けて発信する店外用として開示したが、店舗内に複数設置し、来客者を対象、特に、一つの商品等を眺めているなどの顧客を対象としてもよい。
【0129】
具体的には、端末情報は、情報発信端末20から発信した信号をユーザ端末10で受信したときの時刻情報を含む。そして、判定回路38は、複数の端末情報を取得したときに、時刻情報に基づいて所定時間内に複数回同一の端末情報(MID)を取得したか否かを判定し、所定時間内に複数回の同一のMIDを取得したと判定したときには、そのMIDを有するユーザ端末10に対して広告情報を送信してもよい。
【0130】
これにより、例えば、屋外にあっては、図1に示した女性F2に対して広告情報を送信することができる。また、店舗内にあっては、来店した顧客、特に、立ち止まって商品を選別している顧客に対して、その選別中の標品に関する広告情報を送信することができる。ここで、複数の顧客が付近にいても、情報発信端末20が異なったり、受信強度が異なるなど、できるだけ商品に近い顧客に対して広告情報を送信することが可能である。なお、店舗内に関しては、例えば、スイッチ等を押したときに、その顧客に対して広告情報を送信するように構成してもよいし、RFID等を併用してもよい。
【0131】
以上説明したように、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、所定のアプリケーションをインストールしていることのみを条件とはせず、広告情報の表示を望んでいるユーザであるか望んでいないユーザであるかを判別することによって、不快感や嫌悪感を与えてしまう可能性を抑制しつつ、サービスの利便性を向上することができるという効果を有し、情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したことを契機として、ユーザ端末に予めインストールした所定のアプリケーションが起動することにより、ユーザ端末と電気通信回線を通じて接続する情報処理装置の制御方法全般に有用である。
【符号の説明】
【0132】
1 情報処理装置
10 ユーザ端末
20 情報発信装置
30 情報処理装置
32 送受信回路(端末情報取得部・広告情報送信部)
38 判定回路(判定部)
【要約】
【課題】不快感や嫌悪感を与えてしまう可能性を抑制しつつ、サービスの利便性を向上することができる。
【解決手段】情報発信端末から発信した信号をユーザ端末で受信したことを契機として、ユーザ端末に予めインストールした所定のアプリケーションが起動することにより、ユーザ端末と電気通信回線を通じて接続するとともに、所定のアプリケーションをインストールしていることに加えて、情報発信端末から発信した信号に対応する広告情報を受信する準備があるユーザ端末であるか否かを判定するための所定の端末情報を取得し、広告情報を受信する準備がある端末情報であるか否かを判定し、広告情報を受信する準備があると判定した端末情報を送信した携帯端末に対して広告情報を送信する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10